【論 文】 日本 建 築 学 会構 造 系 論 文報告集 第438号
・
1992年 8 月 Journal oIStruct.
Constr.
Engng
,
AIJ,
No.
438,
Aug、
1992柔道 場 床
の
振 動 減
衰
性 能
の
評 価 方 法
に
関
す る
研 究
STUDY
ON
METHOD
FOR
EVALUATING
DURATION
OF
VIBRATION
ON
JUDOJYO
FLOORS
小 野 英 哲
* ,横 山
裕
* * , 三 上貴
正 *** ,堀
口衛
** * * ,川 村 清 志
* * ** *Hi
’
伽 o海ONO
,
yutafla
YOKOYAMA
,
Tafeamasa
MIKAMI
,Mamoru
HORIGUCHI
「
and
Seishi
KAWAMURA
This
paper presents the methodfor
evaluatingduration
of vibration.
onjudojyo
floors
.
Firstly
,
a sensoTy test’
was conducted using scores of samplefloors
.
Based
upon the results of sensory test,
evaluation scales were constructed.
Secondiy
,
p車
ysical charac しeristics of samplefloors
were measured.
From
the results of measurement,
Tv.
Dand Dmax十 Tv.
Dwere calculated as thephysical
value whichindicate
duratien
.
皇erigth of
human
sensation.
Thirdly
,based
upon relationship between evaluation scales and7
マ
v
.
DorDmax
十Tv.
D, evaluationLndices were obtained
.
Lastly,
evaluation meth6d was presented,
which is composed of measurement method ofTv、
ひor Dmax十
Tv.
nand the’
evaluation indices
,
Kegwords
:evalZtation method,
floor
thbratien
,
ゴ諭 か0,
duration
,
sensor y s‘ale 評 価方 法, 床 振 動, 柔道場,
振 動 減 衰 時間, 心 理学 的尺度1
.
序 柔 道 場 床に要 求さ れる性 能の う ち,
競 技 者が投 げられ た際に身 体に加わ る負 荷 を軽 減する緩 衝 性 能は, 競 技 者 の安 全 性 確 保の観 点か ら最も重 要な性 能と され てい る。
緩 衝 性 能に関して は,
筆 者の一
部らに より評 価 方 法 が 提 示さ れ て お りIL2 ], 柔 道 場の鋼 製床 下地材に関するJIS3
〕に 取り込 まれ る など, 柔 道 場 床の最 適 緩 衝 性 能の 確 保に大き く寄 与してい る と考える。
一
般に理想 的な緩 衝 性 能を具 現する た め に は,
畳を設 置す る ほ かに下地 と な る床に緩 衝 材やス プリン グ を挿入 す る な どの さ まざま な 工夫を施すこと に よ り,
床の鉛直 方 向の剛性を 通常の 運 動競技 施 設床と 比較して極端に低 くする必要がある。
一
方 剛 性の低い床では競 技 者の各 種 動 作に よ り大き な 振 動が発生し や すいため, 発生した振 動をい か に早く減 衰させ る か が, 競 技の し や す さ や不 快 感の除 去の観点か ら非 常に重要な性 能と なる。
し か し
一
般 的な床と比 較して剛 性の低い柔 道 場床にお け る競技中の振 動 減衰性能の評 価 方 法が確 立されて いな いた め,
柔 道 場床の開 発,
設 計, 選 択 時におい て問題 を 多く残し ている の が現状である。
本 論 文は 以 上の観 点 か ら, 柔道場床の振 動 減衰 性 能の 評 価 方 法につ い て検討し た結 果 をま とめ た もの であ る。
2.
