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九州大学学術情報リポジトリ

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

自動化された可変波長色素レーザーの開発とその原 子蛍光分析への応用に関する研究

興, 雄司

九州大学工学研究科電気工学専攻

https://doi.org/10.11501/3088156

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第3章

オプトガルパニック自動波長校正装置

レーザーを分光分析に適用する場合, その絶対発振波長の校正が重要で-ある. 広い波長 域にわたって任意の波長を数値的にキーボードから入力して, 直ちに高い絶対精度でその 波長が得られるような可変波長レーザーはまだ存在せず, 実現すれば分光計測光源として 非常に便利であろう.

本章において筆者はオプトガルパニック信号を基準とし, コンビューター制御を活用し て短時間に絶対波長の校正ができる新しいシステムを考案し, それを第2章で述べた色素 レーザーに組み込んで‘実験した. その結果220,,-,740nmの全波長域を士O.5cm-1以下の絶対 精度で短時間に校正することができた.

絶対波長の校正にはファブリーベロー干渉計を用いる波長計が最も高い精度が得られる が, 高価でかなりデリケートな取扱いを要する. 本章で提案する方法は自動可変波長レー ザーシステムに適用した場合, まったく自動的な校正が短時間に可能であり, コストも安 価であることから, 工業的なシステムに最適であろうと思われる.

(3)

3.1

オプトガルパニック波長校正の原理

放電プラズマやフレーム中に存在する原子・ 分子の共鳴線に同調したレーザ一光を入射 すると, プラズマやフレームの電気的インピーダンスが変化する. これをオプトガルパニッ ク効果と呼ぶが, インピーダンスの変化はそのまま電気信号として取り出すことが可能で あり, オプトガルパニック(OG)信号と呼ばれる43,64) このOG信号の形成メカニズムは 必ずしも単純で‘はなく, 共鳴線によって信号の極性が変化することもある. しかし, スペ クトル情報が直接電気信号に変換されて取り出せることや励起準位閣の遷移が多数検出で きることなどから, 簡易な周波数標準として利用価値が高い. 実際これまでにもOG信号 を絶対波長校正の基準として用いるという提案は数多くある65)

そこで多数のOG信号を波長基準として用い, 第2章で述べた色素レーザーシステムの 波長がコンビューターによって制御されていることを利用して, コンピューターに目的の 波長をセットしただけでその波長が自動的且つ高精度で得られるような校正装置を実現す ることを考えた.

色素レーザーシステムは式(2-1)を用いて波長の設定を行なっている. 同調ミラーの設 定角度Fはステッピングモーターのアドレスzと対応しているが, それらの関係は次の式 で表わせる.

ß=αx+b 〆rat- っδ 唱lょ 、、BE,ノ

ここでαは1ステップ当たりの同調ミラー回転角 ( 自動回転ステージの分解能〉 で, bは ß=Oになるようなステッピングモーターアドレスである. 実際に波長校正を行なう場合 はこのbを校正することになるが, ステッピングモーターアドレスXoにおいてレーザーの 発振波長がんで・あるとすると, 式(2-1)よりbは次のように校正される.

b=山一l(dm入o - Sl11α)一αXo (3-2)

72

(4)

これを元にして任意の波長入を与えるステッピングモーターアドレスzは

z=

j

{sin-1(dm入- Slnα)一b} (3-3)

となる. また, ステッピングモーターの最小ステップに対する波長移動量は波長域によっ て異なる. この式を用いると, ある1つの波長で正確に絶対波長を校正しておくと, 全波 長域にわたってその絶対値を求めることができる. しかしながら, その精度は校正した波 長から離れるほど低下して行く. 特に色素を変えた場合には光軸が完全に同じにならない ため, lnmオーダーもの誤差が生じる場合がある. そこで本装置ではOG信号が広い波長 域にわたって非常に多数存在することを利用し, それらをコンビューターに記憶させ, そ の基準線の近くの狭い波長域でのみ式(3-3)を使って校正することを考えた. この様な方 法を用いれば全波長域を高精度で自動的に校正できる.

具体的な校正手順としては次のような方法が考えられる.

1) あらかじめ多数のOG信号の絶対波長を全波長域で調べ, コンビューター上にその 波長をデータベースとして記憶させておく.

2)目標となる波長入が数値として入力されると, その近傍にあるOG基準波長入。を決め,

式(3-3)を用いて色素レーザーを入。近傍で発振させ. さらに波長を掃引してOG信号 のプロファイルを取り込む.

3) そのOGプロファイルよりピークを求め, その時の同調ミラーの角度(ステッピング モーターのアドレス〉を入。として式(3-2)を用いて校正を行なう.

4)再び式(3-3)の計算によって波長入に色素レーザーをセットする.

以上の操作をコンピューターが自動的に行うようなプログラムを作成することは十分可能 である.

(5)

3.2

OG信号の取り込み実験

この校正法を実現するにはOG信号を全波長域でまんべんなく, しかも高感度に取得で きるようなOG信号源が必要になってくる. SHGの波長は正確に基本波の1/2になるの で, 校正は360",740nmの全基本波長域で行えばよい. OG信号を最も簡単に取得できるデ バイスとしてホローカソードランプがある. そこで本校正装置を実現するための予備実験 として図3-1の実験装置図により基本波全波長域にわたるホローカソードランプのOG信 号取り込みを行った.

OG信号源としては透過型ホローカソードランプ(浜松ホトニクス, L-2783)を用いて いる. カソードの元素としてはFeを用い, 緩衝ガスとしてAr/Ne=2Torr /3Torrが封入さ

れている. 入射するレーザ一光はレーザー出力として使用されていない零次回折光を用い た. ホローカソードランプは高圧のDC電源に接続され定常的に放電している. レーザー

N2 LASER

BOXCAR INTEGRATOR

LENS

図3-1:OG信号の取り込みを行なう実験装置図

74

1ST ORDER

(6)

∞刊∞∞.←←

∞守.∞Oの

Couma rin 5 0 0

」〈ZU一ω。。

530 520 525

505 510 515

WA V E L E N G T H [n mJ

(a)使用色素:Coumarin 500

500 495

490

の寸-∞寸寸C-の∞のドド∞NZ

NNドの-

司喝TC'-I C'-I c二コ〈ヨ市 00 lLラ Rhodar司ne 590

」〈ZO一ω。。

600 595

580 585

WA V E L E N G T H (n m)

(b)使用色素:Rhodan1ine 590

590 5 75

570

図3-2:取得したOG信号のプロファイル例

抵抗を用いてこれを電 光が入射すると放電電流がパルス的に変化するため,

て高耐圧コンデンサを通して取り出した. 信号はボックスカー積分器(SR-250)でサンプリ コンビューターに取り込まれる.

ング・積算され,

掃引しながらOG信号を取り込 表2-1で示した13穫の色素全てについてレーザーを波ー

(a) (b)はそれぞれCoumarin 500, Rhodamin 590 その結果の一例を図3-2に示す.

んだ.

それぞれの色素で発振波長をステッピングモーターで で得られたOGスペクトルである.

