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博士(地球環境科学)越前´區雄 学 位 論 文 題 名

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博士(地球環境科学)越前´區雄

学 位 論 文 題 名

固 体 酸 上 の ア ル カ ン 骨 格 異 性 化 の 反 応機 構 学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  大気環 境改善 のため 燃料油 に対す る品質 規制が 厳しくな りつっ ある。こうしたなか、オ クタン 価が高 く、発 癌性物 質を含 まない分 岐アル カンが 環境に やさしいガソリン基材とし て注目 されて いる。分岐アルカンを生成する門‐アルカン骨格異性化反応は、均一超強酸中 で起こ ること は良く 知られ ている ことであ るが、 これを 固体酸 で行うことが出来れば大き なメリ ットが ある。 そのた め、従 来から固 体酸に 貴金属 を担持 した触媒を使った本反応活 性の性 能向上 のため 、反応 機構を 含めた研 究が数 多くな されて きた。しかし、未だ反応機 構に関 しての 議論は 収束し ていな いので、 統括的 な研究 が必要 となっている。そこでター ゲット 触媒と して、 水素存 在下、 最も門‐ ヘプタン骨格異性化反応に有効なPt‑W03/Zr02触 媒を取り上げ、反応系が簡素と思われるn‐ブタンと門‐ペンタン骨格異性化反応に応用し、

分岐ア ルカン を生成 する異 性化反 応が効率 的に起 こる条 件を吟 味し、さらに、本異性化の 反応機構を総合的に検討することにした。

  骨格異 性化反 応はガ ラス製 閉鎖循 環式反 応装置 を用い、3 mg ‑2gの触 媒上に 、40 Torr のアル カンと 必要に 応じて 水素を 混ぜた反 応ガス を循環 して行 った。 系中の 水素量 は0― 200 Torr、反 応温度 は473.‑ 573Kの間で 変化さ せた。 生成物は 、GCあ るいは、 フラグ メ ンテーションを起こさない質量分析器FI‑MSで分析・測定した。

  反応結 果に入 る前に 、アル カン骨 格異性 化の反 応機構に っいて 説明する。反応機構は、

大きく 分けて 単分子 機構、 二分子 機構の2種類ある 。まず 、いず れの反 応機構 も酸点 上で の2級カ ルベニ ウムイ オン(2級(ユ と略す )の生 成で始ま る(過 程1)。 単分子 機構は 生 成 した2級C+が 、メ チ ル 基 移動 、 ハ イ ドラ イH多 動 や シク ロ プ ロ パン 中 間 体を経 て異性 化 し( 過 程2−1) 、 二分 子 機 構 では 過 程1で 生 成 した2級C+が オレ フ ア ン と反応 してニ 量 体C+を 形成 し 、 異 性化 し た あ と、 ロ 開 裂 する 過 程 で ある ( 過 程2ー2) 。最後 に、C+

にハイ ドライ ドが移 動して 反応が 完結する (過程3)。こ れらの 反応経 路を区 別する ため に、打‐ブタン骨格異性化反応では1,4̲13C2̲ri̲ブタンを用い生成物イソブタン中の同位体分 布をFI‑MSで測定 し、単分 子と二 分子機 能で生 成する 割合を 割り出 した。 単分子機 構で反 応が進 行して いる場 合には13Cが原料 と同じ2つ入っ たイソ ブタンのみが生成する。―方、

二 分子 機 構 の 場合 に は13Cのラ ン ダ ム な移 動 が 起 こり、 同位体分 布が二 項分布 になる 。   異性化 反応を 効率的 に起こ すため 、Ptと水 素の添 加効果 を調べ た。W03/Zr02にPtを添 加すると門‐ブタンおよび門‐ペンタン異性化反応の活性はどの条件でも上昇した。反応ガス に水素 を添加 した効果は少し複雑であった。即ち、Pt一W03/zr2触媒を使う門−ブタン異性 化 反応 に お け る反 応 活 性は 、473Kでは 水素圧 の増加 と共に 単調に 減少し たが、573Kでは 少量の 水素添 加で2−7倍程度 増加し 、更に 水素圧 を増加す ると減 少した。一方、門‐ペン タ ン 異 性 化 反 応 で は 、473Kと573Kの ど ちら も 、 少 量の 水 素 添 加で 反 応 活 性は70倍以 上の増加を示した。さらに水素を添加すると減少した。

