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マニピュレータの動作を考慮した組立作業プランニ ングに関する研究

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(1)

マニピュレータの動作を考慮した組立作業プランニ ングに関する研究

原, 功

九州大学工学研究科電気工学専攻

https://doi.org/10.11501/3065510

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第3章 マニピュレータの動作経路計画

3.1 緒 日

さまざまな環境下特に複数台のロボットが存在するような作業環境下 において, より現実的な作業プランを生成するためには, シンボリックに 行なわれてきた作業手順の導出時に, マニピュレータの動きを決定する動 作計画を考慮した全工程的な作業プランニングを行なう必要がある. その ためには, マニピュレータの動作計画, 特に, 衝突回避計画は重要である.

本章では, 衝突回避計画において基礎となるマニピュレータのConfiguration 空間記述について解析し, 高速に計算することができる空間のパラメータ による記述法を提案する.

ロボットに作業を行なわせる場合 そのロボットには多くの能力が要求 される. 特に 複数のロボットが協調して作業を行なうような環境, すな わち移動体が存在するような場合には作業の障害となる物体を回避する能 力もより高度なものが要求される. 現在まで, 障害物回避動作計画に関し Configul・atioll空間(マニピュレータでは関節角空間)を利用した研究が数多 くなされてきたが[31, 32, 33, 34, 35, 36, 37]その多くは静止障害物を対象と したものであり 移動障害物に関する研究は少ない.

一般に, 障害物回避動作計画の効率はConfiguration空間地図に依存し,

その地図の大きさはロボットの関節の数に対して指数関数的に増大するた めに, その生成には非常に多くの計算と記憶領域を必要とする. 静止障害 物を対象とした衝突回避動作計画を移動障害物に対して用いるためには,

実時間によるCOllfiguration空間地図の算出と衝突回避経路を効率良く探索 するための地図が必要である. これに対し, Lozano-Pérezら[22]は素立体の

(3)

Con白gnratioll空間を用いた並列アルゴリズムを提案し, Configuratioll空間の 構築の高速化を行なっている. しかしながら, この手法では, 障害物とロ ボット聞の物理的な干渉チェックを行なう ことで生成されるため, 依然とし て実時間の障害物回避計画には, 適用できなかった. また, Branickyら[23]

は直線に対するConfiguration空間をデータベースに予め記述することによ り, Configuration空間地図の算出の高速化を行なっている. しかしながらこ れらの方法は, Configuration空間地図の表記法としてピットマップ形式を用 いている. そのため, 多くの記憶領域を必要としており, また経路探索空 間は大きく実時間による衝突回避経路の探索は難しい. そのため, 移動障 害物に関する動作計画にそのまま利用することはできない.

ロボットの障害物回避計画において, 静止物体に対する衝突回避動作計 画は, 実時間性よりも作業の効率を優先させなければならない. そのため,

その自由度を全て考慮し, 詳細な環境の記述と動作計画を行なう必要があ る. しかしながら 3 次元空間内の移動障害物に対する衝突回避動作を考 えるとき, 回避動作の効率よりむしろ実時間性と安全性を優先させるべき である. そのためには, ロボットの自由度全て考慮する必要はないと思わ れる.

本章では, 移動障害物に対する3次元衝突回避動作計画に対し空間移動 に必要なロボットの3つの自由度のみを考慮する. また, 3次元Configuration 空間内の障害領域を幾何モデルを用いて近似することでパラメータし, そ れによってConfiguration空間地図を簡素化とその導出の高速化が可能であ ることを示す. また 衝突回避経路の生成に対する解析的な探索法につい て考察を行う.

(4)

3.2. CONFIGURATION空間の解析

Z

o

Shoulder Joint(SJ)

/ / /

X

Fig.3.1: A two-link plane robot and a circular obstacle .

3.2

Configuration空間の解析

49

3次元Configuration空間を解析するために, まず最初に2リンク平面ロ ボットについて解析し, 次に3次元Configuration空間への拡張を試みる.

3.2.1

2次元Configuration空間

いま, Fig.3.1に示されるような2リンク2回転関節を持つ平面ロボット を考える. このロボットの状態は2つの関節角。2,83で決定される. いま, 中 心(R,ゆ), 半径?の円 Cを考える. ここで, R,ゅは, 極座標系におけるパラ

メータである. 平面ロボットと円Cの衝突に対する状態、は, Type.l:l2がCと 衝突する状態とType.2: l3がCと衝突する状態がある(Fig.3.2 ). また, それぞ、

れの衝突に対し, Fig.3.3で示されたような4つの状態が存在する.

したがって, 2リンクのPlane-Robotが円障害物と衝突する場合の状態値 すなわちら?のの組は, 次のようになる. Arm Jointと円の中心までの距離を

(5)

Z

Type2

Collision

|/明Typel

Collision

o j X

Fig.3.2: Types of the collision between a plane robot and a circlc.

(6)

51

Z

CONFIGURATION空間の解析

3.2.

Z

/'E\ \EEノhu

X

Z X

(a)

Z

X X

\‘,ノAU /'E\

Fig.3.3: Types of the collision between each link and a circle.

(c)

(7)

s, l2と円の中心までの距離をのとすると, Type.lの衝突が生じるとき,

(R三l2)八(d2 1う Fig.3.3 (a) または

(l2 < R l2 + r)八(s r) Fig.3.3 (b)

となる. したがって, Type.1:の衝突に対する状態値は, 任意のパラメータ tε卜1,1]を用いて

。2 =

j

-ゆ+ t . Angle(R,l2, r) と表すことができる. ここで, 関数Angleは

r

sin-1

(�)

if T三バ伊守芝 Angle(α, l, r) =

COs-1

('2 +�:a-r2

)

if伊守たα三l+γ

I 0 otherwise

、、11''守Biqd 〆'ft、、

である. また, l3の先端およびらから円障害物の中心までの距離をそれぞれ sにのとすると, Type.2の衝突は,

(γ<s三[3)八(d3 r) Fig.3.3 (c) または

(l3 < S ::; 13十r)八( s'三r) Fig.3.3 (d)

のとき生じる. したがって, Type.2の衝突に対する状態方程式は, 任意の パラメータsε[γ, l3十γ], tε卜lぅ1]を用いて

。2

(

R2

d

)

一一ゆ -el bow COS-1

2 T --- - -- - -- \ 2l2 R

π (3.2)

三一ゆ+f(s,

R)

(R仁 川 )

83 elbotU C051 2l22

3

+t . Angle(s,l3,け

g(s,

R)十t

. Angle(s, l3,け

(8)

3.2. CONFIGURATION空間の解析

Z

X

Region A

織機 Region B

Fig.3.4: Define of elùow function

53

となる. ただし, elbowはらとんとの相対位置により決定される. すなわち,

平面)C-Zをんを含む直線で分割された2つの領域をA,B (Fig.3.4を参照) と すると,

で表される.

| 十1 l3が領域A内に存在する elbow = <

I

-1 らが領域B内に存在する

これらの式に現れるゆは, 82に対するオフセットであり, 円障害物に対 するConfiguratioll空間領域の形状は,Rと1・により決定される. すなわち,

COllfigl1ration空間の障害領域C02di川は,

C02dim = CO'2clillLJ U C02dim2 (3.3)

となる. ここで, CO2川lj'CO以内はそれぞれ02=5-ゆを中心軸に持つ矩形 領域(Typc.lの衝突による領域 )と

02 =

2

-ゆ+f(s,R)

83 = g(s, R )

(3.4)

を中心軸とする領域(Type.2の衝突による領域)である. Fig.3.6にType.2の 衝突に対する中心軸を示す.

