2003年の世界の不登校研究の概観
-PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS の文献から- 佐藤正道 要約 日本の不登校の問題を考える上で,常に世界の研究に目を向け続けることは必要である。筆 者は 1980 年から 1990 年までの研究の概観を行い,その継続研究として 1991 年から 1 年毎に ERIC およ び PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS の 不登 校 との 関連 が 考え られ るキ ー ワード schoolattendance,school dropouts,school phobia ,school refusal を持つ文献を分類してきている。そ の継続研究として 2003 年の文献 98 件について取り上げ分類し検討を加えた。
Key words : school attendance, school dropouts, school phobia, school refusal
Ⅰ はじめに
筆者(1992a)は,諸外国と日本における不登校の初期研究を踏まえた上で,ERIC および PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS の school attendance, school dropouts, school phobia, school refusal をキーワードとする 1980 年から 1990 年の 400 件あまりの文献を中心に各国別,年代順 別に分類し,不登校研究の概観を行った。不登校の問題を考える上で,日本国内ばかりではな く世界の研究に常に目を向け続け,1 年毎の形式で蓄積していくことは意味があると考え,1991 年からそれぞれの年の文献について継続研究を行ってきた (1992b,1993,1994,1995,1996,1997,1998,1999,2000,2001,2002,2003)。 本研究は,2003 年の文献についての継続研究である。今回の研究では,これまでの研究と同 様,ERIC データベースと DIALOG データベースの PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS (PsycINFO データベース)を用い,文献検索を行おうとした。しかし,ERIC データベースは 2003 年の文 献以降,データベースの検索形態を変更したため,2003 年以降の文献については,年毎の検索 ができなくなった。2003 年以降の文献については,PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS のみとな る。検索方法は,インターネット経由での作業を行った。これらの中から不登校との関連が考 えられるものについて,キーワード毎に分類した。筆者の作業(1992a)に続くこの継続研究は, 今回で 13 年目に当たるが,同一規準で 13 年分の作業をし,世界での傾向を把握する基礎研究 の 2003 年分である。なお,PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS での検索形態が変更になった段階 でこの基礎研究は終了することとする。
文献が 141 件,school dropouts に関する文献が 94 件,school phobia に関する文献が 78 件,school refusal に関する文献は 58 件であった。 PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS データベース 371 件の文献の中で不登校との関連が考えら れる 98 件について,キーワード毎に分類し,研究の概観をする。 Ⅱ 各キーワード毎の研究の概観 ここで取り上げる研究は,2004 年 6 月末現在,PSYCHOLOGICAL ABSTRACTS(PsycINFO データベース)において検索し,不登校との関連が考えられる 2003 年分として収録されている 文献である。ここでは,日本の高等学校に対応する学年までの不登校との関連が考えられる文 献を取り扱っている。 1 school attendance に関する研究の概観 attendance をキーワードに持つ文献 141 件のうち,関連の考えられる 26 件について概観する ことにする。国別では,アメリカ合衆国が 19 件,英国が 3 件,南アメリカ,オランダ,ナイジ ェリア,カナダがそれぞれ 1 件である。 Bradlow(2003)は,生 徒の成績と 欠席状況 と 移動性 (転校 の回数)の 関係を調査研 究した M.C.Dunn らの文献に対するコメントを記載している。Dunn の研究には多くのポイントがある とし,重要な教育的な研究課題に Bayesian の方法を将来的に適応するモデルとして提供する方 法となるとしている。教育的達成に関する学校間での生徒の欠席と移動(転校)の影響が重要な 問題であると議論している者はほとんどいないとしている。 