別 紙 様 式1(修 士 申請 者 用)
修 士 学 位 論 文
論 文 題 名
(注:学 位 論 文 題 名 が 英 語 の 場 合 は 和 訳 を つ け る こ と。)
MRIを 用 い た 上 肢 挙 上 時 の
肩 甲 骨 ・胸 椎 椎 間 関 節 の 関 節 運 動 学 的 解 析
(西 暦)2017年1.月5日 提 出
首都 大 学 東 京 大 学 院
人 間健 康 科 学研 究 科 博 士 前 期 課 程 人 間健 康 科 学 専攻 理 学 療 法 科 学域 学 修 番 号:15895606
氏 名:須 永 遼 司
(指 導 教 員名:竹 井 仁 教 授 )
別 紙 様 式3(修 士 申請 者 用)
(西暦)2016年 度 博 士 前 期 課 程 学 位 論 文 要 旨
学 位 論 文題 名(注:学 位論文題名が英語の場合は和訳をつけること)
MRIを 用いた上肢挙上時の肩 甲骨 ・胸椎椎間関節 の関節運動学的解析 学位 の種類:修 士(理 学療法 学)
首都大学東京大学院
人間健康科学研究科 博士前期課程 人間健康科学専攻 理学療法科 学域
学修番号15895606
氏 名:須 永 遼司
(指導教員名:竹 井 仁 教授)
注:1ペ ー ジ あ た り1,000字 程 度(英 語 の 場 合300ワ ー ド程 度)で 、本 様 式1〜2ペ ー ジ(A4 版)程 度 とす る 。
【目的 】
背 臥 位 、 両 上 肢 挙 上 運 動 で の 胸 椎 椎 間 関 節 の 各 分 節 に お け る 矢 状 面 の 可 動 域 変 化 と そ の 特 徴 、 な らび に肩 甲骨 ・胸 椎 椎 間 関 節 の 関係 性 を 明 らか にす る こ と を 目的 と した 。
【方 法 】
対 象 は 脊 柱 と上 肢 に 整 形 外 科 疾 患 の既 往 の な い20‑38歳 の 健 常 成 人 男 女22名(男 性12名, 女 性10名)と し、先 行 研 究 を 踏 ま え て 、磁 気 共 鳴 画 像(MRI)で の 矢 状 面 撮 像 に お い て 胸 椎 後 弩 角 が19・24歳 で は11.2。 以 下 あ る い は31.6。 以 上,26・38歳 で は14.8。 以 下 あ る い は38.0。
以 上 の者 は 除 外 した 。 課 題 は 、 背 臥 位 で の 両 側 肩 関 節 屈 曲運 動 と して 、 測 定 角 度 は
0。,60。,120。,150。,最大 屈 曲 の5条 件 と した 。 各 条 件 に お け る各 胸 椎 椎 問 関節 角 度(∠Th1・ ∠ Th12)と 肩 甲骨 上 方 回 旋 角 をMRIを 用 い て 解 析 し、 条 件 間 で の 胸 椎 椎 間 関 節 角 度 の 比 較 お
よ び 肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 伸 展 の 相 関 を 調 べ た 。
【結 果 】
肩 関節 屈 曲角 度0。・120。で は ∠Th4が 伸 展 し、120。 か らはTh11が 、150。か らは ∠Th12 が 伸 展 した 。120。‑150。問 で は 、肩 甲骨 上 方 回 旋 と ∠Th11,∠Th12に お い て 負 の 相 関 が み ら れ 、150。一最 大 屈 曲 間 で は 、肩 甲 骨 上 方 回 旋 と ∠Th12に お い て 正 の 相 関 が み られ た 。
【考 察 】
肩 甲骨 上 方 回 旋 と∠Th4の 伸 展 運 動 の 間 に は相 関 関 係 は な く、 先 行 研 究 で は 肩 関 節 屈 曲 角 度oo・120。に お い て 肩 甲骨 後 傾 と胸 椎 伸 展 運 動 の 間 に 相 関 が あ る と報 告 され て い る た め 、 上 方 回 旋 で は な く肩 甲 骨 後 傾 を 補 助 す る た め に ∠Th4の 伸 展 運 動 が 生 じた と考 え た 。
∠Th11・ ∠Th12は 、 解 剖 学 的 構 造 に よ り胸 椎 の 中 で は 可 動 性 の 高 い 分 節 で あ り、 ま た 、 肩 関 節 屈 曲 角 度 が 増 大 す る に つ れ て 広 背 筋 が 伸 長 され る こ と に よ る骨 盤 前傾 に 伴 う腰 椎 伸 展 と第11・ 第12肋 骨 の 後 方 回 旋 が 生 じる こ とか ら伸 展 運 動 が 生 じた と考 え た 。 さ ら に 、 ∠ Th1・ ∠Th9は 固 定 され る こ とで 前 鋸 筋 の 筋 長 を適 切 な 長 さ に保 ち 、 安 定 した 収 縮 を 生 じ さ
せ て 肩 甲骨 上 方 回 旋 を促 す こ と に貢 献 す る た め 、 伸 展 運 動 が 生 じな か っ た と考 え た 。 肩 関 節 屈 曲 角 度 が 増 大 す る と、 肩 甲骨 の 上 方 回 旋 も矢 状 面 で の運 動 に 近 く な る た め 、 上 方 回 旋 は 胸 椎 椎 間 関 節 の 伸 展 運 動 方 向 に 近 づ く。そ の た め肩 関 節 屈 曲 角 度120。‑150。 間 で は 、
∠Th11,∠Th12の 伸 展 運 動 が 増 大 す る とそ れ に 伴 い 上 方 回 旋 角 も増 大 す る た め 、 負 の 相 関 を示 した と考 え た 。
ま た 、肩 関 節 屈 曲 最 終 域 で は 、 ∠Th12の 伸 展 運 動 が 減 少 す る と肩 甲骨 関節 窩 の 上 方 回 旋 角 で 代 償 す る 、 も し くは 肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 が 減 少 す る と ∠Th12の 伸 展 運 動 に よ り 代 償 す る 、 す な わ ち 、 肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 の 伸 展 運 動 は 互 い に補 償 し合 う関係 に あ る こ
要 旨
【目的 】背 臥 位 、両 上 肢 挙 上 運 動 で の胸 椎 椎 問 関 節 の 各 分 節 で の 可 動 域 変 化 とそ の 特 徴 、 な らび に胸 椎 椎 間 関 節 肩 甲骨 の 関 係 性 を 明 らか にす る こ と を1ヨ的 と した。 【方 法 】対 象 は 健 常 成 人 男 女22名(男 性12名,女 性10名)、 課 題 は 肩 関 節 屈 曲角 度0。,60。,120。,150。,最大 屈 曲 の5条 件 と した 。 各 条 件 に お け る各 胸 椎 椎 間 関 節 角 度(∠Th1‑∠Th12)と 肩 甲骨 上 方 回 旋 角 を磁 気 共 鳴 画 像(MRI)を 用 い て 解 析 し、条 件 間 で の 胸 椎 椎 間 関 節 角 度 の 比 較 お よび 肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 伸 展 の 相 関 を 調 べ た 。 【結 果 】 肩 関節 屈 曲角 度0。 ・120。で は ∠Th4が 伸 展 し、
