クローラ式振動締固め機の開発と締固め特性 コ
2
0
0
全文
(2) III‑345. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). の関係を示す。従来型振動ローラでは、盛土表面から深. 表-4 転圧条件. くなるにつれ、締固め度が低下する傾向が見られる。一. 機種. 方、クローラ式振動締固め機では、表層から深層までほ. 起振周波数 min-1 起振力 kN 最大転圧力 kN 締固め幅 mm 走行速度 km/h 転圧回数 回. ぼ均一に締固められていることがわかる。この理由とし て、クローラ式では接地面積が広く、土を広範囲に拘束 することにより、深層に転圧力が有効に作用したものと. クローラ式 振動締固め機 850 180 264 1,800. 従来型 振動ローラ 1,700 343 447 2,150. 2 0,2,4,6,8,12,16. 推察される。 70. 図-4 に、一例として深さ 60cm における 16 回転圧時の転. 75. 80. 締め固度 Dc(%) 85. 90. 95. 100. 0. 圧力の経時変化を示す。地盤内に伝播した最大転圧力は、従 盛土表面からの深さ Z(cm). 10. 来型振動ローラの 220kN/m2 に対し、クローラ式振動締固め機 では 150kN/m2 と小さい。 前述の締固め度結果を勘案すると、クローラ式振動締固め. 20 転圧0回 転圧2回 転圧4回 転圧6回 転圧8回 転圧12回 転圧16回. 30. 40. 50. 60. 機では、より小さい転圧力で深層まで締固められるといえる。. 70. 転圧力と締固め度の定量的な相関関係については、転圧条件、. (a)クローラ式振動締固め機. 対象材料、さらに詳細な検討が必要である。 70. 75. 80. 締め固度 Dc(%) 85. 90. 95. 100. 0. 4.締固め特性と効果. 10. 盛土表面からの深さ Z(cm). 上記の試験結果より、クローラ式振動締固め機の締固め特 性について、以下のことが判明した。 1)過剰な転圧力を地盤に与えることなく深層まで締固めら れる。. 20 転圧0回 転圧2回 転圧4回 転圧6回 転圧8回 転圧12回 転圧16回. 30. 40. 50. 60. 2)表層から深層まで均一な締固め品質を確保できる。. 70. これにより以下の効果が期待され、施工効率・品質の向上お よび施工コストの低減が図れる。. 300. 1)厚層転圧による施工効率の向上. 250 転圧力 (kN/m2 ). 2)表層における過転圧の防止による施工品質の向上 3). 3)表層における反射層形成. (b)従来型振動ローラ 2 孔式 RI による締固め度分布. 図-3. の抑制による修繕作業の軽減. 4)車体の小型・軽量化による経済性の向上. 200 150 最大転圧力 150 kN/m2. 100 50. 5.おわりに. 0 0. これまでも平面転圧方式による締固め機の開発はなされて きたが、厚層転圧とトラフィカビリティを両立させた締固め. 1. 2 3 経過時間 (sec). 4. 5. (a)クローラ式振動締固め機. 機の前例はほとんどなかった。このため、本方式による土の. 300. 締固めメカニズムに関する研究は多くなく、いまだ解明され 転圧力 (kN/m2 ). 250. るに至っていない。本試験では、厚層転圧における締固め特 性において、従来型振動ローラに対するクローラ式振動締固 め機の優位性が認められた。今後は、大規模高盛土を対象と. 200 最大転圧力 220 kN/m2. 150 100 50. するのみならず、さらに深層の路床安定処理工などへの適用. 0 0. も有効であると考えられ、新しい締固め機としての位置付け を確立していきたい。 図-4. 1. 2 3 経過時間 (sec). 4. 5. (b)従来型振動ローラ 転圧力の経時変化(16 回転圧、深さ 60cm). <参考文献> 1)Tatsuro Muro:Effects of a roller and a tracked vehicle on the compaction of a high lifted decomposed granite sandy soil:Journal of Terramechanics,1998 Volume 35, 2)井上裕之:厚層転圧用のクローラ式振動締固機:KOMATSU TECHNICAL REPORT,1998 VOL.44 3)福川光男、山口達也:振動ローラ締固め作業における反射波の影響と対策:道路建設,1991.2 4)転圧ローラ工学:テラメカニックス研究会 5)横田聖哉:礫質土を用いた試験盛土における振動ローラ転圧力の計測結果:土木学会第 57 回年次学術講演会,2002 年 10 月. ‑690‑.
(3)
関連したドキュメント
しかし,中国における国家と社会 (注2) の乖離 を指摘した前記の研究に加え,近年の日本思想 史研究の領域では,国家と区別された「社会の 発見」という大正時代の思想析出状況 [飯田 1997
中国政府が個別の食事や取り箸の普及を呼びかけるのは、今回が初めてではない。特に 2003 年の
○東鉄工業㈱ 土木本部 土木エンジニアリング部 正会員 上澤 繁樹 東鉄工業㈱ 土木本部 同 上 笹川 透 東鉄工業㈱ 東京土木支店 駒込工事所
鉄道・運輸機構 青森新幹線建設局 青森鉄道建設所 正会員 ○栗橋 優太 鉄道・運輸機構 青森新幹線建設局 工事第一課 正会員 内田 雅洋 鉄道・運輸機構
4.EAZET 杭工法を採用するにあたっての課題について EAZET 杭工法を採用するにあたって、3
最高指導者ハーメネイーによる認証式の翌日、 8 月 4 日のロウハーニー新大統領の就任式には初めて
3.全体施工計画 1 施工上の留意点 本工事ではカーテン版重量の軽減から版厚,鋼管 杭挿入部とも最小限の構造となっており,施工上以 下の点に留意する必要がある.
・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認