茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)67−86 67
イギリスにおける教育課程の研究と開発
Schools Counci1研究ノート
谷 。 琢 勇
(1981年10月15日受理)
The Curriculum Research and Development in England:
ANote for the Study on the Schools Council
*
sakuo TANIGucHI
(Received October 15,1981)
最近のイギリスにおける教科課程問題は大きくわけて2つあるように思う。1つは教育課程の 共通化問題である。1981年3月,教育科学省が発表した「学校の教育課程」 ( 71加30加01
C解7蜘伽〃2) は学校の教育目的と共通必須な教科領域を明示し,各学校や地方教科当局がそ れそれの役割と権限を行使するさいの標準もしくは目安を提供しようと試みている。前年に提出
された「協議文書」 ( Consultative Document )である「学校の教育課程のための枠組」
(AFramezv・rk f・r the Sch・・10%77幽伽 .)の共通必須教科領域の時間配当比率案の 明示が不評を買ったため,最終稿では時間配当などが削除された。そのように緩やかな標準の提 示であっても,これを期として今後とも理論と実際の両面にわたって,共通教育課程や教育課程
共通化をめぐる論義が展開することが予想される。
もう1つのものは教育課程の研究・開発の問題である。1980年代は「教育上の縮小」(Educationa1
Contraction)の時代と評され,それと関連して「ナショナルレベルのプロジェクトによる教育 課程開発の時代は終えんを迎えた」とも言われている。今後は地方レベルの教育課程開発,とく に学校レベルの( School based )教育課程開発に焦点が移されることになろう,といわれ ている。60〜70年代のNational projectsの大部分のものをまかなって来たSchools Counci1も1978年以降方針の転換を試み続けている。
イギリスにおける教育課程研究・開発は比較的遅れをとり,その初期には理論的,実践的にア メリカから多くを学んだと言われたが,20年来の経験の中からいくつかのイギリス的特色をもつ ものが生み出され,今やその成果や業績を整理把握し,新たな展望の中に収めようとする試みが
みられるようになった。
この論稿の意図するところは,イギリスにおける教育課程の研究・開発の業績と成果の概観に つとめ,今後の問題の展開の理解に資することにある。イギリスにおける教育課程行政のしくみ はわが国におけるそれと異なって,外部公的試験制度の存在と教職の自律性の原理の社会的承認
を特色とする。地方分権的教育課程行政のしくみとなっている。それ自体は今後のわが国の教育課
*茨城大学教育学部教育学研究室
68 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
程行政のありかたを問うさいの1つの重要な材料となろうが,当面する教育課程問題を堀りさげ てみると,しくみの差異にか\わらず意外に問題の根底に働く共通的側面を認めるに至ったり,
逆に共通的側面への接近における差異性を改めてみとめることがあったりする。いずれにしても
教育課程問題の一面的把握がもつ欠陥の反省材料として生かすことができると思われる。そのよ 魑
1)
、な点を意識しておきたい。
@ } 1.Schoo18 Counci1と教育課程開発プロジェクト
1)多彩な教育課程の研究と開発の担い手
Schools Counci1がナショナル・レベルの教育課程研究の開発のための唯一のナショナルな機
関であることは周知のことであるが,教育課程研究と開発の担い手はもっと多元的に拡散して存在し,また
そのように意識され把握されているところがイギリス的特徴でもある。たとえばTaylor,P,H とRichards,Cは図1に示すように「主要な役割がカリキュラム研究。開発であるもの」 「カリ キュラム研究・開発がいくつかの重要な関心の1つであるもの」に分けて数多くの推進者・推進轡
@関を列挙している。Schools Cour℃i1とその先駆的存在であった
全国的(natlon田) 地域的(reglona1)地方的(】ocaD
スクールズ・カウンソル ティチャーズ・センター(Teachers
Nuffield財団についてはあとで触れることにしカリキュラム (翫hools Councd) Centres)
開発がその主 カリキュラム開発担当官(Gurnculum
て,若干のものを図1の中からとりあげてみて要な機能又は Developmeηt offloers)
役割である推 カリキュラム・コーディ不一タ おきたい。
進者と惟進機
ヨ
(Curncuium ooordl凹tors)
w校の助吾委員会(School ad・ まず教育科学省(Department of Education
Vlsory comm聰ttee)
ナンフィールド財団(Nu∬leld 地力視学(Loca[msp氏tors)
&Scie㏄e)であるが,わが国の文部省のごとFoundaUon)
p国放送(B.B£)民間放送(IBA)
地力助日者(Local adVlsers)
w校教織員(School Staffs) く学校教育法施行規則制定権(教科関連事項),
《学(Um versltles) 特定の目的のための教師団体 「学習指導要領」 (教育課程の国家基準)制定,
勅任視学者(H.M.1) (Ad h㏄teacher groups)
カリキニラム 教育科学省(脱partment of 教員養成カレノジ(Colleges f。r
教科書検定などの教育課程に関する直接的な権開発がいくつ Ed㎜にIon&SCI㎝cε) tralm1㎎teache聡)
かの重要な関 専門的団体(Prote駆10nai 教師個々人(11皿1Vldua旦
限の行使は一切行なっていないのは周知のこと心事のうちの Orgm幽t■on) 吐eachers)
一つである推 教員組合(N.UT)
であり,したがって教育科学省の役割は助言指進者と推逸機 教科団体(sub】凹I ass㏄1atgon)
関 試験団体(Exam且1旧uon boards 導的なもので,たとえば, 「ミドル・スクール
GCE9,CSE M)
中央教育響議会(Cen巴ra1
への傾向」 (DES, 7bωσ毎伽 M彪4なAdvlsory CourEll br Educatlon
送ァ教育財団(Natlor旧1 Fou岡・
ε帥α)!,MMSO,1970)や「新しい学校地理at鷺on for Edロatlo囮且Research の考え方」 (DES, 亙θz〃7「伽々勿gゴπ&物o!
