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交差点部の断面構造を考慮した自転車の走行性への影響分析 

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Academic year: 2022

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交差点部の断面構造を考慮した自転車の走行性への影響分析 

名古屋工業大学大学院  学生会員  ◯嶋村  峻  名古屋工業大学大学院    正会員    藤田素弘

 

  1.序論 

昨今,自転車は健康志向や環境保護意識,燃料価格高 騰などを背景として,その社会的ニーズが高まってきており,

国土交通省主導で自転車走行空間の整備が進んでいる1). 一方で,歩道上に設置された自転車道においては,自転 車道を走行せずに歩道へ進入してしまう事例が多く見られ る.歩行者空間への混入原因としては,自転車走行空間 における快適性の低さが考えられる.しかし,自転車の走 行快適性を論じた事例は少なく,バリアフリーの観点から論 じたものや路面性状による快適性への影響についての研 究が主である. 

そこで本研究では,現状の自転車走行空間について,

利用者が不快に感じる要素のひとつである交差点部にお ける縁石部での発生振動と使用感との関係を調査し,自転 車利用に適した交差点の断面形状について検討する. 

 

2.調査地区の概要 

調査地区の地図を図1に示す.本研究では,国道交通 省がH19年度に募集・指定した「自転車通行環境整備モデ ル地区」全国98箇所のうち,名古屋市内の2箇所から,鶴 舞地区を調査対象として行った.選定理由は,現存の自転 車道の状況を勘案して計画・施工されており,交差点の縁 石部も自転車道部,歩道部それぞれの目的に応じて工夫 されているためである. 

調査地区における各交差点の縁石断面を図2,3に示す.

歩道縁石部は縁石を用いているが,車道との境界における 段差が2cm程度になるように施工されている.一方,自転 車道縁石部では,縁石を用いず,コンクリートで傾斜がな だらかになるように摺りつけてある. 

 

3.実験概要とデータ処理 

各交差点の縁石部を走行した際に生じる振動と進入速 度,利用者の使用感評価値を得るために20〜30代の男性 被験者7名を用いて,走行実験を行った. 

実験では,被験者の日常的な自転車利用時の走行速

度を基準として通常,より低速,より高速と3段階で走行速 度を指示し,走行してもらった.これは具体的な数値目標 を提示することによる個人差の発現や主観評価への影響 を抑制するためである.各試行後には,縁石部において発 生する振動の不快度を7段階で使用感を評価してもらった. 

また,実験で得られた振動加速度波形データをフーリエ 変換によって時系列から周波数系列データへ変換し,その 結果に対して周波数に応じた振動感覚補正2)を施し,対数 尺度化することで得られる振動レベルを不快度の評価尺度 とする. 

4.実験結果 

4.1.振動レベルと評価 

実験により得られた全試行の振動レベルと進入速度の 関係を歩道,自転車道それぞれ図4,5に示す.なお,取得 した加速度波形より,主だった振動は鉛直方向に生じてい ることから,本研究では鉛直成分のみを分析する. 

これより,振動レベルと速度には線形の関係があり,自転 車道縁石部は歩道縁石部と比較して回帰式の差は,傾き Keywords: 自転車道,縁石,振動

連絡先:名古屋工業大学大学院,名古屋市昭和区御器所町,

      052-735-7962

図 2  交差点歩道縁石部断面 

図 3  交差点自転車道縁石部断面  図 1  調査地区概要 

交差点a

交差点b

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑111‑

Ⅳ‑056

(2)

では約0.05,切片では約1と,自転車道縁石部の方がそれ ぞれ小さいことから,その断面構造は歩道縁石部に比べ振 動を抑制する効果があるといえる. 

次に,代表的な振動レベルと被験者の使用感評価の関 係を図6に示す. 

これにより,自転車道縁石部,歩道縁石部とも振動レベ ルが増加するに従い,使用感評価が悪化することがわかる.

また,この図に示したデータは全速度帯域のものであり,速 度が増加しても自転車道縁石部で生じる振動レベルは歩 道縁石部に比べ小さく,評価も良好なまま推移する事がわ かる.このことからも自転車道縁石部の断面構造は歩道縁 石部に比べ振動を抑制する効果があるといえる. 

また,自転車道縁石部同士で比較した場合,各交差点 の間にも評価に差異がある.これはブロック形状ばかりでな く,前後の断面形状にも影響を受けていることが予想される. 

 

4.2.重回帰分析による使用感モデル構築 

以上,自転車道,歩道双方における速度ごとの振動レ ベルの関係と振動レベルに対する使用感評価の関係から,

同一速度において,より振動を抑制する構造が使用感を向 上させることが分かった.そこで利用者の使用感評価の説 明モデルを重回帰分析を用いて構築することで今回取得 した各種パラメータが使用感評価に及ぼす影響を検証した.

以下の表1に分析結果を示す. 

この結果から,速度と断面角度の増加は利用者の使用 感評価に対し,負の影響を及ぼすことがわかる.このことか ら,調査地区における自転車道の縁石断面構造は断面角 度が小さいため,使用感が従来の自歩道に比べ向上して いるといえる.しかし,交差点aに比べてbは評価が低い.こ れはブロックの前後の形状からの影響や加減速の違いによ るものであると考えられ,今後の研究課題である. 

  5.結論 

以上の結果から,速度増加に伴う振動量の増加は使用 感評価を悪化させるが,交差点縁石部の断面構造によっ てその増加量を低減し,利用者の使用感評価を向上させ ることが可能であることが分かった.特に,縁石部の断面角 度の減少は振動の低減と使用感評価の向上の両者に対し て効果があることがわかった.今後の課題として①追加デ ータを取得し,ブロック前後の形状も考慮したモデルを構 築すること②水平方向加速度など,他の影響因子につい て調査・モデル化することが挙げられる. 

参考文献 

1) 自転車の安全利用の促進に関する提言(自転車 対策検討懇談会) 

http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/

pdf/0611teigen.pdf 

2) 日本規格協会(2006)  JISハンドブック    労働安全・衛生37-2  pp.288-296 

y = 0.2564x + 110.77

110 112 114 116 118 120 122

0 5 10 15 20 25 30 35

速度(km/h)

振動レdB

図 5  振動レベルと速度の関係(自転車道縁石部) 

図 4  振動レベルと速度の関係(歩道縁石部) 

y = 0.304x + 111.79

110 112 114 116 118 120 122

0 5 10 15 20 25 30 35

速度(km/h)

振動レdB

図 6  評価と振動レベルの関係(被験者 G) 

0 1 2 3 4 5 6 7

110 112 114 116 118 120 122

振動レベル[dB]

使用感評価値

歩道-交差点a 歩道-交差点b

自転車道-交差点a 自転車道-交差点b

表 1  重回帰分析による使用感評価モデル集計結果 

説明変数 非標準化係数標準化係数 t

(定数) 2.3301 9.0418**

速度(km/h) -0.0340 -0.1341 -2.2954**

断面角度(自転車道=4.14,歩道=9 -0.1969 -0.4705 -8.0538**

交差点ダミー(A=0,B=1) -0.8674 -0.4426 -7.7237**

R R2 乗 F N

0.6893 0.4751 48.2826 164 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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参照

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