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K. ハーゲストの『自己金融論』についての一考察

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(1)... ..... ,. : r,:� f\'/ --. ぶ/'. 、. . ... .?. :.. _).:;し• ・. ;. 商経学叢. 第48巻第 3号 2002年3月. K. ハーゲストの『自己金融論』についての一 考察 健. 浦. 牧. 概要 本稿は,Hagest, K.:Selbstfinanzierung des Betriebs. Stuttgart 1952を中心にした , 第二次大戦後でのドイツの自己金融論の学説史研究である。ここで本稿の概要を述べれば, ハ ー ゲストが自己金融を個別経済的には長所,国民経済的には短所が強調される問題として. 検討したという立場を重視しながら,まず , 自己金融の本質的なメルクマ ー ルを検討するこ とにより,その前提と限界を明らかにした後,「自己金融は2つの要素,すなわち,貨幣資金 の集積と新たな経営目的のための使用(Verwendung)から構成される」という広義の解釈か ら,自己金融の方法(Methode)を整理する。そして , 個別経済的な観点と国民経済的な観点か ら,自己金融の長所と短所を明らかにする。 キーワ. ー. ド. 原稿受理日. ハーゲスト. 自己金融 配当政策. 秘密準備金. 資本の誤配. 租税制度. 2001年12月27日. 1.. はじめに. ドイツでは,1880年代から急速に進んだ工業経営の技術は巨額な資本需要をもたらした が,第 一 次世界大戦まで株式が製造業の復興(Aufbau)の軍要な担い手であった。しかしなが ら, 技術進歩の危険をとりわけ負担しなけれはならない,たとえば.化学工業の部門や八 たとえば,Krupp, Borsig, ReemtsmaやHenkelのような同族会社と人的会社では自己 金融が本質上関与していた(beteiligen) 2)。また,第 一 次大戦前の十年間では,貸付資本家 (Rentneraktionar)を満足させるため,配当を同 一 額に維持する試みが支配的であったか, この株式のレント化(Verrentung der Aktie)は大規模な準備金政策(Reservepolitik)と広 範な自己金融の下椿えとなった. il. 。 第 一 次大戦後, 株式会社に僅かな支援しか期待させな. 1) Vgl.Hagest, K.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung des Betriebs, Stuttgart 1952. S.11· 12.;Prion, W.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung der Unternehmungen, Berlin 1931.. S.13-14. 参照。拙稿(プリオンの自己金融論)「プリオンの『自己金融論』についての 一 考察」商. 経学叢. 第48巻第2号 2001年150頁. 2) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.12.;Mellerowicz, K.:(Selbstfinanzierung) Selbst­ finanzierung der lndustrie, in: Die Fiihrung des Betriebs 1942. S.201.. 3) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.12.;Prion, W.:Selbstfinanzierung. S.32. 参照。拙稿(プリ オンの自己金融論) 152頁 �109. (513).

(2) 第48巻第 3号. い, 劣悪な資本市場のため, 自己金融の試みは 一 層強化されたが. 金マルクヘの転換 (Goldmarkumstellung) 後でも株式会社は貧弱な資本基盤を有していたため. 適度の配当. 性向の下での準備金の形でかなりの利益余剰(GewinntiberschuB)が蓄積された 4). 5 l 。 1929. 年から始まり, 1931年に頂点に達した経済危機は, 自己資金(eigene Mittel)が損失により 大部分喪失されたため. 自己金融に対して活動の場を認めなかった。 しかしながら, 1933 年以降予想外の回復を経験し, 自己金融に対する前提が, 再び与えられ. 以前に経験し な か っ た規模で 利用 さ れ た 。 特に . 秘密自 己 金 融 (ver deckte oder stille Selbst­ finanzierung)が優勢になったが,株主に好景気の利益を渡さず, 公債の売却を促進する法. 律により自己金融政策を国家も支援してい t-. 6). 。 この点, プリオン (Prion, W.)が 1933-. 1937 年まで自己金融は 6 Mrd. RM であったと推測したように Bl, 1933-1938年度では自己. 金融が経済の復興の主要な担い手であった 9) 。 1945 年の敗戦による壊滅の後 , 消費財では, 不足での良好な価格により当面の支払困難. はかなり簡単に克服できたが,他の企業は非常に危険な状況にあった。しかしながら, 1948 年 6月21 日の通貨改革後, たいていの企業は良い成果を再びすぐに獲得することに成功し た が,. その成果は 自 己 金 融の経路 (Weg) を 通じて最も差し迫った投資 (dringendste. Investition) を即座に可能にした。 当時, 自己金融の割合は, 第 一 位であったが, 長期的に. は逓減した 10 ). II) 。. 同時に, 租税政策, たとえば, 1948年 6月22 日の租税法の修正ゃ 1950. 年 4月29 日の所得税法と法人税法の修正などにより. 企業か資本の新たな形成をできるよ 4) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.12. 5) この点. プリオンは. 工業の自己金融の程度を 1928 年度ては 2 Mrd と算定したが (Vgl.Prion,. W.:Selbstfinanzierung. S.45.参照。 拙稿(プリオンの自己金融論) 146 頁), 1924-1929 年の工業の 株式発行額は4.7Mrd, 借入資本調達は 3Mrd であった(Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S .13.;. Mellerowicz, K. :Selbstfinanzierung. S.202.)。 6) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.13.. 7) この点, 1934 年3月29 日に施行された, 資本投下法(Kapitalanlagegesetz) では. 株式会社は,. 6% を上回る利益分配において. 超過配分に対応する金額を公債に投資すべきであると, 1934 年 12月4 日に施行された. 公債株式法(Anleihestockgesetz) では. 6 %もしくは 8% の分配限度を上. 回る配当は.株主のために国債に投資する. ドイツ金割引銀行(Deutsche Golddiskontbank) に支 払われるぺきであると規定した(Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.13-14.; 参照。 森 昭夫著 (自己金融論)「企業自己金融論』千倉書房 1963 年 19 頁注20) 。. 8) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.14.;Prion, W.:(Finanzwunder) Das deutsche Finanz ・ wunder, Berlin 1938. S.41.. 9) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.14.. 10) Vgl.Hagest. K.:Selbstfinanzierung. S.15-16. 11) この点. 自己金融により, 1948 年の後半期は80%, 1949 年の前半期は75-80%, 1949 年の後半. 期は66%, 1950 年の四半期は55% まで. 全体の資本調達は充足された(Vgl.Hagest,K.:Selbstfinanzierung. S.16.;Wollert, H.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung und Kapitalmarkt, in:Die WirtschaftsprOfung 4.Jg. 1951. Nr. 6. S.125f.) -110. ( 514) 一.

(3) Kハーゲストの「自己金融論』についての一考察(牧浦) うに, 租税負担を軽減したが, その際 たとえば, 減価償却の自由, 経済財や工場建物の 評価の自由(Bewegungsfreiheit)などに主眼が置かれていた 12)。 しかしながら, 1951年6 月27日の所得税 と法人税法の改正と簡素化のための法律(Gesetz zur Anderung und Vereinfachung des Einkommensteuergesetzes und des Ki:irperschaftssteuergesetzes) により, 自己金融の租税法上での優遇は経済政策のために限定されたため, 自己金融から 他人資本調達(Fremdfinanzierung)への移転が起こった 13). 1 4). 0. いずれにせよ, 自己資本(Eigenkapita!)の獲得のために機能を十分発揮できない資本市 場では, ほとんど専ら自己金融に委ねられる。しかしながら, その長所と短所の検討では, 本質と方法(Methode)についての深い洞察は欠けており, これにより誤った判断が下され, 経済発展にとって問題になっている。 本稿で検討する. —本質. 方法. 長所. ハ. ーゲストの著『経営の自己金融. 短所』(Hagest, K.:Selbstfinanzierung des Betriebs, Wesen. Methoden Vorteile Nachteile, Stuttgart 1952.)は, 自己金融の問題の複雑さをもたらし ている, 密接な相互関係(Zusammenhang)を指摘し, 経営関係者に対して適切な判断を下 すための基礎を示唆することを課題としている 15) 。 以下では, まず, 自己金融の本質的な メルクマ ー ルを検討することにより, その前提と限界を明らかにした後,「自己金融は2つ の要素, すなわち, 貨幣資金(Geldmittel)の集積(Sammlung)と新たな経営目的のための使 用(Verwendung)から構成される」. 16). という立場から, 自己金融の方法(Methode)を整理. する。 そして, 個別経済的な観点と国民経済的な観点から, 自己金融の長所と短所を明ら かにする。. 2.. 自己金融の本質. ハーゲスト(Hagest, K.)は経営(Betrieb)と企業(Unternehmung)を厳密に区分しないが汽 企業の持続可能性(Dauerhaftigkeit)と いう要求から, 貨幣資金か十分に存在するよう に配慮されなければならない。 通常, 貨幣資金の調達に役立つ, 企業活動は資本調達 (Finanzierung)と呼ばれ,経営経済学では,このような活動に対して,資本の調達(Kapital12) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.16-17 u. S.53 u. S.133-134. 13) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S. 5 - 6 u. S. l 7 u. S.134. 14)この点 , ハ ーゲストは.「経営の財務管理(Finanzgebarung)の国家側からの影響可能性は今日 の経済体制では主に租税政策にある」(Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.133.)とみなしている。 15) Vgl.Hagest. K.:Selbstfinanzierung. S. 6. 16) Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.77 u. Vgl.S.68-69. 17) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.22. -111 (515) 一.