Taylor,P Har岨R■chards,C 1濯704駕 Io躍 σ C紹7月 郎 郎鷹 3 擢∫躍5,
(NFER,1g7g欄より(_鱗成) Gθ087σρ勿,HM SO,1972)などの出版物をシ 図1 教育課程研究・開発の担い手(推進および リーズとして提供し,教育課程開発に影響を及
推進機関) ぼしている。冒頭でとりあげた「学校の教育課
程」(DES, τ加3漉ool Co〃zo〃%〃2 HMSO,
1981)は上記出版物と若干性格を異にするが,教育課程の標準的なものを提示し,各学校にお ける教育課程計画と地方教育当局の教育課程行政における緩かな指針(ガイド・ライン)の意味
2)
もつ(学校教育課程の編成への影響力を持つことも当然である)。勅任視学官(Her Majestic,Insp㏄tors)は誇り高き専門的独立団体として,すべての学校を訪問し,定期的に学校調査を行
い,地方教育当局の境界を超えて情報を伝達し思考の交流をはかるうえで専門的助言と指導を行うのが,1976年以降の「教育大論争」以降の追跡調査等その活動に目覚しいものがあり,教育科
谷口:イギリスにおける教育課程の研究と開発 69
学省の招請に応じて作成した「教育課程についての一見解」(HMI, 、4 Wθωげ訪θ
Cπ77ゴo〃π〃2 ,1981,HMSO)は学校における教育課程計画に示唆に豊む提言を行い好評を得S。
つぎに中央教育審議会(Central Advisory Coundl for Education)をとりあげてみよう。
「15〜18歳」を扱った1959年のCrowther Report,「われわれの未来の半分」 (1幼0π7 E麗%7θ )をとりあげた63年のNewsom Report,「子どもたちとその小学校」 (0躍C々〃4一
7碑朋4地6〃P7伽α7ッεo〃oo13 )を提案した67年のPlowden Reportなどはそれぞれの部
門の概観や現状の把握と評価,既に発展している考え方や実践の結晶化などによって教育課程の論義に寄与した。たとえばNewsom CourseやNewson curriculumという言葉が通用するほ
どに教育課程の開発に影響を及ぼしている。Plowden ReportはInformal educationを促進
し「小学校の革命」と呼ばせるような教育課程や方法の変化に影響を及ぽした。わが国の中央教 育審議会の答申がすぐれて制度政策構想の提示にとゴまり,教育課程の論義を一定の説得力を伴うしかたで刺激することが少なかったことは対照的である。
試験団体当局(Examining Boards)は毎年G.C.E.試験やC.S.E.試験を実施し,大学入学 資格,その他の資格の取得条件を付与しているので,学校の教育課程に大きな影響力を持ってい
る。イギリスにおける教育課程開発の成功のための必要条件の一つに試験団体当局への働きかけ と説得があげられる位である。試験団体は現状維持に加担しているという評もあるが積極的に対 応した事実もある。あるものは新しいsubj㏄tの導入にイニシャチブをとった。たとえばgenera1
studiesや心理学, social biologyなどを試験科目に繰り入れたものがあった。またC.S.E.
やG.C.E.のMode皿の出題や採点を学校に委ねる方式における評価方法の改訂や考案にも比較 4)
I積極的な姿勢をとっている。
放送メデアや商業的出版社の果して硫る役割などにも注目している点はわが国の教育課程研究
にとっても示唆的である。イギリスのB.B.C.や1.B.A.の番組はわが国のテレビ局の提供する番 組数と比較してはるかに少ない。しかしたとえばB.B.C.の「学校における低学年」 ( Early
year at School)や「同中学年」 (Middle year at School )やNursury Education 関係の番組など教育課程の開発の成果としてあげられている。商業的出版社の役割は非常に重要 だけれども悪意を以て無視されるところがあるといわれるが,たとえばNuf丘eld財団やSchoolsCouncilの教育課程開発プロジェクト・チームに協力して教材,教具のpackageの作成 に当った出版者や教科書の自由発行・自由採択の制度のもとで特定教科書ないしは教科目の
教科書(および教具を含あた教材pack)作成を㍗めざしプロジェクト・チームを編成し独自の方針で作業をす\める出版社などが数多く存在する。各地(L.E.A.所在地周辺)の(Educatiorト
al)Resources Centelsに1まこれらの教材packを陳列した開架図書室が整備されている。地方レベルでは,Teachers℃entresの役割と機能を見落すことはできないが,これはSchools Counilと一緒にとりあげたい。 Local insp㏄torやLocal adviserは今日では視察的機能より は助言的役割を重視する傾向が増大し,改革の支持者として,教育課程の特定領域の専門家とし て,現職教育の組織者として活動し,地方における教育課程の開発における指導的役割の遂行や 学校における新しい教育課程の提案の手助けをすることのできる専門家としての自己認識を行っ
ている。
70 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
2)Nuffield財団とschools counci1
スプートニック・ショックに端を発した組織的な教育課程開発はイギリスでは60年代初期に開 始された。アメリカにおけるFord財団の教育内容現代化運動に対する財政援助に対応するもの
は,Nuffield財団のそれであった。同財国は社会福祉事業を主内容とする4つの活動の柱をたて
一
S3年に発足した。その中に教育の向上のための活動が含まれ,62年以降初等中等教育の教育課程,
就中科学教育に重点を置き,ついで数学,現代語,学習資材などに関する15の教育課程開発プロ
ジェクトの活動をまかなった。
Nuffieldプロジェクトは,アメリカの「現代化」プロジェクトに範をとったといわれるが,相 違点はそのイニシアチブとリーダーシップが大学からと同様,学校教師からも出て来たといわれ る点である。「学校教育プロジェクト」( The School Math㎝atics Proj㏄t )の場合,
アメリカでは大学の数学者がイニシアチブをとり,そのリーダーシップのもとで学校の数学教師 がこれに協力したという図式をとることができるとすれば,イギリスでは大学と学校の数学者の グループによって推進されたという図式を想起することができる,といわれた。初期の教育課程 の開発が主として「パブリック・スクール」のエリート教師たちによって推進されたということ とも関連すると思われるが,イギリスでは大学教師と学校教師が学問上共通関心分野を持ち合わ
せたといわれる。 「科学教育プロジェクト」 ( Science Teaching Proj㏄ts )でも教科教師協
会中最大の力を誇る科学教育協会(科学教師協会と婦人科学教師協会が62年合併して成立)からプロジェクト・チームが編成され,CambridgeやLondonの大学から指導者を得たが,「鍵的 5)
割」を果したのはむしろチーム・メンバーであった,といわれている。科学教師協会はSnow,C.P.の「二つの文化」 ( Two Culture )論の強い影響のもとでパブリック・スクールにお
ける科学教育の地位向上の願望を表明していたが,この願望が科学教育の教育課程開発の原動力 となったといわれる。科学教育プロジェクト・チームは最初G.C.E.試験,0レベルの物理,化 学,生物の検討から入ったが,のち年令,能力のレベルに対応する諸コースの開発につとめた。そのさい教科の構造第一主義から子どもの思考方法重視への転換がはかられたが,その転換はプ ロジェクト・チームの教授経験の反省から生まれたものである。科学教育協会はG.C.E.試験0 レベルのシラバスの検討を続行していたが,プロジェクト・チームは作業を開始すると同時にG CE.試験団体との接触をはかり,プロジェクトに対応する新しい形式の試験シラバスの開発を 求めた。Nu缶eld Sciencesは学校の約半数が使用したといわれるが,その普及率はアメリカの 教育内容現代化のいずれの例よりも高い。その秘密も上記特徴と関連しているとみられる。
