• 検索結果がありません。

胆嚢晶出後の胆道の形態論並びに機能的変化

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "胆嚢晶出後の胆道の形態論並びに機能的変化"

Copied!
47
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

658 金沢大学十全医学会雑誌 第72巻 第3号 658−704 (1966>

胆嚢晶出後の胆道の形態論並びに機能的変化

金沢大学医学部第二外科国教室(主任 熊埜御堂進教授)

      山  崎  時  雄

       (昭和40年4,月1日受付)

本論文の要旨は1958年11月,熊埜御堂外科学教室論文集第1輯に発表した.

第1編 胆嚢割出後の肝外胆管拡張に関する実試的研究

 胆嚢を捌出すると,総輸胆管,肝管の拡張すること がOddi以来多数の学者により,臨床例及び動物実 験において観察報告されている.しかしまた,これを 必しも信じないものもある.

 更にまた,この総輸胆管,肝管の拡張の原因につい ては現在においてもなお定説無く,胆嚢晶晶後には胆 管内圧が上昇するために拡張が起ってくるとなす者,

或いは,胆嚢易咄後にはオツヂー二三約筋の機能脱落 が起り,その結果十二指腸内圧が直接総輸胆管内へ伝 達され拡張が惹起されるとなす者,更にまた富者は,

胆嚢が易咄されるやオツヂー氏括約筋の機能脱落及び 胆管壁の緊張低下が起り,総輸胆管並びに肝管の拡張 が起ってくるとしている.

 これは各々の実験材料,実験方法の相違等によるこ とも考えられるが,胆道生理の複雑さを如実に示すも のである.

 私はこれらの諸種の観点から,胆嚢別品後の胆管拡 張について精査せんとして,犬において胆嚢易咄術前 後の胆管のレントゲン撮影を行ない,術前後における 胆管横径の変化をレントゲン学的に比較追究した.

 なお胆嚢易拙術を行なう臨床例においてビリグラフ インによる胆管撮影を行ない,レントゲン所見及び手 術所見おにいて胆管拡張の認められない例に,胆嚢別 出後再びビリグラフインによる胆管撮影を行ない,胆 嚢易咄前後における胆管影像を比較検討した.

実験材料並びに実験方法

 実験材料.動物実験においては,体重10kg前後 の健康成熟犬を使用し,24時間絶食後に開腹術を施行 す.胆管撮影にはモルヨドール(第一製薬株式会社 製,20%ヨード化油)を使用した.

 臨床例においては術後愁訴の無い者を選んで実験を 行なった.胆管撮影には30%ないし50%ビリグラフイ ン(N.N一アジピンージー〔3一アミノー2,4,6一

トリヨード安息香酸〕のメチールグルカミン塩で,そ のヨード含有量は50%である.1管中20ccで,30%

は主剤6gを,〔強〕50%は主剤10 gを含有する).

を使用した.

 実験方法.臨床例については第2節,第1項におい て述べ,ここでは動物実験についてのみ記述する.手 術は第一次手術と第二次手術に分けられる.即ち,第 一次手術において胆嚢易咄前の胆管撮影を行なう.

 1.胆嚢別出前胆管撮影,動物を背位に固定し腹部 の毛を短かく勢みとり,5%ヨードチンキにて手術野 を費毒する.麻酔はラボナール(田辺製薬株式会社製,

主成分Sodium−5−ethy1−5一〔1−methylbuty1J thiobarbiturate,1管中主成分0.5gを含有す)に よる全身麻酔を施した.即ち,0.5gラボナールを滅 菌蒸溜水20ccに溶解し25%の水溶液とする.0.025 gr.1pro. kgを2回に分けて,腹壁正中線より穿刺 し腹腔内へ緩除に注入す.注射間隔は5分間とす.麻 酔が充分なることを確認し,正中線にて開腹術を行な

う.肝葉を扁平鈎にて左右に排し,主としで右中葉

(一部方形葉)に附着する胆嚢を露出する.次いで胆 嚢をその床より所謂Fundus ausに鋭的,二二に剥 離する.胆嚢が完全に遊離されたならば,胆嚢管より 少しく離れた胆嚢漏斗部に煙草嚢縫合の要領で絹糸を かけ,その中央で胆嚢壁に小孔を穿ち第1図に示す如 き胆嚢管挿入カニューレを胆嚢管の中程まで挿入し,

カニューレ挿入口部周囲にかけてある絹糸を緊縛し,

他に胆嚢の胆嚢管移行部を廻ぐる絹糸にてカニューレ が滑脱しないよう緊縛固定する.腹腔内を清拭し,止  Morりhological and Functional Changes of the Biliary Tract After Cholecystectσ my. Tokio Yamazaki, Department of Surgery(皿)(Director:Prof. S. Kumano・

mido), School of Medcine, Kanazawa University.

(2)

胆嚢捌出後の胆道の変化 659

血を厳重に行ない,止血鉗子その他を取りはずす.動 物を右側臥位とし胆嚢管挿入カニューレに注射器を接 合す.モルヨドールを2cc注入した時にレソトグン 撮影を行なう.モルヨドール注入は一定条件の下に行 なうのであるが,詳細は後述する.良好な影像を得た ななばカニューレを抜去し,胆嚢を則出し,腹壁を二 層に縫合閉鎖し術を終る.

 2.胆嚢別出後胆管撮影,第一次手術施行後一定期 間に,ラボナール溶液の腹腔内注射による全身麻酔の 下に,第一次手術における手術搬痕に一致して開腹を 行なう.再開腹の故腹腔内に多少の癒着をみるのが常 であるが,化膿性炎症の所見は認められない.癒着は 易咄された胆嚢の肝床面と,大網及び胃,十二指腸と の間に生ずるが,胆管には何らの癒着も常に認められ なかった. これを極めて注意して鋭的,鈍的に剥離 し,総輸胆管,肝管,胆嚢管切断部を充分露出する.

残存胆嚢管或いは総輸胆管に第1図,第2図,第3図 に示す如きカニューレを挿入し,動物を右側臥位とな 1し,第一次手術と同様にして胆管のレントゲン撮影を 行なう.

 3.胆嚢思及び胆管挿入カニューレ,腹腔内の解剖 学的関係に従い,次の3種のカニューレをそれぞれ使

用す.

 (1)胆嚢管挿入カニューレA(以下Aカニューレ と略).このAカニューレは第一次手術,第二次手術 いずれの場合にも使用す.

 腹壁切開創から胆嚢或いは残存胆嚢管に達するの に,腹腔内の解剖学的関係からカニューレを屈曲させ る必要のある時に使用す.

 本カニューレは,直径(内径)2mm,長さ10 cm の金属(銀製)カニューレをゴム管にて覆い,ゴム管 を金属尖端より5mm長くし,ゴム管尖端は斜めに 切ってある.従ってAカニューレは自由に屈曲するこ とができる.

 (2)胆嚢管挿入カニューレB(以下Bカニューレ と略).このBカニューレも第一次手術,第二次手術,

いずれの場合にも使用す.

 本カニューレは側壁穿刺針の尖端を鈍にしたもので 長さ9cmである(第1図,第2図)

 (3)胆管挿入カニューレ,このカニューレばPa−

tronicolasとHoffmannによって考案され,氏等 が臨床例において手術中の胆道撮影及び胆道内圧測定 に使用したものである.本カニューレは私の実験にお いては,第二次手術にのみ使用した.即ち,残存胆嚢 管が短かく前述したAカニューレ,Bカニューレを使 用できない時に使用する.(第3図,第4図)

 このカニューレを胆管内に挿入するには,第4図に 示す如く,先づカニューレをA点より刺入し1轡曲頂 点にある小平が丁度胆管内にあるようにし,刺入点か ら梢離れたB点から刺出する,カニューレの船出部は 胆管に接して絹糸で結節を作り,滑脱を防ぐ.

