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幼稚園教諭の子育て支援に関する専門性 : 未就園保育を中心に

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(1)2011年度 学位論文. 幼稚園教諭の子育て支援に関する専門性     一未就園児保育を中心に一. 兵庫教育大学大学院修士課程 学校教育学専攻幼年教育コース.     M09021E     今岡 南季.

(2) 目   次 序章 第1節. 子育て支援の概念の広がり・・・・・・・・・・・・・・・…  1. 第2節. 間題と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 4. 第1章 幼稚園における.子育て支援     第1節幼稚園の機能を生かした子育て支援・・・・・・・・・・… 11.     第2節 未就園児親子対象の子育て支援の分類H・・1・・・・…  15     第3節 保育者の専門性について・H・・・・・・・・・・・・… エ8. 第2章 教師から見た未就園児保育について     第1節 調査的面接法を用いた質的研究について・・・・・・・・… 22     第2節 教師のインタビューから見る未就園児保育・・・・・・・… 23        1.調査の問題と目的.        2.調査方法        3.分析方法        4.倫理的配慮について.     第3節 結果と考察・・H・・・・・・・・・・・・・・・・・… 26        1.未就園児保育の運営について        2.未就園児保育の基盤となる専門性一保護者理解        3.保護者の信頼感を得る専門性        4.外的変化一教師の周りの環境の変化        5.内的変化一教師の気付き.     第4節 教師から見た教師の専門性について・・・・・・・・・・… 37.

(3) 第3章 保護者から見た未就園児保育について 第1節 調査の問題と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・…  40 第2節 未就園児保護者から見た未就園児保育・・. ・ ・ ・ ・ ・ …    40.    1.調査の方法と手続き    2.結果と考察   (1)参加動機について   (2)幼稚園に期待することについて   (3)担当教師とボランティアに期待すること. 第3節 在園児保護者から見た未就園児保育・・. ・ ・ ・ ・ ・ ・ …    46.    1.調査の方法と手続き    2.結果と考察   (1)参加動機について   (2)ボランティアをして気付いたこ二と.   く3)担当教師との連携について   (4)参加者の捉え方について. 第4節 保護者から見た教師の専門性について・・・・・・・・…  49. 終章 総合考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  H・51. 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  57. 巻末資料. 資料1. 教師対象の面接調査趣旨説明書. 資料2. 教師対象の面接調査 承諾書. 資料3. 未就園児保護者対象の質問紙調査 趣旨説明書. 資料4. 未就園児保護者対象の質問紙調査用紙. 資料5. 在園児保護者対象の質問紙調査 趣旨説明書. 資料6. 在園児保護者対象の質聞紙調査用紙.

(4) 序章.            第1節 子育て支援の概念の広がり  1990年代に入り、国内で少子高齢化社会について議論されるようになり、「少子化傾向 の歯止め」と「社会の働き手の確保」という面から保育政策についてクローズアップされ るようになった。特に、子育てを社会的に支援するシステムの整備は「子育て支援施策」. と総称され、1994年「今後の子育て支援のための施策の基本的考え方について(エンゼル フラン)」が、文部省・厚生省・労働省・建設省の4大臣合意によって制定された。以降、 「子育て支援」という言葉が頻繁に用いられるようになった。「子育て支援」の概念につい. て整理する。森上・柏女(2011)は、「児童が生まれ、育ち、生活する基盤である親及び 家庭における児童養育の機能に対し、家庭以外の私的、公的、社会的機能が支援的にかか わることを言う。児童福祉法第2条にいう『国および地方自治体は児童の保護者とともに、. 児童の心身ともに健やかに育成する責任を負う』を具体化する活動である。」1)としてい. る。太田(2002)は、「①親を子育ての主体として位置づけ②社会のすべての人が協力す ることによって③親が安心して子育てをしながら親として成長を促すもの」2〕とし、大 豆生岡(2004)は、「子育てということにより、安心して子どもを生み育てる環境を作る とともに、子どもの健やかな育ちを促すことを目的とする営みである」3)と定義している。. 片川(2003)は、「支援者が自らの価値判断により支援の対象を決定し、その対象は場面 によって必ずしも特定できないといった極めてあいまいなもの」4)とし、久保田(2004) は、「親が親としてやらなければならないこと、やろうとしていることやれるように支援す ること」5)としている。.  少子化で一人の子どもを大切に育てていくこと、結婚・出産を経た女性の社会復帰(社 会進出)が容認されている。一方で、母親自身が出産、育児をするまで子どもとかかわっ たことがない、またかかわる機会が少なかったケースも珍しくないという現状もある。核 家族化による家庭教育力の低下や地域コミュニティー力の希薄さが問題となり保育所、幼 稚園など既存の保育施設に対する子育て支援の期待は年々高まっているといえるだろう。.  次に、子育て支援施策の経過について述べる。1994年に「エンゼルフラン」が少子高齢 化の予防策として制定された。2000年の「新エンゼルフラン」は、“待機児童ゼロ作戦”.                    1.

(5) を銘打たれ、子育て支援の実際は、働く母親向けのものであった。しかし、母親の育児ス トレスや育児不安といった問題、児童虐待が社会的関心となり、2002年の「少子化対策プ. ラスワン」では、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援、社会保障にお ける次世代育成、子どもの社会性の向上や自立促進が盛り込まれた。2005年から、「子ど も・子育て応援プラン(新新エンゼルフラン)」において、5カ年計画でワークバランスの. 改善に加え、子どもの育ちや子どもの育っ環境の整備などの視点が入った、総合的な子育 て支援プランが推進されるという経過をたどっている。.  つまり、初期の子育て支援の対象は、働く母親や養護が必要な親子であり、支援の内容 もサポートする幅代わり支援」であった。それが少しずつ一般の子育て層へと拡充し、 変化している。山縣(2008)は、子育て支援サービスが広がった背景には、「社会的支援 が必要な親子の存在」一と一丁社会維持」という2つの側面があるとしている。社会的養護を. 軸足にしたものは従来からあったが、一般の子育て層を対象としたものではなく、養護が 必要な親子と一般の子育て層を連続線上で捉える発想はなかった。6)  しかしく地域.では連続性上で提一える。NPO。法人一などネッートワーク型の活動が見られるよ. うになった。一般の子育て層から子育て不安や居場所の無さ、母親のストレスなどの声が. ささやかれ出し、政策が地域子育て支援に触手を仲はし出した。1990年代後半になると、 長期的な支援ではなく、「母親自身のリフレッシュ」、「子どもの遊び場や機会」など、保護. 者は子育てをしている今必要な短期酌な支援を求めているということが、マス・コミによっ. て報道され、一般の子育て層を対象にした支援に社会的関心が寄せられた。つまり、これ まで事実上母親の責任とされてきた領域に社会的責任があることが明らかなり、これが子 育て支援の一二一一ズとされた。.  次に、地域子育て支援のねらいについて述べる。ねらいについて、山縣(2008)7)は、. 次の4点を挙げている。①子ども自身の成長発達の支援、子育ち支援 ②親育ちく一時保 育、育児リフレッシュなど心身ともに親の生活を豊か。にするサ山ビス、経験を共有しあう. 仲間作り ③親子関係の支援。子育て・親育て。子育てする親を「育てる」 ④これら3 つが存在する家庭、地域社会住む環境の育成。家庭、地域社会、専門資源が重要であり適 切に育成形成し、適切な関係を構築していくこととしている。.  現在、地域子育て支援は、特定の拠点事業主体が、単独または複数で共同して提供して いる。代表的なものとして、①保育所・幼稚園 ②認定子ども園 ③地域子育て支援事業                     2.