120。か ら は ∠Th11が 、150。か らは ∠Th12が 伸 展 した 。120。・150。間 で は 、肩 甲骨 上 方 回 旋 と ∠Th11・ ∠Th12に お い て 負 の相 関 が み られ 、150。最 大 屈 曲 間 で は 、 肩 甲骨 上 方 回 旋 と
∠Th12に お い て 正 の 相 関 が み られ た。 【結 論 】0。・120。は ∠Th4が 伸 展 し、1200以 降 で は ∠ Th11・ ∠Th12が 伸 展 す る こ とで 、肩 関 節 屈 曲 運 動 に貢 献 す る。 ま た 、肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 の 伸 展 運 動 は 互 い に 補 償 し合 う関 係 に あ る こ とが 示 唆 され た 。
キ ー ワー ド
肩 関 節 挙 上 、 胸 椎 伸 展 、 肩 甲骨 上 方 回 旋 、MRI
は じめ に
上 肢 挙 上 運 動 の メ カ ニ ズ ム は 、InmanVTら1)に よ る 上 腕 骨 挙 上 運 動 と肩 甲 骨 上 方 回 旋 の 割 合 が 約2:1で あ っ た とい う報 告 や 、 ま た 竹 井 ら2)は 、 肩 関 節 屈 曲 角 度0。‑170。で の 肩 甲上 腕 リズ ム は 約2.1:1で あ る が 、0。‑90。は 約2.7:1、90。‑120。は 約1.6:1、120。‑150。 は約1.6:1、
150。‑170。は 約1.4:1で あ っ た と報 告 す る な ど、 上 腕 骨 と肩 甲骨 と の 関 係 を 中 心 に 多 くの 研 究 が な され て い る 。
ま た 、肩 甲 骨 と胸 郭 との 間 の 肩 甲胸 郭 間 連 結 は 筋 連 結 に よ る機 能 的 関節 を な し、そ れ に よ っ て 肩 甲骨 の 安 定 性 と可 動 性 は 胸 郭 と密 接 に 関係 して い る。そ の た め 、胸 郭 と連 結 す る 脊 柱 に つ い て も 肩 関 節 に影 響 を及 ぼ す と して 運 動 分 析 が 行 わ れ て お り、 上 肢 挙 上 運 動 に 付 随 す る 脊 柱 の 運 動 に つ い て も 多 くの 文 献 に 記 載 され て い る。
Kapandji3)は 、肩 関 節 屈 曲 運 動 で は 脊 柱 の 運 動 が 必 要 不 可 欠 で あ る と して 、終 末 相 で の 脊 柱 の 運 動 に よ っ て 屈 曲 運 動 が 完 成 す る と述 べ て い る。 ま た 、 甲斐 ら のは 、 肩 関節 屈 曲 角 度 120。を 超 え る と肩 甲 骨 主 体 の 動 き に 胸 椎 伸 展 運 動 が 連 動 して 作 用 し、150。 よ り腰 椎 前 弩 角 の 増 大 が 起 こ る と報 告 し、Crosbieら5)は 、 両 側 肩 関節 屈 曲運 動 に お い て 上 位 胸 椎 よ り も下 位 胸 椎 の伸 展 角 度 が 大 き い と報 告 して い る。 さ ら に 、 先 行 研 究6)7)で は 胸 椎 の 運 動 制 限 は 上 肢 の 挙 上 制 限 と 関係 して い る と述 べ られ て お り、臨 床 の 場 面 に お い て も 、胸 椎 椎 間 関 節 に ア
プ ロ ー チ す る こ とで 上 肢 運 動 に 変 化 が 生 じ る事 例 を 多 く経 験 す る 。
こ の よ うに 上 肢 挙 上 運 動 は 上 腕 骨 や 肩 甲 骨 の 運 動 の み で 成 り立 つ の で は な く 、 同 時 に 脊 柱 の 運 動 が 関 与 して い る。 しか し、上 肢 挙 上 運 動 に 伴 う胸 椎 の 運 動 の 研 究 で は 、ス パ イ ナ ル マ ウ ス や 体 表 面 に 貼 付 した マ ー カ ー の 軌 跡 を測 定 す る方 法4)8'12)で実 施 され て い る た め 、 胸 椎 全 体 あ るい は 胸 椎 を 上 下 部 に 分 け て しか 計 測 が 行 わ れ て い な い 。 徒 手 理 学 療 法 分 野 で は 、 胸 椎 可 動 性 評 価 は 各 分 節 で 行 わ れ る た め 、 胸 椎 の どの 分 節 の 運 動 が 上 肢 挙 上 運 動 に 貢 献 し
て い る か を 明確 に す る こ と は 非 常 に 重 要 と な る。 さ らに 、金 子 ら11)は 、 両側 肩 関 節 屈 曲 運 動 に お い て 、高 齢 群 と若 年 群 と比 較 す る と、高 齢 群 で は胸 椎 伸 展 角 度 が 小 さ く肩 甲骨 上 方 回
旋 角 の 割 合 は 高 い と報 告 す る な ど 、 上 肢 挙 上 運 動 に お い て 肩 甲 骨 と脊 柱 の 運 動 が 互 い に 影 響 を 及 ぼ して い る 可 能 性 を示 唆 す る先 行 研 究 は 多 数 み られ る もの の 、 そ の 関係 は 明 らか に
され て い な い 。
よ っ て 、 これ ら を 明確 に す る こ とで 上 肢 挙 上 運 動 時 に胸 椎 の どの 分 節 が 貢 献 して い るか 、 ま た 肩 甲骨 と脊 柱 の 運 動 の 関 係 性 に つ い て の 指 標 の 一 助 とす る こ とが で き る と考 え る。
そ こ で 、 本 研 究 の 目的 は 、 健 常 成 人 に お け る 背 臥位 、 両 上 肢 挙 上 運 動 で の 肩 甲骨,胸 椎 椎 間 関 節 の 関 節 運 動 学 的 解 析 を 行 い 、 胸 椎 椎 間 関 節 の各 分 節 に お け る矢 状 面 の 可 動 域 変 化 と そ の 特 徴 、 な らび に 両 上 肢 挙 上 運 動 時 の 肩 甲 骨 一胸 椎 椎 間 関節 の 関 係 性 を明 ら か にす る こ と と した 。 な お 、測 定 機 器 に つ い て は 、X線 装 置 の よ うな被 曝 に よ る人 体 へ の 影 響 が な く、精 度 の 高 いMRI(MagneticResonanceImaging:磁 気 共 鳴 画 像)を 用 い た 。