 胆嚢易拙後胆管撮影に残存胆嚢管を利用できない場 合,利用価値が大である.犬胆管は3mm前後の太 さであるから,普通の直針でモルヨドールを注入する と,造影剤が漏れたり,門脈或いは肝動静脈を損傷す る危険がある.しかしながらこのカニューレを使用す れば,安全に漏洩することなくモルヨドールを注入し

得る.

 以上のカニューレを用いて造影剤を注入する場合,

注入圧如何によっては造影剤注入により胆管拡張が起 り,レントゲン写真に拡張した状熊で撮影される危険 がある.この問題を討議する際には次に述べる事項を 考慮しなければならない.使用するカニューレの太さ がそれぞれ違う.胆管内圧は個体差がある.総輸胆管 下端は開放しているが,オツヂー氏括約筋が存在し括 約している.しかしながら括約の強さには個体差があ る,等である.従って造影剤注入圧を一定にしても上 記の諸事項に影響され正確を期し難い.また,注入圧 を一定するには手技が繁雑となる.私は造影剤注入は 手動で極めて緩除に注入し,2cc注入後撮影までに10 秒の間隔を置いた.胆管内に余剰となった造影剤はこ の間に,十二指腸内に排出され,いずれのカニューレ を使用しても常に一定した胆管影像が得られた.これ は透視等により確認することができた.

 4.レントゲン撮影条件.

  (1)撮影装置は高圧印加蓄電器放電式の廻下用移    動車.

  (2)電圧 45−48KV   (3)電流 300MA   (4)距離 75cm

 常に以上の条件のもとに撮影を行なう,

 5..胆管横径測定法.正常犬の胆道影像についでは 第3章第1節において述べるが1測定対照とした胆管 は,総輸胆管,左主肝管,右下肝管である.各部の横 径は同一条件めもと撮影したるレントゲン写真より直 接計測し,Berk. Williamらによって提唱された方 法に従い,造影された胆管の各部の最:大横径をもつて 表わした.

実 験 成 績

1.胆嚢止り出前後の胆管:影像並びに胆管各部横径

1)実験材料並びに実験方法

(3)

660 山 崎

 実験材料.体重10kg前後の健康成熟犬を使用し,

24時間絶食後に手術を行なう.胆管撮影にはモルヨド ールを使用す.

 実験方法.ラポナール溶液の腹腔内注入による全身 麻酔の下に開腹術を行ない,胆嚢易拙前胆管撮影を行 なう.その後は次の如き各群に分けて第二次手術を施 行し胆嚢易島島胆管撮影を行ない,胆嚢易咄前後の胆 管影像並びに胆管横径を比較検:討する.

  第1群 胆嚢捌出後2週間         第2群 胆嚢易咄後3週間

  第3群 胆嚢別出後4週間』

  第4群 胆嚢侵出後2ヵ月   :第5群 胆嚢易咄後5・二月

 以上の各群につき,各例毎に胆嚢劉出後の胆管影像 並びに各部横径を比較した.

 2)実験成績

 各誌の実験成績を述べる前に,正常犬胆道(胆嚢を 含む)影像並びに第一次手術における胆管影像につき 述べ,更に第一次手術における総出胆管,左主肝管,

山主肝管の直感径の平均値を表示する.

 1.犬胆道(胆嚢を含む)正常影像.胆管挿入カニ ューレ(第3図)を総輸胆管に挿入し,モルヨドール を注入して胆道撮影を行ない各部の名称を山岸に従っ

て次の如く定めた.(第5図)

 2.第一次手術時における胆管影像.胆嚢管挿入カ ニューレ(第1図)を使用して胆管撮影を行なった場 合,当然胆嚢は造影されない.(第6図)肝外胆管の 中,藩主肝管は時として造影されないことがある.総 輸胆管未端部(オツヂー氏括約筋部)は,極めて細い 陰影を現わすこともあるが,何ら陰影を現わさないこ

ともある.

 3.第一次手術時における胆管各部横径.本実験に おいて使用した25例の犬の胆管各部横径をレントゲン 写真より実測しその平均値を求めた.総輸胆管横径 は,:最大4.Omm,最小2.Omm,平均値3.Ommで ある.右主肝管;横径は,最大5.Omm,最:小1.Omm,

平均値2.8mmである.左主肝管横径は,:最大1.7 mm,二二0.3mm,平均値0.9mmである.愼らの 実験における正常犬の肉眼的総輸胆管横径は,最大 3.Omm,最小2.Omm,平均値2.6mmである.左 右主肝管の実測値は,内外の文献を渉猟しても未だ見 当らない.本実験結果より犬の左右主肝管の閲には横 径においてかなりの差がある.即ち,平均値で右主肝 管は左主肝管より1.9mmも大である,また,胆管 壁も留主肝管はかなり厚い.且,総輸胆管の壁が最も

厚い.

  かくの如く,正常犬における胆管横径がかなり著:る   しい個体差を示すので,胆嚢易咄前胆管横径と胆嚢別   出後胆管横径の比較は,総べて直訳毎に行なった.ま

、   た,高山次手術時胆管横径と第二次手術時胆管横径の  差を求め,第一次手術時胆管横径に対する拡張の%を  求め,これを拡張率とした.なお,第一次手術時胆管  横径と第二次手術時胆管横径の差を拡張値とした.

   4.各群における胆嚢易咄前後の胆管影像並びに胆  管各部横径

   (1) 第1群.胆嚢易拙後2週間(第7図)

  肝油胆管の造影良好.肝内胆管の一部が造影されて   いる.総山胆管民訴は次第に細くなり,十二指腸陰影   に移行する前に陰影を示さない部分がある.また,造  :影剤の十二指腸内排出は著明である.

  実測値.

   総輸胆管 3.Omm    右主肝管 2.Omm    左心肝管 0.8mm

  本例において術後2週間に再開腹を行ない,胆管撮  影を施行し第8図の如き胆管影像を得た.

  総輸胆管,右主肝管は造影良好であるが,左主肝管   は造影されなかった.総輸胆管,右主肝管は胆嚢捌出  前に比し著明に拡張す.

実測値

 総輸胆管 4.Omm  右四肝管 5.8mm  血忌肝管

拡張値 1.Omm 3.8mm

 即ち,胆嚢六出後2週間にして肝外胆管の明瞭な拡 張を認めることができる.なお右主肝管の拡張率は 190%で,総輸胆管の拡張率33%より遙かに大である.

 第1群は5例について行なった.各例の実測値は第 2回忌如くである.

 総輸胆管における拡則値は最大1.2mm,最小1.O mm,平均値1.1mmであり,拡張率は最大45%,

最小25%,平均値38%である.

 右主肝管における拡張値は,最大3.8mm,最:小 0.8mm,平均値1.5mmであり,拡張率は,最大 190%,最小30%,平均値72%である.

 左主肝管における拡張値は,最大1.Omm,最小 0.9mm,平均値0.9mmであり,拡張率は,最大 100%,最小50%,平均値80%である.

 胆嚢易咄後2週間で胆管の拡張はかなり著明にな る.胆管各部の拡張率は,高山肝管が最高で80%,次 いで右主肝管72%,総輸胆管38%の順である.即ち,

総輸胆管の拡張に比し左右主肝管の拡張が遙かに大で

ある.また,左主肝管の拡張が,右主肝管の拡張より

(4)

胆嚢別出後の胆道の変化 661

梢大である。

 (2) 第2群胆嚢別出後3週間(第9図)

 肝外胆管の造影良好.オツヂー氏括約筋部は中断さ れず十二指腸陰影に移行す.造影剤の十二指腸内流出 は著明である.

実測値

  総輸胆管  3.Omm

  右主肝管  2.5mm   左主肝管  1.Omm

 本例において術後3週間に再開腹を行ない,胆管撮 影を施行し第10図の如き胆管影像を得た.

