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(1)

コーポレート・ガバナンスの理論と実務

―― 商法改正とその対応 ――

(2)
(3)

藤 川 信 夫  著

コーポレート・ガバナンスの理論と実務

―― 商法改正とその対応 ――

信 山 社

〔SBC学術文庫シリーズ130〕

(4)
(5)

本書の刊行に寄せて

本書の刊行に寄せて

本書は、コーポレート・ガバナンスに関する、包括的・実証的・理論的かつ実 際的な総合的研究である。

平成

14

年(2002年)商法改正により、コーポレート・ガバナンスに関し、い わゆる米国型(委員会等設置会社)が導入され、従来型(監査役設置会社)との選択 が可能となった。同改正は、翌年の平成

15

年(2003年)

4

1

日より施行された が、それを契機に日本の有力各社は、米国型を採用したり、従来型をとる場合で も改革を実施した。これからは、大会社であればどんな会社でも、改革を実施す るか否かはともかく、検討せざるをえない状況にあるといえる。国際化が進む現 代において、競争力のある、あるいは投資家に歓迎される会社となるためには、

コーポレート・ガバナンスの改革が必須であるからである。このような意味にお いて本研究は、コーポレート・ガバナンスに関する総合的研究として、タイムリ ーでかつ有益なものとして、学界のみならず実務界にも大いに貢献する貴重な文 献となるであろう。

序章では、コーポレート・ガバナンスに関する日本の法改正の動向について素 描を行っている。

第一章では、

14

年改正内容の詳細な検討と分析を行うとともに従来型で置か れている監査役制度について、問題点を指摘し、検討を加えている。

第二章では、米国型をとる場合に重要な役割を果たす社外取締役と監査委員会 について、実証研究も混じえて、検討を行っている。特にアメリカの最近の動向 を詳細に紹介し、分析しているところは、大きな価値が認められる。ここまで深 く論じた研究は今までにないといえる。

第三章では、二章までの議論を前提に経営システムの具体的制度設計を行って いる。なお、取締役の責任軽減も論じている。制度設計に関しては、改革の具体 例を紹介・検討するとともに、持株会社に踏み込んでいる点は重要であるし、何 より

17

個に類型化して制度設計をしているところは、示唆に富むものとして刺 激的である。

(6)

本書の刊行に寄せて

第四章では、改革の具体例を踏まえて、最も新しい議論を展開している。理想 のコーポレート・ガバナンスが語られるところである。

第五章では、内部統制システムについて、アメリカの動向(COSO報告書)を 紹介しながら、制度設計まで議論を展開している。

第六章では、特に金融機関の内部統制システムおよびリスク管理体制について 言及するもので、具体的な検討にまで及んでいる。

第七章では、株主・投資家に対する説明責任を、役員の報酬・退職慰労金を中 心に論じている。ここでも具体例を詳細に紹介しながら検討しており、説得力が ある。また、機関投資家の役割に着目し、議決権行使基準について論及しており、

参考になる。

第八章では、アメリカの企業改革法をめぐる最新の動向を紹介しており、日本 企業への影響にも触れるなど、示唆の多い議論を展開している。

第九章では、イギリスの改革動向を紹介・検討しており、アメリカとは違った 接近を試みていることが理解できよう。

第一○章では、コンプライアンスの問題を取り上げている。企業の健全性確保 もコーポレート・ガバナンスの重要な柱であり、コンプライアンス体制の構築維 持を論じることは、非常に有益である。

第一一章では、日本の最近の重要課題となっている企業再生とコーポレート・

ガバナンスの関係を論じており、未開拓の分野に踏み込んで果敢に議論を展開し ているところは大いに評価できる。

第一二章では、やはり現代日本の課題であるベンチャー企業に関し、その法規 制の最近の動向を紹介し、コーポレート・ガバナンスとの関連を論じており、や はり未開拓の分野へ論及するという意味で、評価に値する。実務上も参考となる 点も多い。

第一三章では、いよいよ結論に入る部分で、コーポレート・ガバナンス改革の 会社の方向性について行方を見定めようとしている。会社法の任意法規化(大幅

な会社自治の容認)、ガバナンス・システムの融合化の可能性を論じており、論文

を締めくくるにふさわしい論題といえよう。

以上、見てきたように本研究は、本格的コーポレート・ガバナンス研究という にふさわしい、内容・質・深さ・量を備えており、前述のように学界、実務界に

(7)

本書の刊行に寄せて ーポレート・ガバナンスのすべてが分かる貴重な書物でもある。より多くの人々 が本書に接する機会にめぐまれるよう祈ってやまない。

平成

16

年(2004年)

6

大阪大学大学院高等司法研究科(法科大学院)教授 大阪大学大学院法学研究科教授・弁護士

末 永 敏 和

(8)

初 出 一 覧

初 出 一 覧

第一章 平成

14

年コーポレート・ガバナンス関連の商法改正

「委員会等設置会社・重要財産委員会導入の実務」中央経済社(2003年)

「商法改正後の新しいコーポレート・ガバナンスと企業経営−社外取締役、

監査役会など米国型機構、従来型機構の検討を中心として−」日本政策投 資銀行設備投資研究所『経済経営研究』Vol. 

23

-

6

(2003年)

第二章 社外取締役、監査委員会による経営監視

「米国株主関係管理調査団報告書」財団法人社会経済生産性本部(2001年)

第三章 経営システムの具体的制度設計

「新しいコーポレート・ガバナンスと企業経営−委員会等設置会社か従来 型か・

19

類型化概念と社外性・常勤性・ファイヤー・ウォール設定の必 要性の考察−」『取締役の法務』No 

108

.(2003年)

「松下電器産業を中心とする経営機構改革事例」『取締役の法務』No 

112

.

(2003年)

「松下電器産業にみる新たな日本型ガバナンス改革−ベストプラクティス 模索の時代へ−」『旬刊経理情報』No 

1019

.(2003年)

第四章 ガバナンス議論の最新の論点整理−具体的事例を踏まえて−

「シンポジウム 商法改正後の企業経営におけるコーポレート・ガバナン ス−社外取締役か、監査役か、エンロンを乗り越えるコーポレート・ガバ ナンス」日本政策投資銀行設備投資研究所主催(基調講演:奥島孝康早稲田 大学前総長)」『取締役の法務』No 

111

.(2003年)

第五章 内部統制組織の構築・検討と企業の具体的制度設計

(9)

初 出 一 覧 第六章 金融機関の内部統制システム・リスク管理体制構築への具体的対応

「東京スター銀行にみる委員会等設置会社への取り組み−金融機関の内部 統制システム・リスク管理体制構築への具体的対応−」『取締役の法務』

No 

113

.(2003年)

第七章 制度間競争と説明責任・開示とコーポレート・ガバナンス

「機関投資家の議決権行使基準設定の動きと

6

月総会への影響−厚生年金 基金連合会の議決権行使基準を中心として−」『旬刊経理情報』No 

1016

.