(4) 第48巻第 3号 beschaffung)という表現がしばしば用いられてきた 18) 。 この点, たとえば, メレロビッツ (Mellerowicz, K.) は , 資 本 調 達 を 経 営 のた め の 資 本 の 調 達 (Kapitalbeschaffung fur Betriebszwecke)と解し, 企業全体の財務管理 (Finanzierungsgebarung)の基本原則 を設定. しようとしたため, 資本の調達とともに,資本の返済 ( Riickzahlung)も資本調達, つまり, 経営の資本状況の秩序付け (Ordnung der betrieblichen Kapitalverhaltnisse)であり,. 日. 常的な資本処理(tagliche Kapital-Disposition)も含めた 19) 。 このような広義の解釈に対し て 20),. タイシンガー (Theisinger, K.)は, 資本調達を企業のための資本の調達 (Kapita!­ 対価の実際の準備 (tatsachliche. beschaffung fiir Unternehmungszwecke) と 解 し,. Bereitstellung der Gegenwert)で十分であり, 調達資金の処分(Verfiigung iiber Finan­ zierungsmittel)と経営への投入は資本の処理 (Kapital disposition)と資本の使用(Kapita!­ verwen dung) とみなし, 資 本の調達と資本の使用を統括した ものを企業の財務経済 (Finanwirtschaft)と呼んだ 21) 。 また,. ヘ. グナ ー (Hegner, F.)も, 狭義の解釈 を採り, 「(経営. 経済的な観点での)資本調達を, 特殊な, 簡単に転換可能な資産種類の調達, つまり, 貨幣 資本の調達に役立つ, 企業のあらゆる方策と解する」. 22. ). と定義している23) 。しかしながら,. ハーゲストによれば,他の資本調達様式との比較考察により自己金融の特殊性は明らかに なるため, 資本調達の広義と狭義の解釈を詳細に検討する必要はない24) 。. 18) Vgl.Hagest, K. : Selbstfinanzierung. S.23. ; Hegner, F. : (Selbstfinanzierung) Die Selbst­ finanzierung der Unternehmung als theoretisches Problem der Betriebswirtschaftslehre. und der Volkswirtschaftslehre, Berlin 1946. S.98.;参照。拙稿(ヘグナ ー の自己金融論)「ヘグナ ー の『自己金融論』についての 一考察」商経学叢 第47巻第 1 号 2000年124 頁 19) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.23-24.;.Mellerowicz, K.:(Betriebswirtschaftslehre) Allgemeine Betriebswirtschaftslehre, Berlin 1948. S.51. 参照。 大塚 一 郎訳1933.188 頁以下. 20) この点, テン ドリ ー とグゼルが,「資本調達は, 契約上の協定により, 必要な資本部分が, 正. しい時期に,資本調達計画と一致して使用できるように配慮すること」 (Tondury, H. u. Gsell, E. :. ( Finanzierungen) Finanzierungen, Das Kapital in der Betriebswirtschaft, Zurich 1948.. S.90. ; 参照。 拙稿(H. テン ドリ ー とEグゼルの資本調達論) 「H. テン ドリ ー とE. グゼルの資本調達. 論についての 一 考察」商経学叢 第45巻 第 2 号 1998年343 頁)と解したが, ハー ゲストによれ ば, 彼らも広義の解釈を採用している(Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.24.) 。. 21) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.25.;Theisinger, K.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung, in:Leistungswirtschaft 1942. S.241.. 22) Hegner, F.:Selbstfinanzierung. S.98.参照。 拙稿(ヘグナ ー の自己金融論) 124 頁 23.) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.25. 24) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.25-26.. -112. ( 516) 一.

(5) K. ハ ーゲストの『自己金融論」についての 一 考察(牧浦) 図1. 外部からの資本の形応ー[. 資本鯛連様式の区分25) 他人資本調達. 自己資本調達. 内部ての資本の形成. 他人資本による資本調達. 自己資本による資本調達. 自己金融}-. と ころで,資本調達のさまざまな様式 (Art)は上記の図 1で具体的に示される。その際,他 人資本調達と自己資本調達 (Eigenfinanzierung)では,資金 (Mittel)が外部から流入するのに 対して,自己金融では,獲得された利益の蓄積 (Ansammlung)により自己資本の増加が生じ, 外部からの新しい資金は流入しない 26). 27. )。. このため,自己金融では,自己の力,経営自ら. により獲得される余剰 (UberschuB)による,経営の資本の形成が取り扱われ,利益の蓄積, 内部での資本の形成,一般には,企業の資本の形成 (Unter-nehmungskapitalbildung)と呼 ばれてきた。 この点,レプケ (Ropke, W.)は, 企業の資本の形成と自己金融を同一視し 28) , プ リオンは,「自己金融は,自己の余剰による資本の調達 (Kapita! beschaffung), 利益によ. 25) Vgl. Hagest, K. : Selbstfinanzierung. S.26.; Hasenack, W.: (Wesen) Wesen und Arten der Selbstfinanzierung, in : Die Betriebswirtschaft. J g.24, 1931. S.95. ; 参照。森昭夫(自己金融論) 22 頁;富永裕著(自己金融の理論)「企業自己金融の理論」千倉書房 1969年 21頁注23 26) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.26-27. 27) この点, 一部の文献では自己金融が自己資本調達まで拡張されている。たとえば,ライトナ ー (Leitner, F.)は,「自己金融を,企業家の資金 (Mittel)からの資本調達,つまり,事業家の資本投下 (Kapitaleinlage)とわれわれは解する」 (Leitner, F.:(Finanzierung) Finanzierung der Unternehmung, Berlin 1927. S.18.)と述べ, シュマ ー レンバッ ハ (Schmalenbach, E.)は,「自己金融と いう言葉は , 企業,たとえば,株式会社が配当を低く押さえ,このようにして資金を留保する場 合に主として用いられる。…•••自己金懃は債務 (Krediten)により資本調達しないものすべてであ る。正確であるためには,この形式のみを自己金融と呼ぶべきである。というのは,利益を資本. 調達のために留保する株式会社は , 自己の資金ではなくて,株主の資金により資本供給されるか らである」 (Schmalenbach, E.:(Finanzierung) Finanzierung, 6 .Aufl., Leipzig 1937. S. 7 .;参照。 ゲストは,「このような 考察様式の中 森昭夫(自己金融論) 24 頁)と説明する。しかしながら 心には,企業ではなくて , むしろ,万 一の場合企業により行われる資本投下と同様にうまく留保 利益を運用できた (aufbringen)であろう企業家がいる。このため , 自己資本調達は自己金融に組. 込まれた。しかしながら,近代的な経営経済学は,一方で企業家の資産から資本調達される過程. (自己資本調達)と,他方で企業活動の利益から資本調達される過程(自己金融)を概念上では区別す る」 (Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.27.)と述べている(参照。森昭夫(自己金融論) 21頁 24-25 頁 44 頁;富永裕(自己金融の理論) 48-49 頁)。. 28) Vgl.Ropke, W.: (Kapitalbildung) Die Theorie der Kapitalbildung, TUbingen 1929. S.11.; Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.28. 参照。拙稿(ヘグナ ーの自己金融論) 121 頁. -113. (517) 一.

(6) 第48巻第 3号. る資本調達と呼ばれる」. 29. ). と述べている。 また,. ヘ. グナ ー は, 自己金融の主要な本質上のメル. クマー ルとして, その使用にお いて他の経済主体と企業が係わらないことと, 企業内部の過程 が問題になることをあげて, 「自己金融を , 企業が貨幣資金を自己の給付による 売 上利益 ( Verka ufsgewinn)から調達するため, 企業資産の現実的かつ相対的な増加 (新規資本調達)か,. 企業に対する他の経済主体の直接的な法律上の要請を認めない, 相対的な資産の増加 (変更資本 調達 つまり, 他人資本の返済)のみを生 じ させる, 貨幣資金の調達の特別な方策と解する」. 30). と述べている。 しかしながら. 自己金融の過程を, 営業利益( Betriebsgewinn)による資金の調 達(Mittelbescha f f ung)のみではな く て, 特別に限定された 目 的のためのこれら資金の使用も含 めるものとして, テ ン ド リ ー と グゼル(Ton dur y, H. u. Gsell, E.)の主張があるが飢 彼らは, 自 己金融によって増大した資本により増加した利回り( Ren dite)もし く は最低でも平均利回りを 獲得できる状態に経営がない 限り, 自己金融は中止されるべきであると考えている32) 。 また, メ レ ロビ ッ ツ も , 自己金融の特徴として. 経営の目 的のための利益の保留(Einbeh_a lt ung)と使 用を考えるが33), 「真の自己金融は常に資本の新規形成(Ne ubild ung)をもたらす」 として, 「設 備の取替え, たとえば, 蓄積された減価償却引当金による機械の調達は自己金融ではな い。 と いうのは, 既に存在する経営手段間での交換 (設備に交換される貨幣性資金(li qui des Mittel)の みが生ずるからである)34」 と主張している。 ところで, このような広義の解釈は タイシ ンガー で最も明白である。 この点, 彼は, 「自己金融の本質的な メルクマ ー ルは, 1 .外部からの新し い資本の調達を伴わない具体的な形 式での貨幣資本の集積と, 2 .新しい経営 目 的のためのこれ ら資金の使用である。 資本の調達に限定された, 通常の資本調達概念とは異なり, 自己金融の 概念は財務経済的な(finanzwitschaftlich)意味で使用されるため, 新しい 目 的のための新たに 獲得された調達資金(Finanzierungsmittel)の経営経済的な投入を含む」. 35). と述べている。 そ. 29 ) Prion , W.:Selbstfinanzierung. S. 2.参照。 拙稿(プ リ オ ンの自己金融論)143 頁;Vgl.H agest, K. : Selbstfin anzierung. S.28.. 30 ) Hegner , F.:Selbstfinanz ierung. S.3 む参照。 拙稿( ヘグナ ー の自己金融論) 126 頁 31 ) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.29.;Tondur y, H. u. Gsell, E.:Fin anzierungen. S.167165. 参照。. 拙稿 (H. テン ド リ. ー. とE. グゼルの資本調達論) 356-357頁. 32 ) Tondur y, H. u. Gsell, E.:Finanzierungen. S.167. 参照。 拙稿(H. テン ドリ ー とE. グゼルの資本調. 達論). 357頁. 33 ) Vgl.Hagest , K.: Selbstfin anzierung. S.29-30.. 34 ) Mellerowicz, K.:Selbstfin anzierung. S. l96f.;Vgl.Hagest , K.: Selbstf inanzierung. S.30 u. S.35.;. 参照。 森 昭夫(自己金融論) 31 頁 35 ) Theisinger, K.: Selbstfin anzierung. S.242.;Vgl.Hagest, K.:Selbstfin anzierung. S.30.; 参照。 森 昭夫(自己金融論) 36 頁. -114. ( 518) 一.

