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(パターン化高分子膜による神経細胞の形態および分化制御)

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 鶴 間 章 典      学位論文題名

    Regulation of neural cell morphologies and differentiation by patterned polymer films

(パターン化高分子膜による神経細胞の形態および分化制御)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  ド ナー よ り提 供さ れ た臓 器の 移 植

や 人 工 臓 器 を 用 い 、 事 故 や 疾 患 に よ  袿 経 盤 麺 胞 ( 再 生 缶 ・ 増 聶 缶 を 持 つ ) り襁 亀不 全 に陥 った 臓 器の 治療 カ 哘分k.9`tl

    …. ‥  … ー  ● ●・ ´●

われ てい る 。臓 器移 植 治療 の問 題 点  ★ト 一 亠― ー・ 丶 !  JJ9d はド ナー 不 足と 術後 免 疫抑 制剤 を 術  …‥ 、

    神lH■ 一   xI|鹽

後服 用し 続 けな けれ ぱ なら ない こ と  (再 生 量‐ 増I量 がな い )

で あ る 。 こ の よ う な 問 題 点 の 解 決 策  名 高 謡 名 名H隴 一 闘 出 翻 輔 贓 の 艫 塗 と しq● 一 #■ ■     一■ ■ 一睦 再生 す る活t珪の ■1が 行わ れ てい る

とし て、 患 者本 人の 細 胞か ら生 体 組  ■瞬     i.    IOガ イデ ・ イン グaI■ 一一 )

織を 再生 す る組 織工 学 研究 が活 発 に  乏謡 諸 審鬻 哺翩 鱈m・ 鋤

行 わ れ て い る 。 特 に 、 細 胞 が 組 織 を   3. 弧 朋 凛 り の あ る 潮 | 粥 噛 の 髓 鹽 形成 する た めの 足場 材 料の 開発 が 陋  図1神 経再 生 の組 織工 学

め て 重 要 で あ る 。 現 在 、 様 々 の 組 織 再 生 カ試 みら れ てい るが 、 神経 組織 の 再生 は、 こ れま で 困 難 で あ る と 考 え ら れ て い た 。 し か し 、1991年に 神 経幹 細胞 が 見出 され た こと によ り 、こ れ を 用 い た 神 経 再 生 治 療 へ の 期 待 が 高 ま っ てい る。 神 経幹 細胞 の 組織 工学 に よる 神経 再 生治 療 の実 呪に は 、1) 神経 突起 の ガイ デイ ン グ( 形態 制 御) 、2) 神経 回 路網 の形 成 (機 能制 御)、

3) 採 取 量 に 限 度 の あ る 神 経 幹 細 胞 の 増 殖 方 法 の 確 立 が 大 き な 課 題 と な っ て い る ( 図1)   本 研 究 で は 、 こ れ ら の 課 題 の 解 決 を 目 指し て、 自 己組 織化 プ ロセ スを 利 用し て作 製 した ハ ニカ ムフ ィ ルム 、ス ト ライプ フィルム、

及 び ナ ノ イ ン プ リ ン ト 法 に よ る ナノ ピ ラ ー フ ィ ル ム を 足 場 材 料 ( 培 養 基材 )

( 図2) と して 、胎 生14日 目の マ ウス 胎 仔 の 大 脳 皮 質 組 織 か ら 調 製 し た 神経 幹 細 胞 を 培 養 し 、 足 場 表 面 の 規 則 的微 細 構造 によ っ て神 経幹 細 胞の分 化と増殖、

及 び 神 経 突 起 の ガ イ デ ィ ン グ と 神経 回 路 網 の 形 成 が ど の 様 に 制 御 さ れ るか に つい て研 究 を行 った 。

  本 論文 は 、八 章か ら 構成さ れている。

  第 一 章 で は 、 損 傷 し た 組 織 、 器官 を 再 生 す る た め の 組 織 工 学 の 概 要 と足 場

圏=■

ハ ニ カ ム フ ィ ル ム  ス ト ラ イ プ フrル ム

■圃

    leラ ― ・ .7イ ルq日 立 鋤 図2規 則的 表面 構 造を 持つ 足場材料

材 料 に つ い て 紹 介 し た 。 ま た 、 こ れ ま での 神経 再 生医 療と 課 題に つい て 述ベ 、本 研 究の 目的 に つ い て 記 し た 。

    ‑ 234

(2)

  

第二章では、ハ二カムフィルム上の神経細胞の接着形態および神経ジも起伸展について記し た 。神経幹細胞は、孔径5 prm以上のハニカムフィルム上で 神経細胞に分化し、ハ二カムフ ィ ルムの孔径を変化させること によって、神経突起数、分枝数、突起長およびガイディング 数 を制御できることを見出した 。特に、孔径10 hun以上のハニカムフィルム上では、神経突 起 は ハ ニ カ ム の 幹 に 沿 っ て 伸 展 す る 傾 向 が 高 い と い う 結 果 が 得 ら れ た 。

  

第三章では、神経幹細胞の直径よりも小さな孔径(3 hunのハニカムフィルム上では、スフ ェ ロ イド (細 胞凝 集塊 ) カ贓 されることを見出した 。神経幹細胞のマーカーであ るNe鹸n 抗 体 染色法によるスフェ 口イド構成細胞の分化レベル とBrdUラべルングによる増 殖性の評 価 およびスフェ口イド分散細胞 の再培養による機能評価を行い、スフェロイドを構成する細 胞 は補軽幹細胞が未分化状態を 保ったまま自己増殖したものであることを見出した。また、