研 究の 目的,
範 囲 本 研 究で’
は,
競技 者の使 用感の観点か ら柔 道 場 床の振 動 減 衰性 能,
す な わ ち振 動の続き具 合の評 価 方 法 を 究 明 する こと を目的と しており,
振 動 減 衰 性 能の観 点か らの 個々 の 床の評 価 な ら びに床の開 発 な どは研 究の範 囲外と して い る。 対 象と す る振 動は,
競 技 者の 運 動 動 作に より発生する 鉛直方向の床振 動 と す る。
* 東 京 工 業 大 学 工 学 部 建 築 学 科 教授・
博士 (工学 ) * * 名古屋工業 大 学工学 部 社 会 開 発工学 科 (建築 学 系)助 教 授・
博 士 (工学 ) * * * 東 京工業 大 学工学 部 建 築 学 科 助 教 授・
博士 (工 学 > 1*1一 東 京工業大学 大学院 生 # * # 日 本工業大学工学 部建築 技 術研究セ ンター
建築 学 科 講 師Prof
.
,
Dept.
of Architecture,
Facutty of Engineering,
TokyoInsIitute
o {Technology,
Dr.
Eng.
Assoc
,
P[of,
,
Dept.
of Architecしure,
Urban Engineering andCivil
Engineering
,
Facu且ty of Engineering,
珂agoya Institute.
of Tech.
nology
,
Dr.
Eng.
Assoc
.
PrQf.
,
Dept.
of Architecture,
Faculty of Engin『efing,
TokyoInslitute of TechnolQgy
,
Dr,
Eng.
Graduate Student
,
Tokyo Institute of TechnologyLeごturer
,
BuiLding Enineering Center,
Dept.
of Architecture,
FacuLty oI Engineering,
Nippon Institute of Technologyま た床の材 料
,
構法 は 限 定 せず,
柔 道 場に お け る 床 全 般 を対 象 と する。
さ らに本 研 究で は,
競技者が本人の動作によ り発生す る振 動を感じる場 合を中心 と す る が,
参 考 と して近 くに い る他の競 技 者の勤作に よ り 発生す る振 動 を感じ る場 合 につ い て も検討を加え る。
3.
既 往の研 究 筆 者の一
部らは,
独 自に開 発 し た柔 道 場 床の緩 衝 効 果 測定 装置を用いて,
柔 道 場 床におけ る緩衝 性 能の評 価 方 法 を 提 示し た結 果 を報 告 して いる1 )・
2〕 。 し か しこ の研 究 で は,
振 動 減 衰 性 能に関しては言 及して いない。 また筆 者の一
部ら は,
体育館,
剣 道 場床におけ る振 動 減衰性能 を, 所 定の加 振 力で加 振 した際の床 振 動 が所 定 の振 幅まで減 衰す るの に要す る 時 間 (以 降,
この種の物 理 量 を総称して“
振動 減衰 時間”
と記す)で表示で きる こと を 明 ら かにす る と と もに,
妥 当な評 価 方 法 を究明 し た結果 を報 告 して い る4)・
5 )。
な お こ の ほ か に も床 振 動と人 間の感 覚,
評 価との 関係 に関 する研 究 成 果は多 数 報 告さ れて いる が,
他の一
般 的 な床と異な り,
振 幅が大き く かつ 運動 競 技をし て い る状 態で振 動を感 受す る な どの特 殊 性を持つ 運動 競 技 施 設 床 の振 動減衰性能に関す る研究と し て は,
体育 館, 剣道場 床 を対象と した上 述の研究が あ るのみで,
畳 を使用 す る,
一
般 的な 運 動競技 施 設 床 よ り さ らに 振幅が大き くかつ振 動が 長 く続く床が多いな ど,
運動競技 施設床の中でも一
層の特殊性を持っ 柔道場床の振動 減衰性能を対象と し た 研 究 は み あ た ら ない。
4.
