• 検索結果がありません。

古里典久

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "古里典久"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

高粘度改質アスファルトの性状評価およびそれらの 混合物性状に及ぼす影響 

 

古里典久

1

・石川  洋

2

・小澤光一

3

 

 

1工修  大林道路(株)技術研究所  第一研究室研究員(〒336‑0027  埼玉県さいたま市沼影 2‑12‑36) 

2工博  大林道路(株)技術研究所  副所長兼第一研究室長(〒336‑0027  埼玉県さいたま市沼影 2‑12‑36) 

3正会員  大林道路(株)技術研究所  第一研究室主任研究員(〒336‑0027  埼玉県さいたま市沼影 2‑12‑36) 

   

  高粘度改質アスファルトの高耐久化,多用途化など多彩な改質アスファルトが求められてきている中 で,現行の高粘度改質アスファルトの評価は従来の改質Ⅱ型等と同様な方法で行われている.しかしな がら高粘度改質アスファルトは改質Ⅱ型などに比べ従来の評価方法では性状を適切に評価できない場 合がある.そこで本研究では,バインダー性状の評価法の検討を行い,さらにそれらの混合物評価結果 に及ぼす影響について検討を行った.その結果,G*/sinδと動的安定度,G*・sinδとカンタブロ損失 率との間に高い相関関係があり,高粘度改質アスファルトの DSR 試験によって混合物性状が予測できる 結果が得られた.

 

Keywords KeywordsKeywords

Keywords: Polymer Modified Asphalt, Porous Asphalt, Dynamic Shear Rheometer   

 

1.  はじめに   

  現行の高粘度改質アスファルトの評価は従来の改 質Ⅱ型等と同様な方法で行われている.しかしなが ら,高粘度改質アスファルトは改質Ⅱ型などにくら べてポリマー量が多くミクロ構造も異なるため,従 来の評価方法では性状を適切に評価できない場合が ある.また,バインダー性状と混合物性状との関連 性についても明確ではない.したがって,排水性ア スファルト混合物の特性を良く表す高粘度改質アス ファルトの評価指標が必要であると考えられる.一 方、米国では SHRP によってバインダーの新しい評価 方法が開発され、レオロジー的評価が行える. 

本論文は,ポリマーの種類および添加量を変化さ せて各種性状のアスファルトを作製し,それらのア スファルトに対して従来のバインダー試験のほか,

SHRP バインダー試験を一部実施するとともに,混合 物試験を実施し,バインダー試験と混合物試験との 関連性について検討した. 

 

2.  試験概要   

(1)アスファルトの種類 

ストレートアスファルト 150/200 に対して 5 種類 の熱可塑性ポリマー(A〜E)をそれぞれ添加量を変 えて各種アスファルトを作製した. 

 

(2)バインダー試験 

  実施したバインダー試験は以下の通りである. 

a)従来の評価試験1) ,2) 

・針入度試験  JIS K 2207 

・軟化点試験  JIS K 2207 

・伸度試験  JIS K 2207 

・フラース脆化点試験  JIS K 2207 

・タフネス・テナシティ試験  JEAAS   b)SHRP バインダー試験2) ,3) ,4) 

・高温回転粘度試験  ASTM D4402 

・ Dynamic Shear Rheometer(DSR)試験   SHRP B‑004   

(3)混合物試験3) 

各アスファルトを用いた空隙率 20%の排水性混合 物を作製し,耐流動性を評価するホイールトラッキ ング試験および骨材飛散性を評価する低温カンタブ ロ試験(−20℃)を行った.排水性混合物の配合を 表‑1に示す.また,粒度を表‑2および図‑1に示す.