(2003年)

第一二章 ベンチャー企業関連法改正とコーポレート・ガバナンス

「平成

14

年度新規産業創造環境整備調査(創業・開業促進に関する実態調査)

報告書」経済産業省・産業立地研究所(2002年)

「リストラクチャリングの財務・会計戦略」ビジネス教育出版社(1991年)

(10)

目  次

目  次

本書の刊行に寄せて ...v

初 出 一 覧 ...viii

は じ め に ...xxx

序章 コーポレート・ガバナンスと機関を中心とする大会社関連の改正 ...1

一 コーポレート・ガバナンスとは何か ...1

Ⅰ.コーポレート・ガバナンス論の高まり ...1

1.コーポレート・ガバナンス論 ...1

2.我が国についての考察 ...4

3.コーポレート・ガバナンスの最近の状況と改革の方向 ...5

Ⅱ.日本における法改正の動向 ...8

1.中間試案の公表 ...8

2.平成13年11月改正 ...9

3.平成13年12月改正 ...9

4.平成14年改正 ...10

二 商法改正とコーポレート・ガバナンス改革の現状と課題 ...11

Ⅰ.趣  旨 ...11

Ⅱ.平成14年改正の大まかな内容と法的問題点 ...12

1.重要財産委員会制度 ...12

2.委員会等設置会社に関する特例 ...14

3.米国型の内容・特徴と徹底 ...16

(1) 執行と監督の分離 ...16

(2) 社外取締役の重視 ...16

(3) 徹  底  案 ...16

(4) 具体例の検討(平成15年6月の定時総会終了時点で55社 が移行している)...17

4.従来型の改革 ...18

(1) 重要財産委員会の設置 ...18

(2) 取締役数の削減と執行役員制度の採用 ...18

(3) 社長と会長の分離 ...18

(11)

目  次

(5) 監査役(会)の強化 ...18

(6) 具体例の検討 ...18

5.混合型の採用 ...19

6.ま  と  め ...20

第一章 平成

14

年コーポレート・ガバナンス関連の商法改正他 ...21

一 平成

14

年商法改正と機関構造 ...21

Ⅰ.委員会等設置会社の機関構造 ...21

1.委員会等設置会社の定義・概要等 ...21

2.委員会等設置会社の機関、特例等 ...24

(1) 委員会等設置会社における取締役の任期・権限 ...24

(2) 委員会等設置会社における取締役会の権限 ...25

(3) 指名委員会・監査委員会・報酬委員会 ...31

3.執  行  役 ...56

(1) 執行役の権限の概要 ...56

(2) 執行役の選任等 ...56

(3) 執行役の権限・義務 ...57

(4) 執行役の利益相反取引・競業避止義務 ...59

4.代表執行役 ...59

(1) 代表執行役の選任 ...59

(2) 表見代表執行役 ...61

5.委員会等設置会社における取締役および執行役の責任 ...62

(1) 任務懈怠責任 ...63

(2) 違法配当責任 ...65

(3) 利益供与に関する取締役・執行役の支払義務 ...66

(4) 取締役・執行役の利益相反取引に関する責任 ...67

(5) 代 表 訴 訟 ...69

(6) 取締役および執行役の第三者に対する責任 ...69

(7) 取締役および執行役の連帯責任 ...70

Ⅱ.重要財産委員会の機関構造 ...84

1.重要財産委員会の設置、権限その他 ...84

2.重要財産委員会の運営 ...86

Ⅲ.株主総会の規制緩和 ...90

1.概要 ―― 株主総会活性化議論 ―― ...90

2.株主提案権の行使期限の繰下げ等 ...92

(12)

目  次

(1) 株主提案権 ...92

(2) 少数株主の総会招集 ...93

3.特別決議の定足数緩和 ...94

(1) 株主総会の特別決議の定足数緩和 ...94

(2) 定足数緩和に関する実務上の留意点 ...94

(3) 社債権者集会の特別決議 ...95

4.招集手続きの簡素化 ...95

(1) 譲渡制限会社における招集通知発出期限短縮 ...95

(2) 株主総会招集手続きの簡素化 ...96

(3) 書面等による株主総会決議 ...96

5.取締役の報酬規制 ...99

Ⅳ.連結計算書類の導入と計算規定の省令化 ...104

1.概  要 ...104

2.大会社以外の株式会社における会計監査人による監査 ...104

3.計算規定の省令委任 ...107

(1) 評価規定などの省令化 ...108

(2) 配当規制の一部省令化 ...109

4.連結計算書類 ...109

(1) 連結計算書類制度の導入 ...109

(2) 商法特例法と証券取引法の調整 ...110

(3) 連結計算書類の範囲 ...111

(4) 連結の範囲 ...111

(5) 連結計算書類の方式等 ...111

5.連結計算書類の承認・監査等 ...112

(1) 連結計算書類の取締役会承認 ...112

(2) 連結計算書類の定時株主総会への提出・報告 ...112

(3) 連結計算書類の監査 ...113

(4) 監査役、監査委員、会計監査人の調査権 ...113

(5) 取締役の監査役会(監査委員会)及び会計監査人への    連結計算書類の提出期限 ...114

(6) 会計監査人・監査役会または監査委員会の監査報告 ...114

(7) 連結計算書類の備え置き・株主への交付 ...115

(8) 委員会等設置会社における手続き ...115

6.配当と連結計算書類 ...121

(13)

目  次

(2) 委員会等設置会社の利益処分・損失処理の確定 ...123

(3) 米国式連結計算書類の取り扱い ...124

7.今後の課題 ...124

二 監査役等に関する改正点 ...131

1.平成13年改正の概要 ...131

2.近時の監査役制度の改正 ...132

3.商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する   法律の一部改正(議員立法)...133

(1) 議員立法 ...133

(2) 監査役機能強化 ...133

(3) 取締役の責任軽減に関する要件の緩和 ...134

(4) 株主代表訴訟制度の合理化 ...137

(参考) <大和銀行ニューヨーク支店事件> ...139

1 事件の概要  (大阪地判平成12920日判時17213頁)...139

2 内部統制システムの構築責任 ...139

3 透明性の確保 ...139

(参考) 代表訴訟と補助参加 ...141

(5) 法案修正 ...142

三 会社法制の現代化に関する要綱試案 ...150

1.株式会社・有限会社関係 ...151

2.会社の機関関係 ...152

3.その他の改正点と最近の動向 ...154

4.現代化要綱試案の検討 ...157

(1) 改正提案の基本方針の検討 ...157

(2) 機関関係に関する概括的検討 ...158

(3) 機関関係以外の概括的検討 ...168

第二章 社外取締役、監査委員会による経営監視 ...181

一 社外取締役に関する議論 ...181

Ⅰ.米国型機構に関する考察 ...181

1.米国型機構の機能要件 ...181

2.経済界の評価 ...181

3.社外取締役の人選 ...182

4.米国型選択に当たっての考察 ...183

(1) 経営システムの観点からみた従来型と米国型の比較検討 ...183

(2) 様々なバリエーションの考察 ...185

(14)

