1
論 文] UDC :624.
131.
55 :624.
131.
54 日本 建築 学 会構 造 系 論 文 報 告 集 第 376 号・
昭和 62 年 6月建
築
構 造
物
の
施
工
進 展
を
考 慮
し た
沈 下 過 程 解 析
軟 弱
地 盤にお け る 建築 構造 物
の即 時沈 下
お よ び圧密 沈下
の 三次
元有
限
要素
法
解析
その2
正 会 員 正 会 員 正 会 員* 料 ホ ホ ホ
勉
夫
守
和
屋
築
幡
土大
小
§1.
まえがき 前ee1
) では,
軟 弱な粘性土が支 持層 か ら地 表 面までか なり厚く堆 積し て い る地 盤上に建 設さ れ る構造物の沈 下 過 程 解 析 法と し て, 有 効 応 力 概 念に基づい た 三次元有限 要 素 解 析 法 を提 示し た。
また, 予 備 解 析 を行っ て当 解 析 法の妥 当性を検 討する と と もに,
建 物の沈下過 程につ い て若 干の検 討 を行っ た。
その結 果,
終 局 時の沈 下 量に対 して粘 性 土の非 排 水せ ん断変形による沈 下 量が大き な割 合を占め ること が明ら か になっ た。 そ こ で本 報で は,
建 物が着工 して か ら完 成 する まで の 施工中に発 生す る地 盤の変 位 性 状が,
建 物の相 対 沈 下に とっ て極めて重 要であると考え,
施工進 展に伴 う上 部 構 造の剛 性 変 化 や, 施 工 期 間における粘 性 土の圧 密が建 物 の沈 下に与える影 響につ いて検 討 を行う。
こ の検 討 結 果 をもと に,RC
構 造 物の施工進 展に伴う沈下過 程を近 似 的に表し得る解 析モデル を提 案す る。
次に, その モデル を用い て建 築 構 造 物の沈 下 過 程 解 析 を 行い,
主とし て建 物の相 対 沈 下に お よ ぼす建 物の平 面 形 状,
基 礎 形式,
隣 棟間 隔, 軟弱 層 厚の影 響につ い て考 察す る。 解析し た の は,
建物の平面形状と支持形 式を そ れ ぞ れ2
と お りに変え た 図一1
に示す4
系列であ る。す な わ ち,
建物の平 面は正 方 形お よび比較的細長い 長 方形の 2種類 で あ り, 建物の支持形 式は直接 基 礎 (ペ タ基 礎)お よび 摩擦杭基 礎の2
種類であ る。
な お,
本 報で は,
解析し た これ らの系列を2
文 字で表示し,1
番 目の記 号で建 物の 平 面 形状 (S
:正方 形,L
:長方形)を,2
番目の記 号 で支 持 形 式 (M :直 接 基 礎,
P :摩 擦 杭 基 礎)を表すこ とにする。 §2.
建 物の施工進 展 を考 慮 した解 析 2.
1 施工 進展に関す る解 析 条 件 現 場施工の RC 構 造 物の 場 合,
施工の 進 展に伴っ て [SM $ 列 ] 匚SP 系歹虹〕 〔LM 系列] 〔LP 累 歹ifコ圏 鬮
旺
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正 方 形 平 面 長 方 形 平面曝
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一馬
一淵
冊
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聯 響 黔 嬲 黼 灘 ド 覦 舗 懿 譲 竃,猶 図一
1 建 物 形状お よ び基 礎 形 式 本 論 文の一
部 を参 考 文 献3,に発 表し た。
拿 室 蘭工業大 学 助 教 授・
工修 韓 室 蘭工業 大 学 教 授・
工 博 林 寧 北海 道 大学 教授・
工博 (昭和61年7月 14日原 稿 受理) 荷重が漸増 し, 打 設し たコ ンク リー
トの材料常 数が時 間 や応 力に依存す るの で,
上部構造の 剛 性は各部材ご とに 複雑に変化す る。 こ のよ う な建物 荷 重や剛 性 変 化に応 じ て,
地 盤の非 排 水せん 断 変 形およ び圧 密 変 形 が 同 時に進 行する。
施 工 中の沈 下 過 程 解 析に は これ らの因子をで き るだけ正確に盛 り込む必 要がある が, 現状で は そ れ ぞ れ の因 子につ い てまだ明らか にされ て いない多くの問 題 点 が残されて い ると思われる。
そ こ で本 報では,
建 物の施工進 展に関 する条 件が建 物 の沈 下過程に与え る影 響を概略 明ら かにす るこ と に主眼 を お き,
建 物 荷 重,
建 物剛性,
地 盤 圧密の各事項 につ い て,
図一
2,
図一
3お よ び 下記の よ う にで き る だ け条件を単純 化し て解析を行うこと に し た。
な お, こ こ では第4段 階 (最 上 階)の コ ン ク リー
トが打 設さ れ た時 点を竣工時と定 義す る。
建物荷重 条件 a : コ ンク リー
ト打設が階ご とにな さ れ ることに対応 さ せて段 階載荷と し た 場合β:瞬 時に建 物の施工 が完 了 するもの として
,
竣工時 の建 物 全 荷 重 を一
気に載 荷し た場 合 建 物 剛 性 条件A
:そ の段階のコ ンク リー
トが打設さ れ る と同時に所 定の剛性 を発 現す る場 合B
:その段 階が施工 され る時 点の剛 性は 0で あ り,
次 の段 階の コ ン クリー
トが打 設さ れ る直前(ただし, 最 上 階では剛 性の みを発 現する第 5段 階 〉に な っ一
一
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中央都;4本 辺 都.