対 象 お よ び 方 法 1.対 象
対 象 は 、 脊 柱 と 上 肢 に 整 形 外 科 疾 患 の 既 往 の な い20‑38歳 の 健 常 成 人 男 女22名(男 性12 名 、 女 性10名)で 、 平 均 年 齢 は25.8歳(22‑32歳)、 身 長 と体 重 の 平 均 値(標 準 偏 差)は そ れ ぞ れ166.0(8.6)cm、58.1(8.1)kgで あ っ た 。 ま た 、 背 臥 位 に お け る 胸 椎 後 弩 角 の 平 均 値(標 準 偏 差)は 、Hirabayashiら13)の 研 究 よ り19‑24歳 で21.4(5.1)。 、 伊ee14)の 研 究 よ り26・38歳 で 26.4(5.8)。 で あ る た め 、MRIで の 矢 状 面 撮 像 に お い て 胸 椎 後 弩 角 が19・24歳 で は11.2。 以 下
あ る い は31.6。 以 上,26〜38歳 で は14.8。 以 下 あ る い は38.0。 以 上 の 者 は 除 外 し た 。
2.実 験 条 件
測 定 課 題 は 、 背 臥 位 に て 、 矢 状 面 で の 両 側 肩 関 節 屈 曲 運 動 と し て 、 測 定 角 度 は 、 0。,60。,120。,150。,最大 屈 曲 の5条 件 と し た(図1)。60。,120。,150。 の 条 件 は ゴ ニ オ メ ー タs・一一一・を 用 い て 測 定 角 度 を 設 定 し た 。 ま た 、0。以 外 の 条 件 で は 自 動 運 動 に て 各 条 件 の 肢 位 に な り 、そ の 肢 位 を タ オ ル や ク ッ シ ョ ン を 使 用 し て 他 動 的 に 保 持 し て 測 定 し た 。 測 定 時 は 、MRI撮 像 時 の 禁 忌 事 項 で あ る 生 体 で の ル ー プ 形 成 を 防 ぐ 目 的 で 、 被 験 者 の 両 手 に 布 製 の 手 袋 を 装 着 させ た 。ま た 、肘 が 外 側 に 開 か な い よ う に タ オ ル や マ ジ ッ ク テ ー プ 付 き の 非 伸 縮 性 の バ ン ド で 固 定 し た(図2)。
れ ご み あし7遠お ぐ ゑ ぶこざらゐ ち て錯 醗 噸
『羅 / ,犠
}㍉参.・
、
7
図1測 定 肢 位 の 例(肩 関 節 屈 曲 角 度0。 と60。)
X謙べ
さ,筋
撫 騰
7、 療 ㍉
凶
環燦 、 国
唱 驚
樗隔
ギ夢
?鞍 憲
避
壁
舞
図2マ ジ ッ クテ ー プ 付 き の 非 伸 縮 性 の バ ン ド
3.MRI撮 像
MRI撮 像 に は 臨 床 用MR装 置(PhilipsElectronicsJapan,Achieva3.OT)を 用 い た 。MRI 信 号 の 受 信 に はBodyCoilを 用 い 、 胸 椎 部 はT2強 調(撮 像 視 野480mm,繰 り返 し 時 間 572msec,エ コ ー 時 間3.3msec,ス ラ イ ス 厚1mm,ス ラ イ ス 間 隙0.1mm,ス キ ャ ン 時 間4分8 秒)の シ ー ケ ン ス 、 肩 甲 骨 部 はT2強 調(撮 像 視 野200mm繰 り返 し時 間5020msec,エ コ ー 時 間100msec,ス ラ イ ス 厚2.5mm,ス ラ イ ス 間 隙0.8mm,ス キ ャ ン 時 間4分31秒)の シ ー ケ ン ス に よ り 、 各 条 件 に つ き 胸 椎 部 は50ス ラ イ ス 、 肩 甲 骨 部 は20ス ラ イ ス の 矢 状 断 像 を 撮 像 し た 。 各 撮 像 後 に は 体 動 に よ る 画 像 の 乱 れ が な い こ と を 確 認 し た 。 ま た 、撮 像 中 は 、 被 験 者 が 非 常 用 連 絡 ボ タ ン を 押 す こ と で 不 測 の 事 態 に 対 応 で き る よ う に し た 。
4.解 析 項 目
画 像 解 析 に は 、 画 像 解 析 ソ フ トOsirix(ニ ュ ー トン グ ラ フ ィ ッ ク ス 社 製)を 用 い た 。 計 測 項 目 は 、 肩 甲 骨 の 上 方 回 旋 角 と第1・12胸 椎 椎 間 関 節 角 度(以 下 、 そ れ ぞ れ ∠Th1,∠Th2,∠
Th3,∠Th4,∠Th5,∠Th6,∠Th7,∠Th8,∠Th9,∠Th10,∠Th11,∠Th12)と し た 。肩 甲 骨 の 上 方 回 旋 角 は 肩 甲 骨 関 節 窩 の 傾 斜 角 度 と し て 計 測 し(図2)、 第1‑12胸 椎 椎 間 関 節 角 度 は 上 位 椎 体 の 上 面 の 下 位 椎 体 の 上 面 に 対 す る 相 対 的 傾 斜 角 と して 計 測 し た(図3:∠Th1,∠Th2,∠
Th3,∠Th10,∠Th11,∠Th12を 図 示)。
a.肩 関 節 屈 曲 角 度0。
亀
婁靴緩亀,彗
儲か
寄・重警毒
'夢藏軍・義︑ツぜ
b.60。 c.1200
d.150。
図2肩 甲骨関節窩の上方回旋角
㍉'覧㌃
簗讐済レ触 畜蓬噴̀
シ
難 、'幣 ゴ 棄 軸,,
衡
購
ミ 舞
藩)・
胤
← ,ρ ゲ1
、.毒 嫉
'ギ1
e.最 大 屈 曲
彗
詳参
●
感瀞誓髪罫轡 ,,藪蔚
幹
a.肩 関 節 屈 曲 角 度0。 b.60。 c.1200 d.1500 e.最 大 屈 曲
図3第1‑12胸 椎 椎 間 関 節 角 度
5.統 計 処 理
椎 間 関 節 角 度 に つ い て 、肩 関 節 屈 曲 角 度 に よ る 違 い を 比 較 す る た め 、胸 椎 椎 間 関 節 角 度 を 従 属 変 数 と し 、 屈 曲 角 度5水 準(Oo,600,120。,150。,最 大 屈 曲)と 胸 椎 椎 体 番 号12水 準(∠Th1,
∠Th2,∠Th3,∠Th4,∠Th5,∠Th6,∠Th7,∠Th8,∠Th9,∠Th10,∠Th11,∠Th12)を2要 因 と し た 反 復 測 定 に よ る 二 元 配 置 分 散 分 析 を 行 い 、 主 効 果 が 認 め ら れ た 要 因 に 関 し て 、 Bonferroniの 多 重 比 較 法 を 実 施 し た 。 交 互 作 用 が 見 ら れ た 場 合 は 単 純 主 効 果 の 検 定 を 行 い 、
各 胸 椎 椎 体 番 号 毎 に 肩 関 節 屈 曲 角 度 と 変 化 の 関 係 を 分 析 し た 。