 肝外胆管の造影良好.南外胆管は胆嚢別出前に比し 著明に拡張す.総輸胆管未端は次第に細くなり,十二 指腸陰影との間に中断部がある.造影剤の十二指腸内 第1表 犬胆管各部横径正常値

実験番号

3456789101112131415161718192023242527282930

00 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN

性 別

8δε♀63♀♀♀6♀♀δε38♀δδ♀δ♂εεO†

体  重

 (kg)

70300004700338396200370502881190872419807321880291 1   11  1   111   1  111  111 

1

繍胆管陣r霊管

05208000505252123754000033224232423232232222344443 00050550935505200076000052323321313232232412335333

左回 肝 管   (mm)

n◎︵U O−漏

1.0 1.2 1.0 0.8 1.5 0.5 0.6 1.0 1.7

0.5 0.8 0.8 1.0 0.5 1.2

0.5

1.5 0.3 0.5

平 均 値 3.Omm 2.8mm 0.9mm

第2表 第一群における胆嚢捌出前後の胆管横径

実験番号 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7

︿○︿◎小○○→小O

体 重 12。7kg 8.Okg 8.3kg 11.Okg 11.Ok 9

総 輸 胆 管

集1長期i%

3.0 2.5 2.2 4.0 2.8

06200 4凸n63陶b4凸 1.0

1.1 1.0 1.0 1.2

?U45POn6 nδ4424

右 主 肝 管

与土匪防

2.0 3.0 2.0 3.5 3.0

5.8 4.0 3.1 4.3 3.9

80ームQu9 Aδ噌⊥噌100 190 33 55 51 30

 左 に簸臨【 主 肝 管

劃%

0.8 1.0

02

¶⊥−

1.9

2.0 2.1

0.9

1.0 0.9

90 100 50

平 均 値 Ii 3・・14・・1…138112・714・211・5 i 7211…12・・1・・918・

(5)

662・ 山 崎

流出は,胆嚢易拙前に比し著明に減少している.

実測値        拡張値  総輸胆管 4.5mm  1.5mm  右主肝管 5.Omm ・2・5mm  左主肝管 2.2mm  1.2mm

 胆嚢易拙後3週聞においても肝外胆管の著明な拡張 が認められる.本例においても総輸胆管の拡張に比 し,左右主肝管の拡張が遙かに大で,また,左主肝管 の拡張率は,三主肝管の拡張率より梢大である.即ち 胆管各部の拡張率は,総輸胆管50%,右主肝管100%,

左主肝管120%である.

 第2群は5例について行なった.各例の実測値は第 3表の如くである.

 総:輸胆管における拡張値は,最:大2.Omm,最:小 0.8mm,平均値1.6mmであり,拡張率は,最大90

%,最小20%,平均値61%である.

 右主肝管における拡張値は,最:大3.1mm,最小

1.Omm,平均値2.1mmであり,拡張率は,最大

163%,最:小33%,平均値96%である.

 歯噛肝管における拡張値は,最大1.5mm,最小 0.7mm,平均値1.Ommであり,拡張率は最大300

%,最小53%,平均値139%である.

 第1群と第2群の拡張値及び拡張率を平均値で比較 すれば,第4表の如くである.

 即ち,胆嚢易咄後3週間では,胆嚢易雨後2週間よ り更に拡張が著明となる.総輸胆管においては,第2 群は第1群より拡張値は0.5mm増加し,拡張率は 23%増加した.右主肝管においては,第2群は第1群 より拡張値は0.6mm増加し,拡張率は24%増加し た.また,左主肝管においては,第2群は第1群より 拡張値は0.1mm増加し,拡張率は59%増加した.

これをグラフによって表わせば第5表の如くである.

胆嚢易駅手の胆管拡張は,術後2週間でかなり明瞭と なり,術後3週間では更に著明となる.

第3表第二群における胆嚢易拙前後の胆管横径

実験番号 No.8 No.9 No.10 No.11 No.12

︿OQTOTO→小○

体 重

9.Okg 10.Okg 8.4kg 7.7kg 12.Okg

総 輸 胆 管

無臨劃% 32420﹂ 00050 4.5

3.8 4.8 4.5 5.0

1.5 1.8 0.8 2.0 2.0

00007. 5∩フ286 管% 肝内 主第四 年三歌

2.5 1.5 3.0 1.9 3.3

5.0 3.5 4.0 5.0 5.0

2.5 2.0 1.0 3.1 1.7

100 133 33 163 52

左 主 肝 管

与L馴劃%

1.0 0.8 1.5 0.5 0.6

2.2 1.5 2.3 2.0 1.3

1.2 0.7 0.8 1.5 0.7

120 87 53 300 133

平 均 値 12・914・51・・6161i12・414・512・・19611・・gl・・gi1・・「・39

第  4 表

拡張値(mm)

拡 張 率 (%)

総帥 胆 管

第粛二二群

1.1

38

1.6 61

右 主 肝 管

第一副第二群

1.5

72

2.1

96

第一副第二群 藩主肝管

0.9

80

1.0

139

200

第5表

一膳輸胆管

一一一。一一

蜴蜉フ管

一一一・ カ房肝管    拡張率

    /     /

100    /ンノ

  〆

 、κ

0

   2   5

5 拡張値

2     ,b   ノノ

1  ,!ノー一∂

0 

  2   5

 拡張を部位別にみると,総輸胆管より左右主肝管が 遙かに大であり,更に,左主肝管の拡張は三主肝管の 拡張より大である.

 (3) 第3群 胆嚢易U出後4週間(第11図)

 肝外胆管の造影良好.総輸胆管末端部は中断するこ となく十二指腸陰影に連っている.造影剤の十二指腸 内排出は著明である.

実測値

  総輸胆管  2.5mm

  藩主肝管  2.5mn1

(6)

胆嚢劉出後の胆道の変化 6631

第6表 第三群における胆嚢易咄前後の胆管横径

実験番号 No.13 No.14 No.15 No.16 No.17

○丁OT小○巾○小○

体 重

14.Okg 11.3kg 9.Okg 8.8kg 10.3kg

総 輸 胆 管

嬉螺晦1%

2.5 3.2 2.5 2.2 3.1

5FOOρ0噌⊥ 434凸﹂44凸 2.0

0.3 1.5 2.4 1.0

80  9 60 109 32

右 主 肝 管

i与茎1姻%

2.5 3.5 2.0 2.5 3.2

7.0 3.5 4.0 3.5 6.2

4.5

 0

2.0 1.0 3.0

180  0 100 40 94

左 主 肝 管

曝露1姻%

1.0 1.7

0,5 0.8

1.7 2.0 2.0 1.8 2.3

0.7 0.3

1.3 1.5

0只︶ 7■−← 04 ρOnコ 9臼ーム

平 均 値 i{2・714・・11・4i58112・7【4・812・・183111・・12・・i1・・1136

第  7 表

拡 張(mm)

拡張率(%)

総 輸 胆 管

第一副第二副第三群

1.1

38

ρb■⊥ ︒ρ0

1 1.4

58

右主肝 管 第一剥第二剖窪群

1.5

72

−晶ρ0 ・0︾

2 2.1

83

暗主肝管

1第一剥第二副第三群

0.9

80

1.0 139

1.0

136

  二二肝管  1.Omm

 本例において術後4週間に再開腹を行ない,胆管撮 影を施行し第12図の如き胆管影像を得た.

 二二胆管の造影良好.胆嚢捌出前に比し著明な拡張 を認む.総輸胆管末端部は中断することなく十二指腸 陰影に移行す.造影剤の十二指腸内排出は,胆嚢別出 前に比し明らかに減少している.

実測値

 総輸胆管 4.5mm  右下肝管 7.Omm  三主肝管 1.7mm  胆嚢易U出後4週間においても,

な拡張が認められる.本例においては三主肝管の拡張 が特に著るしく,拡張率180%を示した.総輸胆管の 拡張率は80%,門主肝管の拡張率は70%で殆んど同率 である.

 しかしながら第6表に示す如く,本群においても拡 張は左主肝管に最:も著るしく,次で右主肝管,総輸胆 管の頒となっている.

