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汎用空気圧縮機の省エネルギ 松隈正樹

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Academic year: 2021

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(1)

まえがき=圧縮空気は,全産業において水,電気と同様 にユーティリティとして不可欠なものとして利用されて いる。日本の総消費電力の 5%は圧縮機が占めており,

また工場・事業所における圧縮機の消費電力の占有率は 15 〜 30%と高い。地球温暖化防止としての省エネルギ推 進への取組みの中で,空気圧縮機の省電力は重要な課題 と成っている。省エネ法の施行以来,600 万 kW・h/y 以 上の電力を消費する工場・事業所に,年 1%以上のエネ ルギ原単位低減が義務付けられたこともあり,省エネ圧 縮機の需要が急速に高まっている。

 本稿では当社が開発した永久磁石モータ駆動インバー タ省エネ空気圧縮機をはじめ,制御機器,周辺機器の適 切な選定,使用方法を中心に空気圧縮機の省エネルギ方 法について解説する。

1.地球環境保護と省エネ空気圧縮機へのニーズ

 省エネ空気圧縮機需要の高まりの背景は消費電力の削 減にあり,1997 年 12 月に開催された気候変動枠組条約第 3 回締約国会議(COP3)において日本に課せられた 1990 年比温暖化ガス 6%削減目標がわが国の省エネルギを推 進,加速してきた。

 「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)

により,企業は実質 10%以上のエネルギ削減計画の策定 を迫られている。こうした環境変化のなか,ISO14000 シ リーズ取得企業の著しい増加とあいまって省エネルギ対 応機,環境対応機が増大している。

 空気圧縮機の環境負荷をみると,その 90%以上が電力 消費にともなう大気汚染物質の排出によるものであるこ とが,当社 22kW 汎用空気圧縮機への LCA 適用(SimaPro 評価)によりわかっている。給油式スクリュ空気圧縮機 の例をみると,最新の省エネ機である永久磁石モータ駆 動インバータ機では消費電力が標準機に対し 34%もの 省電力となることから,回転数制御圧縮機の占める比率 は年々高まっている。

2.空気圧縮機の機種と消費電力性能

 11kW 出力以下の空気圧縮機は通常小型機と呼ばれ

る。11kW 超,90kW 以下は中型機,90kW 超は大型機と 呼ばれ,それらの出力別の機種比率を第 1 図に示す1) それぞれの使用法の特徴と消費電力性能を以下に説明す る。

2.1 小型機

 往復動圧縮機主体であるが,近年回転式の油冷スクリ ュやオイルフリースクロールの伸長が進んでいる。容量 制御は圧力開閉式による ON-OFF 制御が主流で圧縮空気 が必要なとき自動起動し,不要になり一定圧力に吐出圧 力が上昇すると自動停止するため,省エネ性能は比較的 優れている。

2.2 中型機

 中型機は負荷変動も多く,市場で使用される台数も多 いため,消費電力削減の試みが最も積極的に試行されて いる。省エネニーズも高く,省エネ性能向上のため近年 インバータ回転数制御機の投入や台数制御装置の採用が 盛んである。給油式スクリュ機主体であるが,回転式オ イルフリー機(スクリュ,スクロール,ツース)の比率 も増加傾向にある。

2.3 大型機

 大型機は工場のベースロードとして比較的負荷変動が 少ないため,全負荷時の消費電力の少ないものが求めら れる。性能向上のため,圧縮空気通路,熱交換器,弁な

汎用空気圧縮機の省エネルギ

松隈正樹・永野克彦**

機械カンパニー・汎用圧縮機工場 **コベルココンプレッサ㈱

Saving Energy in Standard Compressors

Masaki Matsukuma・Katsuhiko Nagano

Rotation  speed  control  and  automatic  group  control  have  become  primary  energy  saving  technologies  for  compressors in recent years. The KOBELCO INVERTER SCREW rotational speed control compressor uses  a sensorless internal permanent magnet motor, the first of its kind in the world. The high energy savings of  the KOBELCO INVERTER SCREW received the  2000 years Excellent Saving Energy Machinery corporate  commendation from the Japan Machinery Federation.

