別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲・○乙 第 3042 号 氏 名 加藤 憲
論文審査担当者
主査 本田 一穂 教授
副査 瀧本 雅文 教授
副査 稲垣 克記 教授
(論文審査の要旨)
Nephronectin(Npnt)は、EGF リピート構造を有する分泌型マトリックス蛋白で、マウス頭蓋 冠由来骨芽細胞株(MC3T3-E1)から単離同定された。細胞間あるいは細胞-マトリックス間の 相互作用に重要な役割を担い、腎臓や骨の器官形成に関与していることが示唆されている。一 方、Fibroblast Growth factor(FGF)ファミリー蛋白質も細胞分化・増殖 や器官形成に重要な 役割を果たしている生体分子であるが、これらの蛋白が腎臓や骨などの器官形成にどのように 関わっているかは未だ明らかではない。申請者の加藤は、MC3T3-E1 細胞を用いた in vitro の 解析で、複数の FGF ファミリータンパク質の中で FGF-2 が、最も強く Npnt の mRNA 発現を抑制 し、その作用が濃度および時間依存的 であることを明らかにした。また、FGF-2 の作用発現は、
FGF 受容体を介し、JNK ならびに PI3K 経路の細胞内シグナル伝達経路を介していることを、阻 害薬を用いて検証した。
本研究は、腎臓や骨の疾患や器官形成における Npnt ならびに FGF-2 の新たな調節機構 を明らかにしており、腎疾患や骨代謝性疾患の病態解明と治療法の確立に貢献する学術上 価値があるものと考えられ、学位論文に値すると判定した。
論文題名:FGF-2 suppresses expression of nephronectin via JNK and PI3K pathways (FGF-2 は JNK および PI3K 経路を介して nephronectin の発現を抑制する)
掲載雑誌名:FEBS Open Bio. 2018 Apr 19;8(5):836-842
(主査が記載、500字以内)