さ ら に 、肩 甲 骨 と胸 椎 の 運 動 の 関 係 性 に つ い て 、肩 甲 骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 に お け る 各 肩 関 節 屈 曲 角 度 間 で の 変 化 量(0。‑60。,60。・1200,120。‑150。,150。 ・最 大 屈 曲)と 、∠Th1・ ∠Th12の 椎 間 関 節 角 度 に お け る 各 肩 関 節 屈 曲 間 で の 変 化 量(0。‑60。,60。・120。,120。・150。,150。一最 大 屈
曲)の 相 関 をPearsonの 相 関 係 数 を 用 い て 分 析 し た 。
な お 、 全 て の 検 定 でIBMSPSSStatisticsversion23を 使 用 し 、 有 意 水 準 は5%と し た 。
6.説 明 と同 意 な らび に 倫 理 的 配 慮
各 被 験 者 に 本 研 究 の 趣 旨 と 目的 お よ びMRI撮 像 に つ い て の説 明 を十 分 に 行 い 、 書 面 に て 研 究 へ の 参 加 の 同 意 を 得 た 。な お 本 研 究 は 、首 都 大 学 東 京 荒 川 キ ャ ンパ ス研 究 安 全 倫 理 審 査
委 員 会 の 承 認(受 理 番 号16007)を 受 け て 実 施 した 。
麩
1.椎 問 関 節 角 度
各 椎 間 関 節 角 度(∠Th1・ ∠Th12)を 表1に 示 す 。 反 復 測 定 に よ る分 散 分 析 の 結 果 、 実 験 条 件(肩 関 節 屈 曲 角 度)に お い て 主 効 果 が 有 意 で あ り、ま た 交 互 作 用 も 有 意 で あ っ た 。そ の た め 、 す べ て の 実 験 条 件 の組 み 合 わ せ につ い て 単 純 主 効 果 の 分 析 と多 重 比 較 検 定(Bonferroni法) を実 施 した 。
そ の結 果 、∠Th4の 分 節 で は 、肩 関 節 屈 曲 角 度0。 よ り も60。,120。,150。,最大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関節 伸 展 角 度 の 増 加 と 、肩 関節 屈 曲 角 度60。 よ り も120。,150。,最大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関 節 伸 展 角 度 の 増 加 を 示 した(p〈0.05)。 ま た 、∠Th11の 分 節 で は 、肩 関 節 屈 曲 角 度0。 よ り も 120。,150。,最大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関 節 伸 展 角 度 の 増 加 、肩 関節 屈 曲 角 度60。,1200よ り も150。, 最 大 屈 曲 で 有 意 な 椎 問 関節 伸 展 角 度 の 増 加 、肩 関 節 屈 曲 角 度150。 よ り も最 大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関節 伸 展 角 度 の 増 加 を示 した(p<0.05)。 さ らに 、 ∠Th12の 分 節 で は 、肩 関 節 屈 曲 角 度 Oo,600,120。 よ り も150。,最 大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関節 伸 展 角 度 の 増 加 、 肩 関節 屈 曲 角 度150。
よ り も最 大 屈 曲 で 有 意 な 椎 間 関節 伸 展 角 度 の増 加 を 示 した(p<0.05)。
2.肩 甲 骨 と胸 椎 の 運 動 の 関 係
相 関 分 析 の 結 果 、肩 関 節 屈 曲 角 度120。 ・150。間 で は 、肩 甲 骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 と ∠Th11,
∠Th12の 椎 間 関 節 角 度 の 変 化 量 に お い て 有 意 な 相 関 関 係 が み られ(表2)、150。 ・最 大 屈 曲 問 で は 、肩 甲 骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 と ∠Th12の 椎 間 関 節 角 度 の 変 化 量 に お い て 有 意 な 相 関 関 係 が み ら れ た(表3)。 ま た 、 肩 関 節 屈 曲 角 度120。‑150。 間 で の 相 関 係 数 は 、 ∠Th11で はr=
‑0 .491(p<0.05)、 ∠Th12で はr=‑0.705(p<0.05)と 負 の 相 関 を 示 し 、150。 ・最 大 屈 曲 間 で の 相 関 係 数 は ∠Th12に お い てr=0.428(ρ 〈0.05)と 正 の 相 関 を 示 し た 。 こ れ ら 以 外 の 肩 関 節 屈 曲 角 度 間 と 分 節 に お い て は 、 有 意 な 相 関 関 係 は み ら れ な か っ た 。
表1椎 間 関 節 角 度[o】 の 平 均 値(標 準 偏 差)の 比 較
0
0
60。 120。 1500 最大屈曲 多重比較
∠Th1
∠Th2
∠Th3
∠Th4
1.9(2.5) 3.7(2.9) 4.6(2.3) 5.7(2.6)
1.8(2.6) 4.2(2.9)
∠Th5
∠Th6
1.7(3.0) 3.3(2.0)
1.0(2.6) 3.2(1.8>
1.2(2.2) 3.2(1.7)
n.S.
n.S.
3.9(2.7) 4.3(2.8)
4.7(1.8) 4.5(2.2) 3.9(2.2) 4.0(2.4)
∠Th7
∠Th8
∠Th9
∠Th10
2.1(1.6) 1.2(2.3)
‑O.7(3.2) 0.9(2.1)
4.0(1.4)
1.8(1.3) 0.7(1.9)
‑0.8(2.9) 0.6(1.8)
3.8(1.9) 3.4(2.2) 3.5(2.0)
3.9(1.2) 3.4(1.5) 3.4(2.1) 3.9(2.1)
3.6(1.4) 3.1(1.6) 3.2(1.9) 3.6(2.2)
n.S.
0◎<60。,120。,150。,最 大 屈 曲 60。<120。,150。,最 大 屈 曲
n.S.
n.S.
1.7(1.4)2.0(1.5)2.1(1.5) 0.9(2.2)0.7(1.8)0.9(2.0)
‑0.6(2.7)‑0.5(2.4)‑0.5(2.2) 0.6(1.6)0.8(2.2)0.5(2.0)
n.S.
n.S.
n.S.
n.S.
