• 検索結果がありません。

n-3あるいはn-6系不飽和脂肪酸を含有する油脂投与が家禽の脂質代謝に及ぼす影響に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "n-3あるいはn-6系不飽和脂肪酸を含有する油脂投与が家禽の脂質代謝に及ぼす影響に関する研究"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title n-3あるいはn-6系不飽和脂肪酸を含有する油脂投与が家禽の脂質代謝に及ぼす影響に関する研究( 内容の要旨 ) Author(s) 安, 秉基 Report No.(Doctoral Degree) 博士(農学) 甲第054号 Issue Date 1996-03-14 Type 博士論文 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/2395 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 安 乗 基 (大韓民国) 博士(農学) 農博甲第54号 平成8年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 岐阜大学 n-3あるいはn-6系不飽和脂肪酸を含有す る油脂投与が家禽の脂質代謝に及ぼす影響に関 する研究 主査 岐 阜 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 助教授 副査 信 州 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 教 授 一滋 豊 雄 治 桂 公 道 中 谷 浮 揚 吉 田 大 唐 番 上 論 文 の 内 容 の 要・旨 n-3系およびn-6系不飽和脂肪酸は必須脂肪酸であり、これらから合成される エイコサノイドが生理的機能や病態の発生に深くかかわっていることはよく知 られている。しかし、n-6系不飽和脂肪酸を過剰に摂取すると凝血因子である トロンボキサンA2の生成が増加することが指摘されており、感染症への抵抗性 や免疫機能の低下などの可能性も示唆されている。一方、エスキモーの疫学調 査を通じて長鎖ロー3不飽和脂肪酸が血中コレステロールレベルを抑制し、動脈 硬化症や凝血を予防すると報告され、その後長鎖n-3不飽和脂肪酸と脂質代謝 について多くの研究が行われた。しかし、両系の脂肪酸がそれぞれ異なる役割 を果たしているために両系の脂肪酸の摂取比率が重要であると思われる。 そこで本研究ではn-3系あるいはn-6系不飽和脂肪酸を含有する油脂の給与が 成長中ヒナおよび産卵鶏の脂質代謝に及ぼす影響を検討した。 実験1では4週齢の雄ヒナを5区に分け、n-3血-6比の異なる油脂を配合した精

(3)

製飼料を給与した。n-3hl-6比の増加に伴ってfhttyacidsynthetase(FAS)活性が有 意に低下し、また、3-hydroxy3-methylglutarylCoAreductase活性も低下する傾 向がみられた。各脂質画分中のα-リノレン酸や長鎖n-3不飽和脂肪酸の割合が 増加し、リノール酸やアラキドン酸の比率は減少した。FAS段階での脂肪酸合 成の低下が血中トリグリセリド減少の原因であると考えられ、また、n-3系と