 第3群は5例について行なった.実測値は第6表の 如くである.

 総輸胆管における拡張値は,最大2.4mm,最小 0.3mm,平均値1.4mmであり,拡張率は,最大 109%,最小9%,平均値58%である.

 右主肝管における拡張値は,最大4.5mm,最小O mm,平均値2.1mmであり,拡張率は,最大180%,

最小0%,平均値83%である.

 左主肝管における拡張値は,最大1.5mm,最小 拡張値

2,0mm 4.5mm O.7mm

  なお肝外胆管の著明

0.3mm,平均値1.Ommであり,拡張率は,最大 260%,最小18%,平均値136%である.

 第1群, 第2群,第3群における拡張値及び拡張率 を,平均値で比較すれば第7表の如くである.ここで 注目すべき事は,第3群は第2群より拡張率の減少を きした事で,二輪胆管においては,第3群は第2群よ り拡張値は0.2mm減少し,拡張率は3%減少した.

右主肝管においては,第3群は第2群より拡張率は13

%減少したが,拡張値に変化はない.二二肝管におい ても拡張値に変化は無かったが,拡張率は3%減少し た.これをグラフで示せば第8表の如くである.即 ち,胆嚢易U出後2週間で肝外胆管の拡張は著明とな り,術後3週間で拡張は更に著明となる.しかしなが ら術後4週間に及べば拡張は梢縮即する.

200

100

1庭H    週

−%

拡張串

第8表

一総輸胆管

一一一一一 E主肝管 一一一 カ主肝管      戸噌・一噂

   /   〃/^\

 ノ κ

2  ろ  4 5

2

1

0

→㎜

拡張値.

   〆

 ノ   ノ  ロ

, を:〃7

週一ゆ 2  5  4  (4) 第4i群 胆嚢捌出後2カ月(第13図)

 肝外胆管の造影良好.総輸胆管末端部は中断するこ

となく十二指腸陰:影に移行す.造影剤の十二指腸内排

出は著明である.

(7)

664

 実測値

  総:輸胆管  2.2rnm   右主肝管  2・Omm   左主肝管  0.81nm

 本例において術後2カ月に再開腹を行ない,胆管撮 影を施行し第14図の如き影像を得た.

 肝外胆管の造影良好.胆嚢易咄前に比し著明に拡張 す.総輸胆管末端部は中断することなく,十二指腸陰 影に移行す.造影剤の十二指腸内排出は,胆嚢易拙前 に比し梢減少す.

実測値         拡張値  総:輸胆管 4.2mm  2.Omm  右脳肝管 4.Omm  2.Omm  一州肝管 2.5mm  1.7mm

 胆嚢易拙後2カ月においても,なお胆管の拡張が認 められる.本例においても総輸胆管の拡張に比し,左 右主肝管の拡張が大で,また左主肝管の拡張が特に顕 著である.即ち,拡張率は総輸胆管90%,右主肝管

100%,左主肝管212%である.

 第4群は5例について行なった.各例の実測値は第 9表の如くである,

 総輸胆管における拡張値は,最大2.Omm,最小 0.7mm,平均値1.4.mn1であり,拡張率は,最大90

%,最小30%,平均値54%である.

 右主肝管における拡張値は,最大2,4mm,最小 1.Omm,平均値1.8mmであり,「拡張率は,・最:大 150%,最小25%,平均値83%である.

 左主肝管における拡張値は,最大1.7mm,最小 0.5mm,平均値1.Ommであり,拡張率は,最:大 212%,最小50%,平均値128%である,

 第1群,:第2群,:第3i群,第4群の拡張値,拡張率 を平均値で比較すれば,第10表の如くである.

 胆嚢易咄後3週間で胆管拡張は最大となり,術後4 週間,術後2カ月では三士少してくる.第3群と第4 群とでは,総輸胆管においては拡張値に変化はない が,第4群は第3群より拡張率において4%減少し,

第9表 第四群における胆嚢易咄前後の胆管横径

実験番号

No.18 No.19 No.20 No,23 No.24

小OQT小O小OO†

体 重

7.9kg 13.6kg 12.2kg 11.Okg 8.Okg

総 輸 胆 管

螺1茎1姻%

2.2 2.3 2.7 2.5 3.4

207・02 43004FD ︵U7.058 20ームー凸ーム 007●06δ QσnδnδρOFO

右 主 肝 管

与1茎1酬%

2.0 4,0 1.0 2.7 3.6

4.0 5.0 2.5 4.7 6.0

2.0 1.0 1.5 2.0 2.4

100 25 150 74 67

左 主 肝 管

与L刺刺%

0.8 1.0 0.5 1.2

RVPOPO81− 21←11晶2 1.7 0.5 1.0 0.6

212 50 200 50

平 均 値 1【2・6i4・・11・415412・714・41・・8圖1・・gl・・gl…i・28

第 10 句 帳 輸 胆 管

第劃第二綿三黒鯛囎

拡張値(mm)

拡張率(%)

1.1

38

■⊥盈U ・− 6 1.4 58

1.4

54

右 主 肝 管 左 主 肝 管

第一幽一瞬三噸四譜第劃第二群鮎綿囎

−←7■ ・9臼 5 2,1

96

2・・i1・8・・9

83183 80

1.0

139

1.0

136

08 ・9臼 玉ユー←

200

100

0

拡張率

第 11 表 一総輸胆管

一__.右主肝管

_._左主肝管

    ノ噺・・鴫㍉.

       、    /

/へ一一

2  5  4  2ヵ月 5

2

1

0

拡張値

   〆

,!多クー

ノ  ψ

,溜一一騨へ、㍉

2  5  4  2カ月

(8)

胆嚢翔出後の胆道の変化 665

右主肝管においては,第4群は第3群より拡張値は 0.3mm減少したが,拡張率に変化はなかった.ま た,左主肝管においては,第3群と第4群において拡 張値に変化はないが,拡張率は8%減少した.しかし 大体において相似た結果となり,第3群と第4群との 間において大差を見なくなった.これをグラフで示せ ば第11表の如くである.

 (5)第5i群 胆嚢易U出後5ヵ月(第14図)

 肝外胆管の造影良好.オツヂー氏括約節部は中断す ることなく,十二指腸陰影に移行す.造影剤の十二指 腸内排出は著明.

 実測値

  総輸胆管  4.Omm   右主肝管  3.Omm   左主肝管  0.5mm

 本例において術後5カ月に再開腹を行ない,胆管撮 影を施行し第15図の如き影像を得た.

 肝外胆管の造彰良好.術後5カ月においてもなお肝

外胆管の拡張が認められる.総輸胆管末端部は十二指 腸陰影と重って不明瞭である.造影剤の十二指腸内排 出は著明.

 実測値         拡張値   総輸胆管 4.5mm  O.5mm   右主肝管 5.Omm  2.Omm   左主肝管 2.Omm  1.5mm

 胆嚢易拙後5カ月においてもなお胆管拡張を認める ことができる.本例においても,総輸胆管の拡張に比 し,左右主肝管の拡張が遙かに大であり,また,右主 肝管に比し左主肝管の拡張が大である.即ち,拡張率 は,総輸胆管13%,右主肝管67%,左主肝管300%で

ある.

 本例は5例について行なった.実測値は第12表の如 くである.