0◎<1200,150。,最 大 屈 曲
∠Th111.7(1.8) 1.4(1.5) 1.1(1.5) 0.2(1.4)‑0.4(1.2)
∠Th122.5(2.5) 2.4(2.8) 1.8(2.6) 0.8(2.5) 一〇.3(2.0)
60。,120。<150。,最 大 屈 曲 150。<最 大 屈 曲 0。,60。,120。<150。,最 大 屈 曲
150。<最 大 屈 曲 多 重 比 較:Bonferroni法 で の 多 重 比 較 検 定 に て 、 分 節 毎 に 各 屈 曲 角 度 の 椎 間 関 節 角 度 を
比 較 し た 結 果 。n.s.:各 屈 曲 角 度 の 比 較 で い ず れ も ρ<0.05。
表2肩 関 節 屈 曲 角 度120。‑150。 間 の 相 関 係 数 各 胸 椎 椎 間 関 節 角 度
∠Th1∠Th2∠Th3∠Th4∠Th5∠Th6∠Th7∠Th8∠Th9∠ThlO∠Th11∠Th12
肩 甲 骨 関 節 窩 のO
.281̲O.02̲O.Ol7̲O.2280.21gOD260.321̲0.052̲O.OgO.04g 上 方 回 旋 角
零 寧
一〇 .486‑‑O.705
*p<0.05
表3肩 関 節 屈 曲 角 度150。 ・最 大 屈 曲 間 の相 関係 数
肩 甲 骨 関 節 窩 の0
.0840.06902510.074̲O.2790.072̲0、111̲0.16̲O.1020.4120.222 上 方 回 旋 角
各 胸 椎 椎 間 関 節 角 度
∠Th1∠Th2∠Th3∠Th4∠Th5∠Th6∠Th7∠Th8∠Th9∠Th10∠Th11∠Thl2
0.428寧
*p<0.05
考 察
1.椎 間 関 節 角 度 につ い て
本 研 究 の 結 果 よ り、20・38歳 の 健 常 成 人 にお け る 背 臥位 で の 両 側 肩 関節 屈 曲 運 動 で は 、 ∠ Th4,∠Th11,∠Th12が 伸 展 す る こ とが 確 認 で き た。 さ ら に 、 ∠Th4,∠Th11,∠Th12に お け る各 実 験 条 件(肩 関 節 屈 曲 角 度)を み て み る と、 ∠Th4で は 肩 関 節 屈 曲 角 度0。 か ら120。 に お い て 伸 展 し、 ∠Th11は 肩 関節 屈 曲角 度120。 以 上 の 条 件 で 伸 展 が 生 じ、 ∠Th12に 関 して は 150。以 上 の 条 件 で 伸 展 が 生 じる こ とが 分 か っ た 。
以 上 の結 果 か ら、背 臥 位 で の 両 側 肩 関 節 屈 曲 運 動 で は 、肩 関節 屈 曲 角 度 の 変 化 に伴 い 肩 関 節 屈 曲 角 度0。 か ら120。 ま で は ∠Th4の 伸 展 運 動 が 生 じ、120。か ら は ∠Th11、150◎ か ら は
∠Th12の 伸 展 運 動 が 生 じ る こ とが 示 唆 され た。
先 行 研 究15)に お い て 、 背 臥 位 に お け る 両 上 肢 挙 上 運 動 で の 肋 骨 の 後 方 回 旋 の 変 化 を調 べ た 結 果 、 挙 上120。 ま で で最 も変 化 した の は 第5肋 骨 で あ っ た と報 告 して い る。 第5肋 骨 は Th4・Th5問 、す な わ ち ∠Th4に 付 着 して い る た め 、本 研 究 の 肩 関 節 屈 曲 角 度0。 か ら120。 に お け る ∠Th4の 伸 展 運 動 は類 似 した結 果 と な っ た。
本 研 究 で は 、肩 関 節 屈 曲角 度0。 か ら120。 に お け る ∠Th4の 伸 展 運 動 と肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 の 間 に は 相 関 関 係 が な か っ た た め 、 ∠Th4の 伸 展 運 動 は 肩 甲骨 の 上 方 回 旋 以 外 の 運 動 と関 連 して い る可 能 性 が あ る と考 え た 。健 常 者 で は 、上 肢 挙 上 運 動 に 伴 い 、肩 甲骨 は 後 傾 す る と報 告 され て い る16)。 鶴 岡 ら17)は 、 健 常 者 に お け る肩 関 節 屈 曲運 動 で 、 肩 関節 屈 曲 角 度oo‑120。 に お い て 肩 甲骨 後 傾 と胸 椎 伸 展 運 動 の 間 に相 関 が あ る と報 告 して い る。 ま た 、 肩 甲骨 は 胸 郭 上 の 第2肋 骨 か ら第7肋 骨 の 問 に あ る た め18)、 本 研 究 の 結 果 と先 行 研 究 を合 わ せ る と 、 ∠Th4が 伸 展 す る こ とで 肋 骨 を介 して 肩 甲 骨 上 部 が 後 退 し、 肩 甲骨 後 傾 の 補 助
を行 っ て い る と考 え た 。
次 に 、 ∠Th11と ∠Th12の 伸 展 運 動 に つ い て 述 べ て い く。 これ ら の結 果 の 要 因 は 、 胸 郭, 脊 柱 の 解 剖 学 的 構 造 と脊 柱,胸 郭,肩 甲骨,上 腕 骨 に付 着 す る筋 の 伸 長 や 作 用 に よ る もの と考
え た 。
ま ず 、 胸 郭,脊 柱 の 解 剖 学 的 構 造 につ い て 述 べ て い く。Whiteに よ る と19)、胸 椎 各 分 節 の 屈 曲 一伸 展 可 動 域 は 、 上 部 胸 椎(Th1‑Th5)は 約4。 、 中 部 胸 椎(Th6・Th10)は 約6。 、 下 部 胸 椎 (Th11‑Th12>は 約120で あ り、胸 椎 の 中 で は 下 部 胸 椎(Th11・Th12)が 最 も 大 き い 可 動 性 を 有 して い る 。 これ は 、上 中 部 胸 椎 と 下 部 胸 椎 の 異 な る解 剖 学 的 構 造 に 起 因 す る。胸 郭 は 胸 椎 の 椎 体 と横 突 起 の そ れ ぞ れ と肋 骨 の 後 端 に よ り、 肋 骨 頭 関 節 と肋 横 突 関 節 を形 成 す る こ と で 強 固 な 安 定牲 を もた ら して い る20)。しか し、Th1・Th10の 椎 体 に は 上 肋 骨 窩 と下 肋 骨 窩 が あ り(Th10は 上 肋 骨 窩 の み 有 す)、 隣 接 す る 椎 骨 の 上 下 が 合 して1本 の肋 骨 と 関節 を形 成 す る が 、Th11・Th12は 同 じ番 号 の 肋 骨 と の み 関節 を 形 成 す る21)。ま た 、Th11・Th12は 横 突 起 に 横 突 肋 骨 窩 も有 して お らず 、 肋 横 突 関節 は 形 成 して い な い21)。 さ ら に 、 第1・第6肋 骨 は 胸 郭 の 前 方 で 胸 骨 と関 節 を形 成 し、第7一第10肋 骨 に お い て1ま肋 軟 骨 で1っ に ま とま り胸 骨 体 に 付 着 す るが 、 第11・ 第12肋 骨 は 浮 遊 肋 で あ る た め 前 方 で は連 結 して い な い22)。 した が っ て 、Th11‑Th12は 他 の 分 節 と比 較 して 肋 骨 や 胸 骨 に よ っ て 制 限 され る こ とが 非 常 に 少 な い 。
ま た 、Th11・Th12は 腰 椎 へ の 移 行 部 で あ り、腰 椎 の 特 徴 も 有 して い る3)23)。脊 椎 伸 展 の 際 に は 、上 下 の 棘 突 起 が 接 近 して 、棘 突 起 間 の棘 問 靭 帯 を 圧 迫 す る こ と で伸 展 を制 限 す る20)。
