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クラウドシステムにおける資源管理の最適化に関する研究

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Academic year: 2021

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博 士 ( 情 報 科 学 )    江 丸 裕 教

学 位 論 文 題 名

クラウドシステムにおける資源管理の最適化に関する研究

(A Study on Optimization of Resource Management for Cloud Systems)

学位論文内容の要旨

  必 要 教 時 に 必 要 をITリソ ー スを 必要 顔 分だ け使 う こと によ り 「所 有か ら 利用 へ」 の 転換 を促 進 す る クラ ウド コ ンピ ュー テ ィン グが 注 目さ れて い る。 近年 , 社会 状況 やビジネス環境 の変化はます ま す 速く 教っ て いる 。そ の変化 に対応しようとす る自治体や企業, 大学等の組織には, 迅速性と弾力 性 を 兼 ね 備 え た1T基盤 が必 要 であ る。 す をわ ち, 必 要に 応じ て ,適 切をITリソ ース を 素早 く提 供 し , 必要 がを く 謡っ た際 に は切 り離 し て余 計を コ スト を削 減 する こと が求められる。 本要件を満た す も のと して 期 待さ れる の がク ラウ ド であ る。

  自 治 体 や 企 業 , 大学 等の 組 織に は, 一 般にITリ ソ ―ス を調 達 ・管 理す るIT部 門と , 業務 遂行 や サ ー ビ ス 提 供 の た め にITリ ソ ー ス を 使 用 し て ア プ リ ケ ー シ ョ ンを 実行 す るユ ーザ 部 門が ある 。 我 々 が想 定し て いるIaaSの ハイ ブリ ッ ドク ラウ ド は,IT部 門 がパ プリ ッククラウドと 自組織が保有 す る プラ イベ ー トク ラウ ド とか らな る ハイ プリ ッ ドク ラウ ド 環境 を管 理し,ユーザ部 門に対しては 各 々 のク ラウ ド を隠 蔽す る もの であ る 。っ まり , アプ リケ ー ショ ンを どのクラウドで 稼動させるか は そ の組 織のIT部門 が責 任 を持 ち, ユ ーザ 部門 は 自分 のア プ リケ ーシ ョンがどのクラ ウドで稼動し て い るか を気 に しを くて よ い。

  こ のよ うを ク ラウ ド環 境 を実 現す る にあ たり , あら ゆる 要 求に 応え られるように, 様々をハード ウ ェ アを 保有 し ,常 に余 剰のり ソースを維持する ことで,ユーザ部 門の要求を満たすこ とは可能であ る 。 しか し,IT基盤 に求 められ る要件はますます 多様にをり,実行 しをければをらをい 処理や格納す べ き デー タ量 も 爆発 的に 増 加す るこ と が見 込ま れ てい るの に 対し ,IT投資額の伸びは それほど増え 春 い とさ れて い る。 した が って ,ユ ー ザ部 門がIT基盤 に対 し て求 める 要件を確保しつ つ,IT基盤に 対 す る投 資を 抑 える 資源 管 理の 最適 化 が重 要を 課 題と をる 。

  本 研究 では ,IaaSのハ イプリ ットクラウドを対 象として,クラウ ドシステムにおける 資源管理の最 適 化 のた めの 監 視手 法を ら ぴに 資源 管 理手 法を 提 案し ,シ ミ ュレ ーシ ョン実験による 評価によって そ の 有効 性を 示 す。

  本 論文 は全5章か ら 構成 され る 。各 章の 概 要は 以下 の 通り であ る 。   第1章 で は, 本研 究 の背 景お よ び目 的に つ いて 述べ る 。

  第2章 で は , ク ラ ウ ド 環 境 に お け る 監 視手 法に つ いて 述べ る 。資 源管 理 の最 適化 を 実現 する た め に は, ユー ザ 部門 が稼 動 させ てい る アプ リケ ー ショ ンの サ ービ スレ ベルが適正顔範 囲で守られて い る こ と を 監 視 す るこ とが 重 要で ある 。 すを わち 割 り当 てら れ てい るITリ ソー スが 過 剰も しく は 過 少 であ った 場 合, 迅速 にこれ を検出し,改善す ることが必要であ る。監視の観点とし て.本論文で は 性 能管 理と 可 用性 管理 を 取り 上げ る 。性 能管 理 とし ては , クラ ウド 環境にデプロイ されたアプリ