Dunn ら(2003)は,生徒の成績に対する欠席状況と移動性の特性との関係を論じている。移動 性とは,どれほど生徒が学校を変えるかの尺度であるとしている。欠席は,どれほど授業を休 むかであるとしている。標準化されたテスト得点は,成績に対する代用として使用されるとし ている。失われたものと観察されたもののパラメタとデータの完全な正規分布モデルが仮定さ れている。まず最初に,移動性と欠席は,高い確率で成績との否定的関係が見られているとい う。第二に,移動性に対する後端部は,欠席によって加えられるのと同等な害によっていると 考えられる。1998~2000 年の 3 年間に少なくとも一度転校すると,1999~2000 年におよそ 14 日の欠席か 1998~1999 年で 32 日間の欠席と,同等に 2000 年春に行われた標準化されたテスト において影響を与えていると述べている。 Blum ら(2003)は,若者の貧しい健康状態,薬物使用,自殺のリスクなどの特性に関連してい る要素を確認し,健康を危険にさらす行動とつながるリスク要因と予防要因についての範囲を 調査研究している。調査研究は,9 つのカリブ海の国の若い人々の代表的な標本に対して行わ れたという。10~18 歳の 15,695 人が,学校,薬物使用,性的健康,身体的性的虐待,正直さ についての質問を受けたという。調査では,暴力,精神的健康(自殺企図を含む),家族,健康 全般,健康管理,栄養,人間関係の項目も含まれていたという。結果によると,身体的性的虐 待,自殺を試みた友人や親類がいることが,健康を危険にさらす行動の広がりと関連すること
が示されたという。親,学校との関わりや教会への出席状況が,健康上のリスクのある行動と 関連が少ないということであったという。リスク要因と予防要因は,アメリカ合衆国の若い人 々の間で見られることと比較され,重要な差異と同様にその類似性について論じられている。 Davis ら(2003)は,アフリカ系アメリカ人の生徒の教育的短所に注意を向けている。アフリ カ系アメリカ人の高校 2 年生,243 人の間で,教育的成功の予測因子を調査研究している。学 年を修了するという生徒の学習への意欲による差異を予測する要因と性別によりこれらの要因 がどのように異なるかを調査している。計画された行動理論によって,概念的に導かれている という。自己の知覚についても評価しているという。結果から,ほとんどの生徒が,学年を修 了することに肯定的な指向を持ち,男子よりも女子の方がより明確に学業上の成功に向かって いるということが示されたという。計画された行動理論の態度成分は,性別の違いでの唯一の 予測因子であったという。学校への積極的な態度を持つことは,女子より男子にとって学年を 修了するという意欲のかなり偉大な予測因子であったと述べている。 Naude ら(2003)は,喘息の小学生の認識的心理社会的機能に関する喘息薬物治療の効果につ いて調査研究を行っている。アンケート調査が,南アフリカの Stellenbosch の小学校 635 人に 行われたという。これらの児童の間では,59 人の喘息の児童が特定され,年齢は 6~13 歳であ ったという。1 歳からコルチコステロイドの長期間の治療を受けている 9 歳の喘息の児童のケ ース研究も行われたという。結果によると,集中力欠陥,不注意,短期的記憶欠損,精神運動 性の機能を減少させる不十分な時間管理,気分変調,アレルギー抗体疲労症候群と関連づけら れる兆候,学習上の機能と心理社会的機能についての機能的損傷が見られたという。長期欠席, 喘息薬物治療による不利な二次的効果(副作用)を含む,機能的な損傷による落第のリスクが, 喘息の児童にはあると結論づけている。その上,総合的な心理教育的な援助モデルが採用され ることが求められ,家庭及び学校で年齢相当の機能を促進する教育的プログラムが実行される ことが求められると述べている。 Davis ら(2003)は,危機的な状態にある青少年の精神的幸福と不安との関係を調査研究して いる。State-Trait 不安検査,精神的幸福尺度,Allport-Ross 宗教指向性尺度改訂版,社会規定尺 度が危機的状態にあると考えられた 45 人の男女の高校生に行われたという。調査研究から,男 子生徒では,精神的幸福,実存的幸福,宗教的幸福,本質的宗教指向性が高まれば高まるほど, 不安はますます低くなっているということが分かったという。女子生徒では,実存的幸福が低 いほど不安が低いということであったという。精神的幸福と女性であることが,研究された変 数から最も良い不安の予測要因であることが分かったと述べている。
Johnston ら(2003)については,school attendance にも該当するが,school refusal において取り 扱うこととする。
Roder ら(2003)は,喘息のあるなしにかかわらず児童の間の類似性と相違を確立するために, 学校で処理されるストレスによる喘息の児童と心理学的な機能とを特徴づけている。関係者は, 8~12 歳の喘息の 79 人の児童と喘息ではない 359 人の児童であったという。児童は,学校での