 総:輸胆管における拡張値は,最大1.5mm,最−小 0.5mm,平均値0.9mmであり,拡張率は,最大45

%,最小13%,平均値25%である,右主肝管における 第12表 第五群における胆嚢別出前後の胆管横径

実験番号 No.25 No.27 No.28 No.29 No,30

8小○小○小OOT

体 重 18.3kg 10.7kg 12.Okg 9.5kg 11.Ok:g

総 輸 胆 管

2洌馴綱%

4.0 4,0 4.0 4.0 3.3

4.5 5.0 5.0 4.7 4.8

0.5 1.0 1.0 0.7 1.5

nδ5PO◎05 1占221占4

右 主 肝 管

=馴茎瞬1%

3.0 5.0 3.0 3.0 3.5

5.0 6.5 5.0 5.0 4.8

2,0 1,5 2.0 2.0 1.3

7ハU7877σ 6QGρ0ρOnδ

左 主 肝 管

轄際限張1%

0.5

1.5 0.3 0.5

2.0 1.5 2.2 1.1 1.0

1.5

0.7 0.8 0.5

300

4ケ

27 100

平 均 値 113・g14・81・・9125113・515・31・・8i 5411・・711・61・・7「・19

第 13 表

拡張(mm)

拡張率(%)

総 輸 胆 管

・一2囹415

■⊥OO ・3

1 1.6 61

1.4

58

4凸4凸 ︒﹁0

1 0.9

25

右 主 肝 管

112i31415

1.5

72

2.1

96

2.1

83

1.8

83

84凸 ・FO

1

左 主 肝 管

・}2国415

0.9

80

LO

139

1.0 136

06◎ ・9臼 11 0。7

119

200

霊oo

o

ゆノ

拡張率(%)

第 14 表 一総輸胆管

一一一の E主肝管

_._左主肝管

  !」陶 一■哺、.

     は の

 /     、

〃〈

5

2

1

o

拡張値(脇)

2W  5W  4W  2M 5M 2W  5W 4W  2M 5M

(9)

666 山

拡張値は,最大2,0mm,最:小1.3nm,平均値1.8 mmであり,拡張率は,最大67%,最小30%,平均値 54%である,また,法主肝管における拡張値は,最大 1.5mm,最小0.5m:n,平均値0.7mmであり,拡 張率は,最大300%,最小27%,平均値119%である.

 第1群,第2群,第3群,:第4群,第5群の拡張 値,拡張率を平均値で比較すれば第13表の如くであ

る.

 胆嚢面出後3週間で胆管拡張は:最大となり,その後 2カ月に及ぶまで梢縮少の傾向を示すが,変化は軽度 で相似た成績である.しかしながら術後5カ月では比 較的著明に縮少した.即ち,総輸胆管では術後3週間 の拡張率61%に対し,術後5カ月の拡張率は25%で,

36%減少した.右主肝管では術後3週間の拡張率96%

に対し,術後5カ月の拡張率は54%で,42%減少し た.左主肝管では術後3週間の拡張率ユ39%に対し,

,術後5カ月の拡聖率は119%で,20%減少した. 、  こ九をグラフで表わせば第14表の如ぐで.ある.

 3)小  括

 前項における実験結果より,胆嚢が捌出されるや肝

・外胆管は明らかに拡張する.

 総輸胆管においては,胆嚢別郭後3週間で,拡張 値,拡張率共に最大に達した.即ち,拡張値1.6mm,

拡張率61%である.その後は梢胆管の縮少を認めるが

,術後3週間,術後4週間,術後2カ月では大差を見 ない.しかしながら術後5カ月では,拡張値,拡張率 共にかなり減少し,拡張値0.9mm,拡張率25%で5 群中最小である.これを術後3週間のものと比較すれ ば,拡張値は0.7mm減少,拡張率は36%め減少

を示している.

 右主肝管においては,胆嚢易虫酸3週間で:最大の拡 張に達した.即ち,拡張値2.1mm,拡張率96%であ る.その後は梢縮小を認めるが,総輸胆管乏同様,術 後3週間,術後4週間,術後5カ月の間には大差を見 ない.しかしながら術後5カ月では,やはり総輸胆管 と同様,拡張値,拡張率共にかなり減少し1拡張値 1.8mm,拡張率54%で5戸隠最小である.これを術 後3週間のものと比較すれば,拡張値は0.3mmの 減少,拡張率は42%の減少を示した.

 左主肝管においては,胆嚢易咄後3週間で,前2者 と同様拡張は最大に達した.即ち,拡張値・1。01nm,

拡張率130%である.その後は梢縮少するが,その縮 少は前2者程甚しくない.即ち,術後5カ月では,拡 張値0.7mm,拡張率119%で,術後3週間より,拡 張値0.3mm,拡張率17%の減少である.

 以上の胆管各部の変化を総:合すれば,胆嚢易り出後の

肝外胆管の拡張は,術後3週間で最大となっている.

しかしながらこの拡張はある程度可逆性を有する変化 で,時日の径過と共に拡張は漸次減少してくる.即 ち,術後5ヵ月の拡張率は,総輸胆管では術後3週間 のものの約τ4,右主肝管においても術後3週間のもの の約%となる.しかしながら左派肝管においては,拡 張率の減少は前2者程でなく,術後3週聞のものより 17%しか減少しなかった.

 また,胆嚢易焔心の胆管拡張を胆管の部位別に見る と,3者共に術後3週間に最大となるが,総輸胆管に 比し,左右主肝管の拡張が遙かに大である.更に左右 主肝管の拡張を比較すれば,左主肝管の拡張が遙かに 大である.

 また,術後5カ月の胆管縮少の程度は,総輸胆管と 右主肝管では,大体同率であるが,出血肝管は前2函 南でない.一旦拡張した総輸胆管は,胆管内圧が正常 に復しても,そのまま拡張された状態で残存するゼし かしながら,長期間の後にはかなりの縮少をぎたす.

 2.臨床上人体における胆嚢易咄前後の,ビリグラ フインによる胆管影像.

 1)実験材料並びに実験方法

 実験材料.諸種胆道疾患にて,胆嚢易細帯が施行さ れたる患者について行なった.胆管造影には30%乃至 50%ビリグラフインを使用した。

 実験方法.同一患者につぎ,胆嚢易拙前後にビリグ ラフインによる胆管撮影を行ない,胆嚢易咄前に胆管 拡張の認められないものに胆嚢易拙前後の胆管影像に つき,その横径を比較する.胆管横径はBerk, Wi1−

liam等に従い最大横径をもつて表わした.また,総 輸胆管のみを測対照とし,その横径の正常上界値を楓 等に従い,6mmとした.なお本実験においては,

胆嚢易病後何等の愁訴のないものを選んで行なった,

撮影は次の如くして行なう.空腹時に30%あるいは50

%ビリグラフイン1ccを,極めて官爵に静注し,約 10分間患者の状態を観察する.嘔気,嘔吐,奪麻疹,

その他の過敏症状が認められないならば,30%あるい は50%ビリフイン20ccを極めて緩除(5−8分)に 静注する.次いで患者を腹臥位とし,撮影完了までこ の位置を保たしめる.注射終了後,25分,35分,45分 60分に,腹臥位のまま体の右側を30度高くしてレント ゲン撮影を行なう.撮影条件は,電圧60KV,電流 70MA,距離1mで,リスホルムグレン使用で常に

行なった.

 2)実験成績(第15図)

 総輸胆管は明瞭に造影され,狭窄像,結石像等の異

常所見は認められない.レントゲン写真よりの実測値

(10)

胆嚢則出後の胆道の変化 667

第15表 臨床例における胆嚢別出前後の胆管横径

症例

12345678910

年齢

11483896836343332443

性別

♀♂3♀♀εε♀8♀ 病 名 炎炎炎炎症症炎症炎炎︐     悲調 石 湖上嚢嚢陥施嚢醐嚢子     嚢嚢 嚢 門下胆胆胆胆胆胆二三

経 過 日 数 7カ月 1カ月 2ヵ月 1カ月 2ヵ月 1カ月 1カ月 1カ月 1カ月 1ヵ月

胆嚢別出前 総輸胆管横径   (mm)

5655445644 後径 出三一 u二士易胆m 嚢二一 胆総

12

10、

8 8 13 4 7 7 6 8

拡張

(mm)

7433902124 %

140 67 60 60 225  0 40 17 50 100

平 均 値 4.8 8.3 13・5レ6

第 16表

術後1 カ月 術後1カ月以後

例  数

7響QU

総輸胆管横径   (mm)

7.1 11.0

は5mlnである.本例の手術後病名は所謂無記胆嚢 炎であった.

