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問題 1 正解 3 難易度 A 1. 適切 税理士資格を有していないファイナンシャル プランナーは 税理士法上 有償無償にかかわらず具体的な税務相談や税額計算を行うことができないが 一般的な税法の解説を行うことは 問題なくできる 2. 適切 生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル プラン

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平成27年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定/学科試験

解答と解説

<正解> 問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10 3 3 4 2 3 4 4 4 1 3 問11 問12 問13 問14 問15 問16 問17 問18 問19 問20 4 1 3 2 3 2 3 4 2 4 問21 問22 問23 問24 問25 問26 問27 問28 問29 問30 4 3 1 3 2 1 2 3 2 3 問31 問32 問33 問34 問35 問36 問37 問38 問39 問40 2 4 4 4 2 3 3 1 4 2 問41 問42 問43 問44 問45 問46 問47 問48 問49 問50 4 1 1 3 1 1 4 3 2 1 問51 問52 問53 問54 問55 問56 問57 問58 問59 問60 1 3 3 2 3 2 4 2 3 2 ※〔60 点満点〕 (各 1 点) 〈合格基準〉60 点満点で 36 点以上

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問題 1 正解 3 難易度A 1.適切。税理士資格を有していないファイナンシャル・プランナーは、税理士法上、有 償無償にかかわらず具体的な税務相談や税額計算を行うことができないが、一般的な 税法の解説を行うことは、問題なくできる。 2.適切。生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーは、保険 の募集を行うことはできないが、保険の商品性について説明を行うことは、問題なく できる。 3.不適切。社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、有償で公 的年金の裁定請求手続きを代行することはできない。労働および社会保険諸法令に基 づいて行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書その他の書類の作成および提出、 法令に基づく帳簿書類の作成等の事務手続きを、他人の求めに応じ報酬を得て行える のは、社会保険労務士法により、社会保険労務士だけである。 4.適切。司法書士資格などの資格を有しないファイナンシャル・プランナーでも、顧客 の代理人(任意後見受任者)を引き受けることはできる。任意後見契約を締結した段 階での受任者は任意後見受任者と呼ばれ、委任者の判断能力が低下し、任意後見監督 人が選任されて任意後見が開始されると任意後見人と呼ばれるようになるが、任意後 見人の資格には制限はない。ただし、破産者、本人に対して訴訟を提起したことがあ る者、不正な行為・著しい不行跡のある者などは後見人の欠格事由となる。 問題2 正解 3 難易度A 1.不適切。給与所得者の可処分所得の金額は、給与所得の源泉徴収票の支払金額欄に記 載された金額から、所得税・住民税と社会保険料を差し引いた金額である。 2.不適切。キャッシュフロー表の作成において、住宅ローンの返済額は、実際の返済額 または想定される返済額を記入する。なお、基本生活費などの経常的な支出について 物価変動を考慮する場合には、「今年の数値=前年の数値×(1+物価変動率)」など の算式により計算した値を記入する。 3.適切。キャッシュフロー表の作成において、貯蓄残高は、「前年末の貯蓄残高×(1+ 運用利率)±当年の年間収支」の算式により計算した値を記入する。 4.不適切。個人バランスシートにおける資産評価は時価評価が原則であるので、不動産 は近隣の取引事例などを参考に作成時の時価を記入する。 問題3 正解 4 難易度A 1.不適切。任意継続被保険者となるための要件は、①健康保険の被保険者資格の喪失日 の前日までに継続して2 ヵ月以上の被保険者期間があること、②資格喪失日から 20 日 以内に申請することである。 2.不適切。自己都合であっても会社都合であっても、上記1.の要件を満たせば、任意

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継続被保険者となることができる。 3.不適切。任意継続被保険者の保険料は、全額自己負担である。 4.適切。任意継続被保険者に所定の要件を満たす配偶者や子がいる場合、それらの者を 健康保険の被扶養者とすることができる。 問題4 正解 2 難易度B 1.適切。雇用保険の基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前 2 年間に 雇用保険の一般被保険者であった期間が通算して12 ヵ月以上なければならない。なお、 特定受給資格者(倒産解雇等の離職者)または特定理由離職者(期間の定めのある労 働契約期間が満了し更新がないため離職した者)に該当する場合は、離職の日以前 1 年間に被保険者期間が通算して6 ヵ月以上あるときに支給される。 2.不適切。特定受給資格者など会社都合退職の場合は、待期期間の7日間が経過したと きに基本手当の支給が開始されるが、自己都合退職の場合や本人の重大な理由による 解雇などの場合は、待期期間7日間に加え給付制限期間として最長 3 ヵ月間支給され ない。 3.適切。基本手当を受けることができる期間を受給期間といい、原則として、離職の日 の翌日から起算して1年間となっている。受給期間が過ぎると、たとえ所定給付日数 が残っていても支給は終了する。 4.適切。基本手当の受給期間内に出産、疾病などの理由により引き続き30 日以上働くこ とができなくなった場合、その働くことのできなくなった日数だけ受給期間を延長す ることができる(延長できる期間は最長3 年間)。 問題5 正解 3 難易度B 1.不適切。第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者で、第 2 号被保険者および第3 号被保険者のいずれにも該当しない者である。 2.不適切。第2 号被保険者は、70 歳未満の会社員や公務員など被用者年金各法の被保険 者、組合員または加入者である(20 歳未満でも第 2 号被保険者となる)。なお、65 歳 以上で老齢年金の受給権を得ている人は、第2 号被保険者とはならない。 3.適切。第3 号被保険者は、第 2 号被保険者の被扶養配偶者で、20 歳以上 60 歳未満の 者である。 4.不適切。20 歳未満の者は、国民年金に任意加入することはできない。なお、60 歳まで に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合や、20 歳~60 歳の 40 年間(480 月)の保険料納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合であって、 厚生年金・共済組合に加入していないときは、60 歳以降でも国民年金に任意加入する ことができる。

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問題6 正解 4 難易度B 1.不適切。遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者の死亡 の当時、その者によって生計を維持されていた①配偶者または子、②父母、③孫、④ 祖父母の順に優先順位の高い者に支給される。なお、子、孫とは18 歳到達年度の年度 末を経過していない者または20 歳未満で障害年金の障害等級 1・2 級の者を指し、夫、 父母、祖父母は 55 歳以上であることが条件である(支給開始は 60 歳から)。ただし、 夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。 2.不適切。遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間を基礎 として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4 分の 3 相当額である。 3.不適切。遺族基礎年金は子どものいない妻には支給されないし、子がいてもその子が 18 歳到達年度の年度末(1 級・2 級の障害の子は 20 歳)に達すれば支給されなくなる が、厚生年金保険の被保険者である夫が死亡したときに40 歳以上で子のない妻(夫の 死亡後40 歳に達した当時、子がいた妻も含む)が受ける遺族厚生年金には、40 歳から 65 歳になるまでの間、中高齢寡婦加算額が加算される。 4.適切。遺族厚生年金の受給権者が特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合、 65 歳に達するまでは、いずれか一方の年金を選択して受給する。 問題7 正解 4 難易度B 1.適切。厚生年金基金の老齢給付のうち、代行部分は終身年金として受け取ることにな るが、加算部分は基金ごとの規約により一時金で受け取ることも可能である。 2.適切。平成26 年 4 月 1 日以降、厚生年金基金の新規設立は認められない。 3.適切。加入員が負担した厚生年金基金の掛金は、その全額が所得税における社会保険 料控除の対象となる。 4.不適切。厚生年金基金の老齢給付は、老齢厚生年金と同様のスケジュールで、生年月 日により支給開始年齢が60 歳~65 歳に段階的に引き上げられている。 問題8 正解 4 難易度B 1.不適切。中小企業退職金共済(中退共)は、国の援助で中小企業が退職金制度を持て るようにすることを目的とした制度で、従業員は加入できるが、役員や個人事業主本 人は加入できない。掛金は全額事業主負担で、月額5,000 円~30,000 円の 16 種類の中 から従業員ごとに任意に選択できる。掛金は税法上、法人企業の場合は損金、個人企 業の場合は必要経費となる。また、従業員の給与所得にもならない。なお、新しく中 退共制度に加入する事業主には、掛金月額の2 分の 1(従業員ごと上限 5,000 円)を加 入後4 ヵ月目から1年間、国が助成する。 2.不適切。小規模企業共済は、小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等 の役員が役員を退職した場合などに、積み立てた掛金に応じた共済金を受け取る共済