(6) ④社会福祉協議・NPO団体がある。それ’ぞ札の特色は、以下の通り一である。.  ① 保育所・幼稚園  活動場所として、歴史があり、地域住民に対し浸透度が高い。保育所は、地域子育て支 援を意識した取り組みが制度的にも行われている。幼稚園はプレママから3歳未満児が対 象となり、従来対象にしてきた年齢層が大きく変化しており課題が多い。学校教育法の改. 正で「幼稚園においては第22条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児 期の教育に関する各般の問題につき、保護者および地域住民その他の関係者からの相談に 応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援 に努めるものとする」〈第24条)という相談業務の努力義務が規定されたのは、保育所か. ら約20年遅れている。保育所及び幼稚園に共通することは、集団を前提として、子ども に向かい保育・教育を提供することにあったが、地域子育て支援の多くは、保護者に向か うサービスとなる」8)と山縣は主張している。保育蕨、幼稚園における課題として、①求. められる姿勢を現任研修として充実する ②保育士、幼稚園教諭の職務あるいは保護者に 向かう姿勢の基本的な見直しを養成課程から行う ③それにふさわしい新たな専門職の配 置を行うという3課題がある。.  ②認定子ど一も園  認定子ども園は、保育機能、教育機能および地域子育て機能を必須の事業を組み込んで いる。保育所、幼稚園の制度を基盤においているとはいえ地域子育て支援の意味は大きい。 そのあり方が地域子育て支援サ戸ビスにおいて重要な役割を.果たすと考えられ。ているが、. その設置の促進がその最大の課題になっている。実施主体が当面幼稚園中心となることか ら生じる課題もある。幼稚園・保育所の課題と共通するものが多い。.  ③ 地域子育て支援拠点事業  地域子育て支援センター事業、集いの広場事業、児童館事業の一部を一体化して、2007. 年4月から新たに始まった事業である。①子育て親子の交流の場の提供と交流の促進② 子育てなどに関する相談、援助の実施 ③地域の子育て関連情報の提供 ④子育て及び子 育て支援に関する講習の実施 が目的となっている。地域子育て拠点事業は、子育てを身                     3.

(7) 近に見たり、経験したりする機会が減少したことによって、子どもが育つということに対 する実感がなくなってきている保護者に対し、細かな保健知識や子育て情報が届けている。 保護者が主体的な判断ができるようサポートする資源やサービスを提供している。.  ④ 社会福祉協議会・NPO団体  地域住民主体の活動として、長い間重要な役割を果たし、高齢者福祉に軸足を置いた活 動も多かった。現在では、子育てサロンなどを運営しているところも少なくない。住民の 信頼度は高い組織であるが、直接職員を抱えておらず、活動主体の育成や組織化に住民が. ついてこなければ有効性は発揮しにくい。協働して支えられるものとしてNPO団体が挙 げられる。必ずしも既存の組織と連携する必要は無いが、地域福祉という視点を共有でき るものがあれば、相互に連携していけると期待されている。.  また、杉山(2003)は、子育て支援には、一般に働く親と子どものための「就労支援」. と、就労以外の社会参加や子育てのリフレッシュが目的とされている地域の親子に向けた 「地域子育て支援」がある9)とした。多機一 ヨによる様々な種類の子育て支援に加え、親の. リフレッシュ目的が前面に押し出されたことで「肩代わり支援」と椰楡され、「子育て放棄 支援になっているのではないか」という警鐘を鳴らす声も挙がった。しかし、大目向(2005). は、育児を知らない母親が増えているが、育児する母親がどんなことで悩んでいるかにつ いて、育児にかかわる関係者たち(医療関係者、教育者たち)は、専門分野以外のことに ついては驚くほど知らない10)ことを指摘し、親に寄り添った支援、子育ての楽しさを見 出せる支援が必要であることを述べている。.               第2節 問題と目的  行政が支援する子育て支援一は、「少子化対策」に重点が置かれ、「女性が子育てをしやす い(社会参加しやすい、子どもを持っても自己実現できる)」環境作りに力を入れている。.  子育ての第一義的責任を負っている保護者の申には、「子どもを育てやすい社会」の意味 を都合よく捉え、保育をサービスとして受ける、いわゆる“消費者化”している者もいる。. 武長(2007)は、現代の現像として、「経済学的な視点から、子どもを持つ費用と期待さ.                    4.

(8) れる利益を比べ、便益がより大きいと思えば子どもを持とうとし、費用がよりかかれぱ、 持とうとしない傾向になる」11)と述べている。もちろんこの便益は、経済的だけでなく、. 非経済的便益も含まれる。すなわち、現代の親にとって、子どもを持つ価値は、子どもの 成長を通じて親自身も生きがいを感じられるかどうかに影響しているといえる。.  また、幼少期から物が十分にあり、サービスの提供者と消費者が明確に分かれている環 境の中で成長し、子育て、保育、教育を「サービスとして消費している」という意識が強 いとも述べている。三宅は、この傾向が自分のことを棚にあげ小学校や幼稚園に責任転嫁 をしたり、不満を訴えたりする「外賓主義」という風潮を生み出していると指摘している。. 保育がサービス化してしまうことは、子どもにとって良い環境で育てることよりも保育と いう営みを「楽」、「便利」という親の利便性を求めすぎる危険性につながるのではないだ ろうか。.  一方、現場の保育者は、畷子と保育者が共に育ちあう環境」作りを目指している。神電・. 神谷(2008)は、保育者、保護者の双方の視点から子育て支援の意識のずれが乳幼児の発 達に影響を及ぼすということ12)を示唆している。また、山縣(2008)は、人口学や社会 政策の立場では、出生率上昇への関心が高くなるが、子ども家庭福祉学の立場からは、関 心が分かれると述べており、子育て支援サービスが出生率の上昇に貢献すればよいが、そ のためにサービスが存在するのではなく、あくまで今を生きる親子の将来を含めた生活の 充実を目標とするべきであると13)している。これまでの対処療法的施策ではなく予防的 施策の必要性を主張している。今、子育てに行き詰まり感を感じている母親に対して、抱 える問題を更に深安竈化させないために、子育てを側面的に応援するという観点は重要であ る。また、保育者は、援助によって、その後の子どもの育ちや親としての能ノJの向上を期 待している。.  2008年に告示された現行の幼稚園教育要領には、幼稚園は、幼児の環境を通して行うこ とを基本とし、幼稚園が子育て支援のために「地域の幼児教育のセンターとしての役割を 果たすよう努めること」14)と明記されている。集団教育の場としての従来の機能に加え、 家庭や地域の実情に対応した幼稚園の新しい役割の再考が社会全体の課題とされている。.  堀越ら(2008)は、子育て不安を感じている保護者に向けて、友達作りや子育て相談、 特技を生かした自己発揮もできる「居場所」が提供されるものである15)としている。.  今日の幼稚園は、地域の子どもの発達を促進する場、遊びを伝え、広げる場、保護者が                     5.

