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財務報告の目的と金融商品の時価評価

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(1)63 早『琶昌ヨi自学;竃392号. 2002年3月. 財務報告の目的と金融商品の時価評価. 福. 島. 隆. 1.はじめに 金融商晶に関する会計基準は,世界的に見ても時価評価を導入する方向に進 んできた。たとえば,アメリカの会計基準,国際会計基準およびわが国の会計 基準では,特定の有価証券〔1〕やデリバティブ取引について時価評価することを. 規定している。これらの会計基準が金融商品をすべて時価で評価することを規 定していないのに対して,近年では原則的にすべての金融商品を時価で評価す る全面時価評価論が台頭している。. もともと財務会計基準審議会(Financial. A㏄omting. FASB)や国際会計基準委員会(htemationa1A㏄ounting. Standards. Standards. Board:. Committee:. IASC)(2〕は,金融資産・負債を全面時価評価することを最終目標にしていた。. FASBは,「審議会は,概念的また測定上の問題が解決されたときは,すべて. の金融商品を公正価値で貸借対照表に表示するべきであると信じている」 (FASB,1998,par.3説)と述べている。またIASCは,「企業は,当初認識後. において金融資産および金融負債を公正価値で測定しなければならない」 (IASC,1997a,Ch劃pter5.par.3.1)ことを提案した。ともに金融商晶を基本的. には全面時価評価することを念頭においていたことがうかがえる。. さらに金融商品について世界的な統一基準を作成するために,「金融商品 695.

(2) 64. 早稲田商学第392号. ジョイント・ワーキング・グループ(Joint. Worki㎎Group:JWG)」が結成さ. れ,金融商晶に関する会計基準を検討してきた成果として公表されたドラフト 基準(Draft. Standard)においても,「金融商晶および類似項目にとって最も有. 用な測定属性は公正価値なので,金融商品を公正価値で測定し,公正価値の変 動を基本的には発生した期問の損益計算書で認識すること」(JWG,2000,par− 136,結論の根拠par.1.6)が提案されている。. このように金融商晶を時価評価する範囲が拡大し,また時価評価差額を当期 の損益とする方向に向かっているのは,これらの情報が会計情報として有用性 をもつからであると考えられる。. そこで本稿では,財務報告の目的の観点から金融商品の時価評価に意義が見 出せるのかについて検討したい。具体的には時価情報と時価評価差額情報が会 計情報二として有用であるかについて考察する。. 2.会計理論の転換と測定属性 本節では,金融商品の時価情報というストックの評価が重視されるように なった背景を会計観の観点から考察し,その会計観と金融商晶の測定基準との 関係について述べることにする。. 2−1. 収益費用アプローチと資産負債アプローチ. 国際的潮流としての会計基準の基礎理論が取引フローの期問配分を重視する ものから個別ストックの評価を重視する方向に変化している(徳賀,2001,p. 56)。一般的には,前者は収益費用アプローチ(reveme 呼ばれ,後者は資産負債アプローチ(asset. and. and. liability. exp㎝se. view)と. view)と呼ばれてい. る=3〕。これらのアプローチは,FASBが1976年に公表した討議資料で詳細に検. 討されており,そこでの両アプローチの特徴を概観することにする。. 収益費用アプローチとは,利益を1期間中の収益と費用の差額に基づいて定. 696.

