表面増強ラマン分光法による化学物質の検出
その他(別言語等)
のタイトル
Simple and rapid detection of pesticides and chemicals using surface enhanced Raman
spectroscopy
著者 角田 英男, 上元 好仁, 堀川 洋
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告
巻 30
ページ 71‑77
発行年 2009‑10
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00001793/
表面増強ラマン分光法による化学物質の検出
角田英男1),上元好仁2),堀川 洋3)
1) 植物情報物質研究センター(北海道恵庭市)・
Nanoplantex
角田技研(神奈川県海老名市)
Plant Eco-chemicals Research Center (Eniwa,HOKKAIDO)
2) 神奈川県産業技術センター(神奈川県海老名市)
Kanagawa Industrial Technology Center (Ebina,Kanagawa)
3) 帯広畜産大学食料生産科学講座
Department of Food Production Science, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine Res. Bull. Obihiro Univ. 30
:71
~77 (2009)
(受付:2009年4月30日,受理:2009年5月15日)
摘 要
独自の銀ナノ粒子・基板を試作し,小型ラマン分光装置を用いジチオカーバメート系農薬(
Thiram:
tetramethylthiuram disulfide)
・パルノックスおよびメラミンのラマンおよび表面増強ラマン(SurfaceEnhanced Raman Spectroscopy
:SERS
)スペクトルの計測を行った。濃度が4ppm
から0.04ppm
の範囲では,濃度とピーク強度との間に良い直線関係が示された。同様に小麦粉に混合したメラ ミンのラマンスペクトルおよびSERS
スペクトルを顕微ラマン分光装置により計測した。1ppm
濃度程度まで特有のSERS
吸収ピークが観測され,定性的検出が可能であった。この銀ナノ粒子・基板を用いた小型で安価な装置による表面増強ラマン(
SERS
)スペクトル計測は,農薬や化学物 質の分析法として感度が高く実用性が十分あると考えられた。キーワード:迅速簡便,ラマン分光,SERS,農薬,メラミン
Simple and rapid detection of pesticides and chemicals using surface enhanced Raman spectroscopy Hideo KAKUTA
1), Yoshihito KAMIMOTO
2), Yoh HORIKAWA
3)近年,野菜などの農産物や植物を原料とする加工食品 中の残留農薬や混入された化学物質が問題となっている。
このような社会的背景から,農産物や加工食品の安全性 を迅速・簡便に検証する科学的分析法が必要とされている。
現状では,残留農薬や混入された化学物質の検出分析に
は HPLC,GC-MS および LC-MS などを用いる分析方法が 一般的に用いられている。また,分析操作が比較的簡便 なことから ELISA 法(免疫測定法)なども用いられている。
前者は,正確ではあるが分析のための所用日数がかかり,
分析費用も数万円程度必要とされる。後者は,簡易測定 法であり分析費用は前者より安価だが,1種類の農薬や 化学物質に1種類の抗体が必要である。
緒 言
一方,ラマン分光法は分析用機器の進歩により簡便な操 作で対象化学物質のラマン散乱スペクトルを計測し,対 象化学物質の同定を行うことができる。さらに,金属や 金属ナノ粒子表面に分析対象分子が吸着することにより,
ラマン散乱強度が著しく増大する表面増強ラマン散乱現 象が見いだされ,高感度な振動分光法として注目され,
そのセンサーや分析化学への応用が試みられている。
本研究では,独自の銀ナノ粒子・基板を用いた表面増 強ラマン分光分析法により,ジチオカーバメート系農薬 や食品中の汚染化学物質を対象とし,迅速・簡便にそれ らの計測データを得ることを目的とした。
1. 試薬とナノ粒子・基板材料
特 級 試 薬 あ る い は 成 分 が 明 示 さ れ て い る 市 販 の 農 薬 を 用 い た。モ デ ル 農 薬 に は 殺 菌 剤 と し て 用 い ら れ て い る,ジ チ オ カ ー バ メ ー ト 系 の チ ラ ム
(Thiram:tetramethylthiuram disulfide)およびその亜 鉛塩(Ziram:zinc bis(dimethyldithiocarbamate))を含 むパルノックス水和剤(ジラム・チラム含有量40%)を用 いた。食品混入モデル化学成分としてメラミン試薬(和 光純薬食品分析用)を用いた。増感用の銀ナノ粒子合成 には硝酸銀試薬(3N)および水素化ホウ素ナトリウム(試 薬特級)を用いた。同様に,増感用に塩化カリウム試薬