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制度である。掛金月額は、1,000 円から 7 万円までの範囲(500 円刻み)で自由に選べ る。掛金は税法上、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除される。なお、 中退共制度のような掛金についての国の助成はない。 3.不適切。国民年金基金制度は、国民年金(老齢基礎年金)とセットで、自営業者など 国民年金の第1 号被保険者の老後の所得保障の役割を担う制度である。国民年金の第 3 号被保険者は加入することができない。掛金の上限は月額 6 万 8,000 円で、全額社会 保険料控除として所得控除できる。 4.適切。国民年金基金への加入は口数制となっており、1口目は終身年金、2口目以降 は終身年金または確定年金から加入者が選択する。 問題9 正解 1 難易度B 1.適切。フラット 35(買取型)の住宅ローン金利、融資手数料は取扱金融機関ごとに異 なる。なお、その他の商品性は全ての取扱金融機関で同じである。 2.不適切。住宅金融支援機構のインターネットサービス「住・My Note」は、機構 の住宅ローンやフラット35 を利用中の顧客が、借入金残高照会、証明書類の発行依頼、 繰上返済のシミュレーションや一部繰上返済の申込みなどをインターネットを通じて 利用できるサービスである。一部繰上げ返済を申し込む場合、返済可能な金額は10 万 円以上である。 3.不適切。融資対象となる一戸建て住宅は、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合 し、かつ、住宅の床面積が、① 一戸建て住宅、連続建て住宅、重ね建て住宅の場合は 70 ㎡以上、② 共同建ての住宅(マンションなど)の場合は 30 ㎡以上である。 4.不適切。融資期間は、下限は15 年(ただし、申込み本人または連帯債務者の年齢が満 60 歳以上の場合は 10 年)以上で、上限は申込者が 80 歳になるまでの年数と 35 年の いずれか短い年数である。 問題 10 正解 3 難易度B 1.適切。「ねんきん定期便」は、日本年金機構から毎年1回、送付対象者の誕生月(1日 生まれの者には誕生月の前月)に送付される。 2.適切。「ねんきん定期便」には、国民年金の被保険者期間や厚生年金保険の被保険者期 間が記載されているが、共済組合の組合員期間は記載されていない。共済組合等にお ける加入記録については、現在、日本年金機構と共済組合等との情報交換により整備 を行っており、この整備が完了するまで「ねんきん定期便」には表示しないこととし ている。 3.不適切。「ねんきん定期便」に表示されている「老齢年金の見込額」は、年齢により、 ・50 歳未満の人:年金額は、老齢年金を受け取るために必要な年金加入期間の有無に 関わらず、現時点での加入実績に応じて計算している。

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・50 歳以上 60 歳以下の人:「ねんきん定期便」の作成年月日時点で加入している年金 制度に継続して加入し、①特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利が確定したとき、 ②60 歳到達のいずれか早い時点の前月まで保険料を同じように納めると仮定して計 算している。 ・61 歳以上の人(既に年金を受け取られている人を除く):「ねんきん定期便」の作成 年月日の前々月までの年金加入期間(未納期間を除く)に基づき計算している。 4.適切。「ねんきん定期便」に記載されている年金加入記録に「もれ」や「誤り」があっ た場合は、年金加入記録回答票にその旨を記入して日本年金機構に記録の調査を申し 出ることができる。 問題 11 正解 4 難易度A 1.不適切。保険会社が破たんした場合、運用実績連動型保険契約の特定特別勘定部分を 除いた国内における保険契約を対象に、破綻時点の責任準備金等の 90%までが生命保 険契約者保護機構により補償される。ただし、高予定利率契約については、責任準備 金等の補償限度が以下の算式のとおりとなる。 高予定利率契約の補償率 = 90%-{(過去 5 年間における各年の予定利率-基準利 率)の総和÷2} 2.不適切。国内銀行の窓口経由で契約されたものであっても、生命保険は預金ではない ため、預金保険制度による保護の対象とはならず、生命保険契約者保護機構による補 償対象となる。 3.不適切。地震保険は「地震保険に関する法律」に基づくもので、一定規模以上の支払 保険金が生じた場合、損害保険会社が支払う保険金の一部または全部を国が負担する ことになっている。そのため、保険会社破綻後、いつの時点で保険事故が起きても支 払われるべき保険金が全額補償される。 4.適切。保険会社破綻後 3 か月間に生じた事故については、損害保険契約者保護機構が 資金援助を行うことによって、保険金の全額支払いを継続できる。3 ヵ月経過以降の保 険事故に関しては、保険会社破綻時の責任準備金等の80%まで補償される。 問題 12 正解 1 難易度B 1.適切。無選択型終身保険は、医師による診査や告知の必要がなく、保険会社が契約の 引き受けを行うかどうかの選択を行わない商品で、加入可能な年齢の人であればだれ でも加入することができる。 2.不適切。低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を通常の終身保 険の 70%程度に抑制したもので、同じ保障内容の終身保険と比べて保険料が割安にな っている。 3.不適切。一時払変額終身保険は、運用実績に応じて死亡保険金額や解約返戻金額が変