(3) 財務報告の目的と金融商品の暗価評価. 65. 義するアプローチである(FASB,1976,par.38)。このアプローチでは,収 益・費用が支配的な概念であり,資産・負債の測定は利益測定プロセスの必要 性によって規定される(FASB,1976,par.42)。. これに対して資産負債アプローチとは,1期間における営利企業の正味資源 の増加測定値を利益と定義し,利益を資産・負債の増減額として定義するアプ ローチである(FASB,1976,par,34)。このアプローチでは,正の利益要素で. ある収益は当該期間中の資産の増加および負債の減少として定義され,負の利. 益要素である費用は当該期間中の資産の減少および負債の増加として定義され る。資産負債アプローチは,資産・負債の属性およびそれらの変動を測定する. ことが基本的な測定プロセスなので,その他の財務諸表構成要素(資本,利 益,収益,費用,利得,損失)はすべて,資産・負債の属性の測定値相互間の 差額あるいは当該各測定値の変動額として測定されるのである(FASB,1976, par.34)。つまり,資産負債アプローチでは,資産および負債が最も基本的な. 要素になり,収益. 費用といった構成要素の定義は資産と負債の定義から導か. れていることになる。. この討議資料での比較検討を受けて,財務会計概念ステートメント(State− ment. cf. Fimncial. A㏄o㎜ti㎎Concepts)では資産負債アプローチが採用されて. いると考えられている。それは,概念ステートメントにおける財務諸表の構成. 要素の定義から推測できる。FASBは,概念ステートメント第6号において貸. 借対照表および損益計算書の構成要素を次のように定義している(FASB, 1985,p劃rs.25,35,49,78,邑nd80,訳書pp,297−326)。. 資産:過去の取引または事象の結果として,ある特定の実体により取得また. は支配されている,発生の可能僅の高い将来の経済的便益 、負貸道;:過去の取引または事象の結果として,特定の実体が,他の実体に対. して,将来,資産を譲渡しまたは用役を提供しなければならない現在 697.

(4) 66. 早稲田商学第392号. の債務から生じる,発生の可能性の高い将来の経済的便益の犠牲 持分:負債を控除した後に残るある実体の資産に対する残余請求権 収益:実体の資産の流入その他の増加もしくは負債の返済(または両者の組 み合わせ). 費用:実体の資産の流出その他の費消もしくは負債の発生(または両者の組 み合わせ). このように,概念ステートメント第6号では,資産と負債の特性を「経済的 便益」(5)に求めると同時に収益および費用についてはその特性が資産と負債に. 基づいて規定されている。資産および負債が最も基本的な要素になり,収益と. 費用の定義が資産と負債の定義から導かれるというのは資産負債アプローチの. 特徴であり,このことから概念ステートメント第6号は資産負債アプローチを 採用していると考えられるのである。. 2−2. 資産負債アプローチと測定属性の関係. 両アプローチを比較すると,収益費用アプローチではまず収益および費用が 定義され,その定義を受けて資産および負債が定義されるのに対して,資産負 債アプローチではまず資産および負債が定義され,その定義を用いて収益およ び費用が定義されることになる。それゆえ,「財務諸表数値の把握の順序に関 して,資産負債アプローチでは,資産または負債の数値の把握が第一義におか. れ,収益または費用はその差額として従属的に決定され,収益費用アプローチ では,収益または費用の認識および測定に第一義がおかれ,資産または負債は そこから導き出されることになる」(佐藤,2001,p.19)と考えられる。. 上述したように,会計基準の基礎理論がフローの期聞配分からストックの評 価を重視する方向に重点が置かれるようになってきたということは,資産負債 アプローチの考え方が多く取り入れられているということである。しかし,資. 698.

(5) 財務報告の目的と金融商品の時価評価. 67. 産負債アプローチを採用することが直ちに資産・負債の時価評価を意味するわ けではない。つまり,「資産負債アプローチによって決定されるのは,貸借対 照表上の資産性および負債性が資産・負債の定義自体から導かれるということ. だけであって,その測定については,時価評価の可能性は高まるものの,特定 の結論が含意されるわけではなく,資産負債アプローチを採用した場合でも, 貸借対照表を原価評価することは理論的には可能」(辻山,2000a,p,628)と いうことである(6)。. したがって,会計観が資産負債アプローチという個別ストックの評価を重視 する方向に変化しているという背景は金融商品を時価評価する一つの根拠とは なりえても,それがすべてではないということである。ただ情報の有用性の観. 点から考えれば,資産・負債の時価評価が会計情報して有用であれば,時価情. 報が貸借対照表に表示されることになる。つまり,r惰報としての有用性が認 められれば,期末の資産負債のストックが時価評価されることもありうる」 (辻山,2000a,p.629)のである。. そうだとすれば,まず財務報告の目的および有用な会計情報を明確にし,そ. の上で金融商晶の時価情報がその目的に合致するかを検討する必要があ乱そ こで次にこの点について考察することにする。. 2−3. 財務報告の目的. 財務報告が果たす役割は,一般的に,情報提供機能と利害調整機能に分ける ことができるて7)。情報提僕機能とは投資者の意恩決定に役立つ情報を提供する. という機能であり,利害調整機能とは,経営者・債権者・株主といった多数の. 利害関係者間の利害対立を調整するという機能である。つまり「前者は,企業 のファンダメンタルズを投資家へ開示することで,将来の企業成果に関する予 想形成と,それに基づく.企業価値の評価に寄与する役割であり,後者は実際の. 企業成果を測定することによって,それに依存する事前の契約を事後的に戴定. 699.