(7) Kハ ー ゲス ト の 「 自 己金融論」 に つい ての一 考察 (牧浦) こでは. 調達資金に, 貨幣形態での留保された利益( zuriickbehaltener Gewinn) だけではな く て. 資産の経営上許容で きる換金化(Verflilssigung) に由来する総ての資金も含まれる。 反面. 新たな経営 目 的のための獲得された資金の使用から. 1 .たとえば.有価証券や経営上利用され ない土地の購入のように, 必要な経営 目 的のために貨幣性資金が投入されないと き , 2 .貨幣性 資金が取替調達に限定されて いると き ,. 3 .経営に必要な資産の構成( Zusammensetzung) での. 改正が問題になるが, 全体と し て経営上の作用力 (Wirkungskraft) が増加 せ ず. 経営の能力 (Kapazitat) が拡大されないと き . 自 己金融は発生 し な いとみなされる36)。 もち ろん. 自 己のカ. により実施される債務の返済は, 投資が行われないため. 自 己金融とはみな し えな いが, タイ シンガー は「逆方向での自 己金融( Se bstfinanzierung in entgegengesetzter Richtung) 」 と呼 ぶ37) 0 なお. 上記の自 己金融の本質的な メルクマー ルから. 自 己金融の重要な前提が企業内での利 益の現存(Vorhan densein) であり, その限界は利益の規模にある こ とは明らかであ る 38 ) 。 こ の 点 .. メレ ロ ビ ッツ によ れば.. 自 己 金 融 は 正 当 な 企 業 利 益 (echter. Unternehmungsgewinn) からのみ生 じ , 費用は 予めすべてのケ ー スで支弁されるべ きである。. その際 企業利益は計算上の コ スト ( 自 己資本の利子. 個別の危険手 当 (Einzelwagnis), 経営に 無関係な. 異常な成果(資本参加による成果)を含む 反面. 中性費用(過大な帳簿上の減価償却. 設備の売却損失など)は除かれる39)。また. タイ シンガー は「資本調達は利益資金(Gewinnmittel) の使用を前提とするため. 換金で き る(realisierbar) 利益部分のみが自 己金融に役立ちうる。 休 止資産でのあらゆる価格変動は排除され. 真の売上利益(Umsatzgewinn) のみが資本調達源泉 と し て 利用されうる」. 40. ). と述べて いる。 し かもまた, 換金可能な(liquid) 手元に存在する利益. 部分の企業内での使用は, 企業と貨幣提供者の間での特定の法律関係や権力関係により配分さ れな いと き にのみ, 行 わ れる41) 。 更に. 取替調達(Ersatzbeschaffung) ではな く て, 新たな経 営のための使用. つまり. 拡張の可能性( Ausdehnungsmoglichkeit) がな け ればならない。 こ の点,. ハ ー ゲス. ト は, 「獲得された資金が. 必要な取替調達に投資されるのではな く て. 他の. 36) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanz ierung. S.30-31 u. S.70 -75. ;Theisinger, K.:Selbstfinanzierung.. S.242-243. 参照。 森 昭夫( 自 己金融論) 36-37頁 37) V gl.Hagest, K.:Selbstfinanz ierung. S.32 u. S.76-77. ;Theisinger, K.:Selbstfinanzierung. S.244 参照。 森 昭夫( 自 己金融論) 37頁;富永 裕(自己金融の理論) 54 頁 38) V gl.Hagest, K.:Selbstfinanz ierung. S.33.. 39) Vgl.Mellerowi cz, K.:Selbstfinanz ierung. S.197.;Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.30. 40) Theis inger, K.:Selbstfinanz ierung. S.244.;Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S.35. 41) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanz ierung. S.35.. -115 (519) 一.

(8) 第48巻第 3号. 使用目的ーーたとえば. 経営の拡大(Betriebserweiterung)一一のために解放される程度はほと んど支払能力(Li quiditat)に依存している。 経営の拡大はまた運転資本(Umlaufka pital)の増加 を必要とすることに注目すべきである。 このため. 支払能力によ り 自己金融に強い限界が設け られ. この限界は他人資本の補給(Zufilhrung)によ っ てのみ変化され う る」. 3.. (1). 42). と述べている。. 自己金融の方法. 利益の留 保 に よ る 自 己金融の方法 も ち ろ ん, 資産部分の換金化によ り 貨幣性資金は解放されるが, 自己金融の最初の前提. として利益の留保 (Zuriickbehal tung)による貨幣性資金の集積がここでは検討される43) 。 その際, 獲得される新資本が, 準備金によ っ て記載されるときには, 公示自己金融(offene Se !bstfinanzierung), 他の資産価値の過小評価などによ っ て隠蔽されるときには, 秘密自. 己金融が行 わ れる44\ この点,. 貸 借 対 照 表 上 で法定 準 備 金も し く は 任 意 準 備 金 と し て 利 益 の分離. (Gewinnabson derung) が示されれば, 公示準備金が発生するが, これらは債権者保護のた. めに利益配分を免れる保証項目(Garantie posten)で あ る45) 。 と り わ け, 外部, たとえば, 株 主側からの影響可能性がないため, 法定準備金の額 まで利益部分は自己金融のために必然的 に利用できる。 その際, 損益計算書では準備金の形成は費用項目として現れる(決算利益の確 定前に 準 備 金は形成される) が,. 経営経済的に は 準 備 金の 形 成 は 利 益 の使 用. (Gewinnverwen d ung)とみなされるべきである46) 。 また, 株式会社では, この法定準備金以. 外に, たとえば, 設備の更新や拡張のための特定積立金(Sonderriicklage)とともに, 任意準 備金が形成されるが, 信用政策では, これらによ り 実際の資本の強化(Ka pitalstarke) が暗示 され, 固定された (haften)資本は, 万 ーの損失を収容できる, 資本の準備 (Ka pi talreserve) として予防的なク ッ シ ョ ン (vorgelagertes Polster)の役割を果たす47 ) 。 42 ) Hagest, K.:Selbstfinanzie rung. S.35-3 6.. 43 ) Vgl. Hagest, K.:Selbstfinanzie rung. S.39.. 44 ) Vgl. Hagest, K. :Selbstfinanzie rung. S.39-40.. 45 ) Vgl. Hagest . K.:Selbstfinanzie rung. S.40.. 46) Vgl. Hasenack, W. :(Gewinnbe rechnung) Gewinnbe rechnung und Selbstfinanzie rung im. neuen A ktienrecht, in: De r p ra ktische Betriebswi rt. Jg.18, 1938. S.272. ; Hagest, K.:Selbst­. finanzie rung. S.41-42 u. S.43.. 47) Vgl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung . S.42.. - 1 16. ( 5 20 ) 一.