(9)

。2 仁コ C02dim}

盤盤 C02dim2

。l

Fig.3.5: An example of 2D configuration space for a circle

げ1 c:t>

3 2

。』

-2

-3

-2 0

02 砕67 一一--3

R=70・……

Fig.3.6: The cent川axes of circle obstacles) located at (R) 0) ) in a con五guration space.

(10)

3.2. CONFIGURATION空間の解析

Z

X

81 '-,- I I /

\\\

ψ

//

/ / /

Y

Fig.3.7: A three-link 3-R skeleton-robot and a spherical obstacle.

3.2.2 球障害物に対する3次元Configuration空間

55

次にFig.3.7のような3リンク3関節のSkeletonロボットと球形の障害物 を考える. ここでは各関節の可動範囲を

。1,82,83 ε[一π?πl (3.5)

とする. 障害物の位置は Fig.3.7に示されているように第2関節(Shoulder Joint)を原点とする座標Q'-X'Y'Zの極座標系のパラメータ(R,8,ゆ)により与 えられるものとする. ここで, デカルト座標空間(x,y,z)から極座標空間 (R,8,ゆ)への各パラメータの変換は次式により行なわれる.

R =

J

X2 + y2十(z一川

。 ニ atan2(y, x) (3.6)

ゆ二 atω(z -l1,

J

x2十y2)

(11)

ここで, 関数atan2は,

である.

I

ta汀l(yjX) +π if x > 0八UくO atan2(y, x) ==

ta江l(yjX) -π if x < 0八y<O

l tarr1

(v j

x) otherwisc

3次元実空間においてロボットと球形障害物との衝突は, 各リンクを 含む平面FOJ(リンク平面と呼ぶ) で起こる. リンク平面F01は, xz平面をz 軌のまわり に81だけ回転させた平面である. リンク平面における各変数を Fig.3.8に示す.

この平面FOlと中心(RoJ)o,øo),半径?・。の球形障害物の交差する領域は, 中 心(R,ゆ), 半径7・なる円となる. ここで,

R Ro

V

l - cos2ゆo sin2(81 - (0)

や = ta江l

(

cos( 81 - (0) unゅ。

)

(3.7)

T

ゾ??-R3m2ゆo

sin

2

( 81 - (0)

である. (付録

--

Aを参照) したが

球形障害物に対する3次元Configu

­

ration空間への変換は2次元Configuration空間の変換へ帰着でき, その領域

C03dimは

C03dim

==

U C02dimIOl=Oo+l.Sill1(Ro云To

))

-l<t<l

(3.8)

となる. ここで, 8οはこの障害領域に対するオフセットとなり,CO3dmの形状 は0。に依存しない. また, その形状は0。に関して対称、となる. Fig.3.9, Fig.3.10

, Fig.3.11 , Fig.3.12 に球障害物に対する3次元Configuration空間の障害領域 の例を示す. これらの図は, 各リンクの長さh二30.0,l2 == 25.0, l3 == 34.485を 持つロボ、ツトが, 半径8の球と衝突する時のロボットの各関節の角。1,82,83を プロットしたものである. これらの変数は, Fig.3.7に従う. また, 球障害の 中心座標(�l:,y,z)は,

(a)

(10.0,0.0,30.0),

(b)

(25.0,0.0,30.0)ベc) (35.0, 0.0, 30.0)

(12)

3.2. CONFIGURATION空間の解析

Link -Plane

F

() 1

Fig.3.8: Link plane

57

Y'

(13)

B3

-3

( a)

Fig.3.9: ExaInples of a configration space n1ap for a spherical obstacle (the radius of a sphere l' = 8, a吋the ce川er of the sphere located at (10,0,0)

(d) (50.0, 0.0, 30,0)である. また, これらはそれぞれ(a)リンク2が球障害物 に衝突し得る場合. (b) Arm Joint (Fig.3.1を参照)が球障害物に衝突し得る 場合. (c)リンク2が球障害物と衝突せず, リンク3が衝突し得る場合. (d) リンク2が球障害物と衝突せず, かつリンク3の先端が衝突し得る場合. で あり, Fig.3.2における平面内の 2リンクロボットと円障害物との衝突状態 に対応している.

(14)

3.2. CONFIGURATION空間の解析 59

83 3 2

0 -2 -3

a

鵜F

四3

、、Ba'''LU 〆't目、、

Fig.3.10: Examples of a configration space lnap for a spherical obstacle (the radius of a sphere T二8, and the center of the sphere located at (25,0,0)

(15)

83

対』

-3 ._

-le �

(c)

Fig.3.11: Examples of a co凶gration space luap fo1' a spherical obstacle (the radius

of a sphere 1二8, and the center of the sphere located at (35,0,0)

(16)

3.2. CONFIGURATION空間の解析 61

83

、、

-3 ーん -l

FT1

(d)

Fig.3.12: Examples of a configration space map for a spherical obstacle (the radius of a sphere T = 8, and the center of the sphere located at (50,0,0)

(17)

3.3

Configuration空間のパラメータ化

3.3.1

素立体

前節で示された球形障害物に対するConfigllration空間内の障害領域C03dim は, 一般に複雑な領域となる. そのため, 通常用いられているピットマップ 形式の記述 では, COllfiguration空間における障害領域の記述量は膨大とな り, 動作経路と障害領域の干渉を高速に導出するのは困難である. そこで,

この空間記述を簡素化するために, 3次元幾何モデルを用いてConfiguration 空間内の障害領域を近似することを考える. これにより 球障害物に対する Configuration空間は, 各幾何モデルのパラメータを用いて記述することが できる.

ここでは近似のための素立体としてFig.3.13に示されたようなfhーの平面 に垂直な柱体 COpo1eと底面が81-83平面と平行なη個の楕円筒COCY1iを選ぶ.

このような近似を行なうと, 1つの球障害物に対するCOllfiguration空間内 の障害領域は, 6 + 10 x n (2三n)個のパラメータで記述されることにな る. すなわち, COpo1eに対して, 導線の方程式の係数, およびその中心位置

(() 10β2J.

COqんに対して, 各底面の中心位置(OlOpρbottom), 上底面, 下低面

の半径(αlop, blOP'αbollom, bbollOm), である.