目  次

Ⅱ.従来型機構についての考察 ...187

Ⅲ.社外取締役に関する意思決定・職務執行監督機能についての考察 ...190

1.中間試案と要綱の相違点 ...190

2.意思決定機能について ...191

(1) 意思決定機能の検討 ...191

(2) 委員会等設置会社 ...191

3.職務執行監督機能について ...196

(1) 職務執行監督機能 ...196

(2) 委員会等設置会社 ...199

(3) 監査委員会と監査役 ...200

(4) 委員会等設置会社の監査委員会と米国の監査委員会 ...200

(5) 指名委員会・報酬委員会 ...201

(6) 委員会等設置会社の監督機能 ...202

Ⅳ.社外取締役の有用性についての検討 ...205

1.問題点の検討 ...205

2.社外取締役に期待される監視機能 ...206

(1) 米国におけるガバナンス・モデルの評価 ...206

(2) 社外取締役に関する評価 ...208

(3) 社外取締役の監視機能の効果 ...210

3.社外取締役導入のインセンティヴ ...212

(1) 司法審査の回避 ...212

(2) 株主代表訴訟の終結 ...213

4.我が国の経営管理機構の構築について ...214

5.我が国における社外取締役についての実証研究 ...216

  ―― コーポレート・ガバナンスと企業業績との相関関係 ―― 二 監査委員会の議論 ...223

Ⅰ.監査役と監査委員会 ...223

1.問題点の抽出と検討 ...223

(1) 問題点の抽出 ...223

(2) 問題点の検討 ...223

2.監査委員会の役割とエンロン事件 ...225

(1) 監査委員会の役割とエンロン事件の考察 ...225

(2) ISSの分析 ...226

(15)

目  次

Ⅱ.経営システムの選択肢の考察―― 米国との比較を踏まえて―― ...239

1.経営システムの選択肢の考察 ...239

2.米国の監査委員会制度と企業改革法の動向 ...244

(1) 米国の監査委員会制度 ...245

(2) NYSE・NASDの上場規則の改定(1999年12月)...254

(3) AICPAの監査基準書の改正(1999年12月)...256

(4) 監査委員会における取締役責任 ...256

(5) 考 察――米国の監査委員会と我が国の監査委員会―― ...261

(6) 米国の監査委員会と監査役制度の接近 ...267

3.米国の監査委員会と我が国の監査役制度の比較検討 ...270

(1) 両制度の比較検討 ...270

(2) 米国の問題点と今後の課題 ...274

Ⅲ.我が国の委員会等設置会社の監査委員会の制度設計 ...280

1.監査委員の資質 ...280

(1) 独  立  性 ...280

(2) 監査委員会の職務・権限 ...281

(3) 監査役との対比 ...283

2.監査委員の独立性確保 ...284

(1) 監査委員の身分保障 ...284

(2) 監査委員の報酬 ...285

(3) 監査委員会スタッフの独立性 ...285

(4) 内部監査部門の独立性 ...286

3.経営システムとしての委員会等設置会社・監査委員会の具体的 制度設計・運営方法 ...287

(1) 組 織 監 査 ...287

(2) 監査役設置会社の監査役会に近い形での導入を選択した場合 ....287

(3) 米国型監査委員会に近い形での導入を選択した場合 ...288

(4) 経営上の重要な意思決定の予防監査 ...288

(5) 実際の運用方法 ...289

Ⅳ.米国の企業改革法 ...292

1.企業改革法の意義 ...293

2.適 用 範 囲 ...293

3.CEO、CFO等の個人責任 ...294

(1) CEO、CFO等の声明書 ...294

(2) CEO、CFOのボーナス・利益の没収(304条)...295

(16)

目  次

(3) 取締役及び上級執行役員に対する個人貸し付け等の禁止(402条)....296

(4) ブラック・アウト期間内のインサイダー取引規制(306条)...296

(5) そ  の  他 ...296

4.監査委員会 ...297

(1) 公開企業監査委員会(301条)...297

(2) 監査人の監査委員会への報告(204条)...297

(3) 監査委員会の財務専門家(407条)...297

(4) 事前承認要件(201条、202条)...298

5.新しい監査業界監視機関の設置 ...298

6.監査基準時の設定権限の移行 ...299

7.会計基準のあり方の再検討 ...299

8.監査の独立性保持対策 ...299

(1) 非監査サービスの禁止 ...299

(2) その他の非監査サービスの監査委員会による事前承認 ...300

(3) 監査人による監査委員会への適時報告 ...300

(4) 関与パートナー等のローテーション期間短縮 ...300

(5) 会計事務所の強制ローテーション制度導入の検討 ...300

(6) 被監査会社への1年再就職冷却期間 ...300

9.その他の内容 ...300

(1) 企業責任の強化 ...300

(2) ディスクロージャー制度向上 ...301

(3) SECの体制強化 ...301

(4) 会計事務所寡占化の調査・提案 ...301

10.我が国の監査法人に生じることが懸念される問題 ...301

11.外国企業は例外扱いの方向へ ...302

三 米国のコーポレート・ガバナンスに関する議論 ...306

―― 経営機構改革を中心として ―― Ⅰ.コーポレート・ガバナンスに関する議論の現状と背景 ...306

1.コーポレート・ガバナンスに関する議論の現状 ...306

2.コーポレート・ガバナンスに関する議論の背景 ...307

(1) 米  国 ...307

(2) 日  本 ...311

(3) ド  イ  ツ ...315

(4) 英米型とドイツ型の併用についての試論 ...323

(17)

目  次

Ⅱ.米国の取締役会制度等の現状と改革の方向性 ...335

1.米国の取締役会制度等の現状と問題点 ...336

2.意思決定機能の強化 ...336

(1) 問題点の所在――取締役会の意思決定機能の形骸化と執行役員制度導入―― ....336

(2) 米国の取締役会制度について ...336

(3) 役 員 制 度 ...340

(4) 米国の取締役会制度との比較検討 ...341

3.経営妥当性チェック機能の強化 ...348

(1) 経営妥当性・効率性監視 ...348

(2) 米国における社外取締役制度導入の歴史 ...349

(3) 社外取締役導入による経営効率性 ...352

(4) 米国の報酬委員会・指名委員会 ...355

(5) 社外取締役の議論 ...359

4.米国におけるコーポーレート・ガバナンス改革の問題点 ...361

(1) CEOと取締役会議長(Chairman of Board)の分離 ...361

(2) 筆頭独立取締役(Lead Independent Director)制度 ...362

(3) クラス別取締役会(Classified Board)の廃止 ...362

(4) インテルにおけるコーポーレート・ガバナンス改革の実例 ...363

5.違法行為防止措置の強化 ...363

(1) 問題点の所在 ...363

(2) 米国の監査委員会制度 ...363

(3) 取締役会とコンプライアンス・プログラム ...365

6.今後の方向性 ...366

第三章 経営システムの具体的制度設計 ...377

一 コーポレート・ガバナンスに関する論点整理 ...377

Ⅰ.論 点 整 理 ...377

Ⅱ.従来型・新型の経営機構選択の比較検討 ...380

1.機構改革についての概念整理 ...380

2.従来型・新型の経営機構の比較 ...383

Ⅲ 経営機構管理モデル ...386

1.委員会等設置会社型 ...386

2.重要財産委員会型 ...387

3.現行法型 ...387

4.経営管理機構モデル比較表 ...388

(18)