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SP 系 歹9] Yl 里y Y。↑
→ 、 X° X1 X2 X3 lk嚥
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B 図一
4 府 限 要 素分割 (単位 〔 1」
M,
1」
P系歹9] :m ) 第1段 階 第2段 階語3段晒 暦4段階‘電5段階} (齧 工 ) 〔竣工 } 図一
3 解 析 条 件 表一
1 施工 進 展に関 す る解析モデル t=
QO 〔終 局 ) モ デ ル 建 物 荷 重 条 件 建 物 剛 性 条 件 地盤 圧 密 条 件 記 号 α βA
B
’
CD1
且 a○
○
○
b
○ ○ ○ C ○○
○
d
○
○
○ eO
○
○
f
○ ○ ○ 表一2
上 部 構 造・
基礎 構 造お よ び地 盤の諸 元 亀 5 5 訊ク
・
貳丁
5雫
ク
.
了〃
÷〃
十〃
十ク
十 〃 ↓ 54 上 2,3,R階 梁 断 面 :40‘况X800 扼 部 柱 断 面 ;60ご加X60 σ皿 構 ヤング 係 数 :2.
1×105 匂 /σπ2 造 せ ん断 弾 性 係 数 :0.
9×105 仭 /o那2 基 礎 梁 断 面 :40σ加 X120 c π ヤング係数 :2.
1×105 匆 /魄 2 基 せ ん断 弾 性 係 数 :0.
9×105仭 /cπ2 礎 樹 杭径 :401σ加 造 肉 厚 :6.
5σ加 ヤング 係 数 :4.
2× 且05栢 /σ那2 せ ん断 弾 性 係 数、
:1。
8×LO5 勾/ oπ2 , 水 申 単 位 体 積 璽 量 Ys :0.
7XlO−
3 匆/σが 水の単 位 体 積 重 量 Yw :1.
0×10−
3 意9/ σ加3 地 透Zk係 数kx ,
ky
,kz :0.
12σπ/day 粘土 骨 格 の ヤング 係 数 Eぎ ;11.
11勾/σ加2 盤 粘 土 骨 格のボ アソ ン比 V§:1/3(
圧 密 係 数体積 圧 縮係 数Cv 皿v:
欝
ノ
濡 )
て初めて所 定の剛 性 を発 現する場 合C
:瞬 時に建 物の施工 が完了 するもの と して, 完 成 時 点の剛性を解 析の 最 初か ら与え た場 合 D :建 物の剛 性を まっ た く考 慮し ない場 合 地 盤 圧 密 条件 工:各段 階の施工 間 隔 を 30EI間 と 仮 定 して,
施工期 間中お よび竣工時 点 以降に地 盤の圧密を考慮す る 場 合ll
:各 段 階の施工 間隔を0
日 間 と仮 定して,
施工期間 中に地 盤の圧 密は無く, 建物の竣工時点以 降に地 盤の圧 密が進行す る 場合本報で は施 工 進展に関 するモデル と し て
,
上 記〜
の 条件を表一
1の ように組み合わ せ たa− f
の6
種 類を 設定し, 図一
1の 4系 列それぞれにつ い て解 析を行っ た。
上 部 構 造は いずれも 柱・
は り の み で構 成さ れ る3層の 立 体 骨 組で あ り,
4×4スパ ン (24m ×24m )お よび 2 ×8ス パ ン (12mX48m )とL.
て両者の建 築 面 積が等し く な る よ うに設定 し た。
直 接 基 礎は簡 単 化.
を 図り基 礎ス ス ブを 無視し て基 礎ば りの み の剛 性 を考 慮し た。 また,
摩 擦 杭は柱・
は り と 同様 に 軸 力, 曲 げおよ び ね じ り剛 性 をもつ もの と仮 定した。
正 規 圧密 状 態にある沖 積 粘 性 土が,
支 持 層か ら地表面 ま で一
様に分布す る よ う な軟 弱 地 盤 上に,
上 記の建 物が そ れ ぞ れ水平方 向に等間 隔に配 置され て い る もの と仮 定 した。 し た がっ て,
建 物 中 央 断 面と隣 接 建 物 間の地 盤 中 央 断 面では,
そ れ と 垂直方 向の水平変位が生じ な く な る一
63
一
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v 憂 嚼 禰 施 工 中 竣 工 後 経 過 日数 〔day ) 30 50 100 200 500 1000 2000 終 局 2倉
)
3 篝 岫4 被 5 6 施 工 中 図一
5 絶 対 沈 下 量 WA の経 時変化 た め,
その位 置に対 称 条 件 (9
で表 示 )を設 定 し,
図一
4の よ うに要 素 分 割 し た 。 その他の解 析 仮 定 や 表一
2 に示した建 物お よ び地 盤の 諸 常 数は前 報Dと同 様で あ る。
2.