これらのパラメータは実空間における球形障害物の位置(Ro,8。ル。), 及 びその半径Tにより決定される. 次に, Typc.l,Type.2の衝突(Fig.3.2参照)に 対するパラメータの記述について述べる.

3.3.2 Type.1 の衝突に対するパラメータ

Type.lの衝突に対する障害物領域C03dimlは, 式(3.8)より C03diml

U

C02dir川101 =Oo+t.sin-1 (

Ro長石)

-l<l<l (3.9)

となる. この領域は, 底面Cbottoflt,高さh=∞の柱体となる. また, (j。はんに おけるオフセットであり, Configuration空間における障害物領域に何も影響

(18)

3.3. CONFIGURATION空間のパラメータ化 63

。3

""

COpo1e

。2

一π4一一一一一一一一一一一一

Fig.3.13: An approxmation of a sphere locatecl at (25,0,0) in a 3-D co凶guration space.

はない.そのため,以下()o = 0として,パラメータの導出を行なう.

Cbottomは?式(3.1) ,式(3.7)より

- tan-1

(討)

土sin-1

(

1 1一山山

)

(3.10)

でおさえることができる.(付録-Bを参照)ただし, xニro/R。である.こ こでは,この障害領域を導線C'ead,母線f= (0,0,1)の柱面で近似する.式 (3.10)より障害領域C03dimlの導線Cbottomに関して次のよう なことが言える.

-02=5一切[1 (志台),() 1二O(= ()lo)をそれぞれ対称軸として持つ.

-障害領域の対称軸から導線までの距離Dは,D二釘1 (ゾ1-

l-coはい;)

である.

()1の とりうる範囲は, ! ()l!三町I (有)である

・障害領域はx(=γ/R)の値の増加にともない矩形に領域に近付いていく.

(19)

したがって,近似障害領域の導線C'eadの対称軸を多項式で近似し?障害領域 の幅を真の障害領域を包含するょっに次のように定義する.

。l

A(x).D(ゆ). cos8

02 =

;

-ゆ一仰,81)+ A(x) . sin-1x . sin8

、、B,J1Eム1EムqJ r'f‘、、

ただし, 8は任意のパラメータであり,x =九/Ro,関数A(x),C'(ゆ,81),D(x,ゆ) は?

A(x) = l.02 + 0.4x4

州81削lけ)二jトト凶m州n附

0斤?

+寸去

(ωゆ一川

(いS幻i訂汀t川1て(c志去お刻石d) 川お剥|ド三

1

D(μx,

ゆω) 二 < I Iん c:iι川i而 「刊州I川r::Li.τ京Eλ, \ ゾ

2

I �/\Il - ( �釘;i;φ ノ )

otherwise

である. (付録-cを参照)この近似式において,A(x)は障害領域の変化にと

もなう補正関数である.

3.3.3

Type.2の衝突に対するパラメータ

Type.2の衝突に対する障害領域C03dim2は, 式(3.7)より

C03dirn2 =

U

C02dim2 (Oo+t.sirïl

(可缶右))

-l<t<l

(3.12)

となる.

この衝突に対する障害領域は, 式(3.5)で表される曲線に関して対称と なる. そこでこの領域をη個の楕円筒COqんにより近似する. すなわち

C03dim2 ç

U

COcyl (3.13 )

を満たすようにCOcyliの各パラメータを決定する. これらの楕円筒COc仙 の中心軸OtopObottomは平面F()。内に存在し, 各底面は81-83平面に平行となる.

(20)

3.3. CONFIGURATION空間のパラメータ化 65

それぞれの楕円筒は, 次のように決定する. まず, 球障害物と平面F()。

の交差領域のに対する障害領域COcen附を考える. この領域に対するCon­

giguration空間領域の中心軸Cは, Fig.3.6のようになる. したがって,この中 心軌を複数の直線で近似し,そ の直線を各楕円筒の中心軸とする. また,

中心軸の接続点における81,ののとり得る範囲をそれぞれ ム81,ム83とすると,

各底面の半径は, ム81/2,ム(h/2とする.

各楕円筒の中心軸は,次のように決定する(Fig.3.14を参照). まず,CVOceTl附 の中心軸Cを端点Tpと中心を結ぶ直線で近似する. この直線とCまでの距

離をdとすると, lnax d > Deltaであれば,maxdとなるC上の点を分割点と して, 2つの直線に分割する. この操作をmaxd< Deltαとなるまで各直線 に対して繰り返す. ここで, Deltαは,近似する楕円筒の数ηを決定するた めの関値であり,ロボットの動作精度と姿勢点の位置に応じて決定される.

Fig.3.14 で,(a)はRをいくつか変えた場合の中心軸 (曲線式(3.5 ) )の一部で ある. (b)はR > l2の場合であり,(c)はRくらの場合を示したものである.

また,Rは, 球障害の中心とArm Jointの距離であり,らはリンク 2の長さ で ある.

Fig.3.15 , Fig.3.16 に近似されたConfigration空間地図を示す. ここに記述さ れたConfiguration空間は, ロボットの各リンクの長さl1二30.0,l2 = 25 .0, l3 =

34 .485, 障害物球の中心位置付,y,z)= (30.0,0,30,0)及び半径γ=8の場合の ものである. また,CO_cyl[1-4]は, Type.2の衝突に対する近似領域であり,

Deltα= 5[deg]である. また,CO_pole は,Type.lの衝突に対する近似領域で ある. Type.2の衝突に対する近似領域は,(a)図で, 左半分にあ たり, 右半 分は, 真の障害領域をプロットしたものである. この近似障害領域におけ る各パラメータは,それぞれ次のようになっている. ここで, 'U,vは任意の

パラメータであり, ーπ<u<久O<v<lである.

COょうr11

。l(U,V) = 0.269933*cos(u)

(21)

。3 内温

;�π

|守与兵二、

I �:、二、 ���- --'/

l 、、、\ 、、 ー - / I

I ,'.とえ\ ご、 / J

| 、ぐ'�" ,,- ー ー - F

J ' I ,ぐぐ\?\ーノ'

'.、、 、、" "

、, " "

\\\\ 、",

\. " "

\. "

\ \

\ \

\ \

ふ→

82

-π o

(81)

(a)

。3 。3

π

\ \ \ \ \ \

π

\ \ \ \ \ \ \

82 82

P ・E・-

o

(8ù p・-EE・ 。(81)

(b) (c)

Fig.3.14: Definition of COCYli

(22)

3.3. CONFIGURATION空間のパラメータ化

1."

