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微視組織の異方性を考慮した有限要素法解析

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Academic year: 2021

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微視組織の異方性を考慮した有限要素法解析

著者 鈴木 拓雄, 小沢 拓弥, 宮川 睦巳, 田宮 高信

雑誌名 東京都立産業技術高等専門学校研究紀要

巻 15

ページ 72‑76

発行年 2021‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1282/00000262/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

72

(3)

73

(4)

巨視的な弾性特性を示すために必要な結晶粒数についての検討

および

にアルミニウムを用いた異方性モデル部全体の平均的な弾性定数と,

9RLJW

近似のモデル[5]および実験 値[6]と比較したものを示す.ここで示す平均的な弾性定数の値は,実形モデルでの

66/

および

/

サイズにおいて結 晶粒方位をランダムに定めた

パターンずつでの解析から求めたものである.

9RLJW

近似のモデルでは,実際の平 均化された弾性係数よりも高い値を示すことが知られており[4],本解析結果においてもそのことを確認できる.また,

本解析結果と実験値の誤差率は,縦弾性定数およびポアソン比のそれぞれで

および となり,近い値を示

している.

に平面応力状態におけるアルミニウムでの弾性定数から算出した変動係数

&9

の値を示す.ここで用いた変動

係数

&9

は,標準偏差を平均値で割って算出した値であり,平均値に対するデータのばらつきの関係を相対的に評価

できる.この図から,結晶粒数と変動係数

&9

は線形関係であることがわかる.この関係から,芹沢らは銅薄膜にお ける弾性定数の平均値からのばらつきが±以内で巨視的な弾性特性を示すと考えると,縦弾性係数については結 晶粒数が

個以上,ポアソン比については結晶粒数が

個以上で巨視的な特性を有すると推定している[3].そこ で条件を厳しくして,アルミニウムにおける弾性定数の平均値からのばらつきが±以内で巨視的な弾性特性を示 すと考えると,縦弾性係数については結晶粒数が

個以上,ポアソン比については結晶粒数が

個以上で巨視的な 特性を有すると推定した。

また図

には,平面ひずみ状態に設定した場合のアルミニウムに対して、図

と同じ要領で巨視的な弾性特性を 示す結晶粒数を推定した結果を示す。その結果,平面ひずみ状態の場合は,縦弾性係数では結晶粒数が

個以上,

ポアソン比では結晶粒数が

個以上で巨視的特性を示すと推定した。

ここでアルミニウムにおいては,平面応力状態および平面ひずみ状態のいずれの場合であっても,銅と比較して巨 視的な弾性特性を示すのに必要な結晶粒数が多くなっていることがわかる。その理由は,異方性の程度を示す非等方

性因子[7]

& & & の値が,銅は ,アルミニウムは

であることから,銅の異方性の程度が大きいためで

あると考えられる.

Fig.8 Comparison of Young’s modulus with Voight model

Experimental value = 70.5 GPa Voight model = 70.4 GPa

Fig.9 Comparison of Poisson’s ratio with Voight model

Voight model = 0.346

Experimental value = 0.340

530 24

Fig.10 Change of coefficient of variation with number of grains (plane stress)

Fig.11 Change of coefficient of variation with the number of grains(plane strain)

74

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巨視的な弾性特性を示すために必要な結晶粒数についての検討

および

にアルミニウムを用いた異方性モデル部全体の平均的な弾性定数と,

9RLJW

近似のモデル[5]および実験 値[6]と比較したものを示す.ここで示す平均的な弾性定数の値は,実形モデルでの

66/

および

/

サイズにおいて結 晶粒方位をランダムに定めた

パターンずつでの解析から求めたものである.

9RLJW

近似のモデルでは,実際の平 均化された弾性係数よりも高い値を示すことが知られており[4],本解析結果においてもそのことを確認できる.また,

本解析結果と実験値の誤差率は,縦弾性定数およびポアソン比のそれぞれで

および となり,近い値を示

している.