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ケ ー シ ョ ン の ポ ト ル ネ ッ ク 検出 方 法に 着目 す る。 オプ ジ ェク ト間 の 呼び 出し を ハイ パー バ イザ から 取 得 し , 得 ら れ た デ ー タ か ら処 理 シー ケン ス を再 現す る こと によ ル ポト ルネ ッ クを 切り 分 ける 処理 シ ー ケ ン ス 再 現 法 を 提 案 す る。 本 手法 は, 呼 び出 し元 と 先の 因果 関 係を 厳密 に 特定 でき を いケ ース があ る もの の, そ のよ うを ケ ース を含 め ,性 能上 の 問題 に対 し て, その 原 因が 通信 路にあるのか, オ プジ ェ クト 内部 の 処理 にあ る のか ,あ る いは ,あ る オブ ジェ ク トへ の処 理 の集 中に 起因するのかを 切 り分 け るこ とが 可 能で ある 。 また ,可 用 性管 理と し ては ,ク ラ ウド 間の デ ィザ スタ リカバリ構成に 着 目 す る 。 サ ― ピ ス の 継 続 性 を維 持 する ため に は, 復旧 時 間と 復旧 時 点の ニっ を 管理 する こ とが 必要 で あ る 。 高 可 用 を シ ス テ ム であ る ほど 復旧 時 間と 復旧 時 点に 対す る 要求 が厳 し くを るが , 復旧 時点 はネ ッ トワ ーク 帯 域や アプ リ ケー ショ ン の負 荷に 大 きく 影響 を 受け るた め ,常 時監 視が必要である 。 そこ で ,Consistent Continuous型 の非 同期 リ モー トコ ピ ーに おける復旧時点監 視において,監視精 度 の管 理 ,正 サイ ト のみ の監 視 ,デ ファ ク トス タン ダ ード の利 用の3要件を示し, これらを満たす′ヾ ッ フ ァ 滞 留 時 間 計 測 法 を 提 案 す る 。 さ ら に シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 験 か ら . 提 案 手 法の 有効 性 を示 す。

  第3章 で は , 組 織 が 保 有 す る プ ラ イ ベ ー ト ク ラ ウド に 着目 し, 設 備投 資コ ス トを 最小 化 する ため の 資 源 管 理 手 法 に つ い て 述 べ る 。 具 体 的 に は ,SSDの 普 及に 伴い ス トレ ージ 装 置で 一般 的 にを りつ っ あ る 動 的 階 層 制 御 機 能 を 有す る 複数 台の ス トレ ージ を 持っ クラ ウ ドシ ステ ム を対 象に , 設備 投資 を 最 小 化 す る た め の5要 件 を 示 し , 本 要 件 を 満 た す仮 想 ポリ ュー ム クラ スタ リ ング 法を 提 案す る。

本 手 法 は , 同 じ よ う をI/O特 性 を 持 つ ア プ リ ケ ー ショ ン が同 一の ス トレ ージ 装 置を 使用 す る状 態を 保 つ べ く 。 ボ リ ュ ー ム の 割 り当 て やマ イグ レ ーシ ョン を 行う こと を 特徴 とす る 。シ ミュ レ ーシ ョン 環境 に て本 手法 を 評価 し, 提 案手 法適 用 によ ルス ト レー ジの メ ディ アコ ス トを 最大43.0%肖|J減で き るこ と ,動 的に 変 化す る環 境 に対 する 適 応性 を持 つ こと を示 す 。

  第4章 で は , ハ イ ブ リ ッ ド ク ラ ウ ド に 着 目 し , 利用 の 有無 に関 わ らず 保有 の コス トを 生 じる プラ イ ベ ー ト ク ラ ウ ド と , 利 用 量お よ び時 間に 応 じて 従量 課 金さ れる パ ブリ ック ク ラウ ドの コ スト 構造 の違 い を活 用し て ,そ の総 コ スト の最 小 化を 実現 す る資 源管 理 手法 につ い て述 べる 。具体的には, 定 常 的 を 負 荷 を プ ラ イ ベ ー ト クラ ウ ドで 稼動 さ せ, 突発 的 に発 生す る 負荷 や変 動 の激 しい 負 荷を パブ リ ッ ク ク ラ ウ ド で 稼 動 さ せ る べ く デ プ ロ イ と マ イ グ レ ー シ ョ ン を 組 み 合 わ せ るこ とに よ ルプ ライ ベ ー ト ク ラ ウ ド の 使 用 率 を 一定 に 保つ 動的 配 置法 を提 案 し, その 有 効性 をシ ミ ュレ ーシ ョ ン環 境で 評価 す る。 その 結 果, アプ リ ケー ショ ン のデ プロ イ 要求 の発 生 頻度 や, 各 々の アプ リケーションの 負 荷 特 性 が わ か ら 誼 い ハ イ プ リ ッ ド ク ラ ウ ド 環 境 に お い て , 従 来 手 法 と 比 較 し て5年 間で43.9%の総 コス ト 削減 効果 が ある こと を 示す 。

