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福井県三国地域における礫浜の礫種組成

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(1)

福井県三国地域における礫浜の礫種組成

著者 藤井 純子, 三好 雅也, 塚本 明香, 山本 博文

雑誌名 福井大学地域環境研究教育センター研究紀要 「日

本海地域の自然と環境」

巻 23

ページ 33‑41

発行年 2016‑11

URL http://hdl.handle.net/10098/10022

(2)

福 井 大 学 地 域 環 境 研 究 教 育 セ ン タ ー 研 究 紀 要

「日本 海 地 域 の 自然 と環 境 」 No.23,33‑41,2016

福 井 県 三 国地域 にお け る礫 浜 の礫 種 組 成

RocktypeandsizedistributionofbeachgravelsintheMikunicoastalarea,Fukuiprefecture,Japan

藤 井 純 子*

(福井 大 学 教 育 学 部 地 学 教 室) 三 好 雅 也**

(福井 大 学 教 育 学 部 地 学 教 室) 塚 本 明 香***

(越前 町立 越 前 中学 校) 山 本 博 文****

(福井 人 学 教 育 学 部 地 学 教 室)

1.は じめ に

岩 石 海 岸 に は特 徴 的 に海 食 崖 が 形 成 され,崩 壊 した岩 石 に よっ て礫 浜 が 形 成 され る(山 内,1981)。

この場 合,礫 浜 を構 成 す る礫 種 の大 部 分 は,周 辺 に分 布 す る岩 石 と同質 とな る(荒 巻,1971)。 した が っ て,礫 浜 の礫 種 組 成 は そ の周 辺 地 質 を把 握 す る上 で重 要 な情 報 を もた らす 。

福 井 県 三 国地 域 の 海 岸 線 は典 型 的 な岩石 海 岸 で あ り,海 食 に よる地 形 の 一 部 は東 尋坊,越 前 松 島 な どの天 然 記 念 物 名 勝,景 勝 地 と なっ て い る。 三 国地 域 の海 岸 線 に は大小 の 入 り江 に複 数 の礫 浜が 存 在 す る。 これ ら礫 浜 の礫 種 組 成 は周 辺 地 質 を反 映す る と考 え られ るが,こ れ まで に詳細 な礫 調 査 が 行 わ れ て い な い ため,礫 浜 の 成 因 につ い て は不 明 な部 分 が 多 い。 そ こで 著 者 らは,三 国 地域 の礫 浜 の 成 因 につ い て制 約 を与 える た め,複 数 の礫 浜 にお い て礫 種 組 成 ・礫 の粒 径 とそ れ らの季 節 変 化 を調査 した。

礫 浜 の礫 種 組 成 を明 らか にす る こ とは,地 域 地 質 の成 り立 ち の理 解 を深 め るの み な らず,そ れ を題 材 と した地 域 地 質教 育 の 実現 に繋 が る可 能 性 を有 す る た め,意 義 深 い とい え よ う。

2.調 査 地 域 周 辺 の 地形 ・地 質 概 要

福 井 県 三 国地 域 の 特徴 的 な地 形 は,数 段 の段 丘 か らな る台 地 で あ る。 三 国 地 域 を含 む福 井 平 野 北 部 か ら石 川 県 能 美 山地 西 部 に は,加 越 台 地 と呼 ば れ る洪 積 台 地 が 広 が っ て い る。 安 野(1994)に よる と,三 国地 域 の 台 地 を構 成 す る段 丘堆 積 物 の下 位 に は 中期 中新 世 に形 成 され た 火 山 岩類 お よび堆 積 岩 類(凝 灰 岩 類 や 礫 岩 ・砂 岩 ・凝灰 岩 な ど)か らな る地 層 が 露 出 してい る。 これ らの 地 層 は,下 位 よ り 宿 凝 灰 岩 層,雄 島安 山岩,安 島安 山岩,崎 浦 溶 結 凝灰 岩,松 島 安 山 岩,浜 地安 山岩,東 尋 坊 安 山岩,陣 ヶ

岡安 山岩 で あ る。

三 国地 域 の海 岸 地 形 は,東 尋坊 に代 表 され る よ うな海 食 に よ る岩 石 海 岸 が 主 体 で あ るが,い くつ か の砂 浜 ・礫 浜 も存 在 す る。調 査 対 象 と した礫 浜 は,「福 良 浜 」,「安 島 の浜 」,「二 の浜 」,「越 前松 島 の 浜」

の4つ で あ る(図1)。 福 良 浜 は東 尋 坊 の 北 東 側 に位 置 す る。 安 島 の浜 は坂 井 市 三 国 町 の 安 島地 区 に 位 置 す る礫 浜 で あ るが,こ の礫 浜 につ い て は 名称 が存 在 しな い た め,本 論 で は便 宜 上 「安 島 の 浜 」 と 呼 ぶ。 二 の浜 は崎 浦 漁 港 の 西 側,三 国 海 浜 自然 公 園 の北 側 に位 置 す る。 越 前松 島 の 浜 は越 前 松 島 の南 端,越 前 松 島水 族 館 の 北 側 に位 置 す る礫 浜 で あ る 。 この礫 浜 に も名 称 が 存 在 しない た め,本 論 で は便 宜 上 「越 前松 島 の 浜 」 と呼 ぶ 。

(キ ー ワ ー ド:礫 種,岩 石,福 井 県,三 国 地 域)

*JunkoFUJII(FacultyofEducation

,UniversityofFukui,Fukui,910‑8507)

**MasayaMIYOSHI(FacultyofEducation

,UniversityofFukui,Fukui,910‑8507)

***HarukaTSUKAMOTO(EchizenJuniorHightSchool

,Fukui,916‑0316)

****HirofumiYAMAMOTO(FacultyofEducation

,UniversityofFukui,Fukui,910‑8507)

(3)

藤 井 純 子 ・三 好 雅 也 ・塚 本 明 香 ・山 本 博 文

図1.調 査 地 点(1/25,000地 形 図 「三 国 」 に加 筆).