他 の 微細構造基材上での 培養実験によって、この現象 は孔径3u斑のハニカムフィ ルム特有 の 現象であることを明らかにし た。従来の神経幹細胞増殖法は、浮遊培養を行ってさらに増 殖 因子を加えることによっての み神経幹細胞の増殖が可能となっているが、本結果は、増殖 因 子フリーでも足場材料の表面 形状のみで神経幹細胞の分化と増殖が市卿できることを初め て 明らかにした。

  

第四章では、ストライプフィ ルム上の神経細胞および神経突起形態について述べた。スラ イ ド法により、自己細織化によ って基板上に高分子のストライプバターンを作製し、そのス ト ライフシヾ夕ーンの間隔を変えることによって神経細胞形態と神経突起伸展方向を制iでき る ことを見出した。また、パタ ーン間隔が狭くなるほど、神経細胞体は細長い形態になり、

神 経突起伸展の配向性が高くな ることを明らかにした。

  

第五章では、ナノインプリン 卜法で作製されたナノピラーフィルム上の神経細胞および神 経 突起伸展について述べた。ナ ノピラーの直径、間隔を変えることによって、神経細胞体の 形 態、神経突起数、分枝数、突 起長および突起伸展の配向性を制御できることを明らかにし た 。また、神経細胞の四方をピラーによって囲まれると、神経突起伸展カ泓ロ制されることを 見 出した。

  

第六章では、ハニカムフィル ムおよびストライプフィルム上の神経ネットワークの機能を カ ルシウムイメージング法によ って検討した。第二章、第三章の結果において、そわぞれの フ ィルム上の神経突起伸展形態が明らかになった。そこで、その神経回路の機能に関しては、

カ ルシウムウェープの同期率を 求めて評価した。ハ二カムフィルムにおいては、孔径が大き く な るに伴い神経回路の 機能が上がる傾向を示し、孔 径loumで神経回路の機能カ 濃も高く な る結果が得られた。また、ス 卜ライプパターンに沿って配向した神隆回路は、平膜ヒのラ ン ダムな神経回路よりも高い機 能を示した。神経細胞の形態と機能の相関から、どの様な神 経 突起形態が神経回路機能発現 に重要かを初めて明らかに した。

  

第七章では、ハニカムフィル ム上での神経細胞とアストロサイトとの共培養について述べ た 。神経組織は、神経細胞とグ リア細胞から構成されており、神経再生には、グリア細胞が 大 きな役割を果たしていること カ潮告されている。グリア細胞であるアスト口サイトのハ二 カ ムフィルム上での培養では、 突起をハニカムバターンの幹に沿って伸展させ、さらに延伸 さ せたハ二カムフィルム上では 、細胞および突起の配向性を制御することができた。神経組 織 再生を意図して、ハ二カムフ ィルムを足場材料としてアスト口サイトと神経幹細胞とを共 培 養した研究でIま、配向したアストロサイト上において、神経幹細胞は神経細胞に分化し、

神 経突起をアストロサイトに沿 って伸展することを見出し、ハ二カムフィルムを使用した両 面 培 養 や 三 次 元 培 養 に よ る 神 経 組 織 構 築 が 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。

  

第 八 章 で は 、 本 論 文 全 体 の 総 括 を 行 い 、 今 後 の 課 題 と 展 望 に つ い て 述 べ た 。

235 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

     学位論文題名

    Regulation of neural cell morphologies and differentiationbypatternedpolymer 丘lmS

(パターン化高分子膜による神経細胞の形態および分化制御)

  

事 故または疾病による細織や器 官の損傷、機能不全の治療には、外科的移植や人工臓器によ る代 替が行われている。近年、ド ナー不足などから患者本人の細胞から生体組織を再生する組 織 工学 カ 駐目 され てお り 、細 胞カ

V

を形成 するための足場となるバイオ マテリアルの開発が 極め て重要となっている。足場表 面の微細構造によって細胞の成長、増殖や機能に大きな影響 を及 ぽすことが報告されている。 神経組織の再生においては、神経幹細胞を用いた治療が可能 にな りつっあり、これまでに神経 再生を目指して、足場表面に微細加工技術を用いて様々なマ イク ロバターンを作製することに より、神経細胞接着制御による細胞のパターニングや神経突 起伸 展の制御カ垳われてきた。

  

本 論文は、自己組織化の過程を 利用して作製したハニカムフィルム、ストライプフィルムお よび ナノインプリン卜法によって 作製したナノピラーフアルムを足場材料として、神経幹細胞 を培 養し、足場表面の規則的な微 細形状による神経幹細胞の分化と増殖、およぴ神経突起伸展 と神 経回路網の形成への影響につ いて報告している。自己組織f匕ハニカムフィルム上では、孔 径( 幹幅)変化により、神経突起数、分枝数、突起長およびガイディングを制御できることを明 ら かに し 、神経 突起伸展形態と神経回路機 能との相関性を見出した。ま た、孔径3 ymのハ二 カム フィルム上においては、スフ ェロイドが形成されることを見出した。このスフェロイド形 成は 、神経幹細胞が未分化性を維持しながら増殖したものであることを明らかにした。加えて、

ハ二 カムフィルムを用いた神経細 胞とグリア細胞との共培養の可能性と、ストライプパターン およ びサノピラーバターンフィル ムによる神経細胞と神経突起伸展形態制御を報告している。

  

本 研究により、足場材料表面の 微細形状のみで神経幹細胞の分化、増殖を制御できることが 初め て示され、このことは、足場 材料による神経組織構築の可能性を他に先駆けて示した同時 に、 増殖因子を必要としない安全 な神経幹細胞増殖法開発の手がかりを見出したものであり、

神経 組織工学に対して貢献すると ころ大いなるものがある。

    ‑ 236

治 嗣

敬 生

   

城 村

越 澤

(4)

よって、著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格のあるものと認める。

―237―

参照

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