各々の波長でOG信号をコンビューターにとりこみ10 決まる最小波長刻みで掃引させ,

ショットずつ平均してプロッ卜した. 通常ホローカソードランプを用いたOG信号の背景ノ 2)レー 1)電極にレーザーが当たることによる光電効果,

イズ源として問題になったのは,

(7)

ザ一光に含まれるASEによるOG信号, 3)OG信号自体の揺らぎである. このうち2)は ブロードなASEによる複数のOG信号が重畳された形で現れることになる. この点から考 えるとレーザー の零次回折光出力は絶対出力こそ高いもののASEを高い割合で含むため,

レーザー本来の出力(一次回折光出力)に比べ不利になる. しかし本機で使用した透過型ホ ローカソードランプは通常のものに比べ, 陰極に直接光があたらないので1)の影響がほと んど無く, ASEを含まない一次回折光を用いた場合に比べ遜色ないSN比でOGプロファ イルを得ることができた.

前述のようにして各色素についてOGプロファイルの取り込みを行なったところ, 基 本波の全波長域で 300本近いOG信号が観測された. これらを “MIT WAVELENGTH TABLE,,66) (以降MIT波長表)を用いて同定を行なったところ190本以上の共鳴線を同 定することができた. そのほとんどはArの準安定状態からの遷移であり, NeやFe原子 の共鳴線はわずかであった. そこでこれらの共鳴線の中から基準となる共鳴波長として35 本ピックアップした. 表3-1にこの基準波長の一覧を示す. 基準波長は特に感度の高いもの の中から, 各々の間隔が大体等しくなるように, また同時に各色素の同調域も考慮して選 択されており, 全てArの共鳴波長であった. ここで分担波長域というのはその基準波長を 用いて校正を実行する波長域を示しており, それぞれの広さが10rv15nm程度を越えない ようになっている. 分担波長域を狭くすれば校正精度は上がるが, ここでは現実に得られ たOG信号の分布からこのような分担域を決めた.

この実験で, 緩衝ガスとしてArを用いれば360rv740nmの範囲においてかなりの数の OG信号が高感度に取得できることがわかった. また透過型のホローカソードランプを使 用することでASEを多く含む零次回折光でも良好なOGスペクトルを得ることができる ことが証明された. この方式は安価なホローカソードランプを追加するだけで校正装置が 構成できるので. 第2章で述べた色素レーザー内にも組み込むことが可能であった.

76

(8)

表3-1:選択された基準波長及びその分担領域, 設定誤差の一覧 分担J

[nm] [nm]

369.1947 ArI 360^J 379 383.5767 ArI 379^J 393 394.8621 ArI 393^J 400 405.5670 ArI 400^J 415 420.1859 ArI 415^J 428 434.6388 ArI 428^J 440 444.709 ArI 440^J 447 451.1998 ArI 447^J 455 459.7385 ArI 455^J 466 470.3632 ArI 466^J 475 480.0083 ArI 475^J 485 488.765 ArI 485^J 490 495.8136 ArI 490^J 500 506.149 ArI 500", 510 516.3722 ArI 510^J 519 522.2724 ArI 519^J 525 531.9205 ArI 525'" 536 542.2853 ArI 536", 546 549.7399 ArI 546", 555 560.8289 ArI 555", 565 569.122 ArI 565", 570 580.3691 ArI 570'" 585 589.0224 ArI 585", 596 603.3794 ArI 596", 613 621.4226 ArI 613", 625 641.8089 ArI 625", 645 653.9921 ArI 645^J 660 667.9126 ArI 660", 670 675.4696 ArI 670", 680 687.3186 ArI 680^J 688 696.7351 ArI 688^J 700 706.9166 ArI 700^J 711 714.9011 ArI 711^J 721 727.494 ArI 721", 730 738.6014 ArI 730'" 740

[STEP]

o r-..J +1

ー1 ^J +1 -2 ^J

O^J -2 ^J -2 ^J +2

o ^J +1 -1 ^J +2 -2 ^J

o r-..J +1

o '" +1 -2 '" +1

ー1 '" +3 -2 ^J + 1 -1 ^J +1

o ^J +2 -2 ^J +1

o ^J +1 -2 '" +2 -2 '" -2 ^J +3

o ^J +1

o ^J +2 ー1 ^J +1

o ^J +2 ー1 ^J +2 -1 ^J +3 -2 ^J -5 ^J -4 ^J +2

o '" +4 -5 '" +2

([cm-1 ])

(-0.54 ^J (-0.49 ^J

o ^J +0.45) (-0.45 ^J +0.45) (-0.82 ^J

O^J (-0.68 ^J

(-0.68 ^J +0.68)

o ^J +0.34) (-0.31 ^J +0.62) (-0.62 ^J

o ^J +0.31)

o ^J +0.28) (-0.57 '" +0.28) (-0.28 '"

(-0.28 '" +0.85) (-0.48 '" +0.24) (-0.24 ^J +0.24)

o '" +0.48) (-0.48 '" +0.24)

o '" +0.24) (-0.40 ^J +0.40) (-0.40 '"

(-0.35 ^J +0.52) 0 ", +0.17)

o ^J +0.28) (-0.14 ^J +0.14)

o ^J +0.28) (-0.14 '" +0.28) (-0.14 ^J +0.43) (-0.19 ^J

(-0.48 ^J

(-0.38 ^J +0.19)

o ^J +0.38) (-0.48 '" +0.19)

(9)

3.3 OG波長校正の誤差検討

前節で定めた基準波長によって校正を行なった場合にどの程度の精度が得られるか, 予 備実験で得た190本以上のOGラインを用いてその校正誤差の評価を行なった. 即ち, 基 準波長と式(3-3)を用いて分担領域内外のOGラインを与えるステッピングモーターのア

ドレスを計算し, 実験でOG信号のピークが得られたアドレスとの誤差を求めた.

OGスペクトルのピークの決定法は精度に大きな影響を与える. ここではスペクトルプ ロファイルの平滑化微分係数を計算して, 微分係数の符号が反転するところをピークとし た. アドレスηにおける平滑化微分係数仇は重み係数を用いた次の式で計算した.

玄{i(丸+i

-

kn-i)}

dn

= .!=1 m 2

z

t=l

(3-4)

ここで仇はOG信号強度,mは平滑積算数でうm= 5で計算を行なった. またアドレスの 計算には前述のMIT波長表の波長と式(3-3)を用いた.

図3-3にそのようにして求めた誤差の一例を示す. 色素Coumarin540 の同調全域に対し て, 基準波長 549.7399nmを用いた場合の校正誤差をステッピングモーターアドレス及び波 数で-プロットしている. 点線で囲まれた領域が基準波長の分担領域である. 校正誤差は基準 波長から遠ざかるにつれて増加する傾向にあるが, 符号などもまちまちで系統性はほとんど

見られない. この色素については同調域全域で1cm-1以内, 分担領域内でiま-0.25'"'-'0.5cm-1

の範囲に収まっていた.