2
建 物の沈下性 状に お よ ぼ す解析条 件の影 響 1 )絶 対 沈 下 図一
5は,
建 物 中 央 部 点 (図一
4参照)の地表面の 絶 対 沈 下 量 u)A の推 移 を全 系 列につ いて示し た ものであ る。 施工期 間 中の 2VA は,
全 系 列ともに施 工が進 展して 上載 荷 重が増えると ともに増 加 するが,
そ の増 加 量は次 第に小 さく なっ て い る。 また,
図に示して いない建 物の 辺 部 や 隅 角 部の沈 下は, 上 記の傾 向 とは逆に施 工の進 展 に伴っ て その増 加 量が徐々 に大き く な る。
こ れ は, 次の よ う に考え ら れ る。 図一6
は, 施工進 展に関す るb,d,
eの各モ デルの接地圧 と上載 荷重の関係を,SM
系列を 例に プロ ッ ト し た もの であ る。
そ れに よ る と,
施 工 が 進 む につ れ て, 接 地 圧は上 載 荷 重よ り も中 央 部 で は徐々 に小さ く な り, 辺部◎や隅 角 部 で は逆に徐々 に大き く な る。
こ れ は,
建 物の 中央 部と端 部の沈下差 (相対沈下) に伴 う建 物 荷 重の再 配 分に よるもの であり,
そ の傾 向は 上部構 造の剛 性が大きい モ デル程 (e>b
>d
)顕 著にな る。
以上よ り,
図一
5に示し た絶 対沈下 tVAの推 移が施 工期間中に非 線 型に な るのは,
施工 が進 展して建 物 剛 性 が増大す ること に よ る接地 圧変化の影 響によ る と考え ら れ る。
図一5
に おいて,
地 盤の圧 密 条 件の みを 異にする a とb
お よびc とd
の各モデル につ い て,
絶 対 沈 下tVA をそ れ ぞれ比 較す る。
竣工時の ZVAは,
全 系 列と もに条 件1
の場 合が条件fi
の場合の1.
2
倍程度に な る が, 終局時に(
喰 \ω
)
8
出 最 15 10 54321醒
竣 工 後 経 過 日 数 (day) + SM−
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0 0 1 2 3 4 5 上 蛾 祷 量 P (tノ ) 図一
6 接 地 圧と上 載 荷 重の関 係 な る と両 者は ほ ぼ同 じにな る。 次に,
建物 剛性の発 現 条 件の みを異にする a とc およ びb
とd
の 各モデルにつ い て, 絶 対 沈 下 tVAを そ れ ぞ れ 比較す る。 竣工時の tVAは,
全系列と も に条件B
の場 合 が 条件A
の場合の 1.
2倍 程 度に なっ て,
両 者の差は竣工 後の圧密過 程で も そ の ま ま保持さ れて終 局に至 る傾 向が あ る。 な お,
瞬時に施工 が完 了すると仮 定 し た条 件C
の e モ デルお よ び建 物 剛性を考 慮し な い条件D
のf
モ デル の tOA は,
図に み ら れる ように ほ かの モ デル の ZOAに比表
一
3 各 階 相 対 沈 下 量 δ の経 時 変 化 囲 上 股:載 荷 直薩臥 下 段:載荷直 後 (m位: 函, [SM 系 列 〕 〔亀C ⊃ SP 列〕 (畠ω [【H靄 列 ] こ酖ε) [LP 踊列 ] (転ω 孚 時 点 ル 踊 工 中 竣 工 後 継過B敏 晒 工 中 醜 工後 経 適日 数 滬工 中 竣 工後 経 過日敬 施 工 中 竣工後樋過日 敬 第 1 語2 第3 第4100日5DO QO 賠1 露z 第3 第411QO日 〕目 GD 第1 冤2 第 3 語4 ユ00日500日 o⊃
冤 1第 2 霓3 語41DO 日 oo R 躇一
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5 べ て大き さ や経時変化の様子がかな り異な る。2
) 椙対 沈 下 表一
3は,
建 物 中 央 部 ( 点 )と辺 部 (◎ 点 :S
タ イ プ,
点 :L
タイ プ)の 各階床位置に お け る相対 沈 下 量 δ』
(δAC :S
タイ プ, δAE’
:L
タイ プ〉の推移を, 全 系 列につ い て記 し たもの で あ る。
剛性発現条件B
の場 合 はコ ン ク リー
ト打 設 時の剛 性を0
と仮定し たの で, コ ン ク リー
ト打 設直後の部 材に は相 対沈 下に よ る付加 応 力 が 作 用しない。 こ の た め,
表中の剛 性 発 現条件B
の c モデ ル お よ びd
モ デル の δ は,
施工中お よ び竣工 か ら終 局 時に 至 る 全 過程で, 所 定の剛性 を発揮す る次の階の施 工 時 点 以 降に生 ずる相 対 沈 下 量 を示してある。
その ほか の,
a,b
, e,、
f
モ デル の δは, 打設した コ ン ク リー
ト全 荷 重に よっ て生 ずる もの で ある。 まず,
地 盤の圧 密 条 件の み を異にする a とb
お よ びc とd
の 各モ デル の δを そ れぞれ比 較 する。 施工中では条 件1
の場 合が条 件E
の 場 合に比べ て各 階とも や や 大き な δを示 す。 そ れに対 し て,
条 件ll
の場 合の竣工後の圧 密 沈 下 量が大き く な る た め, 比 較 的遅 く施工 され る 3階やR 階の δ は, 終 局 時 に な ると逆に条 件H
の場 合 が 条 件1
.