(6) 68. 早稲田商学第392号. する役割」(斎藤,ユ998,p.4)ということができる(8〕。FASBおよびIASC は,財務報告の目的について,次のように規定している(9〕。. まずFASBは,概念ステートメント1号で,「財務報告は,現在および将来 の投資者,債権者その他の情報利用者が投資,与信およびこれに類似する意思 決定を行うのに有用な情報を提供しなければならない」(FASB,1978,par.34,. 訳書p.26)としている。また「財務報告は,投資者,債権者その他の情報利 用者が,当該企業への正味キャッシュ・インフローの見込み額,その時期およ. びその不確実性を評価するのに役立つ情報を提供しなければならない」 (FASB,1978,par.37,訳書p.28)としていることから,有用な情報とは,企. 業への正昧キャッシュ・インフローの見込み額,その時期およびその不確実性 を評価するのに役立つ情報と考えられる。したがってキャッシュ・フローを生. み出す企業の能力を評価するのに役立つ情報を提供するという財務報告の目的 は,情報提供機能に焦点を当てていることになる。. これに対してIASCは,「財務諸表の目的は,様々な利用者が経済的意思決 定を行う際に,企業の財政状態,経営成績および財政状態の変動に関する有用 な情報を提供することである」(IASC,1989,par.12)としている。また「財務. 諸表の利用者が行う経済的意恩決定は,企業が現金および現金同等物を発生さ せる能力とそれらの発生時期および確実性を評価することを要求する」(IASC,. 1989,par−15)と述べている。経済的意思決定に有用な情報とは,企業が キャッシュ・フローを生み出す能力を評価し,またそのキャッシュ・フローの 発生時期と確実性血oを評価するのに役立つ情報であるとしている。これらのこ. とから,IASCは財務報告の目的として情報提供機能を規定していることが明 らかである。. さらにIASCは,「財務諸表はまた経営者の受託責任(stewardship)または 経営者に委託された資源に対する会計責任(acco㎜tability)の結果も表示す る。経営者の受託責任または会計責任を評価したいと望む利用者は,経済的意 7010.

(7) 財務轍告の目的と金融商品の時価評価. 69. 思決定を行うために,そのような評価を行う」(IASC,1989,par.14)としてい. ることから,利害調整機能も財務報告の目的としていると考えられる。そこで. 次節以降で,金融商品の時価惰報がこれらの財務報告の目的に適合するのかど うかについて考察する。. 3.時価情報と財務報告目的の関係 本節では,金融商品の時価情報が情報提供機能という財務報告の目的に合致 するかどうかについて検討することにする。つまりストックベースでの時価情. 報が財務報告の目的を満たしているのかどうかということであ乱FASBや IASCが規定する情報提供機能の考えからすれば,将来のキャッシュ・フロー 状況をより適確に表示する測定属性が選択されることになる。したがって, 「惰報利用者が必要としている情報であれば,それが時価,取得原価さらには 現在価値の場合もある」(興津,2000,pp,179−180)ことになる。たとえば,. ある資産の時価情報が取得原価情報よりも有用な場含には測定属性として時価. が選択され,逆の場合には取得原価が選択されることになる。金融商品の時価. 惰報が有用な惰報であるかどうかということは,当該情報が企業への正味 キャッシュ・インフローの見込み額,その時期およびその不確実性を評価する のに役立つ惰報となるかどうかということである。. 「金融商晶のうち現金及び他の企業の持分金融商晶以外は,一方の契約当事 著に現金又は他の金融資産を受け取る権利を,他方の当事者にそれらを引き渡 す義務を生じさせる契約,または一方の当事者に有利な条件で金融商品を交換 する権利を,他方の当事者に不利な条件で金融資産を交換する義務を生じさせ る契約である。これらの契約は,最終的にはキャッシュ・フローの受け払いを もって完結するので,公正価値が将来のキャッシュ・フローの価値を反喚する 情報となる」(大塚,2001,p.30)と考えられるが,この点についてさらに検. 討してみたい。そのためには,金融藺晶の時価はどういった要素が反映されて. 701.