図3- 4はこの誤差計算を色素レーザー基本波の波長全域に適用したものである. 35個 の分担領域内での他のOGラインから求めた誤差を cm-1で-示した. これより短波長域で いくつか例外が見られるものの. ぼぼ全域にわたり誤差は土0.5cm-1程度に収まっており,

士O.5cm-1の精度が達成できていることがわかる. 得られた校正精度は大体使用している レーザーのノ〈ンド幅と等しい.

78

(10)

1 .5

T T T

6

[TEO]Z05出

→1

→o .5

• • IM-

• • •

-・ ・・

••

ト・

[nmJ

: STANDARD LINE

{

5 4 9 .7 3 9 9

nm) :

rõ4ト c/) 0....

斗J

L-..J2ト・・ ・­c/) z

o z 白ごw

-0 . 5 580

一_j__

5 4 0 -2 I

520

WAVELENGTH

図3-3:OG波長校正法による波長設定誤差

(点線内分担領域)

ここで得られた誤差の原因を考察してみよう.

1) OG信号のプロファイルのピーク検出誤差

したがっ OG信号の揺らぎによってプロファイルのピーク値にはあいまいさが残る.

この誤差は減 てレーザーのスペクトル幅を狭くしOG信号のSN比を高めることで,

少させることができる. またピーク決定の際, 最小二乗法等による計算プロファイル とのフィッティングを行なうことでも誤差の減少が期待できる.

2)ステッピングモーターの分解能から生じる誤差

当然のことながらステッピングモーターの波長分解能以上の精度を得ることはできな これは波長に直すと長波 この分解能は角度で言えばステップ当たり1/10000で,

短波長域で誤差が 増大している原因としては, 若干これらの影響が出ていることが考えられる.

短波長域で0.7cm-1/ステップになる.

長域で0.lcm-1/ステップ,

(11)

トJ

862 1 5670

1 49

3632 .0083

.8 1 36

.9205 7385

.2853 7399 765

[cm-1J

ζコ

ERROR

"コ 0.l Cヌラc::>

問問。

[cm-1J

"コ

ERROR

Cコ lM

mmo ∞00 ∞問。吋00吋品。

〈〈〉〈m「mzo→工[コヨ]

図ωム一一淑溺潟市川ゆ銘打叫Udhwが慾同開尚郊Mm 泳否応)簿剛一件桝機応)CC難-

肉店江市応)桝様難応)山仰-w本AU輪開園小切斗・

Cわo

(12)

3)基準波長値の持つ誤差

MIT波長表に記載されている波長値の全桁が全て有効数字であれば, その精度は 土lpm(波長600nmでO.03cm一1以下に相当)程度であるため, 誤差は生じないはずで

ある. ただ近接した共鳴線によるプロファイルの変形など個々のラインについての絶 対波長の信頼性についてはさらに吟味する必要があろう.

4)発振波長の計算式から生じる誤差

式(3-3)による波長設定において. その計算に使用しているパラメータ(回折格子定 数d,入射角民ステージステップ角的が正しくなければ誤差が生じる. しかしこのよ うな誤差は一般に系統的に現れる誤差であり, 今回の実験ではこのような系統的な誤 差はほとんど見られなかった.

これらのことを総括すると, レーザーのスペクトル幅を更に狭くするとそれに応じて精 度が向上することが期待できる. しかしその場合にはステッピングモーターの波長設定分 解能をあげておかねばならないであろう. これはステッピングモーターにハーモニック減 速装置やマイクロドライバーを用いることで実現可能である.

もう一つの方法として, さらに多くの基準波長を設けることで分担波長域を狭くするこ とが挙げられる. この方法はシステムの精度を上げずに済み, 基準波長を増やしても校正 手順は複雑にならないため前述の方法よりも有効であろう. 実際に目的の共鳴波長の土3nm 程度の範囲にあるOG共鳴線で波長校正を行なった場合, ほとんどの場合でステッピング モーターの分解能と同程度の設定精度が得られた. また本装置は実際に第5章で述べる多 元素の蛍光分析の実験にも使用し, 良好な設定精度を得ている.

本装置のもっとも大きな特長は, 操作者は単に必要とする波長をコンビューターに打ち 込むだけで, 後の校正は全自動化されている点にある. 現在のプログラムで波長校正に要 する時間は平均して25秒程度であった. この大部分は基準線の近くを波長掃引してピーク

(13)

値を 見出すのに要する時間である. 掃引時間を短縮するために粗い掃引と細かな掃引を組 み合わせている. レーザーが予めかなり良く校正されておれば掃引時間は短くてすむ. 逆 に非常に波長が狂っている場合には基準線のピークを探し出すのに広い波長の掃引を必要 とする. よりインテリジェントな掃引のアルゴリズムを見出せば, 校正時間はもっと短縮 できるであろう.

3.4 まとめ

本章では広帯域自動色素レーザーに組み込んで動作する新しいオプトガルパニック自動 波長校正装置を試作し, その設定誤差の評価を行なった. 得られた結果を求めると 以下の 通りである.

1)ホローカソードランプのOGスペクトルを360", 740nmの波長域で測定し, Arの準 安定準位から生じるOG信号を用いると全波長域で基準となるラインを設定できる ことを示した.

2) 35本の OG信号を基準とし, コンビューターによる波長掃引装置と組み合わせて,

220", 740nmの間の任意の波長を数値的に入力すると, 自動的にその波長のレーザ一 光が得られるようなシステムを可能にした.

3)その際の絶対波長の設定誤差 はほぼ全波長域で-士0.5cm-1, (SHG域で;'i士0.25cm-1 に相当)以下であることを示した.

4)校正の際生じる誤差の原因を考察し, 主にOG信号のピーク位置決定のあいまいさ からくることを示した.

5)校正時に要する時間は主にOG基準波長信号のピーク位置を探す時間によって決ま り, 現状では25秒であった.

82

(14)

第4章

cw色素レーザーを用いたフレームレス原 子蛍光分析

レーザー誘起蛍光 (LIF)を用いた原子蛍光分析が非常に高い検知感度を持つことはすで に述べた. 本研究の目的は, LIF法を用いて純水中の各種微量元素の定量を高い検知感度 で行なうと同時に, その高感度性を維持しつつ分析システムの自動化・測定操作の簡易化・

高信頼性 化を進めて, 工業計測技術のレベルまで高めることにある.

これまでにもレーザーを励起源とする原子蛍光分析の試みは数多くなされており, 原子 吸光分析法や発光分析法をしのぐ高感度が得られている場合もある52,51,67) しかし, LIF 法が本来持つ能力からすればその感度にはまだ改善の余地があるようにも思われる. その 場合に最も重要なポイントは原子化装置(アトマイザー)にあるといえる.

本章では抵抗加熱フィラメント法とマイクロ波誘導プラズマを組み合わせたアトマイザ- 68,69)にLIFを適用して, 純水中のNa原子の定量を行なった結果をまとめた. Na原子の D2線におけるLIFでは励起源としてcw色素レーザーを使用することができ, Na蒸気セ ルとの比較により原子化効率などの検知下限を決める基礎的データを収拾することができ

(15)

た. その結果, 原理的にはlpgjcm3(ppt)以下の検知感度を得ることも不可能ではないこ とを示す.