(9) Kハーゲストの 「 自己金融論」 についての 一考察 ( 牧浦) 反面, 実践上の自己金融で は , たいてい秘密準備金の設定(Legung) が考えられる48) 。 そ の際. 一. 方 で , 過大な費用による手続き(M ittel) が用いられるが, 貸借対照表上での借方項. 目の過大評価 と 成果計算での費用の過小評価を阻止する上限により, 過大な利益の表示に 反対する配慮に商法 は 甘ん じ ており, 借方項目の過小評価 と 過小な利益の表示に備 える規 定 はない。 このた め, 実践で は 過小評価のため の可能性 は 任意に(in bel ieb igem Umfange) 与 え られており49) , 具体的に は , 設備資産 ( Anlagevermogen) の過小評価 と 減価償却の過 大評価 と と もに, 運転資産 (Umlaufverm ogen) の過小評価 と 製造原価の過大評価などが行 わ れるが, 運転資産の短期に転換する部分は, 短期的な資金のみを固定できるため, 秘密 準備金の収納に は 適 し てお らない 50) 。 他方 で, 貸方項目の過大評価による利益留保 で は, 設備資産 と 運転資産に対する貸方 側 での価格修正項目(Wertber icht igungsposten) による 間接的な減価償却が あ るが, 価格修正項目の記載により高額の減価償却が非常に強 く 印象 づけられるた め, 秘密準備金の設定に は 好 まれない5 1 ) 。 反面, 自己金融の観点•で は, 保証 義務や年金義務のため の積立金 は , たいてい長期に亙って機能を発揮するた め, 貨幣資金 形成(Geldm ittelb in dung) の適 当 な形式 と み なされる。 し か し ながら, 存在 し ない債務の 記載( Aufnahme) や手元の支払義務の 引 上 げ(Heraufsetzung) は 禁止されており, 貸方 側 で の計算限定項目(Rechnungsabgrenzungsposten) にも秘密準備金のための余地 はない52. ). 0. なお, 税法は必然的に秘密準備金 と は 敵対的な立場に あるが, 投資活動を強化する刺激 と し て租税政策 は長年に亙って評価の自由 と いう手段を用いてきた53)。 また, 個人会社 と 人的会 社 で は 自己金融 と 自 己資本調達の経営経済的な現 象 は 相互 に 混合 し ている (tiber­ gehen) と 一 部 で は みなされているが 54). 55). ,. 総利益の 10%, 後に 15% までに制限されたが,. 非分配利益の 5 0%を非課税にする,有名な所得税法第 10条のa で税法は長期間に亙って個人 企業 と 人的会社の自己金融を促進 し てきた56 ). 5. 7). 。 また, 株式会社 で は, 株式発行による基. 48 ) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.40 49 ) Vgl.Hagest, K.: Selbst finan zierung. S.44. 50) Vgl.Hagest, K.: Selbst finan zierung. S.48.. 51) Vgl.Hagest, K.: Selbst finan zierung. S.50-51.. 52 ) Vgl.Hagest , K.: Selbst finan zierung. S.51-52. 53 ) Vgl.Hagest, K.: Selbst finanzierung. S.52-53 u. S.133-134. 54 ) Vgl.Hasenack, W.: Wesen. S.95.. 55 ) こ の点, ハ ー ゲス ト は 「 自己金懃 は基本的には特定 の 企 業形態に限定 さ れない」 (Hagest, K.: Se !bst finan zierung. S.56.) と か, 「秘密の経路によ る 自己金融にと っ て企業形態によ り 本質的. な差異 は 生 し ない。 そ れ はあらゆ る 企 業にと り 租税回避手段(Steuerabwehrmittel) と し て同等 に重要である 」 (Hagest, K.:Selbstfinan zierung. S.56.) と 述べている 。. 56 ) Vgl.Hagest, K.:Selbst finanzierung. S.55 -56. u. S.133. -117. ( 5 21) 一.

(10) 第48巻第 3号. 本金の増加 に 396の課税 をする と い う . 資本取引税 (Kapital verkehrsteuer)が自己金融の優遇 に 効果を発揮してきた58) 。. (2). 資産の換金化 に よ る 自己金融の方法. 経営の経過中は実物財から貨幣性資金への持続的な転換(dauemde Umwadlung) と , 逆の 転換が起 こ るが, 経営設備( B etri ebsanlage)は長期間 に 亙 っ て不変 に 用いられ う るため, 取替 調達時点 まで見積消耗(geschatzter V erschl eiB)の期間計算上の把握 に より資金は解放され,. 少な く と も 一 時的 に は(t emporar) 自由 に 使 用 され う る。 そ こ では, 獲得された解放資本 (Freika pital)は, 通常の利益の獲得で現れるよ う な剰余資本(Mehrkapital)ではな く て, 既 に. 現存するが, 拘束されていた資本の解放, つ まり, 相対的な利益( relativer G ewimm)が問題 にされている。 しかしながら, こ のよ う な資本の解放は, 自己金融 に 関して, 絶対的な利益 (absoluter Gewimm)から獲得される追加資本( Zusatzkapital) によるの と 同 じ 効果を示す 59 ) 0. と こ ろ で. 蓄積された経験の有効な活用 ( Ausw ertung) に より. 経営給付の減少を発生させ ず に . 資本投入(Kapital einsatz)の削減が徐 々 に (allmahlich)できるよ う になる。 こ の点. た と えば. 解放された減価償却引 当金が追加投資( Neuin vestition) に 用 いられる と き. 資産の再 編成( V ermogensumschichtung) に よりほば 100%の増大が可能になる. ル フ チ ( Ruchi, H .)の 数例を見ても明らかであ るが, 減価償却は資産の維持のための手段のみではな く て , 更 に 自 己金融 の 手 段 で も あ る 60 ) 。 ロ. ー. マ ン (Lohmann, M) も 減 価 償 却 に よ る 拡 大資本調達. ( Erweiterungsfinanzierung)の効果 に つ い て の有益な例を示し ている 61 ) 。 更 に .. レ ーマ ン. (Lehmann, M. R.)も経済活動の生産関係(Produktionsver haltnis)の改善 に役立つ技術進歩の. 大部分が多かれ少なかれ資本の大規模な解放をもたらす こ と を指摘した62). 63. )。. 57) こ の点, 1951年6月27 日 の所得税と法人税法の改正 と 簡素化の た め の法律(第22 3 条) は こ の優遇を 1951年 7月 1 日 の施行によ り 廃止した (Hagest, K.:Selbstfinanzie rung. S.56FuBnot 1 u. S.1 33.) 。. 58) Vgl.Hagest, K. : Selbst finanzierung. S.57.. 59) Vgl.Hagest, K. : Selbst finanzierung. S.59-60.. 60) Vgl.Hagest, K.: Selbst finanzierung. S.60-61 u. S.72.; Ruchti , H. : (Abschreibung) Die Bedeu­ tung der Abschreibung fur den Betrieb, Berlin 1942. S.20 f.. 61) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.61-6 3.; Loh mann, M. : (Abschreibungen) Abschrei­ bungen, was sie sind und was sie nicht sind, in : Der Wirtschafts pr Ofer, 2.Jg, Nr.12, 1949.. S. 353. 62) Vgl.Hagest, K.: Selbst finanzierung. S.6 3-65.; Leh mann, M. R. : ( Technischer Fortschritt) Technischer Fortschritt, Kapital freisetzung und Kapitalfehlleitung, in:Zeitschri ft fur. Betriebswirtschaft. Jg.21, Nr. 2. 1951. S.74 u. S.75. 63) こ の点, レ ー マ ン に よ れ ば, 減価償却内で 2 つ の 構成部分, す な わ ち , 1 . 元 の 生産能力の維持. を確保する た め に , 必要な減価償却 と , 2. 元 の 投入 さ れ た 資 本 の維持 を 保証す る た め に, 更に/ -118. ( 522) 一.

(11) K. ハ ーゲス ト の「自己金融論」 についての 一 考察(牧浦). 反面, 設備資産 に 比 べて運転資産はより ス ピ ー デ ィ に転換するが. 在庫 と 債権 により経 営資本の名目価値相 当分がかなり長期 に 亙って拘束されるこ と は稀ではない。 この ため. ここでも. 経営の給付量を削減するこ と な し に . 資本を他の使用目的の た め に 解放する と い う 可能性が巧みな処理 により用意され う る64) 。 この点.. ハ ー ゲス. ト によれば. 在庫を特. 徴で区分 し . 各 グ ル ー プを対象 に し て. 在庫維持での経済性の ための コ ン ト ロ. ー. ルの手段. と し て. 平均有 高 に 対する売上高の比率 と 解されている. 有高 回転率( Umsa tzschnelligkeit des Bestandes) が用いられるべきであ る65) 。 ま た . 売掛金では支払猶予期間の短縮. 受取. 手形では手形割 引 により, 自己の支払手段 ( Za hlungsmittel)を節約できる。 更 に , 製造期 間 中 に 支払われる. 前受金を受け取れる可能性が あ れば. より好都合で あ る。 ここでも. 売掛債権を区分 し , 各 グ ル ー プ に 対 し て. 回転率. つ まり. 各売掛債権の平均有高 に 対す る当該商品の年間販売額の比率で管理されるこ と が望 ま し い66) 。 そ の際. 「回転率の上昇 は, 同 時 に 処理可能性. 更 に 取 引 の反復可能性(Ver viel faltigung des Umsatzes)を改善 し . 利益を高め. 自己金融をこの経路で容易 に するもの」. 67 ). と みな し う る。. なお. 自己金融 に 関 連 し て, 合理化による資本の解放が大きな意義を有する。 この点. 合理化で見られる, 節約された資金が しば し ば改善方策や拡張方策 に より直 に 再 び持ち出 される と い う 現象は. 自己金融が合理化の方策 に より促進される と い う 事実を変えるもの ではない。 「 合理化」 と い う 概念は合理的な組織(vernun ftge m aBe Gestaltung)を意 味す る68) 。 そ こでは. 時間 と い う 要素が特 に 重要である69) 。 作業体制(Arbeitsgliederung) と 作業順序(Arbeitsablauf) の合理化により製品のい わ ゆ る経過 期 間(Durchlaufzeit) は大幅 に 短 縮できる 70 ) 。. (3). 貨幣資本の 使 用 面 で の限定. 自己金融では新 た な経営目的の た め に 獲得された資金は使用される と い う 理論的な立場 から,. 1 . た と えば. 有価証券や経営上利用されない土地の購入のよ う に . 必要な経営目的の. \必要になる . 減価償却が区分 さ れ う る (Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.64.; Lehmann, M.R.: Te chnischer Fortsch ritt. S.76.; 参照。 森 昭 夫( 自 己金融論) 230-231 頁 注 7) o. 6 4 ) Vgl.Hagest , K.: Selbstfinanzierung. S.65. 65 ) Vgl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.66.. 66 ) Vgl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.66.. 67) Theisinger, K.: Se lbstfinanzierung. S.2 49.;Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzie rung. S.67.. 68 ) Vg l.Hagest , K.Se lbstfinanzie rung. S.67.. 69 ) Vg l.Hegne r, F.: Se lbstfinanzierung. S.55.参照。 拙稿(ヘ グ ナ. 70 ) Vg l.Hagest, K.: Se lbs tfinanzierung. S.68. -119. ( 5 23 ) 一. ー. の 自 己金融論) 129 頁.