福 良 浜 の 背 後 には,宿 凝 灰 岩 層 の一 部 で あ る礫 岩層 ・凝灰 岩 層 が存 在 す る。 安 野(1994)に よる と, 宿 凝 灰 岩 層 は岩 相 の 相 違 に よ り凝灰 岩,礫 岩 お よび凝 灰 質砂 岩 ・泥 岩 か らな る下 部 と,ス コ リア 質凝 灰 岩 や 凝 灰 岩 か ら な る上 部 と に分 け られ る 。福 良浜 で観 察 す る こ とが で きる礫 岩 層 ・凝 灰 岩層 は,宿 凝 灰 岩 層 下 部 の岩 相 で あ る。宿 凝灰 岩 層 下 部 に つ い て,吉 澤(1991)で は詳細 な岩相 区分 が な され て お り,東 尋 坊 以 北 に分 布 す る本 層 には,下 位 よ り福 浦 凝 灰 角 礫 岩 層,苗 代 田凝灰 岩 層1お よびH,夫 婦 岩 凝 灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜礫 岩 層 が含 まれ る 。福 良浜 の背 後 に あ る凝灰 岩 層 お よ び礫 岩 層 は,吉 澤 (1991)の 夫 婦 岩 凝灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜礫 岩 層,安 島火 山角 礫 岩 層,陣 ヶ岡 火 山 角礫 岩 層 で あ る。

安 島 の浜 の 周 辺 に は安 島 安 山 岩 お よび宿 凝 灰 岩 層 下 部 が存 在 す る。 安 野(1994)に よ る と,安 島安 山岩 は,数 枚 の 複 輝 石 安 山 岩 溶 岩 お よび 同 質 の凝 灰 角 礫 岩 や 火 山角礫 岩 か ら な り,主 に安 島 か ら崎 浦 に至 る海 岸 に分 布 して い る 。安 島 海岸 で は柱 状 節 理 の 発 達 した 安 山 岩岩 脈 が 下 位 の 宿 凝灰 岩 層 下 部(苗 代 田凝 灰 岩 層H)を 貫 き,安 島 海岸 南 部 で は 同 質 の火 山角 礫 岩 〜 凝灰 角礫 岩 が 下位 の宿 凝 灰 岩 層 下 部 (夫婦 岩 凝 灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜 礫 岩 層)を 被 覆 して い る。 安 島 海 岸 北 部 で は,火 山岩 塊(数m大) が 一 面 に露 出 して お り,そ の 中 に は多 孔 質 の 巨岩 な どが 数 多 く含 まれ て い る。 調査 対 象 で あ る安 島 の 浜 は安 島海 岸 の南 部 に位 置 す る。 安 島 の浜 の周 辺 に存 在 す る宿 凝 灰 岩 層 下 部 は,吉 澤(1991)の 夫 婦 岩 凝 灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜 礫 岩 層 に対 比 され(安 野,1994),安 島 の浜 の背 後 には,こ れ らの 礫 岩 層 が 存 在 す る。

二 の浜 の背 後 に は,崎 浦 溶結 凝灰 岩層 が存 在 す る 。安 野(1994)に よ る と,本 層 は 主 に陸上 に お け る デ イ サ イ ト質 マ グマ の 活 動 に よる 産物 と考 え られ,淡 黄 灰 色 〜 紅 灰 色 を呈 す る数 層 の 溶 結 凝 灰 岩, 凝 灰 角 礫 岩,火 山礫 凝灰 岩,粗 粒 凝 灰 岩 な どか らな り,崎 浦 海 岸 付 近 や 台 地 南 部 の覚 善付 近 に分 布 し てい る。 本 層 基底 部 は,流 紋 岩,安 島安 山岩 の 巨礫 や砂 岩 ほ か の細 礫 な どを含 む 。

越 前 松 島の 浜 の 背 後 に は越 前松 島 安 山岩 が存 在 す る。 安 野(1994)に よ る と越 前松 島安 山岩 は,数

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福 井 県三 国地域 にお け る礫 浜 の礫種 組成

枚 の 普 通 輝 石 安 山 岩 溶 岩,火 山 角 礫 岩,凝 灰 角 礫 岩,火 山 礫 凝 灰 岩,ス コ リ ア 質 凝 灰 岩 お よ び 軽 石 質 凝 灰 岩 な ど か ら な り,越 前 松 島 か ら東 方 の 浜 地 に 至 る 海 岸 に 分 布 し て い る 。 ま た,溶 岩 に は 著 し く発 達 した 柱 状 節 理 が 認 め ら れ,放 射 状 か ら 波 状 の も の ま で 極 め て 多 様 な 形 状 を 呈 し て い る(安 野, 1994;吉 澤,1991)。 越 前 松 島 の 両 端 で は,溶 岩 の 下 位 に 数m程 度 の 凝 灰 岩 ・凝 灰 質 泥 岩 ・凝 灰 質 砂 岩 の 互 層 が 認 め ら れ る(安 野,1994)。