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動する。死亡保険金額は一時払保険料相当額が最低保証されるが、解約返戻金額に最 低保証はない。 4.不適切。利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)の積立部分(アカウント部分) は、必要に応じて引き出すことができるが、手数料がかかる場合がある。 問題 13 正解 3 難易度B 1.不適切。「一般の生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそ れぞれの控除額上限は、所得税においては年間払込保険料80,000 円超で 40,000 円で ある。住民税においては年間払込保険料56,000 円超で 28,000 円である。 2.不適切。「介護医療保険料控除」の対象となる医療保険契約の契約形態は、給付金受取 人が契約者(=保険路湯負担者)またはその配偶者、その他の親族であるものとする。 3.適切。「個人年金保険料控除」の対象となる個人年金契約は次の要件に該当するもので ある。 ・年金の受取人は、保険料もしくは掛金の払込みをする者、またはその配偶者となっ ている契約であること。 ・保険料等は、年金の支払を受けるまでに10 年以上の期間にわたって、定期に支払う 契約であること。 ・年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60 歳になってから支払うとされて いる10 年以上の定期または終身の年金であること。 4.不適切。少額短期保険契約の保険料は、生命保険料控除の対象にならない。 問題 14 正解 2 難易度A * 相続開始時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価 額は、相続開始時にその契約を解約した場合に支払われる解約返戻金の額によって評 価する。設問のケースでは、相続開始時における解約返戻金相当額 640 万円が当該生 命保険の権利の価額である。したがって、2.が正解となる。 問題 15 正解 3 難易度B 1.適切。契約者、死亡保険金受取人、満期保険金受取人がいずれも法人である場合、法 人が支出した養老保険の保険料は全額保険料積立金として資産に計上する。 2.適切。契約者、死亡保険金受取人がともに法人である長期平準定期保険において、保 険期間の 6 割相当期間が経過した後、支払った保険料は全額損金に算入し、それまで 資産に計上していた前払保険料を期間の経過に応じて取り崩して損金に算入する。な お、保険期間の前半6 割の期間において法人が支払う保険料は、2 分の1を損金算入、 2 分の 1 を資産計上する。 3.不適切。契約者、死亡保険金受取人がともに法人である終身保険において、法人が支

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出した終身保険の保険料は保険料積立金として資産計上する。終身保険を解約して解 約返戻金を受け取った場合、資産計上されている保険料積立金等を取り崩し、受け取 った解約返戻金との差額を雑収入として益金算入する。解約返戻金よりも保険料積立 金のほうが多い場合、差額を雑損失として損金算入する。 4.適切。契約者、給付金受取人がともに法人である医療保険において、入院給付金・手 術給付金は全額を雑収入として経理処理する。 問題 16 正解 2 難易度B 1.適切。「失火の責任に関する法律」では、火事を起こして近隣の家に損害を与えたとし ても、故意または重過失の場合でなければ、火元には賠償責任は発生しないと定めら れている。そのため、もらい火から自分の家を守るためには火災保険に入っておく必 要がある。火災保険では、隣家の火災の消火活動により被った住宅建物の損害も補償 される。 2.不適切。火災保険は事故や災害などの突発的な損害をカバーするものであり、シロア リの食害による住宅建物への損害は対象外である。 3.適切。火災保険は落雷による衝撃損害、電気機器などへの波及損害も補償対象となる。 4.適切。自動車は火災保険の目的とすることができず、補償されない。 問題 17 正解 3 難易度A 1.適切。対人賠償保険とは、自動車事故で他人を死傷させて損害賠償責任を負ったとき、 自賠責保険の支払いを超える部分について保険金が支払われるものである。したがっ て、被保険者の父母や配偶者等は補償対象とならない。 2.適切。対物賠償保険とは、自動車事故により他人の財物に損害を与え、法律上の損害 賠償責任を負ったときに保険金が支払われるものである。したがって、有料駐車場の 自動精算機に誤って接触したことによって与えた損害に対する損害賠償は補償対象と なる。 3.不適切。人身傷害補償保険とは、被保険者が自動車事故により死傷、後遺障害を負っ た場合、過失割合を問わず保険金が支払われるものである。 4.適切。一般条件の車両保険では、契約の自動車が盗難または衝突・接触・火災・爆発・ 台風・竜巻・洪水などの偶然な事故によって損害を被った場合に保険金が支払われる。 問題 18 正解 4 難易度A 1.適切。業務中のケガに備え、個人事業主が従業員を被保険者として普通傷害保険に加 入した場合の保険料は、必要経費として所得から差し引くことができる。 2.適切。契約者(=保険料負担者)自身が受け取る満期返戻金は、一時所得として所得税 の課税対象となる。一時所得の金額は、同じ年に他の一時所得が無い場合には、次の

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計算式により求められる。 一時所得の金額={満期返戻金(契約者配当金含む)-支払保険料-特別控除(最 高50 万円)}×1/2 3.適切。年金払積立傷害保険から年金として受け取る給付金は、雑所得として所得税の 課税対象となる。 4.不適切。家族傷害保険の契約者が、当該契約の被保険者の 1 人が不慮の事故で死亡し たことにより死亡保険金を受け取った場合、一時所得として所得税の課税対象となる。 問題 19 正解 2 難易度A 1.不適切。医療保険では、契約手続きをした後、責任開始までに一定の免責期間を設け ることはしないのが一般的である。例外として、無選択型医療保険には免責期間を設 けているものがある。 2.適切。医療保険において、入院とは医療法に定める病院や診療所等への入院のことで あるので、介護老人保健施設に入所しても入院給付金は支払われない。 3.不適切。一般的に、医療保険の入院給付金には、1 回の入院で受け取れる支払日数に限 度があり、保険期間を通して受け取ることができる支払日数にも上限が定められてい る。ただし、所定の病気の治療を目的とする入院を無制限にしている商品もある。 4.不適切。医療保険の入院給付金は、入院中であっても請求することができる。 問題 20 正解 4 難易度B 1.不適切。請負業者賠償責任保険は、土木工事や清掃作業等の請負業務の遂行や請負業 務を行うために所有、使用または管理している施設が原因となり、他人にケガをさせ たり、他人の物を壊したりしたことにより、被保険者が法律上の賠償責任を負った場 合に被る損害を補償する保険である。宿泊業を営む企業が、客から預かった荷物の盗 難や汚損・毀損に備えて加入するのは、受託者賠償責任保険である。 2.不適切。生産物賠償責任保険(PL 保険)は、製造・販売した製品や商品や仕事の終了 後、行った仕事の結果が原因となり、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりし たために、被保険者が法律上の賠償責任を負担された場合に被る損害を補償する保険 である。飲食店が食中毒を起こした場合の売り上げの減少に備えるのは、店舗休業保 険である。 3.不適切。施設所有(管理)者賠償責任保険とは、企業が所有、使用もしくは管理して いる各種の施設・設備・用具等の管理の不備、または従業員等の業務活動中のミスに より発生した偶然な事故に起因して、他人の生命や身体を害したり、他人の財物を滅 失、破損または汚損したことにより法律上の損害賠償責任を負った場合に被る損害を 補償する保険である。業務中の従業員のケガに備えるのは、労働災害発生時の従業員 等への法定外補償、使用者の損害賠償リスクを補償する労働災害総合保険である。