胸 椎 の 棘 突 起 は 、長 く互 い に 重 な り合 っ て い て 下 後 方 に傾 斜 して い る た め 、伸 展 は 非 常 に 制
限 され る が 、一 方 腰 椎 の 棘 突 起 は 短 くほ ぼ 水 平 で あ るた め 大 き な 伸 展 運 動 が 可 能 と な る20)。
Th11‑Th12も ま た 腰 椎 と同 様 に棘 突 起 が 短 くほ ぼ水 平 で あ る た め18)23)、他 の 分 節 と比 較 し て 棘 突 起 に よ る制 限 が 少 な い 。
さ ら に 、Th12に 関 して は 、下 関 節 突 起 の 形 状 が 腰 椎 と 同 一 の 形 状 を して い る た め3)20)23)、
腰 椎 の 関 節 構 成 単 位 と 同 様 の 運 動 が 行 わ れ る 。 胸 椎 の 関 節 突 起 関節 面 は 後 上 方 を 向 い て い る た め 、 伸 展 時 に は 関 節 面 の圧 縮 応 力 を 高 め る こ とで 伸 展 可 動 域 を制 限 す る 劉 が 、 腰 椎 の 関 節 突 起 関 節 面 は 水 平 面 に 対 して 垂 直 で あ る た め21)、 関節 面 で 制 限 され る こ と は 少 な い 。 こ の よ うに 、 上 述 した 胸 郭,脊 柱 の 解 剖 学 的 構 造 に よ り、Th11‑Th12は 他 の 分 節 と比 較 して 伸 展 運 動 が 生 じや す い 分 節 で あ る た め 、 肩 関 節 屈 曲 運 動 に 伴 い 有 意 に 伸 展 し た 一 つ の 要 因
と な っ た と考 え た 。 一
次 に 、脊 柱,胸 郭,肩 甲骨,上 腕 骨 に 付 着 す る筋 の 伸 長 や 作 用 につ い て 述 べ る。ま ず 一 つ 目は 、 広 背 筋 の 伸 長 に よ る要 因 で あ る。 広 背 筋 は 、Th7‑L5棘 突 起,正 中仙 骨 稜,腸 骨 稜,肩 甲骨 下 角 そ して 第10・ 第12肋 骨 か ら起 始 して 、上 腕 骨 結 節 間 溝 の 底 に停 止 す る25)。筋 の 付 着 部 よ り、
肩 関節 屈 曲 角 度 が 増 大 して 広 背 筋 が 伸 長 され る と 、骨 盤 の 前 傾 が 生 じる 。そ の た め 、骨 盤 前 傾 に伴 い 腰 椎 の 伸 展 も生 じ、そ れ が 頭 側 に波 及 す る こ とでTh11‑Th12が 伸 展 した と考 え た。
ま た 、 広 背 筋 は 第10一 第12肋 骨 に も付 着 して い る た め 、 肩 関 節 屈 曲 角 度 が 大 き くな る と第 10・12肋 骨 の 後 方 回 旋 が 生 じ る。 上 述 した よ うに第10肋 骨 は 胸 骨 と肋 横 突 関 節 で 固 定 され て い る た め 、主 に 第11一 第12肋 骨 が 後 方 回旋 す る こ と で 、そ れ に 伴 いTh11・Th12の 伸 展 を 促 した と考 え た 。
二 つ 目は 、前 鋸 筋 の 作 用 に よ る 要 因 で あ る。前 鋸 筋 は 、肩 関 節 屈 曲 運 動 時 の 肩 甲骨 上 方 回 旋 に 作 用 す る 筋 で あ り、第1・第9肋 骨 か ら起 始 して 肩 甲骨 内 側 縁 に 停 止 して い る25)。ま た 、 肩 甲 骨 と胸 郭 と の 問 で 形 成 され る肩 甲胸 郭 間 連 結 は 筋 連 結 に よ る機 能 的 関 節 を な して お り、
そ の安 定 性 と可 動 性 は 肩 甲 骨 と胸 郭 に 起 始 停 止 部 を 持 つ 筋 に 依 存 して い る。 柿 崎 ら26)は 、 肋 椎 関 節 の 柔 軟 性 が 高 い ほ ど 固 定 力 が 弱 い た め 、 肋 骨 に 付 着 す る 筋 群 の 安 定 した 収 縮 が 生 じづ らい と述 べ て い る 。こ の 見 解 を本 研 究 で 置 き換 え る と、前 鋸 筋 の 安 定 した 収 縮 に よ る肩 甲 骨 上 方 回 旋 を促 す た め に は 、 第1・第9肋 骨 と連 結 す る ∠Th1・ ∠Th9の 固 定 が 必 要 で あ っ た た め 、 ∠Th1・ ∠Th9に お い て 肩 関節 屈 曲運 動 に 伴 う角 度 変 化 が 生 じな か っ た と考 え た 。
以 上 の 内 容 を ま と め る と、 肩 関 節 屈 曲角 度0。‑120。で は 、 肩 甲骨 後 傾 を補 助 す る た め に ∠ Th4の 伸 展 運 動 が 生 じ、肩 関節 屈 曲角 度120。 以 降 に お い て は 、Th11が120。 か ら、Th12は 150。か ら伸 展 運 動 が 生 じた 。 ∠Th1・ ∠Th10の 伸 展 運 動 が 生 じな か っ た理 由 と して は 、 ∠ Th1‑∠Th10は 肋 骨 や 胸 骨 に よ る 制 限 が 大 き い こ と、 ま た ∠Th1‑∠Th9に お い て は 固 定 さ れ る こ とで 前 鋸 筋 の 筋 長 を適 切 な 長 さ に保 ち 、 安 定 した 収 縮 を 生 じ させ て 肩 甲 骨 上 方 回 旋 を促 す こ と に貢 献 す る た め と考 え た 。 さ らに 、 ∠Th11・ ∠Th12が 解 剖 学 的 構…造 に よ り胸 椎 の 中 で は 可 動 性 の 高 い 分 節 で あ る こ と と 、 肩 関 節 屈 曲 角 度 が 増 大 す る に つ れ て 広 背 筋 が 伸 長 され 、 骨 盤i前傾 に 伴 う腰 椎 伸 展 と第11一 第12肋 骨 の 後 方 回 旋 が 生 じ る こ と か ら ∠Th11・
∠Th12の 伸 展 運 動 が 生 じ、 肩 関節 屈 曲 運 動 を補 助 した と考 え た 。
2.肩 甲骨 と胸 椎 の 運 動 の 関 係
肩 関 節 屈 曲角 度120。‑150◎ 間 で は 、 肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 と ∠Th11,∠Th12の 椎 間 関節 角 度 が 負 の 相 関 を 示 した た め 、 言 い 換 え る と ∠Th11,∠Th12の 伸 展 運 動 が 増 大 す る と
そ れ に 伴 い 肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 も 増 大 す る 、 も し く は 肩 甲 骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 が 増 大 す る とそ れ に 伴 い ∠Th11,∠Th12の 伸 展 運 動 も増 大 す る とい う結 果 とな っ た 。
健 常 者 で は 上 肢 挙 上 に伴 い 、 肩 甲骨 外 転 が 生 じる16)。 ま た 、 肩 甲骨 外 転 は 弩 曲 した胸 郭 に 沿 っ て 行 わ れ る運 動 で あ る。そ の た め 、肩 甲骨 外 転 が 増 大 す る こ とで 肩 甲骨 面 が 矢 状 面 へ と近 づ く。す な わ ち 、肩 甲 骨 関 節 窩 の 向 き も よ り前 方 を 向 く こ と と な り、肩 甲 骨 の 上 方 回 旋 も矢 状 面 で の 運 動 に 近 くな る。 よ っ て 、肩 甲骨 の 上 方 回 旋 は 胸 椎 椎 間 関 節 の 伸 展 運 動 方 向 に 近 づ き 、 ∠Th11,∠Th12の 伸 展 運 動 が 増 大 す る とそ れ に伴 い 肩 甲骨 関 節 窩 が 頭 側 に 向 い て 上 方 回 旋 角 も増 大 す る た め 、 負 の 相 関 を示 した と考 え た 。