3.調 査 手 法

礫 岩 ・礫 層 の 調 査 方 法 と して,面 方 式 ・線 方 式 ・点 方 式(角,1967)が あ る 。 本 研 究 で は,調 査 方 法 と し て 線 方 式 を 採 用 した 。 そ の 理 由 は,調 査 道 具 の 準 備 が 容 易 で あ る こ と,調 査 方 法 が3つ の 調 査 方 法 の 中 で 比 較 的 簡 単 で あ る こ と,礫 種 組 成 を 求 め る 場 合,面 方 式 と同 等 の 調 査 結 果 が 得 ら れ る こ と

で あ る 。 各 浜 の 外 観 お よ び 浜 を 構 成 す る 礫 を 図2に 示 す 。 礫 浜 に お け る礫 の 調 査 手 順 は 以 下 の 通 りで あ る 。

(1)ロ ー プ を 設 置 す る 。

(2)ロ ー プ の 真 上 か ら,デ ジ タ ル カ メ ラ で 写 真 を撮 る 。 (3)調 査 対 象 の 礫 一 つ ず つ に 付 箋 を 貼 る 。

(4)付 箋 を貼 っ た 礫 の 礫 種 を 肉 眼 で 鑑 定 し,長 径 を測 り,礫 観 察 用 シ ー トに 記 入 す る 。

手 順(1)に お い て,測 線 は 汀 線 に 対 し て 垂 直 に 設 置 し た 。 測 定 距 離 は,波 打 ち 際 か ら 陸 側 に 約lm 離 れ た 場 所 か ら 礫 が 堆 積 し て い る 陸 側 の 端 点 ま で の 長 さ と した 。 手 順(3)で 対 象 と し た 礫 は,ロ ー

プ に 触 れ て い る 礫 だ け で な く,ロ ー プ を真 上 か ら 見 て,ロ ー プ の 真 下 に 見 え て い る 礫 す べ て と し た 。 ま た,長 径 がlcm未 満 の 礫 は,そ の 組 織 や 色 ・模 様 を特 定 し礫 種 を 鑑 定 す る こ と が 困 難 で あ る た め, 長 径lcm以 上 の 礫 を 調 査 対 象 と した 。

4.結 果

2015年 の 春 期(4月 〜5月)と 秋 期(10月 〜ll月)に4か 所 の 礫 浜(福 良 浜 ・安 島 の 浜 ・二 の 浜 ・ 越 前 松 島 の 浜)で 調 査 を 行 っ た 。 春 期 の 調 査 で は 計1,156個 の 礫 を(福 良 浜:291個;安 島 の 浜:405個;

二 の 浜:245個;越 前 松 島 の 浜:215個),秋 期 の 調 査 で は 計1,024個 の 礫 を(福 良 浜:120個;安 島 の 浜:

597個;二 の 浜:155個;越 前 松 島 の 浜:152個)調 査 した 。 各 浜 の 礫 種 組 成(個 数 比)を 図3に 示 す 。 こ こ で は,5%未 満 の もの を 「そ の 他 」 と し た 。 以 下 に 詳 細 を記 す 。

4‑1.福 良 浜

福 良 浜 で は,春 期 ・秋 期 と も に2本 の 測 線 を 設 置 し て 調 査 し た 。 春 期 ・秋 期 と も 測 線 の 位 置 は ほ ぼ 同 じで あ る 。

春 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年4月9日)

測 線1に お い て99個,測 線2に お い て192個,計291個 の 礫 を 調 査 し た 。 測 線1と2の 結 果 を 合 計 す る と,安 山 岩 が90%以 上 を 占 め る 。 そ の 他 の 礫 に は,チ ャ ー ト ・流 紋 岩 ・溶 結 凝 灰 岩 ・凝 灰 質 砂 岩 ・礫 岩 が 含 ま れ る(図3)。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は2.2〜27.7cmで,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 チ ャ ー ト礫 の 粒 径 は35〜4.3cm,流 紋 岩 礫 の 粒 径 は2.9〜9.9cm,溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は3.0〜5.4cm, 礫 岩 礫 の粒 径 は3,3cmで あ っ た 。

秋 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年10月7日)

測 線1に お い て50個,測 線2に お い て70個,計120個 の 礫 を 調 査 した 。 測 線1と2の 結 果 を 合 計 す る と,安 山 岩 が95%以 上 を 占 め る 。 そ の 他 の 礫 に は砂 岩 ・流 紋 岩 が 少 量 含 ま れ る 。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は3.7〜24.Ocmで,11〜13cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 砂 岩 の 粒 径 は13.0〜17.5cm,流 紋 岩 の 粒 径 は4.9cmで あ っ た 。

4‑2.安 島 の 浜

安 島 の 浜 で は,春 期 ・秋 期 と も に2本 の 測 線 を設 置 し て 調 査 し た 。 春 期 ・秋 期 と も測 線 の 位 置 は ほ ぼ 同 じで あ る 。

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藤 井 純 子 ・三 好 雅 也 ・塚 本 明 香 ・山 本 博 文

図2.各 浜 の 外 観 お よ び 浜 を構 成 す る礫.A・B:福 良 浜;C・D:安 島 の 浜,E・F 松 島 の 浜.B・D・F・Hの 測 線 上 の カ ラ ー テ ー プ の 間 隔 は50cm.

