330 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(104) イ トウ トシ オ雄(昭和2
博士(医学) 乙第1351号平成5年2月19日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
Apeptidergic component to vaga11y induced tracheal vasodilatio駐in thedo9
(犬における迷走神経刺激による気管動脈拡張に対する神経ペプタイドの関 与) (主査)教授 金野 公郎 (副査)教授 新田 澄郎,出村 博論 文 内 容 の 要 旨
目的 気管動脈血流の調節にコリン作動性神経のほか非ア ドレナリン非コリン作動性物質(以下NANCとする) が関与している可能性が報告されている.本研究はNANC神経路に関与するtachykininやvasoactive
intestinal peptide(VIP)などの神経ペプタイドの気 管動脈血流に及ぼす役割を明らかにすることを目的と した. 方法 麻酔犬28頭を用い,両側迷走神経切断後,迷走神経 分枝である両側上喉頭神経に神経刺激用電極を装着 し,同時に気管動脈に挿入したカテーテルにより交感 神経遮断薬投与後気管血管抵抗,tracheal vascular resistance(以下TVRとする)およびその減少率を各 種薬剤投与条件下で経時的に測定した.atropine, pe- ptideの分解阻害薬であるthiorphan,神経節遮断薬の hexamethoni㎜, tachykininを枯渇させる作用を有 するcapsaicinなどの投与後,上喉頭神経電気刺激, nerve stimulation(以下NSとする)を施行した.一方capsaicinの効果を確認するためにNSをcap-
saicin・atropine・hexamethonium投与の順で施行し た. 結果各種薬剤投与条件下でのNS施行後TVR減少率は
atropine投与後4,7±0.8%と減少したが, thiorphan で8.8±0.6%と増加,hexamethon沁mで2.9±0.9% と再度減少し,さらにcapsaicinで0%となりNS後 の血管拡張が消失した.薬剤投与順を変えても,NSに よるTVR減少率はcapsaicin, atropineの順に減少 し,hexamethoniumで0%となった. 考察迷走神経電気刺激による血管拡張のなかにNANC
の要素が存在し,その血管拡張はpeptide分解阻害薬 投与後の神経刺激によって増強したため,peptideの 関与が強いと推察された.atropine抵抗性の血管拡張 は迷走神経の遠心路に存在するNANCを経て神経節 から放出されるVIPなどのペプタイドの遮断および 迷走神経求心路に存在するC線維から放出されるta- chykininを枯渇させることにより消失した. 結論 犬において気管動脈拡張はコリン作動性遠心路のほ か非アドレナリン性非コリン性神経路のVIPおよび tachykininなどのペプタイドによって調節される. 一964一331