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4.適切。火災保険では、地震による損壊・埋没等の損害、地震による火災損害も補償さ れない。地震危険担保特約を附帯することにより、工場建物が地震により倒壊・火災 の被害を受けたときも補償される。 問題 21 正解 4 難易度A 1.適切。わが国の国内総生産(GDP)においては、民間最終消費支出が最も高い構成 比を占めている。2014 年度のデータでは、実質GDPの 58.5%、名目GDPの 59.8% が民間最終消費支出である。したがって、国内景気の動向を考える場合は、個人消費 の現状および先行きをどう判断するかが重要なポイントの一つになる。 2.適切。消費者物価指数は、基準年を設定し、基準年に比べてどれだけ物価が変化した かを表している。消費構造は、新しい商品(財・サービス)の出現や嗜好の変化等に よって時代と共に変化し、基準年を長い期間固定すると、次第に実態と合わなくなる。 そのため、基準年を一定の周期で新しくする「基準改定」を行い、指数に採用する品 目とそのウエイトなどを見直している。日本の消費者物価指数は、5年ごとに改定さ れ、西暦で末尾が0と5の年を基準年としている。 3.適切。時価表示のGDP(国内総生産)を名目GDPといい、名目GDPの増加率を 名目経済成長率という。一方、物価変動(物価の上昇・下落)の影響を取り除いたG DPを実質GDPといい、実質GDPの増加率を実質経済成長率という。 物価が上昇する局面では、物価が上昇した分だけ時価表示の金額が増えるので、名目 経済成長率のほうが実質経済成長率より数値が高くなる。逆に、物価が下落する局面 では、物価が下落する分だけ時価表示の金額が減少するので、名目経済成長率のほう が実質経済成長率より数値が低くなる。 なお、GDP統計では、名目GDPを実質GDPで割って 100 倍したものをGDPデ フレーターといい、名目GDPをGDPデフレーターで割って 100 倍すると実質GD Pになる。 GDPデフレーター= GDP GDP 実質 名目 ×100 実質GDP= デフレーター 名目 GDP GDP ×100 GDPデフレーターが上昇していれば国内の物価水準が上昇している(=インフレ) ということを意味し、GDPデフレーターが下落していれば国内の物価水準は下落し ている(=デフレ)ということを意味する。 仮に、ある年の名目GDPと実質GDPを100とし、翌年の名目GDPが101になった 場合の名目経済成長率はプラス1%になる。一方、この間、GDPデフレーターが100 から103に上昇したとすると(物価水準が3%上昇)、実質GDPは、名目GDP÷GD Pデフレーター×100=101÷103×100=98.06となり、実質経済成長率はマイナス 1.94%となる。このように、名目経済成長率がプラスであっても、それ以上に物価が上 昇している局面では、実質経済成長率はマイナスになる。

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4.不適切。「金融部門から経済全体に供給される通貨量の残高」を調査しているのはマネ ーストック統計である。全国企業短期経済観測調査(日銀短観)とは、日本銀行が全 国約1万社の企業の経営者を対象として3、6、9、12 月に行っているアンケート調査 であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的 としている。 問題 22 正解 3 難易度B 1.適切。「無利息」「要求払い(預金者が払戻しをいつでも請求できること)」「決済サー ビスを提供できること」という 3 要件を満たす預金を決済用預金という。決済用預金 は、一般預金等とは別枠で、その全額が預金保険制度による保護の対象となっている。 具体的には、当座預金、無利息(金利がゼロ%)の普通預金などが決済用預金に該当 している。 2.適切。オプション取引などのデリバティブを組み込んだ仕組預金は、原則として、中 途解約することができない。なお、銀行がやむを得ないものと認め、満期前解約に応 じる場合、元本割れが生じる可能性があり。市場の環境等によっては大きく元本割れ する可能性もある。 3.不適切。スーパー定期預金は、一般に、預入期間3年未満は単利型のみ、3年以上は 単利型と半年複利型の選択制となっており、半年複利型を利用できるのは個人のみと されている。 4.適切。貯蓄預金は普通預金と同じようにいつでもお金の出し入れが自由な預金だが、 決済性の制限があり、公共料金などの自動支払口座や給与・年金などの自動受取口座 として利用することはできない。 問題 23 正解 1 難易度A 1.不適切。運用の目標基準、あるいはパフォーマンス(運用実績)の評価基準となるも のをベンチマークという。多くの投資信託では、所定の市場指数(インデックス)を ベンチマークとして定めている。このベンチマークの動きに連動して、同等の運用成 果を目指す運用スタイルをパッシブ運用といい、ベンチマークを上回る運用成果を目 指す運用スタイルはアクティブ運用という。 2.適切。バリュー投資とは、利益水準や資産価値などに比べ株価が割安と判断される銘 柄(割安株)を選定し投資していく運用手法で、割安な銘柄はいずれ適正に評価され るはずであり、そこで超過リターンを得ようという運用スタイルである。なお、グロ ース投資とは、売上高や利益の伸び率などから、今後高い成長が期待できると判断さ れる銘柄(成長株)を選別し投資していく運用手法である。 3.適切。ボトムアップ・アプローチとは、銘柄選択を重視し、個別銘柄の調査・分析に よって銘柄を選定し、その積上げによりポートフォリオ構築を図る運用手法をいう。

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4.適切。トップダウン・アプローチとは、まずマクロ経済の分析を行い、それによって どこの国が有望か、株式や債券への投資割合はどうしたらいいか、業種別の配分はど うしたらいいか、といった手順を踏み、国別・資産別・業種別の配分を決定し、最後 に個別銘柄の選別をするという手順を取る運用手法をいう。 問題 24 正解 3 難易度A 3.が誤り。 所有期間利回りとは、債券を途中換金した場合の利回りをいい、計算式は次のとおりで ある。 所有期間利回り(%)= 買付価格 所有期間 売付価格-買付価格 表面利率+ ×100 問題の場合、表面利率 0.5%、売付価格 102.00 円、買付価格は新規発行時に購入してい るので発行価格の100.23 円、所有期間 3 年となるので、その所有期間利回りは次のとおり となる。 所有期間利回り(%)= 23 . 100 3 23 . 100 00 . 102 5 . 0 + - ×100=1.0874…≒1.087(%) 選択肢3の場合、売付価格を「102.00」とすべきところを「100.23」、買付価格を「100.23」 とすべきところを「102.00 としているので、誤りである。 他の利回り計算は、正しい。 問題 25 正解 2 難易度A 1.不適切。日経平均株価(日経 225)は、東京証券取引所第一部に上場している全銘柄で はなく、代表的な225 銘柄を選び、算出している株価指数である。 2.適切。日経平均株価(日経225)は、株価の権利落ちや銘柄の入れ替えなどがあっても、 株価の連続性が保てるように工夫された修正平均株価である。具体的には、日経平均 株価は 225 銘柄の株価の合計を除数というもので割って、株価の連続性が保てるよう にしている。 3.不適切。東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所第一部に上場している全ての銘 柄を対象として算出されている株価指数である。第二部に上場している銘柄は対象と していない。 4.不適切。東証株価指数(TOPIX)は、株式数(浮動株)でウエイトをつけた時価総額 加重型の株価指数なので、時価総額の大きい銘柄(大型株)の値動きの影響を受けや すいという特徴がある。一方、日経平均株価(日経225)は、会社の規模の違いなどを 考慮せず、株価だけを対象として算出されているため、値がさ株(株価水準が高い銘