目  次

5.取締役と執行役、執行役員の相違点 ...390

6.社外監査役、社外取締役における社外性の比較検討 ...390

(1) 資格要件 ...391

(2) 社外性の意義・機能の比較・検討 ...393

(3) 我が国の委員会等設置会社における社外取締役の独立性要件の見直し ...397

7. 委員会等設置会社と監査役設置会社における適法性監査機能の比較検討 ...399

8. 制度間の規律の一体化議論 ...407

――「会社法制の現代化に関する要綱試案」の議論を踏まえて ―― (1) 委員会等設置会社と監査役設置会社の規律一体化 ...407

(2) 株式会社・有限会社間の規律 ...408

(3) 委員会等設置会社における使用人兼務取締役・執行役 ...409

(4) 代表訴訟 ...409

二 役員責任軽減制度の概要―― 具体的手続き並びに実務面からの 委員会等設置会社との比較検討等 ―― ...410

1.株主代表訴訟の構造に関する議論 ――株主代表訴訟と役員賠償責任保険等―― ...412

2.株主代表訴訟の対象となる原因行為と経営判断原則適用 ...413

(1) 株主代表訴訟の対象となる原因行為 ...413

(2) 役員の対会社責任の減免と経営判断の原則の適用・注意義務軽減 ...414

3.役員責任軽減制度と諸外国制度との比較 ...418

(1) 会社役員の責任関係 ...418

(2) 米国における責任制限立法 ...419

(3) 欧州諸国の立法例 ...420

4.株主総会決議による責任免除 ...422

(1) 善意・無重過失に関する論点 ―― 代表訴訟 ―― ...423

(2) 取締役会による責任の一部免除議案付議 ...424

(3) 責任の一部免除議案付議に対する監査役の同意 ...424

(4) 株主総会決議による一部免除の内容 ...426

(5) 一部免除後の責任内容 ...429

5.定款規定に基づく取締役会決議をもって行う責任軽減 ...434

(1) 取締役会決議をもって行う責任軽減制度の趣旨 ...434

(2) 具体的手続き ...435

6.定款規定に基づく損害賠償責任の限定契約(社外取締役)...437

(1) 社外取締役の法的責任 ...437

(19)

目  次

8.委員会等設置会社における取締役・執行役の責任軽減 ...442

(1) 委員会等設置会社の特質 ...442

(2) 委員会等設置会社における(社外)取締役の要件、役割等 ...444

(3) 委員会等設置会社における取締役の責任――社外取締役の 監視義務と信頼の権利等につき実務的考察 ―― ...444

(4) 委員会等設置会社における取締役の対会社責任の類型 ――実務的考察―― ...445

(5) 委員会等設置会社における(社外)取締役の責任軽減手続き ...448

(6) 執行役と執行役員の相異 ...450

(7) 執行役・代表執行役の責任軽減 ...451

(8) 委員会等設置会社における取締役・執行役の対会社責任と 従来型の会社における取締役の対会社責任の比較 ...452

9.役員の賠償責任軽減の企業導入事例 ...457

三 監査委員会の常勤化と独立性・権限の実務的考察 ...458

―― 改正商法施行規則・ファイヤー・ウォール設定の必要性 ―― 1.監査委員会の常勤化と独立性・権限の実務的考察 ...458

2.監査委員会に関する商法改正施行規則 ...462

(1) 監査委員会の監査遂行のための必要な事項 (商法施行規則改正193条)...462

(2) 特例会社における監査(商法施行規則改正135-141条)...463

(3) 監査委員会から取締役に対する計算書類等の提供方法 (商法施行規則改正140条)...463

(4) 定時株主総会における報告事項(商法施行規則改正141条)...464

四 経営システムの具体的制度設計 ...464

Ⅰ.執行役員制度導入等の具体的事例 ...464

1.執行役員制度等 ...464

(1) 基本類型と混合型(折衷型)...464

(2) 執行役員制度等導入 ...465

(3) 従来型の経営システム設計 ...465

(4) 執行役員制度類型の課題 ...469

2.具体的事例 ...471

(1) ソニー(旧ソニー型モデル)――事業持株会社の例―― ...471

(2) 帝  人 ...473

Ⅱ.持株会社とコーポーレート・ガバナンス ...483

1.持株会社の経営とコーポレート・ガバナンス ...483

2.純粋持株会社の実例 ...488

(20)

目  次

3.持株会社経営における法的諸問題 ...491

4.持株会社経営に関する法的諸問題の検討 ...505

(1) 持株会社経営の法的検討の意義――従来の持株会社経営と 現実の持株会社経営との法的検討面のギャップ―― ...505

(2) 持株会社経営の具体的検討事項 ...506

5. 子会社管理・支配の手段について ...512

6.企業結合法制並びに株式交換・株式移転と株主代表訴訟 ...515

(1) 株式交換・株式移転と株主代表訴訟における原告適格の継続 ...515

(2) 企業結合関係における株主の権利保護の問題 ――多重代表訴訟の検討―― ...518

Ⅲ.米国型導入の動きと従来型企業の機構改革の動向 ...528

1.従来の動向 ...528

2.最近の動向 ―― 米国型導入の動き ―― ...529

(1) ソ  ニ  ー ...532

(2) 日立製作所 ...543

(3) 東  芝 ...555

(4) 三菱電機 ...559

(5) コニカとミノルタの経営統合 ...560

(6) 野村ホールディングス ...563

(7) オリックス ...564

(8) イ  オ  ン ...564

(9) 西  友 ...565

(10) H O Y A ...566

(11) ボーダフォンホールディングス(旧日本テレコムホールディングス)...567

(12) りそなホールディングスの経営機構改革 ...567

(13) 東京スター銀行 ...569

(14) 日立グループの統治システムと株主権保護について若干の考察...569

Ⅳ.企業統治の3形態化 ―― 現状の類型化まとめ ―― ...579

1. 委員会等設置会社への移行表明企業の内訳 ...579

2.監査役設置会社の改革事例 ...580

(1) 執行機能未分離型 ...580

(2) 3委員会設置型 ...580

(3) 一部委員会導入型 ...580

Ⅴ.監査役設置会社のガバナンス改革事例の研究 ...581

(21)