二 の 浜,G・H:越

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福 井 県三 国地域 にお け る礫 浜 の礫種 組成

春 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年5月17日)

測 線1に お い て167個,測 線2に お い て238個,計405個 の 礫 を 調 査 し た 。 測 線1と2の 結 果 を合 計 す る と,安 山 岩 が65%以 上 を 占 め,流 紋 岩 が15%,チ ャ ー トが10%程 度 と続 き,暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が5%程 度 含 ま れ る 。 そ の 他 の 礫 に は砂 岩 ・閃 緑 岩 ・黒 曜 石 ・花 嵩 岩 が 少 量 含 ま れ る(図3)。

安 山 岩 礫 の 粒 径 は1.2〜11.2cmで,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 流 紋 岩 礫 の 粒 径 は1.3〜

8。4cmで,1〜3cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 チ ャ ー ト礫 の 粒 径 は1。4〜6.9cmで,1〜3cmの

範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は13〜6.lcmで あ り,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 砂 岩 礫 の 粒 径 は1.3〜5.2cm,閃 緑 岩 の 粒 径 は2.7〜3.5cm,黒 曜 石 の 粒 径 は1.3

〜3 .6cm,花 嵩 岩 礫 の 粒 径 は5.2cmで あ っ た 。 秋 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年11月4日)

測 線1に お い て231個,測 線2に お い て366個,計597個 の 礫 を 調 査 し た 。 測 線1と2の 結 果 を合 計 す る と,安 山 岩 が60%以 上 を 占 め,流 紋 岩 と チ ャ ー トが15%程 度 と続 く。 そ の 他 の 礫 に は,暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 ・閃 緑 岩 ・黒 曜 石 ・礫 岩 ・砂 岩 ・凝 灰 岩 ・花wlCJ岩・赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が 含 ま れ る(図3)。

安 山 岩 礫 の 粒 径 は1.1〜30.Ocmで,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 流 紋 岩 礫 の 粒 径 は1.4〜

15.lcmで,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 チ ャ ー ト礫 の 粒 径 は1.3〜5.6cmで,1〜3cm

の 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は1.6〜5.5cmで,3〜5cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 閃 緑 岩 礫 の 粒 径 は1.8〜7.8cm,黒 曜 石 の 粒 径 は1.1〜1.4cm,礫 岩 礫 の 粒 径 は2.6

〜5 .Ocm,砂 岩 礫 の 粒 径 は2。6〜4.Ocm,凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は2.9cm,花 嵩 岩 礫 の 粒 径 は2.7cm,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は5,2cmで あ っ た 。

4‑3.二 の 浜

二 の 浜 で は,春 期 ・秋 期 と も に2本 の 測 線 を設 置 し て 調 査 し た 。 春 期 ・秋 期 と も 測 線 の 設 置 位 置 は ほ ぼ 同 じで あ る 。

春 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年4月23日)

測 線1に お い て189個,測 線2に お い て56個,計245個 の 礫 を 調 査 し た 。 測 線1と2結 果 を 合 計 す る と,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が85%以 上 を 占 め,安 山 岩 が10%程 度 と続 く。 そ の 他 の 礫 に は,凝 灰 岩 ・

コ ン ク リ ー トが 含 ま れ る(図3)。 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は6.5〜114.2cmで,9〜11cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は8.4〜42。Ocmで,9〜11cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は145cmで あ っ た 。

福良浜

二の 浜

安島の浜

越前松島の浜

口 安山岩 口 流紋岩 ■ 凝灰岩 目 凝灰質砂岩 國 溶結凝灰岩(赤 紫色).;.溶 結凝灰岩(暗 灰色)國 チャー ト ■ その他

図3.各 浜 の 礫 種 構 成.図 中 のn値 は 調 査 した 礫 の 個 数.

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藤 井 純 子 ・三 好 雅 也 ・塚 本 明 香 ・山 本 博 文

秋 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年10月14日)

測 線1に お い てllO個,測 線2に お い て45個,計155個 の 礫 を 調 査 し た 。 測 線1と2の 結 果 を 合 計 す る と,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が90%以 上 を 占 め,安 山 岩 が5%程 度 で あ る 。 そ の 他 の 礫 は 閃 緑 岩 で あ る(図3)。 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は6.0〜57.2cmで あ り,9〜llcmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は7.8〜30.2cm,閃 緑 岩 礫 の 粒 径 は30.Ocmで あ っ た 。

4‑4.越 前 松 島 の 浜

越 前 松 島 の 浜 で は,春 期 ・秋 期 と も に3本 の 測 線 を 設 置 し て 調 査 し た 。 春 期 ・秋 期 と も測 線 の 位 置 は ほ ぼ 同 じで あ る 。

春 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年4月30日)

測 線1に お い て74個,測 線2に お い て60個,測 線3に お い て81個,計215個 の 礫 を調 査 し た 。測 線1・

2・3の 結 果 を合 計 す る と,安 山 岩 が90%以 上 を 占 め る 。 そ の 他 の 礫 に は,凝 灰 質 砂 岩,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩,凝 灰 岩,礫 岩 が 含 ま れ る(図3)。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は2.4〜60.3cmで,ll〜13cm,15