 

 

   

(2)

表‑1  排水性混合物の配合 

材料  6 号  粗目砂  石粉  As  計  配合率(%)  79.8  10.0  5.2  5.0  100   

 

表‑2  排水性混合物の粒度  ふるい目 

(mm)  13.2  4.75  2.36  0.6  0.3  0.15  0.075  通過質量 

百分率(%)  100  17.0  16.0  11.1  9.1  6.0  4.5 

図‑1 排水性混合物の粒度 0

20 40 60 80 100

0.01 0.1 1 10 100

ふるい目(m m )

通過重量百分率%)

 

表‑3  ポリマーA 添加アスファルトの物理性状 

試験項目  試験条件  3%  6%  9%  12% 

針入度(1/10mm)  25℃  119  102  78  66 

軟化点(℃)    52.2  88.3  99.8  106.9 

伸度(cm)  4℃  73.0  81.5  71.0  70.0 

タフネス(N・m)  25℃  10.1  25.2  24.0  26.5 

テナシティ(N・m)  25℃  8.7  23.3  20.3  19.4 

フラース脆化点(℃)    ‑20  ‑24  ‑30  ‑33 

G*・sinδ (Pa)  ‑10℃  5.09×107  4.35×107  2.77×107  2.33×107  G*/sinδ   (Pa)  60℃  1.66×103  3.76×103  8.22×103  1.56×104 

高温回転粘度(cP)  180℃  175  325  625  1475 

 

表‑4  ポリマー6%を添加した各アスファルトの物理性状 

試験項目  試験条件  A  B  C  D  E 

針入度(1/10mm)  25℃  102  101  93  89  100 

軟化点(℃)    88.3  100.6  102.8  102.2  93.2 

伸度(cm)  4℃  81.5  72.0  57.5  61.0  78.0 

タフネス(N・m)  25℃  25.2  21.0  21.8  30.6  25.0 

テナシティ(N・m)  25℃  23.3  19.2  19.6  21.5  23.2 

フラース脆化点(℃)    ‑24  ‑24  ‑22  ‑21  ‑24 

G*・sinδ (Pa)  ‑10℃  4.35×107  2.88×107  2.83×108  3.50×107  3.99×107  G*/sinδ   (Pa)  60℃  1.66×103  3.78×103  4.75×103  4.91×103  3.60×103 

高温回転粘度(cP)  180℃  325  400  510  575  375 

 

3.  試験結果および考察   

(1)バインダー試験結果 

例として,表‑3にポリマーA の添加量を変えた アスファルトの物理性状,表‑4 にポリマーを 6%

を添加した各バインダーの物理性状を示す.なお, 本研究では伸度試験において 15℃の場合ほとん ど 100+cm となって評価できないため,4℃に設定 した. 

表‑3から,ポリマー添加量(以下ポリマー量と 称する)が増加すれば軟化点,フラース脆化点,

タフネス・テナシティなどのバインダー性状が向 上し,高温性状,低温脆性,骨材把握力などが改 善されることがわかる.表‑4は,ポリマー量 6%

の場合のポリマーの種類を変えたときのバインダ ー性状で,この場合はポリマーの種類による性状 は同程度であることがわかる. G*/sinδ, G*・sin δおよび回転粘度については図‑7〜9 を用いて後 述する.ポリマーの種類,ポリマー量を変えたとき のポリマー量と針入度,軟化点,4℃伸度,フラー ス脆化点およびタフネスの関係を図‑2〜6 に示す.

 

(3)

図‑2 針入度とポリマー量の関係 40

60 80 100 120 140 160 180

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

(1/10mm)

A B C D E

図‑4 4℃伸度とポリマー量の関係 20.0

30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量

4℃ (cm)

A B C D E

図‑3 軟化点とポリマー量の関係 20

40 60 80 100 120 140

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

軟化点 (

A B C D E

図‑5 フラース脆化点とポリマー量の関係

‑35

‑33

‑31

‑29

‑27

‑25

‑23

‑21

‑19

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

フラース脆化点(℃)

A B C D E

図‑6 タフネスとポリマー量の関係 0

5 10 15 20 25 30 35

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

タフネス(Nm)

A B C D E

図‑2 からポリマー量の増加によって針入度は 小さくなることがわかる.しかし,図 3〜6によれ ば,ポリマー量の増加によって軟化点,4℃伸度等 は大きくなるが,ポリマー量が 6%以上になるとポ リマーの種類によって変化の傾向が異なることが 明らかである.特に 4℃伸度,フラース脆化点お よびタフネスではポリマー量 6%よりも 12%の値が 小さいものがある.これはアスファルト相からポ リマー相へのマトリックスの変換が起こり,性状 がポリマー相に支配されるため測定値が一義的に

向上しないものと考えられる.このことから,4℃

伸度試験,フラース脆化点試験およびタフネス・

テナシティ試験は,ポリマー量が 6%以上になると バインダー性状を適切に評価できないと考えられ る. 