の場 合 よりも わずか に大き く な る傾 向が ある。
た だ し, 全 期 間にわ た り圧 密 条件の違いによる δ の差は 10%程 度で ある。 次に, 建 物 剛 性の発 現 条 件の みを異にする a とc お よ びb
とd
の各モ デル につ い て,
相 対 沈 下 δ をそれ ぞ れ 比 較 する。
条 件A の モ デル の δ と条 件Bの それ は,
全 般 的に近 似し た分 布 傾 向を示す が,
各 階ともに後 者は前 者のO.8
倍 以 下に な る。一
方,
条件B
の各モ デル と瞬 時 に施 工 が完 了す る と 仮 定 し た 条件C
の e モ デル の δ を 比 較する と,
条 件C
の場 合に は各 階の δ が 同じてある た め,
上階へ 行く程その 階に生 ずる δを過 大に評 価 す 40 3D(
§)
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e 20 40 60 絶 慰 沈 下 皿 WA〔cm) 図一
7 相 対 沈 下と絶 対 沈 下の関 係 80 る が,
基 礎で は そこ に生 ずる δ を 過小に評価する こ と にな る。 な お, 建 物の剛性を まっ た く考 慮せず, 竣工時 の 建物の 全荷重を一
気に載 荷 し たf
モ デル の δ は,
ほ か のすべ て の モ デル の そ れ に比べ て極め て大き な値とな る が, こ の δ は上 部 構 造の付 加 応 力に直 接 関 係 し ない 値 なの で,
ほかの モ デル の δ と.
直 接 比較す るこ と は で き ない。
3) 相 対 沈 下と絶 対沈下の関係 図一
7は,SM
系 列お よ びSP
系列につ いて, 施工中一 65 一
お よ び竣工後における地 表 面の相 対 沈下 量 δAC と絶 対沈 下
ge
tVAの関 係をプロ ッ ト し たもの で ある。
施 工の進 展 に伴っ て上 部 構 造の 剛性が増大する ため,
δAC の増 加が ωA の それに比べ て徐々 に小 さ くなっ て, 相対沈下一
絶 対 沈 下 関 係は双 曲 線に近い形 状とな る。 図に点 線で示し た竣工後の圧密過 程に お け る相 対 沈下 量 δAC の増 大が極めて小さいの は,
次に示 す よ うな竣 工 時点の地盤の過 剰 間 隙 水圧Pw
分 布によるもの と考え ら れ る。
す な わ ち,
直接基礎形式の場 合に は全 般に建 物 中 央 部か ら周 辺 方 向および深 部 方 向へ と 遠 ざか る にっ れ て, 地 中のP
” は小さ く な る。 しかし,
地 表 面 近 傍にお い ては 図一
6に示す ような竣工時の接 地 圧 分 布の影 響 を 受け,
建 物の 中 央 部 よりも端 部で大き なPw
が生じ る。
そ の結果, 建物平 面の各 点に お け る地 盤の深さ方 向のP
” の平均 値が近似す る よ うになり,
建物 全 体が一
様に 沈 下しや すくなる もの と思わ れ る。 ま た,
摩 擦 杭 基 礎 形 式の場 合に竣 工 後の δAC が増 加し ない の も, 杭 先 端 以 深 のPw
が上 記 と 近 似し た分 布 を示すことに よ る もの と考 え ら れ る。 ただし, 摩 擦 杭 基 礎 形 式の場合に は δACが あ る時 期に低 下 する現 象 もみ られ, 直 接 基 礎 形 式の場合に 比べて い く ら か複 雑な挙 動 を示 す。
これ は別 途 検 討2) し たところ, 大き な軸力 を受け る建物端部の杭 周 面 摩 擦 力が極 限に達し て部 分 的に大き な杭周面すべ り が発生 し,
端 部 位 置の沈 下 量 が 急 増す る た めであ るこ と が分っ た。
な お,
地 表 面に等 分 布の た わ み性 荷 重が作用 する場合 に は, 上 部 構 造の剛性に よ る荷 重の再配 分 が ないた め,
相 対 沈 下一
:絶 対 沈 下 関係は線 型であると思わ れ が ち で あ る が,
図一
7のSM −
fによる とそ の関係は非 線 型と なる。
これ は,
過剰間 隙水圧 が排水面である鉛 直 方 向の ほ か に 水 平 方 向へ も消 散 することによる影 響である。
LM
系列やLP
系列に おい て は,
SM 系 列やSP
系 列 に比べ て 竣工後に生 ずる相 対 沈下 量 が若 干 大きい もの の,
相対沈下一
絶対沈下 関 係は上 記の傾 向と ほ ぼ同様で あっ た。 2.