  第5章で は ,本 論文 の 結論 およ び 残さ れた 課 題に つい て 述べ る。

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(3)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    高 井昌 彰 副 査    教 授    水 田正 弘 副 査    教 授    棟 朝雅 晴

学 位 論 文 題 名

クラウドシステムにおける資源管理の最適化に関する研究

(A Study on Optimization of Resource Management for Cloud Systems)

  本 論 文 で は ,ク ラ ウ ド シ ス テム に お け る 資源 管 理 の 最 適化 の た め の 監視 手 法 誼らび に資源 管理手 法 を 提案 し , 実 際 のア プ リ ケ ー ショ ンのト レース データ に基 づくシ ミュレ ーショ ン実験 によ り.提 案 手 法 の有 効 性 を 論 じて い る 。

  近 年 の 社 会 情勢 や ビ ジ ネ ス 環境 の急 激な変 化に対 応す るため ,自治 体や企 業, 大学等 の組織 活動を 支 え るIT基 盤 には , 迅 速 性 と 弾力 性 が 必 要 であ る 。 す な わち , 動 的 に 変化 す る 環境に 適応し て,最 適 をITリ ソ ー スを 素 早 く 提 供 する と と も に ,不 要 と を っ たり ソ ー ス は 直ち に 切 り離し ,シス テム全 体 の コス ト を 削 減 する こ と が 求 めら れ る 。 こ れら の 要 件 を 満 たす と 期 待 さ れて いるの がク ラウド シ ス テ ムで あ る 。 一 般に , 自 治 体 や企 業 , 大 学 等の 組 織 に は ,ITリ ソ ー スを 管 理 するIT部 門と.ITリ ソ ー スを 利 用 し て 業務 を 遂 行 す るユ ー ザ 部 門 があ る 。 本 論文は ,′Sブリ ックク ラウド とプ ライベ ー ト ク ラ ウ ド か ら な るIaaSハ イ プリ ッ ド ク ラ ウド シ ス テ ム を想 定 し , ユ ー ザ部 門 がIT基 盤 に 求 め る 性 能 要件 を 確 保 し つつ ,IT基 盤全 体 に 対 す るコ ス ト を 抑 える 資 源 管 理 の最 適 化 のため の具体 的手法 を 提 案す る も の で ,ク ラ ウ ド シ ステ ム を 用 い た効 率 的 をIT基 盤 の 実 現 と運 用 に 係る技 術的観 点から 極 め て重 要 を 研 究 課題 で あ る 。

  本 論 文 の 構 成お よ び 内 容 は 以下 の 通 り で ある 。

  第1章 で は ,本 研 究 の 背 景お よ び 目 的 に つい て 述 べ て いる 。

  第2章で は , ク ラ ウド シ ス テ ム にお け る 監 視 手 法に つ い て , 性能 管 理 と 可 用性 管 理 の 観 点か ら 論 じ て いる 。 性 能 管 理と し て は , アプ リケー ション のオプ ジェ クト間 の呼び 出しを ハイパ ー′ ヾイザ か ら 取 得し , 得 ら れ たデ ー タ か ら 処理 シーケ ンスを 再現す るこ とによ り,ク ラウド にデプ ロイ された ア プ リ ケー シ ョ ン の ポト ル ネ ッ ク を切 り 分 け る 処理 シ ー ケ ン ス 再現 法 を 提 案 して いる。 本手 法は, 性 能 上 の問 題 に 対 し て, そ の 原 因 が通 信路に あるの か,オ プジ ェクト 内部の 処理に あるの か, あるい は 負 荷 の集 中 に 起 因 する の か を 切 り分 けるこ とが可 能であ る。 また, 可用性 管理と しては ,ク ラウド 間 の デ ィザ ス タ リ カ ′ヾ リ 構 成 に 着目 し,サ ーピス の継続 性を 維持す るため の復旧 時間と 復旧 時点の 管 理 手 法に つ い て 論 じて い る 。 特 に高 可 用 を シ ステ ム に 求 め ら れる 性 能 要 件 を満 たす監 視手 法とし て バ ッ フア 滞 留 時 間 計測 法 を 提 案 し, シミュ レーシ ョンに よる 評価実 験から ,提案 手法の 有効 性を示 し て い る。