■特集:環境との共生・調和−機械/プロセス編  FEATURE : Advanced Processing Technologies for Environmental Protection

(解説)

第 1 図  機種比率(2000 年 4〜9 月)

Fig. 1 Market share (April through September 2000) 100 

90  80  70  60  50  40  30  20  10  0

100  90  80  70  60  50  40  30  20  10  1.5 2.2 3.7 5.5 7.5 11 15 22 37 55 7590 100150 220 255 290 380 430 450 520 570 0

Small Interrupt  Running

Midium Continuous Running 

Load : Variance

Large Continuous Running 

Load : Constant Reciprocating 

Compressor

Oil-free Scroll  Compressor

Oil-free Screw  Compressor

kW

Turbo  Compressor

Oil-flooded Screw  Compressor

Reciprocating Compressor

Market Share  % 

(2)

どの圧力損失低減,増速機のメカニカルロス低減,スク リュ圧縮機にあっては高性能歯形の開発,ターボ圧縮機 では流体解析技術の進展による高性能インペラの開発に よる性能向上が進み,従来の 3 段圧縮機の性能に迫る 2 段圧縮機も開発された。

3.空気圧縮機の省エネルギ実施状況

3.1 省エネスクリュ空気圧縮機 1)油冷式スクリュ空気圧縮機

 油冷式スクリュ空気圧縮機の消費空気量変動に対する 消費電力特性は,容量調整機構によってその性能が大き く変わる。容量調整方法は,

① 吸込み絞り方式

②吸込み絞り+吐出圧力パージ方式

③吸込み絞り+吐出圧力パージ+自動発停方式

④インバータ機

があり,それぞれの当社機における特性を第 2 図に示す。

 これまで③吸込み絞り+吐出圧力パージ+自動発停機 が省エネ圧縮機として税制上の優遇措置を受けてきた が,インバータ機が省エネ圧縮機の本命としてその比率 を大きく伸ばしつつある。

2)オイルフリースクリュ空気圧縮機

 オイルフリースクリュ空気圧縮機の省エネロジック は,使用空気量の変動がある場合,アンロード解除圧力

(最小圧力)から容量調整設定周期経過後自動的にアン ロードを開始し,無駄な圧力上昇を押さえ省エネ運転を 可能とするものである。当社方式の省エネロジックとそ の節電割合を第 3 図に示す。なお,オイルフリー機にも インバータシリーズがその優れた省エネ特性から広まっ てきている。

3)永久磁石モータ駆動インバータスクリュ空気圧縮 2),3)

 省エネ圧縮機の本命としてインバータ機がある。従来 の圧縮機の駆動用モータは誘導モータであり,インバー タ駆動時は,「インバータ損失+回転子損失+弱励磁また は過励磁」による損失増大によりモータ効率が大きく低

下する。この欠点改善のため,当社では永久磁石同期モー タをインバータ機に採用している。永久磁石同期モータ は回転子の発熱がないため,誘導機にくらべ電力ロスが 40%少なく,インバータロス+モータロスの総合効率で も従来の高効率誘導モータ以上の効率を維持できる。ま たモータ回転数低下時(低負荷時)のモータ効率の低下 および冷却効率の低下により,30%程度までの減速しか 実現できなかったが,永久磁石の発熱の少なさと,圧縮 機パッケージとしての冷却効率を向上させることによっ て,20%までの低負荷(低回転数)での運転を可能とし ている。

 また,本機は低負荷時の力率特性も優れている。回転 子の発熱が少ないためモータベアリング寿命が誘導機の 2 倍となり,ステータコイルを含めた信頼性も向上して いる。構造差と性能差を第 4 図,第 5 図に示す。

 また回転数制御においては,永久磁石モータ仕様をパ ルスジェネレータをもちいることなくセンサーレス仕様 として,振動,ノイズへの耐力を高めている。

第 2 図  空気使用量に対する消費電力1)

Fig. 2 Rating sheet of power saving by unloader

第 3 図  省エネロジック Fig. 3 Save energy logic

①Suction Regulating 

②Purge+Suction Regulating 

③Purge+Automatic Stop & Start   +Suction Regulating 

④Variable Speed Control

④ 

① 

③ 

② 

0 20

100 

80 

60 

40 

20

40

Load  % 

60 80 100

Power Consumption Ratio  % 

Capacity Control 

of Save Energy Logic 10% Energy Saving

0.59 0.64 0.64

0.59 0.69

1st Cycle

1st Cycle 2nd Cycle 2nd Cycle 3rd Cycle 4th Cycle 5th Cycle

23s 23s 23s

Discharge  Pressure  MPa

Discharge Pressure  MPa

Conventional Capacity Control

(3)

 定圧制御インバータ機をもちいると従来標準機にくら べ負荷変動時の消費電力を大きく節減できる。標準機に 対する年間電力節減比較を第 6 図に示す。

 オイルフリースクリュ空気圧縮機にも永久磁石モータ を組込んだインバータ機をエメロードスクリュシリーズ として生産している。省エネ特性を高めるため 2 段機シ リーズとしており,単段機との性能比較を第 7 図に示す。