11,,;1

fJ3 3 2

0 -2 -3

( a)

CO_cyll CO_cy12 CO_cy13 CO_cy14 CO_pole

"30"

。1

67

Fig.3.15: A co凶gration space n1ap app1'oximated fo1' a sphe1'ical obstacle (the radius of a sphere r = 8, and the position of a sphere is (30,0,0). view 90,90

(23)

3210123

CO_cyll CO_cy12 CO_cy13 CO_cy14 CO_pole

"30"

-3

、、ー''''LU 〆''s、、

Fig.3.16: A co凶gration space lnap approxÎlnated for a spherical obstacle (the radius of a sphere T = 8, and the position of a sphere is (30,0,0). (b) view 60,30

(24)

3.3. CONFIGURATION空間のパラメータ化

CO_cy12

CO_cy13

CO_cy14

CO_pole

。2(仏υ) = (1 -v) * (0.000000) +υ* (-0.183843)

。3(仏v) = ((1 -v) * (3.141593) + v * (3.141593)) * sin(ll) +(1 -v) * (0.000000)十v* (0.884270)

。1 (u, v)ニ 0.269933* cos( u)

。2(U,V) = (1 -v)*(-0.183843)+υ* (-0.430184)

。3(1l,v) = ((1 -v) * (3.141593) + v * (0.680507)) * sin(u) 十(1 - v) * (0.884270) +υ* (1.391568)

。1( 1lス) = 0.269933 * cos( u)

B2( ll,り) = (1 - v) * (-0.430184) +υ* ( -0.882542)

。3(仏υ) = ((1-v)*(0.680507)+v本(0.341005))* sin( u) 十(1 -v) * (1.391568) +υ本(1.821924)

。1(u,υ) = 0.269933 * cos( u)

。2(1lグ) = (1 -v) * (-0.882542) + v * (-1.758548)

。3(仏v) = ((1-v)*(0.341005)+り本(0.189433))* sin(u) +(1 - v) * (1.821924) + v * (2.374948)

。I(1l) = 0.270765本cos(ll)

。2('U)二 0.270765* sin(u)

B3(υ) = 6.283185 * (v -0.5)

69

(25)

3.3.4 他のロボットのConfiguration空間

前節まで述べた近似障害領域は, 第2,第3リンクが同一平面上にある ようなマニピュレータについて考察してきた. しかし, Puma型のように各 リンクが同一平面上に存在しないマニピュレータもある. このようなマニ ピュレータでは, 第2,第3関節をそれぞれ含むような2つのリンク平面を 考えることで, 2次元に関するConfiguration空間の変換を用いて3次元空 間に関するConfiguration空間を導出することができる. これは, Type.lと Type.2の衝突に対するConfigurationの中心軸がずれることを意味し, その 方向ベクトルが, 81方向に傾くことになる. そのため, Type.lの母線ベク トルれこ対するパラメータを増やす必要がある.

(26)

3.4. 障害物回避計画 71

83

S

82

。l

Fig.3.17: Create P

3.4 障害物回避計画

3.4.1 静止障害物に対する経路

まず, 前節で定義した近似障害領域を用いて静止障害物に対する衝突回 避経路計画を行なう.

Step 1環境中の障害物をそれを包含するような複数の球で近似し, 前述の

パラメータ記述を用いてConfiguration空間地図M(ニUiCOαppr.OXj)を作 成する.

Step 2 Configuration空間における始点Sと終点Tを結ぶ線分否Tを初期経路l

とする.

Step 3初期経路lとそれぞれの近似障害領域coαpp1'OXjと交差する点Piをそれ

ぞ、れ算出し, それらの点Piの中で他の障害領域の内部に存在しない点 列Ppωsを求める. (Fig.3.17)

(27)

。3

θ2

。l

Fig.3.18: Create a collision free path in static environment

Step 4 PpωヨPρPj+1(j二1,2,3,・・・)を通る平面FJを考え, FjiとMとの交差 する領域が最小になるようにFjを決定する.

S幻te叩p 5平面F円〉を内でP円j,I乃う+刊lを通り障害領域COc;αlp附p戸F仰rOl刀O叫z町sを回避する直線経路を

回避 経路とする. (Fig.3.18)回避する経路が存在せず, かつ近似精度が 関値Deltα以下の場合, 近似の精度を上げStep 3からStep 5までを繰 り返す. その他の場合, 回避不可能となり終端させる.

3.4.2 実空間の移動に対するConfiguration空間

障害物がある速度v = (v uvo) 移 動している と き 障害物 する関節角空間内の領域は, 各々の 速度の成分に対し次のような変化をす る. ここで, 実空間における速度Uは極座標系で表現されている.

.めウ向の移動に よる変化

障害物カザ方向に!1() だけ移動したとき, 関節角。1を!1()だけ回転させ ると移動前と同様な衝突が得られる. すなわち, 関節角空間内の障害

(28)

3.4 障害物回避計画

領域が, 81軸の方向にL18だけ移動したことを表す. したがって

となる.

3

方向の移動による変化

d81 d8

27 二 五= V(j

73

(3.14)

障害物がぶ方向に Aゆ だけ移動したとき,同一リンク平面内では関節 角。2を Aゆだけ回転させると移動前と同様な衝突が得られる. すなわ ち, 関節角空間内の障害領域が, 82軌の方向にAゆだけ移動したことを 表している. しかしながら,ゆ方向の移動により,リンク1の方向ベク

トルと球の中心との距離d = Rcosゅは小さくなるため,Configuration空 間内の障害領域は8)方向へ広がる. したがって

d82 一 dや 二 Vφ

dt dαz dt 二 Fo(詳)

dt (3.15)

となる.

R方向の移動による変化

障害物がR方向にi1Rだけ移動したとき,その衝突の中心は変化せず,

その範囲のみが変化することになる. すなわち,障害領域がその中心 位置を変えず その位置で領域の大きさのみが変化することになる. 近 似障害領域では,その径がi1Rに応じて変化する. したがって, 互の 方向に対して

となる.

dα1 二 Fl(評) db, ‘ = F2(努)dt

dt (3.16)

(29)

すなわち, Configuratioll空間内の障害領域C03dimは, 実空間の速度δに対 して

dB1

dt = vo

dB'2

dt 二 Uゅ

空ai 二 F(vφdt -'" ?同) dbi dt = G(υR)

のような運動または変化をする .

3.4.3 移動体に対する経路計画

パラメータ記述された障害領域と障害物の移動による影響を考慮し, 障 害物回避計画を行う. 移動体が存在するような可変環境では, その障害物

回避経路を一意に決定することはできない. そこで, 回避経路を求めるた めに, 比較決定法を用いる[42]. これは, 現在の姿勢点Pcurrentの周囲の進行 方向ベクトルに対し立体角。の円錐内のある複数個の点(Fig.3.19参照)にお けるポテ ンシャル値を求め, その中でポテ ンシャル値が最も低い点を次の 姿勢点として逐次決定し, 移動経路を生成する方法である. 各姿勢点にお けるポテ ンシャル値φは, 吸引ポテ ンシャル(attarctive potential)と反発ポテ ンシャル(rel刈sive pote山al)の和

φ=φαtt1'αction +φrepulsion

として算出される. 丸tt7αctionとφr'epulsio71は, それぞれ吸引, 反発ポテ ンシャ ルである.

ポテ ンシャル法を用いる場合, その経路探索には停留点問題が生じる.

