別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 ○
甲・乙 第
2936号 氏 名 竹原 雄介
論文審査担当者
主査 本田 一穂 教授 副査 九島 巳樹 教授
副査 門倉 光隆 教授
(論文審査の要旨)
悪性中皮腫では NF2 遺伝子異常が腫瘍性増殖に重要な要因と考えられおり、YAP1 と TAZ は細胞増殖に関与する因子であり、NF2 遺伝子の下流に位置する Hippo pathway によって 制御されている。本研究では、悪性中皮腫および反応性中皮細胞における YAP1 と TAZ の 発現を免疫組織化学的に検討・解析し、悪性中皮腫と反応性中皮細胞の鑑別に応用した。
昭和大学病院で診断された悪性中皮腫 31 例および反応性中皮細胞 33 例を対象とし、YAP1 および TAZ 抗体を用いて、陽性細胞の染色強度および占有率の積をスコア化し、ROC 曲線 を用いて適切なカットオフ値を算出した。
YAP1 の陽性率は悪性中皮腫では 26/31,反応性中皮細胞では 7/33 であり、TAZ の陽性率は 悪性中皮腫では 27/31,反応性中皮細胞では 13/33 であった。YAP1 および TAZ がともに陽 性の症例は悪性中皮腫では 23/31,反応性中皮細胞では 2/33 であり、感度は 74%、特異度 は 94%であった。悪性中皮腫において YAP1 および TAZ の陽性率は反応性中皮細胞に比べて 有意に高く、中皮細胞の腫瘍化に関与している可能性が示唆された。
本論文は、悪性中皮腫での YAP1 や TAZ の関与および病理組織診断における有用性におい て 新 し い 知 見 を 得 て お り 、 学 術 上 価 値 の あ る も の と 考 え ら れ 学 位 論 文 に 値 す る と 判 断 し た。
論文題名:Analysis of expression of YAP1 and TAZ by immunohistochemical staining in malignant mesothelioma and reactive mesothelial cells.
(悪性中皮腫と反応性中皮細胞における YAP1 と TAZ の免疫組織化学的染色の解析)