(12) 第48巻第 3号. ために貨幣性資金が投入されない と き, 2.貨幣性資金が取替調達に限定されている と き, 3 .経営に必要な資産の構成での改正が問題になるが, 全 体 と し て経営上の作用 力が増加せ ず, 経営の能力が拡大されない と き, 自己金融が発生 し ないこ と は既に示 し た 7 1) 。 し か し ながら, 実践では, た と えば, 在庫の積増 し や信用 供与の拡大などへの経営内で生 じ た資 金の使 用 が含 まれるよ う に, 上記の経営経済上で理論的な概念構成によ り 認められるもの よ り も, 自己金融の概念はかな り よ り 広 く 把握されている72). 73) 0. この点, 自己金融の使用 面での第 一の前提は, 獲得された 貨幣性資金が経営に必要な目 的のた めに投入され, か つ , 経営 と 無関係な目的の ために投入されないこ と で あ る。 この た め, す べての経営外での資産投資( Vermogenanlage)( 経営に用 いられない土地, 建物, 設備, 資本参加( Beteiligung)など) と 有価証券 と 銀行預金は, 経営に必要な資金の 当 座の (vortibergehend) (短期的な) 配備 ( A nlage)に役立 たない限 り , 含 まれない74) 。 第 二に,. 貨幣性資金が, 取替投資に規定されておれば, 既に経営目的の た めに拘束されてお り , そ の投入の時点のみが検討され う る75) 。 この ため, 理論上では, 補充すべき減価償却額は経 営内で協働する (mitar beiten)のではな く て, む し ろ 確保され(reservieren), 貸借対照表で 借方側に分離される(ausgliedern) べきで ある と い う 要求が見られる76 ) 。 し か し ながら, 経 営経済上では, 継続 し た 支払能力の コ ン ト ロ. ー. ル下で, 取替調達の時点では更新の た めの. 資金が確実にあ るか, 適 当 な処理によ り 解決される と い う 根拠のあ る見通 し が あ る限 り , 解放され た減価償却の た めの資金が経営内で追加の自己資本 と し て協働するこ と には異議 は唱えられない 77) 。 第三に, 競争力の維持は設備の継続 し た 近代化を要求する 78) 。 この点, ハ ー ゲストは, 「新規調達において技術進歩は考慮される が, 全 く 追加設備が調達されない 限 り , 経営の拡大は問題にされず, われわれの解釈によれば, このよ う な資本調達過程は 自己金融ではない」. 79 ). と 考えている。. 71) Vgl.Hag est, K.: S elbstfinanzi erung. S.30 -3 1.;Theisinger, K.:Selbstfinanzi erung. S.242 -243.. 72) Vgl.Hag est, K. : S elbstfinanzi erung. S.69. 73) こ の点,. ハ ーゲス ト は 「支配的な経営経済的な見解に従 え ば, 新 た な経営 目 的 の た め の 使 用 と, 他人資本の返済 の た め の 使 用 のみが 自己金融概念に 一 致 す る 。 資 金 が他 の 目 的に供給 さ れる 限 り , 自己金融 は 生 じ ない 」 (Hag est, K.:Selbstfinanzi erung. S.69.) と述べている。. 74) Vgl.Hag est, K.: S elbstfinanzi erung. S.70.. 75) Vgl.Hag est, K.: S elbstfinanzierung. S.71-72. 76) Vgl.Hag est, K. : S elbstfinanzi erung. S.72. 77) Vgl.Hagest, K.: S elbstfinanzi erung. S.73.. 78) Vgl.Hasenac k, W. : (Anlagenabschreibung) Die Anlag enabschreibung im W ertumlauf der Betri eb e und die Sicherung der Wirtschaft, in:Zeitschrift filr Betri ebswirtschaft. Jg.15, 1938. S.130.; Hag est, K.:Selbstfinanzierung. S.73.. 79) Hagest, K.: Selbstfinanzi erung. S.73 -74.. - 120. ( 524) 一.

(13) Kハ ーゲストの 「 自己金融論』 につ いての 一考察(牧浦) とこ ろ で, 実銭で は, 経営 は自由な貨幣資金をその都度優先すべき(ver dringlich )要求の ために使用することを多かれ少なかれ強いられる。 このため, 使用可能な資金の投入では, 本来の規定により指導されず, 優先すべき経営上の要求と, 経営上の改善と拡大のための 計画が方 向を決めている。 また, 企業利益 は全 く 徐 々 に発生 し , ここから解放される資金 は , 長期の設備の拡大に資本供給するために は , 十分で はない。 し か し ながら, 自らのカ による資金が集 まるまで, 調達を長期 間延期できない。 このため, 実践で は しば しば 3 つ の可能な資本の調達形態, つ まり, 自己金融, 自己資本調達と他人資本調達が共同 し てい る (z usammenwirken )80l 。 更に, 実践で は, 自己の力により実施される他人資本の償還 ( R i.ickzahlung von Fremdkapital) は , 投資が欠けているため, 自己金融の特殊な様式と. み なされてきたが8 1 ) ' 理論上で は , 「利益の使用と し ての負債の返済 ( Sch uldentilg ung ) は 自己資本による他人資本の貸借対照表上での取替えを意味 し ,資本構成の改正をもたらす」 82 ). ものと解される。 なお, 自己金融 は2つの要素, すなわち, 貨幣資金の集積と新たな経営目的のための使. 用から構成されるため, 実践で は しば し ば自己金融が不完全な状況でも発生する。 たとえ ば, 自己金融の資金 は準備されうるが, あ る種の理由から直 ぐ に は 投資できなかったり, 本 来 他 の 経営目的のた め に 規 定 された 貨幣性資金が新 たな経営目的 の 予 備資本 供 給 ( V or finanzier ung )と し て用いられる8 3) 。 この点, 投入されえない, 資金が集積される前者. は, 戦 中と戦後の時期に実物財の不足により投資されえなかったときに現れた し 84) , 後者 は, 新規調達が緊急に(ak ut ) 発生 し , 資金の目的に無関係な使用が行われ, 損害 (Schaden) が何らかの方法で埋め合わされなければならな く なるときに生ずるが, これが外部からの 新 し い資金の補給( Zufi.ihr ung )で行われれば, 一時的な自己金融(tem porare Selbst finan­ zier ung )と呼ばれる8 5) 。. 80) Vgl.Hagest , K.: Selbstfinanzierung. S.75-76 u. S.77. 81) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.76-77 u. S.32. ;Theisinger, K.: Se lbstfinanzierung. S.244.. 82) Hagest , K.: Selbstfinanzierung. S.77.. 83) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.77.; 参照。 森 昭夫( 自己金融論) 37頁 84) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.78.. 85) Vgl.Hagest , K.: Selbstfinanzierung. S.78.. - 121. ( 525 )一.

(14) 第48 巻第 3 号. 4.. (1). 自 己金融の評価. 個別経済 的 な 考察. 自己金融については私経済的な考察方法 と 経営経済的な考察方法は広範囲に一 致してい るが, 古 く から自己金融に対する ひいき(Vorliebe)を企業では確認できる86) 。 この点, た と えば,. フォ. ー. ド ( Ford, H.)の見解によれば, 自己金融が企業の唯 一正統な貨幣の調達方法で. あった。 熟練した経営 管理により大きな利益を獲得した企業家がこの利益を再び彼の企業の ために彼の思い通りに使用するこ と は, 全 く 正当な現象 と 思わ れ, 課税の規模が配当に飢え た株主にも納得させえた87)。 また, 自己金融は自力救済( S el bsthilfe)の意味を有 し , 外部か ら必要な資本は調達されない88) 。 自らの力により資金が調達されるため, 経営に独立性が与 えられるが, 出資者からの独立性 と他人資本提供者からの独立性に区分できる。 この点, 法 律は, 経営者の行動の自由, 出資者からの独立性を広範囲に保証している89)。 反面, 他人資 本では, 資産状況の公開, 担保設定 と と もに, 返済が と り わ け 困難もし く は全 く できない と きに信用の解約告知が生ずる90) 。 更に, 貨幣提供者からの独立性は調達資金の使用の自由 と 因果関係にある9 1) 。 他人資本はしばしば全 く 限定された使用 目 的のために貸出されるが, 使 用可能性に関する制限は企業家に と って本質的な障害を意味する92) 。 反面,資金の使用の自 由に起因する短所, つまり, 自己金融による手元資金は,最適な経営規模を度外視して,拡 大をそそのかし易い。 また, 蓄積された準備金は, 取替調達の必要性を見落して, その他の目 的に使用され易い。 いわゆる資本の誤配の危惧(Gefahr der Kapi talfehlleitung)がある93). 94 ). 0. 86 ) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.84. 8 7 ) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.84-85.;Ford, H.:(Das groBe Heute) Das groBe Heute -das groBere Morgen, Leipzig 1926. S.37. 88) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.85-86 u. S.109.;Prion, W.: Se lbstfinanzierung. S.33 u. S.48.参照。 拙稿( プ リ オンの自己金融論) 15 7 頁 89 ) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.8 7-88. 90) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.88-89.. 91) Vgl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.89.. 92 ) V gl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.90.. 93 ) Vg l.Hagest, K.: Se lbstfinanzierung. S.91. 94) この点, ハ ー ゲストは 「自己金懃の危惧に効果を発揮 さ せ な い た めに , 企業家は計算制度に よ. り 開放された資金と そ の 目 的規定について持続的な洞察を行うべきである。 この場合のみ, 資金 を制御 し , 取替調達の必要性と拡大の可能性についての洞察を確保することが可能になる。 解放 さ れた 資金の由 来と使途(Verb leib) を認識する た め, 実際に大 き な コ ン ツ ェ ルンで十分に吟味 さ れた 『財務 経 済 的な運動貸借対照表』 の使用が勧められる」 (Hagest, K.:Se lbstfinanzierung. S.131-132.) と述べている。 -122. ( 526) 一.