  ここで 見られ た、Pt修 飾によ る活性 の増加 は、Ptは アルカ ンの脱水素によるオレフイン 生成反 応を促 進し、 生成オ レフイ ンのプロ トン化(過程1)によって反応中間体≦と濃度の 増加に よるも のとし て説明 する。 さらに、Pt修飾 触媒上で 、水素 添加した場合の複雑な効 果は、 (1)水 素がコーク前駆体を除去し失活を抑制する、(2)水素が系中のオレフイン濃 度を減 少させ る、(3)解離した水素が酸点を形成する効果をもたらすの3点から説明する。

即ち、水素圧の増加によって、(1)、(3)では活性の増加をもたらし、(2)では活性の減少 を引き 起こす 。よっ て、水 素圧の 増加に伴 う活性低下は(2)によると結論した。また、水

(2)

素 添 加 に よ る 活 性 の 増 加 効 果 は 、 門 ‐ ブ タ ン 異 性 化 で は 、 水 素 無 し で 失 活 が 観 測 さ れ 、 水 素 有 り で 失 活 が 無 い こ と か ら (1) に よ る と 結 論 し た 。 し か し 、 門 ‐ ペ ン タ ン 異 性 化 で は 反 応 初 期 活 性 で も70倍 以 上 の 増 加 を 示 し た こ と か ら (3) と 考 え ら れ る 。

  こ の 門 ‐ ブ タ ン 、 門 ‐ ペ ン タ ン 異 性 化 の 水 素 効 果 の違 い を 説 明 す る ため に1,4̲13C2‐ 門 ‐ ブ タ ン を 用 い て 反 応 機 構 を 決 定 し た 。 そ の 結 果 、W03/2r02の 反 応 で は 主 に 二 分 子 機 構 で 反 応 が 進 行 し て い る こ と が 分 か っ た 。Ptを 添 加 す る と 単 分 子 機 構 の 寄 与 は 増 加 し 、 さ ら に 水 素 を 添 加 す る と 主 に 単 分 子 機 構 で 反 応 が 進 行 し て い る こ と が 分 か っ た 。 単 分 子 機 構 で 反 応 が 進 行 す る 過 程21に お い て 、 灯 ‐ ブ タ ン 異 性 化 は1C+を 経 る エ ネ ル ギ ー 的 に 不 利 な 経 路 を 通 る た め 強 酸 点 を 必 要 と す る 。 一 方 , ′7‐ ペ ン タ ン で は 、2C+を 経 る エ ネ ル ギ ー 的 に 有 利 な 経 路 を 通 る た め 弱 酸 点 で も 反 応 は 進 行 す る と 考 え ら れ る 。 し た が っ て 、 ′7‐ ペ ン タ ン 異 性 化 に お い てPtと 水 素 が 共 存 し た 系 で は 単 分 子 機 構 で 反 応 が 進 行 し て い る こ と が 予 想 さ れ る 。   以 上 の こ と か らPtと 水 素 共 存 下 に お け る か ブ タ ン 異 性 化 で (3) の 効 果 が 表 れ ず 、 か ペ ン タ ン の 異 性 化 で 現 れ る の は 、 単 分 子 機 構 中 間 体 の 安 定 性 に 起 因 す る と 考 え ら れ る 。 す な わ ち 、 (3) に よ っ て 生 成 し た 酸 点 は 弱 酸 点 で あ り 、 灯 ・ ブ タ ン 異 性 化 で は 強 酸 点 を 必 要 と す る た め 、 そ の 効 果 が 表 れ な か っ た と 考 え ら れ る 。 し か し 、 こ の 現 象 の 違 い は 異 性 化 反 応 が 主 に 単 分 子 機 構 で 反 応 し た 場 合 に 限 ら れ る 。

