自転車走行空間社会実験(市道南方柳町線)について
1 社会実験の目的
本社会実験は、市道南方柳町線(右図)において自転 車走行空間の整備前後における自転車利用者及び歩行 者の安全性・快適性の変化、当該整備への賛否や他道 路への整備意向など、自転車走行空間整備に対する意 向を把握し、その有効性についての検証を行った。
2 社会実験の概要 (1)実験箇所
市道南方柳町線の約150m(右図参照) (2)実験期間
平成23年11月29日∼平成23年12月13日 (3)実験の方法
①事前啓発チラシ配布:平成 23 年 11 月 26 日∼平成 23 年 11 月 30 日 各日とも7:00∼9:00、15:00∼17:00 の間実施 ②整備前交通量調査:平成 23 年 11 月 29 日
③路肩部分青線施工:平成 23 年 12 月 1 日
④交通整理員による誘導:平成 23 年 12 月 5 日∼平成 23 年 12 月 10 日 各日とも7:00∼9:00、15:00∼17:00 の間誘導
※ 当該路線北行車線左側に設置した自転車通行誘導帯の走 行を誘導するものである。自転車は左側通行であり、万町地 下道付近の整理員は、当該整備路線を誘導すると、右側通 行になるため、車道左側通行を誘導することとした。
⑤整理後通行量調査及びアンケート、インタビュー調査:平成 23 年 12 月 13 日
2 社会実験(交通量)結果
( 1) 交通量調査
事前調査:平成 23 年 11 月 29 日 事後調査:平成 23 年 12 月 13 日
自転車・歩行者断面および方向別交通量(12 時間交通量) 自転車走行空間出入量
自転車走行空間走行速度(7 時∼9 時、17 時∼19 時)
16.3%
12.0%
79.5%
87.1%
4.1%
0.9%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
実験前
実験後
歩道へ
路肩/ 走行空間へ
東西方向へ
728台
641台
( 2) 交通量調査結果 ア 連続性による変化
イ 平均走行速度の変化
3 社会実験(アンケート等)結果
( 1) ヒアリング・アンケート調査
整備前〔路肩〕 整備後〔自転車走行空間〕
平均走行時間 平均走行速度 平均走行時間 平均走行速度
7 時 台 43 秒 11. 8 ㎞/ h 44 秒 11. 5 ㎞/ h
8 時 台 42 秒 12. 0 ㎞/ h 40 秒 12. 7 ㎞/ h
17 時台 43 秒 11. 9 ㎞/ h 41 秒 12. 4 ㎞/ h
18 時台 45 秒 11. 4 ㎞/ h 40 秒 12. 6 ㎞/ h
平 均 43 秒 11. 8 ㎞/ h 41 秒 12. 4 ㎞/ h 既存自転車走行空間
実験自転車走行空間
∼地下自転車道∼
自転車にて実走
28.7
24.0
46.5
39.9
7.0
9.5
14.0
20.2
3.9
6.5
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自転車
歩行者
非常にそう思う ややそう思う どちらでもない
あまり思わない 全く思わない
n= 129
n= 263
調査日 調査対象 内容・方法
整備後 12 月 13 日(火) 晴れ
歩 行 者 ・自 転 車
(通行量が多い時間帯(朝ピーク等))
・ 歩行者・自転車利用者に対して、調査票を手渡し配布・ 郵送回収
(上記以外の時間帯)
・ 歩行者・自転車利用者に対して、ヒアリングを現地で実 施
・ ただし、時間がない方等に関しては、調査票を手渡し配 布・郵送回収
・ 設 問内容 ;当 該自転 車走行 空間の利用頻 度,整 備前 後での安全性・快適性の変化,当該整備への賛否,他 道路への整備意向
整備後以降
当該 自転車 走 行 空 間 を走 行 す る可 能 性 の ある高校生・大 学生等
・ 高校・大学等に対して、調査票を配布・回収
( 2) ヒアリング・アンケート調査結果 ア 回収結果
表 ヒアリング・アンケート調査の配布・回収結果( H23. 12. 27 時点)
配布数 回収数 回収率 目標回収率
自 転 車 ― 41 票 ― ―
ヒアリング
歩 行 者 ― 65 票 ― ―
― 106 票 ― 50∼60 票程度
走 行空間 954 票 274 票 28.7% 1 割程度(約 100 票) アンケート
学 校関係 200 票 81 票 40.5% 2.5 割程度(約 50 票)
1, 154 票 355 票 30.7% 約 150 票 ※ アンケート調査の締切:H23. 12. 19( 月)
イ 調査結果
47.6 66.7 72.0 68.8 74.0 62.5 73.3 65.0 45.1 25.3 18.0 22.5 20.5 15.6 13.3 25.1 7.3 8.0 10.0 8.8 5.5 21.9 13.3 10.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
10代
20代
30代
40代
50代
60代
70歳以上
計
残した方が良い どちらでも良い 必要ない
n= 82
n= 87
n= 50
n= 80
n= 73
n= 64
n= 15
n= 451 24.0 16.4 44.0 39.1 12.0 13.3 16.0 25.4 5.9 4.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自転車
歩行者
非常にそう思う ややそう思う どちらでもない
あまり思わない 全く思わない
n= 125
n= 256 ( イ) 快適性の向上
ウ 今後の方針
※ 必要ない主な理由(計26件)
主な理由:“ この区間だけでは意味がない” (7) “ 車道は危ない” (7)
“ 片側だけでは意味がない” (3) “ 周知が不十分である” (2)など
4 まとめ
今回の社会実験においては、走行時における「安全性」や「快適性」に対して高 い評価が得られた。
ない” 、“ 周知が不十分である” などが挙げられおり、今回整備した自転車走行空間 は意味 がない、あるいは役 に立 たないから必ず しも不必要であるということではな いといえる。
以上の社会実験の結果等を踏まえ、今回整備を行った対象区間の継続的な活用 等における今後の課題として、次のようなことが挙げられる。
・反対側(東側)やさらに北側への自転車走行空間の整備 ・安全性の向上策の検討
・適切な案内誘導の整備 ・交通ルールの周知徹底
整備前