に平面応力状態におけるアルミニウムでの弾性定数から算出した変動係数

&9

の値を示す.ここで用いた変動

係数

&9

は,標準偏差を平均値で割って算出した値であり,平均値に対するデータのばらつきの関係を相対的に評価

できる.この図から,結晶粒数と変動係数

&9

は線形関係であることがわかる.この関係から,芹沢らは銅薄膜にお ける弾性定数の平均値からのばらつきが±以内で巨視的な弾性特性を示すと考えると,縦弾性係数については結 晶粒数が

個以上,ポアソン比については結晶粒数が

個以上で巨視的な特性を有すると推定している[3].そこ で条件を厳しくして,アルミニウムにおける弾性定数の平均値からのばらつきが±以内で巨視的な弾性特性を示 すと考えると,縦弾性係数については結晶粒数が

個以上,ポアソン比については結晶粒数が

個以上で巨視的な 特性を有すると推定した。

また図

には,平面ひずみ状態に設定した場合のアルミニウムに対して、図

と同じ要領で巨視的な弾性特性を 示す結晶粒数を推定した結果を示す。その結果,平面ひずみ状態の場合は,縦弾性係数では結晶粒数が

個以上,

ポアソン比では結晶粒数が

個以上で巨視的特性を示すと推定した。

ここでアルミニウムにおいては,平面応力状態および平面ひずみ状態のいずれの場合であっても,銅と比較して巨 視的な弾性特性を示すのに必要な結晶粒数が多くなっていることがわかる。その理由は,異方性の程度を示す非等方

性因子[7]

& & & の値が,銅は ,アルミニウムは

であることから,銅の異方性の程度が大きいためで

あると考えられる.

Fig.8 Comparison of Young’s modulus with Voight model

Experimental value = 70.5 GPa Voight model = 70.4 GPa

Fig.9 Comparison of Poisson’s ratio with Voight model

Voight model = 0.346

Experimental value = 0.340

530 24

Fig.10 Change of coefficient of variation with number of grains (plane stress)

Fig.11 Change of coefficient of variation with the number of grains(plane strain)

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(6)

結 言

本研究では,汎用有限要素法プログラム

$16<6

により異方性微視組織を考慮した

次元モデルを作成し微視組織が 巨視的な弾性定数にどのような影響を及ぼすのかについて考察した.得られた結論は以下の通りである。

結晶粒形状による比較では, [\

面内異方性材料を用いた簡略化モデルと実形モデルでの巨視的な縦弾性定数の両 者間では

の範囲で一致することを確認し,相当応力分布による比較でも類似性が認められた.

巨視的な縦弾性定数から標準偏差を算出すると,結晶粒数の増加に伴い縦弾性定数の値が安定する傾向が見られ

たため,巨視的な弾性定数への影響は結晶粒数による依存性が高いと考えられる.

アルミニウムの単結晶の弾性スティフネスを用いた解析結果では, 9RLJW

近似モデルおよび実験値での弾性定数と 近い値を示した.

アルミニウムの弾性定数のばらつきが 以内で巨視的な変形挙動を示すと仮定した。その結果,巨視的な弾性特

性を示すのに必要となる結晶粒数は,平面応力状態の場合は縦弾性定数で

個以上,ポアソン比で

個以上であ り,平面ひずみ状態の場合は縦弾性係数では結晶粒数が

個以上,ポアソン比では

個以上であると推定した。

銅とアルミニウムを比較すると、巨視的な弾性特性を示すのに必要となる結晶粒数に相違がある理由は,非等方

性因子の相違が原因であると考察した.