Nuffield proj㏄tsの成功をみて同財団関係者は教育科学省を説いて省内に教育課程グループ
N蜘1、 h讐 c㎞醐 ll翻ジ\ Councilの誕生と結びつくこととなった。 Schoo B
Jumo r Scler㍑ Nuffleld A Ieve且 Nuff!dd
?T㌶::艶課奪芝狸財麟灘繍
馳襯,一、3 翫㎞1、伽。q・ (1971) 等中等教育課程の研究・開発課題から手を引き,
(1972) Intq匡rated Sqer㏄ 6)
(1彌 高等教育問題に関心を移行させた。たとえば,科
MacDonald,Ba記Walker,R, C舶㎎貫躍8 躯C4川c曜翼隅(Open Books,
1976P85より
@ 学教育についてのNuf丘eldプロジェクトとSchoo ls 図2 NuffieldプロジェクトとSchools Councilのプロジェクトの関連は図2のごとくでCouncilのプロジェクトの関連 ある。
一科学教育プロジェクトのばあい一
@ Schools Councilの正式の名称はthe Schools谷口:イギリスにおける教育課程の研究と開発 71
Council for Curricul㎜and Examimtionで64年設立をみた。その設立の過程は特殊なイギリ ス的事情を反映している。アメリカをはじめとする各国の教育課程改革の動向に対応する必要か
ら,より直接的には新しい中等教育修了資格試験(C.S.E.,Certification of S㏄ondary
Education)の導入を目前にひかえ,試験シラバスの前提となる中等教育課程の研究・開発を必 要とする理由から教育省内に教育課程研究グループが結成された。教育課程という学校と教師の「秘密の庭」 (Eccel)への中央政府の踏込みによる統制を恐れた教師団体と地方教育当局が協 同してこれに反対した。63年Sir Lockwoodを議長とするworki㎎partyは教育省の付加物で
はない財政と権限において独立した団体としてSchools Councilの設立を提案した。この提案にもとついてSchools Councilは従来の中等学校資格試験審議会(S.S.E.C.)の仕事とともに,教 育課程研究グループ(C.S.G.)の仕事を引継ぐものとして発足した。
SchooIs Comcilの基本的原理はCaston, Jによれば,多元主義(pluralism)と専門主義(pr(》
fessionalism)であるという。多元主義とは教育活動自体が権限の集中になじまないことから「教
育における権限の分散」を意味し,専門主義とは教職の専門性と自律性を確保すべく,学校と教師に豊富な材料を提供しよき選択と判断を可能ならしめ,決して成果を強制するのではない専門 7)
的権威を志向するものである。その財政は教育科学者と地方教育当局が折半してまかない,その
組織は教師,地方教育当局,
Governi㎎Counc11 Flna縫㏄and
Convocatlon
H
ProfeSSIona1
Pr1。rlt1㏄ 教育科学省,勅命視学官など Commlttee
Pro91amme Commltt㏄ Commlttee
を代表する委員と研究者,産
A B C \ 業界,労組,父母などから選
Three Age Group Commlttee
Curnculum Comm正ttee
任された委員で構成され,各SubJ㏄t Committee
種委員会で教師代表委員が多
1)19η年以前(垂直的) 2)1978年以後(水平的) 数派を占めるよう配慮された。 」
L・wt・n, D,伽P・ ・ …げ伽3伽・1 c・〃・・〃・加(R・・t1・dg・,1980), p87 78年組織の見直しが行われ,
図3 1978年以前と以後のschools Councilの委員会の構造の変化 社会的諸変化に柔軟に対処し うるよう委員会の構造を垂直
的なものから水平的なものへと転換させた。「財政と優先順位委員会」においては教師多数派の 原則が修正され,教育科学者,地方数育当局,教師代表各%ずつの構成比となった。Schools Counci1の任務はその名称に示されているように,教育課程の研究と開発ならびに試 験制度の監視と改革の勧告であった。比較的初期に確立した優先リストによると,{1》初等教育
課程,(2)早期離学者のための教育課程,(3)第6学年級,(4)英語プログラム,(5)G.C.E.
C.S.E.,(6)その他の方針が立てられ,教育課程の研究・開発は表1に示すように160以上(79
年現在)のプロジェクト成果を教えるに至り,教育課程のほゴ全領域を包摂するまでになっている。したがって現段階は特殊教育,乳幼児教育などの包摂におけるギャップを補填する課題に力
が向けられている。前年の組織改編を経て,79年には「原理とプログラム」( schools counci1
Principle and Programmes )を発表して活動方針の転換をはかった。それによると,(11学 校の目的と計画,(2)教師個々人の援助,㈲ 変化する世界に向けての教育課程開発一基礎的技
能の開発と学校後生活の準備,(4)生徒個々人一要求の確認,問題への対処,困難の処理,(5)
9)
詞ア制度の改善である。
初期のSchools Counci1のプロジェクトはNuffieldプロジェクトのスタイルを踏襲した。同 時に地方レベルの機関との連携においてもNuffieldプロジェクトから引継ぐところがあった。
72 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
印
seachers Centresがその例であるが,数学や科学のプロジェクトの時期に発展をみせていたが Schools Counci1の着目するところとなり,これに支持されて全国的なネット・ワークを形成す るに至った。Teachers CentresはSchools Counci1と学校の間にあって一種の「中間拠点」
のごとき機能を持ち,(1)ナショナル・プロジェクトを支援する地方的活動,② 現職教育の活
動,③ 地方の教育課程開発の推進など,の活動を展開している。今日,センター指導者ないしは 10)
センター長(Wa rden)の役割の重要性が明確に意識されてるに至っている。
表1.スクールズ・カウンシル・カリキュラム・プロジェクトー覧
教科分野 期 間 カリキュラム・プロジェクト名称 設 置 場 所 ディレクター
1971〜72 就学前の言葉プロジェクト(2〜5才) R リーヅ大学 Dr. Tough,J.
1973〜81 コミニケーション技能プロジェクト(3〜11才) T・R
!〃
1964〜71 言語と英語教育:入門期読み書きプロジェクト(5〜7才) ロンドン大学・ Halhday,M. A. K.
T・P・R ユニバーシティ ・カレッジ
1965〜68 ある自主評価(5〜8才) R マンチェスター大学 Warbarton F.他 1966〜71 移民の子どものための英語(5〜16才) T・P・R リーヅ大学 Ridge,J.
1967〜70 読みかた教育の方法における戦後の研究調査と実験の再検討 ロンドン大学・ D Arcy,P.
(5〜19才)R ゴールドスミス・カレッジ
1968〜73 読み手としての子ども(5〜19才) ブリストル大学 Mulford,J.
1969〜71 小学校における言葉の発達(5〜11才) R ロンドン大学・教育研究所 Rosen,G.
1967〜73 西インド諸島移民の子どもへの英語教育(7〜9才)T・P・R バーミンガム大学 Wight,J.
1973〜77 入門期読みかたの拡充(7〜9才) R マンチェスター大学 Booth, V S.
1968〜73 学校における子どもによる質疑と応答(8〜16才) R サウザムプトン大学 Robinson, W。 P.
1970〜72 ミドルスクール期における英語(8〜13才) R ロンドン大学・ Newsome, B、
英 語 ゴールドスミス。カレッジ
1969〜74 子どもの読書習慣(10〜16才) R シェフィールド大学 Whitehead,F。 S.