(15) K. ハ ー ゲストの「自己金融論」 につ いての一 考察 (牧浦). とこ ろで, 経営経過の季節と景気による変動は資本需要の差異をもたらすが, この変動 する資本需要に対応するために, 大きな支払準備金(Liqiditatsreserve)の設定を自己金融 は企業家に可能にする。 また, 利益処分, 利子支払い, 他人資本の返済と設備の更新とし て放 出 されるべき金額の時期( Falligkeit)が, 異なる リ ズ ム に拘束されている販 売 過 程での 資金の解放と常に 一 致しないため, 支払基金( Liqiditatsfonds)は必要になる 95) 。 更に, 秘 密の準備金の形成では, この準備金の秘密の取崩しができ, 外部者が損失の実際の規模に ついて情報を獲得することを回避できる96) 。 しかしながら, たいてい, 利益による自己金 融の資金はゆっ く り (langsam)かつ逐次的(sukzessive)に長期間に亙って発生する。 このた め, 資本需要の程度, 緊急性と時点が自己金融の使用領域と効率 (Wirkungsgra d) を 制 約 している 97) 。 反面, 自己金融は, 全 く 利子費用をもたらさず, 他人資本調達でできるよりも, 正常な 原価以 下での, より安い価格計算を認める。 このよ う な柔軟な コ スト上の組織(Gestaltung) は, 企業が一 時的に利子支払いの必要性から解放されるべき, 危機の時期では重要である。 また, たとえば, 経営の長期の離陸期( Anlau fzeit)のよ う な, 期待される 売 上 げの増加ま で長期間に亙って経営の拡大が行 わ れな け ればならないときには, 柔軟性の問題は決定的 に重要である。 とり わ け , 自己金融は, 成果見込みを洞察できない, 良 く ても遠い将来に 実現され う る, 研究開発活動に適している98) 。 反面, 収穫逓減の法則によれば, 同一の企 薬での利益の集積には限界がある。 また, 技術と経済の折 々 の水準に対応して, 経営と企 業の最適な資本規模が存在するにもかかわ らず, 追加の自己金融によるこの超過は成果の 減少をもたらす99). 100\. なお, 自己金融では, 後の決算期間で以前に設定された公示積立金と秘密積立金の取崩 し( Au flosung) により経営成果の修正がなされる J O I ) 。 ここでは, 秘密積立金に限定するが, 配当と株式相 場の平準化(Gleichafligkeit)のための, 隠されてきた利益部分の悪い年度で. 95 ) Vgl.Hage st, K.: Selbstfinanzierung. S.92. 96 ) Vgl.Hage st, K.: Selb stfinanzierung. S.93. 97) Vgl.Hage st, K.: Se !bstfinanzierung. S.93.. 98 ) Vgl.Hagest, K.: Selb stfinanzierung. S.94-95. 99 ) Vgl.Hage st, K.: Selb stfinanzierung. S.97 u. S.113.;Conrad, J. : (Selbstfinanzierung ) Selb st­ finanzierung der Un ternehmung, Berlin 1931. S.54.. 100) こ の点 ,. ハ. ー ゲス ト は 「自己金融によってのみ 企業は安価なかつ危険を含 まない資本を使用 できるた め , 拡大が最適な経営規模を上回 っ て実施される危惧は大きく, 結果として, かなりの 成果の減少が現れる」 (Hage st, K.:Selbstfinanzierung. S.97.) と述べている。. 101 ) Vgl.Hagest, K.: Selb stfinanzierung. S.98.. -123. ( 5 27 ) 一.

(16) 第48巻第 3 号. の動員 ( Herranzie hung) による, 利益の安定化に対する努力は, 繁栄している企業では, 随時, 認められてき た が, 株主層の構成, と く に, その資産状態に左右される。 この点, 主に財産投資( Vermi:igensanlage)として株式を獲 得する株主は安定配 当 を 投機の ために 購入する株主はできる限り大きな配 当 , このため折々 の成果状態により変化する配当をめ ざ す 1 02 ) 。 ま た , 利益の安定化とともに, 秘密準備金は租税上の利益の算定にも関係してい る。 この点, 準備金の取崩しをできる限り成果の悪い年度に延期する ために, 成果の良い 年度では利益部分の秘蔵 ( Verbergung)により税金の累進 ( Steuerprogression) が 回 避され る 1 03 ) 。 秘 密 準 備 金 は 企 業 家 に 内 部 で の 取 消 し ( Abbuchung) に よ る 損 失 の 隠 蔽 ( Verscheierung)を認めるが, 企業の真の力を隠蔽し, 経済性の評価基準であ るとい う 利益. の重要な機能に キ ズを付ける 1 04) 。 このため,. ハー. ゲ ストは 「経営経済的な立場からは, 適. 当 な秘密準備金と公示積立金(o f fene R ilcklage) により資金を処理する限り, 自己金融は認 められ う る。 これに対して, 秘密の任意準備金( Willk ilrreserve)により賄われる自己金融 は経営経済上では主張できない」. (2). 1 05. ). と考えている。. 全体経済的 な 考察. 国民経済の資本備蓄量は維持されるべきであるが, 生産手段は, 製造過程により継続し て費消される た め, 繰り返して補充されるぺきで ある。 この点, 資本の維持の ための方策 の全体は資本更新 (Kapitalerneuerung)とか資本再生産 (Kapitalrepro duktion)と呼ばれ, 特定時点の水準を上回る資本備蓄 量の増 加は資本の追 加形成(Kapitalneubildung) といわ れているが, 後者は企業内で生産と節約 ( Sparen) により行われる。 自己金融では, 金額か, 消費の分野に流出 しないで, むしろ 直ちに再 び資本になる, 節約の特殊なケ ー スが取り扱 われる 1 06 ) 。 この ため, 直接的もし く は短期 閉鎖的な資本の形成と呼ばれる 1 0 7). 1 08 ) 0. 102) V gl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.100.;P rion, W.: Se lbstfinanzierun g. S.25.; 参照。 拙稿. ( プ リ オ ン の 自己金融論) 154 頁. 103) V gl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.100.. 104) V gl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.101-102. 105) Ha gest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.103.. 106) Vgl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.107-108.. 107) Vgl.Hagest, K.: Se lbstfinanzierun g. S.108 u. S.124.. 108) こ の点 メ レ ロ ビ ッ ツ によ れ ば, 自己金融は 「 新 た に形成 さ れる 資 本 を 確実に生産 目 的に誘. 導し, 使用可能な資金 の 一部分が消 費分野で喪失 す る , 信用 の経路に よ る 回 り 道 を 回避する た め, 節約の 最 も 有効かつ直接的な形式である 」 (Mellerowicz, M.: Se lbstfinanzierun g. S.206.;V gl.. Hagest, K.: Se !bstfinanzierun g. S.111-112.)。 - 1 24. ( 528) 一.