文 献

[1] 三上欣希望月正人:鋼溶接金属の結晶方位異方性を考慮した微視的応力分布特性の数値解析

鉄と鋼9RO

1R,SS,

[2]

中曽根祐司鈴木拓雄:改良

&U

鋼の溶接部の微視組織を考慮した

)(0

クリープ解析

回計算力学講演会

9RO1RSS,

[3]

芹澤一史,田中啓介,來海博央,秋庭義明:!繊維配向した立方晶多結晶薄膜の弾性変形の有限要素法による 解析材料9RO1RSS,

[4] 荻博次:弾性力学 共立出版SS,

[5]

阿部武治:多結晶体の弾性変形日本機械学会論文集YRO1RSS,

[6]

辛島誠一:金属・合金の強度社団法人日本金属学会SS,

[7] 6%KDJDYDQWDP:&U\VWDO6\PPHWU\DQG3K\VLFDO3URSHUWLHV$FDGHPLF3UHVVSS

ブレードピッチの可変機構を搭載した垂直軸風車に関する調査研究

Research on a vertical-axis wind turbine equipped with straight blades whose pitches can be controlled

小出 輝明1)

Teruaki Koide

1)

$EVWUDFW In a flow around a vertical-axis wind turbine, it is well known that resultant velocity toward a straight blade drastically varies about azimuth. This variation cause flow separation around the blade leading to unfavorable influence on windmill performances. Therefore it will be a favor if blade pitch can be changed at optimized variable angles. Present study introduced working of blade pitch angle passively changed due to fluid force and centrifugal force, etc. The change of pitch angle was achieved by the operation of an elastic cord linked between a leading edge of the blade and an outer edge of the end-wall. Flow visualization around the windmill revealed that angle of attack against the blade had significant influence on performance of the windmill. Flow visualization showed that fluid force was essential to be exerted in radial direction to contribute to a revolution of the windmill. An addition of a pair of pulleys between the links of the elastic cord achieved a favorable motion of the half turn of the blade, which led to an ideal periodic change of the angle of attack.

.H\ZRUGV Vertical axis wind turbine, Flow visualization, Wind power generation, Blade pitch angle control

緒言

洋上発電などの大規模な風力発電に利用される水平軸風 車に対して,直線翼垂直軸風車は,増速器および発電装置 が地上付近に設置されて重心を低くでき,小中型風力発電 に適した風車として多用されている.一方で垂直軸風車は 水平軸風車と比べて自己起動性と効率で劣り,さらに強風 下での過剰な回転速度の発生などが,欠点として挙げられ る

[1, 2]

この垂直軸風車の欠点を改善する有力な方策として,ブ レードのピッチ角を方位角に合わせて変化させる機構が提 案されている.直線翼垂直軸風車のなかでも,この可変ピ ッチ機構を持つものをジャイロミル風車と呼ぶ.これは風 見(尾翼)を持ち,図

1

のように風車主軸から偏心したプ ーリに同期させたリンク機構が,ブレードピッチを周期制 御する風車である

[2

5]

.アジマス角に合わせて,上流部で はブレードのピッチ角が増加し,下流側ではピッチ角が負 角へ減少することで,相対風速に対する迎角を最適に近づ けている.

松本ら

[2,3]

によるとリンク機構によるピッチ制御を持つ

風車が,最も古く出版物で確認できるものは,米国の通俗 科学誌に掲載されている記事

[4]

である.また松本らはその 風車の製作を行って,リンク機構の詳細を紹介している.

このリンク機構の可変ピッチ風車の性能特性をはじめて

詳細に評価した研究は,木綿ら

[5]

とその英文版である

Kiwata et al. [6]

の論文であり,これらは学術雑誌の掲載文 献として唯一,起動性や出力特性に関する,定量的なデー タを示したものである.この風車は固定ピッチの直線翼垂 直軸風車と比較して効率が高く,良好な自己起動性が得ら れる.

ただしリンク機構の機械損失を伴うやや複雑な仕組みの ため,一般的にはジャイロミル風車はあまり普及していな い.

1

木綿ら

[5,6]

のリンク機構によるピッチコントロール

1)

東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科,航空宇宙工学コース

76

参照

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