〜17cm ,17〜19cm,21〜23cmの4つ の 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 凝 灰 質 砂 岩 礫 の 粒 径 は3.7

〜34 .3cmで あ り,7〜9cm,13〜15cm,19〜21cmの3つ の 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 赤 色 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は16.5〜27。Ocm,凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は7。7〜12。2cm,礫 岩 礫 の 粒 径 は10.4cmで あ っ た 。

秋 期 の 調 査 結 果(調 査 日:2015年10月7,21日)

測 線1に お い て42個,測 線2に お い て68個,測 線3に お い て42個,計152個 の 礫 を調 査 し た 。測 線1・

2・3の 結 果 を 合 計 す る と,安 山 岩 が85%以 上 を 占 め,凝 灰 岩 お よ び 凝 灰 質 砂 岩 が5%程 度 で 続 く。

そ の 他 の 礫 に は 閃 緑 岩,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が 含 ま れ る(図3)。 安 山 岩 礫 の 粒 径 は4.6〜59.9cmで, 13〜15cmの 範 囲 の 礫 が 最 多 で あ っ た 。 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 は7。0〜13.8cm,凝 灰 質 砂 岩 礫 の 粒 径 は52

〜20 .4cm,閃 緑 岩 礫 の 粒 径 が5.7cm,赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 粒 径 が27.lcmで あ っ た 。

5.考 察

5‑1.礫 種 組 成 か ら み た 各 浜 の 礫 の 供 給 源

調 査 結 果 に 基 づ き,各 浜 の 礫 の 供 給 源 に つ い て 考 察 す る 。

図3に 示 す 通 り,福 良 浜 の 礫 種 組 成 の 大 部 分(90%以 上)は,春 期 ・秋 期 と も に 安 山 岩 で あ る 。 福 良 浜 の 背 後 の 露 頭 に は 複 数 の 礫 岩 層(夫 婦 岩 凝 灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜 礫 岩 層,安 島 火 山 角 礫 岩 層, 陣 ヶ 岡 火 山 角 礫 岩 層;吉 澤,1991)が 見 ら れ,福 良 浜 に 分 布 す る 礫 の 大 部 分 は,そ れ ら礫 岩 層 か ら供 給 さ れ て い る 可 能 性 が あ る 。 ま た,福 良 浜 礫 岩 層,安 島 火 山 角 礫 岩 層,陣 ヶ 岡 火 山 角 礫 岩 層 に 含 ま れ る 大 部 分 の 礫 の 岩 質 は 安 山 岩 で あ る(吉 澤,1991)。 こ の こ と は,福 良 浜 に 分 布 す る礫 の90%以 上 が 安 山 岩 礫 で あ る とい う 事 実 と整 合 的 で あ る 。 そ の 他,少 量 含 ま れ る チ ャ ー ト礫 は,福 良 浜 礫 岩 層 に含 ま れ る 礫 で あ る(吉 澤,1991)が,三 国 地 域 に チ ャ ー トの 岩 体 は 存 在 して い な い(安 野,1994;中 川, 2002)。 し た が っ て,チ ャ ー ト礫 に つ い て も福 良 浜 礫 岩 層 に 由 来 す る と 考 え て 矛 盾 は な い 。 チ ャ ー ト 礫 と 同 様 に 少 量 含 ま れ る 流 紋 岩 礫 も福 良 浜 礫 岩 層 に含 ま れ て い る 礫 種 で あ る(吉 澤,1991)こ と か ら, 福 良 浜 礫 岩 層 が 流 紋 岩 礫 の 有 力 な供 給 源 候 補 と し て 挙 げ ら れ る 。 暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 と 同 質 の 岩 体 は,三 国 地 域 に は 存 在 して い な い(安 野1994;中 川,2002)。 吉 澤(1991)に よ る 福 良 浜 礫 岩 層 中 の 礫 種 の 記 載 に は な い が,本 調 査 で は 福 良 浜 礫 岩 層 中 に 暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 が 確 認 さ れ た こ と か ら, 暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 は 福 良 浜 礫 岩 層 か ら供 給 さ れ た と考 え ら れ る 。

安 島 の 浜 の 礫 種 組 成 で 最 も多 い の は,春 期 ・秋 期 と も に 安 山 岩 で あ る(約65%)。 安 島 の 浜 の 背 後 の 露 頭 に は 安 島 安 山 岩 お よ び 宿 凝 灰 岩 層 下 部(夫 婦 岩 凝 灰 岩 ・礫 岩 層,福 良 浜 礫 岩 層)が 見 ら れ る(安 野,1994)。 安 島 の 浜 に 分 布 す る 安 山 岩 礫 の 供 給 源 と して は,安 島 安 山 岩 や 安 山 岩 礫 を 多 く含 む 福 良 浜 礫 岩 層 が 有 力 候 補 で あ る 。 礫 種 組 成 で2番 目 に 多 い 流 紋 岩 礫 に つ い て は,安 島 の 浜 の 対 岸 に あ る 雄 島 が 供 給 源 候 補 の ひ と つ と して 挙 げ ら れ る 。 し か し な が ら,安 島 の 浜 に 分 布 す る流 紋 岩 礫 は 白 色 を呈 し,顕 著 な 流 理 構 造 で 特 徴 付 け ら れ,こ の 肉 眼 的 特 徴 は 雄 島 の 流 紋 岩 の 特 徴(全 体 的 に 暗 青 灰 色 〜 淡

