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論文の内容の要旨 氏名:仲

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:仲 尾 岳 大

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:子宮内膜症病巣におけるAngiotensin II type 1 (AT1), type 2 (AT2) receptors発現について

[緒言]

子宮内膜症とは子宮内膜組織に類似する組織が子宮内腔以外の部位で発生・発育する疾患である。子宮内膜症の病因 は未確定だが、Prostaglandin E2(PG E2)が子宮内膜症の病態に関連していると考えられている。子宮内膜症病巣で Cyclooxygenase-2(COX-2)や誘導型microsomal prostaglandin E synthase-1(mPGES-1)が強発現しているこ とが報告された。レニン‐アンジオテンシン系renin-angiotensin system (RAS)は、血管収縮、腎における血行力学、

水電解質バランスを調節し、血圧を変化させるとともに、血管新生や細胞増殖に関連している。AngiotensinⅡ receptor Type1(AT1) receptor、Type2(AT2) receptorに分類される。

ヒト子宮内膜組織にAT1, AT2 receptorが発現しており、ラットの子宮内膜間質細胞においてangiotensinⅡはCOX-2 を誘導することが報告された。このことから子宮内膜症病巣において、RASがアラキドン酸カスケードを介して病態に 関連していると仮説を立て検証することとした。

著者は子宮内膜症病巣におけるAT1, AT2 receptor mRNAおよび蛋白産生を解析し、COX-2, mPGES-1 mRNA発現 との相関を解析検討した。

[方法]

子宮内膜症患者より採取した卵巣子宮内膜症性嚢腫壁組織29検体を対象とし、非子宮内膜症患者より採取した子宮 内膜組織15検体をコントロール対象とした。採取した子宮内膜組織は、各月経期に分類した。

免疫組織化学染色とともに、Quantitative RT-PCRを用いてAT1, AT2 receptor, COX-2, mPGES-1 mRNA発現定量 を行った。

[結果]

AT1および AT2 receptorの免疫組織化学染色において子宮内膜症患者の正所性子宮内膜(増殖期、分泌期)、卵巣 子宮内膜症性嚢胞壁のいずれの腺上皮細胞、間質細胞に陽性細胞を認めた。

AT1 receptor mRNA発現において、卵巣子宮内膜症性嚢胞壁は非子宮内膜症患者の増殖期子宮内膜に比較し有意に

高値であった。AT1 / AT2 receptor mRNA発現比において卵巣子宮内膜症性嚢胞壁は非子宮内膜症患者の増殖期子宮内 膜に比較し有意に高値であった。

卵巣子宮内膜症性嚢胞壁組織において、AT1, AT2 receptor mRNACOX-2 mRNA発現に正の相関を認めた。卵巣 子宮内膜症性嚢胞壁組織におけるAT1 / AT2 receptor mRNA発現比とmPGES-1 mRNA発現に正の相関を認め、一方 で非子宮内膜症患者では相関を認めなかった。

[考察]

今回著者は子宮内膜症の病態におけるレニン‐アンジオテンシン系との関連を検討した。ヒト子宮内膜症病巣におい て初めてAT1, AT2 receptor発現を検討し、mRNA発現および蛋白産生を確認した。

AT1 receptor mRNA発現において子宮内膜症病巣が非子宮内膜症患者の増殖期子宮内膜に比較して有意に高値であ

った。レニン‐アンジオテンシン系がAT1, AT2 receptorを介して子宮内膜症の病態に関与している可能性を考えた。

AT1, AT2 receptorCOX-2 mRNA発現に正の相関を認めた。AT1 / AT2 receptor mRNA 発現比とmPGES-1 mRNA 発現に正の相関を認め、一方で非子宮内膜症患者の子宮内膜において相関を認めなかった。レニン‐アンジオ テンシン系がアラキドン酸カスケードを介して子宮内膜症の病態に関連があることが考えられた。

これらの結果を踏まえ今後は細胞培養実験が必要であると考えられる。細胞培養実験において、AT1 receptor阻害薬 の効果を確認する必要がある。

[まとめ]

著者はヒト子宮内膜症病巣においてAT1, AT2 receptor発現を初めて確認した。レニン‐アンジオテンシン系は子宮 内膜症の病態に関連し、PGE2合成系を介して関連している可能性が考えられた。今後の更なる検討により子宮内膜症 の病態解明や、ARB (AngiotensinⅡ receptor blockers) が新たな治療法へ発展する可能性が考えられた。

参照

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