この問題を回避するために, まず静止障害物に対する経路「を求め, 経路の 中継点(前述の点列尽αss)をサブゴールとして逐次経路を決定する.

(30)

3.4. 障害物回避計画 75

。 3

••.•• -

e

­

. e -a, a,.l

.

. a,

.

, •••••••••

. -e

. .

.

a,. ••

Fig.3.19: Predicate points

(31)

(J3

G P

tJ.?

。i

Fig.3.20: Attract potential fUllction

-吸引ポテンシャル

吸引ポテンシャルは, 目標点への引力を表すために, 通常物理で用いら れる引力の式に習って目標状態への距離に反比例する式を用いる. この定 義では, 目標点へ近付けば近付くほどこの力は大きくなり, 各地点におけ る障害物からの斥力との比は異なる.

本研究では, Configuratioll空間内で各姿勢点Pにおける目標点乃oαlから の吸引力を等しくするために, 吸引ポテンシャルφαtt1'actìoηを, 姿勢点の移動 方向と目標方向の関係によって決定する(Fig.3.20 ). すなわち,

<Þ allrαclion = -kαttrαction COS ed

とする. ただし, eclは, 移動候補の方向と目標点への方向のなす角である.

(32)

3.4. 障害物回避計画 77

。Z

P

。1

Fig.3.21: Repulsioll potential function

-反発ポテンシャル

4.2節で示されたようにConfiguration空間内では障害物の移動は81,82方 向のみで起こり, 83方向には拡大(または縮小)のみの変化が起こる. そこ

で, 反発ポテンシヤルφ弘rep州uω此lsio

ベ1

- kmovellJl1 -

dt J \

D2

J

ここで,♂= (V(),Vφ)は近似障害物COapproXíの現在の姿勢点九urrentに対する 相対速度であり, Dは, PRCtutげl'川、

た, kmove, knは, 移動速度に対する補正パラメータである.

(33)

Tablc.3.1: Start and goal position of each end-eff,ector.

Start position

I

Goal position

I

ea武司AU一+し.,i-nD U一bJo A- 、、l,

ノ-hEEFハ川一-ハU ,F4tztu

??司- ハU-1J3一引 / A1一J引ω 1h,一ハU 3 --

l\-I1 (50,30,30) ( 40,ー20,30)

Table.3.2: Paranleters fo Pcnalty-Fllnctions

3.5

シミュレーション及び考察

3.5.1 シミュレーション

上述したポテンシャルを利用して, 2つのマニピュレータ問の衝突回避計 画を行なう. 一方のマニピュレータのみ回避運動を行うものとし(Avoidance と呼ぶ), 障害となるマニピュレータ(Obstacleと呼ぶ)は, 各リンク を5つの 球で置き換える. それぞれのマニピュレータのリンクの長さを30, 幅を5と し, それぞれの動作開始点, 終了点をTable.3.1のようにする.

回避側のマニピコ.レータは , 障害物の移動速度を笑時間で知ることがで きるものとする.ノてラメータんtl1'(Lcti0I1;1'eplLlsion,kmouc, knをTable.3.2のように 設定した時のシミュレーション結果をFig.3.22 , Fig.3.23 , Fig.3.24に示す.

3.5.2 考察

Configllration空間の生成及び経路探索のプログラムは, SU1l4 (Sparc Sta­

tionl)上にインプリメントされ ている. Cace 1, Case 2, Case 3のそれぞれの 経路探索に要した時間は3約1 [lnin]であった. またシミュレーション結果よ

(34)

3.5. シミュレーション及び考察 79

Fig.3.22: The reSl山of a sÍlnulation experÍlnent (Case 1)

』出

Fig.3.23: The result of a siInulation experin1cnt (Case 2)

(35)

Fig.3.24: The result of a simulation eXperinlent (Case 3)

り, knLoveを変化させることにより, 回避動作の開始を変化させることがで きる. また, k1'epulsiollを変化させることにより, 回避動作の大きさを規定で きることがわかる. すなわち, パラメータkmovel kRは, 障害物の移動速度に 対する回避動作の感度を表し, パラメータk1'epulsioηは安全度を表している.

ポテンシャル関数を用いた経路計画の場合, 一般にポテンシャル関数に はローカル・ ミニマ(1ocal-lninin1a)を持つ. そのため, 経路計画に対して停 留点問題を生じる.

この問題を回避するために, まず, 作業環境内に存在する静止障害物に 対して衝突回避経路を求め, その経路をガイドラインとして用いる. 静止 障害物によって生じるポテンシャルは, 作業実行中は不変である. しかし,

移動障害物に対するものは常に変化するためローカル・ ミニマも, いどう することになる. したがって, 移動障害物に対する経路計画では停留問題 が生じにくい. また, ここではガイドラインを使用し, 中間目標を設定す ることで停留点問題を回避している.

(36)

3.6 結 仁コ 81

3.6 結 日

本章では, マニピュレータの関節角空間であるConfiguration空間を幾何 モデルを用いた近似パラメータ化を行ない, その空間を用いた障害物回避 計画を試みた. 本章で得られた結論を以下に記述する.

-実空間ないの障害物を複数の球で近似し, さらにCon匂uration空間に 射影された領域を幾何モデルを用いることで障害領域を陽に記述し,

パラメータ化を行なった. これによつて, c∞on自匂gur 容量を大幅に滅少させることができた.

Configuration空間を数学的に記述しているため, 空間内のポテンシャ ル値を計算するのに適した表現である. これにより, 衝突回避動作計 画を解析的に導出することが可能となった.

-実空間における障害物の移動に対するConfiguration空間の変化を明ら かにし, Configuration空間内に構築されたポテンシャル場に移動体の 運動による補正を加え, 移動障害物を対象とした衝突回避動作計画を 行なうことができた.

シミュレーションの結果, 移動障害物に対する障害物回避動作では, 粗 い近似を行なってもポテンシャル導出のパラメータを適当に変化させるこ とにより, 十分なパフォーマンスが得られることが明らかになった. 移動障 害物に対する障害物回避計画は, この手法を用いることで十分的可能であ ると考えられる.

今後の課題としては, 衝突回避動作を規定するポテンシャル導出のため の各パラメータの学習による最適化, PUÌ\1A型のようなロボットに対する パラメータの決定などを行なう必要がある.