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  第3章 では , 組 織 が 保有 す る プ ラ イベ ー ト ク ラ ウド に 着 目 し , 設備 投 資 コ ス トを 最 小 化 す るた め の 資 源 管 理 手法 に つ い て 論 じて い る 。 一 般的 な 動 的 階 層制 御 機 能 を 有す る 複数 台のス トレー ジを 持 つ ク ラ ウ ド シス テ ム を 対 象 に, 設 備 投 資 を最 小 化 す る ため の 仮 想 ボ リュ ー ムク ラスタ リング 法を 提 案 し て い る 。本 手 法 は , 統 計的 に 類 似 し たl/0特 性を 持 つ ア プ リ ケー シ ョ ン が 同一 の ス ト レ ージ 装 置 を 使 用 す る状 態 を で き る だけ 維 持 す る よう に , ポ リ ュー ム の 割 り 当て や マイ グレー ション を動 的 に 行 う こ と を 特 徴 と し て い る 。 実 際 の ア プ リ ケ ー ショ ン の ト レ ース デ ー タ か ら抽 出 し たCPU負 荷 やI/Oパ ター ン を 用 い てシ ミ ュ レ ー ショ ン 実 験 を 行い , 提 案 手 法 の適 用 に よ ル スト レ ー ジ の メデ ィ ア コ ス ト を 最大43.0%削 減 で き る こと , を ら び に, 動 的 に 変 化す る ア プ リ ケー シ ョ ン の 実 行環 境 に 対 す る 優 れ た適 応 性 を 有 す るこ と を 示 し てい る 。

  第4章 では , ハ イ プ リッ ド ク ラ ウ ドの シ ス テ ム 全体 に 着 目 し , 利用 の 有 無 に 関わ ら ず 保 有 のコ ス ト を 生 じ る プラ イ ベ ー ト ク ラウ ド と , 利 用量 に 応 じ て 従量 課 金 さ れ るパ ブ リヅ ククラ ウドの コス ト 構 造 の 違 い を活 用 し て , そ の総 コ ス ト の 最小 化 を 実 現 する 資 源 管 理 手法 に つい て論じ ている 。定 常 的 を 負 荷 を プラ イ ベ ー ト ク ラウ ド で 稼 動 させ , 突 発 的 を負 荷 や 変 動 の激 し い負 荷をパ プリッ クク ラ ウ ド で 稼 動 させ る べ く デ プ ロイ と マ イ グ レー シ ョ ン を 組み 合 わ せ る こと に よル プライ ベート クラ ウ ド の 使 用 率 を一 定 に 保 つ 動 的配 置 法 を 提 案し , 実 際 の アプ リ ケ ー シ ョン の トレ ースデ ータか ら抽 出 し た 負 荷 ′ ミタ ー ン を 用 い たシ ミュレ ーシ ョン実 験を行 い,提 案手法 の有 効性を 評価し ている 。そ の 結 果 , ア プ リケ ー シ ョ ン の デプ ロ イ 要 求 の発 生 頻 度 や 負荷 特 性 が 未 知の ハ イプ リッド クラウ ド環 境 に お い て , 従 来 手 法 と 比 較 し て5年 間 で43.9%の 総 コ ス ト 削 減 効 果 が あ る こ と を 示 し て い る 。   第5章 では , 本 論 文 の結 論 お よ び 残さ れ た 課 題 につ い て 述 べ て いる 。

  こ れ を 要す る に , 著 者は , クラ ウド システ ムにお ける資 源管 理の最 適化に ついて ,監視 手法 ならび に 資 源 管 理 手法 を 提 案 し , 実際 の ア プ リ ケー シ ョ ン の トレ ー ス デ ー タに 基 づく シミュ レーシ ョン 評 価 実 験 か ら ,そ の 有 効 性 を 示し ており ,情 報科学 をらび に情報 基盤技 術の 発展に 貢献す るとこ ろ大 を る も の が あ る 。 よ っ て , 博 士 ( 情 報 科 学 ) を 授 与 す る に 値 す る と 認 め る 。

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参照

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