Title
Inhibitory effects of chemopreventive agents on colon and
mammary carcinogenesis in experimental rodent models 1)
Inhibitory effects of nabumetone, a cyclooxygenase-2 inhibitor,
and esculetin, a lipoxygenase inhibitor, on
N-methyl-N-nitrosourea-induced mammary carcinogenesis in rats 2)
Inhibitory effects of dietary monoglucosyl-rutin on azoxymethane
-induced colon carcinogenesis in rats( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
松永, 研吾
Report No.(Doctoral
Degree)
博士（医学）甲 第472号
Issue Date
2001-03-24
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14653
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氏名 く本籍) 松 永 研 吾(千葉県) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員
博
士(医学)
甲第 472 号 平成13 年 3 月 24自
学位規則第4条第1項該当
Inhibitoryeffectsofchemopr9Ventiveagentson colon and mammary CarCinog色ne畠isin experimentalrodent h10deJs
l)lnhibitory effects of nabumetone,i)CyClooxygenase-2jnhibitor.and
esculetin.alipoxygenas占inhibitor.onN-methYl-N-nitrosourea-induced
mammary carcinogenesisin rats
2)Jnhibitory effects of dietary monoglucosyI-rutin on azoxymethane｣
induced co[on carcinogenesisin rats
(主査)教授 森 秀 樹 (副査)教授 森 脇 久 隆 教授
植ノ松
俊彦
論 文 内 容 の 要 旨 近年日本では,大腸癌,乳癌による死亡率が増加してきている｡その原因の1つとして環境因子が挙げられて いる｡中でも我が国の食生活の欧米化が癌の発生に深く関与していると考えられており,高齢化社会が進むにつ れ,今後も大腸癌,乳癌の死亡率が増加するものと予測される｡→方最近,癌の化学予防が注目されつつある｡す乍わち,天然ないし合成物質(化学予防剤)を摂取することにより,癌の発生を阻止するという考えである｡
発癌物質の曝露の危険性の高い現在,化学予防物質の摂取こよる発癌予防が重要となってきている｡ 今回,実験1)ではcyclooxygenase-2(COX-2)阻害作用の強い抗炎症薬であるnabumetoneおよび1ipoxygenase 阻害剤であるes血1etinを用いN-methyl-Nlnitrosourea(MNU)誘発ラット乳腺腫瘍の修飾効果を検討した｡実 験2)では人工着色料として使用されているflavonoidの1種のmonoglucosyl-rutin(M-G)を用い,aZOXymethane (AOM)誘発ラット大腸腫瘍への修飾効果と,大腸癌の前癌病変と考えられている変異腺高巣(aberrantcrypt foci,ACF)に対する修飾効果を検討した｡ 研究材料と方法 実験1)7適齢の雌SDラット124匹を6群に分けて以下の処置を行った｡第1群,第2群,第3群は生理食塩水に溶解 したMNU(50mg/kg)を50日齢時に皮下投与した｡MNU投与1週間後から,第2.4群と第3,5群にそれぞれ 0.03%nabumetoneと0.03%esculetinを混餌投与し,第6群を無処置対照群とした｡週に1度乳腺の触診を行い, 実験開始25週後に動物を屠殺剖検し,乳腺を含む主要臓器について病理組織学的検索を行った｡ 実験2-1)5週齢の雄F344ラット37匹を5群に分け,以下の処置を行った｡第1,2,3群にAOM(15mg/kg)を 週1回,計3回皮下投与した｡AOM投与開始1週間前より,第2群には100ppmM-Gを,第a4群には500ppmM-G を5週間混餌投与,第5群は無処置対照群とした｡実験期間を5過とし,大腸ACFの頻度をBirdらの方法により測 定し,細胞増殖能として,大腸粘膜のBrdUlabelingindexを比較検討した｡ 実験2-2)5週齢の雄F344ラット145匹を7群に分け,以下の処置を行った｡第1,2,3,4,5群にAOM(15mg/ kg)を週1回,計3回皮下投与した｡第2,3群には,AOM投与開始1週間前よりそれぞれ100ppm M-G,500ppm M-Gを4週間混餌投与した｡第4,5群はそれぞれ100ppm M-G,500ppmM-GをAOM投与1週間後から実験終了 までの36週間混餌投与した｡第6群は500ppm M-Gを40週間混餌投与し,第7群を無処置対照群とした｡実験期 間は40過とし,大腸腫瘍の発生頻度と多発率,細胞増殖能として大腸枯膜のPCNA陽性細胞数を比較検討した｡-47-結果および考察
実験1)乳腺腫瘍の発生頻度は第ト3群それぞれ80%,42%∴55如と第岳,3群で有意に'減少した(P<0.005,P<
0.05)｡腫瘍多発率は第1,2群それぞれ2.67±2.55,0.74±1.31と有意に減少した(rく0.001)｡ 以上より,nabumetone投与によりMNU誘発乳腺腫瘍の発生率と多発率を抑制し,eSCuletin投与で乳腺腫瘍の発生率を有意に抑制した｡このことより,nabumetoneとesc山etinのセト乳癌に対する予防の可能性が示唆され
た｡実験2-1)大腸ACFの発生頻度は,第1群および第3群の1focus当たりのA(〕の数は,そ叫ぞれ1.87±0.18,1.68±
0･16と有意に減少した(Pく0･95)0また腸管当たりの4crypt戸以上持つACFり数は,第1群および第3群,それぞ
れ6･0±5･1,1･3±1･3と有意に減少した▼(P<0･05)｡更に細胞増殖能のマてカ丁となるBrdUlabelingindexは第 1群,第2群,第3群で,それぞれ11.0±1.71,8.31±0.87,一7.82±0.,55と有意に低下した(P<0.05)｡ 実験2-2).大腸腫瘍発生頻度は第1,2,5群でそれぞれ65%,45%,40%と減少傾向を示した｡PCNA陽性細胞率 では第1-5群それぞれ,10.2±1.13,7.94±1.07,7.25±1.36,7.02±1.43,6.79±1.25と有意にPCNA陽性細胞率 の低下を示した(P<0.001)｡ 以上より,M-G投与はAOM誘発大腸発癌に対して,腫瘍発生率の減少傾向と共に,細胞増殖能の抑制を示した｡ M-Gが化学予防物質としての可能性が示唆された｡ 論文審査の結果の要旨 申請者 松永研吾は,大腸発癌および乳腺発癌に対して.それぞれM-G,nabumetone及びesculetinが化学予防 物質としての可能性を示した｡本研究の成果は,腫瘍病理学の進歩に少なからず寄与するものと認められる｡ 主論文公表誌Inhibitory effects of chemopr6ventive agents on colonand mammary carcinogenesisin experimental rodent models
l)Inhibitoryeffectsofnabumetone,aCyClooxygenase-2inhibitdr,andesculetin,alipoxygenase inhibitor,On N-methyl-Nlnitrosourea-induced mammary carcinogenesisin rats
Jpn.J.Cancer Res.1998;89:496∼501
2)Inhibitory effectsofdietarymonoglucosyl-rutinon azoxymethane-inducedcoloncarcinogenesisin
rats