(37)

4.1 緒 日

より高レベルのロボット言語により作業教示を実現するために, 作業プ ランニン グは必要不可欠である. 現在までに, ロボットの作業プランニン グに関して多くの研究がなされているが, それらのほとんどは, 作業の手 )1債を導出する作業計画(Task Planning)と一つの作業操作のための軌道など を導出する動作計画(Motion Planning)に分割して行なわれてきた. 組立作

業の作業計画に対するこれまでの研究は,

-作業環境における対象の位置姿勢及び他の部品開の接続関係などを 記述した状態空間を用いた作業手)1債の生成

-組立作業の手順をグラフで表現し, そのグラフを探索することで作業 手順の生成を行なったもの

に大別することができる. 前者 のものとして, 一般問題解決器(GPS)をはじ めとしSTR.IPS , NOAHなどがある. このような作業プランナは, 組合せの 爆発や, フレーム問題といった致命的な問題点を含んでいる. 後者の研究と して, 組付作業聞の優先関係の集合から, ユーザが複数の質問を答えるこ とで組付作業 の列を生成する手法[9, 10], 部品問の拘束グラフを用いること で部品操作の優先関係を表現した手法[11 ], 人工知能の問題分割で用いられ るAND/ORグラフを部品聞の結合関係に適用した研究[12, 13, 14, 15, 16, 17]

などがある. これらの手法は生成された探索 グラフをトップダウン探索を 行うことで作業プランを生成している. これらの研究は作業の連続性, 単

調性, 一貫性を仮定して行われている.

(38)

4.1 緒 日 83

また, 部品の組付作業の優先関係とその拘束を述語論理を用いて表現

した知識ベースを導入することでこれらの仮定を除いたもの[43]があるが,

依然として, 単一のロボ、ツトによる作業計画であり, ロボット自身の作業能 力やロボットの動作以外の環境の変化などは考慮されず, 作業手順がシン ボリックに導出されている.

一般に作業プランナは高次の作業目標が与えられたとき, その目標に 対し, 達成するために必要となるいくつかの副目標群への展開を繰り返し 行なうことでさらに下位の目標に展開し, 最終的には, 基本作用素列に展 開する. しかし, 実際の作業プランニングにおいて, この展開法は一意と は限らない. そのため 作用その効果が相互干渉を生じ, 作用素の効果が 破壊されたり, 作用素の実行が不可能になったりする事態が生得る. 従っ て, 実際に使用するための作業プランニングは, 動作計画, 作業計画を考 慮し, 全工程を通じて行なわなければならない.

また, 1台のロボットによる作業は, この構造上, 稼働範囲や可搬重量 などの限界が存在する. したがって, さまざまな組立作業に適用するには 作業の分割や複数台のロボ、ツトによる協調作業を考慮する必要がある.

前章まで, 組立作業の各組付け状態をノードとした作業手順を表現す るAND/ORグラフをその目標対象物を構成する部品聞の関係から導出し,

それぞれの部分組付作業(Subasseln bly)に対しヒューリスティックを評価と した探索を行なうことで作業プランの生成に関して考察してきた.

本章では, 作業プランの生成に対し, 障害物回避計画による動作経路を ヒューリスティックに導入することでAND/ORグラフを計画探索空間を行 ない, マニピュレータの動作を考慮した組立作業プランニングについて述 べる. さらに 各部品とロボットをエージ、エントとし記述し, その聞に契約 ネット(Contract Net) [44] を用いた複数台のロボ、ツトプランニングのための 構成法について述べる.

(39)

4.2

マニピュレータの動作を考慮した作業手順の生成

4.2.1 組立作業計画におけるグラフ探索

第2章で,作業計画のための探索空間として,ANDjORグラフを提案し,

その自動生成を行なった. また 作業計画のための評価値として作業操作 の難易度を定義し 作業計画のためのグラフ探索について述べた. そこで 用いられたグラフ探索法は トップダウン探索であり,作業環境において 作業を実行するロボットの操作によってのみ環境の変化が起こることを仮 定していた. ここでいうトップダウン探索とは, 目標状態から初期状態ヘ グラフを探索を行なって, 全体のもっとも評価値(ヒューリステイクス)が小 さい道(path)を作業手順として生成する方法である. この探索法によって 生成された作業プランの作業コストは, 上述の仮定の下では最小となり,

もっとも作業効率の良い手順を生成することができる. しかしながら, 実 際の作業環境では,作業を行なうロボット以外の影響で環境が変化するこ とがあり得る. トップダウン探索では, 作業途中で組み付ける部品の位置 や姿勢等が変化しないことを仮定とし?オフラインによる作業計画を行なっ ているため,作業途中, 外乱によって組付け作業を行なっている対象物の 姿勢が変化した場合 次に行なうべき作業が, そのままでは実行できない といった状態が起こり得る. また,実際に作業を行なうロボットには, 稼働 範囲や可搬重量等の制限(拘束条件)が存在する. したがって,ロボット自身 の制限(拘束条件) や動作計画の結果が前もって生成した作業手順に与え る影響は少なくない. そのため,より広い適用範囲を持ち現実的な作業計 画を行なうためには, 実時間の作業計画を行ない, 作業を実行するロボッ

トの動作計画を作業計画時に考慮する必要がある.

そこで以下に,提案したANDjORグラフを用い, 各ロボットの動作を考 慮に入れた作業プランに生成の手法について述べる.

(40)

4.2. マニピュレータの動作を考慮した作業手順の生成 85

4.2.2 ボトムアップ探索による作業計画

組立作業において, 作業手順は組付けの状態をノードに持つグラフで 表現することができる. すべての作業手順を1つのグラフで表現したもの が, 組立作業におけるANDjORグラフである. 作業実施のための組立プラ ンは, ANDjORグラフ中の根(れro∞ot)から終端節点(いte臼町en口、�n山1

のパスに対応応、している. また, 生成されるプランの効率は、 その探索方法 に依存している

静的な環境下すなわちロボ、ツト以外の影響により作業環境が変化しない 場合, 作業プランはシンボリツクに解くことができ, 根から出発し終端節 点までのトップダウン探索は最適な解を導出することができる. しかしな がら, 前もって計画された道筋をそれるよう な事象の起こり得る動的な環 境下では, トップダウン探索は, 最適な解を導出できない. また, その他の 外的な条件によって実行不可能となり得る. そこで, グラフ探索としてボ トムアップ探索を行う. すなわち, 作業プランを各組み付け作業の実行ご とに逐次決定する探索アルゴリズムにより作業計画を行う. (Fig.4.1)

Algorthm SeaTch-ANDjOR-Graph2

入力を, 目標作業状態に対するANDjORグラフとし, 作業を行なう. ま ず, 与えられたANDjORグラフ t をOPENへ代入し, OPENが空になるま で, 次のことを繰り返す. OPENの中で2つの部品から構成する作業の木,

すなわち, t = (nln2)となった作業の木の中で実行可能であるものをを選ぶ.

それらの中で, 'l番めの作業ノードに対するヒューリスティック値hoperαtoni と, その操作に対する評価値hmotionを算出し, その重み付きの和を作業に

対するヒューリスティック値hiとする. 算出された評価値の列Hから最小の 値を持つ作業ノード口口を選び, 作業を実行する. OPENからηαの終端節 点を削除する.