研 究 方 法 本 研 究の研 究 方法 お よ び手 順は,
以 下に示 す と お りで あ る。 1)種々 の 振 動 性状を もつ試料床 を 製 作し,
宮 能 検 査 手 法およ び 尺度 構 成理論を 用 いて振 動 減 衰 性 能に関する心 理 学 的 尺 度 を構 成す る。
具 体 的に は,
柔 道 を するうえで どの程 度さし さ わ りがある か を表 す振 動 減 衰 評 価尺 度を 構 成する。
2) 所 定の加 振 力 を作 用 させた時の床の動 的 挙 動 を測 定 できる測 定 装 置 を 用い て,
試料
床の動 的 挙 動 を測 定 する。 3) 試 料 床の動 的 挙 動の測 定 結 果か ら振 動 減 衰 評 価 尺 度 と対 応す る物 理 量 を 抽 出し, こ の物 理 量 と振 動 減 衰 評 価 尺 度の関 係 を振 動 減 衰 性 能の評 価 指 標 として提 示 する。
4> 提 示し た評 価 指 標と物 理 量の測 定 方 法など を 取りま と め て, 振 動 減 衰 性 能の評 価 方 法と し て提 示す る。
こ こ で 2}で用い る測 定 装 置に関しては,
対 象とする 床の振 幅が他の床と比 較し て大き い こと と,
緩 衝 性 能の 評 価 方 法n21 との共 通 性 を 考 慮して,
柔 道 場 床の 緩 衝 効 果 測 定 装 置の適用を軸に検 討を 進 め ること と し,
他の測一
32
一
定 装置の適用に関 して は, 柔 道 場床の緩衝効果測 定 装置 に関す る検 討 結果に応 じ て適 宜検討 を 加え ること と し た。
5.
振 動 減 衰 性 能に関 する心理学的 尺度の構 成 5、
1.
心 理 学的尺度構成の た めの官 能 検 査 心 理 学 的 尺 度 構 成の た め の官 能 検 査の概 要を表一
1に一
覧に した 。 以 下に主な事 項につ い て説 明を加え る。 5,
1.
1 構 成す る尺 度お よ び尺 度 構 成 手 法 構 成す る尺度は,
振動 減衰 評価尺度1
,
皿の2
種と し た。 振 動 減 衰 評 価 尺 度1
は競 技 者 本人の動 作に よ り発生 す る振 動が ど の程 度さ し さ わ る か を, 振動減衰評価尺度 皿 は 近 くに いる他の競 技 者の動作に よ り発 生す る振 動が どの 程 度 さしさわ る と想 定さ れ る か を表す尺 度で あ る。 これ らの尺度は,
振 動 減 衰 性 能に関 する評 価 を 表 示 す るこ と を 目 的 と する尺度の ため,
絶 対 判 断に基づ く系列 範ち ゅ う法6] に よ り構 成す ること と し た。
判 断 範ちゅうは表一
1に示 す とお りである。 5.
1.
2 試 料 床 試 料 床の概 要 を図一
1に示す。 試 料 床は,
スプリングの剛性,
減衰 特性,
個数な ら び に重 量 可 変パネルの重量 を変化さ せ るこ とに よ り剛性,
振 動 数,
減 衰 性 状を種々変 化させ る ことがで き る下地床 と,
畳か ら な る もの で あ る。
試料床の製 作,
下 地 床 と 畳の組 合せの設 定にあたっ て は,
以 下の点に留意し た。・
実 在 する,
もし く は今後開発 さ れ る可 能性が あ る と思 わ れ る柔 道 場床にお け る下 地 床の剛性,
振 動 数,
減衰 性 状および畳のか た さの範 囲を十 分包含す る試 料 群と す る。
・
検 査 期 間 中 振 動 性 状が変化し ない試料と す る。
。
検 査員が所 定の動 作を行うの に 十分な面 積を持つ 試 料 と す る。。
検 査員に疲 労, 倦 怠 を 感じさせ な い試 料 数と する。
以上の条 件に合 致す る ように, 図一
1に示す ごと く, 表一
1 官 能検査概要 構成する尺度 尺 度 構 成手 法 判 断 範 ちゅう 検査試料 検査員 蝣 検 査 1 振動減 衰 評価 尺 度 1 検 査矼 振 動 減衰 評 価 尺度[ 系列範ちゅう法 こ の床は、
自分 の動 作 に よ り発 生する振動の続 き具 合 の観 点 か ら、
柔 道 をす る う えで この 床は、
近 くに い る他の 競 技者の動作によ り発 生 す る 振動の続 き具 合の観点 か ら、
柔道を す るうえで 非 常にさ し さわ りがあ る。
一 か な りさ し さわ りが あ る。
やや さ しさわ りが あ る。
全 くさしさ わりがない。
図一
1に示 す 試料 床24体 (下地 床8種類 x 畳3種類 ) 大 学の柔道 部 員 男 子11名 (18〜
2正歳,
平均競技歴5.
