ソトス症候群児の言語獲得に関する研究
障害児教育専攻 森 本 茂 資
1.序論
1.本訪問の目的本研究では、まず文献研究 によりソトス症候群の病態理解を図り、ソトス 症候群児への適切な療育方法を探る。さらに事 伊断究として、ソトス症候群児である筆者の二 男へ4領域の課題遊びを通じた家庭療育を行い、
言語獲得を目指した療育の効果とその要因につ いて検討する。 2.言語獲得について非言語 的コミュニケーションとしてのjointa伽 凶on 行動とは、子どもと母親が同じ出来事や同じ対 象に注意を向けることを指し、その共有された 世界で成長しコミュニケーションを獲得してい くとされ、参照視キ棺差し行動を含む。母親は
舵aftolding(足場作り)と呼ばれる援助方略を 用い、子どもとのやりとり遊びや凍題学習の中 で、子どもができる範囲内て課題に関われるよ うに課題を整えてしてo 身体的援助キ激励等を 含 む 民aftol也,ng方略は課題解決方略として用 いられると同時に、その課題を介した三項間の joint at飴ntion行動を高めるための方略として も有効であるため、言語衝尋を目的とした療育 の指導法として適切であろうと思われる。
11.文献研究
1.目的文献研究によりソトス症候群の病態 理解を図り、養育者のための総縦句ガイドを作 成し、適切な療育への指針とする。 2.ソトス 症候群の病態 ソトス症候群は、過成長を生ず る症候群の一つで、あり、その発生機序や病因は、
指導教官 橋 本 俊 顕
未だ確定していなし、多くは散在性で突然変異 によるものであるといわれている。診断基準に 用いられる特徴としては、過成長を伴う成長パ ターンと促進された骨年齢、特徴的顔貌、大き な頭と手足、協調運動の稚拙、発選屋滞等が挙 げられる。ソトス症候群児の知師轄の程度は 重度から通常範囲まで様々であり、特に言語発 達にi皆しがみられる。ソトス症候群児は、幼年 期におして、言語未勝尋ゆえにコミュニケーシ ョンが上手くとれず、かんしゃくそ欲求不満、
攻撃断古動などが現れてくる場合もあるが、青 年期には徐々に改善され、成熟さは増してくる。
そして、通常穏やかで良好な祉会構成員になる といわれている。
血事初研究
1.目的家庭における4領域の療育を通して、
対象児のjointa伽 ntion行動を高めるための指 導を行い、言語獲得を目指す。 2.方法 1) 対象児の概要対象児は、筆者の二男であり、
2歳8か月時に医師よりソトス症候群の診断を 受けた。指導開始時 (2α均年12月)、年齢は5 歳 10か月であった。 2)療 育 へ の 指 針 文 献 研究でのソトス症候群の病態と本児の実態をふ まえ、目と手の協応課題遊び・弁男
'a
題遊び・やりとり課商都メ・想伽句課題遊ひを設定した。
3)指導期間および場所笈削年12月は観察 期間とし、指導期間は2
∞
1年 1月から 2∞
1年12月までとし、3か月毎に第1指導期から第
4指導期までを定めた。居間に子ども用の長机 を置き、対象児の右隣に母親(指導者)が座っ た。父親(筆者、副指導者兼ビデオ枝影者)は、
約2m離れて長机の正面に位置し、療育場面を ビデオ撮影した。 4)手 続 き 舵affulding方略 を用い、 4領域の課題遊びが達成でき、 joint a伽 nti.on行動が高まるよう指導した。 5)記 録およびデータの分析方法課題場面を録画 し、インターノ〈ノレ託録法により分析を行った。
収集したデータをもとに、配affulding行動や joint at飴ntion行動等の生起率を求めたoまた、
後方視的方法を用いた生活京滋エピソードによ り日常生活における発達を制面した。さらに、
各指導期の最後に、 KIDS手し幼児発達スケーノレ と 出4担会生活能力検査の発達検査バッテリー を用い、発達矧面を行った。これらのことを総 合的に考察し、本研究の目的である言語獲得面 での発達を言判面した。 6)信頼性の評定 ビデ オ録画された課題甑場面につしての筆者の評 定と、指導に直張関係のない大判涜生の評定の 一致度を信頼性の指標とした。
W.結果
コミュニケーション行動とjointat旬nti.on行 動の増加がみられた。 jointattenti.on行動が増 加するにしたがって舵affull也ng行動の減少、が 認められた。有意味語の生起率も徐々に高まっ たことが示された。有意味語の生起した場面で は、特に受動的場面での有意味語生起率よりも 自発的場面で、の有意味語生起率が高かった。発 達検査結果から、言語面における発達月齢とと もに各項目での全脚ぬ伸びが示された。生活 託録エピソードからは、徐々に目的を持った行 動や他者との関わりが増えて積極均こコミュニ ケーションを図っていこうとする意欲的な様子 が示された。
V .
考察課題~dlで、 joint at飴nti.on行動が生起しやす い課題は、やりとり課題敵戸と想傑句課魁差び であり、またやりとり課題遊ひではコミュニケ ーション意図も生起しやすし、とし、うことが示さ れた。 jointa抗enti.on行動と言語発達の聞にも 関連性が認められた。本研究において第1指導 期と第2指導期の問、第 2指導期と第 3指導期 の間に 2つの転機がみられ、課題場面での発 達・jointattenti.on行動・言語発達面・生活場 面での発達における相補う関係が/刊慶された。
VI. 総合考察
文献研究と本児の実態より導き出された4領 域の課題甑,.を通した指導は、先行研究の結果 に合致するもので、あり、言語獲件¥の有効性が 示された。本論文における 8倒ftblding方略と joint a伽 nti.on行動が先行研究と同様の効果を もたらすものであることも確認され、適切な 舵affulding方略を課題遊びに用いたことで joint atten針。n行動が高まり、本児の言語発達 に影響を及ぼしたと考えられる。このように他 の障害における文献の結果との類似性より、障 害が異なっても治療訓練として同様の方向付け ができるということも示唆された。
羽.まとめ
本研究では文献研究と本児の実態より導き出 した4領域の課題遊びを行い、 jointattenti.on 能力を高めた。適切な艇耳目olding方略のもと親 子聞での三項的関係が強まり、その結果愛着関 係をもとにしたコミュニケーション意欲が増加 し、言語発達につながった。今後の課題として は、家族であるがゆえに馴れ合いの関係が強く なり療育が滞ってしまわないよう、本児にとっ て常に魅力的な療育課題を設定していくことが 挙げられる。