(17) Kハ ー ゲス ト の「自己金融論」 に ついての一 考察 (牧浦) また, 自己金融は信用市場 と 背反的な機能を有する。 つまり, 利益が分配に回されず, 資 本市 場 に 資 金 が渡 さ れ な い た め , 信 用 量 の 減 少 が生 ずる と と も に , 誤 った投資 (Fehlinvestition)もし く は資本の誤配の恐れが高まる 1 09) 。 この点, 企業の持分所有者, と り わ け, 株式会社の株主は少ない所得を受 け 取り, 少ししか消費 や 貯 蓄を行わ ないため, 信用供給の脱落(Ausfall)が資本市場に現れる。 反 面, 自己金融する企業の資本需要は資本 市場に現 れないが, 自己金融に関連した経営の拡大では, たいてい追加の他人資本が必要 になり, 利子率の引 上 げもし く は高額維持を誘発 する。 また, 自己金融する企業は, たい てい信用力がある と みなされているが, 多かれ少なかれ信用取 引 に参加しないため, 信用 危険が高まり, より高い危険プレ ミ ア ム の加 算による 利子率での支弁(Abgeltung)が要求 される 1 1 0) 。 同時に, 資本の誤配に対する危惧は自己金融に対する最も国民経済上の重要な 異議 と なってきた 1 1 1) 。 この点, プリオン によれば, 資本の形成の源泉 と しての自己金融は, 資本の形成に必要な資金が信用提供者から調達され, 時折報告される場合よりも危険をよ り容易に引き受 けるため, 資本の誤配を増長する 1 12) 。 また, 秘密に留保される資本は利子 請求 と 返済請求をもたらさず, 経済的な投人の コ ン ト ロ ため, 経営の拡大では,. ー. ルを広範囲に免れうる 1 1 3 ) 。 この. コ ストの影響を過小に評価し, 最適な経営規模を超過する危険が. 簡単に生ずる 1 14)。 この点, プリオン によれば, 自己金融は大きな利益が獲得される所でのみ 可能であるため, 基本的には, 新規に形成される資本の最も儲かる使用が保証されるが, 最 も儲かる場所だけではな く て, 国民経済の大切な場所に新たに形成された資本を誘導するこ と を課題にする, プロ の信用仲介者である銀行が排除される場合に, 危惧が見られる 115) 1 1 6) 。. 1 09) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 09. 1 10) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 1 0.; Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.3釦参照。 拙稿 ( プリオンの 目 己金融論) 1 57- 1 58頁 1 1 1 ) Vgl.Hagest. K.: Selbstfinanzierung. S. 1 1 2.; Ropke, W.: Kapitalbildung. S. l 9f. 1 1 2 ) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 1 3.; Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.34.; 参照。 拙稿 ・ ( プリオンの自己金融論) 1 57頁 1 1 3 ) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.1 1 3.; Theisinger, K.: Selbstfinanzierung. S.253. 1 1 4) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.1 1 3. 1 1 5) V gl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S. 1 1 5.;Prion, W.:Selbstfinanzierung. S.34.; 参照。拙稿(プ リオンの自己金融論) 1 60 頁 1 1 6) この点 , ハ ー ゲス ト は 「資本の誤配では, 資本が喪失されるだ け ではな く て, 更 に, この資 本が他の, お そ ら く 少し儲かるが , 国民経済上では同等 に 重要な 企業 に 渡されな い 。 これら企業 は, 必要な資本がな い た め, おそ ら く 儲 か らな い 。 たとえ ば , 中小企業の よ う に , 信用機関 か ら 継母の よ うに 取り 扱われる, 経営では, 不足は特 に 苦労しながら受 け 止められて いる」 (Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S. 1 1 5.)と述べて いる。 -125. ( 529 ) 一.

(18) 第48巻第 3 号 更 に . 企業利益が分配されれば. 受取人では所得とな り 消 費と貯蓄 に さ ま ざ ま に分け られるが, 自己金融 に 用い られれば. このよ う な多様性は現れな い 。 国民経済では自己金 融の規模 により. 貨幣 ・ 資本市場のみ ではな く て. 生産手段 • 消 費財市場でも変化が見ら れるが, とりわけ, 価格政策と競争状態 に 影響力を及 ぼ す 1 17) 。 この点. 国民経済上では. 経営給付の同 等もし く は全 く 増加した量 に お い て価格は逓減傾 向を有 す ることが要求さ れ, 自由経済では個 々 の経営は自己金融のため に , 市場販売価格と原価の乖離で ある, 差 額利回り(Differentialrente)のみ を使用できる 118)。 しかしながら, プ リ オ ン によれば,. カ ルテルでは, 高額維持された価格から獲得される利益が競争者の買収 に 用いられる。 言 い 換えれば, 自己金融は集中化の過程(Konzentrationsvorgang)を促進する傾向が あり, カ ル テ ル政策は カ ル テ ルの意図(Kartellgedanken)の遂行, 最後はト ラ ス ト ヘの移行のため に資金を自身で供給するが, その際, 資本の調達の 当 面の(akut)困難を回避するの に 役立 っ ため, 適切な高価格 により自己金融が行われる 119) 。 反面, 調達資金は 不 当 競争 に誤って 用いられ易 い。 自己金融する企業は, 市場状態が適 当と思われる限り, 追加的 に 投入され る秘密の資本 に 対して利子の計算を放棄し, 減価償却 引 当金(Abnutzungsquote)を不完全 に 把握するが, これは, 有効な支出が発生しな い ため に , できる。 また, このよ う な企業 は, 競争者よりも本質上常 に 競争 に お いてより好都合で あり, 同 一の経済部門の企業 に 過 小価格 により損害を与える 120) 。 更 に , 自己金融の付随現象として, 不正確な貸借対照表と 成果計算があるが, 給付の比較を不可能 に し, 競争の様式 につい て判定を下すことを不可 能 に する 121) 。 なお, プ リ オ ン によれば, 自己金融は生産手段の産 出を増加させ, 消費材の 市場で需要を後退させ, 究極では, 自己金融 に は それ により引 き起こされる危機(Krise)が 見られる 122) 0 そして, 自己金融 による国家財政上の作用に は租税収入の減少がある。 その際, 利 益の 蓄積の結果として二重課税の回避による合法的な脱落(Ausfall)と, 秘密準備金の設定 に 関 係した利益修正による不法な秘密の脱落 に 区分される。 この点, たとえば, 1952年度の株 1 17) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 1 6- 1 1 7.; Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.37.; 参照。 拙稿(プ リ オ ン の 自 己金融論) 1 58頁 1 18) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 18 u. S. 1 20. 1 19) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 18- 1 19.;Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.38.; 参照。 拙稿(プ リ オ ン の 自己金融論) 1 58頁 1 20) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 20- 1 2 1 . 1 2 1 ) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 2 1- 1 22. 1 22) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 22.; Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.3冗参照。 拙稿 ( プ リ オ ン の 自己金融論) 1 58頁 注91 - 126. ( 530 )一.

(19) K. ハ ー ゲストの「自己金融論」 に ついての一 考察 (牧浦) 式会社では, 法人税控除後, 公示準備金 と 秘密準備金で留保される純利益 に は更 に 課税さ れ な い の に 対して, 配 分 に 向 け られる利益部分 に は資本成果税(Kapi talertragsteuer)が課 せ られ, 配当受取者で所得税が課せ られていた。 しかしな がら, 自己金融は秘密準備金 の 形 成 に より国庫 と 国家財政 に 対して , 租税上の価格下限(Wertuntergrenz) の確定 と 強固 な 租税上 の 監査 に 逆 わ な け れば不可能であったが , 脱落をもたらしてきた 123) 。. 5.. ま と め. 自己金融は専門書に おいてさま ざま に 判定されてきた。 著者た ち は全 く 異 な る観点から 同一 の 対象を考察し,. 一. 致した結論 に は達して お ら な い 1 24) 。. ハ ーゲストは「現象を真 に正. 当に 評価し, 客観的 な 判 定を下すため には, 可能な 考察様式を採り入れ, 場所 と 時間 上 の 特殊性を抽象する , 全体洞察(Gesamtschau) に よって のみ行える」. 125. ). と いう立場を採る. か , 自己金融では, 個別経済上では長所, 国民経済上では短所が 目 立っている に もかか わ らず1 26) , 「自己金融 の 判 定 に 関しては, (経営経済上の )作用(Auswirkung) と 自己金融 に 関 連した(国民経済)全体 の 作用から全体 の 現象を徹底的に 解 明し, すべての個別事例で妥当 な も の と して適用できるよう な , 確定された, 不変 の 理論は存在しない」. 12 ) 7. と 考えてい. る。 反面, 自己金融 の 短 所は総ての経済体制で同一 の 意義を有する のでは な い が 128 1, 自由経 済体制では, た と えば , 金融制度 に より調整的な 作用を発揮する信用規制は自己金融 に よ り無力化される。 また, 自己金融は総て の 経済上 の 制 約 と 胆酎(Riicksichtnahme)からの 解放(Freimachen),. コ ン ツ ェ ル ン,. カ ル テ ル と ト ラ スト と いう企業 の 集 中(Zusammen­. schluB)で 目 立った兆候を示す過程を意味する 1 2 9) 。 しかしな がら, 自 己金融のこのような. 1 23) V gl.Hagest, K.:Selbstfinanzierung. S. 1 23- 1 24 1 24) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.83 u. S.98.; Hegner, F.: Selbstfinanzierung. S. 1 4- 1 5 u . S . 1 3 3 - 1 34. 参照。 拙稿(ヘグナ ー の自己金融論) 1 22 頁 1 25) Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.83-84. 1 26) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 28 u. S. 1 3 1 . 1 27) Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 28. 1 28) こ の点, メ レ ロ ビ ッ ツは, たとえ ば, 「資本の誤配という自由 経済で明 らか に 重要な危惧は統 制 経済で自己金融に 反対する最も強 い 論拠とはもはや み な し え な い 。 その意義は増大する経済指 導(Wirtschaftslenkung)とともに 逓減する」 (Mellerowicz, M.: Se! bstfinanzierung. S.205.; Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 27.)と述べてい る。 1 29) V gl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 26. - 127. ( 53 1 ) 一.