η年) 自由 な運 動 動作下 地 床と畳の組 禽せ 下 地床の概 要 畳の概 要 記号 u] A 32SO2 B 50Sl6 C 6Dl Sl th
:
試料 旅ナンパー
W :パ
ネ ル齟 ( 「> k : スプリン グ の剛 性 ( f/cm)x個 数 t:
固有 振助 数 (Hz) h.
:減衰定数 (% ) UI :剛床 上で の畳の緩 衡 性 能を表 す値 ( f・
⊂囮)’
脚
:
,
U,
の値が大 きいほどやわ らかいこと を表す 実在す る大部分の畳のUlの範囲は33e〜
510igf−
em” 下 地床 畳 曾ω重里 可変パネル
.
バ ネル上 板 (舎 阪)パ
ネル重 翅調 整用 重 錘 パネル下 板丁 十内
丁 番 (繊揺れ防止用 〉 スプ リン グ 図一
1 試料床の概 要 8種 類の下地床と3種 類の畳の組 合せ か ら な る 24体の 試 料床を検査 試料と して設 定し た。 5.
1.3
検 査員 本検査では,
試料床の振 動 減衰性能を絶 対 判 断す る た め,
柔道に熟 達し た検 査員が 必要
なこ と か ら,
大 学の柔 道 部員 ll名を検査員と して選定し た。 5.
1.
4 動 作な ど 本検 査で は,
競 技に熟達し た検査員であれ ば比 較 的 簡 単な動 作で競 技 中にお け る振 動 減 衰 性 能を判 断で きる こ と が既往の研 究4)・
S) お よ び予備調 査の結 果より想 定 され たこ と か ら,
各 検 査 員に振 動 減 衰 性 能を判断し や すい動 作 を自由に選定させ ること と し た。
ま た検査 員に は,
素 足 で動 作す る場 合 懸 念さ れ る試 料 床 表 面の すべ り や 温度 などの影 響 をで き るだ け除 去する自的で,
薄 手の靴下 を 着用さ せ た。
5.
2.
官 能 検 査 経 過,
結 果および心 理 学 的 尺 度の構 成 5.
1で述べ た条 件の ほ か.
に,
鉛 直 方 向の振 動 減 衰 性 能 以 外の要 因は判 断に いれ ない こと,
動 作の速さ,
激し さ などは各 検 査 員の 自 由 とするが検 査 員ごとに検 査 中ほ ぼ一
定に保つ こと,
疲れ た らい つ で も 自 由に休め るこ と な ど を条 件に加え, 官 能 検 査を実 施し た。
検 査中,
検査 員は片足踏み込み動作と跳 躍 着 地 動 作を 主に行っ てい た。
な お検 査 期 間 中 各 試 料 床の固有 振 動数,
写 真一1
官 能 検 査 状 況 5 か 2 分散分 析結果 :危 険率1%で有 意.
4 3 2 1 0 ↓ ゆ 擦 “ 9 £ 竹 」 切 口餐
單 隴 慨 驚藁
魂i多
〆
罐
゜ , ! ! ノ ノ ! r=
o.
986°
0 1 2 3 4 5 さしさわり がある←
振動 減 蓑 評 価 尺 度1 * :危 険 率1%で有 意 rtla,
。,
Ol )=
O.