(9) 子育ての喜びを共感する場、子育ての本来のあり方を啓発する場、子育ての悩みや経験を 交流する場、地域子育てネットワ]ク作りをする場など多様な役割が期待されている。  幼稚園の子育て支援事業には、「預かり保育(長時間保育)」「未就園児保育」「子育て相. 談」嘔庭開放」と大きな4つの柱があるといわれている。ベネッセ次世代育成研究所の 調べによると16)、幼稚園で実施されている子育て支援として、幼稚園教諭による子育て相 談(国公立=72.8%、私立:67,3%)、カウンセラーなどの専門家による子育て相談(国公 立:25,7%、私立:20.0%)、子育て情報の提供(国公立:63.8%、私立:51.0%)、園庭 の施設開放(国公立:77.1%、私立:66.2%)、外部講師による子育て講座・講演(国公立: 65.8%、私立=43.9%)幼稚園教諭による子育て講座・講演(国公立=35.4%、私立:26.2%)、. その他、子育てサークルの育成、父親と子どもの交流の場の提供、小学生以上の学童保育、. 保育室などの施設開放が実施率は低かったが挙げられている。この調査は、保育所の子育 て支援実施率と比較したものであるため、「在園児」と「未就園児」と対象を分けた結果は、. 出ていないが、名劉11・楠本(2011)の調査17)で、幼稚園の未就園児保育の実施率は、. 国立=49%、公立65%、私立72%と報告されている。  幼稚園における未就園児を対象にした保育は、教育課程がある3歳児以上の保育と異な り、その多くに教育課程がなく、幼稚園の地域と実情と実態に合わせた事業展開が幼稚園. の采配によって行われている。2歳児保育やプレ幼稚園は次年度の園児獲得にもつながる ので幼稚園としてもメリットが大きい面は否定できない。また、教師にとっても幼児の発 達や保護者の雰囲気を入園前から把握しておけること、保護者と子どもが一緒に活動して いる姿を見ることは、入園後の保育を円滑に進めることに繋げられる。  しかし、元勤務園の保育実践を振り返ると、「未就園児親子の遊び場の提供」という名目. の下、次年度の園児獲得のための営業活動になっているのではないか、実は子育て放棄支 援になっていないのかという疑問を払拭できなかった。誰のための子育て支援なのか、何 を目的にして保育を行っているか、実践後の評価をどのように行っていけばいいのか、何 もかもが手探り状態で、問題意識は持っていても、それを職員同士で確かめ合う時間もな いほど多忙な業務に追われていたと考えられる。また、同業の知人との会話からも講のた めの子育て支援であるか、その目的や意図が曖昧なまま保育をしている者が少なくないこ とが分かる。「仕事だから仕方なくやっている」と上司に与えられた任務を遂行するだけで、. 未就園児保育を行っており、自分たちの保育実践の意義を見出せないまま、目の前にある.                    6.

(10) 親子とかかわっている。本来、幼稚園は、教育機関であるのに、教師はサービス業だと割 り切っている者もいた。これは、社会が変化したことによって保育が影響を受けたことに より生じているものだと考えられる。太田(2009)は、「保育は社会の変化と共に変化を 求められることもありますが、同時に守り続けていかなければならないものをあります」 互8)と述べている。.  昨今、保護者の二一ズに合わせ、幼稚園における子育て支援の量や種類は増えていると 報告されている。そのため当然教師に求められる役割も増えている。太田(2009)は、保 育の多忙化は、保育の土台を揺るがすほど深刻なものになり、保育者同士がコミュニケー ションをとる時間さえない現状が、保育者自身が確信を持って保育を行うことや保育者同 士が育ちあう環境も奪ってしまい、その結果、保育者としてのやりがいを奪ってしまうこ とを危惧している。19〕.  保育者が主体的に判断し、行動することで保育者は自立性をもって、保育をしていると いえる。教師のバーンアウトについては、多く研究されているが、教師が子育て支援とい う新しい役割を担っていく上で、自分のしている保育の目的や意図をしっかりと理解する. ことが必要なのではないだろうか。幼稚園の子育て支援の精神とは、保護者が教師や地域 に住む人々と共に子どもを育てる喜びを感じ合えることであり、保護者の二一ズに応える だけではないと考えられる。.  幼稚園における子育て支援の研究は、利用者側が調査対象になっているものが多い。そ れは、二一ズを知った上で運営に反映させ、子育て支援の質を保障していこうという視点 があったからだと考えられる。サポートする側からの研究は始まったばかりであり、先行 研究においても地域子育て支援センターや保育所の子育て支援従事者を対象にしているも のは多く報告されているが、幼稚園に限定した研究は少ない。先行研究では、保育の専門 家として保育所保育士を対象に専門性を明らかにしているものもあるが、保育所は当初か ら子育て支援、広義での「家庭支援」の視点を持って展開されてきた。そのため、保育士 は、福祉的な視点から家庭支援を行い、低年齢の子どもの発達や姿に触れる機会も多い。  一方、幼稚園教諭は、長い閥、3歳児以上の「教育」を行ってきた背景がある。つまり、. 家庭支援、保護者支援の視点は、子どもの育ちの後からっいてきた概念と捉えていると考 えられる。それゆえ、新しい幼稚園としての役割や教師として求められている専門性に対 する迷いが、現場にあるのではないだろうか。幼稚園教諭にとって未就園児保育は、低年                     7.

(11) 齢児の発達に明るくないことによる不安が大きいと考えられる。  ベネッセ次世代育成研究所の調べによると幼稚園における未就園児の子育て支援では、. 子育て相談や子育て講座・講演会において外部講師に依頼しているケースを除くと、大半 を幼稚園教諭が通常業務と兼任し、担っている20)としている。堀越ら(2008)は、幼稚 園という場所と時間を提供し、保護者主体で進めている幼稚園もあると報告しているが、. 保護者に任せきりになり、幼稚園がノータッチになると教師と保護者が共に子どもについ て双方向で考え合い、共に育ち合うという視点が抜けてしまう。幼稚園の子育て支援の特 色として、保護者と教師が相互に作用して育ち合うことが期待できる点が挙げられる2三) と述べている。.  先行研究では、意識調査として、幼稚園教諭を対象に質問紙調査が広く行われおり、そ の専門性や役割について明らかにされているが、実際に子育て支援を担当している教師が 回答したかどうか把握していない場合が多い。本研究では、実際に現場で未就園児保育を 経験したことのある教師から、幼稚園における未就園児保育について調査的面接法を用い て教師が感じていることを整理する。次に、保護者は、宋就園児保育についてどう考えて いるかを質問紙によって明らかにし、教師に期待されることを分析する。調査を通して教 師側からと保護者側からと未就園児保育を多面的に捉え、教師の専門性を明らかにしてい きたいと思う。またその専門性を支えるものを探りたいと考えている。.  なお、多くの先行研究では、子育て支援に従事する者をr保育者」をしているが、本研 究では幼稚園での保育従事者、すなわち「幼稚園教諭」のこととし、「教師」と表す。それ 以外の保育従事考を「保育者」する。また、参考文献及ぴ引用文献での用語については、 記載通りに記述する。.  引用文献. 1)森山史朗・柏女 霊峰:『保育用語辞典』2011年pp.347−348 2)太田光洋:「’’子育て支援’’とは何か一子育て支援センター活動へのかかわりを通して    一」『保育の実践と研究』Vo1.6 2002年 p.13.