4.1 レーザー原子蛍光法における基礎過程

4.1.1

二準位系におけるLIF計測

一般にレーザー原子蛍光分析において, 特定の原子共鳴線を単色性の良いレーザ一光で 励起した際に得られる蛍光(LIF)は, 励起波長と同じ波長の場合と長い波長の場合がある.

前者は二準位系, 後者は三準位系のモデ、ルで・取り扱われる. 第4章, 第5章でLIF の実験

対象となったのは全て二準位系であったので, 本章では二準位系におけるLIF信号強度に ついて解析する.

図4-1で示すような下位・上位準位の原子密度がη1川2. それぞれの縮退度がglうので・あ る二準位系を考える70) そのスペクトル拡がりは幅(L1ν)Dぅ中心周波数lノODのドプラープロ

η2ぅg2

PUMPING

v

B12 n1, gl

ー一一一...

ー一一ーー争-I -ーーーー一事F

B211 A21

図4-1 :二準位系のモデル図

ファイルf(ν,νOD)で表わされるものとし, さらに幅(L1l1)Nl中心周波数νONのローレンツ型 の不均一な自然拡がりん(νヲlION)を持つなスペクトルとする. このような原子に幅(L1l1)L.

中心周波数νOLのローレンツプロファイルu(νヲレOL)を持つレーザ一光が入射した場合につ

84

(16)

いて考える.

微小周波数区間内r-v V� + dvとに共鳴する原子がについて, レート方程式は,

dη25 = B12η1 I∞dvu(v, vOL)h(ν?内) dt - -U, '-l J_∞

-B21ni

仇(V,VOL)ん(川)一ん (4-1)

で与えられる ここでサフィックスとは原子の速度に対応しており. バ?イはそれぞれ基底準 位,励起準位の原子密度で,nj+込=ぷ=ηf (νゎレOD)は一定である A21' B12' B21はそれ ぞれ自然放出,吸収ぅ誘導放出のアインシュタイン係数で, B2192 = B1291二92A21c3/8πhv3 の関係を用いれば式(4-1)の定常解を導くことができる.一般に(LlV)L >> (Llν)Nの関係が 成り立つが, レーザーのバンド幅(LlV)Lとドプラー拡がり(Llν)Dの関係でその解の形は異 なってくる.

もし, レーザーバンド幅(LlV)Lがドプラー幅(LlV)Dより充分広い場合には式(4-1)の定 常解は,

η2 = 92 S η一一一一一

91 + 92 '1 + S (4-2)

s = I(入OL)g1+92 一入一5

91 8πhc2 ( 4-3)

となる. ここでSは飽和ノぞラメーターである.式(4-3)よりS二lとなるような飽和ノミワー 密度んを求めて波長表現で・表わすと,

山 8πhc2

Is =ーーァ(Ll入)L

91 + 92 八 (4-4)

となる70) 逆にレーザーバンド幅が非常に狭く(LlV)L << (LlV)Dが成立する場合には式 (4-1 )の解は,

η2 二 JLAf(νOL)(d4 v )N11

+ s (4-5 )

(17)

光検知器

試料導入

LIF信号

フィノレター

集光レ ンズ

ー-, I

可変波長 レーザー

図4-2:レーザー原子蛍光分析装置の原理図

という形になる. ドプラー拡がりは不均一であるので, この場合の有効な飽和ノマワー密度

1sは,

gl 8πhc2介

1s

=

一一一 一一

一(心)N

gl

+

g2 入5

2 (4-6)

となる. レーザースペクトルが広い場合でも, それが単色性の良いm本の縦モードから成 り立っていると考えられる場合には, 式(4-6)から,

gl 8πhc2π 1 s二一一一 ーァi-( 心 )N

gl

+

g2 入υ 2

(4-7)

となる. そして, 隣り合ったホールバーニングのi隔が重なり合わない範囲での飽和は式(4-5) の重ね合わせで解析できる.

図4-2'こ実際の原子蛍光分析装置の原理図を示す. アトマイザーに注入された試料水は原 子化され, その原子に固有の波長のレーザ一光で励起されて蛍光を発する. その蛍光(LIF) はフィルターを通して光検知器に集光される. 通常, 光検知器としては光電子増倍管が用 いられる.

検知器の見込む立体角をn, 集光系の透過率をT, 観測体積をVとすると 検知器の光

86

(18)

電面に入射する 光子数 はl秒当り式(4-2)の場合には,

φ 92 n 一三-AJT11

91 +92 - 1 + S - .. i

(4-8)

また, 式(4-5)の場合には,

φ_

92 よf(νOL)( LJ V)N 三 n A 21 Vη

91 + 92

2

/

l

+

S

_ .

'4π (4-9) で与えられる . いずれにしてもLIF信号強度φはアトマイザーで生成され た原子密度ηに 比例する ことから, 原子の定量が可能になる .

一方, レーザーの強さ Iに関してそれが充分小さい場合(S=1/1s<<1)に式(4-8) は,

。 一 んU 竹り, V A

I一んη

出 一一 φム

( 4-10)

となりIに比例する , 逆に大きい場合(S= / 1s 1)にはIとは無関係になり,

。一hu 竹川, V 勺'H A n

φ 一一 L…

( 4-11)

で与えられる

Na原子のD2線について原子密度が107個/cm3とした場合の, レーザーパワーと毎秒得

られる LIF光子数の関係を式(4-8)を用いて計算した結果を図4-3�こ示す. 但し各ノぞラメー タには以下の実験条件を考慮して表4-1の数値を用いた. 完全な単色光ではわずかlmW以 下, スペクトル幅30pm の連続スペクトル光では1W以下の入力で飽和が始まる. 式(4-9) の場合 1mW程度で108個/sec 以上の多数のLIF光子が検出できる. わずか107個/cm3の原 子からこのように多数のLIF光子が得られるのは, Na原子の上位準位の緩和時間ァが16ns と短く, 強い飽和 光を照射 しつづけるとl佃の原子が励起と緩和を繰り返しながら非常に多 くの光子を放出する ためである. 従来の光源に比べて高いスペクトル輝度を持つレーザ一 光で励起すると飽和点以上の強し、励起が可能で, しかも指向性が高いため迷光が少ない. こ

(19)

101 1

101 0 109 108 107 106 105

守ωω\心zoトO工仏比コ

102 101 10-3 10-2 10-1 100 LASER POWER WJ 10-4

10-5 104

10-6

図4-3:励起レーザーパワーとLIF光子数の関係 (Na原子密度n=107jcm3の場合)

表4-1:図4-3の計算に用いたノマラメータ値

16 ns

NaD2線の蛍光寿命ァ

589.0 nm NaD2線の波長入

基底準位の縮退度91 2 励起準位の縮退度92 4

31.4mm3 観測体積V

観測系透過率ヮ 10%

0.2 sr

観測立体角。

30pm レーザースペクトル幅(Llν)L

1000K Na原子温度T

88

(20)

フィラメントl�下

十廿

円/rz レーザ一光

マイクロ波 キャビティー

図4-4:本研究で用いたアトマイザーの基本構成図

4.1.2

アトマイザー

図4-2に示したように, 試料水の中に存在する原子を解離して気相の原子状態にするには アトマイザーと試料水の注入装置が必要になる. これに関してはこれまで原子吸光分析法 を中心として非常に多くの研究が行われてきている. アトマイザーは試料を高温に加熱し 熱解離をさせるもので, 従来フレームを使うものが多かったが, 最近ではグラファイト炉,

アーク放電, 高周波放電, マイクロ波放電などフレームレスアトマイザーと呼ばれる方式 が実用化されてきている. 注入方式にはネブライザー(スプレー方式と超音波方式がある) による連続注入と, 少量の液滴を直接注入する方式が一般的である.