目  次

2.監査役設置会社の改革事例 ...582

3.混合型(折衷型)の改革事例 ...582

(1) 帝  人 ...582

(2) 味  の  素 ...583

(3) オムロン ...583

4.独自型の改革事例 ...585

(1) 松下電器産業 ...585

(2) トヨタ自動車 ...590

(3) 松下電産、トヨタ、日立製作所、東芝の機構改革の比較考察 ...593

(4) キャノン ...595

(5) 松下電工 ...595

(6) 三菱東京フィナンシャル・グループ ...598

――情報開示委員会設置について―― Ⅵ.新しいコーポレート・ガバナンスと制度設計――17類型化―― ...601

(1) 健全性重視型 ...602

(2) 効率性重視型 ...603

(3) 透明性重視型 ...603

(4) 社会的責任重視型 ...604

(5) 全社一体型 ...605

(6) 国際化対応型 ...606

第四章 ガバナンス議論の最新の論点整理 ...609

―― 具体的事例を踏まえて ―― 1.改正法施行下で、従来型(監査役設置会社)と米国型 (委員会等設置会社)のどちらを選んだ方がいいか。...609

2.コーポレート・ガバナンスとは何か。実際に効率性と関係があるのか。....609

3.従来型と米国型に共通の諸問題―― 社外取締役(監査役)を中心に―― ...611

4.従来型会社のガバナンスの特徴(歴史的評価を含めて)、 問題点、改革の方向 ...616

5.日本的米国型(委員会等設置会社)の問題点の検討 ...616

6.グループ経営の中でのコーポレート・ガバナンス ...625

7.コーポレートガバナンスと健全性 ...625

8.理想のコーポレート・ガバナンス ...627

(1) 米国型の考察 ...627

(2) 従来型の考察 ...627

(3) 米国型について連結経営の観点からの考察 ...630

(22)

目  次

(4) 混合型(折衷型)改革についての考察 ...638

(5) 日本型・改良型 ...639 9.委員会等設置会社(米国型)、  監査役設置会社(従来型・

混合型)の問題点と徹底策の考察 ...640

(1) 委員会等設置会社 ...640

(2) 監査役設置会社 ...643

(3) 混  合  型 ...645 第五章 内部統制組織の構築・検討と企業の具体的制度設計 ...647 一 内部統制及びリスクマネジメントの意義 ...647 二 委員会等設置会社における監査委員監査の問題点と内部統制議論 ...648 1.委員会等設置会社における監査委員監査 ...648 2.監査委員の資格 ...649 3.監査委員の職務と内部統制の関係 ...652 三 内部統制部門のあり方 ...658 1.内部統制部門の必要性 ...658 2.近時の米国における内部統制・内部監査の議論 ...659 3.ファイヤー・ウォール設定の必要性 ...667 4.内部監査部門の位置付けの類型化 ...668 5.金融機関のリスク管理 ...669 四 

CEO

、内部統制、監査委員会の議論総括 ...670

1.CEOの自己統制と内部監査部門

―― 一体化の2分論モデルから3分論モデルへ ―― ...670 2.監査委員会の強化 ――3分論監査委員会強化モデル ―― ...672 3.取締役会ライン強化モデル ...673 4.株主利益追求モデル ...675

五 具体的事例(東京スター銀行)にみる

リスク管理機能と内部監査部門について ...677 1.東京スター銀行の機構改革 ...677 2.監査委員会と内部監査部 ...678 3.東京スター銀行における内部監査部門の位置づけ ...680 六 

COSO

報告書と内部統制システムの概念 ...682 1.COSO報告書と内部統制システムの意義 ...682

(1) 内部統制システムの意義と構成要素 ...682

(23)

目  次

(3) 我が国におけるリスク管理・内部統制の考え方 ...685

(4) わが国における内部統制論議 ...686 2.内部統制システム構築 ...689

(1) 会計監査論 ...689

(2) 刑事政策 ...689

(3) 金融監督論 ...690

(4) 会社法と内部統制システムの構築義務 ...690 七 

COSO

報告書以前の米国における内部統制議論の動向 ...690 1.米国における内部統制議論の本格化 ...690 2.COSO報告書の公表 ...693 八 我が国における監査役設置会社、委員会等設置会社、持株会社に

ついての内部統制システム構築・制度設計の問題点と法的考察 ....695

1.監査役設置会社と委員会等設置会社の内部統制システム ...695

(1) 監査役設置会社の内部統制システム ...696

(2) 委員会等設置会社の内部統制システム ...697

(3) 取締役会、監査役会、会計監査人に期待される役割 ...701 2.持株会社グループと内部統制システムの関係 ...705

(1) 親会社経営者の子会社内部統制システム構築責任 ...705

(2) 親会社経営者のその他の責任 ...706

(3) グルーブ企業への内部監査業務外注 ...706 3.三様監査に関する議論 ...706

(1) 三様監査の実態 ...707

(2) 三様監査の変容と対応 ...707 4.常勤性の議論 ...709 5.監査役設置会社における監査業務 ...711 6.トヨタ自動車の内部統制・監査戦略 ...714

(1) 連結ベースの内部監査体制 ...714

(2) 企業改革法への対応 ...715

九 金融検査マニュアルと金融機関におけるコンプライアンス ...718

1.金融検査マニュアルと内部監査 ...718 2.金融機関の内部統制システムと内部監査の関係 ...719

(1) 内部監査の定義 ...719

(2) 金融検査マニュアルと内部監査 ...719

(3) 従来型検査との相違点 ...720

(24)

目  次

(4) 内部統制システムと内部監査の関係 ...720 3.金融機関における内部監査とコンプライアンス ...720

(1) 内部統制システムにおけるコンプライアンスの位置付け ...720

(2) コンプライアンスとリスク管理 ...721

(3) コンプライアンスと内部監査 ...721 4.コンプライアンス部門の課題と企業の社会的責任CSR)...722

(1) 社内通報制度(内部統制システムの一部)...722

(2) コンプライアンス体制と社会的責任投資SRI・企業価値向上 ...722 一○ 内部監査・外部監査と金融検査マニュアル改訂 ...724 1.金融検査マニュアル改訂 ...724

(1) 金融検査マニュアル改訂の趣旨 ...725

(2) 改訂の概要 ...725 第六章 金融機関の内部統制システム・

リスク管理体制構築への具体的対応 ...729 一 東京スター銀行にみる委員会等設置会社

・リスク管理体制構築への取り組み ...729 1.東京スター銀行の委員会等設置会社への移行 ...729

(1) 委員会等設置会社への移行の狙いと新組織体制 ...729

(2) 新組織の特徴 ...730 2.リスク管理体制 ...731

(1) リスク管理体制の構築 ...732

(2) 各リスク毎の内容 ...733

(3) 内部監査体制 ...735

(4) コンプライアンス体制 ...735 3.米国型・ドイツ型の監督機構と内部統制システムの比較考察 ...735

二 金融持株会社の事例 ―― 東京三菱フィナンシャル・

グループのプロセスチェック型監査 ―― ...741 1.三菱東京フィナンシャル・グループMTFGの内部監査のフレームワーク ....741 2.グループ共通施策の運営と経営統合監査 ...742 三 業務監査部門の監査体制の事例 ―― 三井住友銀行、新生銀行 ―― ...743 1.三井住友銀行の監査体制 ...743 2.三井住友銀行の監査部の構成 ...745 3.三井住友銀行の監査の実効性を高めるための体制整備 ...745

(25)

目  次

(2) 監査部運営手続き ...746

(3) 監査結果の反映 ...746

(4) リスク評価モデル構築 ...746

(5) 今後の課題 ...746 4.新生銀行における内部監査人像 ...746 四 みずほフィナンシャルグループの経営体制

(二重持株会社・法的分社経営)と内部監査 ...747 1.みずほフィナンシャルグループの経営体制 ...747 2.リスク管理体制 ...749 五 地域金融機関の内部監査への取組と事例