1973〜76 読みかたの効果的用法(10〜14才) R ノッチンガム大学 Lunzer, E.へ他 1964〜71 言語学と英語教育:使い言葉(11〜18才) T・R ロンドン大学・ Doughty, P,
ユニバーシティ・カレッジ
1966〜71 11〜18才の書き言葉(11〜18才) R ロンドン大学・教育研究所 Britton, J.N.
1967〜72 話しかた(11〜18才) R。X バーミンガム大学 Wilkinson,A. M.
1971〜76 11〜16才のカリキュラムにまたがる書きかた T ロンドン大学・教育研究所 Martin, N.
1977〜78 カリキュラムにまたがる言葉(11〜16才) R ラシェル・マクミラン Robertson,1.
ティーチーズ・センター
1978〜81 中等学校における学習のための読みかた(12〜15才) T・P ノッチンガム大学 Luロger,E. A.他 1975〜77 中等学校第3学年生徒の言葉の発達(13〜14才) R・L ウェストン・ティチーズ゜ Eggin,G.
センター
1975〜79 16〜19才の英語(16〜19才) T・R ブレトン・ホール教育カレ Dixon, J..
ッジ
1969〜71 小学校における宗教教育(5〜11才) R リーヅ大学 Jones,C. M.
1967〜71 環境学習(5〜13才) T・R・F カータフル教育カレッジ Harris,M.
1973〜79 小学校における宗教教育:開発プロジェクト(5〜11才) T・P ランカスター大学 Smart, N。
1976〜78 環境学習:追跡作業(5〜13才) T・L グェント高等教甫カレッジ Ybung, L A.他 1968〜70 8〜13才の社会科(8〜13才) R ロンドン大学・教育研究所 Lawton, D.
1970〜73 環境プロジェクト(8〜18才) T・P ニユーカスル大学 Colton, R. W.
1971〜81 8〜13才の歴史,地理および社会科学(場所,時間と社会) リヴァプール大学 Blyth, W.A. L.他
(11〜13才) T・P
五972〜78 8〜13才の道徳教育(出発編) T・P・R ケンブリッジ大学
Ingram,Dヒュージ・ホール
1968〜72 統合学習プロジェクト(11〜15才) T・P・R キール大学 Bolam, D.
人文科 1968〜71
P969〜73
社会的教育(11〜16才) 、 R
?刳w校における宗教教育(宗教への旅立ち)
ノッチンガム大学 宴塔Jスター大学
Davi es,H。
rmart,N.
(11〜16才)T・P・R
1967〜72 13〜16才の道徳教育(生活編) (13〜16才) T・P オックスフォード大学
Mcphai1,P1972〜80 13〜16才の歴史(13〜16才) T・P・R・F リーヅ大学 Shemilt, D.
1975〜78 政治教育プログラム(13〜19才) ロンドン大学・政治教育セ Petter,G.他 ンター
人文科カリキュラム・プロジェクト(14〜16才) T・P・R イースト アングリア大学 Stenhouse,L.
1:ll:誇
1970〜81 若い離学者のための地理(14〜16才) アヴェリ・ヒル教育カレッジ Higginbottom, T.
ll;1:1診 14〜18才の地理(14〜18才) T ブリストル大学α975まで)
梶[ヅ・ポリテクニックス
Tolley, H.(1975まで)
nrrelL K.
教育学部
谷口:イギリスにおける教育課程の研究と開発 73
教科分野 期 間 カリキュラム・プロジェクト名称 設 置 場 所 ディレクター
1968〜74 一般学習プロジェクト(15〜18才) T・P ヨーク大学 Smith, R.1.
人文科 1976〜82 16〜19才の地理(16〜19才) T・P・R ロンドン大学・教育研究所 Naish,M.
1964〜74 フランス語パイロット計画の評価(8〜16才) R 国立教育研究財団 BurstalL C.
1967〜68 8才からのフランス語(8〜11才) F (不 詳)
1966〜78 ケンブリッジ学校古典語プロジェクト(11〜16才) T・P ケンブリッジ大学・ブリス Morton, D.1.とForrest
外国語 トル・マシアス・カレッジ M.
1978〜79 現代外国語の学級試験一1年間パイロット研究(11〜14才) R ヨーク大学 Hawkins,E.W.
1963〜75 現代外国語プロジェクト(13〜16才) T・P ヨーク大学 Rix, D,
1972〜 第6学年級ロシア語(16〜18才) T・P アクラム第6学年級カレッジ Warner, B.
欝7警 自由動作/ミドルスクール期の体操教育(3〜13才) F Fraser,E.とMorley,
i.M。
1970〜83 幼ない子どもの音楽教育(音楽のための時期)(3〜11才) T レディング大学 Bentley, A.
1975〜76 5〜11才の演劇(5〜11才) R ハー gルプール・ティーチャ Stabler,T.
一ズセンター
1969〜72 美術・工芸教育(8〜13才) T ロンドン大学 Martin,ノし他
創造学習 ゴールドスミス・カレッジ
1974〜77 演劇教育(10〜16才) T・R・F 〃 McGregor, L 1970〜71 中等学校における体育(11〜18才) R セント・メリー教育カレッジ Kane,J. E.
1973〜80 中等学校カリキュラムにおける音楽(11〜18才) T・P ヨーク大学 Paynter, J.
1968〜72 芸術と青年期(13〜16才) R エグゼター大学 Cbx, P.
1968〜73 デザイン・工芸教育(13〜16才) T・P キール大学 Eg91eston, S. J.
1976〜79 美術と建築環境(16〜19才) タウン・カウンティ計画協会 Ward, C.
1974〜79 算数の早期経験(2〜5才) T・V ロンドン大学 Matthews,G.他 チェルシー・カレッジ
1964〜71 ナッフィールド数学(5〜13才) T・P ナッフィールド財団 Matthews,G.
1966〜70 ナッフィールド数学:個人評価テストの開発(5〜13才)R・X スイス教育科学研究所 Pauli,L.
1972〜75 小学校数学:評価研究(5〜11才) R レディング大学 Wringley,J.
1973〜77 ミドランド数学実験(5〜11才) T。P・L コヴェントリ・教育カレッジ Stokes, R.M.
1978〜80 数学における低学力者(5〜16才) R
正973〜77 数学のカリキュラム:批判的検討(11〜16才) R ノッチンガム大学 Armitage,J,V.
1975〜80 統計教育(11〜16才) T・P シェフイールド大学 Holmes, P.
正975〜77 バーミンガム数学構造化計画の自主評価(11〜15才) R バーミンガム。リアサイド Graham, C.
数 学
一、・スクール
1975〜77 ケント数学プロジェクト:学習のかなり遅れた生徒の教材 ウェスト・ケント・ティー Banks,B.