515 図一
2 振 動 減 衰 評 価尺度 相互の関 係 減 衰 定 数 を 適 宜 測 定 し, 振 動 性 状が変 化してい ない こと を確 認し た。
官 能 検 査 状況を写真一
1に示す。
表一2
に, 官能 検 査の結果得ら れ た基 礎デー
タの 分散 分析 結 果を 示 す。
い ず れの結 果におい ても主 効果の分散 比 が高度に有意で あ りかつ寄 与 率も高いこ とか ら, 試 料 床の刺 激に十 分な差があること,
本 検 査 自体が有 効であ る ことが わ か る。
また個 人 差の分 散 比がいずれ も有 意と な っ て い る が,
こ の種の刺 激を対 象どし た検査で は 通常 あり得るこ と4)・
5),
個 人 差の分 散比,
寄 与率が と も に主 効 果と 比較 し て十 分 低い こ と か ら,
構 成さ れ・
る 尺度は個 人 差 が 内 包 さ れ る もの の十 分 有 効 といえ る。
以上 か ら,
得ら れ た基 礎デー
タ を 用い, 尺度 構 成理論6) に従っ て振 動 減 衰 評 価尺度1
,
H
を構 成し た。
5.
3.
考 察 図一2
に,
5.
2、
で構 成し た振 動 減 衰 評 価 尺度1
と振動 減衰評価尺度H
の関係を示す。 両者に は高い正の相関が あ るこ と か ら,
二つ の尺 度上にお け る各試 料床の尺度値 の相 対 的 序 列に ほとん ど差 異は な く,
競技 者 本 人の動 作 に より発 生す る振 動がさ しさ わる試料床ほ ど,
近 くに い一
33
一
5G 貍 4
臨
3緊
2谿
、鸛
。 01234012345 さ しさわりがある←
さ し さわ りがある←
振動減 褒評価尺度1 (畳A)振動 減衰 評価 尺度 1 (畳C) 5G憩
4
殿
3纖
,麟
、勲
。 01234012345 さしさ わ りが あ る←
さしさわ りが あ る←
振動 減衰 評価尺度ロ (畳A) 振動 減褒 評価尺度皿 (畳C) 図一
3 畳 Bを用い た試料床と畳A,
Cを用いた試 料 床の尺 度 値 相 互の関係 る他の競 技 者の動 作により発 生する振 動 もさ し さ わると 想定さ れ て い る こと がわ か る。
ま た畳の かた さの差異が使 用 感上振 動 減 衰 性 能に与え る影 響を検 討 する た め に,8
種 類の下 地 床を媒 体と し て,
各 下 地床にか た さの 中庸な 畳 B を組合せた場合と か たい 畳A ,
や わ ら かい畳C
を組合せ た 場合の尺度値 相互の関 係を示し た の が図一3
で あ る。 図か ら,
畳の種類に よ り, 振動 減衰性能の評価の相対 的序列は も と より,
尺度値の 絶 対 値もほと ん ど変 化し ない こと が わ か る。 つ まり使用 感上の柔 道 場 床の振 動 減 衰 性 能は畳のか た さ と ほ と ん ど 関 係な く, 下 地 床の振 動 減靠
性 能に大き く左 右 される こ と がわ か る。
6.
振 動 減 衰 性 能 を表 す 物 理 量の設 定お よ び振動減衰 性 能の評 価 指 標の提 示6.
1.
柔 道 場 床の緩 衝 効 果 測 定装置の概 要 図一
4に,
筆 者の一
部ら が開 発し た柔 道 場 床の緩 衝 効 果測定 装 置の概要を示す】)・
2}。
本装置は質量10,5kg
の落 下 重 錘 (2)とゴ ムば ね(5) か ら な る荷重体に よ り動 的 荷 重 を作 用させ た時の床の動 的 挙 動を, 荷 重 変 換器 (7)お よ び変位 変 換 器 (1 )で 測 定す る も ので ある。
こ こ で, 重 錘の 落 下 高 さは114 cm で あ る。6,
2.