(試薬特級)溶液(3mol/ ℓ)を調製して用いた。そのほか特 に断らない限り市販試薬を精製せずに使用した。また,
小麦粉は市販のものを用いた。基板にはシリコン単結晶 由来の市販のシリコンウェハー(2インチ,厚さ0.4mm,
Si{100})を用い,銀ナノ粒子の膜形成原料には高純度銀 粒(4N)を用いた。
2. 銀基板および銀ナノ粒子の作製
銀基板は超微粒子試料作成装置 PJ-930KK(真空冶金㈱
製,神奈川県産業技術センター所有)により作製した。
同装置はナノ粒子が形成される生成室,ナノ粒子堆積膜 を形成する成膜室,生成室と成膜室を繋ぐ搬送管および
角田英男,上元好仁,堀川 洋
実験方法
真空排気系などから構成されている。生成室のカーボン 坩堝内の銀を高周波誘導加熱で加熱・蒸発させ,蒸発し た銀原子が1.5×105Pa まで加圧されたヘリウムガス分子 と衝突・冷却されナノ粒子となる。銀ナノ粒子は搬送管 を通じて減圧された成膜室まで搬送され,内径φ0.5の ノズルより約500m /sec の速度で吹き出し,基板に衝突 し数μm の銀膜が形成される。増感用銀ナノ粒子は既報
(Creighton J.A.et al.1978)により,大崎らの方法(Osaki T.et al.2005,大崎ら,2008)を参考にし,作製後2ヶ 月以内のものを使用した。同試料の粒径は必要に応じ,
レーザー光散乱式粒度分布測定装置や走査型電子顕微鏡 を用いて平均粒径を測定した。
3. ラマン分光装置によるラマンおよび表面増強ラマン
(SERS)スペクトルの測定
ラマンスペクトルおよび表面増強ラマン(SERS)スペ クトルは,デスクトップタイプの大型ラマン分光装置
(顕微ラマン分光装置,日本電子製 JRS-SYSTEM2000型,
LENISHAW 製 分 光 器,分 解 能1cm-1,励 起 波 長632.8nm,
最大出力30mW)と小型のラマン分光装置(Raman System 社製,励起波長785nm,最大出力250mW,測定範囲200~
2700cm-1,分解能10cm-1,270(縦)×210(幅)×90mm(高),
重量2.6kg)を用いた。前者はラマンスペクトルを高分解 能で精確に計測するのに用いた。後者は小型軽量で温室 や簡易な試験室などでの計測が可能な小型ラマン分光装 置の代表例として計測に用いた。
SERS スペクトルは作製した銀基板と増感用ナノ粒子・
試薬を用いて行った。あらかじめ所定の濃度に調製した 農薬等試料水溶液を用意し,増感用ナノ粒子・試薬を等 量添加し混合した。その後,試料溶液2μl 程度をサン プリングして銀基板に滴下し,風乾後にラマンスペクト ルおよび SERS スペクトルを計測した。メラミン分析用 試料は,小麦粉中に所定濃度のメラミンを添加混合し水 溶液とした後に,分析試料をサンプリング後にろ過し,
上記と同様に計測した。なお,メラミンのラマンスペク トルおよび SERS スペクトル計測は大型の顕微ラマン装 置を用いて行った。
Fig.1. Photograph of silver substrate (5mm×5mm) mounted on slide glass prepared by gas deposition method.
Fig.2. The Raman Systems R-3000, with 785 nm solid- state diode laser, a fiber optic probe, has a wavelength range of 200-2700 cm
-1(laser resolution:10 cm
-1).
1. ジチオカーバメート系農薬の分析結果
超微粒子試料作成装置を用いて Si 基板上に作製し,
チップ(5mm ×5mm)を貼り付けた銀基板の写真を Fig.1に 示す。同基板は銀ナノ粒子を堆積して製膜した構造であ り,ラマン分光用のレーザー光吸収効率が単なる金属 基板より高く(データは示さず), S 原子を含むような分 析対象化学物質が銀膜に吸着しやすくなっている。ま た,5mm 角のアクティブな銀基板上には,およそ4ヶ所 程度の異なる試料が積載可能であり,同時に2μl 程度 の複数の分析試料を取り扱うことが可能である。類似の SERS スペクトル計測用に,金を素材とした基板(商品名 Klarite)が市販されているが,一般的に銀の方が金より も化学物質への親和性や吸着能力が高く,高い SERS 効 果が得られやすい。また,素材のコストは銀の方が10分 の1程度と安価であり,チップの製造コストが低く 、 実 用性が高いと考えられる。銀ナノ粒子・基板を用いる計 測方法は,本研究で用いた農薬のパルノックス水和剤等 の分析結果から,基板そのものや分析後の試料の保存安 定性が比較的良いことも示された。
であることなどである。
実験結果および考察
Fig.2に本実験で主に用いた小型ラマン分光装置の写 真を示す。特徴は,①励起波長が赤外域であることから 蛍光によるバックグラウンドが比較的低い,②小型軽量
(重量2.6kg で可搬)であり,農場の温室内や簡単な試験 室で計測可能,③分解能が低い(10cm-1),④比較的安価
残留農薬の計測や食品中の汚染化学物質の計測には,
その分析所要時間が短いことを求められる場合がある。