(12) 3)大豆生田啓友:「関係論的な視点からみた子育て支援_保育の日常性と関係性からの    間い直し」『日本保育学会大会発表論文集』2004年p.638. 4)片川智子「〈子育て支援〉事業の課題を探る」『保育の実践と研究』第8巻第1号.    2003年p.48 5)久保田カ「日本における子育て相互支援文化の形成過程(1)」『日本保育学会大会発表.    論文集』2004年 p.678. 6)山縣文治:「保育サービスの展開と地域子育て支援」『保育学研究』第46巻第1号.    2008年p.64 7)前掲書6)pp,68−69 8)前掲書6)p.68. 9)杉山千佳:r働く母親のための子育て支援」『現代のエスプリ』4292003年   pp.131−139. 10)大目向雅美:『「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない』岩波書店2005年 11)武長脩行「親の消費者志向・生活志向」『世界の児童と母性』2007年 p.19 12)神日ヨ直子・神谷哲司:「保育者は子育て中の父母にどう寄り添えているか」『発達』No.118.    2008年pp.3−10 13)前掲書6)p.66. 14)文部科学省:『幼稚園教育要領』2008年(平成20年)p,13 15)堀越紀香・安藤智子1荒牧美佐子・丹羽さがの・岩藤裕美・無藤隆:「子育て支援に    おける幼稚園の役割一預かり保育と未就園児支援に関する園長インタビューから    一」『大分大学教育福祉学部研究紀要』30 2008年 pp,143−155 16)ベネッセ次世代育成研究所:『幼児教育・保育についての基本調査報告書(幼稚園編・.    保育蕨編)』ベネッセコーポレーション2009年 pp.92−97 17)名須川知子・楠木洋子:「親育てプログラムの効果に関する研究一3年間の母親の子育    て意識の変容を中心た一」『兵庫教育大学研究紀要』第38巻2011一年 pp.27−33 18)太田光洋「社会の変化が保育に及ぼす影響と保育を支えるもの」『発達』No.118.    2009年p,2 19)前掲書18)pp.2−6. 20)前掲書16).                     9.

(13) 21)前掲書15). 10.

(14) 第1章. 幼稚園における子育て支援.         第1節 幼稚園の機能を生かした子育て支援  幼稚園では、満3歳児から就学前の子どもたちが友達や先生、自然といった環境で様々 な経験をしながら集団生活を送っている。集団生活白体に一昔前と変わりは無いが、都市 化や核家族化が深刻となり、幼稚園により早い時期に入園させたいと願う保護者が増えて いる。保護者自身のきょうだい数が少なくなり、子どもを生むまで小さい子どもと接する. 機会が減ってきたことなどに所以する地域コミュニティーや家庭の教育力が低下したこ とも原因だとされている。地域や家庭でできない体験をする場が幼稚園であったが、地域 によっては、幼稚園に行かなければ同年代の子どもと遊べないという環境になってきてい る。それゆえ、以前は家庭や地域に求められていたことが必然的に幼稚園に求められるよ うになってきている。すなわち、子育て経験の乏しい保護肴に子どもの発育の様子を丁寧 に伝え、成長を一緒に喜び合い、子育ての楽しさを伝えることが今日の幼稚園に求められ ている子育て支援の役割だといえる。. ここで、幼稚園が家庭を支援するようになった経過と具体的な政策を述べる。. 従来、幼稚園は標準的な教育時間を4時間としていたが、1996年度から文部省は、保護 者の二一ズを鑑み、私立幼稚園に対し園庭開放などの地域開放事業に補助を設け、預かり 保育を奨励し始めた。また、2時間程度の預かり保育をする園に対し補助を行うようにな った。1998年に改定された幼稚園教育要領では、「少子化の進行、家庭や社会の二一ズの 多様化に対応し、幼稚園が家庭や地域との連携を深め、積極的に子育てを支援していく地. 域に開かれた幼稚園作りや教育課程に係る教育時間の終了後に行う教育活動など幼稚園 運営の弾力化を推進すること」1)とされ、「家庭との連携」を重視するようになった。師. 岡(2010)は、在園児に向けた保護者成長支援プ1コグラムの一部として、保護者の保育 参加実践を報告し、保護者の成長と支援の連携の2側面で効果があることを明らかにした。 どの部分を家庭と幼稚園が協同し、どの部分で幼稚園の独自性を出すかを明確にする必要 があり、現在、各幼稚園で模索している時期である2)といえる。. 1999年、満3歳児からの入園も私立幼稚園の経常費助成費補助、就園奨励費補助の対象 11.

(15) になったことで、幼稚園教育機会はさらに拡大した。このことにより、幼稚園が地域や家. 庭での子育てに不安を感じる層に手を差し伸べる機会を同時に設けられることになった といえる。. 中.谷ら(2001)は、特に育児不安の強い母親たちは「育児相談」よりも強く「遊び場」. を望んでいるとしている。また、中谷らは、就園前の子どもの遊び場は、自宅が一番多い と報告している。しかし、1990年代、「公園デビュー」{注工}という言葉に見られるように. 遊び場は、子どもが遊ぶだけではなく、母親同士の交流の場である。同時に、人間関係の 難しさを象徴していると3)いえる。つまり、保護者は、護者同士のかかわりや清報交換 という二一ズを持っているといえる。子育て仲間を作る、子育て仲間とかかわる場の設定 や提供は子育て支援において非常に重要な意味があると考えられる。母親たちは、「遊び 場」において「子育てをする場所」と「子育てをする仲間」という2点を求めていると考. えられる。田畑・河邊(2010)は、幼稚園における子育て支援の意義と課題を親子登園 に焦点を当て、親子登園によって親は、情報発信機能が得ることができ、結果として親の ストレス解消や育児不安の解消につながっている4)としている。また、この構造を明ら かにすることが、地域子育て支援における幼稚園の子育て支援の独自性を考える上で非常 に意義ある視点になりうるとした。. また、濱眠(2011)は、年齢が低いほど成長発達の変化が著しいため、健康の管理など 保護者は、今の子育てに着目しやすく、そのために同年齢の子どもを育てる保護者とのか かわりを望むのだ5)としている。丹羽・無藤(2004)らは、子育て仲間がいない保護者 は、r仲間作りの場や人がいない」r仲間に入るきっかけが作れない」という理由を挙げて いること6)を報告している。同年齢の子どもを持つ保護者とかかわりを持ちたいと思っ ていても、難しいと感じる母親を他の母親とつなげる、子育て仲間を作るきっかけをサポ ートする視点が、幼稚園の子育て支援では必要不可欠であると考えられる。それを教師が 意図的に作り出していくことが求められているのではないだろうか。. そして、母親たちが求めている「遊び場」は、子どもの遊び場であると同時に子育てを する当事者同士が気軽に話し合う場として機能していなければならないと考えられる。歩 いていける場所に安全な遊び場が充実され、気兼ねなく相談や交流が出来る子育て仲間と の関係性を築けることは、非常に望ましいことである。子育て仲間とは、子どもを育てる 親、教師、地域に住む人など、子どもが成長していくことを共に喜び合える仲間のことで                     12.