ストレス過程と幸福についての質問紙を行ったという。親は,行動上の問題についての質問紙 を,教師は,成績と欠席状況についてのデータを提供したという。喘息の児童は,欠席状況, 教師に評価される幸福,内在化する行動上の問題,仲間による拒絶の出来事,学校での作業で の問題に対処する時の攻撃性の使用について比較的高い得点となったという。判別式の分析を 用いると,集団は,これらの変数によって明確に識別することはできないという。喘息の児童 は学校でのストレス過程と心理社会的機能に関して他の児童と同様であるという。 Chisholm(2003)は,心理学的な適応問題のある糖尿病の子どもが,家族での糖尿病関連の適 応,学校や仲間の環境を比較することによって,良く適応している糖尿病の仲間よりも,病気 の適応についての特定の領域で,より大きな困難を抱えていないかどうかを決定しようとして いる。方法としては,糖尿病の 47 人の学齢期の青年期前期の児童が,一般的な心理学的機能の 標準化された評価を受けたという。心理学的適応問題のある児童は,人口統計学的,医学的形 態,母親の糖尿病の知識,一般的な心理学的機能と糖尿病制御の関係,糖尿病適応の質に従っ て,問題を現していない児童と比較されたという。結果によれば,心理学的適応の問題のある 児童と比較的良く適応している仲間とでは,テストされた人口統計学的変数,健康状態変数, 母親の糖尿病の知識のいずれにおいても差は見られなかったという。ただし,適応問題のある 児童では,病院在宅介護チームからの訪問を受け,欠席しがちであったという。心理学的問題 のある児童に対しては,糖尿病制御と一般心理学的機能の指標が関連していると述べている。 Schulte ら(2003)は,アメリカ合衆国中西部の学区の中等学校と高等学校で共同体の感覚を調 査研究している。生徒と教師は,学校の共同体の感覚を評価するために,学校倫理傾向指標 (SECI)を行ったという。すべての SECI の尺度で,それらの学校の共同体の感覚についての中 等学校の生徒と教師の認知は,高等学校の生徒と教師の認知よりもかなり肯定的であったとい う。校種の違いにかかわらず,教師は生徒よりも,かなり積極的に生徒との相互作用と関係に ついて評価をしていたという。学校の共同体の感覚の生徒の認知,登校状況,成績との重要で 積極的な関係が見られたという。生徒が学級での活動の中で社会的技能を実践する機会を統合 することにより,学校の共同体の感覚を高めさせられると述べている。 Aluede ら(2003)は,中途退学する傾向のある青年男女の変数を調査研究している。研究の対 象者は,ナイジェリアのエド州エドセントラル学区の青年男女の中途退学者から 350 人であっ たという。データの分析から,財政的,家庭的,社会的価値と青年男女の人格という要素が, 生徒が中途退学する傾向に関わることが分かったという。しかしながら,仲間の影響と学校の 要素は,生徒が中途退学する傾向には関わらないことがわかったと述べている。 Roose ら(2003)は,子どもの精神的健康に関する視点と同時に起こるサービス支給について 論じている。子どもと若い人々の精神的健康の増加する必要性を満たすためには,適切なサー ビス開発に関する関心が求められるという。最近の政府の政策では,サービス開発で消費者と の共同作業の必要性に重点を置いているという。10 歳と 11 歳の児童の年齢集団に対する適切 なサービスに関する意見と精神的健康の概念との理解を展開するために立案された研究を行っ
ているという。二つの対象とする集団は,10 歳と 11 歳の児童で構成され,解釈的現象学的分 析を用いて分析されたという。結果によれば,参加者が精神的健康の洗練された理解を示した という。参加者は,学校を基盤とするサービスがこの年齢集団には適切でないと考えていたと いう。参加者は,理解と関心の段階が,この年齢集団に対するサービスについての議論におけ る場の資格を与えるように求めていたという。この領域の政府の政策においては,子どもと若 い人々との共同作業が適切なサービス開発に必要であると結論づけている。 Lehr ら(2003)は,専門雑誌に記述された中途退学予防と中途退学あるいは学校修了への治療 介入の研究についての統合的な概観を提供している。45 件の治療介入研究が,データベースの プログラムと文献により利用可能なアプローチの範囲を記述するために,研究デザイン,関係 者,治療介入,および研究の結果に従ってコード化されたという。さらに,効果サイズは,17 件の研究での依存変数に対して計算されたという。中途退学の現在の概念化に治療介入の研究 が反映する範囲が調査研究され,研究が健全な方法論を取り入れる程度が批判的に分析されて いるという。学校の修了を促進するために治療介入を進めるための推薦と中途退学予防研究で 締めくくられている。学校修了に向けて,中途退学に関する焦点からの移行,学校心理学者, 関連する専門家および規律に対する意味を解明しようとしている。 Spoth ら(2003)は,強化家族プログラムの治療介入実行と結果評価を報告している。対象者 は,アフリカ系アメリカ人の若い青少年と家族である。実現の実行可能性は明確に示されたと いう。十分な数の家族が首尾よく編成され,保有率は強く,観察者の格付けは高い固守を治療 介入プロトコルに示していたという。事後テストでの統制群との比較から,治療介入によって 対象とされた子どもの行動と家族ミーティングへの子どもの参加に対して積極的な結果を示し たが,他の結果尺度に対しては示されなかったという。