(8) 70. 早稲田商学第392号. 決定されるかについて考察する必要がある。. まず時価という用語であるが,わが国のr金融商品に係る会計基準』では 「時価とは公正な評価額をいい,市場価格に基づく価額をいう。市場価格がな. い場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とする(第一の二)」と定 義されている。. 時価に類似する概念としては公正価値がある。公正価値は,「強制または清 算売却以外の取引において,資産(負債)が自発的な当事者聞の現在の取引で. 販売(決済)され得る金額。利用できる場合には,活発な市場の市場価格は時. 価の最良の証拠である。市場価格が利用できない場合の評価技法の例として は,リスク調整をした割引率を用いた見積り期待将来キャッシュ・フローの現 在価値法などがある」(FASB,1998,par.540)とされている。『金融商晶に係. る会計基準』における「合理的に算定された価額」には現在価値法なども含ま. れるので,時価と公正価値はほぼ同じであると考えられる。そこで本稿では同 一のものとして議論を進めていくことにする。. 市場価格は,「資産または負債の効用,将来キャッシュ・フロー,それらの キャッシュ・フローを取り巻く不確実性,市場参加者がこれらの不確実性に対. して要求する額について,全市場参加者の一致した見解を含んでいる」 (FASB,2000a,par.26)ので,リスクを織り込んだ将来キャッシュ・フロー. に対する市場参加者の期待値を表していることになる。つまり完全市場を想定 すれば,金融商品の時価には,当該金融商晶が生み出す将来のキャッシュ・フ ローとリスクに付随する市場の平均的な期待が反映されていることになる。. 将来のキャッシュ・フローとそれに付随するリスクが反映されているという. ことは,金融商品の時価情報は,「企業への正味キャッシュ・インフローの見. 込み額,その時期およびその不確実性を評価するのに役立つ情報」と考えら れ,それを表示することは財務報告の目的に合致している。したがって,情報 利用者に有用な情報を提供するという情報提供機能の観点からは,金融商晶の. 7C2.

(9) 財務報告の目的と金融商晶の時価評価. 71. 時価情報の有用性が認められると考えられるω。. 以上見てきたように,保有目的を考慮外にすれば,将来キャッシュ・フロー. の評価に役立つ情報を提供するという情報提供機能の観点から,金融商品の時 価情報の有用性が認められると考えられる。. 4.時価評価差額情報と財務報告目的との関係 金融商品を時価評価すれば当然評価差額が生じる。そこで本節では,財務報 告の目的に照らし合わせた場合,時価評価差額にはどのような機能があるかに ついて考察する。まず時価評価差額がどのように処理されてきたかを概観し, 続いて時価評価差額の機能について検討する。. 4一ユ. 時価評価差額の処理の変遷. 有価証券を中心とした金融商晶の時価評価差額の処理方法は,時系列的に大 別すると次の3つに分けることができよう。. (1〕保有目的が売買目的の資産に生じた評価差額のみを当期の損益計算に算入. す私それゆえ当該差額は純利益の構成要素となる。 (2)売買目的の資産については(1〕と同様である。それに加えて(ユ)以外の評価差. 額も認識するが,その他の包括利益として表示する。したがって、当該差額 は純利益の構成要素とはならない。. (3)保有目的に関らず,すべての金融商品の時価評価差額を当期の損益計算に. 算入する。この場合,当該差額はすべて純利益の構成要素となる。. それぞれについて簡単に説明してみたい。まず(1)は,わが国の『金融商品会. 計基準』やFASBの基準書第115号ωで行われていた方法である。両基準とも. 有価証券のうち売買目的有価証券の時価評価差額を期間損益としている。ま 703.