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福 井 県三 国地域 にお け る礫 浜 の礫種 組成

紫 灰 色 を 呈 し,顕 著 な 流 理 構 造 を も つ)と 類 似 し な い た め,雄 島 が 流 紋 岩 礫 の 供 給 源 で あ る 可 能 性 は 低 い と考 え られ る 。 本 調 査 で は 安 島 の 浜 の 背 後 の 福 良 浜 礫 岩 層(吉 澤,1991)中 に 肉 眼 的 特 徴 の 類 似 す る 流 紋 岩 礫 が 確 認 さ れ た た め,こ の 福 良 浜 礫 岩 層 が 流 紋 岩 礫 の 供 給 源 の 可 能 性 が 高 い と考 え ら れ る 。

チ ャ ー ト礫,黒 曜 石 礫,花 崩 岩 礫,凝 灰 岩 礫,暗 灰 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 は,福 良 浜 礫 岩 層 に 含 ま れ る礫 で あ り(吉 澤,1991),三 国 地 域 に は こ れ ら の 岩 体 は存 在 して い な い 。 し た が っ て,流 紋 岩 礫 と 同 様 に, こ れ ら の 礫 に つ い て も福 良 浜 礫 岩 層 が 有 力 な 供 給 源 候 補 と し て 挙 げ られ る 。 閃 緑 岩 礫 は,周 囲 の 礫 岩 層 に 含 ま れ て お ら ず(吉 澤,1991),三 国 地 域 に は こ の 岩 体 の 分 布 も認 め ら れ な い た め,供 給 源 は 不

明 で あ る 。

二 の 浜 に つ い て は,他 の3つ の 浜 と は 明 ら か に 礫 種 構 成 の 特 徴 が 異 な り,春 期 ・秋 期 と も に赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 が 最 も多 く(85%以 上),二 番 目 に 多 い の は 安 山 岩 で あ る 。 こ れ ら の 礫 は,周 囲 の 露 頭 か ら供 給 さ れ て い る 可 能 性 が 高 い 。 二 の 浜 の 東 側 に は 崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 層(安 野,1994)が,二 の 浜 の 西 側 に は 安 島 安 山 岩(溶 岩 お よ び 水 中 火 砕 岩;安 野,1994)や 安 山 岩 質 貫 入 岩(通 称:大 トラ ・小 ト

ラ;中 川,2002)が 分 布 して い る が,礫 浜 の 背 後 に は 礫 の 直 接 の 供 給 源 と な り う る 露 頭 や 河 川 の 流 入 は な い 。二 の 浜 に 分 布 す る 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 と崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 は と も に 赤 色 〜 赤 紫 色 を 呈 して お り, 本 質 レ ン ズ を 多 く含 み,ユ ー タ キ シ テ ィ ッ ク 組 織 が 顕 著 で あ る 。 こ れ ら の 肉 眼 観 察 に お け る 類 似 点 か ら,二 の 浜 に 分 布 す る 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 の 供 給 源 候 補 と し て は,崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 が 有 力 で あ る 。

越 前 松 島 の 浜 の 礫 種 組 成 の 大 部 分(約90%)は,春 期 ・秋 期 と も に 安 山 岩 で あ る 。 越 前 松 島 の 浜 の 背 後 に は,柱 状 節 理 の 発 達 した 越 前 松 島 安 山 岩 溶 岩(安 野,1994)が 存 在 す る 。 越 前 松 島 の 浜 に 分 布 す る 安 山 岩 礫 と越 前 松 島 安 山 岩 溶 岩 は,と も に 黒 色 を呈 し,多 孔 質 で あ り,斜 長 石 に 富 む 。 こ れ ら

肉 眼 的 特 徴 の 類 似 点 か ら,越 前 松 島 の 浜 に 分 布 す る 安 山 岩 礫 は,越 前 松 島 安 山 岩 溶 岩 の 露 頭 か ら供 給 さ れ た と考 え ら れ る 。 越 前 松 島 の 浜 の 背 後 に は 越 前 松 島 安 山 岩 の 下 位 に 火 山 礫 凝 灰 岩 ・凝 灰 質 泥 岩 ・ 凝 灰 質 砂 岩 が 存 在 し,そ れ ら は 榿 黄 色 〜 灰 色 を 呈 す(吉 澤,2012;安 野,1994)。 越 前 松 島 の 浜 に 分 布 す る 凝 灰 質 砂 岩 礫 お よ び 凝 灰 岩 礫 は,榿 黄 色 〜 灰 色 を呈 し て お り,吉 澤(2012)の 凝 灰 質 泥 岩 ・凝 灰 質 砂 岩 ・火 山 礫 凝 灰 岩 と肉 眼 的 特 徴 が 類 似 し て い る 。 詳 しい 比 較 は で き て い な い が,凝 灰 質 砂 岩 礫, 凝 灰 岩 礫 は 越 前 松 島 の 浜 の 背 後 に存 在 す る 越 前 松 島 安 山 岩 下 位 の 火 砕 岩 ・堆 積 岩(凝 灰 岩 ・凝 灰 質 泥 岩 ・凝 灰 質 砂 岩 の 互 層;吉 澤,2012;安 野,1994)に 由 来 す る 可 能 性 が あ る 。 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 礫 は,赤 色 〜 赤 紫 色 を 呈 して い る こ と,本 質 レ ン ズ を 多 く含 み,ユ ー タ キ シ テ ィ ッ ク 組 織 を示 す こ と な ど,崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 の 特 徴(前 述)と 類 似 す る 点 が 多 く,崎 浦 溶 結 凝 灰 岩(安 野,1994)か ら供 給 さ れ た 可 能 性 が あ る 。 崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 の 分 布 域 か ら越 前 松 島 の 浜 ま で は 約500m離 れ て い る 。 本 島 ほ か (2013)は,海 岸 に お け る 花 歯 岩 礫 の 追 跡 調 査 結 果 か ら,半 年 間 で 礫 が 約2km海 岸 沿 い に 側 方 移 動 す る こ とが あ る と報 告 し て お り,崎 浦 溶 結 凝 灰 岩 分 布 域 か ら越 前 松 島 の 浜 ま で の 距 離(約500m)を 礫 が 移 動 し た と 考 え て 支 障 は な い 。