Northey, Jr.ら(2003)は,school attendance にも関連するが,school refusal において取り上げる。 Henggeler ら(2003)は,青年期の行為上の問題に対する証拠に基づく家族療法を概観している。 機能的家族療法,多面的療法,オレゴン治療処置促進治療の治療処置は,効果的な代替手段を 制限的配置に提供し,有効性を評価する科学的方法を用いて,既知のリスク要因の科学的根拠 を用いることによって,それらの成功を成し遂げたという。これらの 3 つの治療処置の主要な 特徴には,臨床と品質保証手順,統制された研究結果調査サポート,費用分析,過程調査が含 まれているという。 August ら(2003a)は,都市の子どもと家族にとって利用可能な近所の家族リソースセンター によって実施される早起き成功のための技能というプログラムの有効性を評価している。10 校 の幼稚園と 1 年生 327 人が,攻撃的行動に対して選抜され,早起きプログラムの 2 つのモデル か統制群に任意に配置されたという。完全な強度モデル(CORE+ FLEX)には,子どもと親の家 族構成が含まれたが,部分的なモデル(CORE 専用)では,子どもだけの構成が提供されたとい う。治療介入は連続して 2 年以上にわたったという。CORE+FLEX の子どもは,CORE だけの 対象者よりも高水準の参加状況を示したが,結果の評価にはモデルの間で差は見られなかった
という。両方のプログラムモデルがまとめられ,統制群と比較すると,プログラムの子どもは, 学校適応と社会的能力の尺度上で重要な利得を示し,最も攻撃的なプログラムの子どもでは破 壊的行動の減少を示し,プログラムの親はストレスのレベルの減少を報告したという。 Prinz ら(2003)は,児童期と青年期の行為上の問題に対する家族基盤の治療処置を対象年齢群 によるおよそ 2 つのカテゴリに分割している。就学前の年齢と初等学校の年齢を含む青年期前 期に対して,証拠に基づく家族療法は,社会化代理人として子育てと親か介護人の役割に集中 しているという。青年期の年齢層に対しては,行為障害と非行に対する証拠に基づく家族療法 には,すべての家族との治療法を含み,社会的生態学的要素の広い配置に焦点を合わせている という。児童青年の行為上の問題に対する家族基盤の治療処置は,有望で挑戦的な努力である と述べている。 Hinz ら(2003)は,生徒の成績を改善する戦略として,1999~2000 年の間にミネアポリス公立 学校の生徒の登校状況を取り上げている。生徒の登校状況と高い移動性の生徒の成績に特別な 関心を向けている。すべての生徒を援助するために学区が特定した体制全体の基準と実践が, 95%の攻撃的目標をどのように達成するのかを記述している。この登校状況の目標を満たすこ とは,生徒,学校,および共同体への挑戦であるが,この目標に非常に移動性のある生徒を含 むことには特に批判的であるという。児童の移動性の研究(ミネアポリス公立学校他,1998)は, 住宅の移動性と生徒の成績,登校状況と生徒の成績の関係を記載しているという。 Mullis ら(2003)は,1988 年の国家教育縦断研究(NELS:88)を利用して,13~16 歳の 12,111 人の男子,12,244 人の女子の中等学校生の成績の予測因子として,社会資本とリソース資本の しばしば用いられている指標の幾つかを調査している。68%が白人で,12.2%が黒人,12.9%が スペイン語系であったという。参加者は,アメリカ合衆国の 1,000 校以上の公立学校と私立学 校の階層化された国家標本から得られている。NELS:88 からのデータは,社会的資本とリソー ス資本の指標を用いて分析されたという。予備的なモデル化によると,親のネットワークと生 徒のネットワークという 2 つの成分に社会的資本を分離する必要性が示されたという。リソー ス資本には,親の教育,親の収入,家庭での教育的項目が含まれているが,成績の最も予測的 な因子であったという。学校で報告される生徒の無作法や行動は仲介変数として含まれたとい う。結果によれば,社会的資本の両方の指標が青年の成績に対して強く寄与するものではない ことを示したという。リソース資本の指標は,成績により強く寄与するものであることがわか ったと述べている。 Herrenkohl ら(2003)は,10 歳で攻撃性についての高い教師の評価を受けた若者の中で,18 歳 で乱暴な振舞いの確率に影響を与える青年期での要素を調べるために,シアトル社会発達プロ ジェクトからのデータを用いている。研究によれば,18 歳の若者で暴力の比較的低い確率は, 15 歳での教会への出席状況,親による十分な家族管理,学校との結び付きと関連するという。 後年の暴力の比較的高い確率は,15 歳での秩序を破壊する隣人と生活し,反社会的な仲間との 関わりの機会があることに関係するという。攻撃的な若者での 18 歳での暴力の可能性は,15
