• 検索結果がありません。

成果と課題

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "成果と課題"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

成果と課題

著者 井出 祐介, ?橋 政宏

雑誌名 研究紀要 : 共に創りあげる授業

巻 20

ページ 53‑53

発行年 2020‑03

出版者 静岡大学教育学部附属静岡中学校

URL http://doi.org/10.14945/00027147

(2)

静岡大学教育学部附属静岡中学校 研究紀要(第20号)

-53-

成果と課題

1 成果

理科部では,「科学のまなざしをもつ人」を育むために「理科ならではの文化」を味わう授業をめざし,

実践を重ねてきました。そのために仲間との「科学的対話」を引き出すための「題材の工夫」を大切にして きました。例えば「自由落下運動に秘められた規則性を探ろう」の題材では,飛び込み競技の落下時間に疑 問をもった子どもたちが,仲間との「科学的対話」を通して自由落下運動をスローモーション化するために 斜面を用いることの必要性を理解したり,落下運動の規則性を現象とデータを行き来したりしながら分析す る姿が見られました。

このような授業実践を繰り返すことで,子どもたちの学びに次のような成果がありました。これらの成果 は「理科ならではの文化」を味わったからこそ育まれたものだと考えています。

(1) 子どもの探究意欲の高まり

問いが共有されることで子どもたちの学びの見通しが非常に明確になることがわかりました。子どもた ちは授業の中で,様々な仮説や予想を立てながら観察・実験を繰り返していきます。その思考は非常に速 く,次々に新しい発想で真理を突き止めようとしていきます。一方で,じっくりと考察しなければならな いときには,立ち止まり,時間をかけて議論する様子も見られました。探究のきっかけが主体的であるた め,自分たちのペースで納得するまで探究をしていると考えられます。この姿は,子どもたちの探究意欲 に裏付けされたものであることは間違いありません。

(2) 認識の深まりと概念化

題材を通して,子どもたちは事物・現象 への認識を深め,概念化していくことがで きました。本題材では,斜面運動を自由落 下運動のスローモーション装置として認識 していきました。さらに,「斜面運動の規 則性が距離と時間の二次関数であらわせる こと」「一定の大きさの力が一方方向にか かり続ける現象であること」において,自 由落下運動と共通であることを見いだし,

斜面運動の中の一つが自由落下運動であ

るという概念を形成することができました(図12)。このように一つの事物・現象をじっくりと追究する ことで,より深化された認識や,一般化された概念を創りあげられることがわかってきました。

(3) 他教科や日常体験との関連の中での理解

子どもたちが探究をする過程で,根拠としたものに他教科の知識や日常体験がありました。本題材では,

物理現象を数学の知識を用いて数式化し,比例定数を求めていくことで,現象を明らかにしようとする姿 が見られました。また,加速の体験をもとにグラフの形を予想する様子も見られました。このように子ど もたちは,共有された問いの解決のために,様々な知識を関連付けながら学ぶことができました。

2 課題

実践を通していくつかの課題も浮き彫りになりました。一つが,素朴概念の完全な解消がなされなかった ことです。特に,物理分野において従来から問題視されていた力と運動の素朴概念については,題材を終え ても根強く残っていることがわかりました。二つめが,学びの時間が十分に取れなかったことです。有限な 授業時間の中で,題材によっては子どもたちが納得するための時間が確保されなかったものもあります。

子どもたちの素朴概念は,一つの題材で解消されるものではなく,別の題材に活用されたり,再認識した りすることで解消されていくと考えられます。題材の順次性や系統性を整理し,題材同士の構造化を図るこ とで,子どもたちの素朴概念の解消を図りたいと考えています。また,そのように題材の順次性や系統性を

整理することで,生み出された時間を,子どもたちの学びの時間に当てることも可能になると考えられます。

今後は,カリキュラム編成も視野に入れながら,子どもたちが主体的に充分な納得までたどり着ける,手 だてを講じていきたいと考えています。

図12 子どもの概念形成のようすが現れた板書

参照

関連したドキュメント

活発な活動になった要因として,これまでの各大学におけるゼミナール活動の蓄積とね

本年度実践した題材である地理的分野「持続可能な社会をめざしたエネルギーのあり方」では,題材

私たちは日常において自由落下運動を「物が落ち

デザイン分野では,3年生は「ロゴデザイン制作」(実践報告参照),2年生は「新入生に附属中の魅力

そのデータの価値について対話していきました。「農家の人にとってはどうだろう」「データを取る側にと

「食」についてでは、ブブルチャチャというデザートを扱った。食材はキャサ

11 月に愛知県朝日遺跡,3 月に三重県筋違遺跡と,岡山市デジタルミュージアムでおこなった。

を持ったにすぎず,変化していくものであって,たまたまこの最後に残った道具や技術を未練たら