  選 択 性 も 異 性 化 活 性 と 相 関 し て お り 、 活 性 の 増 加 に 伴 っ て 選 択 性 も 向 上 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。

  以 上 の 検 討 で 、 門 ‐ ブ タ ン 、 門 ‐ ペ ン タ ン 異 性 化 の 反 応 がPtと 少 量 の 水 素 の 添 加 で 高 活 性 、 高 選 択 的 に な る こ と が 分 か っ た 。 同 位 体 実 験 か ら 冖 ・ ブ タ ン 、 灯 ‐ ペ ン タ ン 異 性 化 の 反 応 性 の 違 い も 明 ら か に す る ゛ こ と が で き た 。Pt‑W03/2r02触 媒 は 解 離 し た 水 素 か ら 弱 酸 点 を 生 成 す る こ と が で き る の で 門 ・ ペ ン タ ン 異 性 化 に 高 活 性 、 高 選 択 的 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 以 上 の 検 討 で 得 た 知 見 は ア ル カ ン 異 性 化 触 媒 の 開 発 に 大 き く 貢 献 で き る と 期 待 さ れ る 。

‑ 1610 ‑

(3)

学 位論文 審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授    奥 教 授    中 助 教 授    吉 助 教 授    鳥

原 敏 夫 村    博 田    登 本    司

学 位 論 文 題 名

固体酸 上のア ルカン骨 格異性化の反応機構

   本 研究 は 分 岐ア ル カン の 効 率的 合 成を 念 頭に おき、 Pt‑ W03/ な O ユをはじ めと す る 種 々の 二 元 機能 触 媒を 用 い た n‑ ブタ ン と n‑ ベ ン タン 骨 格異 性 化 の反 応機 構 の 解明を行 っている 。

   骨 格異 性 化 の反 応 機構 は 大 きく 分 けて 単 分子 機構、二 分子機構 の 2 種類あ り、

単 分 子 機構 は n‑ ブ タ ン異 性 化 の場 合 、不 安 定ナ ょ 1 級カル ベニウム イオンを 経由 す るので高 温、強酸 点を必要 とする。 これに対して、二分子機構は容易であるが、

中 間 体 と し て 存 在 す る 2 量 体 から の 分 解生 成 物に よ っ て低 選 択的 な 経 路と 推 定 し ている。 ブタン異 性化に有 効である W03/2 f02 、S042./2r02 、 Cs2.5Ho . SPW12040 を 用 い て、 同 位体 法によって 単分子と 二分子機 構の寄与 を決定し ている。 これら の 固 体 酸上 で の反 応機構の寄 与は酸強 度が異な るにもか かわらず ほぼ同じ で、低 温 で は 二分 子 が、 高温では単 分子が優 先となっ た。この 理由はニ 分子に比 べて単 分 子 機 構の 障 壁 エネ ル ギー が 高 いた め と解 釈 している 。上記 3 種 の固体酸 と金属 を 複 合 した 二 元機 能触媒では 、いずれ の触媒お よぴ温度 域でも反 応は主に 単分子 で 進 行 する こ とを 解明した。 このこと は二元機 能触媒が 高選択的 である理 由のー つ であると 推定した 。

   ブ タン と は 異なり 、長鎖の特 徴を持つ べンタン の異性化 特性を解 明してい る。

固 体 酸 では 予 想さ れるように 、いずれ も高活性 ‐低選択 的である が、二元 機能触 媒 で は 本来 の 固体 酸上の酸点 と共に、 共存水素 からのス ピルオー バー水素 の酸作 用 により高 活性‐高 選択的に なると結 論した。

   以 上、本研 究では同 位体法に よって固体触媒上のアルカン異性化機構を解明した

も のである 。審査員 一同は、 これらの 成果がアルカン異性化の開発にっながるもの

と 高く評価 した。ま た研究者 として誠 実かつ熱心であり、大学院課程における研鑽

や 取得単位 なども併 せ申請者 が博士( 地球環境科学)の学位を受けるのに十分な資

格 を有する ものと判 定した。

参照

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