(10) 72. 早稲田商学第392号. た,わが国の日本公認会計士協会が公表したr金融商品会計に関する実務指針 (中間報告)』は,「金銭債権等の金融資産のうち,トレーデイング目的で保有. するものについては,売買目的有価証券に準じて取り扱うものとする(269 項)」としているので,売掛金等の金銭債権も売買目的であれば時価評価差額 を当期の損益として処理することになる。. (2)の代表はFASBの基準書第130号であり,本基準は売却可能有価証券の評 価差額を純利益の区分ではなく,その他の包括利益の区分に計上するものとし ている。. (3)は,先述したように,JWGの基準案が提案している案であり,この案に よれば金融商品の時価の変動は原則としてすべて発生した期間の損益として処 理され,損益計算書に計上されることになる。. JWGは,金融商品の未実現損益を,たとえば株主持分計算書に独立した区 分を設けて表示する方法や,損益計算書の外で認識することに対しては,次の 理由で否定している(JWG,2000,結論の根拠par.6一ユ8)。. (1〕損益計算書の外で未実現損益を認識することは,公正価値に墓づく利益の. 意義を暖昧なものにし,予測および会計責任に対する基礎としての有用性を 低下させる。. (2)透明性という目的は,金融商晶の特定の損益を損益計算書で強調すること. によって達成される。またその方が損益を独立した株主の区分や業績報告書 で表示するよりも複雑」とならず,混乱も生じない。. このような理由を背景に,JWG基準では,金融商晶の公正価値の変動はす べて発生した期問の損益計算書に表示されることになる。. 時価評価差額の処理方法に関しての時系列的な特徴としては,認識する評価 差額の範囲が売買目的のみだったのがすべての金融商品へと拡大し,その評価. 704.

(11) 財務報告の目的と金融蘭品の時価評価. 73. 差額を発生期の損益として処理するようになってきたということが挙げられ る。これは時価評価差額に会計情報としての有用牲が存在すると考えられるよ. うになったためと思われる。そこで次に,この点に関して考察することとす る。. 4−2. 時価評価差額の機能. 先述したように,金融商品の時価情報には情報提供機能が認められたが,こ のことは評価差額についても当てはまるのであろうか。情報提供機能とは,財 務報告が将来キャッシュ・フローの発生時期と不確実性を評価するのに役立つ. 情報を提供するということであったが,時価評価差額情報にはこのような機能 は存在しないと考えられる。その理由を具体例を通じて説明してみたい。. 売買目的で保有している帳簿価額100の有価証券が期末時点で時価が120に なったとする(13。そして時価評価した場合,(借)有価証券20(貸)有価証券. 評価益20という仕訳が行われ,有価証券は貸借対照表上王20と表示される。こ. の有価証券が当該価格で売却できるとすれば,売却時には120のキャッシュ・. インフローがあるわけだから,有価証券の額を120と表示することは将来の キャッシュ・フローを評価するのに役立つ情報となる。しかし,評価差額の20 は将来のキャッシュ・フロー状況を示しているわけではないので,評価差額情. 報は将来の企業成果に関する予想形成には役立たず,情報提供機能を持たない ことになるω。. 金融蘭品の時価評価差額に情報提供機能がないとすれば,もう一つの財務報 告の目的である利害調整機能を有するのかという問題になる。このことを考察 するにはまず利害調整機能が何をもって達成されるのかを明確にする必要があ る。情報提供機能であれば,将来のキャッシュ・フロー評価に役立つ情報を闘. 示することで達成された。では利害調整機能を達成するにはどのような情報を 開示すればよいのであろうか。 705.

(12) 74. 早稲田商学第392号. 情報提供機能が事前情報としての役割に重きを置くのに対し,利害調整機能 は事後惰報として,すなわち一期問における企業活動の結果としての情報を開. 示することが主たる役割である。したがってこの問題は,どのような情報が箏. 後情報として重要視されるかという聞題に置き換えられよう。これについて は,「バランスシートの評価が強調されながら,その緒果が依然として利益情. 報に集約される事実を見ても,基本となるのは利益の概念である」(斎藤,. 1999c,p.9)と考えられる。これは貸借対照表の評価に重点が置かれる一方 で,成果としての数値は利益として表示されるということを意味している。一 般的に考えれば,成果としての数値は純利益を中心とした利益情報で示される ということにはそれほど異論はないであろう。. この利益概念の中心は実現利益であるが,現行基準では売買目的有価証券の 評価損益も純利益に含められている。売買目的有価証券の評価差額が当期の損 益とされる根拠は,実現可能性基準に求められる。実現可能とは,「所有して いる資産が容易に既知の現金額または現金請求権に転換される時点」(FASB, 1984,par.83,訳書p.250)のことである。実現したものだけでなく実現可能. なものも利益概念に含めることについて,概念ステートメント第5号は次のよ うに述べている。「製品またはその他の資産は,それらがさほどの努力も要せ. ず信頼できる確定可能な価格でもって売却できるという理由で,容易に実現可 能である場合には(たとえば,特定の農産物,貴金属および市場性のある有価. 証券),収益およびある種の利得または損失は,その生産の完了または当該資 産の価格の変動の時点で認識される」(FASB,1984,par.84e,訳書p.252)。. この基準に基づいて評価損益が計上され,それが純利益に含められていると いうことは,現在の利益概念は実現可能利益概念まで拡張されているといえよ う。したがって,利害調整機能の観点からは,実現あるいは実現可能な利益の. みを計上する必要がある。換言すれば,実現あるいは実現可能な利益のみを開 示することにより利害調整機能を達成することができるといえる。. 706.