 ―― 広島銀行の内部監査体制 ―― ...752 1.地域金融機関の内部監査への対応 ...752 2.広島銀行の内部監査体制 ...753 六 今後の内部統制議論の進展について ...755 1.法的リスク回避機能への期待 ...755 2.前向きな内部統制論議へ ...756 第七章 制度間競争と説明責任・開示とコーポレート・ガバナンス ...757 1.委員会等設置会社の移行と意思決定迅速性・監督機能向上の関係 ....757 2.制度間競争の内容と市場開示・説明責任 ...758

(1) 監査役設置会社 ...759

(2) 委員会等設置会社 ...760 3.株主総会の機能の変容 ...762

(1) 背  景 ...762

(2) 株主総会の位置付けの変化 ...762

(3) 時価会計への対応 ...762 4.役員報酬・退職慰労金開示 ...764

(1) 役員報酬・退職慰労金開示 ...764

(2) 役員報酬・退職慰労金に関する法的規制 ...766

(3) 開示と具体的手法 ...773

(4) 欧米における役員報酬等の開示 ...775

(5) 企業の具体的対応 ―― 役員報酬の多様化等 ―― ...777

5.機関投資家の議決権行使基準設定の動き

―― 厚生年金基金連合会の議決権行使基準を中心として ―― ...783

(1) 趣  旨 ...783

(26)

目  次

(2) 機関投資家の議決権行使の動き ...783

(3) 年金のコーポレートガバナンス ...784

(4) 議決権行使基準(ガイドライン)設定 ...786

(5) 米国における議決権行使の実態 ...789

(6) 企業統治システムの改善における米国ISSの提案 ...789

(7) 我が国の企業の株主総会への対応 ...790 6.有価証券報告書等のコーポレート・ガバナンス情報の開示 ...791 7.企業統治と企業の社会的責任CSRの方向性 ...792 第八章 米国企業改革法と最新の動向 ...795 1.米国企業改革法を巡る最新の論議 ―― 国際的企業買収との関連 ―― ...795 2.内部統制とSEC最終規則 ...796 3.米国の指名委員会の最新の動向 ...802

(1) 要件の厳格化 ...802

(2) 開示の詳細化 ...803

(3) 人材の不足化 ...803

(4) 指名委員会の役割強化 ...804 4.企業改革法後の米国資本市場規制とわが国企業への影響 ...805

(1) 我が国企業への直接適用 ...805

(2) 法301条規制とNYSE・NASDAQの新上場基準案 ...805

(3) 301条等主要なSEC規則案・最終規則の概要 ...806

(4) 企業改革法の実務への影響 ...811 第九章 最近の英国のコーポレート・ガバナンス改革動向 ...817 1.英国におけるコーポレート・ガバナンス規程 ...817

(1) 英国におけるコーポレート・ガバナンス規程 ...817

(2) 英国におけるコーポレート・ガバナンス規程の特徴 ...819 2.エンロン事件以降の英国におけるコーポレート・ガバナンスの見直し ....821 3.英国会社法見直しの動き ...822 4.2002年英国企業法の影響 ...823

5.欧州型コーポレート・ガバナンス改革における最近の

自主規制重視傾向 ―― 全般的規制緩和の流れの中で ―― ...825

(1) 自主規制重視の欧州のコーポレート・ガバナンス改革 ...825

(2) わが国における欧州型アプローチと規制緩和 ...827

(27)

目  次

第一○章 コーポレート・ガバナンスとコンプライアンス ...829

Ⅰ.問 題 意 識 ...829

Ⅱ.具体的内容 ...829 1.規 制 緩 和 ...829 2.社外監査役、社外取締役と代表訴訟 ...830 3.量刑ガイドラインとコンプライアンス・プログラム ...834 4.コンプライアンス・プログラムと会社法との関係 ...835 5.米国における企業倫理規定 ...836

(1)基本方針 ...836

(2)利益相反行為 ...836

(3)守秘義務 ...837

(4)その他 ...837 6.米国の事例 ...837 7.実際の運用など ...838

(1) 国別の相異 ...838

(2) マネーロンダリング ...838

(3) 具体的窓口 ―― ホットライン ―― ...838 8.米国におけるコンプライアンス・プログラムの問題点と我が国への考察 ...838 第一一章 我が国の経済再生とコーポレート・ガバナンス ...843 1.日本経済再生の鍵としてのコーポレート・ガバナンス改革 ...843

(1) 近年における企業統治の変化 ...843

(2) 企業統治構造改革はパフォーマンスの上昇に寄与する ...843

(3) 米国型が改革の唯一のモデルではない ...843

(4) 何が企業統治改革を決定するか:日本企業再生のモデル ...844

(5) 日本企業再生の焦点 ...844 2.再編・再生過程におけるコーポレート・ガバナンス ...845 3.企業再生実務とガバナンス体制確立 ...846

(1) 早期着手の実現 ...846

(2) 迅 速 再 生 ...848 4.事業再生におけるLBOファイナンス、

再生ファンドによるガバナンス機能 ...851 第一二章 ベンチャー企業関連法改正とコーポレート・ガバナンス ...857 一 中小企業挑戦支援法の概要 ...857 1.中小企業挑戦支援法の概要 ...857

(28)

目  次

2.新事業創出促進法の一部改正 ...858

(1) 趣  旨 ...858

(2) 概  要 ...858 3.改正新事業創出促進法における最低資本金規制の特例 ...860

(1) 特例の要件 ...861

(2) 確認申請手続 ...861

(3) 内  容 ...863

(4) 担 保 措 置 ...864

(5) 特 例 終 了 ...867 4.中小企業等協同組合法の一部改正 ...868

(1) 趣  旨 ...868

(2) 概  要 ...869

(3) 改 善 効 果 ...870 5.中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の一部改正 ....870

(1) 趣  旨 ...870

(2) 概  要 ...871 二 産業活力再生特別措置法の改正 ...872 1.趣  旨 ...872 2.改 正 内 容 ...873 3.改正産業再生法による税務戦略 ...874

(1)改正産業再生法における新しい合併および株式交換 ...874

(2) 外国親会社株式を交付する合併における税務上の問題 ...875

(3) 外国親会社を交付する株式交換における税務上の問題 ...876

4.会社法制の現代化要綱試案と税制改正の課題

―― スピン・オフ等との関連 ―― ...877

(1) 会社法制の現代化要綱試案と税制改正 ...877

(2) 改正産業再生法と税制改正 ...877 三 新規事業をめぐる法的課題と今後の方向性 ...880 1.創業・開業に関わる問題点等 ...880

(1) 最低資本金制度 ...880

(2) 会社設立手続き ...881

(3) 検査役調査制度 ...881

(4) 議決権制限株式 ...881

(5) その他の問題点 ...882

(29)