(11〜16才)T・P・L チャーズ・カレッジ
1978〜80 中等学校レベルの数学教育における電子計算機の使用 ダーラム・ニュー・カレッジ Langham, R.他
(11〜16才) T・P
1967〜72 多数派のための数学(13〜16才) T エグゼター大学 Floyd, P。
1971〜75 多数派のための数学内容プロジェクト(13〜16才) T・P 〃 Kaner,P.(74まで)
PassゲN.
1969〜78 第6学年級数学(応用数学)(16〜18才) T。P・R レディング大学 Ormell,C.P. ,
1971〜80 継続数学(16〜18才) T・P サセックス大学 Morris, R.W.
1978〜79 数学と若い入職者(16〜17才) R バス大学 Bailey, D.
1967〜75 5〜13才の科学(5〜13才) T・R ブリストル大学 Ennever,L.F.
1969〜71 子どもはその環境を探険する(5〜13才) F ビショップ・グロセテスト Howard,J.
。カレッジ
1969〜72 生物有機体の教育的使用(5〜18才) T・R ロンドン大学 チェルシー Kelly, P. J・
・カレッジ
1973〜77 科学学習における進歩(調和と不調和) (5〜13才ア T・V レディング大学 Harlen, W.
1978〜80 科学による学習:13〜15才の科学の普及と生徒用教材プロジェ ロンドン大学 Roy, R.
クト P ゴールドスミス。カレッジ
1968〜73 科学と数学の概念の発達(7〜12才) T・R・・X バンガー Rogers,J.
ユニバーシティ・カレッジ 1978〜80 科学教育のための意思決定の研究(9〜18才) R ノッチンガム大学 Hull, R.
科 学 1965〜69 ナッフィールド結合科学(11〜13才) T・P バーミンガム市教育カレッジ Elwell,M.J.
1967〜72 技術プロジェクト(11〜18才) T・P・R ロクバロー・教育カレッジ Harrison, G. B.
1975〜76 科学における独自学習(11〜18才) T・P・L レスター・カウンターソー Green, E. L.
プ・カレッジ
1975〜77 スウィンドン地区の科学における能力混合編成の経験 スウィンドン。カリキュラ Whitehead, J.
(11〜14才)T・P・L ム研究・開発センター
1965〜70 ナッフィールド中等科学(13〜16才) T。P・R ロンドン・チェルシー。カレッジ Misselbrook, H。
1969〜80 統合科学プロジェクト(パターンズ)(13〜16才) T・P・X 〃 Lyth, M.
1966〜69 科学学習における生徒の理解の測定(14〜16才) X サウザムプトン大学 wagner,F. W・
1966〜69 「科学への態度」尺度(14〜16才) X 国立教育研究財団 Shurn重k, L. S.
1970〜73 科学教育の方法評価(14〜16才) T・R レスター大学 Kerr, J.F.
Eg91 eston, J.F.
幽
74 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
教科分野 期 間 カリキュラム・プロジェクト名称 設 置 場 所 ディレクター
1975〜77 できない子どものための科学(開かれた科学)(14〜16才) バーミンガム・科学と教育 DarraH,F. L.
T・P・L センター
1976〜79 技術におけるモジュラー・コース(14〜16才) T・P・L スティーグネージ・ティー Pickup,R.他 チャーズ・センターとミド
ルセックス・ポリテクニッ タス,バス大学教育学部 科 学 1965〜70
P965〜69
ナ 上級生物科学(16〜18才) T・P 甥堵群チ・ルシー
@ 〃
Kelly, P,J.
boulson,E. H.
1965〜72 〃 Spice,J. E.
1966〜71 ド 上級物理学(16〜18才) T・P
〃Black, P. J.他 1969〜72 簡易科学コース(16〜18才) R サリー大学 Elton, L. R.B.
1970〜81 工学(16〜18才) T・P ラークバラー大学 Canter,L,M.
1969〜71 就学前教育(2〜5才) T・R・F ラシェル・マクミラン教育 Parry, E. M.
カレッジ
1968〜72 初等および乳幼児教育の目的(3〜11才) R バーミンガム大学 Ashton, P. M. E.
1967〜72 補償教育(4〜8才) T・P・R・X スワンシー・ユニバーシテ Chazan, M.他 イ・カレッジ
1970〜71 小学校における才能児(5〜11才) R スクールズ・カウンシル Ogilvle, E,他 1971〜72 教師による障害児のプロジェクト教材の使用(5〜16才) R バーミンガム大学 Gulliford, R.
1972.76 多人種社会のための教育(5〜13才) T・R 国立教育研究財団
1973〜79 5〜13才の健康教育(5〜13才) T コルチェスター高等教育学院 Williams,T.
1974〜78 インファント/ファースト・スクールにおける遊戯の構造化 サセックス大学 Manning, K.他
(5〜8才)T
1974〜76 才能児のためのカリキュラムの豊富化(7〜10才) T・P ノーザムプトン教育カレッジ Ogilivie, E.
1968〜72 ミドル・スクール期(8〜13才) R ランカスター大学 Ross,A.
1975〜80 ミドル・スクール期の家庭科(8〜13才) T・R RL.カルダー教育カレッジ Hutchinson, V G.
1978〜80 機械利用教授プロジェクト(8〜18才) T・P。L オードブル・プリンス・ウィリ Carter, A.
アム学校
1967〜73 教育的達成評価の国際協会,第2段階(4〜16才) R 国立教育研究財団 Yates,A.
1967〜71 マス・メディアと中等学校(11〜16才) R レスター大学 Halioran,J. D.
1975〜76 文化的に恵まれない子どもたち,追跡研究(11〜12才) R スワンシー・ユニバーシテ Cox,T.
関連学習 イ・カレッジ
1975〜76 生徒のプログラムの普及と現職教師教育の手段としての地方ラ ハルソウンとストープリッ Cattel,A.他 ジオ(11〜16才) T。P・L ジ・ティーチャーズ・セン
ター
1966〜69 学校における勤勉さと達成(13〜16才) R マンチェスター大学 Warburton,F. W.
1971〜77
@ } キャリア・エデュケーションとガイダンス(労働) ケンブリッジ インピンク Re㏄e,G.他 1978〜81 (13〜18才)T・P トン・ビリッジ・カレッジ Fawcett,B.他
ハトフィールド・ポリテク ニックス
1976〜80 聴視覚メディアの利用によるコミュニケーションと社会的技能 ダラーム。ニュー・カレッジ(1978 Lorace, C.他
(13〜16才) T・R まで)ブリントン・瀞リテクニック
1967〜72 北西地方カリキュラム開発プロジェクト(13〜16才) マンチェスター大学 Rudd, W G. A.
T・P・R・L
1977〜80 工業プロジェクト1(13〜19才) T スクールズ・カウンシル Lightfoot,M.
1977〜80 13〜18才の健康教育(13〜18才) T・P クロチェスター・高等教育 Williams, T.
研究
1973〜80 カリキュラムにおける計算機(14〜18才) T・P ロンドン大学・チェルシー Lewis,R. E.J.