 当社の永久磁石モータ駆動圧縮機(コベルコインバー タ)はその省エネルギ性能の高さを評価され,平成 12 年 度優秀省エネルギー機器として,社団法人日本機械工業 連合会より表彰を受けた。

3.2 省エネターボ空気圧縮機 1)高性能 2 段形ターボ空気圧縮機

 当社は高性能化を計ったターボ空気圧縮機としてエメ ロードターボ AVE シリーズを生産している。ブレード形 状を 3 次元流れ解析した高効率インペラ,プレートフィ ン式熱交換器による低圧力損失化,増速機構造の改善に よるメカニカルロス低減により,従来の 3 段圧縮機に迫 る業界最高レベルの性能をえている。外観を写真 1に示 す。

2)動力回収タービン内蔵ターボ空気圧縮機

 当社は,工場・事業所の余剰蒸気エネルギを効率良く 動力回収する動力回収ラジアルタービン付きターボ圧 縮機(エコセントリ,第 8 図)を,1999 年に開発した。 

第 4 図  永久磁石モータの構造

Fig. 4 Structure of KOBELCO inverter motor

第 5 図  KOBELCO インバータの省電力効果 Fig. 5 KOBELCO inverter power saving effect

第 6 図  インバータ化による電力費節減効果 Fig. 6 Saving cost by inverter

第 7 図  単段機との性能比較

Fig. 7 Rating sheet of power saving by VSD oil-free screw

第 8 図  エコセントリ

Fig. 8 Eco-centri(Structure)

Coil Stator

Permanent Magnet 

(KOBELCO Inverter) 

Induction  (Others) Permanent Magnet

Rotor

Cage

95 

90 

85 

80 

75 22 37

Power  kW

55 75

KOBELCO Inverter Compressor

Other Inverter Compressor

Efficiency (Inverter+Motor)  % 

0  20  40  60  80  100  120  140  160  180  200  220 

240 7.5 11 15 22 37 55 75 kW

KOBELCO PM Motor & Inverter Others IM Motor & Inverter

Load : 70% 

Running Time : 6 000h/y  Power Rate : 15Yen/kW・h

10 thousand yen/y

0 20 40 60

Load  % 

Power  % 

80 100 120

100 

80 

60 

40 

20 

0

KOBELCO  VSD 37kW  Two Stage Others 

Variable Speed  Control Type 37kW 

Single Stage Others  Suction Control Type 

 37kW Single Stage

写真 1 エメロード AVE ターボコンプレッサ Photo 1  Emeraude AVE TURBO Compressor

1st Stage

2nd Stage

3rd Stage

Steam Ex.

(4)

3 500 〜27 600m3/h までシリーズ化し,その消費電力削減 の高さから,余剰蒸気の利用できる工場・プラントで多 用されている。

 エコセントリは平成 11 年度優秀省エネルギ機器とし て,社団法人日本機械工業連合会より表彰を受けた。

3.3 圧縮機群の台数制御

 自動台数制御運転システム「エコノマイルド」は,全 体負荷の変動と各圧縮機の負荷率を確認して,工場・事

業所の消費空気量に合致するように運転台数を制御し,

また複数台運転時には,エネルギロスのない高効率な制 御をすることにより,消費電力を最小限とするシステム である。

 台数制御を導入しない場合の消費電力と当社エコノマ イルドを導入した場合,さらにインバータ搭載機(VSD)

との組合せ,全機インバータ機の場合の消費電力比較を 第 9 図に示す。本エコノマイルドは異容量機,往復動タ イプ,スクリュ,スクロールといった異機種の自動台数 制御にも対応可能である。

3.4 省エネドライヤ

 当社は,排熱を利用する新しい回転吸着式除湿装置と して,ED シリーズ省エネドライヤを開発・上市してい る。45kW 以上のオイルフリー圧縮機に対応できる。吸 湿した吸着材再生のための空気ロス,電熱,蒸気といっ たエネルギロスが無く低露点がえられ,消費電力はわず か 15W である。外観を写真 2,系統を第 10 図に示す。

4.工場・事業所における省エネ診断

 空気圧縮機の省エネについてはこれまで,

 ・  必要十分なライン圧力に低圧化する  ・  配管圧力損失を低減する

 ・  配管漏れを無くす

といったことが主体におこなわれてきたが,より積極的 に工場全体の空気圧縮機を必要な空気量に見合う圧縮機 のみ運転するため運転台数を自動制御したり,より優れ た省エネ機を圧縮機群のなかに投入し,消費電力量と消 費空気量を一次比例により近付けたいという要望が大変 強まっている。このニーズにたいし,当社では,消費空 気量パターンと消費電力変動パターンを長時間計測し,

