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Academic year: 2021

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論文内容要旨

造血細胞移植用長期間保存臍帯血の品質に関する付属検体血の有用性の 検討

昭和学士会雑誌 第

76

巻 第

2

2016

年掲載予定

内科系 小児科学 小金澤 征也

造血細胞移植用臍帯血ユニット(以下, ユニット血)は, 同時に凍結保存 された付属の検査用臍帯血(以下, チューブ血)を用いて細胞機能評価 が行われている. 通常, ユニット血は長期間凍結保存されていても利用可

能と考えられているが, その品質の判定にチューブ血が使用できるかど うかの検討はなされていない. 本研究では, 長期間保存されたチューブ血

がユニット血の造血能を反映しているかどうかについて検討した. 保存 期間が

10

年以上経過したユニット血, チューブ血それぞれ

110

検体を対

象とした. それぞれの総有核細胞 (TNC)数, CD34陽性(CD34+)細胞 数, 生細胞率, 顆粒球マクロファージ由来コロニー(CFU-GM)数, 一部

の検体で

CD34

陽性かつ

CD38

陰性(CD34+/CD38-)細胞の割合,

CD34

陽性かつ

CXCR4

陽性(CD34+/CXCR4+)細胞の割合を測定した.

TNC, CD34+細胞数,

生細胞率, CFU-GM数はユニット血で各々5.61 ±

1.91×10

8個, 1.23±0.91×106個, 86.73 ±7.87%、1.46 ±0.89×105個,

チューブ血で各々4.72±1.85×108個, 0.91±0.72×106個, 72.48±

23.4%, 0.55± 0.62×10

5個 (p<0.001, p=0.0011, p=0.0011, p<0.001)

でありチューブ血はユニット血と比較しいずれも有意に低値であった.

また, チューブ血において

42/110(38.2%)で CFU-GM

が検出できな かった. そこで,チューブ血に対応するユニット血の各項目測定値をチュ

ーブ血

CFU-GM

検出群, 非検出群に別に比較したが, 全ての項目で有意

差はみられなかった. チューブ血と対応するユニット血では

CD34+細胞

数で正の相関関係を認めた(r=0.747). 又, チューブ血の

CD34+細胞

数と対応するユニット血の

CFU-GM

数に正の相関関係を認めた(r=

0.345).

今回の検討から長期間保存されたチューブ血の造血能が低下して

いることが示唆された.CFU-GM 非検出のチューブ血に対応するユニッ ト血の造血能は維持されており, ユニット血の造血能を判定する因子と してチューブ血における

CD34+細胞数がより重要であると考えられる.

以上より, 長期間保存されたユニット血の品質の判定にはチューブ血の

(2)

CD34+細胞数が適しており臍帯血提供の可否を判断できる可能性がある

と考えられる.

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