 旧例において胆嚢易咄後7カ月に,再度ビリグラフ インによる胆管撮影を行ない,第16図の如き影像を得

た.

 総輸胆管は明瞭に造影され,また,肝管の1部も造 影された.レントゲン写真よりの実測値は12mmで あり,拡張値7mm,拡張率140%である.総輸胆管 に結石を認めず,何等の器質的変化も認められな陣.

しかしながら,胆嚢捌出前に比し,全長の延長,また

,轡曲して如何にも内容充実した如き影像を示した.

 患者は何等術後愁訴を訴えておらず,血清モイレン グラハト値は5である.

 本実験は10例について行なった.実験成績は第15表 の如し,

 術後経過日数と総輸胆管横径との関係は,第16表の 如くである。術後1カ月の総輸胆管横径平均は7.1 無mであり,術後1カ月以後の総輸胆管横径平均は 11加mである,即ち,両者の間にはかなり明瞭な差 が認められ,術後1カ月のものに比.し,術後1カ月以 後のものは3.9mπ1も大である. しかしながら,症 例7,29歳,男子において,術前,術後1ヵ月,真後 2カ月にレントゲン撮影を施行できたが,総輸胆管横 径は,術前5mm,.術後1カ月7mm,術後2カ月6

mmとなり,犬における術後経過と相似た結果とな

った.

 なおレントゲン写真について観察するに,単に横径 の拡張のみでなく,その全長も延長し,いかにも内容 充実をきたしている如.き観を呈している.また,術前 の影像に比較して謡曲の状態も,内容充実による緊満 状態を示している如くである,

 胆嚢別出前の総輸胆管横径は,最大6mm,最:小4 mm,平均値4.8m皿である.胆嚢易U出後の総輸胆管 横径は,最大13mm,最小4即m,平均値8.3mm である.一拡張値は,最大9nln1,最小Omm,平均値 3.5mm,拡張率は,最大225%,最小ρ%,,:平均値 76%である.

 私は,填等に従い,総輸胆管拡張の程度を次の如く 分けた,即ち,軽度拡張6−8苅anロ,中等度拡張8−

10脚m,高度拡張10m恥以上である.

 本実験の各例につき,胆嚢易拙前後の総輸胆管横径 の変化を見るに,軽度拡張5例,中等度拡張1例,高 度拡張2例,正常範囲のもの2例である.正常範囲の もの2例の中,1例は胆嚢則出前後において,総輸胆 管横径に変化なく,他の1例は胆嚢易拙前,4mmで あったものが,術後6mmとなり,平張値2mm,

拡張率50%を示した。

 即ち,実験総数10例の中,9例に総輸胆管の拡張を 認めることができた,

 3)小  括

 前項における実験結果より,臨店例においても,胆 嚢三等後には総輸胆管の拡張が惹起される,

 術後経過日数と総輸胆管横径との関係は,術後1カ

月の総輸肺管下径平均は7,1mm,術後1カ月以後の

総輸胆管横径平均は11孤mで術鍛経過の永い程拡張

(11)

、668

が大であるが,1例において,犬に:おける実験と同 様,時日の経過と共に一旦拡張した総輸胆管の梢縮少 するのを認めた.

 また,10例の胆嚢易咄前後の総輸胆管横径の平均 値は,術前値4.8mm,術後値8.3mm,拡張値3.5 mm,拡張率76%である.

総括並びに考案

 胆嚢易U出後に賦活胆管の拡張することが,多数の研 究者により観案報告されている,即ち,Archibald,

Rost,:Mann, Judd, Berg, Amorosi,中塚,橋本 らの業績がある.

 しがしながら,我々は胆道生理解明の端緒を作って くれた研究者として,Oddiの名をまつ挙げねばなら ない.今日彼の名がその名称となっているオツヂー氏 括約筋について,彼は詳細な,組織学的,肉眼的観察 を行ない,また,その機能に関する研究を行ない,そ の研究の途次,胆嚢易拙論に回外胆管の拡張すること を見出した.それ以来,犬,猫,山羊,あるいは臨床 例において,胆嚢易咄後に肝外胆管の拡張することが 認められたのである.

 Ju d, Mannは,犬,猫,山羊において,胆嚢易U

・出後に肝外胆管の拡張するのを認めた..Judd, Mann によれば,胆嚢漏出後の胆管拡張の程度は,極めて軽 度のものから,2乃至3倍に及ぶものがあり,かなり 著るしい個体差があると述べている.また,拡張は胆 管の部位によって差があり,胆嚢管の肝管接合部附近 に最も著明な拡張があるとしている.井上,中塚らも 犬において,胆嚢易り出後に肝外胆管の拡張することを 認め〆Judd, Mann同様,胆嚢管と肝管接合部附 近から,総輸胆管に及ぶ間の胆管(山岸らの所謂右主 肝管)に,最も著るしい拡張が認められると述べてい

る.

 Judd, Mannは,胆嚢易咄後,胆管拡張の完成す るに要する時日は,一定してないが大体60日以内であ るとしている.橋本は,犬において,胆嚢易拙後3日 にして,既に明らかに引外胆管の拡張を認め,胆嚢別 品後7日乃至10日に及べば,拡張は更に顕著となる.

この様な例を1カ月に再検しても,拡張の程度に余り 変化がないか,微かに拡張の度が進んでいると述べて

いる.

 これらに反して岩永は,胆嚢捌出後いかに長年月を 経過するも,胆管の著るしい拡張をきたすことはない としている.Rostは犬における実験より,胆嚢易U出 後に総輸胆管,肝管の拡張を認あるものもあるが,ま た,何等拡張の認められないものもあると述べてい

る.

 この胆嚢前出後の肝外胆管拡張の発生一品につき,

幾多の研究報告がなされた.これらのうち,最も普編 妥当的な説は,Cohnのいう,あるいはWestphal のいう,胆管内圧の前進によるものとなす説であろ う.Cohnは,胆嚢機能面絶後,多量の肝胆汁は急に 貯臓所を失うため,オツヂー氏筋の健康なものにおい ては,胆管内に多少の胆汁良計を起し,胆管内圧の倭 詩をきたし,胆管の拡張をもたらすとしている.しか しながら,胆嚢晶出後の胆管内圧上昇には反論があ り,Puestow等は,胆嚢易U出後にはオツヂー氏括約 筋の弛緩,並びに胆管内圧の下降をきたすと述べてい

る.胆嚢易拙後の胆管内圧の変化については後述す

る.

 今日,胆嚢機能として,胆汁濃縮作用,水分吸取作 用,胆道内圧調節作用が一般に認められていることか ら,三宅掌Mc Clenahanも述べている如く,胆嚢が 配慮されれば,当然胆管内圧の上昇,胆管の拡張をき たすであろうことは容易に思考しうるのである..

 以上の如き先入の証跡の一端を覗はんとして,私も また犬において胆嚢別霜後の胆管拡張につき,その時 間的関係において変化を追究し,前述した如き実験成 績を得た.

 胆嚢面出後の肝外胆管拡張を,部位別にみると,胆 嚢純血後拡張の最も著るしい術後3週間で,胆管の拡 張率平均は,総輸胆管61%,右主肝管96%,左主肝管 139%で,左主肝管右主肝管,総輸胆管の順となる.

即ち,胆嚢易血豆の当外胆管の拡張は,部位によって 異り,左心肝管において特に拡張程度が著るしい.私 の場合,Judd, Mann,井上,中塚らの観察結果と異 り,左主肝管における拡張が最も大で,更にレントゲ ン写真よ砂拡張の具合をみると,局部的に特に著るし く拡張するようなことはない,慮外胆管全般に,前述 した如き割合に拡張する.

 次に,胆嚢飛魚後の胆管拡張完成における時間的関 係を見るに,胆嚢易油倉2週間で明らかに肝外胆管の 拡張を認め,平均拡張率は,総輸胆管38%,三主肝管 72%,左主肝管80%である.胆嚢易U出後3週間に及べ ば,術後2週間のものより更に拡張程度の増加をきた し,平均拡張率は,総:輸胆管61%,右主肝管96%,左 主肝管139%を示し,本実験における最高値である.