(13) 財務報告の目的と金融商品の時価評価. 75. ではすべての金融商晶の時価評価差額は実現可能といえるのであろうか。. JWG基準の中でも,すべての金融商晶を公正価値で測定することに対して実 現概念の観点から反対する見解を次のように紹介している(JWG,2000,結論 の根拠par.6.15)。. 「金融商品の公正価値の変動から生じる未実現損益を認識することは,非金 融営業活動(non−financial. activities)に用いられる収益認識原則と一貫しな. い。たとえば生産活動の収益は,販売取引の緒果,実現するまで認識されな い。したがって,生産活動や収益を生じさせる活動に対する会計基準が未実現 損益を認めるようになるまで,金融商品の未実現損益を認識すべきではない。. もしくは金融商品の未実現損益は損益計算書外で表示し,実現したときに損益 計算書に表示すべきである」。. JWGは,次のような理由でこの見解を受け入れられないとしている(JWG, 2000,結論の根拠par.a16)。. (1)非金融資産に適用される概念は,金融商晶にとって適切ではない。 (2)売買目的を意図する金融商品の未実現損益を認識することは,一般的に認. められており,これと潜在的に同一の金融商品から生じる未実現損益を経営 者の保有目的にしたがって,損益計算書で認識したり,損益計算書から除外 することは,一貫しない。. また利害調整機能の観点から,金融商品の時価の変動額を損益計算書に計上 する論拠を「損益を発生時に認識することにより,会計責任および経営成績の 評価を促進する」と説明している(JWG,2000,結論の根拠par.6−13)。. このような結論を導くJWG基準案の根幹には,金融商晶の時価評価差額は すべて実現可能であるという考えがあるように思われる。今日の債権の流動化 の進展をみても明らかなように,売掛金や貸付金といった債権は投資家に売却. 707.

(14) 76. 早稲田商学第392号. できると想定し,それゆえ評価差額を実現可能利益と捉えていると考えられ る。そうであるならば,売買目的有価証券の評価差額と同様に,時価評価差額. は実現可能と考えられ,それを含めた利益は実現可能利益となり,これを表示 することは利害調整機能を遂行することになる。. これに対して,実現可能ではない金融商品の時価評価差額が存在する場合は どうであろうか。『金融商品に係る会計基準』は,その他有価証券を時価評価 することを要求しているが,評価差額は原則として損益としない。この理由と. しては,「その他有価証券は,保宥目的から見て,即時売却に制約が伴うか ら,実現可能性基準は適用する余地はない」(森川,2001,p−10)ということ. が考えられる蝸。したがってこのような実現が可能ではない評価差額を利益概 念に含めてしまうと,利益概念が実現あるいは実現可能利益のみで構成されな. いことになる。では実現可能ではない評価差額もあるときには,その評価差額 はどのような会計情報を提供しているのであろうか。. この問いに対する回答としては,評価差額を利益概念に含めることにより,. 企業の財務業績を表示するということが挙げられよう。つまり時価評価差額に は財務業績報告提供機能があるという考えである。上述したように,時価評価. 差額情報は,将来のキャッシュ・フロー予測および将来の企業成果との関係が 希薄であるので,財務業績報告提供機能と情報提供機能は異なるものである。 たとえば,イギリスの会計基準審議会(A㏄omti㎎Standards. Board:ASB). が2000年に公表した財務報告公開草案第22号『財務業績の報告の改訂』では,. 時価評価差額を含めた財務業績を一つの計算書(財務業績報告書)によって表 示するという考えが明確に示されている(1θ。換言すれば,時価評価差額自体も. 企業の経営活動の結果であり,それを表示することは企業の財務業績に関して より的確な情報を提供しうるということである。. この背景には「企業の財務業績について,企業経営者の積極的な意恩決定の 結果として生じた項目のみに限定するのでははなく,企業の純資産の増加減少. 708.