3 施工進 展 を考 慮し た解 析モ デル 以 上の検 討 結 果に よ る と, 相 対沈 下量 δの大 部 分は 建 物の施 工 期 間 中に生 ずること か ら, 沈 下 解析を行うに は実 際の施 工 進 展に でき るだけ即し た荷重と剛性を与え る こ と が重 要である こ と は明 らか である。 この点か ら,
建 物の剛 性 を無 視し たf
モデル や瞬 時に施工 が完了す る と して竣工時の剛 性 を考 慮し たe モデル を使 用す ること はでき ない。
実際のRC
構 造 物の 剛 性 発 現は条 件A と条 件B の 中 間に な る と思わ れ る が,
コ ンク リー
ト打 設 時の非 排 水せ ん断変形 に よ る相 対 沈 下 量が極めて大きい ことか ら, 打 設 時の コ ン クリー
ト剛 性 を0 と仮 定 した条 件B
の方 がよ り実 状に近 似し得るもの と考えられる。
また,
施 工 期 間1
−
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rl
「
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一
一
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施 工 期 間 中一一
一
一
一
竣工 時地表 面 沈下 竣工 時〜
終 局 時一
一
一
一
一
一
一
終 局 時 地 表面 沈下 図一
8 変 位ベク トル (Yc断面) 中の δ の う ち 圧密に よるもの の割 合は小さいの で, そ れを無 視 して解 析して も精 度 を 大き く そこね ること な く 効率 的に相 対 沈 下を求める こと が可 能で あり, 本 報で想 定し た各モデル の うち,
d
モ デ ル が施工進展を考 慮 し た 解析に最も適して いる と考え る。 な お,
終局時の 沈下 分 布を求め る場 合に は,
竣工後の 過 剰間 隙水圧の消 散過 程の計算を省 略して解 析し て も良 か ろ う。
さ らに, 竣工後の 圧密に よ る相 対 沈 下 δ の変 化は小 さい の で,
施 工 期 間 中のみを解析す ることで建物 の相 対 沈 下を推 定す る こ と が十 分 可 能であ る と 考え る。
§3.
解 析モデル による計算結果の考察 施工進 展に関 するd
モデル が沈 下 過 程 解析に適してい る ことを前 節で述べ た。
そこで本 節では,
前節のd
モデ ル の解 析 結 果お よび新た に計算し た建 物の隣 棟 間 隔と軟 弱 層 厚 を変 化さ せ た場 合のd
モ デルの解 析結果につ い て 考 察 を行う。
3.
1 建 物 平 面 形 状お よび基 礎 形 式の影 響 1> 地 盤 内変 位 分 布 図一
8は,
建 物の平 面 形 状と その支 持形 式 を 異にす る 4系 列につ い て,
建 物の施 工 期 間 中お よび竣 工 後の地 盤 内変位をベ ク トル表 示し たもの で ある。 図 中に細 線で示 し た施工期間中の 変位方向は,
建 物 中 央 付 近で は鉛 直 下 向き,
建 物 端 部で は水 平 向き と な り,
建 物 外 側か ら離れ る にっ れ て鉛直上向き と な る 。 直接 基 礎 形 式の場 合, 最 大 水 平 変 位は建 物 端 部のGL −
5 m− GL −
10 m 付 近に発[ 里
一
Y・}色/ 6
.
6 [ 萬♂
能 Xo Xl〆
Xo X: X2 Xs x4 図一
9 海 わ 【LP−
d 翫♂
兔!
Xo Xl−一
一 一
一
2F 基 礎 囲 数 値は基 礎の値 Xi x3 X4 3,
7 3.
5 各 階の相 対 沈下 分 布 (竣工 時) 4 (ont) 生し, その位 置よ り建 物の外 側 や 深 さ方 向に遠 ざか るに つ れて変 位は減 少 する傾 向が あ る。
これに対 して,
摩擦 杭 基 礎 形 式の場 合,
水 平 変 位の最 大 値は杭 先 端よりも5 m 程 度 深い位 置に生 じ,
その 値は直 接 基 礎 形 式の場合 より も 小 さい。 ま た,
摩 擦 杭は杭が設 置 さ れ てい る GL−
25 m 以 浅の地 盤の非排 水 せ ん 断変形 を 大幅に減 少 さ せ る作 用を す るこ と が分る。
した がっ て, 表 層 付 近に 軟 弱な粘 性 土が 分布す る 場合に は,
摩 擦 杭 を用い る こと に よっ て,
その領 域の非排 水せ ん断 変形 をか な り抑 制で き る もの と 思わ れ る。
な お, 非 排 水せ ん断 変 形は建 物の 平面形状が正方形のS
タイ プよ りも長 方 形のL
タ イブの 方が,
深 部におい て大 きい。
この ような施工期 間 中の変位に対 して, 図中に太 線で 示し たの は,
過剰間 隙水圧 の消散に伴っ て発生す る竣 工 後の圧密 変 位で あ る が,
鉛 直 変 位成 分 が 大部分 を占めて おり,
水 平 変 位 成 分は建 物の 中央へ 向か う傾向がある。
ま た,
同一
平 面 内の竣工後の沈下 量に はそ れ程 差がみ ら れ ず,
特に,
摩 擦 杭 基 礎形 式の場合に は,
竣工時 点の地 表面 沈 下の分布 形 状を保ち ながら圧密 沈 下す る傾 向が 強 い。「
上記の非 排 水せ ん断 変 形と圧 密 変 形を加え た全変形 は, 終 局 時に は建 物か ら外 側 方 向に離れる に した がい急 激に小さ く なる。 し か し,
そ れ に至る過 程で は,
大き な 地 盤変位が生じ て い る こ と に着目 する必 要が ある。 例え ば, 構 造 物の建 設に伴う隣 接 構 造 物へ の影 響を検 討す る 際に は,
こ こ に述べ た非 排 水せ ん 断 変 形 と圧 密 変 形の両 者につ いて で き る だ け正 確に予測して, それ に基づい て 対策を施すことが重 要 となろ う。 2 ) 各 階の相 対 沈 下 分 布 図一9
は, 隅角 部の沈 下量 を基準に して, 竣工時の各 階ご との相対 沈下 δ 分布 を描いた もの である。
ただし,
いずれの値も表一
3のd
モ デル と 同様,
部 材 応 力に無 関 係な コ ン クリー
ト打 設 時に生 ずる そ の階の沈 下 量は含ま れ て い な い。 し た がっ て,
屋上階RF
の 相 対 沈 下 量 δ は竣工時に は 0・
とな る。
また,
2F お よ び3F の δ は,
基 礎の値に比べ て それぞれ O.