・カレッジ
1975〜76 スウィンドン個人的達成計画の記録の自主的評価 スウィンドン・カリキュラ Swales,T. D.
(14〜16才) R・L ム研究・開発センター 1978〜79 防火教育(10〜16才)
1973〜76 重度の教育的正常以下児の教育(2〜19才) T・R ハー gフォード・グリーン Mitt[er,P.
バンク・スクール
1971〜74 学習遅進児のカリキュラム上の必要(5〜16才) R チェルムスフォード・トリ Brennan, W K.
ニティ・ロードC・P・S
特殊教育 1974〜77 5〜11才の盲および半盲児の視覚訓練(見ることと考えること) バーミンガム大学 Chapman, E.他
(5〜11才) T。R
1975〜78 障害児の教育(5〜16才) R フィラ・ファウセット・ア Wilson, M.他 ンド・フルツダウン教育力
レツジ
1973〜77 聾唖児のための言葉の発達(5〜11才) T・R サセックス大学 Wollman他
学校・家 1967〜70 親の態度のサンプル調査(5〜16才) R 国立教育研究財団 Wiseman,S.他 庭と地域 1970〜72 旅行者の子どもの教育(5〜16才) R 西ミッドランド教育カレッジ Reiss,C. R.
社 会 1972〜73 両親と教師:パイロット研究(5〜19才) R サウザンプトン大学 Pedley, R.その他
1966〜71 教育上の達成における環境的,社会的要因の影響(7〜16才)R マンチェスター大学 Ainsworth, M. E.
谷口:イギリスにおける教育課程の研究と開発 75
教育分野 期 間 カリキュラム・プロジェクト名称 設 置 場 所 ディレクター
1968〜69 青年奉仕と学校 R アストン大学 Joselin,A. G.
1978〜80 初期教育における移行と連続性;開発プロジェクト 国立教育研究財団 Clift,P, S.
(3〜7才)T・R・V
1975.78 オープン・プラン・スクール:一つの調査(5〜11才) R ランカスター大学 Bennett,S. N.
1975〜77 マドレー教育カレッジ。カリキュラム開発センター マドレー教育カレッジ H重lton, H. W.
(5〜18才)L
1976〜78 小学校における記録の保存(5〜11才) 国立教育研究財団 Clift.P. S.
1974〜77 ダービィ・ロンズデール高等教育カレッジ・普及班 ビショップ。ロンデール教 Elliott,L他
(5〜16才)L 育カレッジ
1976〜79 スクールズ・カウンシルのプロジェクトのインパクトと採用 サセックス大学 Lacey, C.他
(5〜18才)R
1978〜86 評価と教師:カリキュラムの再検討と生徒測定の導入 オープン・ユニバーシティ Merritt,J. E.
(5〜19才)T・R
学校。組 1978〜80 カリキュラム開発における短期現職教育コースの最大限利用 東アングリア大学会 Rudduck,J.
織と資材 (5〜18才)
1978〜91 ティーチャーズ・センター:その役割と機能(5〜18才) R 国立教育研究財団 Reid, M,
1977〜79 子どもの学習における連続性と発展(7〜16才) T・P・L マートン・ティーチャーズ Halmes,R.
・センター
1970〜73 資材センター(11〜18才) ロンドン大学
教育研究所図書館 Fcsket t,D.J.
1975〜77 ノーサンバーランド教育カレッジ・カリキュラム開発班
(7〜16才) L
1975〜77 地方カリキ晶ラム。センター:バルマーシュ高等教育カレッジ L バルマーシュ高等教育カレッジ Chaff6r,J.
1967〜70 学校組織と生徒参加(10〜18才) R エグゼター大学 King, R. A.
1968〜71 拡大している総合制学校における改革と革新(11〜18才) R ブリストル大学 Richardson, E.
1975〜77 カリキュラム計画のための素材班(11〜16才) T スクールズ・カウンシル Go ugh, B.他 1967〜69 諸コースの計画 R バーミンガム大学 Taylor, P. H.
ウェールズ ウェールズにおける読みかた教育(以下10点省略)
試 験 C.S. E.モニターの手続き(以下25点省略)
註 R一報告書 T一教師用資料 P一生徒用教材 X−(生徒用)教科書 F一映画 L一地方プロジェクト Schools Councl l, Projects;Index to Research and Development Proj㏄ts,1978 および
Prqjects,the poster lists side 1,side 2,1979 より作成
rchools Comci1におけるプロジェクトのスタイル(様式)はその多くをNuf且eldのプロジェ
クト。スタイルから学んだ。Taylor.D.とRichards.C.によれば, Schools Counci 1のプロ
ジェクトに限らず一般にイギリスのプロジェクトは,つぎの3つのプロジェクトゼスタィルをもつものとして区別される。{1)アカデミックな専門的知識にもとつくプロジェクトのスタイル。
大部分の「第一世代」のプロジェクトがそれで,中央にチームが集められ,中央で革新的な構想
を提供し周辺部(periphery)の学校が対応するというもので, Nuffieldの科学教育や数学教育の
プロジェクトの中から生じたもの。中央チームが新しい教材,教具等を創出し,実験学校のネット・ワークを設立した。このスタイルには教育シズテム内部から新しい提案が生じがたいので中 央のチームが開発を推進し運営する必要があるという臆説にもとついたものである。② 教師の 専門知識にもとつくスタイルで,比較的最近のもの。新しい型の教育的活動は教育システム内部 に生じつ、あり,そのパターンを流布するためには,支援が必要でありコミュニケーションが改 善される必要があるという臆説と方針にもとつくものである。「中間学年の学校教育プロジェク
ト」(Th eルliddle y勿7ε ρ∫S th OO〃ng Proブect)や「8才から13才の社会科」 (5 oo勿1
3伽漉θ38〜13)などすぐれた実践についての情報を集めて,他の者に使用しうるような形式 で資料を発行する。ここでは周辺部(periphery)が主要部分を演じ,中央は周辺部のアイデア ・の広報機関(ck温ri㎎house)の役割を演じることになる。(3)教師とプロジェクトの協力にも とつくスタイルで,実践者教師をプロジェクト・チームの協力者とみなすもの。教師をcurri副㎜
packageの受け身の購買者(passive cons㎜mers)とも自働的な革新者(self−generat ing
76 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
innovator)ともみない。そのようなみかたで,ふつうの区分のしかたが必ずしも適切でない教
育課程の領域における教授の新しいす玉めかたの探究や解明をする協力者とみなす。 「人文科力
リキュラムプロジェクト」 (Humanities Curriculum P70ブ66≠.),「総合学習プロジェク ト」 (Integrated Stud ies Pr・ブθoJ.)や「8才から13才の歴史・地理・社会科学」(伍3一
07ッ,0θog7σρ勿,306ゴo〆30ゴ6η068〜13.)などがその例であるが,協力者教師への試みは 11)
Kずしも容易に到達しうるものではないという一搬の評がある。
Schools Councilは60年代半ば以降多数のプロジェクトをまかなったが,その間多くの問題 に縫着した。たとえばMacDonald,B.とWallken,R.はプロジェクトを「境界的事剰(Marginal