即ち,胆嚢面出後の胆管拡張は,術後3週間前後で最 大に達する.胆嚢点出後4週間では,平均拡張率は,

総輸胆管58%,右主肝管83%,左主肝管136%で,ま

た,胆嚢刻出後2カ月では,平均拡張率は,総輸胆管

54%,右主肝管83%,左主肝管128%で,胆嚢易U出後

(12)

胆嚢捌出後の胆道の変化 669

3週間のものに比し,梢拡張程度の減少を示すがいず れも相似た値を示した.即ち,胆嚢易拙後の胆管拡張 は,術後2週間で明瞭となり,術後3週間で最大とな り,少なくとも術後2カ月間は著明な拡張状態を保持 するものである.

胆嚢易咄後5カ月では,平均拡張率は,総輸胆管25

%,右主肝管54%,左主肝管119%で,総輸胆管,右 主肝管において,拡張程度にかなりの縮少をきたした が,左主肝管の縮小は殆んど認められなかった,即 ち,胆嚢易咄後著明に拡張した胆管は,術後2カ月以 後に総輸胆管,闇主肝管のかなりの縮小をきたす.し かしながら三主肝管においては縮小程度は軽度であっ

た.

 更に,胆嚢捌出後の程度についてみるに,胆嚢別出 後干も拡張の著るしい術後3週間においては,総輸胆 管では,実験番号No.9の拡張率は90%(1.9倍),

平野肝管では,実験番号No.11の拡張率は163%

(2.6倍),左主肝管では,実験番号No.11の拡張率 は300%(4倍)である.また,最小拡張率は,総輸 胆管では,実験番号No.10の20%(1.2倍),右主 肝管では,実験番号No.10の33%《1.3倍),左主 肝管では,実験番号No.10の53%(1.5倍)であ る. 即ち,胆管拡張の程度は,総輸胆管では,1.2倍 一1.9倍.左四肝管では,1.3倍一2.6倍,聖主肝管で は,1.5倍一4倍であった. 即ち,拡張程度は左主肝 管に最も大で,次いで右主肝管,総輸胆管の順とな る.なお拡張の度合は,かなり著るしい個体差を示す ものである.

 私は,臨床例についても実験を行なった.即ち胆嚢 易拙前,ビリグラフインによる胆管撮影を行ない,胆 管横径の正常範囲(6mmを上界値とする)にあるも のにつき,術後再びビリグラフインによる胆管撮影を 行ない,胆管横径を胆嚢易拙前後で比較した.胆管横 径と術後経過日数との関係は,術後経過の永い胃拡張 が大であるといえるが,1例に犬における実験と同 様,時日の経過と共に一旦拡張した胆管の縮小をきた した.また,実験例10例のうち9例に胆嚢易学後,総 輸胆管の拡張を認めた.最大拡張率は,症例5の225

%,最小拡張率は症例7の40%である.

 即ち,臨床例においても胆嚢易咄後には,総輸胆管 の拡張を認め,なお犬における実験と同様,その拡張 に時日の経過と共に増減のあることを観察し得た.

 以上,私は犬における実験並びに臨床例において,

胆嚢丁半後に令外胆管の拡張することを確認し,前述 した如く,この胆管拡張は胆管内圧の上昇によると解 釈するものである.

 私の実験結果から,拡張は総輸胆管,右主肝管,左 主肝管で強弱がある.この事実は,胆管拡張が胆管内 圧の上昇によるという解釈を裏付けるものである.・即 ち,Naboerは肝管には67%に筋繊維は存在しない が,総輸胆管で筋繊維を有しないものは7%しかない と述べている.一般に胆管壁は弾力繊維を有する結締 織からなり滑平筋があるが,筋繊維は上部では少ない が下部には多いといわれている.

 このため令外胆管の壁の厚さは,総輸胆管に比し肝 管ははるかに薄い.私の犬における胆管壁の肉眼的観 察においても,総輸胆管壁が最も厚く,次いで右主肝 管の順であった.

 一般に弾力性壁を有する管腔の拡張は,管腔内容の 増加,管腔内圧の上昇によることはいうまでもない.

また,壁の非薄なもの程内圧上昇に鋭敏に反応し,強 く拡張することは,ゴム管によって容易に経験し得る ことである.胆管拡張についてもこれと同様のことが いえる.即ち,一定の弾性を有する胆管の拡張には,

胆管内容の増加と胆管内圧上昇が必須の条件である.

更に犬における実験成績は,前述した理論から,三主 肝管,三主肝管,総輸胆管の順に大なる拡張を示さね ばならない.本実験における成績はこれを裏書きし,

胆管拡張は,右主肝管に最:も強く,次いで聖主肝管,

総輸胆管の順となった.これは明らかに胆嚢という貯 溜所を失なったため,胆管内容増加,従って胆管内圧 上昇をきたし,胆管の拡張を惹起したことを示すもの である.

 また,術後2カ月から5カ月には,一旦拡張した野 外胆管のある程度の縮小が認められるのであるが,こ の時期には,Sweet, Suttonらも述べている如く,

所謂Parietal sacculiの著明な発達がみられダ代償 機能が完成されるので,内圧の正常化,従って肝外胆 管のある程度の縮小が見られるものと解釈される.し かしながら,胆嚢易咄前えの復帰が起きないのは,胆 管が内容増加に適応したためである.

 1 胆嚢写三四の胆管拡張は,術後2週間で明瞭と なり,総輸胆管における拡張率(平均値)38%デ贈主 肝管における拡張率(平均値)72%,四聖肝管におけ る拡張率(平民値)80%となった.術後3週間で拡張 は最大に達し,総輸胆管年おける拡張率(平均値)61

%,右主肝管における拡張率(平均値)96%,前主肝

管における拡張率(平均値)139%とな二,この状態

は少なくとも術後2カ月迄持続するが,術後5カ月で

は一旦拡張した胆管の縮小が認められる.即ち,総輸

(13)

670

胆管における拡張率(平均値)25%,右主肝管におけ る拡張率(平均値)54%,左主肝管における拡張率

(平均値)119%となるが,充め横径にもどることは無 かった.

 2 最大の胆管拡張を示す,術後3週間における拡 張の程度は,総輸胆管でほ,最大90%(1.9倍),最 小20%(1.2倍). 右主肝管では,最大163%(2.6 倍),最小33%(1.3倍).左主肝管では,最大300%

(4倍),最小53%(1.3倍)である.

 3 拡張を部位別にみると,最大拡張を示す術後3 週間では,総輸胆管の拡張率(平均値)61%,右主肝 管の拡張率(平均値)96%,左主肝管め拡張率(平均 値)139%で,左主肝管に拡張が最も著明である.

 4臨床例においては,10中9例に拡張を認め,胆

嚢別出後の総輸胆管横径平均値は8.8mmである.