3〜
O,
6倍お よ び0.
1〜
O.
3 倍にな る。 こ の ように,
δが 上階へ 行く程 小さ く な る傾 向は,
建物の平 面形状を異にす る もの ではS
タイ プの方 がL
タ イプよ り も大き く,
支持 形 式 を異にす るもの で はM
タイ プの方がP
タイ ブよ りも大きい。 上部 構 造 全 体の 剛 性は S タイ プの方がL タイ プよ りも大きいと考えられ る こと,
杭を含め た地 盤の見 掛けの剛性によっ て地下 部 分の剛 性はP
タ イプの方 がM
タ イプよりも大 きい と考え られ る ことか ら,
地下部分 に対する上 部 構 造の剛 性 比が 大き い場 合 程, 相 対 沈 下量 δ の各 階の差 が 大 き く なる といえ る。SM −d
お よ び SP−d
にっ い て,
中 央 部と 辺部の相対沈 下 量 δ(X
。− X
,間)を 比 較 すると,M
。断 面の値が最 大 にな り,Y
,断 面,
Y
,断面と外 側に行くにつ れ て順 次 δ が小さ く な る。
そ れ に対 し て,LM −d
お よびLP −d
の 長 辺方 向の δ(X,〜
X,間)は,
Y,断 面と y、断 面で大き な差は無い。
短辺方 向の δ(Y
。〜
Yi
間 )は, 辺 部の X. 断 面 を除く x。〜X3
断 面の値がお互いに近 似 し てい る。・
各 断 面で隣 接す る柱間の変 形 角 θ(柱 間の相 対 沈 下 量 をス パ ンで除し た もの )を求め て み る と, その値は端 部 ス パ ン に近づ く程大き く な る。Y
。断面の端 部スパ ンの 基 礎ばり に生 ず る最大値 輪 . (rad )は,
各系列で そ れ ぞ れSM −d
:4.
5
×10
−
3,
LM −d
:4.
8
×10
−
3,SP −d
:一
67
一
2.7
×10
』
3,LP −d
:2.6
×10
−
3と なっ て, 摩 擦 杭 基 礎 形 式の 偏 x は直接 基 礎 形 式の そ れの60
%程 度と な るがt 建 物の平 面 形状によ る差は小さい。
次に, 隣接す るスパ ンの変形 角の差 △θを各柱位 置ご とに求めてみ る と,
建物の剛 性が あ る程 度 大き く なっ た 時点で施 工 さ れ る 上 階 程,
中 央 部の値 が 端 部のそれ よ り もい く ぶ ん大き く な る傾 向が み ら れ る。
3,
2 隣 棟 間 隔の影 響 建 物の隣 棟間 隔 を 図一
4の よ うに設定 し た場 合につ い てこれ ま で考 察 し て き た が, こ こではSM
系 列 を用い て建 物の沈 下 分 布におよぼす 隣棟 間 隔の影 響につ い て検 討する。
比 較し た モデル は,
下 記の〜
シ リー
ズで あ り,
隣 棟 間 隔 雄,
lyを 図一
10の よ うに建 物 幅Bの O−
4倍まで変 化さ せ た。 な お,
鉛 直 方 向要 素 分 割は基 本モ デル とし た図一
4と同様で あ る。 シリー
ズ :y方 向が基 本モ デル の分 割で,
x 方 向 を 図一
10の よ うに変 化させ た場 合 シ リー
ズ :x 方 向 が基 本モデルの分 割で,
y方 向 を 図一
10の ように 変化さ せ た場 合 ◎シ リー
ズ :x 方 向お よびy方 向 を 図一10
の よ うに 変化 させ た場合 図一
11は,
図一
10 点の絶対沈 下di
WA お よび 同図 ◎ 間の相 対 沈 下 量 δ.c を プロ、
ッ トした もの で ある。 ただ し,
これ らの値は柱・
はり の付 加 応 力に関 与す るもの で あっ て,
基 礎 施工時に生ずるた わみ性 荷 重で の即時 沈 下 量 を原 点に して求め た基 礎 位 置の 沈 下 量で あ る。 これに よ る と,
終 局 時の絶 対 沈 下 ZVAは隣 棟 間 隔の増 加に伴っ て急 激 に小さ く な る が,
隣 棟 間 隔が 建物幅の 1.