(15) 財務報告の目的と金融商晶の時価評価. 77. を生ぜしめたすべての原因項目を当該企業の財務業績として理解する」(佐. 藤,2001,p.23)ということが考えらよう。この場合,時価評価差額の実現 可能性は重要視されず,それゆえ当該情報は利害調整機能ではなく財務業績報 告機能としての意味を持つことになろう。. 時価評価差額がすべて実現可能である場合には,それを利益概念に含めるこ とにより利害調整機能と財務業績報告機能を達成できると考えられる。逆に実. 現可能でない時価評価差額が存在する場含に,それを利益概念に含めることは. 財務業績報告機能のみを持つと考えられる。どちらにしても財務業績報告機能 は達成できるので,時価評価差額を損益計算書に計上し,利益概念に含めると. いうJWGの基準案は,時価評価差額に財務業績報告機能という新たな機能を 見出しているためとは考えられないであろうか。. 時価評価差額情報に財務業績報告機能があるとした場合,市場における金融 商晶の価格変化も企業の財務業績とみなされることになる。したがって「経営 者は,自らが積極的に行った意思決定によって生じた事象のみならず,市場に おける価格変化など,企業に対して財務的影響を与えるすべての事象へ対処す ることを要求される」(佐藤,200!,p.23)ことになると考えられる。. 5、おわりに 本稿では,財務報告の目的という観点から金融商品の時価評価について検討 してきた。まず,会計基準の基礎理論がフローを重視するものからストックの. 評価を重視する方向に変化した要因として,FASBの収益費用アプローチおよ び資産負債アプローチについて概観した。そして概念ステートメントが資産・. 負債を定義し,この定義から収益・費用等が定義されている点から,資産負債 アプローチが採用されていると考えられた。しかしながら,このアプローチを. 採用することが即時価評価に結びつく訳ではないので,次に財務報告の目的と 金融商晶の時価評価の関係について考察した。. 709.

(16) 78. 早稲田商学第392号. 財務報告の目的として情報提供機能と利害調整機能があることを述べた上 で,金融商品がもつ性質から見た場合,時価情報は将来キャッシュ・フローの. 予測に有用な情報であり,それゆえ財務報告の目的の一つである情報提供機能 をもつと考えられた。. また時価評価差額情報については,実現可能か否かを中心に考察した。そし て評価差額がすべて実現可能である場合には,実現可能利益を構成することに. なり,その情報は利害調整機能をもつと考えられた。一方,実現可能でない時. 価評価差額を利益概念に含める理由は,その情報が利害調整機能ではなく,企 業の財務業績を報告するという財務業績報告機能をもつからなのではないかと. 指摘した。またそのような機能を持たせることにより,経営者の金融商晶の価 格変動リスクに対する対応を強化できる可能性もあるものと思われる。. 実現可能ではない評価差額(特に評価益)を当期の損益に含めて開示する場 合,分配可能利益の表示をどうするかという問題がある。わが国では伝統的に. 実現したあるいは実現可能性の高い利益を分配可能利益としてきたため,「財 務業績報告書は分配可能利益の表示という機能は果たしえない」(篠原,2001,. p,56)という指摘がある。これは損益計算書(財務業績報告書)の役割は, 財務業績の表示のみでよいのかという問題を提起する(1カ。この点は今後の課題 としたい。. 溢1〕売買目的有価証券および売却可能有価証券(わが国では「その他有価証券」)である。. 12〕国際会計墓準委員会は,2001年4月に国際会計基準審護会(Intematioml. dards. A㏄o㎜ti㎎S箇n− Board=IASB〕へと改組されている竈またIASBが公表する基準書は,国際財務報告基準. (I日tero邊tio皿aユFi皿a■cia】Report㎜gSt朋dards=lFRS)と呼ばれることになるo. 13〕収益費用アプローチおよび資産負債アプ1コーチの訳語問題については,藤井(1992〕を参照さ. れたい。 ω2000年10月に公表されたFASBの公開草案は,SFAC第6号における負債の定義を再検討し,改 定することを提案している(FASB,2000b)竈. 15〕概念ステートメント第6号では,資産と負債の特性が「討議資料」の経済的資源から経済的便 益へと言い換えられている(小林,2000,p26)。. 16〕FASBも「時価が必然的に資産負償アプローチに符号し,歴史的原価が必然的に収益費馬アブ. 710.