これまでLIFはフレーム式のアトマイザーに適用された例が多い52-71) それに対して 本論文ではマイクロ波誘導プラズ、マ(MIP)による原子化と, 抵抗加熱フィラメント法によ る試料注入を組み合わせる方法を用いた. これはこれまで発光分析用に開発されてきたも ので68,69), LIFへの適用は本研究が初めてである. そこで本節ではこの方式の概要とその 特長について述べる.

図4-4に本装置の基本的な構成を示す. 試料を少量(r''"' 10μf)滴下し, Heガスを流しつつ

乾燥させた後, 大電流をフィラメントに流してフラッシュさせる. 試料は大気圧のHeキャ

(21)

リアーガスに運ばれて, 石英管内のMIP部に到達して原子化される. その時出口側から原 子に特定のエネルギー準位に共鳴したレーザ一光を入射すると, LIFが発生する. 一般に LIFはキャビティーの内部と下流の限られた部分でのみ観測される. 本装置に使用した大 気圧のHe-MIPアトマイザーの特長をまとめると下の通りである.

1)解離エネルギーが高く, 高い原子化効率が得られる. そのため, 高い解離エネルギー が要求される非金属原子でも高い効率が得られる.

2)誘導結合プラズ、マ(ICP)等に比べガスや電力消費が少なし 長時間安定動作ができ る. また冷却も不要である. プラズマが小さいため, 微量な試料分析に向いている.

3 )大気圧動作ができるため, 構造が簡単でメインテナンスが容易である.

4) ICP等に比べプラズマ背景光が少ない.

このうち1)についてはプラズマの温度自体は3300K程度であるが72), 熱平衡状態から 大きく外れており, 熱的な解離より準安定状態のHe原子の衝突による非熱的解離が重要 な役割を果たしているといわれている73) その結果, 励起されたHe原子は常にそのエネ ルギーを相手の粒子に与えるため, He-MIPは測定された励起温度以上の解離エネルギー を持ちうる.

大気圧He-MIPは水分が存在すると安定放電が維持できないため. ネブライザーによる 連続注入は適さない. 筆者は数穫の試料導入法を試みた結果. 抵抗加熱フィラメント法を 採用した. この方式の特長としては試料が乾燥状態でプラズ、マに導入されることと, 微量 の試料で短時間ながら高い原子密度を得ることができることが挙げられる. しかし 動作 が間欠的である上に試料が短時間(O.lsec程度)の聞に観測部分を通過してしまうので. 次 章で述べるパルス色素レーザーを用いた分光分析ではいくつかの問題点が出てくる.

90

(22)

0レベル 時間

図4-5:パルス動作アトマイザーによるLIF信号のモデル図

4.1.3

雑音源

一般に分光計測における検知下限は信号と雑音の比(SN比)によって決まる. LIF計測 では光検知器として光電子増倍管(PMT)を使い, ロックイン増幅器やボックスカー積分 器などを経て記録される. その結果上述のような間欠的なアトマイザーを使った場合には 図4-5のようなデータが得られる. その際ベースラインの揺らぎ分をIN,信号の強さをん すると通常SN比は,

で定義される.

5/N =ム

21

( 4-12)

雑音源として考えられるのは, 光電子増倍管が本質的に持つショット雑音?プラズマ背景

光の揺らぎヲ迷光の揺らぎ?注入した試料以外の混入などがある. 以下それらについて一般 的な事項をまとめておくが, どの雑音が一番支配的であるかは場合によって異なるので, 実 験の部分で再度取り上げる.

(1 ) ショット雑音

一定の強さの光が入射したとしても光電子増倍管のアノード電流は

(23)

の揺らぎを含む. ここで( L11)2は電流成分の二乗平均値• eは電子の電荷, αは光電管の構 造で決まる定数. Gは増幅率• 1kは光電面電流• L1Bは測定系のバンド幅である 系がプラ ズ、マ背景光と迷光による雑音を受ける場合に, 信号?プラズ、マ背景光7迷光によるショット 雑音成分をそれぞれ. (L11F), (L11B), (L115)とするとSN比は,

1.. r lF

S/N =

2

J

(L11F)2 + (L11B)2 + (L115)2

(4-14 )

で与えられる. 従って, ショット雑音はLIF信号の絶対値が小さい場合にのみ問題となる.

また, そのスペクトル分布は白色的であるため, 測定系の帯域i1Bを狭くするとそれに比 例して減少する. これは信号を積分回路やローパスフィルターを通して速い揺らぎ成分を カットすることで実現できるが, より低い周波数までカットするには信号の長ノミルス化が 必要となってくる.

(2) プラズマ背景光

プラズマ背景光の内DC成分はフィルターで容易に除くことができるが. 背景光そのも のに含まれる時間的な揺らぎは雑音となる. もちろん背景光の強度自体を減らせば揺らぎ も減少する. 問題になる揺らぎの原因しては放電に起因する本質的な揺らぎのほかに, フィ ラメントのフラッシュ時のショックが挙げられる.

プラズマ背景光を減らす一般的な方策としては. 1)分光器などのスペクトル帯域フィル ターを入れる, 2)空間的にLIFが大きくプラズマ背景光が弱い場所を探す, 3)信号処理系 にバンド、パスフィルターを入れるなどが考えられる. 第5章で行なうように信号を含む系 統と含まない系統を使って揺らぎを打ち消す方法も考えられる.

図4-6に本研究で用いた大気圧He-MIPの発光スペクトル分布を小型分光器と光電子増 倍管で測定した例を示す. 検知器の分光感度は補正していない. 300 r'-.J 400nmに存在する 幾つかの強し1発光はOH基などによるものと考えられる74) 測定する波長域によってプラ

92

(24)

He M IP SPEC TRUM

x50

2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 7 0 0

WAVELENGTH �rrV

図4-6: He-MIPの紫外-近赤外におけるスペクトル強度分布

(上のグラフは感度を50倍に上げたもので, 300rv400nmはスケールアウトしている) ズマ背景光の強度は著しく変化することがわかる.

(3 )

迷光

ここで迷光と呼んでいるのは励起用レーザーの光がアトマイザ一容器内で散乱して検知 器に入射した成分をいう. 励起波長とLIF波長が等しい二準位系の場合, 迷光は光学フィ ルターによって除去できないため. 特に重要である. 迷光を減らすには容器の形が問題で,

ビームダンプやビューイングダンプぅフランジを付けて抑えることが可能であるが, 分析用 のアトマイザーではこの種の対策には制約が多い. レーザーの揺らぎを減らすのも有効で ある. また, レーザーのスペクトル幅が原子のスペクトル幅よりも大きい場合には, スペ クトルを狭めることでも迷光は減少する.