(16) ある。. 大冒向(1988)は、妊娠・出産することで母親になるのではなく、子育ての営みから母 親役割を受容し、母親としてそして人間として成長している7)と述べている。幼稚園に 親としての発達を促すという役目が期待され始めるようになった。. また、未就園児時期から子育て仲間と信頼関係を築くことで、子育てにやりがいや喜び を見出し、子どもを理解しようとする気持ちを育めることが期待できる。それが、幼稚園 における子育て支援、未就園児保育の大きな日的ではないだろうか。. また、そのような場所を作ることによって、密室で母親のみに課せられた孤独な子育て をなくし、育児不安や児童虐待を軽減・予防する第一歩になるとも考えられる。. 中谷(2006)は、遊び場(自宅、自宅の庭、公園、友人宅、地域子育てセンター、保育 所、幼稚園等)を多く持つ母親と少栓い親子を比較すると、多い母親は、育児不安が低く、. 育児ネットワークも多く持っていることを明らかにしている。しかし、遊び場の数や利用 者さえ増やせばよいのではなく、その質の向上が大きなポイントになると示唆している。 中谷は、母親にとって排他的ではない、アットホームな雰囲気の中で、「自分もこの場所 の一員だ」と感じられることが大切であるが、育児不安が高い母親は自分から声を掛けら れないこと8)を示唆している。. 著者がH県F幼稚園(2010年11月、1回)、丁幼稚園(2009年∼2010年 計6回)、 N幼稚園(2011年1回)での未就園児園庭開放を観察した際、どの園にも“小人数で固ま って母親同士の話を楽しんでいる母親達”と“他の親子とあまりかかわりを持たずに親子. だけで遊んでいる母親達”という2つのタイプを確認できた。F幼稚園においては、母親 だけでなく2名の父親も参加していたが、父親は後者のタイプであった。園庭開放に参加 している母親(F幼稚園)との会話を通レて、幼稚園の園庭開放を児童館のような「遊び 場」として捉えている人が多いようであった。「積極的に児童館や園庭開放に参加してい る」「友達がいなくても参加しようと思う」と答えた母親達は、園内でも色々な人に声を かけたり、子育て支援のスタッフである在園児の母親から園生活に関することを尋ねたり して積極的に「つながり」を作ろうとする姿が見受けられた。一方、「友達に誘われてき. た」と答えた人は、「一人では児童館に行くこともないし、誘いがないとなかなか来よう と思わない」と語った。園庭開放や児童館などの子育て広場に来ている母親は、元々子育 てに対しての関心が高いといわれている。幼稚園で未就園児親子対象に子育て支援をする                     13.

(17) 場合、教師は、人付き合いがあまり得意ではない母親に寄り添ったり、新しい「つながり」. をコーディネートする役割を担ったりする必要があると考えられる。また、女性の輪に入 りづらい父親に対しても、子どもの遊びを通して、親子で遊ぶ楽しさに共感したり、子育. てに参加しようする気持ちを十分認めながら、少しずつ他の母親と同じ保護者としての 「つながり」を作っていけるよう働きかけたり、きっかけを作る糸口を見つけることが大. 切だといえる。このような教師の援助によって、遊び場自体の質を向上していく効果があ ると考えられる。. また、保護者は、排泄・着替え・食事などがある程度自立する、子ども自身が友達関係 を築き始める時期には、親と分離する時間を求める傾向にあるとされている。また、保護 者は、内容により専門家に話したいこと、保護者同士で話したいことが異なっているとい われている。保護者同士で話したい事柄は、目安や基準のあいまいな価値観が反映される ことが多く、子ども自身ではなく自分自身についての話をしたい傾向があるとされている。. 以上のことから、幼稚園は、未就園児保育をすることにより、家庭から集団へ移行しよ うとする子を持つ層をサポートできる機関として機能すると考えられる。「親の仲間作り」 「子どもの仲間作り」「保育の一 齧蜑ニとのかかわり」を同時に行いながら、集団生活とい. う子どもの次の発達段階への移行を支えることを可能にする支援であると考えられる。 また、子育て支援では、保護者が主体性を持つことが重要であり、支援者が一方的にギい. いことをしてあげている」と思い込んでやっていると、いつの間にか相手の「やって∼」 という受身の姿勢を作る原因になりうる。教師は、幼児とかかわる中で、幼児が自分でで きるとことまでやってみよう、工夫して乗り切ろうとする「主体性」が生まれるように意 識して保育活動を行っている。このノJは、子育て支援に大変重要であり、教師の働きかけ. によって保護者が自分の力を出し合って、保護者同士、幼稚園を含む地域社会と互いに助 け合う姿勢を広げていく鍵となると考えられる。 堀越ら(2008)は、幼稚園における子育て支援の役割として、「子育ての楽しさ」「保護 者の学びや自立」「保育考と保護者の相互作用」「保護者同士や地域のネットワーク」「子. どもの成長の保障」の5つのキ]ワードを挙げ、考察している。9)幼稚園の子育て支援の 中でも「預かり保育」や「子育て相談」では、この5点をバランスよく達成することは難 しい。未就園児保育は、地域の親子に対して行われ、この5点すべてを教師の専門一性を生 かしていけると考えられる。特に、幼稚園の教育の場を生かしながら、子どもだけでなく、.                    14.

(18) 保護者を支える申で、教師自身も成長していく環境を地域の中に作り出していくことが重 要なのではないだろうか。.  しかし、未就園児親子を対象にした幼稚園の取り組みの課題も多くあるのも事実である。. 丹治(2009)幼稚園における子育て支援事業は私立園の「生き残り策」として「保護者 へのサポート」という意図の下に行われていることを明らかにした。「園のPRの場」と している一面を指摘している。10)また、共働き家庭の増加、子どもとのかかわった経験 が乏しい保護者の増加などの社会的変化に伴い、子育ての外部化や子育てに関する保育施 設の役割が大きくなっている。これは、保育の機能やあり方を大きく変容させているとい える。太田(2009)は、「保育者の立場からは、保育者の労働環境についての担保がない ままに仕事が相対的に増え、多忙な中で保育にあたらなくてはならない状況」があるとし、. rこのような状況は、保育者を疲弊させるばかりか、保育という仕事のやりがいを奪う結 果をもたらすことにもなりかねない」旦玉)と警鐘を鳴らしている。.  また、ベネッセ次世代育成研究所(2009)によると、教師による子育て支援意識を調 査では、「保育者の育成が期待できる」という項目が最も数値が高く(国公立 85.1%、 私立76.4%)、ポジティブにとらえている反面、「業務の負担になる」という項目が次いで. 高数値(国公立 74.5%、私立 68.7%)であり、ネガティブな側面も選択されている。 一2〕従来、在園児を対象にした教育活動をおごなっていた幼稚園にとって、今後子育て支. 援という概念をどのように受け止めていくか、そして教師が求められている専門性をどの ように伸ばしていくかを考えていく必要がある。.         第2節 未就園児親子対象の子育て支援の分類  ベネッセ次世代育成研究所の調べによると、2歳児を受け入れている幼稚園は、国公立 園 O.7%、私立 26.4%であり、受け入れている中で2歳児のみの学級があると回答し たのは、57,7%で、平目毎日受け入れている園が71.9%であった。満3歳児(3歳の誕生 目を迎えた子ども)を受け入れている幼稚園として、国公立 6.O%、私立55.9%、満3 歳児のみの学級が、国公立 37,5%、私立 32,4%。3歳児学級で受け入れている幼稚園 が、国公立 45.8%、私立 53,1%。設置予定がある幼稚園は、国公立 1.6%、私立 5.7%、. 検討申の幼稚園は、国公立 4.6%、私立 19.9%であり、私立幼稚園が未就園児保育に.                    15.

