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クローラ式振動締固め機の開発と締固め特性 コ

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Academic year: 2022

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(1)III‑345. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). クローラ式振動締固め機の開発と締固め特性 コ. マ. ツ. コ. マ. ツ. コ. マ. ツ. コ. マ. コ. マ. 1.はじめに. 正会員. ○勝沼. 清. 今村. 剛士. 菊池. 幸雄. ツ. 青柴. 則宏. ツ. 徳永. 晋一. 表-1. 正会員. 締固め形態の比較. クローラ式. ローラ式. 転圧部が面状のため土を 広範囲に拘束し、深層ま で締め固まりやすい. 転圧部が線状のため、上 層が圧密されやすく、深 層まで締め固まりにくい. 近年、公共工事において「工期の短縮、施工コス トの低減」が一層厳しく要求される中、発注方式も 従来の「仕様規定」から「性能規定」へと見直され ている。この流れの中で、大規模高盛土の転圧作業 をはじめとした大規模工事においても、施工効率の 向上を図ることはますます重要な課題となってきて いる。 筆者らは、この課題を解決するため厚層転圧に着 目し、 新しいクローラ式の振動締固め機を開発した。 本報告では、クローラ式振動締固め機による厚層転 圧の締固め特性と効果について述べる。 2.クローラ式振動締固め機の開発 愛媛大学の室教授らの研究1)2)では、深層部の締 固めにはクローラ式の締固めによる転圧が有効であ ることが確認されていた。表-1 に、クローラ式と ローラ式との締固め形態の比較を示す。この理論を. 図-1 クローラ式振動締固め機. もとに、従来の振動ローラでは困難とされる厚層転 圧を目的とした、 クローラ式振動締固め機を開発した。 クローラ式振動締固め機の全体図を図-1 に、主要仕 様を表-2 に示す。 3.厚層転圧による締固め試験 層厚 60cm に対する締固め特性を検証するため、 最大 転圧力 320kN 超級の振動ローラ(以下、従来型振動ロ ーラ)との、締固め比較試験を行った。 (1)試験概要. 表-2. 形式 運転質量 最大転圧力 起振力 振動数 振幅 締固め幅 起振部接地長. 基盤層 20cm 上に撒出し厚 60cm の試験層を造成し、 試験盛土材料は表-3 に示す砂質土を用いた。計測項 目は、1)2 孔式 RI による乾燥密度、2)深さ 60cm に埋 設した土圧計による転圧力とし、転圧条件は表-4 と した。 (2)試験結果 図-3 に、2 孔式 RI で計測した転圧深さと締固め度. クローラ式振動締固め機の主要仕様. kg kN kN min-1 mm mm mm. 表-3. 東京都港区赤坂 2-3-6. TEL03-5561-4340 ‑689‑. 試験材料特性. 試験材料 均等係数:Uc 最大粒径:Dmax (mm) 最大乾燥密度:ρdmax(g/cm3) 最適含水比:wopt (%) 自然含水比:wn (%). キーワード:厚層転圧、クローラ式振動締固め機 連絡先: 〒107-8414. JT150WA-1 16,200 264 180 850 2.8 1,800 970. FAX03-5561-4337. 砂質土 3.3 19.0 1.642 13.2 11.4.

(2) III‑345. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). の関係を示す。従来型振動ローラでは、盛土表面から深. 表-4 転圧条件. くなるにつれ、締固め度が低下する傾向が見られる。一. 機種. 方、クローラ式振動締固め機では、表層から深層までほ. 起振周波数 min-1 起振力 kN 最大転圧力 kN 締固め幅 mm 走行速度 km/h 転圧回数 回. ぼ均一に締固められていることがわかる。この理由とし て、クローラ式では接地面積が広く、土を広範囲に拘束 することにより、深層に転圧力が有効に作用したものと. クローラ式 振動締固め機 850 180 264 1,800. 従来型 振動ローラ 1,700 343 447 2,150. 2 0,2,4,6,8,12,16. 推察される。 70. 図-4 に、一例として深さ 60cm における 16 回転圧時の転. 75. 80. 締め固度 Dc(%) 85. 90. 95. 100. 0. 圧力の経時変化を示す。地盤内に伝播した最大転圧力は、従 盛土表面からの深さ Z(cm). 10. 来型振動ローラの 220kN/m2 に対し、クローラ式振動締固め機 では 150kN/m2 と小さい。 前述の締固め度結果を勘案すると、クローラ式振動締固め. 20 転圧0回 転圧2回 転圧4回 転圧6回 転圧8回 転圧12回 転圧16回. 30. 40. 50. 60. 機では、より小さい転圧力で深層まで締固められるといえる。. 70. 転圧力と締固め度の定量的な相関関係については、転圧条件、. (a)クローラ式振動締固め機. 対象材料、さらに詳細な検討が必要である。 70. 75. 80. 締め固度 Dc(%) 85. 90. 95. 100. 0. 4.締固め特性と効果. 10. 盛土表面からの深さ Z(cm). 上記の試験結果より、クローラ式振動締固め機の締固め特 性について、以下のことが判明した。 1)過剰な転圧力を地盤に与えることなく深層まで締固めら れる。. 20 転圧0回 転圧2回 転圧4回 転圧6回 転圧8回 転圧12回 転圧16回. 30. 40. 50. 60. 2)表層から深層まで均一な締固め品質を確保できる。. 70. これにより以下の効果が期待され、施工効率・品質の向上お よび施工コストの低減が図れる。. 300. 1)厚層転圧による施工効率の向上. 250 転圧力 (kN/m2 ). 2)表層における過転圧の防止による施工品質の向上 3). 3)表層における反射層形成. (b)従来型振動ローラ 2 孔式 RI による締固め度分布. 図-3. の抑制による修繕作業の軽減. 4)車体の小型・軽量化による経済性の向上. 200 150 最大転圧力 150 kN/m2. 100 50. 5.おわりに. 0 0. これまでも平面転圧方式による締固め機の開発はなされて きたが、厚層転圧とトラフィカビリティを両立させた締固め. 1. 2 3 経過時間 (sec). 4. 5. (a)クローラ式振動締固め機. 機の前例はほとんどなかった。このため、本方式による土の. 300. 締固めメカニズムに関する研究は多くなく、いまだ解明され 転圧力 (kN/m2 ). 250. るに至っていない。本試験では、厚層転圧における締固め特 性において、従来型振動ローラに対するクローラ式振動締固 め機の優位性が認められた。今後は、大規模高盛土を対象と. 200 最大転圧力 220 kN/m2. 150 100 50. するのみならず、さらに深層の路床安定処理工などへの適用. 0 0. も有効であると考えられ、新しい締固め機としての位置付け を確立していきたい。 図-4. 1. 2 3 経過時間 (sec). 4. 5. (b)従来型振動ローラ 転圧力の経時変化(16 回転圧、深さ 60cm). <参考文献> 1)Tatsuro Muro:Effects of a roller and a tracked vehicle on the compaction of a high lifted decomposed granite sandy soil:Journal of Terramechanics,1998 Volume 35, 2)井上裕之:厚層転圧用のクローラ式振動締固機:KOMATSU TECHNICAL REPORT,1998 VOL.44 3)福川光男、山口達也:振動ローラ締固め作業における反射波の影響と対策:道路建設,1991.2 4)転圧ローラ工学:テラメカニックス研究会 5)横田聖哉:礫質土を用いた試験盛土における振動ローラ転圧力の計測結果:土木学会第 57 回年次学術講演会,2002 年 10 月. ‑690‑.

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参照

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