歳に多面的な保護的要因にさらされた時,同時に危機的要因にさらされたとしても,減少する という。青年期の間の予防的治療介入の展開に対する研究結果の意味について論じられている。 Prevatt ら(2003)は,school attendance にも関連するが,school dropouts において取り上げる。 Lauchlan(2003)は,school attendance にも関連するが,school refusal において取り上げる。 Henggeler ら(2003)は,重篤な臨床上の問題についての多面的治療処置(MST)を論じている。 MST は,家庭以外と家族とも離れて危機的状態に置かれた,重大な意図的不正行為に当たって いる青年期の若者に対する家族と共同体に基づく治療処置であるという。MST は,慢性的に乱 暴な少年の犯罪者,薬物乱用の少年犯罪者,青年期の性犯罪者,殺人,自滅的,精神異常のよ うな精神医学的危機にある若者,虐待家族を含む重大な臨床上の問題を提示する広範な若者に 適用されたという。これらの臨床的人々に,MST プログラムの広い目標は,反社会的行動の割 合を減少させ,機能を改善し,投獄や住宅的な治療処置のような家庭外の配置の使用を抑える ことであるという。 August ら(2003b)は,3 年間の治療介入後の,早期に発症した破壊的行動の児童を対象とする 多面的予防治療介入の 2 つの標準的成分での登校の予測因子と結果について調査研究を行って いる。サマースクールプログラムではなく,家族プログラムでの平均登校状況は,グループ変 数の児童の破壊性の段階で異なったという。社会経済的状態,親が一人である状況,児童の IQ のような登校状況の予測因子は,高破壊群と低破壊群で差はないけれども,結果の予測因子は, 社会的能力に対してはなかったが,成績と攻撃性の結果に対して,児童の破壊性のレベルによ って軽減されたという。サマースクールプログラムでの高い登校状況は,すべての児童の 3 年 での比較的高い児童の社会的能力と関連があったという。成績に対しては,サマースクールプ ログラムでの比較的高い登校状況が,穏和なあるいは中度の破壊的児童に対する比較的高い得 点と 3 年の比較的高い破壊的児童に対する比較的低い得点と関連するという。家族プログラム での比較的高い登校状況は,穏和なあるいは中度の破壊的児童に対する比較的低い攻撃得点と 関連が見られたという。研究結果は,クライエント下位群の評価と表現の必要性に対する治療 介入の要素と一致する重要さを強調しているという。 Ham(2003)によると,過去 80 年間に,驚くべき速度でアメリカ合衆国の離婚率は上昇してい るという。家族構造の変化の結果は,さまざまな仕方で,何百万人もの子どもに影響を与えた という。生徒の成績と関連する離婚の影響を評価している。ロッキー山脈の州における中産階 級の学校の高校 4 年生が,この研究の対象者として役立ったという。研究結果によると,家族 構造が,成績と高校生の登校状況の両方に影響を与えることが分かったという。完全な家族の 青年男女は,他の家族構造の者より優れているという。女性に対してこれらの結果が最も顕著 であることだという。女性は離婚のために男性より否定的に家族構造によって影響を与えられ たと述べている。 Pagani ら(2003)は,児童と若者の国家縦断調査の最初のサイクルからのデータを用いて,地 域的違いと個人と家族の要素を超えた,子どもの行動の発達に関して,年少の幼稚園の影響を
調査研究している。早い段階での教育は,初等学校の教室のように集団設定に参加する行動的 制御技術を学ぶことを援助するであろうと仮説を立てたという。調査研究では,不都合な環境 から子どもが通常付随するリスク要素によって,行動上の問題の増加した危険に直面するのを 確認したという。年少の幼稚園の登校状況が,経済的に不都合な状態でまた不都合な家庭環境 の子どもの行動上の問題に対して危機的な格差を減少させるであろうと仮説を立てたという。 結果によれば,概して年少の幼稚園が問題のある行動を減少させるようには思えないことが明 らかになったという。これらの結果は,性別,年齢,地域,経済的社会的状態,家族機能,家 族構成,教育,家族サイズのような多くの統制を超えているという。不都合な環境の子どもは, より多くの行動上の問題を示していたが,年少の幼稚園に通うことは,子どもの間の行動の困 難のために,比較的低い経済的社会的状態と,比較的高い経済的状態の背景からリスクの格差 を減少させなかったと述べている。 2 school dropouts に関する研究の概観 2003 年の dropouts をキーワードに持つ文献 94 件のうち,関連の考えられる 34 件について概 観することにする。