n-6系不飽和脂肪酸との間で競合的な阻書作痛が確認された。

実験2では不飽和度や二重結合位置の異なる油脂の給与が成長中ヒナの脂質 代謝に及ぼす影響が検討された。0.5%コレステロールを含有した精製飼料に 油脂(パーム油6%,PLO区;サフラワー抽6%,SFO区;サフラワー抽3%と亜麻仁油 3%,SFO+LNO区;亜麻仁抽6%,LNO区;亜麻仁独3%と魚油3%,LNO+FO区)を添 加し、3週間給与した。飽和脂肪酸およびn-6系不飽和脂肪酸に比べてn-3系不 飽和脂肪酸の給与によって肝臓および血清中のコレステロールやトリグリセリ ドの減少がみられた。Lecithin-Cho)esterolacy)transftrase活性は飼料中の脂質に よる影響を受けなかった。酸性ステロイドの排泄は処理間で有意な差はなかっ たが、中性ステロイドの排泄はLNO+FO区で増加した。n-3系とn-6系不飽和 脂肪酸、また、n-3系でもα一リノレン酸とn-3長鎖脂肪酸とでは脂質代謝に及ぼ す影響が異なることが示唆された。 実験3では60週齢の産卵鶏を用い、実験2で用いられた油脂を給与した。魚 油給与区で血清中コレステロールとトリグリセリド濃度はほかの区に比べて減 少する傾向がみられたが、肝臓中トリグリセリドは有意に高い値を示した。亜 麻仁油給与レベルの増加に伴って卵黄中のα-リノレン酸やDHA含量が増加し、 魚油の給与によってEPAやDHA含量が有意に増加した。しかし、n-3長鎖脂肪 酸の給与によって肝臓中のトリグリセリド含量が増加したことからヒナと産卵 鶏とでは脂質代謝に及ぼす影響が異なると推察された。 実験4では7%サフラワー抽を配合した精製飼料にどタミンB6を色々なレベ ルで添加し、脂肪酸代謝に及ぼす影響を検討した。ビタミンB6無添加区ヒナの 方がどタミンB6添加区に比べて血清コレステロールレベルが増加し、トリグリ セリドは著しく低い値を示した。ビタミンB6無添加区では各脂質画分中にリ ノール酸の比率が高く、リノール酸からの代謝産物であるジホモーY-リノレン 酸やアラキドン酸が低いことからビタミンB6がリノール酸の代謝に関与してい

(4)

ると推察された。しかし、ビタミンB64mg添加区に比べてどタミンB6多量給 与区で多価不飽和脂肪酸の増加が僅かであったことからどタミンB6を大量に添 加してもリノール酸代謝の促進は期待できないことが示唆された。 以上述べたようにn-6系とロー3系脂肪酸、また、n-3系脂肪酸でもα-リノレン 酸と長鎖n-3脂肪酸とでは脂質代謝に及ぼす影響が異なることが示唆された。 n-3系脂肪酸はn-6系脂肪酸に比べて肝臓および血清脂質濃度を減少させる効果 がより大きいことが明らかになり、脂質濃度の減少について肝臓での脂肪酸合 成、コレステロール合成能の低下、また、コレステロール排泄の増加がその原 因として認められた。実験3の結果から、α-リノレン酸の多い植物油脂と少量 の魚油を共に添加する給与パターンがn-3血一朗旨肪酸比が高く、長鎖n-3系脂肪 酸が多く含まれている鶏卵の生産に最も有効な方法であることが明らかに なった。今後、長鎖n-3系脂肪酸が多く含まれている鶏卵や鶏肉の生産は期待 される研究の一つであり、また、これら畜産物を摂取した時、ヒトの健康に及 ぼす影響まで研究を広げる必要があろう。 審 査 結 果 の 要 発表論文の要旨は別紙の通りであるが、その要点は次の通りである。 植物性油脂、特にリノール酸やリノレン酸は血中コレステロールレベル を低下させることが報告されて以来、植物性油脂が注目されるようにな った。しかし、多くの植物油脂の主要な脂肪酸であるリノール酸などの n-6系不飽和脂肪酸を過剰に摂取すると凝血因子であるトロンボキサンA 2の生成が冗進し、さらに免疫力の低下などが示唆されている。一方、α 一リノレン酸などのn-3系不飽和脂肪酸はn-6系脂肪酸の過剰摂取による悪 影響を予防することができ、n-6系とn-3系の不飽和脂肪酸の摂取比率が 重要であることがラットなどの実験で指摘されている。それで本研究は、 畜産食品として消費が増えている鶏肉、鶏卵中の脂質にn-3系不飽和月旨肪 酸を多く合させることを目的として倹討し、またニワトリでのこれらの 脂肪酸に対する脂質代謝の生化学的特性の解明も試みている。その成果 は、以下のようにまとめることができる。 1)飼料中のn-3/n-6系脂肪酸比の増加に伴って、成長中ヒナの肝臓での 脂肪酸合成酵素及びtlNG-CoA reductase(コレステロール合成の律速酵 素)活性が低下した。同時に各脂質画分中のα-リノレン酸や長鎖n-3 不飽和脂肪酸が増加し、リノール酸やアラキドン酸は減少し、n-3系と n-6系不飽和脂肪酸の間で鎖の延長や不飽和化に競合的な阻害作用を確