(41)

procedure Sεarch-ANDjOR-Grαph2(t);

begin

OPEN←t;

until empty( 0 P E N) do begin

。←it TWO-PART-ASSENIBLY(OPEN);

if empty( 0) return FAIL;

for each s in 0 do begin

{ sの作業に対するヒューリスティックhを計算};

H←pωh(h, H);

end

{ BEST(H)の作業を実行};

{OPENからBEST(H)の終端節点を削除};

end

end{ Search-ANDjOR-Graph2}

Fig.4.1: The algorithm to search the AND/OR graph

(42)

4.2. マニピュレータの動作を考慮した作業手順の生成 87

ボットムアップ探索によってANDjORグラフを探索する場合, 各作業ご とに作業環境, 操作対象部品は変化していく. そのため, 生成される作業 計画は, 各ノードが持つ評価値 (ヒューリスティック値)hiをどのように決定 するかによって決まる. ここでは, 上述のアルゴリズムにおけるhope7'ationi及

びhmotion を次のように定義する.

ノード(組み付け状態)niを達成したとき, そのノードを含む作業の木を Tree(ηi) とし, 作業の難易度をDiとすると,

}ìope仙川=

n(Di . rnax(Num(TTee(ni)))) (4.1 )

と定義する. ここで , 関数Nurn(t)は, 第2章で示されたNum に対し補正を 加えたものである. すなわち, 達成されたノードn の親のノードの110仰にお いて Num(nova) = 1とし再計算したものである. 式(4.1) において, T1、εε(ni) は, 目標状態 を根として持つ作業の木のうち, ノードniを含む作業木を抽 出する関数である. したがって, lnax(Nurn(Tree(11i)))は, ノードniを達成し たときその後に可能なプランの数を表している.

また, hmoωnを

PASS

= z (42)

PASSmω

とする. PASSiは, その作業を行なうためのマニピュレータの動作経路で あり, PASS77mは各ノードの作業の中で とり得る最長の経路である. すな

わち, このヒューリスティクスは, 操作部品の搬送に関する評価といえる.

この値 が, 大きければ大きいほど不確定性を持った作業環境では, 搬送時 における障害物との衝突の可能性が増す. したがって, hrr川onは, 動環境に おける部品搬送における危険度を表している.

これらの評価値 と各評価値に対する重みん, んを用いて, 各ノード11iに おけるヒューリステイクスを,

hi = km・}ìmutiol1,キko・hoperationi (4.3) として定義する . このヒユーリステイクスは, 部品操作における難易度と マニピュレータの部品 搬送における危険度を表したものである. また, 重

(43)

みkm,k。によって, 作業全体におけるマニピュレータの動作の重要度が決定 される.

(44)

4.3 作業計画システムにおけるCONTRACT NETの導入 89

4.3 作業計画システムにおけるContract Netの導入

ANDjORグラフを基に作業プランの生成すると き, そのグラフ探索に ロボットの動作に関する評価を含んだヒューリスティック用いると , 作業を 実行するロボットの能力や拘束条件が作業プランの生成に大きな影響を与 えることになる. 特に 複数台のロボットが作業を行 なう場合, 個々の能力 が異なるために各作業に応じて適当 なロボ、ツトを選択しなければならない.

また , 作業が複雑になる た め, さまざまな作業に対して高い適応性を持つ よう なシステムを十薄築する必要がある. そこで, プランニングシステムに 各部品, ロボットをそ れぞれある程度自律機能を有するエージ、ェントとし,

その聞に契約ネット(ContractNet)プロトコルを導入する.

4.3.1 Contract Net

契約ネットプ ロトコルは, Sn1ithら[44]によって提案され, エージ、エント 間の交渉過程を通して問題割当を行う枠組みを 示したものである. (Fig.4.2

) 割り当 て るべき問題を持つエージ、エント(Manager)は, その問題の概要を タスク通知メッセージをブロードキャストすることにより他のエージ、エント に知らせる . (Sencling) 送 られて きた問題の中で解決に貢献できるエージ、エ ント(PotentialContractor)は入札メッセージをManagerに送り出す. (Bidding) Managerは入札メッセージを返送したPotentialContractorの中から最も適し

たもの(Contractor)を選び出し, 判定メッセージを送り問題の実行を依頼し,

(Linkage)契約により問題の 解決を行う.

この ように, 契約ネットプロトコルはメッセージのやり取りにより, 問

題をもっ Managerと問題を実行するContractor間で問題割当に関する契約

を結ぶ通信プロトコルを定めたものである.

4.3.2 作業計画システムにおけるContract N et

Contract Netを用いた 作業 システムの概要をFig.4.3に示す. この図で, 実

(45)

� �

Sending a task annOUnCelnenι

町 YlO 馳 よ! マーom

Pot白ntlal Contractor

Bidding.

: 〆

制 向山 Y人)

「 マlO叩

Manager

Receiving a task announcement.

��

PotentiaJ Contractor

Making an award.

Manager-contractor linkage.

Fig.4.2: Contract Net Protocols

(46)

4.3. 作業計画システムにおけるCONTRACT NETの導入 91

骨一一-.. Message Flow

Fig.4.3: Structure of an assembly systenl using contract net.

(47)

線の矢印は, システム内におけるメッセージの流れである. この作業シス テムでは, 部品に関する知識や作業環境, 操作対象物の接続関係を管理す る部分(部品管理部), ロボットの動作計画や作業動作な ど を管理する部分 (ロボット管理部), および作業環境内の操作対象物の幾何学的性質を記述し たCAD Model部から構成されている. 各グループ内で作業進行中に起こっ たトラブルに対する補償やタスクの切り替えは個別に行われる. 各グルー

プの Interfaceはグループ聞のContract Netと各エージェント問のメッセージ の管理を行うモジ、ユールであり, 複数プロセス, 複数マシン聞の通信を行 ない, 契約ネットの管理を行なう. また, マン・ マシン・ インターフェイス の役割も果たす. 部品管理部では, 作業環境内の操作対象部品がそれぞれ 個別にオブジ、エクトとして 記述され, ハンドリングの観点から階層的に記 述されている. また, 作業計画探索空間であるANDjORグラフ各部品オブ ジェクト内に 部分的な グラフが作業知識 として 記述されている. ロボット 管理部 はロボ、ツトの基本動作を記述したオブジ、エクトと動作計画(衝突回避 動作計画や把握動作計画)を行なう 部分から構成される. また, ロボットを 含めた作業環境内に存在するものの幾何学的構造や接続関係はCAD Model に記述される. システム内での作業プランニングは, 次のよう に行われる.

まず作業目標が与えられると, その作業に対するANDjORグラフを 構築する. システム全体のInterfaceがManagerとなり, ANDjORグラフ の深さ(第2章で示されたNurn(t))に基づいて作業の分割を行なう. あ るノードが並列に実行可能かどうかはNumおよび、pα付(t)を算出する ことで判断する.

つぎに, ロボット ・エージ、エントへInterfaceを通じてアナウンスをし,

実行可能(対象物を把握し作業実行できるかどうかを調べ, それらの 中でもっとも作業に対する動作距離が最も近いエージ、エントに対して) なエージ、エントとの聞で契約を行う. この時作業内容に応じて , 契約 を行ったロボ、ツトの中でMastelを決める.