柔道場 床の緩衝効果 測定 装置に よ る試 料 床の動 的 挙 動の測 定 柔 道 場 床の緩 衝効果 測定装置を用い て,
試料床の 動 的 挙 動を測 定し た。 測 定状況 を写真一2
に示す。
一 34 .
一
(1) (4 ) (2) (3) (9)■
.
§
: 灼 擁 ト 錠,
,
一
((65 )) (7 ) (8) (1) 変 位 変 換 器 (2) 落下 重 錘 (3)シt フ ト 図一
4 (4 ) 電磁石 (7 )荷 重 変 換 器 (5 )ゴム ば ね (8 ) 荷重 板 (6 ) 受け板 (9 > 支持 架台 柔 道場 床の緩 衡 効 果 測 定 装 置の概 要 写 輿一
2 柔 道 場 床の緩 衝 効 果 測 定 装 置に よる測 定 状 況 図一
5に測 定 結果の一
例を 示 す。
図中, 荷重・
時間曲線にみ ら れ る最初のピー
ク (第1
波 )は所 定の落 下 高さか らの重 錘 落 下 時に,ま た次の ピー
ク (第ll
波)は第1
波 後は ね か えっ た重 錘が再び落下 す るときに生 じ るもの である。一
方 筆 者らは,
体 育 館,
剣 道 場 床 を対 象と し た研 究に おい て,
人 間の振 動 減衰感 覚は減 衰定数などの振動工学 上一
般 的な物 理 量では表 示でき ない こと を述べ ると と も に,
柔道場床の緩 衝 効 果 測 定 装 置 と同 様の形 式 を持 ち,
重 錘の重量,
落 下高さ,
ゴムばね な どの仕 様が異な る体 育 館の床の弾 力性測 定装置に よ り床を加振し た時の床の 動 的 挙 動か ら,
振 動 減 衰 性 能 を表す妥 当な物 理 量Tv.
p を抽 出してい る4L5 )。
波 − 第
゜
− :7
−
T
触 ho ぎ Oの
甲第n波llIl
荷重・
時 間 曲線 ほ1
ID
marH
t且t:
速 度・
時 間 曲 線 (試料 床M14 :下 地 床V,
畳B) 図一
5 柔道 場 床の緩衝 効 果測定装置による測 定 結 果の一
例 図一
6に体育 館の床の弾力性測 定 装置に よ る床の動 的 挙動の測 定 結 果の一
例 を 示す。
こ こでTv、
。 と は,
重 錘 落 下 時に発 生し た振 動の両 振 幅がD .
(=O.2mm
)まで 減 衰する の に要する振 動 減 衰 時 間と し て,
変形・
時 間 曲 線か ら直接求ま る もので あ る。
本研 究で は,
柔 道 場 床 を対 象と した場合で も振動 減 衰 時 間で振 動 減 衰 性 能を表示で き る可 能 性が高い と考え,・
柔 道 場床の緩 衝効果測定 装置で測 定さ れ る床の動 的 挙 動 か らTv.
pを抽 出し,
その 妥 当性を検討す ること とし た。
し か し柔 道 場床の緩 衝 効 果 測定装置で は,
床に作 用す る動的荷重が体育館の床の弾力 性測定装置よ り大き くか つ 作 用 時 間 が 短い た め,
床の反 発作用の影 響で第1
波 後 装置全 体が床か ら う き あが る ことが あ り,
かつ 振 動の減 衰に関する資 料 を得るの に必 要な時 間が経 過す る前に第 皿波が発 生 する ことか ら,
第1
波 以 降の動 的 挙 動を 十 分 5 43
2
1
0 ↓ ゆ 槽 婆 9 “ 顔 」 拘
[
塋
坦 誌 属 驚 霞 騷.