enterprise)と呼び,プロジェクトの一時的性格,チーム・メンバーの「通過」的性格を加えて,
プロジェクトの研究・調査的ではない,カリキュラム「交渉」 (Negotiation)的性格,政策転 12)
キ等によ.る「被攻撃」的性格(vulnerability)などの次元を含むものと指摘した。
Schools Councilに対する批判は多くなされて来た。 Lawton,D.によると,60年代後半から
70年代初期,Schools Councilは2つの理由で批判された。(1)あまりに「進歩的」すぎる, 13)
i2)教師多数派である,という要約がそれである。 (1)はプロジェクトそのものに対するもので あり,(2)は性格や組織に対するものである。プロジェクトについてLawton, D.自身も,プロ
ジェクトの成果は「金石混清」であるが,その成果の普及の技術を開発することに成功していな● ●
い,教育課程開発とは対照的に全体的な教育課程計画への理論的展望を発展させることに失敗し,
就中総合制学校のための共通教育課程(acommon curricul㎝)に関する理論的基礎をつくる 14)ことに失敗していると批判した。Young, M.はそのプロジェクトは現存する知識の階層分化に
挑戦するよりはむしろこれを支持し,プロジェクトを通して多数派を占める生徒に社会における
権勢と影響力をもつ地位に接近しうる高い地位を与えられている知識に参加することを妨げてい 15)る,と批難した。性格や組織についての批判も多いが・,White,J.の雑誌New Society にお
ける「服従の教育」CEducation in Obedience )や根底的には保守的である,といった指 摘は教育関係者を驚かせるものがあった。RichardsはSdlools Coundlが自らの立てた臆説の捕
虜となっている。就中,教職の自律性や教師の確立された仕事のスタイルをす〜んで変革しようとする意志 16)
ネどにか\わる臆説であるが,これらの臆説が実態と相当程度乖離していることは明かである,と指摘した。
2,教育課程研究・開発におけるデザイン・モデルとその影響
1)目標モデル( Obje¢tives mode1)とその変種
イギリスにおける教育課程研究・開発のデザイン・モデルとして,Taylor,P.とRichards,
C.はつぎの3つのモデルをあげている。すなわち,a.「目標」モデル( obj㏄tives黒mode1),
17)
b.「過程」モデル( process modd),c.「状況」モデル( situation model)である。
● ●
Lawton, Dは教育課程計画モデルとしてつぎの3っをあげている。すなわち, af目標モデル,
b!過程もしくはインプット・モデル,c!状況分析もしくは文化分析モデルをあげている。デザ
イン(design)モデルと計画(planning)モデルの違いはあれ,aとa , bとb , cとc は合な りあう部分も多い。b の過程もしくはインプット・モデルというのは, a の目標モデルがアウト
プット・モデルといわれるのに対比して用いられ,目標モデルが子どもの変化,とくに観察可能な行動に表われる変化,すなわち結果を重視するのに対し,教師の働きかけ(教授の手続)を重 18)
汲キるのでインプットと命名したものであろう。以下,Taylor,P.とRichards,C.の分類に従
谷口:イギリスにおける教育課程の研究と開発 77
って,Lawton, Dの分類も参考にして,3つのモデルとそれらの批判と成果を順にみていくこ
ととしたい。
「目標」モデルはアメリカで盛行し,今日なおCompetency based curricul㎜やCompeten(y test,profidency testなどにおいてこのモデルが多用されているのは周知のところである。
「目標」モデルの系譜をたどれば今世紀初頭のBobbitt,J. F.などの科学的カリキュラムの作成
運動にまでさかのぼるといわれる。Bobbitt,J.F.は科学的経営運動の父と仰がれたTaylor,E W.の主要業績,すなわち「時間と動作研究」による工業経営の指導要項を明かにした「科学的経営の原理」 (P「勿oゆ1θ3 げScien 勿ル1σnag〃2 en , New Ybrk,1911)から得るところが多 かった。Bobbitt,J.F.は肱yler,EW.の手続きをカリキュラム作成の分野に応用することに没頭 した。教育課程開発は前以て規定された特定の結果が達成される方法を標準化する試みとなった。その
成否は実際の結果が予想にマッチした程度で判定された。そのため行動上の目標モデルは工場モデル(魚ctory modd)とか生産モデル(production modeDと呼ばれるところとなっ建。こ
のモデルは行動主義心理学によって影響をうけたTyler,R.によって体系化され,理論的基礎づけがなされた。その著書「教育課程と教授の基礎原理」 (β03∫oP〆伽o螂63げC雛7ゴ梛1π〃
碑41η3〃πo ゴoπ,The University of Chicago Press,1949)は大きな影響力をもち今日に
至っている。Tyler,R.はその著書で4つの基本的な問を発して,その問に対する解答としてカ リキュラム・デザインの4つの段階を明確にしている。4つの問とは,(1)学校はどのような教 育目的を達成しようとすべきか?,② これらの目的を達成しやすいどのような教育的経験が提 供されうるか?,㈲ これらの教育的経験はどのように効果的に組織されうるか?,(4)これら20)
の目的が達成されたかどうかをどのように決定しうるか?,であり,4つの段階とは,(1)目的 と目標( Aims and obj㏄tives),(2)内容(Content),(3)組織(Organization),
(4)評価(Evaluation)であり,これらは円環的に構成されるものである。 Popham, W.や
Mager,R. F.らが第1段階を明確化することに努あ,そのさい行動上の目標(behavioral 21)obj㏄tives)や観察可能な行動(observable behaviours)を強調した。またBloom, B.らが
教育目標の分類(taxonomies of educational obj㏄tives)の精緻化の作業を進めたのは有名 2珍である。「目標」モデルまた「合理的計画」モデル( rational planning modeDとも呼ば
れ,また「手段一目的」計画( means−ends planni㎎)と呼ばれる。
Tyler,R.自身の理論はイギリスの実践にはあまり大きな影響を及ぼさなかったといわれる。
しかしイギリスの教育課程理論や思考の枠組みに比較的僅かであるが影響をみることができる。
Wheeler,D.は5段階のカリキュラム過程を提唱したが,これはTyler, Rの4段階論を発展さ せたものとみられている。Wheeler,D.は「目標」を究極的目標(ult imate goals),中間
的目標( mediate goals),最近接的目標(proximate goa1)や学級レベルの特殊的目
標(sp㏄ific objectives)など第1段階を詳細に区分している。彼の5段階は,(1)目的,目あて,目標(aims,{pals,obj㏄tives),〔2)学習経験の選択(sel㏄tion of learni㎎
experiences ),(3)内容の選択(selection of content),(4)学習経験と内容の組織
(organization and integration of learni㎎ experiences and content),(5)評価 23)(evaluation)となっていた。 Merritt,J.も影響を受けた一人である。彼は4段階のG.