国別では,アメリカ合衆国が 27 件,香港 2 件,ニュージーランド,ブラジ ル,オーストラリア,カナダ,コロンビアが,それぞれ 1 件である。 Tyson(2003)は,2 校の黒人の児童の小学校での社会的再現過程についての民族誌学的な研究 での一般的な教師の実践と黒人の初等学校相当の児童の反応について調査研究をしている。一 方の学校は,公立学校(K-5)であり,もう一方の学校はキリスト教独立学校(プレ K6)であった という。結果によると,両方の学校とも,黒人の児童に対して,成績を向上させる手段として, 自尊心を創り上げる明白な強調によって,積極的で,自己を承認する学習環境を創り上げる強 い委任を表していたという。両方の学校とも,主流となる文化的基準に対する規律と一致につ いての関心において,生徒に対して,黒人の文化的逸脱の不適当な行動と伝えられるメッセー ジを抑圧することによって,その委任を知らず知らずのうちに害していたと述べている。 Gallo ら(2003)は,喘息と糖尿病の児童の健康な学齢時の兄弟における家族の機能と自己認知, 心理学的適応について調査研究を行っている。135 人の兄弟が児童のための家族 APGAR と児 童のための自己認知調査を行ったという。結果によると,糖尿病の子どもの兄弟が,学校の能 力適性と包括的な自己価値の領域で,自己認知の問題に対して危機的状態であったという。糖 尿病群での男子の兄弟の組では,喘息群の男子の組よりも自己認知で低い得点であったが,糖 尿病群での女子の姉妹の組では,喘息群か健康群での女子の組よりも低い家族機能得点であっ たという。糖尿病群の兄弟に関しては,肉体的な外観,運動の能力,行動上のふるまい,学校 の能力適性,包括的な自己価値は家族機能とかなり関連づけられたという。健康な兄弟調整の 重要な指標としての自己認知と家族機能の意味があることが示されたと述べている。 Miller ら(2003)は,重篤な児童期の攻撃性を軽減させるために立案された精神健康サービス における家族の関与と維持に関連する重要な治療処置前変数を調査研究している。行為障害の
診断基準を満たす 5~9 歳の少年の 124 人の家族が,親だけ,子どもだけ,親子の治療処置に任 意に配置されたという。早期の終了は,親だけの条件で最も大きかったという。外面化志向の 治療処置前帰属の動機は,時期尚早な終了との明確な関係を示したという。親の入って来る動 機とは一致しなかった治療処置の条件への課題は,時期尚早な終了で予言的であったという。 全体的に見て,結果は,児童期の行動上の問題に対する精神健康治療処置の提供に対する障害 と促進についての一層の研究,特に治療処置前の動機づけの認識と契約上の問題に関して論じ ている。 Denny ら(2003)は,ニュージーランドのオルターナティブ教育の生徒の健康上のリスクのあ る行動の広がりを記述し,アメリカ合衆国の同様の教育を受けている生徒との比較を行ってい る。方法として,ニュージーランド北部の 36 校のオルターナティブ教育学校が調査されたとい う。合計 269 人の生徒が,コンピュータを用いて若者健康アンケートを行ったという。これら のデータは,アメリカ合衆国の生徒のデータと比較されたという。結果として,ニュージーラ ンドとアメリカ合衆国のオルターナティブ教育の生徒は高いレベルの健康上のリスクのある行 動になっているという。ニュージーランドの女子生徒は,リスクのある性的行動の高い広がり とアルコールの影響のもとで,特にアルコールと大麻使用の高い水準のために貧弱な健康と社 会的結末についての高い危機的状態にあるという。健康上のリスクのある行動は,青少年と成 人の罹患率と死亡率の原因の幾つかの大きなリスクに,オルターナティブ教育の生徒を置くこ とになるという。結論として,オルターナティブ高校生に対する特定の健康政策の必要性とプ ログラムが求められるとしている。ニュージーランドのオルターナティブ教育の提供者は,女 子生徒が多くの健康上のリスクのある行動の特に高いリスクに置かれていることに気付くべき であると述べている。 Eccles ら(2003)によると,学校は認知的社会的発達では批判的な役割を演じているという増 加している認識にもかかわらず,発達に関する学校の影響の理解はまだかなり初歩的であると いう。最近,教室と学校での体験が十代の青少年の感覚,アイデンティティ関連の信念,行動 の選択にどのように影響を及ぼすのかを調べることを単に研究者の知的領域を越えて見られる 学校に関心が持たれてきているという。発達についての研究者は,学校より家族と仲間の集団 に焦点を合わせており,対照的に,教育の研究者は,社会的情緒的な結果より知的に学校の影 響に焦点を合わせているという。この特殊化への重要な例外はあるが,青年期の発達に対する 学校の効果に興味を持っている研究者の間では,増加してきている学際的共同研究の必要性が, 何人かの学者によって注意を促されているという。教育学,心理学,精神医学,社会学におけ る研究者は,互いの如何にかかわらず通常活動をしており,学校がどのように発達に影響を及 ぼしているのかを研究するのにさまざまなアプローチを用いてきているという。そのような多 様性は研究結果を比較し,学校効果に関する知識の統合した形態を構築することを難しくして きているという。 Brown ら(2003)によると,学校,子どものギャング活動および貧しい仲間,学校の生徒,お