一般にレーザ一光の強さが飽和ノマワーより大きいとLIF強度は上がらずに迷光のみ増加 するためSN比は下がる. しかし 飽和点以上では励起光の強度揺らぎによるLIFの揺ら ぎが減少するから, 場合によってはSN比が逆に上昇する場合もある.

(25)

FILAMENT

Ar+ LASER

PEN­

RECORDE

CW DYE LASER

Na VAPOR­

CELL

LASER

図4-7: CW色素レーザーを用いたNa原子分析実験装置

(4 ) 不純物混入

注入した試料以外に放電管壁やフィラメント, 溶媒などに含まれる元素が混入して, 信 号に干渉を与えることがある. これは本章で述べるNaの場合に特に問題になったことな ので, その項で詳しく触れることにする.

4.2 CW色素レーザーを用いたNa原子の検知

4.2.1

実験装置と測定の手順

図4-7にCWレーザーを励起源とした分光実験装置図を示す. CW色素レーザーにはAr+

レーザー(Spectra-Physics社ぅ164型)励起の色素レーザー(同社. 375型)を用いた. 色素 はRhodamjne590(エチレングリコール溶液, 濃度2 x lO-3mol/e)で. 付属のチューニング

94

(26)

ウエッジと 2枚のソリッドエタ ロンを色素共振器内に挿入してバンド幅を3.3pmに狭帯域 化した. Na原子の共鳴線としてはNaD2線を使用し, 飽和励起を避けるため出力を3mW に調整した. レーザ一光はビームチョツノモーで 540Hzにチョップされて放電管に入射する.

同時に, 一部をビームスプリッターで取り 出し, 温度コントロールされたNa蒸気セルへ 入射させてNaD2線への同調モニターとして使用した.

MIPの放電管には内径6. 4rnm仇外径=lOrnmゅう長さ300rnm の溶融石英管を使用した が, あとに述べるように放電管自体に含ま れるNa原子が問題になるため, Na 含有量が 0.05ppm以下の高純度石英管を使用した. フィラメントは O.lmmゅのタングステン線をl 回半巻いたものをアクリル製気化器内に固定して使用した. 気化器の フィラメント上方に は窓があり. ここからマイクロピペ ットによって試料をフィラメントに滴下する. マイク ロ波源にはマグネトロン(松下電器,2M186ぅ最大400W)を使用し. マッチング用の空洞共 振器を通して同軸ケーフ、、ル(8D-2V, 50ft)でキャビティーに接続した. マグネトロンの電源 は漏洩トランスを用いた単相半波倍電圧整流で供給されるため, MIP放電波形は直流では なく 6 0Hzの半波整流となる.

MIPに導入され た試料はレーザーによって励起され蛍光を発するが. Na原子の場合LIF はプラズマ点灯部だけではなく, その下流約10mmのところまでは観測することができる.

実験ではプラズマ放電による背景光の影響を減らすため, この下流の蛍光を垂直方向から 石英レンズ(50mm仇f = 50rnm)で集光し, 干渉フィルター(帯域半値幅lnm. 最大透過 率70%)を通して光電子増倍管( PMT:浜松ホトニクス,R-562 )で観測した. PMTから の信号はオシロスコープでモニターすると同時に, チョッパーに同期したロックイン 増幅 器(NF社,LI-573)で処理してペンレコーダーで記録した. 蛍光が強い場合PMTの出力が 飽和することがあるので, 校正されたNDフィルターを適宜挿入して入射光を制限し, 直 線性が保証されているlmA以下の出力レンジで測定した.

(27)

試料水は1000ppmの標準試料(和光純薬製) を使用直前に適宜純水で希釈して用いた.

希釈水は市販の蒸留水を2台直列にしたイオン交換器(オルガノヲG-10) に循環させて作っ た. 新品のイオン交換器を通して連続的に純水を循環させているときの水の導電率は約 0.06μS/cmで, このイオン交換器の限界値に近い. 後に述べるように. pg/ cm3(ppt)オー ダーでの計測にあたっては純水中の残留物や容器・器具類からのNaの混入について十分 の注意をはらう必要がある. 容器にはポリスチレン製のものを使用し. 希釈水は循環中に 直接採取して手速く処理しなければならない.

測定手順は, まず10〆の試料水をフィラメント上に滴下し. Heガスを流しながらフィ ラメントに1 .7Aの交流を約1 分半流して水分を蒸発させる. 次にHe-MIPを点灯してマグ ネトロン電流を約40mA(マイクロ波電力80W)に設定し, 放電が安定した後, フィラメ ントに大電流を流してフラッシュさせる. フラッシュ用の電源は0 .0235Fのコンデンサー を17Vまで充電したもので, 放電電流は時定数約100msのエクスポーネンシャル波に近い 形とな っている. 放電の状態を調べるためプラズ、マ部の管壁温度を熱電対で、モニターした 結果, 約4500Cでフラッシュさせた場合が最適であった. フィラメントをフラッシュした 直後数100msの間, マイクロ波キャビティーの位置からHeガス流の下流約10mmの範囲 でLIFを観測することができた. この下流部の蛍光では放電プラズマによる背景光がほと んどないので良好なSN比が得られる. それより下流では原子化したNaは急速に失われ て蛍光が見られなくな る.

4.2.2

LIFの検知及び条件の最適化

図4-8 はレーザービームチョッパーをはずして. PMTの出力を直接オシロスコープにつ ないで見た蛍光波形である. フィラメントをフラッシュさせてから蛍光が見られるまで約 150msの遅れ時聞があるのは, キャリアーガスで気化した試料が運ばれるためである. (a)

96

(28)

,-, - � -- --- !-- j j

� I i ! MI� B今ckuo円nd

v

v

- . ,EA--EA

11111 ト Ill---

AU Au l 一 trlrfI ← 刊Uvqu 一 m川 一 つム 1 11 1 J ill -nU l ← nU 「3 11111i + Ill--4 + tipit' - -BEE-- - 11111 → l a l → I ll i --

一 n一

一 g ← ↓!?↓↓十4 ・1 fTT十↓lf 一S一 11111 一 ー F l ← 1 11 1 1

-Ti -

一L一 .、 一 町 l FF ll & - E 引 ト ド + 守 口υ , llIll- + 1Il i-- + l il--- 1 1111 + 111 1 1 1 + 111 1 1 1

( a)信号全体図

- lJ YE戸q 凶?n

�_ L IF S ig�al _l

2 ms/di v (b)上図の一部拡大とプラズマ放電による背景光

図4-8: CWレーザーによるNa原子蛍光波形例

(29)

蛍光が断続的なパルス状になっているのはマイクロ波放電が60Hzで点滅しているためで,

蛍光の波形がそれにほとんど追従していることから, 解離によるNa原子の生成は放電ノマ ワーに直接依存していることがわかる. 一本のパルス放電を拡大した図4-8(b)を見ると,

マイクロ波放電の前半部がLIF信号が大きし 後半では減少している. 全体に一様に見ら れる60Hzの背景光は主にプラズマの発光である.