次に図‑7に高温回転粘度とポリマー量,図‑8 に DSR 試験による 60℃における G*/sinδとポリマ ー量の関係を示す. 

     

(4)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

粘度(cP)

A B C D E

図‑7 高温回転粘度とポリマー量の関係(180℃)

1.0E+02 1.0E+03 1.0E+04 1.0E+05 1.0E+06 1.0E+07 1.0E+08 1.0E+09

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

G*/sinδ(Pa)

‑10℃

60℃

図‑9G*/sinδとポリマー量の関係(ポリマーA)

1.0E+02 1.0E+03 1.0E+04 1.0E+05

0 2 4 6 8 10 12 14

ポリマー量 (%)

G*/sinδ(Pa)

A B C D E

図‑8 G*/sinδとポリマー量の関係(60℃)

 

表‑5  ポリマーA 添加アスファルトを用いた混合物  の動的安定度 

試験項目  3%  6%  9%  12% 

DS(回/mm)  440  4200  7410  9000   

表‑6  各アスファルトを用いた混合物の動的安定度 

(ポリマー6%) 

試験項目  A  B  C  D  E 

DS(回/mm)  4200  5730  6300  6000  5040 

図‑7から,ポリマー量 6%以下ではポリマーの種 類による粘度に大きな差はみられないが,6%以上 になるとポリマーの種類による差が顕著に表れる ことがわかる.

図‑8から熱可塑性ポリマーの場合,G*/sinδは ポリマーの種類による差は小さく,ポリマーの種 類によらず G*/sinδはポリマーの増加に伴って大 きくなり,ほぼ一義的な関係が得られた. 

ポリマーA の 60℃および‑10℃における G*/sin δとポリマー量の関係を図‑9に示す.図より,ポ リマー量 0〜12%の範囲でポリマーの増加に伴う 一義的な関係が‑10℃の低温領域でも得られた.こ の関係は B〜E のポリマーでも認められた. 

これらのことから,従来の評価方法で適切に評 価できていなかったポリマー量 6%以上における バインダー性状が,DSR 試験を用いることにより 適切に評価できると思われる. 

 

 (2)バインダー試験結果と混合物試験結果の関 係 

a)  バインダー性状と DS の関係 

表‑5にポリマーA 添加アスファルトを用いた混 合物のホイールトラッキング試験による動的安定

度(以下 DS と称す),表‑6に各種ポリマーを 6%添 加したアスファルトを用いた DS の結果を示す.表

‑5 からポリマー量が増加すれば DS は向上するこ とがわかる.また表‑6から同一ポリマー量でもポ リマーの種類により DS は異なることがわかる. 

DS と針入度,軟化点,4℃伸度,フラース脆化 点,タフネスおよび高温回転粘度の関係を図‑10

〜15に示す.これらの図より,針入度,軟化点と DS の間には比較的高い相関関係が得られた.しか しタフネス等の他のバインダー試験結果と DS の 間にはよい相関は認められなかった. 

図‑16に DS と 60℃における G*/sinδの関係を示 す.この結果から DS と 60℃における G*/sinδの 間には高い相関性があるといえる.すなわち,

G*/sinδの値が大きいものが DS 値も大きくなる.

しかし,ポリマーの種類が異なれば G*/sinδの値 が同程度でも DS 値が異なる傾向(図中のポリマー 量 6%)が認められ,ポリマーの種類により高温領 域における性状は異なると思われる. 