ま た150。 ・最 大 屈 曲 間 に お い て は 、 肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 と ∠Th12の 椎 間 関 節 角 度 が 正 の相 関 を 示 した た め 、言 い 換 え る と ∠Th12の 伸 展 運 動 が 減 少 す る とそ れ に伴 い 肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 は 増 大 す る 、 も し く は肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 が 減 少 す る とそ れ に 伴 い ∠Th12の 伸 展 運 動 は増 大 す る とい う結 果 を得 た。
金 子 ら11)は 、 高 齢 群 と若 年 群 を対 象 に 、 上 肢 下 垂 位 と両 上 肢 最 大 屈 曲位 に お い て 肩 甲骨 上 方 回 旋 角 と胸 椎 伸 展 角 度 の 変 化 を 比 較 す る と、 高 齢 群 で 両 上 肢 最 大 屈 曲 角 度 に お け る胸 椎 伸 展 角 度 の 減 少 は 軽 度 で あ っ た が 肩 甲 骨 上 方 回 旋 角 の 割 合 は 増 大 して い た こ とか ら、 胸 椎 の 伸 展 運 動 の制 限 を肩 甲胸 郭 間 連 結 の動 き で 代 償 して い た と報 告 して い る。本 研 究 も 、∠
Th12の 伸 展 運 動 が 減 少 す る と肩 甲骨 関節 窩 の 上 方 回 旋 角 で 代 償 す る 、 も し く は肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 が 減 少 す る と ∠Th12の 伸 展 運 動 に よ り代 償 す る こ と を 支 持 す る結 果 とな っ た 。 よ っ て 、肩 甲骨 関 節 窩 の 上 方 回 旋 角 と ∠Th12の 椎 間 関 節 角 度 は 互 い を 補 償 し合 う関 係 で あ る と考 え る。 しか し、 相 関 係 数 はr=0.43と 中程 度 の 相 関 で あ り、 高 い 相 関 は示 さな か っ た 。 この 理 由 と して は 、本 研 究 の対 象 は 若 年 健 常 成 人 で あ り過 度 に 小 さ い も し く は 大 き い 胸 椎 後 弩 角 の 対 象 は 除 外 して い る た め 、 高 齢 者 の よ うに 胸 椎 伸 展 角 度 が 制 限 され る こ と は な く代 償 す る 必 要 が な か っ た た め 、 高 い 関 連 性 を 示 さ な か っ た と考 え る。
3.本 研 究 の 臨 床 的 意 義
本 研 究 よ り、若 年 健 常 成 人 に お け る背 臥 位 、両側 肩 関節 屈 曲 運 動 で の 胸 椎 椎 間 関 節 の 各 分 節 に お け る 矢 状 面 の 可 動 域 変 化 とそ の 特 徴 、 お よび 肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 椎 間 関 節 の 伸 展 運 動 との 間 に 相 関 関係 が あ る こ とが 示 され た 。
渉 猟 す る 限 り、 上 肢 挙 上 運 動 に 伴 う胸 椎 の 各 分 節 に お け る伸 展 運 動 を調 べ た 先 行 研 究 は 見 あ た ら な い 。徒 手 理 学 療 法 分 野 で は 、胸 椎 可 動 性 評 価 は 各 分 節 で 行 わ れ る た め 、本 研 究 の 結 果 は 上 肢 挙 上 運 動 で の 胸 椎 可 動 性 を 徒 手 的 に評 価 す る に あ た り参 考 とな る有 意 義 な 内 容
と考 え る 。
ま た 、肩 関 節 屈 曲 運 動 最 終 域 で は 、肩 甲骨 上 方 回 旋 と胸 椎 椎 問 関 節 の 伸 展 運 動 は 互 い に 補 償 し合 う関 係 に あ る こ とが 示 唆 され た。 臨 床 場 面 に お い て 、上 肢 挙 上 に 伴 う、肩 甲 骨 の 過 度 な 上 方 回 旋 や 下 位 胸 椎 の 過 度 な 伸 展 運 動 に よ る機 械 的 刺 激 を軽 減 す るた め の 治 療 戦 略 を 立 て る 上 で 、 本 研 究 の結 果 を 応 用 で き る 可 能 性 が あ る と考 え る 。
4.本 研 究 の 限 界 と今 後 の 課 題
本 研 究 の 限 界 と して は 、 今 回 は 肩 関 節 屈 曲 運 動 に 伴 う胸 椎 椎 間 関 節 の 各 分 節 の 可 動 域 変 化 を解 析 す る こ と を 目的 と してMRIを 使 用 した た め 、 実 験 肢 位 を背 臥 位 に 設 定 した 点 が 挙
げ られ る。 した が っ て 、重 力 の 影 響 や 脊 柱 が 床 面 に接 して い る こ とで 、可 動 域 の 量 的 な 変 化 に つ い て は言 及 で き な い 。
ま た 、今 回 は 若 年 健 常 成 人 を 対 象 と した が 、性 別 や 年 齢 お よび 胸 椎 後 弩 角 の 違 い に よ り異 な る 結 果 とな る 可 能 性 が あ る。 そ の た め今 後 は 、そ れ らの 相 違 を踏 ま え て 対 象 を設 定 し、検 証 して い く必 要 が あ る。
引用文献
1)InmanVT,SaundersFRCS,AbbottLC:Ol)servationsonthefunctionofthe shoulderjoint.JBoneJointSurg26A:9‑11,1944
2)竹 井 仁,根 岸 徹,後 藤 保 正,他:MRIに よ る 肩 関 節 屈 曲 運 動 の 解 析.日 保 学 誌, 14(1):13・23,2011
3)KapandjiIA:腰 椎,胸 椎.荻 島 秀 男 監 訳,カ パ ン デ ィ 関 節 の 生 理 学 皿 体 幹 ・脊 柱, 第1版:66‑69,144,医 歯 薬 出 版,東 京,1995
4)甲 斐 義 浩,村 田 伸,堀 江 淳,他:上 肢 挙 上 角 と 脊 柱 轡 曲 角 と の 関 係 一健 常 成 人 に お け る 検 討 一.理 学 療 法 科 学,25:19・22,2010
5)Crosl)ieJ,KilbreathSL,HollmannL,etal:Scapulohumeralrhythmandassociated spinalmotion.ClinBiomech23:184‑192,2008
6)EdmondstonSJ,SingerKP:Thoracicspine:anatomicalandbiomechanical considerationsformanualtherapy.ManTher,2:132・143,1997 7)TheodoridisD,RustonS:Theeffectofshouldermovementsonthoracicspine3D
motion.ClinBiomech,17:418・421,2002