(14)

胆嚢易咄徐の胆道の変化 671

第1図Aカニューレ

第2図 Bカニューレ

胆管挿入カニューレとその使三図

針尖

第3 図

カニューレ 総輸胆管

十二指腸

第4懇

懇主肝管 右主肝管

刺出点(B)

刺入点(A)

オッヂー三筋部

(15)

672

胆  嚢

胆嚢覆

髄主肝管

     総輸胆管 オッヂー氏括約筋部

肝内胆管

左主肝管

 第5図 犬胆道正常影像

(総輸胆管より造影剤を注入す)

カニューレ

十二指腸

右主肝管

左主肝管 総輸胆管 オッヂー氏     括約筋部 第6図 胆嚢易拙前胆管影像

  (Bカニューレ使用)

カニュ   ーレ

総輸胆管

十二指腸

右主肝管 左主肝管      カニュ        ーレ

﹇筋 ヂ約 ツ括 オ氏部

第7図 実験番号No.3胆嚢易拙前胆管影像       Bカニューレ使用

右主肝管

総輸胆管

一筋 ヂ約 ツ括 オ氏部

 第8図 実験番号No.3胆嚢易咄後2週間の

胆管:影像 Bカニュレ使用

(16)

カニューレ

 十二指腸 第9図

胆嚢易咄後の胆道の変化

右主肝管 左主管管

総輸胆管 オッヂー氏括約筋 実験第号No.8胆嚢易咄前胆管影像 Bカニューレ使用

肝内胆管

カニューレ

総輸胆管

十二指三 番 験 実 図 10 第

管レ 胆一 内ユ 肝ニ カ

実験番号No.8胆嚢易U出後3週間の胆管影像

総輸胆管

 十二指腸

第11図

右記肝管

三主肝管 肝内胆管

オッヂー氏括約筋部

Bカニューレ使用

肝 主 右

腔 左 主

オッヂー氏括約筋部

実験番号Nα:13胆嚢騒騒前胆管影像 :Bカニューレ使用

.673

(17)

674

右主肝管

カニューレ

     十二指腸 第12図 実験番号No.

カニューレ

総輸胆管

十二指腸 第13図

左主肝管

総輸胆管

オッ婁一氏括約筋部 13 胆嚢易咄後4週間の胆智影像 胆管挿入カニュ「レ使用

右主肝管 左主肝管

オッヂー氏括約筋部 実験番号No,18胆嚢易咄総胆管影像 Aカニューレ海用

肝内胆管

カニューレ

第14図 実験番号No.18胆嚢易咄後2カ,月の胆管影像

右主肝管 左主肝管

オッヂー氏括約筋部

Aカニューレ使用

(18)

胆嚢易咄後の胆道の変化 675

カニコ.一レ

総輸胆管

十二指腸

第14図

肝内胆管

総輸胆管 カニューレ 十二指腸

右主肝管 左主肝園

圃ッヂー氏括約筋部

実験番号No.25 胆嚢易U出前胆嚢影像  Bカニューレ使用

右主肝管 肝内胆管 左室肝管

第15図 実験番号No.25 胆嚢易Uヨ後5力且の胆管影像        胆管挿入カニューレ使用

第15図 症例1 胆嚢易咄前胆管影   像総輸胆管実測値:5mm

左主肝管 右主肝管

総輸胆管

第16図 症例1 胆嚢易咄後胆管影   像総輸胆管実測値:12mm

総輸胆管

(19)

676

第2編 胆嚢別出後の残存胆嚢管の拡張に関する実験的研究

 1912年Tloerkenが,所謂胆嚢易U出後障碍の患者 に再手術をな行い,第1回手術の際に残存した胆嚢管 が著明に拡張し,中に結石を有している事を認め,そ れを切除することによって症状を梢槌せしめた.更に 1918年Lanie1, Lunlavyも同様例を報告し,引き続 き犬において実験し,残存胆嚢管の拡張することを認 めている.

 動物実験に関しては彼等以前にも,Oddi, Haber・

er, Clairmontらによって,既に行なわれ,等しく 残存胆嚢管の拡張を認めている.私は第1編において

,胆嚢易予後には肝外胆管が拡張することを証したの であるが,残存胆嚢管がこれを平行して拡張するか否 かを検する目的で本実験を行った.

実験材料ならびに実験方法

し,0.5cc吸引したならば,

一ルを注入す.

それと同量だけモルヨド

 実験材料.体重10kg前後の健康成熟犬を使用し,

24時間絶食後に開腹術を施行す.残存胆嚢管の撮影に はモルヨドール(20%ヨード化油)を使用す.

 実験方法.対照実験として,まず正常犬の胆嚢管横 径を求め,その平均値と比較する.

 即ち,ラボナール溶液の腹腔内注射による全身痛酔 の下に開腹術を行ない,胆管挿入カニューレを総輸胆 管内に挿入し,モルヨドールによる胆道撮影を行な い,胆嚢管下径を測定し,その平均値を求む.

 別の犬において次の様式で開腹術を行ない,残存嚢 管のモルヨドールによるレントゲン撮影を行ない,正 常値横径と比較する.

 手術様式は,第一次手術と第二次手術とがある.

 (1)第一次手術.ラボナール溶液の腹腔内注射に よる全身痛惜の下に開腹術を行ない,胆嚢管を1−2 cm残して胆嚢を易拙する.その後は,1カ月と5カ 月に第二次手術を行なう.

 (2)第二次手術.第r次手術と同様ラボナール溶 液の腹腔内注射による全身痛酔の下に開腹術を行な い,残存胆嚢管を露出す.次いでBカニューレを総輸 胆管に挿入し,一定条件でモルヨドールを注入し,レ ントゲン撮:影を行なう.更に肝臓,胆管を一塊として 易附し,5%フォルマリン溶液に1週閥固定し,再び モルヨドールを注入し,残存胆嚢管のレントゲン撮影 を行なう,

 モルヨドールを一定条件で注入するには,次の如く にして行なう.カニューレ挿入後,静かに胆汁を吸引

実 験 成 績  1 正常犬の胆嚢管横径

 胆道造:影は良好,胆嚢管横径の実測値は2.Ommで ある.この例のフォルマリン固定後の胆嚢管影像は,

第2図の如くである.

第1表 正常犬胆嚢管掌径

実験番号 No.31 No.32 No.33 No.35 No.36

小O︿・OQT小○小○

体 重

(kg)

8.0 10.0 7.0 11.8 13.0

胆嚢管横径  (mm)

2.0 2.0 1.5 2.0 2.0

平  均  値 1.9

 正常犬における胆嚢管横径は,第1表の如くであ る.最大2.Omm,最小1.5mm,平均1.9mmで

ある.

 2 胆嚢易咄後の残存胆嚢管影像

 (1) 第1群 胆嚢捌出後1カ月の残存胆嚢管影像  胆嚢別出後1カ月には肝外胆管の著明な拡張を認め るのであるが,本例においても肝外胆管の著明な拡張 を認める.これと平行して残存胆嚢管の甚しい拡張を きたし,レントゲン撮影よりの実測値は10mmであ る.即ち,正常横径より8.1mmの拡張を示し,拡 張率は426%である.本例における,二三標本の実測 値も同様10mmである.また,フォルマリン固定後 の残存胆嚢管影像は第4図の如くである.

 本門においては,右主肝管に拡張が著るしく,それ と平行して残存胆嚢管の著明な拡張を認める.レント ゲン写真の実測値は5.5mmで,正常横径より3.6 mmの拡張を示し,拡張率は189%である.易U出標本 における実測値は5.5mmである.本例のフォルマ リン固定後の残存胆嚢管影像は第6図の如くである.

 本例においては,総輸胆管,左右主肝管に拡張を認 め,それと平行して残存胆嚢管の著明な拡張を認む.

レントゲン写真による実測値は9mmで,正常横径

より7.1mmの拡張を示し,拡張率373%である.捌

参照

関連したドキュメント

 撮影対象が幅約 0.4 ㎜[魚水 2018 ]と細い撚糸によ る文様であるため、拡大して撮影する必要がある。そ こで撮影にはマクロレンズ LAOWA

M407 のグルクロン酸抱合体である M583 は胆汁中に検出されたが、糞中では検出されな かったため、胆汁排泄された M583 が消化管内の

, Graduate School of Medicine, Kanazawa University of Pathology , Graduate School of Medicine, Kanazawa University Ishikawa Department of Radiology, Graduate School of

血管が空虚で拡張しているので,植皮片は着床部から

或はBifidobacteriumとして3)1つのnew genus

 3.胆管系腫瘍の病態把握への:BilIN分類の応用

本体背面の拡張 スロッ トカバーを外してください。任意の拡張 スロット

総肝管は 4cm 下行すると、胆嚢からの胆嚢管 cystic duct を受けて総胆管 common bile duct となり、下部総胆管では 膵頭部 pancreas head