漕 0 1 32 1
0 1
▼
即 総 為 9 “ 怕 」 杓 閏楚
坦 誌擾
蘂
Dx=
O.
亘 Dx=
O.
2 ▼第 π波薯
壁
荷重・
時 間曲線 l Tv・
o I O.
2sec h−■
t−変 形
.
時間 曲線 ト十一
ヨ 図一
喝 体育 館の床の弾 力性測定 装 置に よ る測 定 結 果の一
例 に測定で き ない こ と,
す な わ ち変形・
時 間 曲 線よ り直 接Tv、
。
が求め ら れ ない こ と が判明 し た。 そこ で本研究で は, 変形 の立ち上が り時 点 (図 中t
]) か ら変形が最大 値に 達し た以降再び0に戻る時点 (図 中t2
)まで の変形・
時 間 曲 線に は試 料床ご とに再 現 性が あ り, かっ 試 料 床の勤 的挙動を正 確に 測定できて いる とみ なせ るこ と,
あ以 降の本 来の 試 料 床の挙 動は基本 的に 床 自体の 自由 振 動 性 状に依 存している と み な せ るこ とに 着目 し, 以 下に述べ る方法でTv.
pを求め ること と し た。 1) 変形・
時 間 曲線を微分 して得ら れる速度・
時 間 曲 線 か ら,
t:にお け る速 度 v2 を求め る (図一
5参 照 )。
・
2
) 床の自由減衰振動を別途測定し,
固 有 振 動 数,
減 衰 定 数を求め る。
具体 的には 柔道 場床の緩 衝 効 果 測 定 装 置 を 用い,
重 錘 落 下に よ る 動 的 荷重作用後装置全体が床か ら浮き上が ら ない程度 (30〜60cm
)まで重錘落 下 高さ を下 げて,
自由 減 衰 振 動 を測 定す る。
3) 1)で求めた速 度 Vtと,
2)で求め た 固 有 振 動数,
減 衰 定 数か ら,
速 度 振 幅が所 定の変 位 振 幅Dx
に相当す る値 まで減 衰 するの に要 する時 間 をT
,.
D として求め る。
Dx=
0.
5m皿 Dx=
LOmm一__一____一一一一一
.
9雪冒騨一一一一一■胴,骭.
一一一一冒雪冒一圃一9 __ .一一 一一一 一一一一一.
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(soc) 図一
7 振 動 減 衰 評 価 尺 度と Tvn の関 係 7.
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5 5,
0 7.
5 10.
0一
35
一
な お 2)の測 定は, 試 料 床に柔 道 場 床の緩衝効果 測 定 装 置 (図
一
4)の シ ャ フ ト (3)〜
荷 重 板 (8
)の重量 を 載 荷・
し た状 態で行う。
以 上に述べ た方 法で , 試 料 床の動 的挙動の測定結果か ら間 接 的に T,.
p を 求めた。 なおDx
の 値は,
体 育館,
剣 道 場 床 を対 象と し た場 合と 同 じ値 (0.
2mm )が 必 ず しも適 用 可 能と は限 らないと予 想さ れ た た め,
現 段 階で は 固 定せ ず O.
2mm を 含め数 段 階 設定し,
算 出される Tv、
p と振 動 減 衰 評 価 尺 度との対 応を検 討した う えで決 定 する こと とし た。 6.
3.
振 動 減 衰 性 能 を表す物理量の設 定 図一
7に仮にDx =
0.
1 mm,
O.
2mm,0.
6mm,
1.
Om
皿 と して算 出し たTv.
。と, 5.
2.
で構 成し た振 動 減衰評価 尺 度との関 係を示 す。
図中△ 印で示 し た 点 を除き,
いずれの場 合において も 両 者は良好に対応し て お り, 図中点線で示し た対応の中 心傾 向を示す曲線 (以降,
対 応 曲線と記す)が容 易に得 ら れ る。
図中▲ 印で示し た3
点は,
い ずれ も変形の最 大 値 Dmax (図一
一
5 参照)の値 (2.