8)上 田 泰 之,浦 辺 幸 夫,大 林 弘 宗,他:若 年 者 と 高 齢 者 に お け る 上 肢 挙 上 時 の 体 幹 ア ラ イ メ ン ト の 違 い 体 力 科 学,57:485‑490,2008
9)上 田 泰 之,浦 辺 幸 夫,山 中 悠 紀,他1上 肢 挙 上 運 動 時 の 負 荷 が 肩 甲 骨 お よ び 体 幹 の 運 動 に 及 ぼ す 影 響 理 学 療 法 科 学,24(3):323‑328,2009
10)甲 斐 義 浩,村 田 伸,中 江 祐 輔,他:拘 縮 肩 患 者 に お け る 上 肢 挙 上 運 動 と 脊 柱 轡 曲 角 と の 関 係.総 合 リ ハ,39(1):71‑74,2011
11)金 子 天 哉,清 水 弘 之,笹 生 豊,他:脊 椎 圧 迫 骨 折 患 者 の 脊 椎 と 上 肢 挙 上 と の 関 係 一Spinal Mouseに よ る 検 討 一.聖 マ リ ア ン ナ 医 科 大 学 雑 誌,37:191・202,2009
12)EdmondstonSJ,FergusonA,IppersielP,etal:ClinicalandRadiological
InvestigationofThoracicSpineExtensionMotionDuringBilateralArmElevation.
JOrthopSportsPhysTher,42:861‑869,2012
13)YHirabayashi:Anatomicalconfigurationofthespinalcolumninthesupine position.皿.Comparisonofadolescentandadultvolunteers.BritishJournalof Anaesthesia,76:508・510,1996
14>伊 藤i友 一:MRIに よ る 健 常 人 の 胸 椎 矢 状 面 配 列.東 日 本 整 災 会 誌,14:77・81,2002
15)立 原 久 義,浜 田 純 一 郎,山 口 光 國,他:健 常 者 の 上 肢 挙 上 に 伴 う 胸 郭 と 肩 甲 骨 の 運 動.
肩 関 節,36(3):795・798,2012
16)LudewigPM,PhadkeV,BramanJP,etal:Motionoftheshouldercomplexduring multiplanarhumeralelevation.JBoneJointSurgAm,91:378‑389,2009
17)鶴 岡 祐 治,糸 部 恵 太,東 史 朗,他=肩 関 節 屈 曲 動 作 に お け る 肩 甲 骨 と胸 椎 の 関 係.
第35回 関 東 甲 信 越 ブ ロ ッ ク 理 学 療 法 士 学 会 抄 録 集:0‑001,2016
18)竹 井 仁:触 診 機 能 解 剖 カ ラ ー ア トラ ス 上 巻.第1版:86,143,文 光 堂,東 京,2010 19)WhiteAA皿,PanjabiMM:Clinicalbiomechanicsofthespine,2nded:127・163
JBLippincott,Philadelphia,1990
20)CastaingJ,SantiniJJ:脊 柱.井 原 秀 俊 ・中 山 彰 一 ・井 原 和 彦 訳 者,図 解 関 節 ・運 動 器 の 機 能 解 剖 上 肢 ・脊 柱 編,第1版:129・149,協 同 医 書 出 版 社,東 京,2002
21)SchUnkeM,SchulteE,SchumacherU:体 幹 胸 椎.坂 井 建 雄 ・松 村 譲 見 監 訳,プ ロ メ テ ウ ス 解 剖 学 ア トラ ス 解 剖 学 総 論/運 動 器 系,第2版:108・110,医 学 書 院,東 京,2011 22)井 上 仁:胸 郭 の 運 動 学 理 学 療 法,25,:1672‑1677,2008
23)LeeD:BIOMECHANICSOFTHETHORAXCHAPTER3.Thethorax,2nded:20,46・
48,54・55,0PTT,Minneapolis,2003
24)BogdukN:腰 椎 の 運 動.斎 藤 昭 彦 監 訳,腰 椎 ・骨 盤 領 域 の 臨 床 解 剖 学 腰 痛 の 評 価 ・治 療 の 科 学 的 根 拠,第4版:87,エ ル ゼ ビ ア ジ ャ パ ン,東 京,2008
25)竹 井 仁:触 診 機 能 解 剖 カ ラ ー ア トラ ス 下 巻.第1版:375,384,文 光 堂,東 京,2010 26)柿 崎 藤 泰:胸 郭 運 動 シ ス テ ム の 再 建 法 一呼 吸 運 動 再 構 築 理 論 に 基 づ く 評 価 と 治 療,
第1版:34,三 輪 書 店,東 京,2016
Abstract
Purpose:Thepurposeofthisstudywastoanalyzetherangeofmotionofthoracicspinal segmentsandtoinvestigatethecoordinationofscapularandthoracicspinemotions duringbilateralupPerliml)movementsinthesagittalplane.
Methods:Twenty‑twohealthypeople(tenwomen,twelvemen)perfbrmedbilateralarm 且exionmovemenもsin5positions,atO。,60。,120。,150。,andthemaximumelevation.We
analyzedtherangeofmotionofthethoraciczygapophysialjoints(from∠Thlto∠
Th12)andscapularupwardrotation,andinvestigatedtherelationshipbetweenthoracic spineextensionmotionandscapularupwardrotation,usingmagneticresonance imaging(MRI).
Results:∠Th4extensionshowedduring丘omO。to120。,∠Thllextensionduring丘om 120。tothemaximumelevation,∠Th12extensionduringfrom150。tothemaximum elevation.Thosewerefbundtohavenegativeco皿elationl)etweenscapularupward
rotationand∠Th11・ ∠Th12extensionduring丘om120◎to150。,andpositive correlationbetweenscapularupwardrotationand∠Th12extensionduring丘om150。
tothemaximumelevation.
Conclusiolls:∠Th4extensionduring丘omO。to120。and∠Th11・ ∠Th12extension
afヒer120。contril)utetobilateralarm且exionmovements.Inaddition,theresultssuggest thatscapularupwardrotationandthoracicspineextensionmotionhelpeachother.
、KeyWords
Shoulderelevation,Thoracicspineextension Magneticresonanceimaging
motion,Scapularupwardrotation,