通常の GC-MS や LC-MS などを用いる分析法は精確さに 優れているが,分析所用日数が1週間程度と日数がかか るのが現状である。それに比較して,ラマン分光分析は 試料の前処理過程が殆ど不要であり,その長所を生かし プラスチックの分別,捜査現場での非破壊的薬物分析や テロ用生化学物質の検出などに実用化されている。一方,
残留農薬や食品中の汚染化学物質は数 ppb~数十 ppm と 低濃度の場合が多く,通常のラマン分光分析では感度が 不足している場合が多い。そこで小型のラマン分光装置 を用い,感度を高めることが可能とされる SERS スペク トルの計測により,迅速・簡便な検出技術が実現できる 可能性が高いと考えられる。
本研究では小型ラマン分光装置(Fig.2)と SERS スペ クトル計測用の独自の銀ナノ粒子・基板を試作し,この 組み合わせによりジチオカーバメート系農薬・パルノッ クスのラマンスペクトルおよび SERS スペクトルの計測 を行った。濃度を4ppm から0.04ppm の範囲で変化させ て測定(積算時間30秒)した結果の一例を Fig.3に示す。
その結果,既報(Kang J.et al.2002)(S.Sánchez-Cortésa et al.1998)に記載されているように,Thiram のラマン
角田英男,上元好仁,堀川 洋
スペクトルで特徴的な高いピーク(561cm-1,ν(S-S)モード)
が SERS スペクトルでは大幅に減少していることが示さ れた。これは Thiram が S 原子の部位で銀ナノ粒子に吸 着している結果であると考えられる。一方,通常のラマ ンスペクトルでは顕著ではないピーク(1386,1443およ び1511cm-1)が SERS スペクトルでは大幅に増加している ことが示された。特にν(CN)に弱く結合している δ(CHs 3) 由来の振動吸収スペクトル(1386cm-1)が顕著に増大して いる。この結果から,SERS スペクトルで強度の大きい 1386cm-1のピーク高さを指標に,試料中の農薬(パルノッ クス水和剤)濃度とピーク高さ(カウント数)との関係を Fig.4に示した。濃度範囲が0.04ppm から4ppm の範囲では,
濃度に比例してカウント数が増加している傾向が示された。
この場合の近似直線(R2=0.98)から,この濃度範囲にお
いて1386cm-1の吸収ピーク値を指標として未知の濃度を およそ求めることが可能であることが示された。40ppm 以上の高濃度の場合については,同様の特有の吸収スペ クトルを示したが,必ずしも濃度との比例関係は強く認 められなかった。この結果から,野菜や果実などの表面 に付着したジチオカーバメート系農薬・パルノックスを 水などの溶媒で簡単に抽出し,その抽出液を今回の方法 で SERS スペクトルを計測することにより,残留農薬量 を測定することが可能なことが示唆された。このほか,
規程の濃度で散布されたパルノックス水和剤が表面に付 着している果実類(ナス,トマト等)表面を,前述の顕微 ラマン装置によるラマンスペクトル計測により,その定 性的検出も可能であることが示された(データは示さず)。
Fig.3. SERS spectrum of PALNOX
(Thiram
)Fig.4. Relationship between Raman SERS intensity of the peak
at around 1386cm
-1and count value of PALNOX (Thiram)
concentration.
2. メラミンのラマンスペクトルおよびSERSスペク トルの計測結果
前述の計測実験と同様に,銀ナノ粒子・基板を用いて,
顕微ラマン分光装置(励起波長632.8nm,積算時間30秒)
により小麦粉中にメラミンを添加した試料のラマンスペ クトルおよび SERS スペクトルの計測を行った。近年に なり,メラミンが本来含まれていないはずの食品や飼料 中から検出され世界的な問題となった。人や家畜がメラ ミンを多く摂取すると腎臓結石様の症状が現れるため,
その食品などへの含有の有無を迅速かつ大量に検査する ことが行われた。メラミン分析は,通常 GC-MS 法(検出 限界0.5ppm 程度)などにより行われる。また,赤外分光 法(FT-IR)によれば簡単な水溶液抽出後に金属基板上で 10ppm 程度の検出限界で計測が可能である。一方,最近 になりメラミンの食品中の規制値は1ppm と設定された。
この濃度は,比較的簡便な赤外分光法では計測が困難で ある。
そこで前述と同様に銀ナノ粒子・基板を用いた SERS
Fig.5. SERS spectrum of melamine (a) and melamine in wheat flour (b)
スペクトル計測を試み,その結果の一部を Fig.5に示す。
上部 (a) にメラミン400ppm の,下部 (b) に小麦粉中メ ラミン(メラミン濃度1ppm,水溶液 pH2)の SERS スペク トル(積算時間30秒)計測結果を示す。金ナノ粒子・基板 を用いて SERS スペクトルによりメラミンを検出する試 みは,既に報告(Lin M,He L.et al.2008a,Lin M,He L.