8〜
3,
l cm )が他の試 料床 の値 (0.
5〜2.
6cm )と 比較 して著し く 大 きい点で あ る こと から,
着 地 動 作な どに よる加 振 初 期の変 形が,
振 動 減 衰 性 能の判 断に他の試 料 床と 比べ て無 視で きな い程 度 0 00
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O 下地床のTv,
D (sec) 図一
8 試 料 床の下 地 床の Tv.
ρ
の関 係一 36 一
まで大き く影 響し た ため,
対 応 曲 線からや やはずれ たと 考え ら れ る。 し か し これ らの試 料 床の Dmax は,
筆 者の一
部 ら が 調 査,
報告 し た実 在する柔 道 場床の Dmax の範 囲 (O.
8〜2.3cm
)u・
2)を大き く逸 脱して い る ため t 検 討 の対象か ら除 外で き る とい え る。 以上 を前 提と すれば,
振動 減衰 性 能を表す物理 量 とし て Tv.
。 を設 定し て も実 用上 ほ と ん ど問 題ない と考える こと ができる。 な お図よ り,Dx =
O.
1〜
1.
Omm の範囲 では,
Tv.
D と 振 動 減 衰 評 価 尺 度との関 係は Dx により ほ と んど変化し ない こと が明らか な ことか ら,本 研 究では既 往の研 究 4 〕・
5) との共 通 性を考 慮 し,
Dx=
O.
2mm とする。
また図一
8に,
各 試 料 床か ら畳を取り除い て測 定し た 下 地 床のみのTv
Dと各 試 料 床のTv・
p の関 係 を 示 す。 図 か ら,
両者の絶 対 値は ほ ぼ一
致し て い る こと,
す な わ ちTv.
D の値は同じ下地床で あ れ ば畳の有 無,
種 類に か か わ らずほ ぼ一
定であ ること が わ か る。 さ らに こ の こ と は,
使用す る 畳 が未定あ るい は未設 置の場 合で も,
下 地 床の み のTv.
D を 測 定 す るこ とに よ り畏 設置 後の振 動 減衰性 能を類推,
表示で き ること を意味してお り,
施工 中の床の性能確認や,
新た な床の開 発,
設計の場 面に お い て有 効な知 見といえ る。 つ ぎに図一
9に,
体 育 館の床の弾 力性 測 定 装 置 と 柔 道 場 床の緩 衝 効 果 測 定 装 置で測 定 し た下 地 床の Tv.
D の関 係を示す。
図か ら両 者の対 応は十 分と はい いが た く,
体 育 館の床 の 弾力性測 定装置に よる Tv.
。で は柔 道 場床の 振 動 減衰 性 能を表 示でき ない こ と,
す な わ ち一
般 的な 運 動競 技 施 設 床よ り振幅が大きい柔 道 場床を対象と し た本研究で は,
体 育 館, 剣 道 場 床 を対 象と し た場 合とは別 個の測 定 装 置が必 要である こ と が確 認で き る。
一
方Tv.
p で振 動 減 衰 性 能 を表 示で き ない床, す な わ ちDmax が2.
6cm より大きい床をも対 象とし て振 動 減 衰 性 能を表 す 物 理 量の設 定を試み る ことは, Dmax の範囲 に関 係な く適 用で きる評 価 指 標 が 得 ら れ るばか りで な く,
類 似する刺 激 を対 象と し た以 降の研究に有 効 な指 針 を与え る意 味で, 十分意 義の ある こと といえ る。疆
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0 柔道場床の緩 衝 効 果測 定 装 置 によ る下 地 床のTv.
D (sec) 図一
9 体育館の床の弾力性測定 装置と柔 道 場 床の緩 衝 効 果 測 定 装 置によ る 下地 床の Ty,
oの関 係5 4