(19) 対して、積極的であり、低年齢の時から入園を視野に入れた保育を行っていることが予想 される。また、3歳児の親子登園についての項目では、国公立の52.4%、私立の63,2%が. 実施しており、どちらも実施頻度は、月に1・3回が一番多かった。内容としては、国公立 で多いものから順に、「園庭・園舎開放」「親子で参加するプログラムがある」「園の行事 に参加」で、私立では「親子で参加するプログラムがある」「園庭、園舎開放」「園の行事 に参加」であった。13).  今回、面接調査を行った教師の保育実践をもとに、幼稚園で行われている未就園児親子 対象の子育て支援を分類し、図1に表した。この申で、未就園児親子対象イベントである、. 子育て講座や講演会、お話会などは、幼稚園が地域資源のひとつとして、企画運営されて いる単発で開催されるイベント的要素が高く、大学や専門機関等の講師や専門家を中心に 運営されることが多いという特徴がある。これらの活動は、子ども、保護者のかかわりあ いが見えにくく、教師の専門’性が判断しづらいと考え、分析の対象から外すことにする。.  なお、本研究では、それ以外の「園庭開放」「プレ幼稚園」「子育て相談」咄前保育・ 子育てサークルの育成」の5つの子育て支援事業を「未就園児保育」と定義し、教師が未 就園児、保護者とのかかわる保育実践を通して考えたり、感じたりしたことを分析してい くものとする。図1の点線枠内で記している部分を本研究で扱うものである。  それぞれの活動内容の主な目的は、以下の通りである。. 幅庭開放」は、「未就園児親子への遊び場の提供」と「在園児との異年齢交流」を目的 としており、支援者として「教師」を中心に保育参加する「在園児保護者」が挙げられる。.  次に、「プレ幼稚園」では未就園児が園生活をスムーズに移行できるように集団生活を 提供するこ二とを目的としている。運営形態として、未就園児を「2歳児クラス」「3歳児ク. ラス・満3歳児クラス」「入園予定者のみのクラス」が挙げられた。多くの場合、前半は 保護者との活動、後半は未就園児のみの活動へと移行していくようである。.  「子育て相談」は、母親の育児不安の軽減を目的に広く行われており、園長や教師が行 っていた。また、改まって時間を設定せず、立ち話程度に保護者が教師に日ごろの子育て の悩みや行き詰まりを気軽に話すというケースも「子育て相談」と捉えることとする。調 査した教師の一人は、これを面と向かって行う子育て相談に対し、「横並びでの子育て相 談」と呼んでいた。.  咄前保育」は、幼稚園の近隣の公民館や商行施設に教師が玩具など必要な環境を持っ.                    16.

(20) て出向き、そこで保育をすることである。この場合、未就園児は、比較的低年齢児である ことが多く、母親友達作りやコミュニティー作りをサポートし、親子の居場所作りという ねらいがある。そして、母親の主体性を伸ばし、子育てサークルの育成をしているケース もある。. ■                                                                        1 −                                                                        1. 未就園児親子が遊ぶ. ;. 園庭開放. =. 未 就 園. 児 親 子 対 象 の 子 育 て 支 援. :. 在園児と遊ぶ. =. 園 児 保 奮. =. =. =. 未 就. ミ. :. =. ;. ;. プレ幼稚園. :. 未就園児親子クラス. ;. =. =. I. 2歳児クラス. =. ;. =. =. =. 子育て相談. 3歳児クラス・満3歳児クラス. :. 入園予定者対象のクラス. =. =. :. ミ. ミ. =. ;. 出前保奮・子奮てサークルの育成 :. =. ■  ・ 一  ■ 一 ・  ‘  ・ i 一  ・ ‘ ‘  ・ 一  一  一 一 ・ ・ ‘  ・ ・ 一  ・  ・ . ・  一  …        一 ・  …        一  一 ・ …        一  . ・  ・  …        ’ ・ ・  一  ・. 未就園児親子対象のイベント. 保護者向けイベント(子奮て講座・講演会). 子ども、または親子向げイベント(お話会等. 図1未就園児親親子対象の子奮て支援の分類  当初の子育て支援は、場の提供をはじめ、欄談、情報、講座の提供など支援者主導で行 われる子育ての「肩代わり支援」が主流であった。14)そして現場関係者は試行錯誤を重 ね、現在は、「支え、支えられる関係」という視点が必要であるとされて、子育て支援の 視点も変化しでいっている。現在の研究では、「子育て支援の実施・活動内容」「子育て支 援のあり方」、「子育て支援の現状と課題」、「子育て支援の役割」「子育て支援の可能性」、. 日子育て支援の取り組み」など実施に関するものが多い。また、名須川・楠本(2011)は、. 子育て支援の効果や評価として、母親を対象に子育て意識の変化を明らかにしている。.                     17.

(21)  そこで、友人の支えを創出する親同士のつながりを作り、親が自発的に参加できるよう な子育て支援を企画し、親の自立につなげる創意工夫が求められていること、子育て意識 の変容には時間を要するため、継続した支援が必要であること15)を示唆している。幼稚 園の未就園児親子を対象にした保育では、幼稚園入園後も教師と保護者が継続してかかわ る機会が、他の子育て支援施設に比べ長いので、支援の継続性という意味で特徴が生かせ ているのではないだろうか。.             第3節 保育者の専門性について  専門性とは、「特定の領域に関する高度な知識と経験のこと。それは権威を意味する側 面と、任務遂行に必要とさ軋る職能を意味する側面とがある」16)とされ、保育者の専門 性とは、保育の領域に関する高度な知識と経験と理解される。.  川11・藤崎(2010)は、保育者研究において専門一性の向上が注目されているとし、昨 今の子どもを取り囲む環境の変化に伴い、保育の質や保育者の専門性の研究は大変重要で あると17)述べている。先行研究では、「幼稚園の子育て支援における教師の専門性」を明 らかにしているものは少なかった。「専門性の研究」の多くは、「地域子育てセンターのス タッフに求められている役割」、「保育者に求められている役割」「保育者養成に求められ. る専門性」として保育者に求められる新たな専門性について研究である。そして、教師に 限定しているものではなく、喉育者」を、「保育所保育士」吻稚園教諭」「子育て支援に 従事する者」として広義にとらえているものが多かった。本節では保育者の専門性を整理 し、本研究の主題である教師の専門一性の参考としたい。なお、先行研究の語句は、記載通 り使用するものとする。.  保育者の専門性について保育所保育指針解説書では、保育士が有する保育の技術として、. ①発達援助の技術、②関係構築の技術、③生涯援助の技術、④環境構成の技術、⑤遊びを 展開していく技術18)の5点を挙げている。名須川(2010)は、①幼児理解力(子ども、 保護者の気持ちに寄り添う)、②環境構成力(物的・人的環境をデザインしたり、つなが りを考える)、③保育内容展開カ(内容をアレンジしていく)、④計画・遂行力(年間計画・. 在園児への教育効果)、⑤関係諸機関との連携(学校側の支援・PTA)、⑥地域連携カ(地 域に生きる幼稚園)、⑦研修・研究ノJの7つのノJを子育て支援において幼稚園教諭が求め.                    18.