よび教師と生徒の関係から,中途退学の主要な原因が生徒の疎外であるという。かなりの量の 研究が,学習の過程に専念している生徒と専念していない生徒の識別をする要因に焦点を合わ せているという。生徒と学校生活の認識との関係を調査研究しているという。調査は,アメリ カ合衆国南部の大きな都市の学区の 2 校の高校の 200 人以上の生徒に行われたという。結果に よると,生徒が学校を認識したり,一般に疎外されていると認識するかどうかの影響に,性別, 人種と民族性,特別支援教育の配置が,すべて強い要素であることを示しているという。 Smith(2003)によると,GED 資格証明は,アメリカ合衆国での最も広く認識された代替二次 証明形態であるという。他の教育的な資格証明と異なって,GED 資格証明は,どんな特定のカ リキュラムの登校状況か修了かも必要としないという。証明のための条件は,伝統的な高校卒 業証書と著しく異なっているが,GED は高校卒業証書の機能的な同等物であると広くみなされ ているという。雇い主の調査によると,雇うという決定をする上で伝統的な高校卒業証書と GED が同等であると一般に考えており,GED 獲得への経済的復帰に関する文献の多くによる と,これらの復帰者が,伝統的な高等学校卒業生よりもかなり低く見なされ,中途退学者より もあまり高くは位置づけられていないという。教育的経済的復帰にもかかわらず,伝統的な高 等学校卒業生よりもかなり低くこの資格証明に対する強い個々の要求と強い制度上の支援の逆 説を取り上げている。同時に教育的な機会均等の目標を満たす効率的な方法を提供している一 方,GED プログラムは,社会の本流に何十万もの道を外れた者を統合し復帰させる安価な方法 であると述べている。 Thao(2003)は,大きな意味で十分に教育的にはうまくいっていない集団のアメリカ合衆国の Mong の児童の教育に家庭と学校の要因がどのように影響を与えるかを調査研究している。カ リフォルニア州北部の Mong の初等学校の集団の教師,児童,親の調査と面接に基づいて研究 は行われたという。研究結果によれば,Mong の児童の否定的な学校体験は,家庭と学校文化 の不釣り合いな組み合わせ,親と教師の誤解とラベル付け,アメリカの社会に同化する試みに 属する問題によって悪化させられているという。Mong の児童は,家庭と学校での文化衝突を 体験するという。Mong の生徒は,文化に関連する教育課程,彼らの文化を評価し,資源とし て彼らの親を活用する学校環境によって,権限を与えられるという。児童は親と教師の双方か らの一層の支援を必要としていると述べている。 Ogbu(2003)は,黒人のアメリカ人の生徒の成績に焦点を当てている。あらゆる社会的階層で 白人や移民の少数派の生徒よりも黒人の生徒は成績が低いとしている。この結論は,観察から のデータ,正式な面接と非公式の面接,統計的データとその他のデータに基づくとしている。 この文献は,4 つの部分としてまとめられている。第 1 部では,学校の成績での黒人と白人の 間の格差と黒人生徒の低い成績という 2 つの問題を記述している。第 2 部では,問題の原因と なる社会的要因と学校の要因の分析である。第 3 部は,共同体の要因に焦点を当てている。第 4 部は,共同体の力に関する研究結果の要約である。黒人教育,少数派教育,比較国際教育, 教育社会学,教育人類学,教育政策,教師教育および人類学の分野の研究者を対象として意図
しているという。 Sneed ら(2003)によると,特定の弁証法的行動療法戦略と技術が,境界型人格障害の特徴の ある自殺企図のある患者の潜在的に増加する通院治療処置の承認によって,伝統的な精神医学 の救急治療室の実践をどのくらい補うことができるかを取り上げている。伝統的な精神医学の アプローチと異なり,弁証法的行動療法は,混沌とした個人の人生を理解するための枠組みを, 情緒的に統制障害のある患者に供給するという。合法化に関する関係で逆説的治療介入を実行 する重要性を強調している。その治療介入は,患者の均衡を失わせ,変化のための準備を増加 させるのを目的としているという。合法化は承認を目的とし,感情のコミュニケーション機能 を回復させるという。首都の病院から得られるケースの例を通して,弁証法的行動療法戦略を 使用している救急治療室の臨床医が変化のための準備状態を増加させることができるのかを例 証しているという。 Weitzman ら(2003)は,低い応答率の学校の生徒が青少年のリスクのある行動の調査に基づい て学級から離れる時に生じる潜在的傾向を調査することを目的として研究を行っている。最初 の調査期間に欠席をしていた生徒に対してそれぞれの学校でその後の追跡調査として,自己管 理された秘密の調査が,教室で行われたという。70%の応答率を達成した学校の生徒に関する データが,このレベルの応答を達成しなかった学校の生徒と比較されたという。