et al.2008b)されている。メラミン単一成分系では約 33ppb の限界検出感度があると報告されている。同スペ クトル計測結果(励起波長782nm,励起出力300mW)では,
676cm-1,984cm-1,582cm-1および380cm-1の順で特有の強 い吸収ピークが観測されている。純粋なメラミン単一成 分の場合は,銀ナノ粒子・基板を用いた本計測結果でも 同様の吸収波数帯域でそれぞれの強度に相関がある吸収 ピークを示した(Fig.5上部 (a) 参照)。実際の食品や飼 料などの分析試料には各種の化学成分が混在しているの で,メラミンのラマンスペクトル特有の吸収ピークを計 測できることが必要である。
角田英男,上元好仁,堀川 洋
そこで本研究では,比較的簡単な系として市販の小麦 粉にメラミン1ppm~400ppm 程度を混合し,その希釈水 溶液を銀ナノ粒子・基板を用いて計測した。その結果,
小麦粉に起因する強い蛍光バックグラウンドが存在するが,
既報値(682cm-1)とほぼ同じメラミン特有の強い SERS ス ペクトルピーク(683cm-1)を確認することができた。この 実験結果から,小麦粉に混和されたメラミンは1ppm 程 度以上の濃度では十分検出が可能なことが示された。ま た,既報(Lin M,He L.et al.2008b)の小麦グルテンの 場合の検出限界値(0.05%)と比較すると本報告の方が感 度が高い結果がでた。これは銀ナノ粒子・基板を用いた ことや試料自体の性状や溶媒抽出などによる影響による ものと推定された。このように,銀ナノ粒子・基板によ る SERS スペクトル分析法は小麦粉中のメラミン分析が 迅速・簡便に可能なことが示され,一次スクリーニング に適した分析法であると考えられる。
その他,今回は詳述しなかったが有機塩素系,ネオニ コチノイド系,トリアジン系などの各種農薬についても ラマン分光および SERS スペクトルの計測とデータの蓄 積が行われており,データベースの構築を目指している。
さらに,乱用薬物系化合物の置換基などの化学構造を反 映した SERS スペクトルの計測も試みられている。
本研究で実証したように,銀ナノ粒子・基板を用いた 小型で安価な装置による SERS スペクトル分析法は,農 薬や化学物質の分析法として感度が高く実用性が十分あ ると考えられる。今後,銀ナノ粒子・基板の改良や装置 の小型化・高性能化が進み,ラマンスペクトルや SERS スペクトル計測法が迅速・簡便な農薬および化学物質等 の簡易分析技術として普及することが期待される。
本研究のラマン分光計測実施に協力いただいた良知健 氏(神奈川県産業技術センター)およびナノ粒子の粒径計 測や走査電子顕微鏡写真撮影に協力いただいた神奈川県 産業技術センターの研究員諸氏に深く感謝いたします。
また,平成20年度創業期・支援モデル事業(神奈川県)を
活用させて頂いたことに謝意を表します。
Creighton J. A Christopher G. Blatchford et al., 1978.
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角田英男 2009. 植物,植物由来食品中の農薬・化学物 質の迅速・簡便・高感度検出技術の開発,ポスタ ー発表要旨,テクニカルショウ2009横浜,横浜
Lin M, He L. et al., 2008a. Detection of melamine in
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大崎知恵 , 久家裕貴ら 2008. Ag コロイド水溶液を使 用するウラシル,フタラゾン,2,3- ジヒドロキシ キノキサリン及びフタル酸ヒドラジドの表面増強 ラマン散乱 , 福岡工業大学研究論集 ,
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S. Sánchez-Cort
ésa, M. Vasinab et al., 1998. Raman and surface-enhanced Raman spectroscopy of dithiocarbamate fungicides, Vibrational Spectroscopy,
引用文献
謝 辞
17, pp.133-144
Using silver nanoparticle substrate fabricated on silicon wafers, we studied pesticides (PALNOX : Thiram) and melamine in wheat flour by surface enhanced Raman spectroscopy(SERS). Based on relationship between the intensity of the highest peak, a liner regression was found in the range of 4-0.04ppm. The limit of detection for melamine using this SERS method was around 1ppm.
SERS using the silver nanoparticle substrate and low-cost portable Raman instrument provide sensitive and highly useful analysis of pesticides and chemicals.
[
Key words
]simple and rapid Raman spectroscopy, SERS, pesticides, melamine
Abstract