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iPS細胞作製技術を用いた神経変性疾患の研究

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Academic year: 2021

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51:1078

<シンポジウム 23―2>神経疾患に対する細胞治療の開発∼現状と展望

iPS 細胞作製技術を用いた神経変性疾患の研究

井上 治久

(臨床神経 2011;51:1078) Key words:神経変性疾患,iPS細胞,分子病態,創薬

人 工 多 能 性 幹 細 胞(induced pluripotent stem cell!iPS 細 胞)作製技術によって,これまで入手することが困難であった 神経変性疾患患者由来神経系細胞の作製が可能である.それ らの細胞をもちいることによって,神経変性疾患の病態解明, 創薬,再生医療が進展する可能性がある(Inoue H. !Neurode-generative disease―specific induced pluripotent stem cell re-search.!Experimental Cell Research 316,2560―2564,2010).

私達の研究室では,体系的樹立を進めている筋萎縮性側策 硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:ALS)などの神経変 性疾患特異的 iPS 細胞を神経系譜に分化誘導し,in vitro で神 経変性疾患微小環境(ニッチ)を再現することを目指してい る.本シンポジウムでは,私達の研究室が取り組んでいる神経 変性疾患病因機構の研究について紹介する. 私達は,疾患特異的 iPS 細胞から疾患標的細胞への分化誘 導効率が,同一人物由来であっても,iPS 細胞株によりことな ることを観察している.そこで,疾患標的細胞であるニューロ ンを迅速に分化誘導し,純化入手する方法を開発した.そのこ とにより,トランスクリプトーム解析をはじめとした網羅的 解析をおこない,これまでまったくしられていなかった分子 病態,新たな創薬ターゲットを明らかにしつつある.また神経 変性疾患の病因に深く関与していると考えられてきた異常タ ンパク質の蓄積を,iPS 細胞より分化誘導したヒトニューロ ンで観察することにより,これまで間接的に解析されてきた 異常タンパク質の蓄積と神経細胞死の明確な関係がヒトの神 経変性疾患細胞において明らかになると考えている. iPS 細胞作製技術をもちいた疾患解析はその知見が蓄積し つつある.現状では,疾患再現は,疾患発症に対する遺伝的要 因の寄与が高い一部の疾患に限られていたが,今後,加齢要因 や環境因子などの研究により,広い疾患への応用が可能にな ると考えられる. Abstract

Neurodegenerative disease-specific induced pluripotent stem cell research

Haruhisa Inoue, M.D., Ph.D.

Center for iPS Cell Research and Application (CiRA), Kyoto University

(Clin Neurol 2011;51:1078) Key words: Neurodegenerative disease, Induced pluripotent stem cell, Molecular pathology, Drug discovery

京都大学 iPS 細胞研究所臨床応用研究部門〔〒606―8507 京都市左京区聖護院川原町 53〕 (受付日:2011 年 5 月 20 日)

参照

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