 

(5)

図‑10DSと針入度の関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

0 50 100 150

針入度(1/10mm)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.89

図‑12 DSと4℃伸度の関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

0 20 40 60 80 100

伸度(cm)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.11

図‑14 DSとタフネスの関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

0 10 20 30 40

タフネス(N・m)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.55

図‑16 DSとG*/sinδ(60℃)の関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

1.00E+03 1.00E+04 1.00E+05 G*/sinδ(Pa)

DS (/mm)

A B C D E A:R2 = 0.99

全体:R2 = 0.90

6%

図‑11 DSと軟化点の関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

0 50 100 150

軟化点(℃)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.87

図‑13 DSとフラース脆化点の関係 0

2000 4000 6000 8000 10000

‑40 ‑30 ‑20 ‑10 0

フラース脆化点(℃)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.60

  0

2000 4000 6000 8000 10000

0 500 1000 1500 2000

粘度(cP)

DS (/mm)

A B C D E 全体:R2 = 0.60

図‑15 DSと高温回転粘度(180℃)の関係

針入度,軟化点は DS とのに比較的高い相関関係 が得られたが,バインダー試験結果の項で述べた ようにポリマー量 6%以上の場合,ポリマー量に対 し一義的な関係ではないものがある.そこで,SHRP により提案されている耐わだち掘れを評価する G*/sinδがポリマー量とも一義的な関係があるの で,DS との比較に適していると考えられる. 

以上のことからポリマーの種類が同一の場合,

あらかじめ相関を求めておけばアスファルトの G*/sinδを測定することによって,DS の値を予測 することが可能と考えられる. 

(6)

図‑17 カンタブロ損失率と針入度の関係 0

10 20 30 40

0 50 100 150

針入度(1/10mm)

カンタブロ損失率(%)

A B C D E 全体:R2 = 0.67

図‑19 カンタブロ損失率と4℃伸度の関係 0

10 20 30 40

0 20 40 60 80 100

4℃伸度(cm)

カンタブロ損失率(%)

A B C D E 全体:R2 = 0

図‑18 カンタブロ損失率と軟化点の関係 0

10 20 30 40

0 50 100 150

軟化点(℃)

カンタブロ損失率(%)

A B C D E 全体:R2 = 0.45

0 10 20 30 40

‑35 ‑30 ‑25 ‑20 ‑15

フラース脆化点(℃)

カンタブロ損失率(%)

A B C D E

図‑20 カンタブロ損失率とフラース脆化点の関係 全体:R2 = 0.76

 

表‑7  ポリマーA 添加アスファルトを用いた混合物の  カンタブロ損失率 

ポリマー添加量 (%)  3  6  9  12  カンタブロ損失率(%)  32.3  21.8  15.9  12.7 

 

表‑8  各ポリマー添加アスファルトを用いた混合物の  カンタブロ損失率(ポリマー6%) 

ポリマーの種類  A  B  C  D  E  カンタブロ損失率(%)  21.8  25.6  26.0  27.4  22.0 

 

b)バインダー性状とカンタブロ損失率の関係    低温領域でのバインダー試験結果と混合物試験 結果の関係について検討を行った.表‑7にポリマ ーA 添加アスファルトを用いたカンタブロ損失率, 表‑8 にポリマー6%を添加した各アスファルトを 用いたカンタブロ損失率の結果を示す.表‑7から,

ポリマー量が増加すればカンタブロ損失率は小さ くなることがわかる.また表‑8から同一ポリマー

量でもポリマーの種類によりカンタブロ損失率は 異なると考えられる. 

カンタブロ損失率と針入度,軟化点,4℃伸度,

フラース脆化点,タフネスおよび高温回転粘度の 関係を図‑17〜22に示す.カンタブロ損失率とフ ラース脆化点の相関性は比較的高いことがわかる. 

その他の関係はばらつきが多く,良い相関が得ら れなかった. 

図‑23にカンタブロ損失率と DSR 試験による G*・sinδの関係を示す.なお図中に示す百分率は ポリマー量を示す.この結果から,カンタブロ損 失率と G*・sinδの間に相関性が高いことがわかる.

またポリマーの種類が同一の場合,相関係数は A が 0.88,B が 0.99,C が 0.97 であり,4℃伸度,

タフネス等では見られなかったポリマーの種類に よるに差が認められた.