(17) 財務報告の目的と金融商晶の時価評価. 79. ローチと符合するわけではない」(FASB,1976,par.41)としている竈. (7〕財務報告の利書調整機能は受託實任会計,債権者・株主保護,処分可能利益計算,契約支援機 能,財務報告の惰報提供機能は投資者保護,業績表示利益計算,意思決定支援機能など様々な呼 び方がある(音川,1999,pp.30−3ユ)。. (8〕両機能の比較検討については,醸醐(2001,p.13)を参照されたい。. (9〕わが国の会計基準等には財務報告の目的を明示的に述べたものは存在しない。損益計算書およ び貸借対照表の目的については,前者は「企業の経営成績を明らかにする(損益計算書原則第. 一)」,後者は「企業の財政状態を明らかにする(貸倍対照表原則第一)」とされている。また. キャッシュ・フロー計算書の目的は,r企業のキャッシュ・フローの状況を報告する(連鰭 キャッシュ・フロー計算書箸の作成墓準第一)」こととされている。しかし,これらの目的は 各々の財務諸表の目的を明らかにしたものであり,財務報告全般の目的を規定したものではな. いo ω. この点に関しては.FASBは「不確実性」とし,IASCは「確実性」としているが,両者は表. 裏一体の関係にあるので,双方の規定に差異はないと考えられる担. ω ここまでの議論は,金融蘭品という区分で時価情報の有用性を検討してきたが,その保宥目的 を加味した考察も必要である。それは.「外形的には金融商品であっても,時価による換金が箏. 業目的等によって制約されているものは,事業投資と首尾一貫した方法で評価されることにな る」(斎藤,1999a.p.175)からである。. (吻. 基準書第115号の会計処理などに関しては,田中く1999)が詳しい。. (1司. ここでは売買目的の有価証券としているが,考え方自体はより一般性をもたせて資産あるいは. 評価損が発生しているケースでも成り立つ。. ω. 時価評価額が株価あるいは企業価値と関係があるということは実証分析において多数報告され. でいるが,評価差額とそれらとの関係についての分析結暴は混在している。この理由の一つとし. ては,「理屈のうえでは,投資収益に時系列の相関がない完全な資本市場において,過去の成果 が将来の予測に役立たない」(斎藤,1999a,p.171)ということが考えられよう。なお金融商品 の時価情報に関する国内外の実証分析のレビューは,河(1999)を参照されたい。 丁金融商晶に係る会計基準の設定に関する意見書』でも,「その他有価証券は,事業遂行上の. (工尋. 制約があり直ちに売買・換金を行うことは制約を伴う要素もあるので,評価差額を直ちに当期の 損益として処理することは不適切である(皿の四の2の14〕の③)」としている。. ㈱. この基準案の詳細については篠原(2001)を参照されたい。. ω 「わが国の制度では開示規制と配当規制は密接に結びついているが,利益惰報と配当可能利益 の結びつきは,原理的なものではなく,あくまでも政策的な選択の鰭果である」(斎藤,1999b, pp,259−260〕という指摘もある鉋また,「企業の期末時点での財政状態に応じて配当可能額を定 めるという方式を検討する方が債権者保護になる」(醍醐,2001,p,183)という考えもある箏 【参考文献】. 井上良二(1999)丁新財務諸表謝,税務経麗協会。 岩崎勇(1998)「財務業績と包括剃益計算書」r会計j,第154巻第3号,p叫51−66。. 滝崎直浩(1999)「包播利益をめぐるデイスクロージャーの新しい方向」r会計』,第156巻第1号、 PP.59−7ユo. 大塚宗春編著(1999)r逐条解説金融商晶会計基準」,中央緩済社。 大塚宗審{2001)「金融資産・負債の評価」『企案会計」,繁53巻第1号,pp.理一30。. 興津裕康(1993)「資産・負債アプローチと貸借対照表能力」r松山大学論剣,第5巻第4号,吸 139−151竈. 711.

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