(20) 第 48巻第 3号. 短所は程度 に か な り依存し, 「企業の評価の自由が小さ な簡素化(kleine Erleichterung) に 限定される な らば, 自己金融は好都合な 全 体経済上の作用を有する。 反面, 自己金融が全 体経済からか なりの手段を取り上 げる程の規模であ れば, 誤った投資の危険はか なり大 き く , と に か く 秘 密 準 備 金 に よる自己金 融 は 国 民 経 済 上不適 当 な 資本調達手法 (Finanzierungsinstrument)と な る」. 1 30). に もかかわらず, 「自己金融の完全 な 放棄は実践. 上 で は 考 え ら れ な い 。 む し ろ , 2 つ の 源 泉 , つ まり , 自 己 金 融 と 市 場資 本 調 達 (Marktfinanzierung) が その折 々 の経済状態 に 合わされ, 相互 に 調和して併用 されるべ き. である」. 1 31 ). 。. おわり に ,. ハ. ー ゲストの自己金融論の特徴を纏めれば, 以下のように な る。 す な わち,. 自己金融の本質的 な メルクマ ー ル に つ いては, タ イ シ ン ガ ー に 依 存して 1 32 ) ,. (1). 1 .調. 達資金 は 経 営 も し く は企業自ら に よ り 使 用 さ れ る が , 利 益 の 社 内 留 保 (Thesaurierung) か, 資産の換金化に より調達されること, 2 .このよう に して獲得さ. れた資金は新しい経営目的のため に 投資されること(拡大投資), 3 自 己金融の特殊 な 様式として利 益資金(Gewinnmittel) に より実施される債務の償還が あ げられうるこ とを指摘で き る 1 33 ) 。 (2). 自己金融の前提は, 1 . 費 用 の支弁 ( Aufwan dsdeckung) に 用 いられるべ き で な い,. 企業活動 に よる実際 に 換金可能 な 貨幣売上 げ(Gelderlos)の現存( Vorhan densein),. 2.. 貨幣売上 げが企業内 に 留保されうる可能性と, 3 .この資金を新たな 経営目的のため に 利 用 で き る可能性に 要約で き る 1 34) (3). 利益の社 内 留 保 に よる自己金融は, 1 .公示利益の非分配(公示準備金) による自己金. 融と, 2獲得した利益の非表示(秘密準備金) に よる自己金融 に 区分で き るが, このよ う な 利益の社 内 留 保 に より, 他人資本や資本参加の資本のよう な , 企業 に 対する資本 要請 ( Kapi talanspru ch) が発生しな いことが重要である。 しかしな がら, 自己金融から 獲得される資金は永 久 に 利 用で き るのでは な い 1 35) 。 しかも, 通常, 経営の経過 に 対応. 130) Thei sing er, K.: S e!bstfinanzi er ung. S.254. ; Vgl.Hagest, K.: S e!bst finanzi er ung. S.128 u. S.129.. 131 ) Hag est, K.: S elbstfinanzier ung. S.130.. 132 ) 参照。 森 昭夫( 自 己金融論) 19 頁 注22 3 6 頁 133 ) Vgl.Hagest, K.: S elb stfinanzi er ung. S.32.; 参照。 森 昭夫( 自 己金融論) 38 頁; 富永 裕( 自己金. 融の理論) 7頁. 13 4) Vgl.Hagest, K.: S elbstfinanzier ung. S.3 6.. 135 ) Vgl.Hagest, K.: S elbstf inanzi er ung. S.57-58.. -128. ( 532) 一.

(21) K. ハーゲス ト の 『 自 己金融論」 についての 一考察 ( 牧浦) して資金は全 く 徐 々 に 蓄積される。 こ のため, 自己金融では資本の突然か つ 衝動的な (ruckweise)増加は問題 に はならない 1 36) 。 (4 ). 設備資産の減価償却. 在庫品と売掛債権の回転率の促進. 合理化の方策 に より獲得. される解放資本は. 通常の利益の獲得で現れるよ う な剰余資本ではな く て. 既 に 現存 するが. 拘束されていた資本の解放であるが, 自己金融 に 関して, 絶対的な利益の社 内 留 保 に よる自己金融と同 じ 効 果を示す 1 37 ) 。 こ の点,. ハ. ー ゲストは 「巧 みな経営処理. と組織(Organisation)の継続的な改善 に より資金は節約され, 経営の維持ととも に , 自己の力 に よる経営の安定した成長が保証される」 (5 ). 13 ) 8. と考えている。. 取替調達, 資産の再編成と経営の拡大の間での定かでない投資面での区分に より,. ど こ で資本の維持と自己金融が取り扱われるのかはしばしば確定されえない。 しかも. 実践では. 蓄積された利益資金の使用 に つ いての決定は決算 日 まで延期できず, 獲得 された貨幣資金を継続して新しい使用目的 に 振り向けるよ う に, 決定は下される 1 39 ) (6 ). 個別経済的な考察は. 自己金融を企業の正常な資本源泉と認めるが, 短所と長所を. 比較すれば. 1 .資本提供者 に 対する依存関係(Abhangigkeit)が全 く 起 こ らず. 企業家 にとって資金の使用 に 関して広範な自由が存在するが, 資本の誤配の危惧を伴ってい る。 2自 己金融は大きな支払準備金の保持(Haltung)に より経営上の資本需要の変動 を調整するが. 突発的な(stoBweise)資本需要を充たす に は十分ではない。 3 .自己金融 は利子費用を発生させず, 柔軟な コ ス ト 上の組織を可能 に する反面. 収穫逓減の法則 を無視した拡大のための資本調達(最適な経営規模の超過) に より成果状態 に 対する危 惧をもた ら す。 4 自 己金融の秘密形式は, 秘密準備金の形成(Bildung)と取崩 しを通 じ て利益の規制と, 一定の(gleichmaBige)配当と相場の安定のための政策を可能 に す るが, 経済性の評価基準としての重要な特性を利益値は失なう 140) 。 要する に , 「自己 金融の長所を経営に 与えるため に は. 無節操(MaBlosigkeit)の禁 止 に より短所を防止 する こ と に カ ギ は あ る」 (7 ). 全体経済的な考察は, 本質上, 自己金融の短所のみを確認させるが, 以下の結論を. もたらした。 すなわち. 136) 137) 138) 139) 140) 141). 1 41). 1 . 自己金融では企業の任意的な節約過程が問題 に なり, 資. Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.58. Vgl.Hagest, K.: Se! bstfinanzierung. S.59-60. Hagest. K.: Selbstfinanzierung. S.68. Vgl.Hagest. K.: Selbstfinanzierung. S.59-60. Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. l 05-1 06.; 参照。 森 昭夫( 自己金懃論) 245頁 Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S. 1 06. - 129 ( 533 )-―.

(22) 第48巻第 3 号 金 は 消費領域に 流出せず に , む し ろ 直 ち に 再 び資本となる。 2 . 節約と投資の同時的 な発生 により信用市場は節約資金(Sparmittel) により影響されず,このため信用量の減 少が生ずる。 更 に , たいていの良 く 自己金融された経営の信用需要の脱落 に より通常 の信用危 険 は 拡 大し, 結果として利子率 は 高 く なる。 3 . 信用市場の コ ン ト ロ. ー. ルが. ない, かつ, 秘密 に 留 保される資金 は, 利子請求と返済請求を もたらさず, 経済的な 投入の コ ン ト ロ. ー. ル を 広範 囲 に 免れるため, 自己金融 は資本の誤配と, 国民の財産の. 浪 費(Vergeudung) を 促進する。 4 . 自己金融された経営 にと っ て, 高額利益への努力 は持続的な動機(Anlafl)で あり, 同等もし く は増 加した数量 に お いて低下傾 向 を 示すと い う 国民経済上望 ましい価格政策と は 反対 に, 価格 を できる限り高 く 維持する。 そし て, このよ う な高価格の政策 は経済力の寡 占化と集中化をもたらす。 5 . 秘密準備金 により装備された経営 は, 必要ならば, 秘密の資本の利 回り(Verzinsung) を 放棄し, 万 一の場合 に は減価償却引 当金を 不十分 に 計算上 で取り込むため, 競争で は 競争者よ り本質上有利 で ある。 このため, 自己金融 は 不 当 競争の起点 に なり う る。 6 . 株式会 社の二重課税の回避と, 秘密準備金の設定 に関連した利益操作 により, 租税 収 入 は 自 己金融 により削減される 14 2) 0 なお,. ハ ー ゲ ス トの自己金融論 は,. タ イ シ ン ガ ー に 依 存したものとみなされてきた. が, 「 当 時の資本の不足, これ により条件づけられた, 貸付資本 を 受け取ることの困難 さ, 他人資本 に 対する高い コ ス ト に おいて, 自己金融か企業の 一 種の自力救済 になっ た」. 1 4 3\. 1950年代前半の社会 ・ 経済状況 を 無視して は 評価できないもので あ る 1 44 ) 0 参考文献. 1 ) Conrad, J.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung der Unternehmung, Berlin 193 1 . 2 ) Ford, H.:(Das groBe Heute)Das groBe Heute. ― das. groBere Morgen, Leipzig 1 926.. 3 ) Hagest, K.:(Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung des Betriebs, Stuttgart 1952. 4 ) Hasenack, W.:(Wesen) Wesen und Arten der Selbstfinanzierung, in:Die Betriebswi rtschaft. Jg.24, 193 1 . 5 ) Hasenack, W. : (Gewinnberechnung) Gewinnberechnung und Selbstfinanzierung i m neuen Aktienrecht, in: Der praktische Betriebswirt. Jg. I 8, 1938. 1 42) Vgl.Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.124-125. 143) Hagest, K.: Selbstfinanzierung. S.134-135. 144) こ の点, ハ ーゲス ト に よ れ ば, 1950年の 前半では. 「調達資金の管理(Steuerung)は通貨改 革と こ れ に よ り 必要に な る 貸借対照表の再編成 に よ り と り わ け意義を獲得していた 」 (Hagest. K.: Selbstfinanzierung. S.131-132.)。 -1 30. ( 534 )一.

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