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柄、それだけ値幅が大きい)の値動きに影響を受けやすい。 問題 26 正解 1 難易度B 1.適切。コール・オプションとは、将来の一定期日または一定期間内に、株式などの原 資産をあらかじめ定められた価格(権利行使価格)で買う権利のことをいう。売る権 利は、プット・オプションという。 2.不適切。取引開始日から取引最終日までの間であれば、いつでも権利行使可能なオプ ションは、アメリカンタイプという。満期日に限り権利行使可能なオプションを、ヨ ーロピアンタイプという。 3.不適切。オプション取引においては、「コール」、「プット」にかかわらず、オプション の買い手は権利を行使せず放棄することができるので、その損失は支払ったオプショ ン・プレミアム(オプション料)に限定され、原資産の価格が想定した方向に動けば 動くほど大きな利益が得られる。これに対し、オプションの売り手の利益は、買い手 から受け取ったオプション・プレミアムに限定され、原資産の価格動向によっては大 きな損失を被る。 4.不適切。コール・オプションの場合は、原資産の価格が一定だとすると、権利行使価 格が低くなるほど、オプション・プレミアム(オプション料)は高くなる。 (例)A社の株式を買える権利で株価が1,000 円の場合 ・権利行使価格が900 円だとすると、時価 1,000 円の株式を 900 円で買えるの で、この権利には100 円の価値がある。 ・権利行使価格が800 円だとすると、時価 1,000 円の株式を 800 円で買えるの で、この権利には200 円の価値がある。 一方、プット・オプションの場合は、原資産の価格が一定だとすると、権利行使価格 が低くなるほど、オプション・プレミアム(オプション料)は低くなる。 (例)A社の株式を売れる権利で株価が1,000 円の場合 ・権利行使価格が1,200 円だとすると、時価 1,000 円の株式を 1,200 円で売れ るので、この権利には200 円の価値がある。 ・権利行使価格が1,100 円だとすると、時価 1,000 円の株式を 1,100 円で売れ るので、この権利には100 円の価値がある。 問題 27 正解 2 難易度A 2.が正しい。 ドルコスト平均法とは、価格変動商品に毎回一定金額を投資していく方法をいう。一定 金額で投資していくため、価格が高いときには買付数量が少なくなり、価格が安いときに は買付数量が多くなる。この結果、平均買付コストを低くできるという効果が期待できる。 問題の場合、各回の買付で購入できた株数は次のとおりになる。

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第1回…3 万円(投資金額)÷2,000 円(株価)=15 株 第2回…3 万円(投資金額)÷1,500 円(株価)=20 株 第3回…3 万円(投資金額)÷2,000 円(株価)=15 株 第4回…3 万円(投資金額)÷1,200 円(株価)=25 株 合計12 万円の投資金額で計 75 株を購入できたので、その平均取得単価(株価)は、12 万円÷75 株=1,600 円、になる。 問題 28 正解 3 難易度B 1.不適切。追加型の公募株式投資信託の元本払戻金(特別分配金)は、文字どおり、投 資家の元本の一部が払い戻されたものであり、必ず非課税扱いになる。なお、その投 資家にとって利益となっている部分からの普通分配金は、配当所得の扱いである。 2.不適切。上場株式等の配当金に対する源泉徴収税率は、平成25(2013)年 12 月まで は軽減税率10%(所得税 7%+住民税 3%)が適用されていたが、平成 26(2014)年 1 月からは、本則の 20%(所得税 15%+住民税 5%)となっている。なお、平成 25 年 1 月からは、所得税について復興特別所得税が加算されているので、源泉徴収税率 は、平成25 年が 10.147%、平成 26 年以降は 20.315%になっている。 3.適切。上場株式等の配当金の税金の扱いについては、受取時に 20.315%の税金が源泉 徴収され、①申告不要とする、②申告分離課税を選択する、③総合課税扱いにし配当 控除の適用を受ける、の3種類の中から選択できる。申告分離課税の扱いを選択する と、上場株式等の譲渡損との損益通算ができるが、配当控除の適用はない。 4.不適切。外貨建てMMFの譲渡益は、平成27(2015)年 12 月までは、為替差益も含 めて非課税である。平成28(2016)年1月以降は、税率 20.315%(所得税・復興特別 所得税15.315%+住民税 5%)の申告分離課税に変更される。 問題 29 正解 2 難易度A 1.不適切。預金者が預金保険の対象金融機関に預金をすると、預金者、金融機関および 預金保険機構の間で、預金保険法に基づき自動的に保険関係が成立する。このため、 預金者自身が、預金保険加入の手続を行う必要はない。 2.適切。預金保険制度の保護の対象となっているのは、円建ての預金等であり、外貨預 金は保護の対象外である。 3.不適切。銀行は投資者保護基金に加入できないため、国内銀行で購入した投資信託は 投資者保護基金による補償の対象外である。また、投資信託は預金等ではないため、 預金保険制度の保護の対象にもなっていない。 4.不適切。個人事業主の場合(法人格がない場合)、事業用の預金等と事業用以外の預金 等は、仮に分けて管理していたとしても、同一人の預金等として名寄せされ、合算し て元本 1,000 万円までとその利息等が保護される(ただし決済用預金は別枠で全額保

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護される)。事業用と事業用以外の預金等が、それぞれ別々に1,000 万円まで保護され るわけではない。 問題 30 正解 3 難易度B 1.適切。「金融商品取引契約の締結またはその勧誘に関して、顧客に対し、虚偽のことを 告げる行為」は禁止されている。「虚偽」の対象は限定されていないので、事実と異な ることを告げてはいけないのは当然として、誤解を生じさせるような曖昧なことも告 知・表示しないように注意する必要がある。 2.適切。金融商品取引法では、金融商品取引業者等に対して「契約締結前の書面交付」 を原則として義務付けている。これは顧客保護を図るためには、金融商品の取引を開 始する前に、顧客に対して、契約の内容や手数料、リスク等について十分説明する必 要がある、という理由により定められたものである。なお、この書面は顧客にただ交 付するだけではなく、リスク情報等について「顧客に理解されるために必要な方法お よび程度によって説明」することが義務付けられている。 3.不適切。金融商品取引法では、投資家をプロの投資家である特定投資家と、それ以外 の一般投資家に区分しており、一般投資家に対する販売・勧誘に関しては、広告規制、 契約締結前の書面交付義務、適合性の原則などが適用される。一方、金融商品取引業 者等と投資家との間に存在する情報格差を是正することを目的とするこれらの規制に 関しては、特定投資家に対しては、原則として免除される。ただし、断定的判断の提 供による勧誘の禁止など、市場の公正確保を目的とする規制に関しては、一般投資家、 特定投資家ともに適用の対象となっている。 4.適切。金融商品取引法制では、投資リスクのある商品を幅広く対象とすることで法の 隙間を埋め、同じ経済的機能を有する金融商品には同じルールを適用することにして いる。具体的には、株式、債券、投資信託はもちろん、預金では仕組預金(デリバテ ィブ預金)や外貨預金、保険では変額保険、変額年金保険、外貨建て保険、外貨建て 年金保険などが対象になっている。なお、預金や保険は銀行法、保険業法などで規制 されており、金融商品取引法の直接の規制対象ではない。しかし投資性の強い預金や 保険などの販売・勧誘業務については、金融商品取引法と同等の利用者保護規制(販 売・勧誘ルール)が適用されるよう、銀行法や保険業法などの規定が整備されている。 問題 31 正解 2 難易度A 2.が適切。所得税額の原則的な計算手順は、次の順となる。 (ア)課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計 算方法により所得の金額を計算する。 (オ)損益通算、純損失・雑損失の繰越控除を行う。→総所得金額の算出。 (ウ)医療費控除や配偶者控除などの所得控除を行う。→課税総所得金額の算出。