目  次

(1) 最低資本金制度 ...884

(2) 払込取扱機関に関する規定 ―― 会社設立手続きの簡素化 ―― ...884

(3) 検査役調査(事後設立・財産引受

及び追加的現物出資にかかる)の必要性の規定 ...885

(4) 議決権制限株式の発行上限の規定 ...885 3.創業・開業に関わる会社関連法制の今後のあり方 ...890

(1) 創業・開業促進のための会社関連法制等の今後のあり方 ...890

(2) 資本制度への議論 ...891 4.商法改正への動き ...893 5.最低資本金特例の活用状況 ...895 四 海外各国の新規事業関連法体系 ...895 1.主要各国における会社関連法制度概要 ...895

(1) 各国にみる法規制の方法等 ...895

(2) 会社の設立から消滅までの各段階と法的規制 ...896 2.海外の会社設立手続き等 ...901

(1) 典型的な会社の形態 ...902

(2) 最低資本金の規制 ...902

(3) 払込取扱機関に関する規定 ...903

(4) 議決権制限株式の発行上限の規定 ...903

(5) 事後設立・財産引受・追加的現物出資の検査役調査の規定 ...903

(6) 会社設立所要日数 ...903

(7) 会社設立に必要な手数料 ...904

(8) 具体的続き ...905 3.会社設立に関する法制度等の国際比較 ...908 第一三章 コーポレート・ガバナンス改革の今後の方向性 ...909 1.コーポレート・ガバナンス改革の今後の方向性 ...909 2.任意法規化と制度間競争、ガバナンス・システムの融合化議論 ....913

まとめにかえて ...919

(参考文献)...i-xxiv

索  引 ...xxv-xxxviii

(30)

は じ め に

は じ め に

平成

13

年、

14

年にかけて重要な商法改正が相次ぎ、改正内容は商法全般に及 び広範なものであるが、特に企業の経営機構に関する改正が大きな比重を占めて いることは周知の通りである。中でも、会社機関に関する選択制の採用が実務界 で大きな関心を呼んでおり、今後我が国の企業が具体的にいかなる経営機構を構 築していくのか、が焦眉の急の課題となっている。

他方、米国ではエンロン事件を始めとする不祥事が頻発しており、米国型の経 営機構への疑問も唱える向きもあり、改善に向けて企業改革法などの手だても構 築されつつある。

本研究論文では、米国型取締役会を参考とする経営機構制度が我が国の商法に 採用されることになったことを踏まえ、今後のコーポレート・ガバナンスの方向 性、経営機構のあり方等について具体的に考察するものである。

本書は、総論を先ず述べ、次いで各論に移っているが、具体的な企業の機構改 革事例、米国視察等の筆者の知見も踏まえ、各論を基にして総論も成り立ってい る側面も大きいと考えている。

2003

10

月「会社法制の現代化に関する要綱試 案」の公表により、会社法の根幹に係る改正の方向性も示されている。現時点で は未確定な部分も多いが、本書では可能な範囲でこうした改正点に係る議論も織 り込んでいる。包括的に論じたことから内容的に重複した部分もあるが、議論の 流れからして必要と思われるのであえて残した部分も多々ある。御了承頂きた い。

第一章では、改正後のコーポレート・ガバナンス関連の機関関係の問題点等に ついて論じる。続いて第二章以下では、米国の機構改革、特にエンロン事件以降 の企業改革法の最新の動向にも触れながら、機構改革における大きな焦点である 社外取締役及び日米の監査委員会に関する議論等を踏まえつつ、具体的な企業の 経営システム・制度設計について考察してみた。具体的な機構改革事例について も述べた。更に、最近大きな論点となっている内部統制システム・内部監査部門

(31)

は じ め に 事業関連の他、今後のガバナンスのあり方として規律の一体化、融合化議論にも 触れている。

2003

1

月にソニー、日立製作所等が米国型機構を選択する意向を表明し、追 随する企業も続々と顕れるなど新たな動きが出てきている。一方で、監査役設置 型機構を維持しつつも混合型(折衷型)改革を図る企業、或いは独自の改革を目 指す企業等も多い。コーポレート・ガバナンスに関する議論も、従来の法制度面 から具体的な経営機構構築の局面へと徐々に移行していくことが予想され、今後 一層の考察が重要となろう。

本書作成に当たっては、恩師・大阪大学法学研究科・高等司法研究科(法科大 学院)末永敏和教授(司法試験考査委員(商法))に全面に亘りご指導頂いた。末永 先生の変わらぬ熱意、多方面に及ぶ深い御見識、常に将来を見据えた先見性など により筆者も大きく成長を図ることができたと信ずるものである。末永先生は、

筆者の所属する日本政策投資銀行設備投資研究所顧問に就任されている。商法関 連の全般的ご指導を得ているほか、設備投資研究所主催の「企業の創出・再生に 関する研究会」の座長(筆者は事務局)を務めていただき、最新の分野での大阪大 学大学院との共同研究もお願いしている。その長い温かい御指導なくしては、浅 学な筆者がこの研究論文を完成させることはできなかったと実感する。

同時に、早稲田大学前総長・現学事顧問・大学院法務研究科奥島孝康教授には、

日本政策投資銀行設備投資研究所主催シンポジウム(財団法人日本経済研究所共催 日本政策投資銀行本店にて開催)に平成

15

3

月、平成

16

3

月と

2

度に亘って 基調講演を頂き、多くの貴重な御助言を賜った。奥島先生は、これまで我が国の コーポレート・ガバナンスの理論面を牽引してこられ、法科大学院協会会長、司 法制度改革推進本部顧問等の要職に就かれるなど御多忙にもかかわらず、今後の 我が国における今後のコーポレート・ガバナンスのあり方等深い示唆に富む内容 の御講演を、大変な迫力で熱弁頂いた。超満員の出席者からも絶賛される素晴ら しい講演であった。末永先生にはコーディネーターをお願いした。同シンポジウ ムには、奥島先生が共同理事長を務められた日本コーポレート・ガバナンス・フ ォーラムの協賛も頂いている。奥島先生、末永先生には、重ねて深謝申し上げた い。

また本書をこのようにまとめることができたのは、多数の方々のおかげであ り、京都大学前田雅弘教授(法制審委員・司法試験考査委員(商法))からは、しば

(32)

は じ め に

しば御助言・御示唆をいただいた。プリンストン大学森信茂樹客員教授(財務省)

からも常に暖かい励ましの言葉を頂いている。長谷川俊明弁護士(司法試験考査委

員(商法))にも「企業の創出・再生に関する研究会」の委員に就任いただき、多

くの御意見を頂いた。監査制度についての知見を頂いた家近正直弁護士その他、

関係各位にも深く御礼申し上げたい。

最後に、本書の出版に当たっては信山社編集長の立花邦昭氏には大変御世話に なった。編集段階から校正まで大変細かいところまで御配慮を賜った。こうした 研究論文が今般出版にこぎ着けられたのも立花氏のたゆまぬ励ましとお心遣いが あればこそであり、心から感謝申し上げる次第である。校正段階においては、日 本政策投資銀行設備投資研究所嘱託の渡辺直子さんに手伝っていただいた。的確 で有能な女性である。謝意を表したい。

