別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲 ・乙 第 3164 号 氏 名 日暮 大渡 論文審査担当者
主査 加藤 裕久 副査 板部 洋之 副査 原 俊太郎
(論文)
High expression of FOXM1 critical for sustaining cell proliferation in mitochondrial DNA-less liver cancer cells (FOXM1 の高発現はミトコンドリア DNA 減少肝癌細胞の増 殖維持に重要である)
掲載雑誌名:Experimental Cell Research in press
(論文審査の要旨)
本研究は,『ミトコンドリア DNA mtDNA(mtDNA)減少(mt-Low)癌細胞は,mtDNA 減少 に伴う増殖抑制を克 服するために,特異 なメカニズムを獲得して癌化した』という仮説を立 て,克服メカニズムを検討した.mtDNA 減少が報告されている肝細胞癌株7種と正常肝細 胞の mtDNA 量を定量し比較したところ,4種の細 胞が mt-Low 癌細胞であり,このうち3種 の細胞では,mtDNA 量が正常レベルの癌 細胞と同等 の増殖能 を示した.細 胞周期 の進 行を促進する転写因子複合体 FOXM1/BMYB がタンパク質レベルで高発現していた.
FOXM1 および BMYB を減少させたところ,細胞周期が G
1/S 期で停止し,老化様形質 が誘導された.これらの結果は,mt-Low 癌細胞の増殖維持に FOXM1/BMYB が重要な役 割を果たしていることを示している.
さらに mt-Low 癌細胞での FOXM1 タンパク質の高発現について,脱ユビキチン化酵素
OTUB1 の関与が示唆された.FOXM1 は OTUB1 により脱ユビキチン化されることでプロテ アソームによる分解を回避 していることが示された.本知見は癌個別化医療への応用が期 待される.
学位論文に関する質疑では論理的に回答した.
以上より,本論文は博士(薬学)としてふさわしい内容であると判定した.
(主査が記載、500字以内)