(22) られている専門性である19)とした。西ら(2010)は、子育て支援スタッフに期待される 約ありとして、①親子遊びを楽しく展開することができる保育力、②個々の親子の状況を 共感的に理解し、支えていくことのできる相談援助力、③地域に働きかけ、親と共に子育 てしやすい地域づくりをしていく地域連携カ20)の3点を挙げている。また、黒田(2009) は、保育者の新しい専門一性として、子どもだけではなく親に対応していく力、すなわち「親. に寄り添い、親を理解し、親を理解する専門性」を挙げ、「子どもに寄り添い、子どもを 理解する専門性」と両方の専門性が求められているとしている。親を理解するという専門 性は、子育て支援における特徴的な専門性だと考えられる。また、「子育て不安の解消」. の不安の根が何なのかを考えようとする姿勢を持ち、毎日違う子育てサークルを渡り歩く 「サ』クル渡り族」の保護者の二一ズを知ろうとすることが重要であること、課題意識を. 持って、子育てのコミュニケーションの場をどうプロデュースするか、保育者として何が できるか考えていくことが求められている21)と述べている。加えて、「親と信頼関係を作. る専門性」も挙げている。親とのよい関係作りは保育者のコミュニケーショ!の「質」が 大きく影響しており、自分の保育を他に説明できる言葉での表現力も専門性の一つである。. 保育者のコミュニケーションカは、今まで重要視されていなかったが、子育て支援を行う 上で非常に重要な専門性と考えられる。.  汐見(2007)は、子育て支援に必要とされる、又は経験を通して培われる「専門性」 は、従来の保育者としての専門性とは異なるものであると指摘している。しかし、コンビ チンシーとしてリスト化されているが、実際の子育てにかかわる考が「専門性」をどう捉 えているかは明らかになっていない22)と述べている。このような状況で、ソーシャルワ ーカーなどの他の専門的枠組みを援用することで発展も期待できるが、福祉の専門家でな い「教師」という曖昧性がかえってアイデンティティーの拡散や保育の喪失につながる可 能性があることを危惧する見方もある。23)それに対し、太閤(2009)は、保育という営 みは、保育者の自律性が大切だと述べている。「専門的知識・技術の熟達化」から、自ら の実践と振り返りの積み重ねを通して、より良い実践を構築する「反省的実践化」という プロセスを踏み、その専門’性を向上していくものであるとしている。保育者自身が、学ぶ. ことに喜びを感じ、自身の保育行為の意味を理解し、親子の成長を受け止め、保護者に伝 えることにより、共育てを可能にし、仕事にやりがいを見出すことができるのである。24).  また、杉村ら(2007)も、保育の実践や質、専門性の向上と振り返りや省察とは、密.                    19.

(23) 接な関係があるとしている。25)つまり、教師が自分の専門性を発揮しながら保育を行い、. 保育を振り返ったり、省察したりすることは、保育の質を高め、専門一性をさらに仲はして いく上で重要であると考えられる。. (注1)公園デビュー:乳幼児期の子どもを持つ親(母親)が近所の公園に初めて子どもを.  つれて遊びに行く(デビューする)こと。公園にいるほかの母親たちとコミュニケージ  ヨンを持つことに大きな不安環境と葛藤が生じるという現象のこと。. 引用文献. 1)文部科学省:『幼稚園教育要領解説』2008年(平成20年)p,245 2)師岡章1『保育者と保護者の“いい関係”』新読書杜 2010年 pp.176−177 3)中谷奈津子:「子育て支援事業における母親の二一ズに関する研究_母親の育児不安    の観点から一」『愛知教育大学幼児教育研究』第10号2001年 pp.28−29 4)岡畑沙宇・河邊貴子:「幼稚園における在宅育児支援の意義と課題」『目木保育学会第.    63回大会発表論文集』2010年p,588 5)濱田祥子:「母親は子育て仲間に何を求めるのか」『日本保育学会第64回大会発    表要旨集』2011年 p,539 6)丹羽さがの・無藤隆:「幼稚園における子育て支援を考える」『お茶の水女子大学.    発達教育研究センター紀要』第1巻 2004年 pp.33−42. 7)大目向雅美:『母性の研究』川島書店1988年 8)中谷奈津子:「子どもの遊び場と母親の育児不安_母親の育児ネットワークと定位.    家族体験に着目して_」『保育学研究』第44巻第1号2006年 pp.51−61 9)堀越紀香・安藤智子・荒牧美佐子・丹羽さがの・岩藤裕美・無藤隆:「子育て支援に    おける幼稚園の役割_預かり保育と未就園児支援に関する園長インタビューから    一」『大分大学教育福祉学部研究紀要』30 2008年 pp.143−155 10)丹治恭子:「幼稚園・保育所の機能拡大とその理論_子育て支援に着目して_」『日本.    保育学会第62回大会発表論文集』2009年 p.313. 20.

(24) 11)太田光洋:「社会の変化が保育に及ぼす影響と保育を支えるもの」『発達』No.118 ミ.    ネルヴァ書房 2009年 pp.4−5. 12)ベネッセ次世代育成研究所:『幼児教育・保育についての基本調査報告書(幼稚    園編・保育所編)』ベネッセコーポレーション 2009年 pp.92−97 13)目1」掲書12)P15. 14)名須川知子・楠本洋子:「親育てプログラムの効果に関する研究_3年間の母親の子.    育て意識の変容を中心に」『兵庫教育大学研究紀要』 第38巻2011年 p.1 15)前掲書14)pp.1−8. 16)はてなキーワード 地 17)山11ひとみ・藤崎春代二「保育者の専門性向上の検討_新設保育園に転職した保.    育者の語りの分析から一」『昭和女子大学生活心理研究所紀要』Vo1.122010.    年pp,159−166 18)厚生労働省:『保育所保育指針解説書』p.13 19)名須川知子1:「幼稚園の専門性を生かした子育ての支援」『兵庫教育 初等教育資.    料』857号 2010年 pp.88−95 20)西智子・津留明子・伊田がつ代:「子育て支援スタッフに期待される役割∼利用    者満足度から∼」『第63回目本保育学会発表論文集』2010年 p.375 21)黒田秀樹r子どもと親に寄り添う保育者の専門性」:『発達』No.118 2009年    PP.9−16. 22)汐見和恵:「保育者の役割と保育者に求められる専門性_今求められている子育    ち・子育て支援のコンビチンシー」『東京文化短期大学子ども研究所紀要2』.    2007年pp.31−42 23)寺見陽子・小嶋玲子:「保育・支援の場における専門性について考える一専門家と.    非専門家のはざま一」『日本保育学会第64回大会要旨集』2011年 p.155 24)前掲書11) 25)杉村伸一郎・外信永・若林紀乃:「保育者省察尺度に関する探究的研究(1)一保育.    現場における反省的実践一『幼年教育研究年報』29 2007年 pp.5−12. 21.