(48)

4.3 作業計画システムに おけるCONTRACT NETの導入 93

Table.4.1: Initial positions.

11

Case.1

1

Case.2

Robot1 ( 250, - 250) (- 200, -100) Robot2 (100,400) (0,500)

Shaft (150,50) (170,0) Arnlature ( -100,150) (-100,150)

次に,作業目標を部品に対してアナウンスをし適用可能な 部品と契約 する.

分割された作業の数にしたがって選択された部品がManagerとなり,作 業プランの生成のために前説で示したボトムアップ探索を開始する.

Contract Netを導入することによって実行する作業に対してロボットを選 択できる. 例として,Fig4.4にFig.2.2の作業に対する動作を示す. この作業 は, 配置の違う2台のロボットに同一の作業を行な わせた例であり,Fig.2.4 のANDjORグラフのなか の9の作業に対応する. 各ロボットのベースの位

置, 作業対象となる部品のは位置は, Table.4.1に示された通り である. ま た, ロボットは初期状態(a-1,2, b-1,2)で基準姿勢をとっているものとする.

作業に実行は(a-3)および(b-3)に記述している. ここで, OP1,O乃はそれぞ れArn1atureの持ち上げ動作,Armatureを shaftに挿入した様子を示してい る. ここでは Armatureの組み付け に対し同ーの作業の能力を持つロボッ トに作業を行なわせたものである. 初期状態から作業実行までの経路の小 さい方のロボットが選択されていることがわかる.

(49)

(a-l) (b-l)

ト拘 札-lI

①Sah\

ft

f品RI I I R2 kム①i S油白

R2 ドベ 下手!

@

@ーーAnnature

(a-2) (b-2)

(a-3) (b-3)

Case 1 Case 2

Fig.4.4: Sample Task (Operation 9 in Fig.2.4)

(50)

4.4. 結 百

95

4.4 結 日

本章では, AND/ORグラフによる作業プランニングついて考察した. マ ニピュレータの動作計画を考慮し作業を決定するには, 一動作ごとに周囲 の状況は変化するため, 前向きのグラフ探索(Top-down探索)でプラン生 成する ことはできない. そこで, 各動作ごと探索を行なうことで作業プラ ンの生成を行なった. グラフ探索法として,作業素ごとに作業を実行するマ ニピュレータの動作経路, ハンドリングの容易さ,作業素の容易さのヒュー リスティックを評価として用いた後向き探索(Bottom-up探索法)を使用し ている. これにより,可変環境(マニピュレータ以外の影響により環境が変 化するような環境)における, 作業プランニングが可能になる.

また, 各部品とロボ、ツトをエージ、エントとし, Con tract N etを用いた組立 作業プランニングシステムの構成について述べた. ここでは,ロボットと部 品開といったグループ化されたモジ、ユール間でContract

N

etを用い,

AND/OR

グラフの探索による作業プランの生成時にのみ適用している. また, 作業 の分割のとき作業の並列性のみを考慮して行なっている. これは, AND/OR グラフの生成時にそれぞれの組み付け作業が単一ロボットによって行なう

ことを仮定にしているために起こっている.

(51)

本研究の目的は?組立作業の作業プランニングに対しマニピュレータの 動作計画時におけるの拘束条件を考慮することで,より 現実的な作業プラ ンニングシステムを実現することにあった. この目的を達成するために,

作業手順の生成に対し,ANDjORグラフを導入し, また,実時間の動作計 画のための手法を提案した. 以下に各章を総括する.

第2章では, 一般的な作業計画する作業プランナでロボ、ツトが実際に作 業できるような作業計画を行なう場合, 組合せの爆発やフレーム問題の ような致命的な欠点が存在するために,現実的には不可能である. そのた め,限定された作業における,現実的な作業プランニングを構成法を示し,

ANDjORグラフを計画探索空間として用いることで,探索空間を縮小する ことができた. また,計画探索空間であるANDjORグラフの各部品のヒナ 型に記述することで,ある組立作業に対するANDjORグラフを作業知識と して蓄えることができるようなり,作業知識の記述に対する負担を軽減で きることを示した. また,静的な場(作業を行なうロボ、ツトの操作以外で状 態が変化しないような環境下)における作業手順の生成に対し,ヒューリス ティック関数を用いたグラフ探索法を示した. これにより,作業計画時にお ける探索の高効率化をはかることができることを示した.

第3章では,マニピュレータの動作計画に対し,障害物回避計画の実時 間性を高めるために コンフイグレーション空間の幾何モデルによる記述 法を提案した. これによって コンフイグレーション空間における障害物を パラメータ化することが可能になり, 高速に空間記述が行なえることを示 した. また,障害物を陽に記述するため経路生成のためのポテンシャル場 の導出に対しでも,高速に行なうことが可能になった. このコンフイグレー

(52)

97

ション空間を利用した 双腕の衝突回避動作計画行ないその有効性が明ら かになった.

第4章では, より現実的な作業計画を行なうために, ロボットの動作計画 に対する評価を第2章で提案したANDjORグラフに導入した, ボトムアッ プ探索法を示した. これによって, 環境が変化するような場合の作業プラ ンが生成することができる. また 各部品 ロボ、ツト聞に契約ネットプロト コルを適用した 作業プランニングシステムの構成を示し, 複数台の作業 プランニングに対して適用した.

以上, 本研究で得られた結論・結果を総括する.

(1)組立作業に関して, マニピュレータの動作を考慮に入れることで, 部 品開の拘束条件の解除から作業のための動作計画までの全工程にお けるプランニングを行なった.

(2)作業計画における探索空間の記述を簡素化するために, オブジェクト 指向の概念を導入した作業環境の記述とANDjOR グラフによる作業 探索空間記述を行なった. これにより 知識の再利用が可能となった.

(3)マニピュレータの動作計画に対して, その実時間性を実現するために コンフイグレーション空間のパラメータによる記述法を提案した. こ の空間記述は移動障害物に対する衝突回避動作計画で有効であるこ とを確認した.

(4)各部品及びロボットをエージ、エンとし, 契約ネットプロトコルを導入 したプランニングシステムの構成手法を提案し これによって複数台 のロボ、ツトによる協調作業プランニングに拡張できることを示した.

組立作業におけるロボットプランニングでは, 目標状態の相互干渉や,

プラン生成における非線形性の問題のため, 全工程を通じて行なう必要が ある. 本研究では 動作計画空間を高速に生成する手法を提案することで,

動作計画による評価を作業探索に用いること ができるようになり, 目標状

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態、の相互干渉などの問題を回避することができた. ロボットの適用される 作業環境の複雑化にともない, 今後, 動作計画をより高速でかつ正確に行 なう必要があると考えられる. また, さまざまな動作計画を作業の優位性 を決定する要因として導入する場合に, それを用いた評価値の妥当性を検 討する必要がある. さらに, 協調動作を含む作業素, 作業知識の学習によ る獲得方法についての開発も必要となるであろう.

参照

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