マイクロ波のパワーを上げると, 試料の導入とは無関係に定常的な蛍光が見られること があった. これは石英管自体が含有するNaや放電管の表面に付着した塩分によるものと 思われるが, 管を十分に洗浄しでも完全に取り去ることはできなかった. 試料注入以外の 塩分によって定常的に生じる蛍光を以後4残留蛍光?と呼ぶことにする. この残留蛍光はフ

ラッシュ後に出る蛍光と違って時間的に一定であるので信号から除去することができるが,

その揺らぎはレーザー迷光同様ノイズ源となるため好ましくない. 本節の実験ではこの残 留蛍光が若干残る程度にマイクロ波入力を抑えた. 現在のところ残留蛍光は他の原子では 確認されておらず, Na原子固有の現象となっている.

積分時間を1秒に設定したロックイン増幅器を通してぺンレコーダーで記録した蛍光波 形は3秒以上の長い尾を引く. 蛍光のパルス幅は20 "-' 70ms程度であるため, この波形の 最大値が蛍光波形の積分値に対応している. マイクロ波放電が60Hzの半波整流で起こる ため, 背景光である放電光も同様の波形で信号に重畳している. これはロックインアンプ の信号にビートとなって現れるが, チョッパーの周波数540HzをPLL(Phase Locked Loop) 回路で交流60Hzに同期させ, チョッパーモーターの駆動電圧を制御して両者を同期させる ことでほぼ消すことができた. またマイクロ波キャビティーの調整によって放電光波形を 変化させることでもノイズを減らすことができる.

98

(30)

ε

an-v内,,‘

ωUZωU的凶巴Oコ」比

1 0 0 3 0 0

DISTANCE d[mmJ

図4-9:マイクロ波キャビティーの位置を変えたときの蛍光信号強度変化

内‘“{〉E]

内J,‘

.E'

凶UZ凶υ凶凶ZOコ」比

100 200 300 400 500

図4-10:放電管の長さを変えたときの蛍光信号強度変化

TUBELENGTH L [mmJ

4.2.3

信号強度の最適化

同一試料に対して得られるLIF信号の大きさは, (1)加熱方法, (2)放電管の寸法, (3)マ イクロ波の入力, (4)Heガス流量, (5)レーザー光強度などで変化する. ここでは(2),(4),(5) について考察し, その最適化を行なった. 図4-9は放電管の全長Lを320mmに固定してマ イクロ波キャビティーの位置dを変えた時の蛍光強度変化である. 但し, 蛍光は常にキャ

ビティー位置から下流約10mmのところで計測している. 試料濃度は1ng/cm3で, Heガス 流量は1560mf/rninであった. 蛍光強度は管の中央付近で 最大になり. これは全長L を lOOrv500mmの範囲で変えでもあまり変化しなかった. 次にキャビティ一位置を管の中央

(31)

f..-ft'=2�0

mm

A

ノ Moom

J

\、

d=l 00

mm

ノ"" d=7.0

mm

I 一一

.3…穴)Z凶ハ)ω…EOコ」斗

1.0 0.8

0.6 0.4

T IME �ec) 0.2

。。

図4-11 :マイクロ波キャビティーの位置を変えたときの蛍光信号波形変化

この 図からL は250 "-' 300mm が最適であることが Lを変えて図4-10を得た.

に固定し,

わかる.

図4-11 に示した蛍光波形はオシロスコープで測定したLIF信号波形の包絡線を取ったも フラッシュ 図4-9と同様dを変化させたときの蛍光波形の変化を示したものである.

ので,

フラッシュで気 時が時間原点で, 信号の遅延時聞は大略d に比例していることがわかる.

、ーv

このことはその速度が約710mm/sで,

化した試料はキャリアーガスに乗って運ばれる.

れが石英管の内径6 .4mm とHe流量1560mf/minから計算されるガス流速808mm/sと大 体合うことからも明らかである.

これらの最適条件はキャビティーと放電管の位置関係がプラズマ放電に影響することや,

その ほかにも1)フラッシュ時に一種の衝撃波が起こるため?フィラメントとキャビティー の距離が近い場合この影響でプラズ、マ強度が変化する, 2)放電管関口部の近くは大気の流 入があるため放電が安定しにくい, 3)フィラメントとプラズ、マの距離が開きすぎると原子 の輸送効率が低下する, 等の理由によるものと思われる• dを100mm以下にすると, 通常 この蛍光も1)で の蛍光とは別にフラッシュとほとんど同時に現れる蛍光信号が見られた.

100

(32)

�60C

mL/ ドmn

r:1 l也干十 フnRC1 rr IL/附h

P

1.;)11

15 n

pO m し1m門

10

�O m L/m門

1_ r-

\

330 IC I μvv

同しIr

n n

\ h又

(ノ 、〉ム

\ r-- h、、 l ,; r--- 司・・・・・岡

ωυzωυω凶庄OコJL

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

TIME �ec)

図4-12: Heガス流量に対するLIF信号波形 変化

述べた 衝撃波によって運ばれた試料による蛍光であると思われる. 最適な寸法はガス流量 や放電条件によっても変化するようであり, これは1)"-J3)等からも予想、できる. 本章では 最適条件をL = 300mm, d = 150mmとして実験を行なった.

図4-12はHeガス流量を変えたときに見られる蛍光波形である. 流量を減じるにつれ遅 延時聞が増加して蛍光波形の幅が拡がっているのは, 原子がキャリアーガスに乗って運ば れるためである. 流量 1500mf/rnin以上の領域では高さと幅の 変化がキャンセルされるた め, 積分された蛍光信号はほぼ一定であった.

最後に励起レーザ一光の励起強度の最適化であるが, 式(4-8)や(4-9)から導かれるよう に, 励起レーザ一光のパワーが大きいと飽和励起となるためLIF強度は励起パワーと比例

しなくなる. 二準位系では励起光の容器散乱による迷光はフィルターで蛍光と分離するこ とができないので, 飽和レベルより不必要に高い励起を行なうのはSN比の点から好まし くない.

そこでレーザーの縦モードを考慮し, 式(4-7)を用いて飽和ノマワーの計算を行なった.

MIP励起温度や遅延蛍光であることを考慮して原子化されたNa原子の温度を1000Kとす

(33)

101

100

10-

1

ヲ£…δZ凶ハ)ω凶ZOコJL

WO 101 wz

DYE LASER POWER rnVJ

10-2 10-

1

図4-13: CW色素レーザーのパワーに対するNa原子のLIF飽和特性

(4-15 ) ( 4-16) Na原子のドプラー幅及び自然幅はそれぞれ,

m m

ny

rLA η → ハU つム 1i

=

×

平川

-V

VA 一M

1A F- 7

2 つん一 1 八一 { 一 つム

(.ð入)D

(.ð入)N ると.

A21は自然放出のアインシュタイ mは原子の質量.

ここでkはボルツマン定数,

となる.