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(エ)所定の税率を乗じて、算出所得税額を計算する。 (イ)配当控除や住宅借入金等特別控除などの税額控除を行う。 問題 32 正解 4 難易度A 4.の退職所得は、分離課税の対象となる。 1.2.3.は総合課税の対象である。なお、譲渡所得のうち、土地建物の譲渡所得、 株式の譲渡所得は、分離課税となる。 問題 33 正解 4 難易度A 1.不適切。個人向け国債の利子を受け取ったことによる所得は、利子所得となる。 2.不適切。個人事業主が店舗として使用している建物を売却したことによる所得は、譲 渡所得となる。 3.不適切。自己が保険料を負担した変額個人年金保険の解約返戻金を受け取ったことに よる所得は、一時所得となる。 4.適切。確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受け取ったことによる所得は、退職所得 となる。なお、年金で受け取ったときは雑所得となる。 問題 34 正解 4 難易度B * 総所得金額を計算する際、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の赤字は、原 則として他の所得と損益通算できるが、不動産所得のうち土地の取得に要した負債の 利子や、譲渡所得のうちゴルフ会員権や株式の譲渡による損失は損益通算の対象とな らない(ゴルフ会員権は、従来は損益通算できたが、平成26 年 4 月以降、損益通算が 認められない取扱いとなった)。したがって、設問のケースの場合、総所得金額は次の ようになる。 給与所得の金額 :600 万円 不動産所得の金額:▲20 万円(30 万円の赤字のうち土地の取得に要した負債利子 10 万円を除いた金額) ――――――――――――――― 総所得金額 :580 万円 問題 35 正解 2 難易度B 1.不適切。医療費控除の控除額は、その年中に支払った医療費の金額から、総所得金額 等の合計額の5%相当額と 10 万円のいずれか低い方の金額を控除して算出される。具 体的には、総所得金額等が200 万円未満の場合は総所得金額等の 5%相当額、200 万円 以上の場合は10 万円となる。 2.適切。障害者控除は、納税者が障害者に該当する場合のほか、納税者の控除対象配偶

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者や扶養親族が障害者に該当する場合にも適用を受けることができる。 3.不適切。配偶者控除は、納税者の所得金額の多寡に関係なく、配偶者の合計所得金額 が38 万円以下の場合に適用を受けられる。なお、配偶者特別控除は、納税者の合計所 得金額が1,000 万円以下で、配偶者の合計所得金額が 38 万円超 76 万円未満の場合に 適用を受けられる。 4.不適切。扶養控除の控除対象扶養親族や配偶者控除の控除対象配偶者に該当するかど うかは、その年 12 月 31 日の現況によって判断することとなっているが、年の中途で 死亡した場合は、その者の死亡時の現況で控除対象扶養親族または控除対象配偶者に 該当するかどうかを判定する。したがって、控除対象扶養親族に該当する者が年の中 途で亡くなったという場合、控除対象扶養親族として扶養控除を受けることができる。 また、当初は控除対象扶養親族としていなかった者であっても、その年中の合計所得 金額が38 万円以下であったというような者については、控除対象扶養親族に含めるこ とができる。 問題 36 正解 3 難易度A 1.2.住宅ローン控除の適用要件として、適切。 3.不適切。住宅ローン控除の適用を受けようとする者のその年分の合計所得金額は、3,000 万円以下でなければならない。 4.適切。住宅ローン控除の控除額は、「年末借入金残高×1.0%」で計算する。年末借入金 残高には上限があり、一般住宅は4,000 万円、認定住宅は 5,000 万円である。 問題 37 正解 3 難易度A 3.の扶養親族に係る国民年金保険料を支払ったことによる社会保険料控除は、年末調 整で適用を受けることができる。 雑損控除、医療費控除、寄附金控除は年末調整では適用を受けることができないので、 適用を受けるためには確定申告が必要である。 問題 38 正解 1 難易度B 1.適切。法人の場合、青色申告承認申請書の提出期限は、通常青色申告しようとする事 業年度開始の日の前日までであるが、新規設立法人が設立第1期より青色申告の適用 を受けようとする場合は、設立の日以後3ヵ月を経過した日と設立後最初の事業年度 終了の日とのうちいずれか早い日の前日までである。 2.不適切。青色申告法人の所得金額の計算上生じた欠損金額は、翌期以降の最長9 年間、 各事業年度の所得金額を限度として損金の額に算入することができる。 3.不適切。青色申告法人の所得金額の計算上生じた欠損金額は、当該法人の期末資本金 の額が 1 億円以下である場合、前事業年度の所得金額に繰り戻して納付した法人税額

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の還付を受けることができる。 4.不適切。青色申告法人の場合、個人の所得税の場合のような青色申告特別控除額とい う特典はない。 問題 39 正解 4 難易度B 1.不適切。普通償却の償却不足額は、翌期に繰り越すことはできない。なお、特別償却 の償却不足額は1 年間に限り繰り越すことができ、翌期の償却限度額に加算される。 2.不適切。退職した役員に支給する役員退職給与は適正額であれば損金算入することが できる。あらかじめ納税地の所轄税務署長に対して支給時期および支給額を届け出る 必要はない。 3.不適切。資本金が1億円を超える法人の場合、交際費のうち接待飲食費の50%を損金 の額に算入することができる。なお、資本金が 1 億円以下の法人では、①接待飲食費 の 50%を損金算入、②800 万円以下の交際費の全額を損金算入、のいずれかを選択で きる。 4.適切。固定資産税や都市計画税は、その全額を損金の額に算入することができる。な お、法人税や法人住民税などは損金算入できない。 問題 40 正解 2 難易度A 1.適切。消費税は、納税義務者と税金の負担者が異なる間接税である。 2.不適切。消費税では、基準期間(法人の場合は課税期間の前々事業年度)の課税売上 高が1,000万円以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除される。新たに事業を 始めた場合には、その時点では基準期間の売上げはないため、原則として、免税事業 者になるが、資本金1,000万円以上である法人については、免税事業者にはならない旨 の特例が設けられている。 3.適切。「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している法人であっても、基準期間 の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、簡易課税制度の適用を受ける ことができない。 4.適切。個人事業者の消費税の確定申告期限は、課税期間の特例の適用を受けていない 場合、原則として、その課税期間の翌年3月31日である。なお、個人事業者は1月1日か ら12月31日までの1年間が課税期間であるが、特例として、届出により課税期間を3ヵ 月ごとまたは1ヵ月ごとに短縮することができる。 問題 41 正解 4 難易度A 1.適切。地価公示の公示価格は、毎年1月1日を価格判定の基準日としている。 2.適切。都道府県地価調査の基準地の標準価格は、毎年7月1日を価格判定の基準日と している。