なお、本書における見解は全て藤川個人のものであり、あるいは日本政策投資 銀行設備投資研究所の見解を示すものではないことをお断りしておく。

平成

16

6

月 日本政策投資銀行

設備投資研究所 主任研究員 藤  川  信  夫

(33)

一 コーポレート・ガバナンスとは何か

序章 コーポレート・ガバナンスと機関を中心とする大会社関連の改正

一 コーポレート・ガバナンスとは何か

Ⅰ.コーポレート・ガバナンス論の高まり

1

.コーポレート・ガバナンス論

コーポレート・ガバナンス(Corporate Governance)は、通常は企業統治と訳 されるのが普通であるが、欧米で議論が始まり、最近日本でも盛んに議論されて いる。このようにコーポレート・ガバナンスが流行している背景としては①企業 の倒産など企業業績の悪化、②企業不祥事の続発、③経済の国際化の進展(外国

資本の進入)、④株主重視の傾向(間接金融から直接金融への重点移動、相互保有の崩壊

と外国人投資家・個人株主などの増加)などを挙げることができよう1

コーポレート・ガバナンス論は、会社主権論と会社機構論とに分けられる2。 前者・会社主権論は、公開会社は誰のものか、主権者は誰かという議論である。

後者・会社機構論は、会社運営機構はどうあるべきか、特に、経営者の監視・監 督をどのようにして行うかという議論である。

先ず会社主権論に関わる議論は、周知の通り米国における

1930

年代のバーリ ーとドッドの論争にさかのぼる3。バーリーは、株主利益の極大化こそが会社経 営者の受託者責任であると主張したのに対し、ドッドは当時の深刻な労働者問題 の存在から会社経営者は労働者に配慮して経営すべきではないかと問題提起した ことに端を発する4。会社は株主のもの、つまり株主が会社の主権者であるの か、あるいは会社は利害関係者全体のものであるのかという議論であるといって よい。また企業の社会的責任についての論叢ともいえよう5

このバーリー、ドッドの論争自体興味深いものであるが、ここでは簡単に

(34)

序章 コーポレート・ガバナンスと機関を中心とする大会社関連の改正

触れておくにとどめる。先ずバーリーは「信託法上の権限としての会社権限」

(Corporate Powers as Powers in Trust 1931)において主張する6。そのテーゼを 要約すれば、法規定或いはチャーター(定款)が会社或いは会社経営者等の内部 グループに権限を与えているが、この権限は株主全ての割合的利益のために行使 されなければならない。会社行動は、権限の存在と適切な行使の基準、更に衡平 法上の法理論の

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度に亘ってテストされることが必要となり、受託者に付与され る広範な権限の行使に対して、信託受益者のために適用されるものと似通った基 準によってテストされる。会社法は、実質的に信託法の

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系統である、と述べる

7。バーリーは社会的責任概念の認識は特にしていない。

他方でドッドは、「経営者は、誰に対して受託者であるのか」(For Whom are Corporate Managers Trustees? 1932)において、バーリーの唱える信託原理の具 体的諸原則の多くには同意しつつも、会社経営者による自発的な社会的責任の受 容が、会社法原則に反するか、という問題提起を行う8。ビジネスが私有財産で あること、法人ビジネスの取締役を株主の受託者と考える根拠をもって反すると する見解に対し、ドッドは、会社は株主の集合体でなく制度(institution)であり、

法律はこの制度の経営者がもっぱら株主の利潤のために活動すべきことを前提と してきたが、世論の変化によって変更されうるものであると反論する。ビジネス 経営者が従業員、消費者の福祉を考慮に入れることは長期的には株主利益を増大 させる。社会的責任の立場と伝統的な法理論との間の衝突は、現実的なものでな く潜在的可能性に留まる。法人ビジネスが経営者の自発的行動を通じて社会的責 任を果たすことは、合理的に期待できないにせよ、会社はひとたびゴーイング・

コンサーン化すれば、ビジネス界での地位を占め、ビジネスとしての倫理、即ち 取引上のものというよりもプロフェッションとしての倫理的基準に従うことにな ると。

両者の論争は、バーリーの反論、ドッドの譲歩等を経て、最終的には

1954

年 バーリーの改説に至る9。会社はその意思に反してではあるが、社会の良心の担 い手としてある程度の役割を果たすことを強制される。現代会社の取締役は、利 潤極大化のためにビジネス企業を運営するに留まらず、社会システム(a community system)の管理者として事実上も法律上も認識されている。否定され たり変革され得ない存在である社会的、法律的体制の最善のあり方を探求する

10。経済的というより、むしろ道徳的、文化的、教育的な諸勢力が、米国のパブ

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一 コーポレート・ガバナンスとは何か リック・コンセンサスの部分となっており、会社がパブリック・コンセンサスに 従って行動すべきことを強調し、これを会社の善良な行動基準とした11

バーリーとドッドの論争は、企業の社会的責任論についてみると、今日におい てもその考察において重要な意義を有しているといえよう12。こうした企業の社 会的責任についての論争について、労働問題は、労働者の労働契約締結のための 交渉力を強化する労働立法によって解決し、会社経営者は法を順守しつつ株主利 益を追求すればよいという考え方が伝統的になってきている。

 しかしながら、近年のコーポレート・ガバナンスの議論は、米国の

1970

年代 のウォーターゲート事件を契機として企業の不正支出が社会問題となったことに 端を発する。米国の会社法は州法であり、各州は会社設立を勧誘する立場である ため、厳格な規制立法は政治的に難しく、企業の不正支出が社会問題となっても 会社法改正には繋がっていない13。米国では

SEC

(米国証券取引委員会)が企業 不正支出の開示要求を行い、また米国法律協会に対して会社運営機構のあり方に ついて議論するプロジェクトを要求している14。米国法律協会のプロジェクトは 体系書として取りまとめられている(1992年)15。ここでは社外取締役制度によ って会社経営者をコントロールすることが強調され、その後実際にも機関投資家 が株主権行使を行い、社外取締役制度が機能するようになっている。また英国に おいても社外取締役制度が導入された16

最近のコーポレート・ガバナンスの議論は、機関投資家という顔のみえる大株 主が出現し、社外取締役との連携によって企業経営者をコントロールし、株主利 益極大化を図り、米国の大企業の復権に繋がったことが評価されているといえ る。他方で、従来の我が国の企業では相互保有が行われ、顔のみえる株主は存在 するが、利潤極大化よりも取引上の利益を期待し、株主利益最大化の推進力には なってこなかった。しかるに現在の我が国において求められるのが株主利益最大 化の推進であるということである。

もう

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つ考察が必要なこととして、制定法か、自主規制かという区分けであり、

米国・英国では開示制度によって制度改革を進めているのに対し、我が国では商 法改正によって例えば社外監査役設置強制、最近では委員会等設置会社制度導入 等を図っていることが特徴である。開示規制でなく、会社法の多くは実質規制で あり、強行法規性を有する。しかし、強行法規をもってコーポレート・ガバナン スのあり方を例外なく強制していくことには疑問を呈する見解があり、むしろ自

参照

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