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主論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

(様式第6号)

論 文 要 旨

2020

年 3月 13

※報告番号

甲 第

265

寺尾 剛史

主論文題名

(英文題名)

Studies on Accurate Numerical Computations of Thin QR Decomposition and Verified Numerical Computations for Matrix Equations

(和文題名)

Thin QR

分解に対する高精度数値計算法と行列方程式に対する精度保証付き数値 計算の研究

本論文は、計算機を用いた

thin QR

分解に対する高精度数値計算法と行列方程式に対する 精度保証付き数値計算の研究結果を述べる。現在の科学技術計算は問題の大規模化が進んでい る。これにより、数値計算分野では速度に加え、数値計算結果の精度や信頼性に対する研究が 行われている。本論文では、前処理手法や誤差解析、精度保証付き数値計算を用いた数値計算 アルゴリズムの提案を行う。

本論文は

3

部構成であり、それぞれの内容は以下である。

I.

前処理を用いた

Thin QR

分解の高精度かつ高速なアルゴリズム、

II.

実行列に対する正則性の高速な検証法、

III.

実対称行列の全固有値に対する精度保証法 以下に各研究の概要を述べる。

I. Thin QR

分解は与えられた縦長の長方行列を列直交行列と上三角行列の積に分解する。

この分解は、最小

2

乗問題、特異値分解、固有値分解などの多くの問題に応用される。

しかし大規模並列環境において、よく知られる

Householder

変換や

Gram-Schmidt

の直交 化を用いる方法は性能が発揮されにくいことが知られている。それに対して、列フルラ ンク行列に対する

thin QR

分解のアルゴリズムとして

Cholesky QR

アルゴリズムが知ら れており、特に計算速度に対して優れている。一方でこのアルゴリズムは、丸め誤差の 影響で数値的に不安定である。この問題に対して、前処理付き

Cholesky QR

アルゴリズ ムを開発した。与えられた行列に対して

LU

分解による前処理を用いて少ない計算コスト

Cholesky QR

アルゴリズムの数値的な不安定性を解消できることを示した。また、ス

ーパーコンピュータ上での実装を行い、大規模並列計算環境での有効性を示した。さら に、丸め誤差解析を用いて、理論的に不安定性が解消できることを示した。

また、

LU

分解を用いた前処理手法は、一般化内積空間に対する

thin QR

分解に対しても有 効であることを示した。この行列分解は、行列積に大きな計算コスト必要である。それに対し て提案手法の前処理のコストは

LU

分解と同程度であり、行列積と比較すると低コストであ る。数値実験を用いて提案手法は、無視できるほどの計算時間の悪化で、悪条件な行列に対し て適応可能なアルゴリズムであることを示した。

Part I

の構成を以下に示す。

Chapter 1

では、記号の定義を行い、先行研究である

Cholesky QR

分解とその誤差評価式を紹介する。Chapter 2では、LU分解を用いた前処理 手法を提案し、その手法の誤差評価式の導出を行う。また、数値実験を用いて、提案手 法の有用性を示す。Chapter 3にて、一般内積空間に対する

Cholesky QR

アルゴリズムの 前処理手法とその数値実験結果を紹介する。

II.

次に、正則性の高速な検証法について説明する。連立

1

次方程式の計算理論では係数 行列が正則であることを仮定することが多い。しかし実際の計算では、与えられた係数 行列が正則であるかの確認は行わない。提案手法は、高速な場合に

LU

分解の

2

倍程度の 計算コストで正則性の保証が可能であり、さらに問題の難易度に対して順次計算コスト

※印欄記入不要

(2)

(様式第6号)

論 文

要 旨

2020

年 3月 13 を 追 加 し て 検 証 す る こ と が 可 能 で あ る 。 ま た 、 提 案 手 法 は 正 則 性 の 保 証 が 成 功 し た 場 合、連立

1

次方程式の数値解に対する精度保証法へ応用できる優れた手法である。本論 文 では 、先 行研 究で 用い られ た

5

つの 正則 性の 保証 法と 数値 実験 を用 いて 比較 を行っ た。その結果、提案手法は特定の行列に対して、従来の手法と比較して高速かつより悪 条件な行列に対して正則性の保証が成功した。

Part II

の構成を以下に示す。

Chapter 4

にて、先行研究の紹介と記号の定義を行う。

Chapter 5

にて提案手法を紹介し、先行研究との数値実験を用いた比較を行う。

III.

固有値計算は、様々な科学技術計算に応用される問題である。また、近年は問題の大 規模化が進み、計算コストが非常に大きい問題である。さらに、大規模化に伴い、計算 結果に対する丸め誤差の影響が懸念されている。我々は、得られた全固有値に対する誤 差評価式を提案した。この評価式は、数値計算で得られた全近似固有対を用いて真の固 有値を包含する。提案した誤差評価式を用いた精度保証付き数値計算法を開発し、スー パーコンピュータ上での実装を行った。提案手法は、並列分散メモリ型の計算機でよく 用いられる数値計算ライブラリの実対称行列の標準固有値に対するソルバ(

PDSYEVD)の 3~7

割程度の計算コストで近似固有値の誤差上限の計算に成功した。また、京コンピュ ータを用いた大規模実験で、100 万次元の実対称密行列の全固有値に対して精度保証に 成功し、このような超大規模行列に対して精度保証付きの固有値を計算できることを世 界で初めて示した。

Part III

の構成を以下に示す。

Chapter 6

にて、記号の定義と先行研究の紹介を行う。

Chapter 7

にて、全固有値に対する誤差評価式を提案し、精度保証付き数値計算のアルゴ

リズムを導出する。また、スーパーコンピュータを用いた数値実験結果を紹介する。

※印欄記入不要

参照

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