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3.適切。相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%を価格水準の目安として設定され ている。なお、固定資産税評価額は、公示価格の 70%を価格水準の目安として設定さ れている。 4.不適切。固定資産課税台帳に登録する土地の価格(固定資産税評価額)は、総務大臣 が定めた固定資産評価基準に基づいて行われ、市町村長がその価格を決定する。なお、 固定資産税評価額は、3 年に一度、評価替えが行われる。 問題 42 正解 1 難易度B 1.適切。賃貸マンションの所有者が、そのマンションの賃貸を自ら業として行う場合、 宅地建物取引業の免許は不要である。宅地建物取引業とは、次の○印の行為をいう。 売買 交換 貸借 自ら業として行う ○ ○ × 代理を業として行う ○ ○ ○ 媒介を業として行う ○ ○ ○ 2.不適切。専任媒介契約や専属専任媒介契約では、依頼者が他の宅地建物取引業者に重 ねて売買の媒介を依頼することはできないが、一般媒介契約では重ねての依頼をする ことができる。 3.不適切。一般媒介契約や専任媒介契約では、依頼者が自ら発見した相手方と売買契約 を締結すること(自己発見取引)ができるが、専属専任媒介契約では自己発見取引が できない。 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約 契約期間 - 3 ヵ月以内 3 ヵ月以内 他の業者への依頼 ○ × × 自己発見取引 ○ ○ × 指定流通機構への登録義務 - ○(7 日以内) ○(5 日以内) 業務処理状況の報告義務 - ○(2 週間に 1 回) ○(1 週間に 1 回) 4.不適切。宅地建物取引業者が宅地建物の売買の媒介をする場合、依頼者の一方から受 領できる報酬限度額が次のように決められている。 売買代金 報酬限度額(消費税除く) 200 万円以下 売買代金×5% 2000 万円超 400 万円以下 売買代金×4%+2 万円 400 万円超 売買代金×3%+6 万円 問題 43 正解 1 難易度B 1.適切。買主が売主に解約手付を交付した場合、売主が契約の履行に着手するまでは、 買主はその解約手付を放棄することにより、売買契約を解除することができる。売主

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は、買主が契約の履行に着手するまでは、手付の倍返しをすることにより、売買契約 を解除することができる。 2.不適切。売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により引渡しなどの履行遅滞が 生じた場合、買主は、相当の期間を定めて履行を催告し、その催告期間内に履行され なかったときに契約の解除ができる。なお、引渡しができなくなった等の履行不能が 生じた場合には、買主は履行の催告をせずに、契約解除できる。 3.不適切。共有となっている不動産について、各共有者は、自らの持分を自由に譲渡す ることができる。なお、共有物全部を譲渡する場合には、共有者全員の同意が必要で ある。 4.不適切。売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使 して契約を解除する場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から 1 年以内であ れば当該権利を行使することができる。なお、契約を解除できないときは損害賠償を 請求することができる。 問題 44 正解 3 難易度B 1.不適切。普通借地権の存続期間は30 年以上と定められており、これより短い期間を定 めることはできない。 2.不適切。普通借地権の存続期間が満了しても、借地権者(借地人)が土地の使用を続 けたいときは、借地上に建物が存する限り、最初の更新は20 年、以降の更新は 10 年、 従前の契約と同一の条件で契約を更新することができる。借地権設定者(地主)がこ の更新請求を拒否するには、遅滞なく異議を述べる必要があるが、この異議にあたっ ては、正当事由が必要とされている。 3.適切。借地権者は、借地権の登記がなくても、建物の所有をもって借地権を第三者に 対抗することができる。 4.不適切。普通借地権の契約において、地代を増額しない旨の特約がある場合には、そ の定めに従うが、反対に、地代を減額しない旨の特約がある場合でも、借地権者は地 代の減額請求をすることができる。なお、定期借家契約の場合は,減額しない旨の特 約も有効とされる。 問題 45 正解 1 難易度B 1.適切。都市計画区域には、市街化区域・市街化調整区域に区分されている区域(線引 き区域)と、区分されていない区域(非線引き区域)とがある。 2.不適切。都市計画とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都 市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画であるが、広域的・根幹的な都市計画 は都道府県が行い、その他の都市計画は市町村が行う。ただし、2つ以上の都府県の 区域にわたる都市計画区域に係る都市計画は、国土交通大臣及び市町村が定めるもの

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とされている。 3.不適切。用途地域は、住居系7 地域(第 1 種低層住居専用地域、第 2 種低層住居専用 地域、第1 種中高層住居専用地域、第 2 種中高層住居専用地域、第 1 種住居地域、第 2 種住居地域、準住居地域)、工業系 3 地域(準工業地域、工業地域、工業専用地域)、 商業系2 地域(近隣商業地域、商業地域)の合計 12 地域がある。 4.不適切。都市計画区域内において、おおむね10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を 図るべき区域として指定された区域は、市街化区域である。準都市計画区域とは、都 市計画区域外の区域で、そのまま土地利用を整序することなく放置すれば、将来にお ける都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる区域 について市町村が指定する区域である。 問題 46 正解 1 難易度B * 前面道路が42 条 2 項道路の場合、道路中心線からの水平距離 2mの線が道路の境界線 とみなされるので、敷地後退部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の 際、敷地面積に算入されない。したがって、当該土地の面積は「16m×(13m-0.5m) =200 ㎡」となる。 * 建築面積の限度は、「200 ㎡×50%(指定建ぺい率)=100 ㎡」となる。なお、指定建 ぺい率が 80%以外の地域で、かつ防火地域内に耐火建築物を建てる場合、建ぺい率が 10%緩和されるが、設問の土地は準防火地域なので、この緩和規定は適用されない。 問題 47 正解 4 難易度A 1.適切。一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居として利用することができ る部分であっても、集会室などのように規約によって共用部分とすることができる。 2.適切。規約に別段の定めがない限り、敷地利用権を専有部分と分離して処分すること はできない。 3.適切。管理者は、少なくとも毎年1回、集会(管理組合の総会)を招集しなければな らない。 4.不適切。区分所有建物の建替え決議は、区分所有者および議決権の各5 分の 4 以上の 賛成による集会の決議によらなければならない。 問題 48 正解 3 難易度B 1.不適切。固定資産税の税率は、比例税率(標準税率1.4%)である。 2.不適切。固定資産税の納税義務者は、1 月 1 日現在の土地建物の所有者なので、税額を 前納し、その年の途中に対象となる固定資産を売却した場合であっても、税額の還付 を受けることはできない。 3.適切。固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり 200 ㎡以下の