5倍 (基 本モ デル (IVD
以上 にな る と,
各シ リー
ズ の ZVA が ほ ぼ一
定 値 を示 す。
そ れ に対して,
竣工時の tVA は隣 棟 間 隔の増 加に伴っ て大き くな る傾 向が あり, それ は建 物 幅の 3倍 程 度の隣 棟 間 隔 までお よん でい る。 の シ リー
ズのlx=ty=
0の モ デル で は,一
次 元 圧 密 状 態とな る ため 即時 沈 下は生じ な いが,
隣 棟 間 隔が大き く な る と,
周 辺 地 盤に盛り上りが発 生して,
建 物には地 盤 の せ ん断変形に起因 す る 沈下が生じ ること に な る。
次に,
相 対 沈 下 δAC につ い て比較す る と,
竣 工 時 お よ び 終 局時 と もに水平方向要素分割 (iv
>〜
(vii)の モ デル が ほ と ん ど 同じ δAC と な り, 終 局 時の ω^と同 様の傾 向 を示す。
ま た,
◎シ リー
ズの crACにあま り変 化が無く,
シリー
ズ と◎シリー
ズ がほ ぼ近 似し た値 を示すことか ら, 相 対 沈 下 を求め よ う と す る場 合, その断 面に直 交す る方 向の 隣 棟間 隔の影 響は小さい とい え る。
以上の よ うに,
隣棟間 隔のか な り小さい場 合お よび竣 工時の絶 対 沈下量 を 求め る場 合 を除けば,
隣 棟 間 隔 が 沈 下に お よ ぼ す影 響は極めて 小さい こと が明ら かに なっ た。 し た がっ て,
隣棟 間 隔が広く地 盤が水 平に無 限に広 が る よ う な 場合に も,
(iv
)の要 素分割す な わ ち 図一
4 尾−
壟
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6 ク ク 〃 〃 61
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屯
0 20 04”
(
§)
遷 60 紹 80 100 図一
10 水平方 向 要 素分割 (単位 :m ) 隣 棟 間 隔 血,4y (単位 :建物 幅 B} 00.
51 上.
52 3 40 1 2重
3 り 4 5 120 6 〔 i ) ( li ) ( 通 ) : iv ) ( V ) ( vi ) ( vli ) 水 平 方 向の分 割 方 式 図一
11 絶 対 沈 下 量・
相 対 沈 下 量と隣 棟 間 隔の関係 010 邉 ユ0 : §
)
20葦
囓30
襖 40 50 軟弱層厚 H (7π ) 2030
4050 0 2 蝋 芸 送り
4
0 国 吾8
・磨
、霧
10 図一
12 絶 対沈下量・
相対沈下量 と軟弱 層 厚の閧 係の解 析 領 域で
,
相対 沈 下や終局 時の絶 対 沈 下 を十 分に推 定でき る もの と考え る。
な お,SP ,
LM , LP 系 列につ い て もSM
系 列と同 様に して解 析し た が,
絶 対 沈 下および 相 対 沈 下の傾 向は 上 記のSM
系 列の場 合とほ ぼ同 様であっ た。
3,
3 軟 弱 層 厚の影 響 直 接 基 礎 形 式で あ るSM
系 列およびLM
系 列を用い て,
建物の沈 下 分布にお よぼす軟 弱 層 厚H の影 響につ い て検 討す る。 軟 弱 層 厚はH=
10m〜
50m の 5種 類であ る。 H=
・
IOm の場 合の鉛 直 方 向 要 素 辺 長は10/3m と し たが,H =
20〜
50m の場合の それはすべて 5m であ る。
水平 方 向の要素分割は すべ て図一
4 と同 様であ る。
図一12
は,
建物 中 央 部の絶 対 沈 下 量 WA お よ び建 物中 央 部と辺 部の相対 沈 下量 δ (δ、c :SM
系列,
δ。E:LM
系 列 )を,
竣工時と終 局 時の基 礎 位 置につ い てプロ ッ ト し たもの である。た だ し,
これらの値は図一
11と同 様に,
基 礎 施工時 点 直 後を原 点に とっ た沈 下 量である。
それに よ る と,
竣工 時 お よ び 終 局 時の ωA は 軟 弱 層厚H
が 大 き く な るの につ れてそ増 加す る。
た だ し,
非 排 水せ ん断変 形によ る沈 下は そ れ程 深部まで お よばない傾 向 が あり, 竣 工 時に お いて は H が増 大する割に は,
WA の増 加は大 き く な ら ない。
相 対 沈 下 量 δ は,
竣 工 時 お よび終 局 時ともに軟 弱 層 厚の増 大に伴っ てある値に収 束する傾 向が ある。 特に,
SM
系 列で は H−
30 m 以 上に な る と δがほ ぼ一
定 値を 示し,
竣工時と終 局 時の差 もほ と ん ど生じ ない。 §4、
まとめ 本 報の検 討 結 果 を とりま とめ る と次の よ うにな る。 建 物に生 ずる相 対 沈 下 量は,
施 工 期 間 中の地 盤の 非 排 水せ ん断 変 形による もの が大 部分 であり,
施工期 間 中お よび竣 工 後の地 盤の圧 密によ る もの は極めて小さ い 。 し たがっ で,
沈 下 過 程 解 析に際し て は施工期 間 中 の建 物の剛 性 変 化 を計 算に盛り込む必 要が あるが,
略算 的に はコ ンク リー
ト打設 時の剛性を0
と し て, 次段階の 施工時に所 定の剛性を発現 す る と仮 定す る方 法によっ て,RC
構 造物の相対沈 下を効率的に解析で き る。
性 質の異な る非 排 水せ ん断 変 形と圧 密 変 形によっ て,
本報で想 定し た隣 棟 間 隔の場 合,
隣 接す る建 物 間の中
央 付 近の地 盤で も終局に至る ま で に大き な変位を経験 す る。
ただし, 摩 擦 杭 を用いること に よっ て表層部の変 位を大幅に抑 制で き る。
建 物に生 ずる相 対 沈 下は施工段 階の遅い上階 程 小 さ く な る。
摩 擦 杭 基礎形式に よ る相対沈下量 は直接 基礎 形 式のそ れの60
% 程 度 とな るが,
相対 沈 下の分布 形 状 は近似してい る。 各柱間の変形角の最大 値は建 物の端部 スパ ン に生じ, 建 物の平 面 形 状に かか わ り な く ほ ぼ 同様 の値 を示す。
竣一
T.