(25) 第2章 教師から見た未就園児保育について.        第1節 調査的面接法を用いた質的研究について  現在、子育て支援スタッフ、支援者が求められる専門性、資質に関する先行研究におい ての多くが、量的調査法である質問紙調査を実施し、それを明らかにしている。また、幼 稚園のおける子育て支援の先行研究、特に未就園児保育の研究は、そのほとんどが実施率、. 内容、保護者の育ちを量的に研究したものであり、幼稚園教諭の専門性を質的に研究して いるものは少ない。それは、子育て支援を行っていく上での課題など、実態を広く把握す るためだと考えられる。これらは、保育をする教師、いわゆる実践者にとっても、受け入 れ状況や活動内容、活動時間をはじめとする他国の状況把握を知ることは、子育て支援を していく上で大変貴重なデータであるといえる。特に、手探りの状態で子育て支援を始め ようとしている教師にとって、他国の方法を参考にしたり、学んだりすることが自園の子 育て支援の質を上げることにつながると考えられる。.  しかし、たとえフェイスソートを作成したとしても、幼稚園により回答者の立場が異な ることが考えられる。例えば、行政から委託され半強制的に未就園児保育を始めた園長と 園児獲得の意味を含めて未就園児保育を積極的に始めた園長とでは、その取り組み方の姿 勢や捉え方に大きな違いが生まれてくることが容易に予想できる。また、実際に宋就園児 保育を担当している教師が回答しているかどうかでデータは大きく変わってくる。.  量的な調査において、保育を行っている教師の生の声を拾えているか疑問である。未就 園児保育を担当している教師の捉え方や課題は、アンケート調査などの量的な調査では、 分かりづらいのではないだろうか。.  筆者は、幼稚園における子育て支援を考察する場合、実際に未就園児保育を担当した経 験がある教師、または現担当者の生の声を分析していく必要があると考えている。幼稚園 では、色々な立場の教師がおり、それぞれ違う保育観を持ち、教師一人一人の得手不得手 の分野が存在することは明らかである。その教師達が、幼稚園における未就園児という新 しい保育とどのように向き合い、感じたり考えたりしているかを検証していくことを通し て、教師に求められている専門性を明らかにしていきたい。  そこで、本研究では、人間の複雑多様な現象を極力、単純化し意義を見出すのではなく、.                    22.

(26) 不明瞭な複雑性を明瞭な複雑性へと置換する質的研究、調査的面接法1)を用いるものとす る。心理学辞典によると、調査的面接法は「一定の場所において、人と人が特定の目的を 持って直接顔を合わせ、主として会話を通してその目的を達成しようとすることであり、 目的によっては、非言語的要素も加味される」2)と定義されている。.  面接者が対象者と直接向き合って、会話を通して、対象の意見、考え、感情、経験など をデータとして収集し、分析し、結果を一般化したり個別に解釈したりして、様々な心理 や行動を解明すること3)を目指しており、本論文の研究趣旨にあっていると考えられる。  なお、調査的面接法(以下、調査)を用いた研究では、「対象者」「被面接者」「面接対象. 者」「調査対象者」「研究協力者」と色々な語句で表されているが、本章では、すべて教師 が対象者となるため、「教師」する。.        第2節 教師のインタビューから見る未就園児保育. 1.調査の問題と目的  幼稚園が教育の場として広く認知され、学校教育法においては、「幼稚園に入園するこ とのできる者は、満三歳児から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする。」(第3章. 第26条)と明記されている。幼稚園が満3歳児以下の幼児を対象にし始めた歴史は、保 育所に比べて浅い。それゆえ、教師自身が3歳児以上の在園児保育と未就園児保育の違い に戸惑いを感じているのではないだろうか。例えば、低年齢児の発達の理解や保護者との かかわり方の違いなどが考えられる。しかし、幼稚園における子育て支援研究では、その 殆とが実施率、内容、保護者の育ちを量的に研究したものであり、幼稚園教諭の専門一性を 質的に研究しているものは少ない。本調査では、未就園児保育を通して教師が幼稚園を「地. 域の幼児教育のセンター」として機能させるための専門性とは何かを考察し、教師はそれ をどのように構築し、発揮していくかを明らかにすることを目的とする。. 2.調査方法 (1)対象及び調査期間.  機縁法により、未就園児保育を担当したことがある教師に、事前に調査の趣旨を書面に. て送付し、調査協力の了承を得た教師を対象者とした。対象者は、AからOの15名の教                    23.

(27) 師である。教師の概要は、表1に示すとおりである。教師に「地域の幼児教育のセンター としての役割」を果たすために、幼稚園の子育て支援や未就園児保育に対する考えを中心 に面接調査を行った。.  教師の内訳は、現役の教師が13名、昨年度末に退職した教師が2名であった。また、 現職を含めた副園長・園長の管理職経験者は4名、通級担当経験者は2名であった。全員 が保育士免許を取得している。.  調査期間は、2011年3月から10月であった。面接回数は、それぞれ1回である。. 表1 教師の概要 識甑鰯1:1. 鶴1慧1. A. 私立. 三田. 26∼30. 5 出前保育・園庭開放. B. 私立. 尼崎. 31∼35. 6 未就園児親子クラス・園庭開放. C. 私立. 尼崎. 26∼30. 7 未就園児親子クラス・園庭關放. D. 私立. 尼崎. 26∼30. 6 未就園児親子クラス・園庭開放. E. 私立. 大阪. 26∼30. 7 来就園児クラス. 公立. 神戸. 51∼55. 国立. 加東. 56∼. 私立. 寝屋川 41∼45. 1. 私立. 寝屋川 26∼30. J. 私立. 寝屋,ll. K. 私立. 芦屋他 36∼40. 14 未就園児クラス. L. 国立. 加東. 36∼40. 12 園庭開放. M. 公立. 宝塚. 51∼55. 34 未就園児親子クラス. N. 私立. 大阪. 26∼30. O. 私立. 西宮. 56∼. ■=. G 1・1. 31∼35. 33 園庭開放・子育て相談 4 園庭開放・子育て相談. 15 園庭開放・子育て相談・未就園児親子クラス. 通級担当者. 元園長 園長. 5 園庭開放. 柵 未就園児親子クラス・出前保育. 5 未就園児クラス. 副園長一‘  畠. 退職者 園長■. 無回答. 未就園児クラス. ※r未就園児親子クラス」は、前半は親子登園、後半は子どものみの登園をしている。「未就園児クラス」は、  子どものみ登園である。. (2)調査方法.  教師が希望する場所(喫茶店・自宅・大学・幼稚園)で約30分から45分程度、個別の 半構造化面接を行った。面接者は、未就園児親子クラス・園庭開放の経験がある筆者1名 である。面接の内容は、ICレコーダーで録音した。質問碩目は、表2に示す通りである。                      24.

(28) 3.分析方法  ICレコーダーで録音した面接内容でトランスクリプト(逐語録)を作成する。教師が、 未就園児保育にかかわったことにより生じた気付きや変化、課題だと感じていることを抽 出し、「基盤となる専門’性」「未就園児保育をして獲得し、育った専門性」としてグループ. に分け、それぞれにラベルをつける。それをもとに、教師がどのような専門性を持って、 保育をしているのかを考察するものとする。. 表2 質問項目 1. 子育て支援事業の概要や保育内容についての質問. 2. 担当になった経緯. 3. 初期の所感と実際. 4. 肯定的エピソードとやりがい. 5. 保育評価と周囲の環境. 6. 否定的エピソードと負担感. 7. 変化について. 8. 未就園児保育に対する保育観. 9. 覧間項目以外の自由回答. 4.倫理的配慮について  面接を行う際、教師にICレコーダーでの録音の許可を確認した。また、プライバシー の保護に関し①調査内容を本研究以外の目的で利用しないこと ②修士論文を公表する際、. 個人が特定されるような形にしないこと ③報告書に先立ち、希望する場合は自身の面接 内容に関する部分のチェックが可能であること ④論文発表後、ICレ;コーダーに記録した. 内容ついて、対象者の希望する方法で処分をおこなうこと を口頭で説明した。教師に承. 諾書(2部)記入してもらい、1部を対象者控え、1部を筆者用とした。. 25.

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