空気圧縮機メーカとして国内最長の経験と技術で最適な 制御パターンを選定し,制御方法変更後の省電力量のシ ミュレーションを顧客に提示して,多くの顧客の年間電 力費の大幅削減に貢献している。

 具体的には以下の事項を実施して,多数の顧客の省エ

写真 2 ED シリーズドライヤ Photo 2  ED Series Dryer 第 9 図  台数制御導入時の消費電力比較

Fig. 9 Save  energy  characteristics  of   oil-flooded  compressor  by  automatic operation control

500 

400 

300 

200 

100 

00 100 200 Load  % 

Power  % 

300 400 500

1 2 3 4 5

Case 1:Std. Compressor×5 (Automatic Operation Control)

※Without Automatic   Operation Control

Std. Compressor

500 

400 

300 

200 

100 

00 100 200 Load  % 

Power  % 

300 400 500

0 1 2 3 4

Case 2:Std. Compressor×4 (Automatic Operation Control) +VSD Compressor

VSD Compressor Std. Compressor

500 

400 

300 

200 

100 

00 100 200 Load  % 

Power  % 

300 400 500

0 0 1 2 3

1 2 2 2 2

Case 3:Std. Compressor×3 (Automatic Operation Control) +VSD Compressor×2 

VSD Compressor Std. Compressor Running

Running (Std.) 

+VSD Compressor×1

500 

400 

300 

200 

100 

00 100 200 Load  % 

※Case 3 performs as well as case 4, but case 4 is superior because that   pressure control area is able to be narrow than case 3

Power  % 

300 400 500

1 2 3 4 5

Case 4:VSD Compressor×5 (Automatic Operation Control)

VSD Compressor Running

Running (Std.)  Running (VSD)

(5)

ネ改善を実現して好評を得ている。

1)  データの測定・解析

稼動している各空気圧縮機ごとに吐出圧力,吸込圧 力,電流値,負荷率,消費動力,吐出空気量を計測 し,測定日ごとに分析を実施する。

2)解析データの提示

各データを合成し工場全体の消費空気量パターンを解 析して,現状の省エネ上の問題点を把握する(第 11 図 参照)。

3)省エネ改善マスタープラン作成

工場全体空気消費量の変動・圧力変動に最適な省エ ネ対策案を作成し,提案する。

4)省エネ効果費用シミュレーション算出

省エネ改善前後での削減電力費を算出し,費用対効 果を明確にする。

むすび=汎用空気圧縮機の省エネルギは,電力ランニン グコスト低減を目的とするレベルから,地球の環境問題 として誰もが避けて通れない課題となってきた。

 当社は,さらに環境負荷の少ないクリーンな圧縮空気 を供給できる省エネルギ空気圧縮機の技術開発を推進 し,汎用圧縮機におけるトップランナとして,努力して いく所存である。

参 考 文 献

 1 )  松隈正樹:産業機械 , Vol.599, 8 月号(2000), p.6.

 2 )  日本機械工業連合会平成 13 年 2 月発行 平成 12 年度

  優秀省エネルギー機器 , p.28. 

 3 )  松隈正樹:フルイドパワーシステム Vol.32, No.6(2001), p10.

第10図  ED シリーズ吸着式ドライヤシステムフロー Fig. 10 System flow (ED series dryer)

第11図  省エネ診断

Fig. 11 Save energy diagnosis Hot 

Air  Intake

Wet  Air  Intake

Control  Valve

Air Ejector Drain  Separator

By-pass Cooler

Control  Valve

By-pass  Valve Cooling 

Water

Drain

Stop Valve

One-way  Valve Drive 

Unit Dry 

Air Dryer 

Main Unit

Drain Trap

(M) Screw

(Ⅰ) Reciprocating     Compressor (H) Screw

(A) Screw KOBELCO 

Screw

No.2  Data  Logger

No.3  Data  Logger

No.4  Data  Logger No.5 

Data  Logger

No.1  Data  Logger

KOBELCO  Turbo KOBELCO 

Screw Sensor 

Terminal Adapter

Fig.  9  Save  energy  characteristics  of   oil-flooded  compressor  by  automatic operation control500 400 300 200 100 00100200Load  % Power  % 300 400 50012345 Case 1:Std. Compressor×5 (Automatic Operation Control) ※Without Automatic  Operation Control

参照

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