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部分)の課税標準については、課税標準となるべき価格の6 分の 1 の額となる。なお、 200 ㎡を超える部分は 3 分の 1 に軽減される。 4.不適切。都市計画税は、(都市計画区域内ではなく)市街化区域内に所在する土地およ び家屋に対して、その所有者に課税される。 問題 49 正解 2 難易度B 1.不適切。「居住用財産を譲渡した場合の3,000 万円の特別控除」は、居住用財産(マイ ホーム)を譲渡した場合、所有期間の長短に関係なく最高 3,000 万円まで控除ができ る特例である。 2.適切。「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)」 では、譲渡した年の1 月 1 日現在で 10 年超所有の居住用財産を譲渡した場合、課税長 期譲渡所得金額が6,000 万円以下の部分については所得税 10%(復興特別所得税を加 えると 10.21%)・住民税 4%、6,000 万円を超える部分については所得税 15%(復興 特別所得税を加えると15.315%)・住民税 5%の税率が適用される。 3.不適切。「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、課税を 将来に繰り延べる特例であるが、譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した年の1月 1日において10 年を超えている場合に適用を受けることができる。 4.不適切。「居住用財産を譲渡した場合の3,000 万円の特別控除」と「特定の居住用財産 の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、重複して適用を受けることができ ない。なお、「居住用財産を譲渡した場合の3,000 万円の特別控除」と「居住用財産を 譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)」は、重複して適用を受 けることができる。 問題 50 正解 1 難易度B 1.不適切。対象不動産から得られる年間収入を総投資額(物件価格に物件購入時の手数 料や登記費用、税金などを加えた総額)で除して算出される利回りは表面利回りで、 NOI利回り(純利回り)は、年間収入から諸経費を控除した後の年間純収益を総投 資額で除して算出される利回りである。 2.適切。DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)は、対象不動産の保有期間 中に生み出される純収益の現在価値の総和と、保有期間満了時点における対象不動産 の価格の現在価値を合算して、不動産の収益価格を求める手法である。 3.適切。NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資不動産から得ら れる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その 投資は有利であると判定することができる。 4.適切。IRR法(内部収益率法)は、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計 額と投資額が等しくなる割引率(内部収益率)を求める方法で、投資判断においては、

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内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資 は有利であると判定することができる。 問題 51 正解 1 難易度A 1.不適切。贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示を し、相手方が受諾することによって成立する諾成契約である。 2.適切。定期贈与とは、「今後10年間毎年100万円ずつ贈与する」というように、定期的 な給付を目的とする贈与だが、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。 3.適切。負担付贈与とは、「借入金の残っている土地を借入金とともに贈与する」という ような負担付の贈与のことだが、受贈者が負担すべき債務を履行しない場合、贈与者 はその贈与契約を解除することができる。 4.適切。死因贈与とは、「私が死んだらこの土地をあげる」というように、贈与者の死亡 により効力が生じる贈与だが、贈与者の死亡以前に受贈者が死亡したときは、その効 力を生じない。 問題 52 正解 3 難易度B 1.適切。配偶者から居住用不動産の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けるた めには、贈与があった日において贈与者との婚姻期間が20年以上なければならない。 2.適切。配偶者から居住用不動産の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場 合、控除額は最高2,000万円なので、基礎控除110万円と合わせて最高2,110万円を贈与 税の課税価格から控除することができる。 3.不適切。贈与税の配偶者控除の限度額に満たない金額については、翌年以降に繰り越 すことができない。 4.適切。相続人が被相続人から相続開始前3年以内に贈与された財産は、原則として相続 税の課税価格に加算されるが、贈与税の配偶者控除により控除された金額は、相続税 の課税価格に算入されない。 問題 53 正解 3 難易度B 1.不適切。相続時精算課税制度では、特別控除2,500万円に達するまでは納付すべき贈与 税額が算出されないが、相続時精算課税を選択しようとする受贈者は、選択をしよう とする贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に納税地の所轄税務署長 に対して、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出しなければ ならない。いったん相続時精算課税を選択した場合には、その選択に係る贈与者から の贈与については、その選択をした年分以降全て相続時精算課税が適用されるので、 贈与された財産の価額が110万円以下のときであっても贈与税の申告をする必要があ る。

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2.不適切。贈与税の申告と納税は、贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年の2月1日 から3月15日までの間に行う必要がある。 3.適切。贈与税の納付は金銭による一括納付が原則だが、一時に金銭納付が困難な場合 は、最長5年間の延納ができる。 4.不適切。相続税では物納も認められるが、贈与税の場合には物納は認められない。 問題 54 正解 2 難易度A * 設問のケースの場合、相続人は妻と子で、養子も実子と同様に取り扱われ、孫Fさん・ 孫Gさんは子Cさんの代襲相続人となるので、相続人および法定相続分は次のようにな る。 妻Bさん:1/2 養子Dさん・子Eさん:1/2×1/3=1/6 孫Fさん・孫Gさん:1/6×1/2=1/12 問題 55 正解 3 難易度B 1.適切。協議分割は、共同相続人全員の協議により分割する方法であり、その分割割合 については、必ずしも法定相続分に従う必要はない。 2.適切。換価分割は、共同相続人が相続によって取得した財産の全部または一部を金銭 に換価し、その換価代金を共同相続人間で分割する方法である。 3.不適切。代償分割は、共同相続人などのうちの 1 人又は数人に相続財産を現物で取得 させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して代償金を与える方法であ る。相続財産が自宅や自社株といった現物分割が困難な場合に行われる方法だが、家 庭裁判所への申立ては不要である。 4.適切。遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は 家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。 問題 56 正解 2 難易度B 1.契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づいて 受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象になる。ただし、受取人が相続人の場合 は、生命保険金の非課税(500万円×法定相続人の数)の適用がある。 2.被相続人の死亡により相続人が取得した被相続人に支給されるべきであった退職手当 金で、被相続人の死亡から3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象(ただ し、「500万円×法定相続人の数」まで非課税)になるが、3年を経過したあとに確定し たものを遺族が受け取ると、遺族の一時所得として所得税の課税対象となる。 3.相続により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に当該相続の被相続人から贈与に より取得した財産(特定贈与財産等を除く)は、相続税の課税対象となる。特定贈与

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財産等とは、贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産等である。 4.被相続人から相続時精算課税による贈与により取得した財産は、相続税の課税対象と なる。 問題 57 正解 4 難易度B 1.適切。相続税における宅地の評価は、利用の単位となっている1画地ごとに評価するの で、その宅地が登記上は2筆の土地であっても、これを一体として利用している場合は、 その全体を1画地として評価する。 2.適切。路線価図において、路線に「200D」と記載されている場合、「200」は千円単位 の表示なので、その路線に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額が20万円であるこ とを示している。また、数値の後のアルファベットは借地権割合を表しており、A(90%) ~G(30%)で示される(Dは、60%)。 3.適切。宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあり、いずれを採用するかは、 宅地の所在地により各国税局長が指定している。 4.不適切。倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に地域ごとに定められた所定の倍率 を乗じて評価する方法で、宅地の形状等に応じた補正などは行わない。路線価方式の 場合は、路線価を基に、奥行きの長短など宅地の形状等に応じた各種補正率を乗じて 算出した金額によって評価する。 問題 58 正解 2 難易度B * 設問のケースの場合、敷地は借地権の評価となり、家屋は貸家の評価となる。貸家の評 価は、「固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」で計算される。 8,000 万円×(1-0.3×1.0)=5,600 万円 問題 59 正解 3 難易度B 1.適切。あらかじめ遺言書を作成し、共同相続人の相続分や遺産分割方法を指定してお くことは、有効な遺産分割対策になり得る。 2.適切。分割が困難な土地等を所有している場合、相続開始前にその土地等を共同相続 人間で分割がしやすい資産に変換しておくことは、有効な遺産分割対策になり得る。 3.不適切。特定の相続人から他の相続人が代償分割によって取得した代償財産は、形と しては特定の相続人から他の相続人が贈与されたような形であるが、被相続人から相 続により取得した財産とみなされるため、贈与税ではなく相続税の課税対象となる。 4.適切。特定の相続人が他の相続人に交付する財産が現金ではなく不動産のような場合 には、特定の相続人が時価により譲渡したものとみなされ、所得税の課税対象となる。

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