(5)

諾した。 2)n-3系不飽和月旨肪酸を多く含有している油脂として亜麻仁抽および魚 油を配合し、n-6系不飽和脂肪酸含有量の多いサフラワー油と比較した。 その結果、n-6系不飽和脂肪酸に比べてn-3系不飽和脂肪酸給与の方が 肝臓及び血清中のコレステロールやトリグリセリド濃度の減少が大き く、n-6系とn-3系不飽和脂肪酸、またn-3系でもα-リノレン酸とn-3系 長鎖不飽和脂肪酸(EPAやI)HA)とでは脂質代謝に及ぼす影響が異なる ことを示唆し、亜麻仁油と魚油給与によって中性ステロイドの糞中へ の排泄が増加したこともその原因の一つであろうと述べている。 3)産卵中鶏にサフラワー抽、亜麻仁油及び魚油を単独、または混合給 与し、卵黄中へのn-3系不飽和脂肪酸の移行を検討した。亜麻仁油絵与 レベルの増加に伴って、卵貴中のα-リノレン酸やD‡A含量が増加し、 さらに魚油給与によって卵黄中のEPAやDⅡA含量が増加することを示し、 卵黄中のn-3系長鎖不飽和脂肪酸含量を増加させるためにはα-リノレ ン酸を多く含有する植物油と一緒に魚油を給与することが有効である ことを示唆した。またn-3系長鎖不飽和脂肪酸の脂質代謝への影響はヒ ナと産卵中鶏とでは異なることを明らかにした。 4)生体内でリノール酸やα-リノレン酸がアラキドン酸、DⅡA、EPAなど のより長鎖の多価不飽和月旨肪酸に代謝されるときにどタミンB6が関与 していることがラットなどで報告されているので、ビタミンB6を大量 に投与することによって組織中の長鎖の多価不飽和脂肪酸含量の増加 を試みた。その結果、ビタミンB6を欠乏させるとアラキドン酸などの 長鎖多価不飽和脂肪酸含量が著しく減少し、鶏においてもリノール酸 やリノレン酸の代謝にこのどタミンが関与していることを確認したが、 ビタミンB6を大量に投与しても長鎖多価不飽和脂肪酸の増加は僅かで あり、鶏肉、鶏卵中の長鎖n-3系不飽和脂肪酸の増加は期待できないこ とを示唆した。 以上の結果、飼料として摂取したリノール酸、α-リノレン酸の代謝は n-3/n-6系不飽和脂肪酸比が重要であり、この2系列の不飽和脂肪酸がお 互いに競合的な阻害作用があること、卵黄中の長鎖n-3系不飽和脂肪酸含 量を増加させるためにはα-リノレン酸を多く含有する植物油と一緒に魚 油を給与することが有効であることを示唆し、今まで以上にI)IAやEPA含 量の高い鶏卵の生産を可能にした。本審査委員会は、本学位論文が博士 の学位論文として充分価値あ、るものと認め合格と判定した。

参照

関連したドキュメント

その ため に脂肪 酸代 謝 に支.. Cation/Carnitine

る、関与していることに伴う、または関与することとなる重大なリスクがある、と合理的に 判断される者を特定したリストを指します 51 。Entity

BC107 は、電源を入れて自動的に GPS 信号を受信します。GPS

タップします。 6通知設定が「ON」になっ ているのを確認して「た めしに実行する」ボタン をタップします。.

貸借若しくは贈与に関する取引(第四項に規定するものを除く。)(以下「役務取引等」という。)が何らの

統制の意図がない 確信と十分に練られた計画によっ (逆に十分に統制の取れた犯 て性犯罪に至る 行をする)... 低リスク

生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体

検討対象は、 RCCV とする。比較する応答結果については、応力に与える影響を概略的 に評価するために適していると考えられる変位とする。