以 上 述 べ た よ う に,各 浜 の 礫 種 組 成 に は,背 後 に あ る 地 質 が 概 ね 反 映 さ れ て い る と い え る 。 5‑2.礫 種 組 成 お よ び 礫 粒 径 の 季 節 変 化

調 査 結 果 に 基 づ き,各 浜 の 礫 種 組 成 お よ び 礫 粒 径 の 季 節 変 化 に つ い て 述 べ る 。 福 良 浜 ・安 島 の 浜 ・ 越 前 松 島 の 浜 の3つ の 礫 浜 で は,礫 種 組 成 の 大 き な 季 節 変 化 は 認 め ら れ ず,春 期 ・秋 期 と も に大 部 分

を 占 め る 礫 種 は そ れ ぞ れ 安 山 岩 で あ っ た 。 二 の 浜 で も,春 期 ・秋 期 と も に 大 部 分 を 占 め る 礫 種 は 赤 紫 色 の 溶 結 凝 灰 岩 で あ っ た 。 つ ま り,4つ の 礫 浜 す べ て に お い て,礫 種 組 成 に 大 き な 季 節 変 化 は 認 め ら

れ な い こ とが わ か っ た 。

福 良 浜 に お い て は,礫 種 組 成 に は 季 節 変 化 が 認 め ら れ な か っ た もの の,礫 種 の 数 に つ い て 春 期 と秋 期 で 変 化 が 見 ら れ た 。 春 期 は6種 類(安 山 岩,チ ャ ー ト,流 紋 岩,溶 結 凝 灰 岩,凝 灰 質 砂 岩,礫 岩) で あ る の に 対 し,秋 期 は3種 類(安 山 岩,砂 岩,流 紋 岩)で あ っ た 。 こ れ は礫 の 移 動 に よ る粒 径 の 変 化 が,春 期 と秋 期 の 礫 種 数 の 変 化 に 関 係 して い る た め と考 え ら れ る 。 春 期 で は 測 線2に チ ャ ー ト,流 紋 岩 お よ び 溶 結 凝 灰 岩 が 比 較 的 多 く含 ま れ て お り,こ れ ら の 礫 種 の ほ と ん ど が3〜5cmの 小 さ な 粒 径 の 礫 で あ っ た 。 春 期 の 測 線2に お け る 礫 の 平 均 粒 径 は5.Ocmで あ っ た の に対 し,秋 期 の 測 線2に

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藤 井 純 子 ・三 好 雅 也 ・塚 本 明 香 ・山 本 博 文

お け る 礫 の 平 均 粒 径 は10.4cmで あ っ た 。 しか し,秋 期 の 測 線2周 辺 の 礫 の 下 に は,5cm程 度 の 礫 が 確 認 さ れ た 。 こ の こ と か ら,春 期 と秋 期 の 調 査 の 問 に 礫 が 移 動 し,春 期 の 測 線2の 周 辺 に 分 布 して い た 礫 の 上 を,よ り粗 粒 な 秋 期 の 測 線2の 礫 が 覆 っ た と考 え ら れ る 。 つ ま り,春 期 に確 認 さ れ た 比 較 的 細 粒 な チ ャ ー ト礫,流 紋 岩 礫,溶 結 凝 灰 岩 礫 等 は,秋 期 に は よ り粒 径 の 大 きい 安 山 岩 礫 の 下 に存 在 し て い た た め,秋 期 の 測 線 に 含 ま れ な か っ た と い う こ と で あ る 。 実 際 に,秋 期 の 調 査 で も測 線 の 範 囲 外 で チ ャ ー ト礫,流 紋 岩 礫,溶 結 凝 灰 岩 礫 等 の 存 在 は 確 認 で き た 。

各 浜 の 粒 度 分 布 の 傾 向 は 春 期 と 秋 期 で 若 干 の 変 化 が 見 ら れ た 。 福 良 浜 で は,春 期 の 調 査 で3〜

5cmの 礫 が,秋 期 の 調 査 で11〜13cmの 礫 が 最 も多 か っ た 。 安 島 の 浜 で は,春 期 の 調 査 で1〜3cm の 礫 が,秋 期 の 調 査 で3〜5cmの 礫 が 最 も 多 か っ た 。 二 の 浜 で は,春 期 ・秋 期 と も に9〜llcmの 礫 が 最 も多 か っ た 。 越 前 松 島 の 浜 で は,春 期 の 調 査 でll〜13cmの 礫 が,秋 期 の 調 査 で13〜15cm の 礫 が 最 も多 か っ た 。