入,Tは波長および温度である. 使用するCW色素レーザーの共振器長が450mm,

ン係数,

これよりレーザーバンド幅内に レーザービーム断面積が4.3mm2(直径2.35mm)であるが,

共振器モードが9本立つことになる. これらを用いてんを計算すると1144W1m2が得られ,

これはレーザーパワーにすると 4.9mWであった. 但しA21,gl'のの値は表4-1と同じもの を用いた.

このグラフより飽和

実際にレーザーパワーを変えてLIFを測定した例を図4-13に示す.

はだいたい6.5mW付近で起こっていること がわかる. 飽和曲線の形は連続スペクトルを これはレーザーに縦モードに起 仮定した 図4-3の場合よりゆるやかな飽和を示している.

因する単色光成分が含まれているためであろう. 本章の実験はパワーを3mWに設定して 102

(34)

200

100内Iml

(>コ)凶υzωυωUαOコJL

5Opg/m(

20pglml 10pg/ml

blank

105 100

‘TIME

-100

図4-14:低濃度のNa試料によるLIF信号例

飽和しない領域で行なった.

検量線と検知下限

4.2.4

図4-14は低濃度のNa信号波形の例である. このように10pg/cm3の低い濃度でも良好な SN比で信号を検知することができた. その際蛍光信号より少し前に小さなスパイク(〆 これはフラッシュと同時に現れる信号で, 試料を入れないでフラッシュ 印)が見られる.

この信 のみさせたときにも確認されることから試料とは無関係の信号であると思われる.

フラッシュ時の衝撃波によるプラズ 号は連続的に残留蛍光がでているときに現れるので,

詳しい原因は明らか マ強度の揺らぎに伴う残留蛍光変化から生じたものと考えられるが,

この信号と蛍光信号とは時間的にずれているので区別することができる.

これはフラッシュを行なうと LIF信号後にOレベルが大きく落ち込んでいるが,

でない. しかし,

また,

(35)

106

�、、 105 三=〉1

Lム」 104 に.:>

比Z 1 0 3 仁ULムJ3 α仁〉ご 102

=コ [jムJ

101

100 10-3 104

CO NCENTRATION (ng/cm3)

図4-15: CWレーザーを励起源としたときのNa原子検量線

そのショックで残留蛍光が大きく減少することによるレベルの変化である. 一旦減少した 残留蛍光は数十秒で元のレベルに戻る.

測定はPMTの前に1/20のNDフィルターを入れて行なったので, 10pg/mlのときの ロックインアンプによるLIF信号積分値は30μVという値に相当する. しかしながら, Iヌ 4-14に示したように, 希釈に使用した純水のみを滴下した場合にも若干の蛍光信号が見ら れた. 水を滴下しないでフラッシュしでも信号が現れないことから, この蛍光は使用した 希釈水中に残存したNa分と考えられ, 濃度に換算すると約20pg/C1n3に相当する.

刈4-15は広い濃度域に対する検量線である. Na濃度100ng/cm3付近から検量線に曲が りが生じ, 約4桁のダイナミックレンジを持っていることがわかった. また, 同一条件で 10ng/cm3のNa原子を10団連続で測定したときのLIF信号ばらつきを図4-16に示す. 信 号強度の標準偏差はσ= 516μVで, 信号強度に 対する割合は8.5%であった . これは実用的

104

(36)

ーーーーーーーーーーーーーーー'ーーーーーーーーーーーー

TIME ττ

ーι

8

2

。ノE)出zuu白αOコJL

図4-16:同一条件での連続測定によるLIF信号再現性(Na濃度10ngjcm3)

にも十分な再現性を持っているといえる.

図4-17は信号以外にPMTで検知さ れる DC成分の光をロックイン増幅器で見たもので ある. ①はプラズマ放電は行なわずレーザーの容器散乱による迷光をモニターしたもの,

①はプラズマのみをつけた場合に見られる背景光で, 位相の関係で負の値になっている.

①はレーザーとプラズマを同時につけたときの背景光で, 残留蛍光による寄与が加わって いる. ①~③はし、ずれも連続光なのでロックイン増幅器のオフセッ ト調整によって除くこ したがって, 信号の検知下限は信号Sと その揺らぎ成分がSN比を決める.

とができるが,

この3成分の揺らぎNの比で決まるものと考えられる. 今回の実験では信号と区別できな い揺らぎの振幅はN=2μV程度であったので, SjN=2を検知下限と考えれば約4pgjcm3と なる. 使用した試料水は10μなのでこの濃度の試料中に含まれるNa原子数は109個, 重 さはわずか4 X 10-14g( 40fg)となる.

以上の実験結果によって得られた検知下限を4.1節で考察した信号と雑音の観点から見る と以下のようになる. 4.1.1で計算したように本実験でのLIF信号の数は非常に多く, ンョツ

LIF光は肉眼 ト雑音は無視できるものと思われる. 実際希釈水のみを注入した場合でも,

でも十分検知できる程強く, PMTを飽和させないためにNDフィルターを挿入せねばなら

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240

160

PLASMA

+ L ASER

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図4-17:ロックインアンプを通した後の信号ノイズ

図4-17を見ると, 迷光・プラズマ背景光・残留蛍光に含まれる揺らぎ成分はし、ずれも雑 音に寄与しているように思われる. 迷光やプラズ、マ背景光は受光器の配置や放電管の構造.

マイクロ波放電波形に大きく依存し, それらについてはまだ充分な最適化は行なわれてい ない. 蛍光と残留蛍光の揺らぎはレーザーの出力安定化によって大幅に軽減ができるであ ろう. 図4-14に見られる0レベルの大きな変動は, 主にフラッシュ時に発生する衝撃波に よるプラズマの揺らぎに起因するものであるが, これは第5章では二系統の信号を使って 打ち消すことができた. これらの処置により本実験の雑音レベルはまだ改善できるように 思われる.

今回の実験の一つの問題点は, 使用した純水中に残留するNaの量を20pg/cm3以下にす ることができなかったことで, 試料水を注入する限り常にLIFが観測される状態にあった.

その結果, 検知下限を究極的なレベルに下げる実験は行なわれなかった. これは残留蛍光

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図4-18: Na原子の絶対密度の測定に用いた実験装置図

の問題も含めて, 自然界に存在するNaの混入を防ぐことの困難さからきており, Na原子 固有の問題であって, 本質的なものではない.

4.3 使用したアトマイザーの原子化効率測定

4.3.1

Na蒸気セルによる絶対原子密度校正

アトマイザーの原子化効率は分析感度を左右する重要なファクターであるが, その絶対 効率を測定した例は多くない. 本節では, Na蒸気セルを用いると信頼性の高い絶対原子密 度が得られることを利用し, 今回使用したアトマイザーで生成されるNa原子密度の校正 を行ない, それから原子化効率を推定した.

図4-18に実験装置図を示す. この実験は, アトマイザーを原子密度がわかった蒸気セル で置き換え, 両者のLIF強度を同一光学系で比較することによって, アトマイザーで生成 される原子数を決定しようとするものである. そのため励起源及び観測系は図4-7と同様

参照

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