9

6

(7)

0 10 20 30 40

0 10 20 30 40

タフネス(N・m)

カンタブロ損失率(%)

A B C D E 全体:R2 = 0.36

図‑21 カンタブロ損失率とタフネスの関係

0 10 20 30 40

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 粘度(cP)

カンタブロ損失率(%) A

B C D E

図‑22 カンタブロ損失率と高温回転粘度(180℃)        の関係

全体:R2 = 0.40

0 10 20 30 40

1.0E+07 G*・sinδ(Pa) 1.0E+08

カンタブロ損失率 (%)

A B C D E 9%

6%

12%

3%

A:R2 = 0.88 B:R2 = 0.99 C:R2 = 0.97 全体:R2 = 0.76

図‑23 カンタブロ損失率(‑20℃)とG*・sinδ(‑10℃)     の関係

 

また,ポリマーの種類が異なれば G*・sinδの値 が同程度でもカンタブロ損失率が異なる傾向(図 中のポリマー量 9%)が認められ,これはポリマー の種類が異なれば低温領域の性状が異なることを 示していると考えられる. 

カンタブロ損失率とフラース脆化点の間に比較 的高い相関関係が得られたが,バインダー試験結 果と DS との関係と同様に,ポリマー量に対し一義 的な関係ではないものがある.そこで SHRP により

提案されている疲労ひび割れを評価する G*・sin δがポリマー量とも一義的な関係があるのでカン タブロ損失率との比較に適していると考えられる. 

本試験では,‑20℃におけるカンタブロ損失率と

‑10℃における G*・sinδの比較を行ったが,‑20℃

における G*・sinδとの比較を行えば,より相関関 係は高くなると思われる. 

  4.結論   

各種ポリマーを使用し,その添加量を変えるこ とにより性状の異なる各種アスファルトを作製し,

それらのバインダー試験およびそれらを使用した 混合物の試験を行った.それらの試験結果を比較 検討し,以下の結論が得られた. 

(1)従来のバインダー評価法ではポリマー6%以上 の添加では性状を適切に評価できない場合が ある. 

(2)バインダー試験結果と混合物試験結果の比較 から,20%空隙率の排水性混合物の動的安定度 と最も高い相関関係が認められるバインダー 性状は G*/sinδ(60℃)である. 

(3)20%空隙率の排水性混合物の‑20℃におけるカ ンタブロ損失率と最も高い相関関係が認めら れるバインダー性状は,G*・sinδ(‑10℃)であ る. 

(4) DSR 試験の結果は,従来のバインダー試験の 結果より混合物の高温および低温性状との相 関が高いことが認められ,高粘度改質アスフ ァルトの特性を適切に表現できる指標となり 得ると認められた. 

 

参考文献 

1)舗装試験法便覧:(社)日本道路協会  2)舗装試験法便覧別冊:(社)日本道路協会  3)排水性舗装技術指針(案):(社)日本道路協会  4)新田弘之:SHRP バインダー試験の測定原理と背

景,アスファルト,Vol.39 No.190,1997

(8)

BINDER PROPERTY EVALUATION OF HIGH VISCOSITY POLYMER MODIFIED ASPHALTS   AND THE INFLUENCE ON MIXTURE PROPERTIES 

 

Norihisa FURUSATO, Hiroshi ISHIKAWA, Koichi OZAWA   

 

  Improvement of high viscosity polymer modified asphalt (HVPMA) has been tried for higher durability binder  and multiple applications. The present evaluation methods of HVPMA are the same methods as polymer modified  asphalt typeⅡ. However, they aren’t necessarily suitable to the improved HVPMA. Then, we tried to evaluate  the binder properties of HVPMA by SHRP methods, and examined the influence of the binder properties on the  mixture properties. There is a high correlation between the G*/sinδ of HVPMA and the Dynamic Stability of the  mixture, and between the G*・sinδ of HVPMA and the Cantabro loss of the mixture. Therefore, the mixture  properties could be predicted from the DSR tests of the binders. 

参照

関連したドキュメント

する ︵1︶ ︒ そ し て ︑﹁ 国際的﹂ である こ と が あら ゆる試みを保証し て い

新香里中央線 新香里北線

[r]

本文に記された一切の事例、手引き、もしくは一般 的価 値、および/または本製品の用途に関する一切

25%、政令月収では 15 万 8,000 円となりますが、この 15 万 8,000

The results clearly demonstrate that the directional spectra can properly be estimated without losing its applicability and practicality for estimating directional spectra from

[r]

In addition, any information given in this document is subject to customer’s compliance with its obligations stated in this document and any applicable legal requirements, norms