浜 に 分 布 す る 礫 の 粒 径 の 変 化 は,水 の 営 力 の 変 化 を 反 映 し て い る と考 え られ る 。 水 の 営 力 が 大 き く 変 化 し た 要 因 と して 春 期 と 秋 期 の 調 査 の 間 に 到 来 し た3回 の 台 風 な どが 考 え られ る が,実 際 に は,嵐 な ど の 大 き な 気 象 変 化 が な くて も 日 常 的 に 礫 の か な り大 規 模 な 移 動 が 認 め られ て お り,詳 細 に つ い て は 今 後 の 課 題 で あ る 。 少 な く と も,本 調 査 に お け る4つ の 浜 に 分 布 す る 礫 の 粒 径 は 季 節 に よ る 違 い が 若 干 認 め ら れ る もの の,礫 種 組 成 に つ い て は 大 き な 季 節 変 化 は な く,年 間 を 通 して ほ ぼ 一 定 に 保 た れ て い る こ とが 確 認 さ れ た 。

6.ま とめ

福 井 県 三 国地 域 の4つ の礫 浜 にお い て礫 種 組 成 ・礫 の粒 径 とそ れ らの季 節 変 化 を調 査 した 。 そ の結 果,各 浜 の礫 種 組 成 は,背 後 お よび 周 辺 の 地 質 を概 ね反 映 して い る こ とが わか った 。 また,各 浜 にお い て春 期 ・秋 期 の 調 査 結 果 を比 較 した と ころ,粒 度 分 布 の季 節 変 化 は若 干 認 め られ た が,礫 種 組 成 の 季 節 変 化 は ほ とん どない こ とが 明 らか に な っ た 。礫 浜 の礫 種 構 成 は年 間 を通 して礫 種 組 成 が安 定 して い る こ とか ら,こ れ らの海 浜礫 は地 域 地 質 教 育 の 題材 と して適 してい る と考 え られ る 。

謝 辞

本 研 究 は2014〜2015年 度科 学 研 究 費補 助 金 基 盤 研 究C「 石 ころ を用 い た地 学 教 材 の開 発 と実践 」(研 究 代 表 者:藤 井 純 子)お よ び2014〜2015年 度科 学研 究 費補 助 金若 手研 究B「 地域 地 質 デ ー タベ ー ス を用 い た 地 学 教 育 手 法 の 開発 」(研 究 代 表 者:三 好 雅 也)の 一 環 と して 実 施 さ れ た。 研 究 を進 め る に あ た り,越 前 松 島水 族 館館 長 鈴 木 隆 史氏 に は,水 族 館 北 側 の礫 浜 調 査 の 際 に立 ち入 りを許可 して い た だ い た 。 当 時福 井 大 学 地 学 教 室 の 院 生 お よ び学 部 生 で あ っ た小 林 暉 氏 お よび 山 口和 真 氏,ま た 同 地 学 教 室 学 部 生 の 本 多 翔 氏,内 山 田朋 弥氏,馬 谷 圭 介 氏,長 谷 川 ゆ りの氏 には,フ ィー ル ドワ ー クの 際 に ご協 力 い ただ い た 。 以上 の方 々 に心 か ら感 謝 申 し上 げ る 。

引 用 文 献

荒 巻 孚(1971)海 岸.犀 書 房,426p.

角 靖 夫(1967)礫 岩 ・礫 層 の し らべ 方.地 質 ニ ュ ー ス,no.151,p,26‑35.

本 島 真 也 ・小 林 昭 男 ・宇 多 高 明 ・遠 藤 将 利(2013)大 洗 磯 浜 海 岸 に お け る 花 嵩 岩 礫 の 追 跡 調 査.土 木 学 会 論 文 集B2(海 岸 工 学),voL69,no.2,p.721‑725。

中 川 登 美 雄(2002)福 井 県 北 部 の 海 岸 地 域 の 地 層 の 教 材 化 一 福 井 県 三 国 町 東 尋 坊 付 近 の 地 層 の 教 材 化 一.福 井 県 初 等 中 等 教 育 研 究 奨 励 事 業 研 究 報 告 書,p.42.

山 内 秀 夫(1981)岩 石 海 岸.町 田 貞 ・井 口 正 男 ・貝 塚 爽 平 ・佐 藤 正 ・櫃 根 勇 ・小 野 有 五 編 『地 形 学 辞 典 』, 二 宮 書 店,116.

安 野 敏 勝(1994)福 井 県 三 国 町 の 地 質 と野 外 観 察 高 志 高 等 学 校 研 究 集 録,no.22,p.1‑23.

吉 澤 康 暢(1991)福 井 県 三 国 町 米 ヶ脇 累 層 の 岩 相 層 序 と堆 積 環 境.三 浦 静 教 授 退 官 記 念 論 文 集,p.35‑42.

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福 井 県三 国地域 にお け る礫 浜 の礫種 組成

吉 澤 康 暢(2012)越 前 松 島 玄 武 岩 質 安 山 岩 の 産 状.福 井 市 自然 史 博 物 館 研 究 報 告,no.59,p.7‑16.

吉 澤 康 暢(2014)三 国 町 安 島 の 黒 曜 石.福 井 市 自然 史 博 物 館 研 究 報 告,no.61,p.1‑10.

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