P.1.D. modelを示唆したが,それらは(1)目標について賢明な決定をすること,(2)適切な
計画をデザインすること,(3)これらの計画をうまく実施すること,(4》達成された新しいベー
ス・ラインから発展すること,というものであるが,そのより詳細な展開はAO.S.T.M.TE.78 茨城大学教育学部紀要(教育科学)31号(1982)
a.Tyler,R.の「カリキュラム計画モデル」 b. Wheeled).の「単純なカリキュラム過程モデル」
1.Aims Objectives 1. Aims,Goals and Objectives
(目的/目標) (目的/目標) \
@ 2翻穿晶_ /2E濃温謙轟択)
(学習経験の選択) 5.Evaluation
㌔£盟謡一 (評\価)a脱一㎡C_
(学習経験の評価) 4.Organセation (内容の選択)
\㌔譜継臨脈 盤楼9瑠i訟
(学習経験の組織) and Content(学習経験と内容の組織と統合)
Taylor, R H. and Richards,C,op. cit.,pp 64〜67より 図4. Tyler,R.とWheeler,D.のモデルの比較
C.,すなわち,(1) 目的(Aims),(2)目標(Object ive s),(3)戦略(St rategies ),
(4)戦術(Tact ics,),(5)方法(Methods),(6)技術(T㏄hniques),(7)評価
24)
(Evaluation ),(8》強化(Consolidation )の諸段階を含むものであった。
教育課程開発プロジェクトのうち,「目標」モデルやその変種にしたがったものは比較的少な
かった。Tyler, R.モデルにしたがったものは「5才から13才の科学」 (&ゴθη065〜13 ) と「ナッフィールド A レベル生物」の2つだけであるといわれている。前者は「目標を
心に抱いて」 (レレ1 th Obl ec tives in ハ4i nd , 1972)なるワーキング・ペーパーを準備して事 25)にあたり,すぐれた成果をあげたものと一般に評価されている。「探究心と問題への科学的接近
を発展させること」という包括的な目的のもとで,(1)成果を批判的に解釈すること,②関心,
態度,審美的意識を発展させること,③ 観察すること,探究すること,秩序づけられた観察,
(4)基礎的概念と論理的思考を発展させること,㈲ 問題を提起し,それらに答える実験もしく
は観察を工夫すること,(6)知識と学習技能を獲得すること,(7)コミュニケートすること,⑧
パターンと関係を理解すること,のや\広い8つの分割された目的に仕立てられ,最後に子どもたちの異った発達段階に適切な,特殊な「行動上の目標」 (behavioural objectives)に細分化
トいる。Tyler moddの変種というべきものの影響の一つは,「北西地方カリキュラムプロジェク
ト」 (7、h e 」〜を)7〃診一レレrθε 1〜eg iona l Curプicu lu〃z 1⊃70フigct , 1972)であり,早期離学者のた
めのコースについての記述を始める前に,カリキュラム開発の古典的な4連の処置のサイクルを
強調し,一般的,特殊的な目標の検討に集中したといわれる。もう一つの事例として「8才から13才ま での歴史,地理,社会科学」 (7「舶彫3 07ッ,Gθ08一プσρ妙,800毎1&纏oθ 8〜13,1975)
をあげることができる。そこでは目標を,知的,社会的,身体的な技能と興味,態度や価値等の
スキル
人格的資質(personal qualiti〔s)に分割し,始めは生徒のために諸目標を引き出す作業を始あ 9
たが,のちには教師のため,教師教育に従事するもの\ため,さらにはチーム・メンバー自身の ためにより詳細な一連の目標を開発することの必要を確信するに至った。目標の有用性にっいて は確信していたものの,チーム・メンバーは目標について固定的な見地はとらず,そのリストは
暫定的なものであり,教師たちがプロジェクトのアイデアを発展させることに,より十分に参画す
谷ロ:イギリスにおける教育課程の研究と開発 79
るようになるにつれ,修正もしくは再設定されるものとみなされていた。このようにやり方で,目
「目標」モデルに対する批判や非難は多い。批判は,(1) 「目標」にもとつく「合理的計画モデル」
(rational planning)に向けられるものと,(2) 「目標」モデルにおける「目標」,ことに「行 動上の目標」 (behavioural obj㏄tives)に向けられるものに別けてみることができる。(1)に ついて。 「第一に目的を決定せよ,しかるのちに手段を決定せよ」はある意味で合理的であるが,
教育の課程のデザインにおいては必ずしも合理的ではない。そのような合理性の狭い見地が改善 の対象とされる。こ\では目的と手段は必ずしも引き離し得ない,ある種の目的はある種の手段
を前提とするし,その逆もしかりである。内容と学習経験は必ずしも分割することができないし,
目的と内容もまた分割しがたいことがある。第2の段階以前に第1の段階を明かにしつくすこと を勧告するような直線的な取扱いは有効なものとは見なされない。そのようなモデルは真空の環 境の中で発展させられた抽象物であるとみられた。またもう1つの根本的な批判は,「目標」モデ ルが特定のコンテキストや確立されている方法や手続についての地道な部分的改善の必要性を理 解することに失敗している,というものだ。そのモデルは教育課程の中で計画されなければなら
ない他の種類の教材に対して,また予期せざる状況が起こるにつれ教師の側での自律的且柔軟性に豊 んだ行動を選択する必要性を容認することに対しても敏感であることに失敗しているということ。
更にもう1つの根本的批判は,その内部では目標を所与のものとして取扱われており,計画に従事し ている人々やそれらの人々に影響を及ぼしている人々の側で,教育課程の目標の源泉や起源
について信念や価値や教育課程の概念との関わりにおいて適切な説明が不足しているというもの29)
であった。②について,反対は(D−「般的な哲学的考慮,(醐寺定学科的考慮,㈹実践的考慮に分類
することができよう。最もよく語られる一般的な反対は,理解,鑑賞や知識のごとき重要な教育 の成果は測定しうるような明瞭な観察可能な行動に完全には置き代えられるものではないという ものだ。特定の事物の想起とか,ある種の身体的技能の完遂などの低レベルの知的操作だけは一 点の暖味さも残さず前以って特定化しうる。一般的目的を特定の目標に置きかえるという考えは 他の哲学的困難に縫着する。そしてこのことは特殊な下位の一連の技能や知識の項目を含むもの である。これは複雑な認識論的問題を惹起する。暖味さをなくすという理想は誤りであるとみら れている。目標は正確にして真理,さらに現実味を帯びる意義を持つことができない,何故なら言葉の意義はその使用法に左右され,その使用法は変化するからである。また「目標」モデルは,
進行中の活動として,常時変化しつ\あるところめ目的を抱いている教授の性質に対して暴威を 振い,且つ教授活動以前に目標を前以って規定するという考え方は,教育の過程を個性的なやり かたで主体的に解釈しなければならない教師や生徒の自律的な性質を考慮していないという批判