時の 建 物の絶 対 沈 下 量は隣 棟間 隔の増 大に 伴っ てい くぶん 増 加するが, 終 局 時の建 物の絶 対 沈 下 量 や竣工時および終 局 時の建 物の相 対 沈 下 量につ い て は隣 棟 間 隔の影 響が極めて小さい。
建 物の絶 対 沈 下 量お よび相 対 沈 下 量は軟 弱 層 厚が 大 きく な るにつれて増 加す る。
ただし,
竣 工 時の建 物の 絶対 沈 下量 や竣工時お よび終局時の 建物の相対沈 下量 は,軟 弱層の増 大に伴っ て あ る値に収 束す る傾向が あ る。
計 算は すべ て北 大 大 型 計 算 機セ ン ター
のHITAC −M −
280H によっ て行っ た。
謝 辞 本 研 究の一
部は竹 中 育 英 会 建 築 研 究 助 成 金により行っ たもの である。 また,
本 報は内 田 哲 也 氏 (昭 和60年 度 室 工大 修士論 文 ),
小 林 公 樹 氏,
鈴 木 宏 氏 (昭 和59年 度 同 卒 業 論 文 ),
上島 優 紀 氏 (昭 和 60年 度 同 卒 業 論 文 ) らの御 助 力に よ る ところ が多い こ と を記して,
こ こ に 深 く感 謝 申し上 げま す。
参 考 文 献 1) 土屋 勉,
大築和 夫,
小幡 守:軟弱 地 盤に お け る建築 構造物の即時沈 下お よび圧密沈 下の三次 元有限要 素法解 析,
日本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集 第361号,
pp.
123−
131,
1986,
3 Z) 土屋 勉,
内田哲 也,
大 築 和 夫,
小 幡 守 :有限要 素 法 に よ る粘 性 土 地 盤に載る建 築 構 造 物の沈 下 過 程 解 析その 2,
日本 建築学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概集,pp.
2471−
2472,
19843 )土 屋 勉,
内田哲 也,
大築和 夫 :施工進展 を考 慮し た有 限要 素 法による直 接 基 礎 建 物の沈下過 程 解 析,
日本 建 築 学会大会学 術 講演梗概集,
pp.
1077−
1078,
1985一
69
一
SYNOPSIS
UPC 624.131.ss:624.131.54
AN
ANALYSIS
ON
THE
SETTLEMENT
PROCESS
OF
STRUCTURES
CONSIDERING
THE
PROGRESS
OF
CONSTRUCTION
Three-dimensional
finite
element analysis of the shear settlements and theconsolidation settlements of
frame
struetures onpoor
grounds
(
ll
)
byTSUTOMU TSUCH[YA, Assec.Pref.of
Muroran
Inst.of Tech,,Dr.KAZUO OHTSUKI, Prof.of MuroranInst.
of Tech. and Dr. MAMORU OBATA, Pref. of Hokkaido Univ.
.
Mernbersof A.I.J.
This
paperis
the second reportin
a series of studies on the settlement process offrame
structures on poorgrounds,
A three-dimensionalfinite
element method to analyze the structure-foundation-soils interactionhas
alreadybeen
described
in
the previouspaper.
In
thispaper, wehaye
proved thatalarge
amount ofdifferential
settlements aie causedby
the shear settle-ments that occur insoilsduring
¢onstruction efbuildings,
Based on thisresults, wehave
presentedan analytical model to represent approximately the progressof construction of R,C,
frame
structures.
And
further,
wehave
analyzed the settlement process of structuresduring
and subsequent to constructionby
thefinite
elernent methocl using this model. Thefactors
involved are plan of structllres(square
t.ypeanclrec-tangulartype),sort of
foundation
{raft
andfriction
piles),horizontal
extent anddepth
of poor grounds.
The
principalresults are summarized asfollows
:1)
The
relativedefleetions
experiencedby
stiuctural members vary withlocation
andlevel
inthe building.Z)
Although
themodes ofdifferential
settlements of structuresfounded
on thefriction
pilesare similar to thosefounded
on the raft, the magnitudes of theformer
areless
than those of thelatter.