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禹 炫在 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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禹 炫在 論文内容の要旨

主 論 文

Early walking time is associated with recovery of activities of daily living during hospitalization in older patients with community-acquired pneumonia:

a single-center prospective study

早期歩行時間は高齢市中肺炎患者における入院中日常生活活動の回復に関連する:

単施設前方視研究

禹 炫在,青木 秀樹,片岡 英樹,山下潤一郎,吉武 孝敏,

森下 辰也,田中 貴子,石松 祐二,神津 玲

Geriatrics & Gerontology International, 2021 Oct 27.

doi.org/10.1111/ggi.14300.

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻

(主任指導教員:神津 玲 教授)

緒 言

肺炎は高齢者にとって一般的,かつ死亡率の高い疾患であり,その予後は入院中の 日常生活活動(activities of daily living,以下ADL)低下と関連することが報告されて いる。近年,高齢肺炎患者に対して,早期離床を主体とするリハビリテーションは,

入院中の安静臥床による身体機能ならびに ADL の低下予防において有効な介入戦略 であるとされ,入院期間の短縮,短期的生命予後の改善,再入院の減少や ADL の向 上に寄与することが示されている。これらの先行研究では,医療スタッフは入院患者 の身体活動量を増やすための戦略を推進し,入院早期からの離床時間や歩数といった 客観的指標による目標を設定する必要性を提言している。しかしながら,入院となっ た高齢肺炎患者の身体活動量を測定した報告はなく,その目標値を設定することは困 難である。

本研究では,市中肺炎にて入院治療となった高齢患者における身体活動量を測定す るともに,ADLの変化との関係を明らかにすることを目的とした。

対象と方法

本研究のデザインは単施設前方視観察研究であり,対象は市中肺炎の診断にて入院 治療となった65歳以上の高齢者のうち,入院後48時間以内にリハビリテーションを 開始した患者とした。身体活動量の評価には,3 軸加速度計(PAL Technologies 社製

activPALTM3µ)を用いて入院 3 から 9 病日まで(24 時間,7 日間)連続で測定した。

本研究では,早期離床時間と歩数をもって身体活動量とし,前者は立位と歩行の合計 時間と定義,1日当たりの平均の時間と歩数を解析に用いた。ADLの評価は,Functional

(2)

Independent Measureの運動領域(以下mFIM)を用いて入院時と10病日で評価し,そ の改善率 (rehabilitation effectiveness,以下Res)を算出した。統計解析は,ステップ ワイズ重回帰分析を用いて早期離床時間と歩数および REs のそれぞれの関連因子を 抽出した。

結 果

87名(男性46例,年齢中央値82歳)が解析対象となった。早期離床時間は中央値 で69分/日(立位時間52分/日,歩行時間14分/日),歩数は1080歩/日であった。入 院時と10病日のmFIMの中央値はそれぞれ59点,72点で,REsは40 %であった。

ステップワイズ重回帰分析の結果より,早期離床時間に関連する因子として,入院時 のmFIMと酸素療法実施の有無が抽出された(adjusted R2=0.35, p<.0001)。また,REs においては,歩行時間,入院時の認知機能,身体機能およびmFIMが独立因子として 抽出された(adjusted R2=0.32, p<.0001)。早期歩行時間が 10 分増加することで ADL 能力は7.8%ずつ改善する結果であった(B=7.8, 95% CI 1.3 to 14.2, p=0.02)。

考 察

本研究では,①高齢市中肺炎患者の入院早期における 1 日あたりの離床時間は 69 分であること,②歩行時間がADL改善の独立した因子であることが明らかとなった。

つまり,同患者の早期離床時間は24時間のうち5%程度であり,それ以外の時間は臥 床または座位で過ごしていることが判明した。高齢者に限定しない成人市中肺炎患者 を対象とした先行研究では,入院早期の歩行時間は66分/日と報告されており,本研 究の対象者はその20%に相当した。

本研究の早期離床時間に関連する因子として,入院時の ADL 能力と酸素療法実施 の有無が抽出された。この結果は高齢内科患者を対象とした先行研究の結果と一致し ており,入院早期からの早期離床時間を考慮する一助になり得ると考えられる。また,

重回帰分析の結果は入院早期からの歩行時間が10分増加することでADL能力が7.8%

ずつ改善することを意味しており,この客観的な指標は,入院早期から身体活動量を 増やすための一つの目標値として参考にできると考える。加えて,入院治療中の高齢 肺炎患者では,毎日の歩行時間を増やすことで,ADL 改善に寄与する可能性を示唆 している。

参照

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