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【学位論文審査の要旨】

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Academic year: 2021

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(1)

【学位論文審査の要旨】

本学位申請論文に関して,公聴会及び 3 回の審査会を開催し,論文内容に関する慎重 な審査を行った.審査結果について以下の通り報告する.

作業に伴う身体負担の評価と軽減のため,各種の人間工学的な作業姿勢評価法が利用 されている.その評価の対象となる作業は,生産システムの発展により,全身を使う高 負荷・高反復作業から上肢のみを使う軽負荷・低反復の機器操作動作へと変わり,かつ 機器・設備の保守・点検などの非定常作業の評価への対応も求められるようになった.

また,コンピュータ上で生産システムを構築する仮想生産システムの利用により,デジ タルヒューマンによる身体負担評価の利用も進みつつある.ただし現状のデジタルヒュ ーマンによる作業負担評価は,従来の観察法ベースの手法によるものが多く,微妙な姿 勢変化を伴う上肢作業や軽負荷作業,あるいは特殊な作業姿勢が生じやすい保守作業の 評価への適用には限界があった.

そこで本研究では,作業負担評価法の拡張と精度向上のため,軽負荷の機器操作動作 や保守場面を想定した作業について,その作業条件が全身の姿勢や身体負担などの作業 特性に与える影響を明らかにすることを目的としている.

本論文で得られた成果は以下のように要約できる.

1) 多様な機器操作場面で利用されるタッチパネルによるスイッチ操作作業について,

その操作法と設置条件が全身の姿勢や身体負担に与える影響を姿勢計測や関節ト ルク推定などで評価した.これにより,スイッチの操作法と設置高さに応じて姿勢 と身体負担は変化し,かつ負荷のかかる身体部位も変わることを示した.

2) 機器操作や組み立て作業で多くみられる手での押し込み動作について,力発揮の方 向と動作種類の影響を姿勢計測,操作力計測,関節トルク推定などで評価した.こ れにより,力発揮の方向に応じて全身の姿勢と身体負荷が変化し,かつ動作種類に 応じて操作力の大きさや負荷の高くなる身体部位に差が生じることを示した.

3) 機器の保守作業でみられる仰臥位での上肢作業について,作業位置と上肢及び頸 部・体幹の負担の関係を姿勢計測,筋電図計測,体圧分布計測などで評価した.こ れにより,仰臥位作業では通常の立位作業とは異なる作業位置で上肢負担が軽減す ること,作業位置により姿勢や床との接触点が変化して頸部・体幹の負担が変わる こと,上肢負担と頸部・体幹負担からみた最適作業位置はやや異なることなどを示 した.

以上のように本論文は,昨今の機器操作場面や作業場面に対応した新たな作業要因と 姿勢や身体負担の関係を解明している.その成果はより詳細な作業設計に利用可能であ り,人間工学研究として高く評価でき,かつ工学的にも寄与するところ大である.よっ て,本論文は博士(工学)の学位を授与するに十分な価値があるものと認められる.

(2)

(最終試験又は試験の結果)

本学の学位規則に従い,最終試験を行った.公開の席上で論文発表を行い,学内外の教 員による質疑応答を行った.また,論文審査委員により本論文及び関連分野に関する試 問を行った.これらの結果を総合的に審査した結果,専門科目についても十分な学力が あるものと認め,合格と判定した.

参照

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