関係者は,13 校の公立高校で,1854 人の 10 年生であったという。低い応答率が,高い割合の長期欠席の結 果として生じている学校の生徒は,低い長期欠席と高い応答率の学校の生徒よりもリスクのあ る行動があり,異なった人口統計学的特性であったという。標本抽出学校では,低い応答率の 学校の割合が大きく,そのような学校が研究での領域の生徒の大きい割合を表すときには,そ の傾向の可能性は最も大きいという。教室に基づくアプローチを用いての調査標本に低い応答 率のある学校を入れないようにすることは改善されず,いくつかの環境のもとでは,青年期の 人々の危機的な行動を過小評価するかも知れないと述べている。 Udry ら(2003)は,青年期の人々の危機的特性を研究する際に学校に基づく標本抽出の枠組み を使用することを意図する人々に忠告することを目的として研究を行っている。領域標本抽出 フレームを使用するのに比べて,学籍登録されていないか学校にいない,主として退学者と卒 業生である青少年からのデータがないという事実によって,その評価は,影響を受けることに なるという。標本抽出枠組みとして学籍登録表の国家の確率標本を使用したが,応答者の家で アンケートを行ったという。学校に通う 15~18 歳の生徒だけでなく,生徒からデータを得たこ の方法で,だれがこの期間で中途退学したのか,または卒業したのかが編集され,アンケート は行われたという。中途退学者と卒業生のあるなしにかかわらず属性の評価を比較したという。 学籍登録分布における調整から生じる影響は,性的体験,薬物乱用の関与,暴力の目撃や体験, 精神的苦痛,運動,ある食物の品目の浪費の評価については無視できるものであったと述べて いる。 Cauce ら(2003)によると,青年期は,急激な生物学的,情緒的,社会変化の時期であるが,
高い発達上の危機をもたらしているという。この危機は,アメリカ合衆国の都心の貧困の中で 成長する青少年にとって最も高いかも知れないという。青年期の標準的なストレスに加えて, 貧しい都心での若者は,多面的なストレス要因と逆境に直面することになるという。これらの 要素は,順番に多くの否定的な結果に関連づけられているという。それにもかかわらず,社会 の生産的なメンバーになるように逆境に打ち勝って,都心の若者がこれらの情況を乗り切るこ とになるという。青年期と都市の貧困の定義から始め,2 つの研究結果である内面化と外面化 の本質つなる成績,中途退学,行動上の問題に焦点を当てている。次に,都市の貧困のもとで 成長する若者にとっての弱みを増加させる顕著な要素と保護的過程を特定している。更に復元 力の議論を行い,これらの傷つきやすい若者の人生を改善するかもしれない復元力のある適合 の限界と理論に対する復元力と治療介入のための研究の意味を強調している。
Lehr ら(2003)は,school dropouts にも関連するが,school attendance において取り上げる。 Kotler ら(2003)は,過食症で苦しむ青少年のフルオエクスチンによる治療の実行可能性,耐 性,効果を調査研究している。方法としては,12~18 歳の 10 人の青年男女が,支持的な精神 療法を伴う 1 日当たりフルオエクスチン 60mg の 8 週間の治療を受けたという。主な結果測定 には,臨床全般印象改善尺度(CGI-I)において,過激な食事の頻度,下剤の投与,評価が含まれ ていたという。二次結果測定には摂食障害,抑うつ状態,不安兆候の自己報告測定が含まれて いたという。また,フルオエクスチンのこの投与量の安全性,耐性が評価されたという。結果 によると,平均して,毎週の過激な食事は,4.1138 から 0(p<0.01)までかなり減少したという。 平均して,毎週の下剤の投与は 6.4152 から 0.4109(p<0.005)とかなり減少したという。20%が非 常に改善され,50%が改善され,30%が若干改善されたと評定されている状態であり,すべて の患者が CGI-I 尺度が改善されたという。どのような中途退学者も薬物治療からの悪影響のた めでなかったならば,すべての対象者はフルオエクスチンの 60mg の投与量を許容したという。 議論としては,フルオエクスチンは,一般によく許容されており,過食症である青年男女にと っては有効な治療処置方法かもしれないと述べている。 Baydar ら(2003)によると,ヘッドスタートセンターでは,任意に親訓練の治療介入か統制状 態に割当てられ,親訓練の参加と利益に関する母親の精神健康リスク要素の役割が調査研究さ れたという。子育ては,厳しいか否定的か,支持的か積極的か,矛盾か効果のないものかとい う 3 つの領域において,親の報告と独立している観察によって測定されたという。構造的な平 衡モデルによると,親の契約訓練が,投与量応答形式で改善された子育てと関連づけられたと いう。抑うつ状態,怒り,子どもとしての虐待の履歴,薬物乱用という精神健康のリスク要因 のある母親は,これらのリスク要因のない母親より不十分な子育てを示していたという。リス ク要因のある母親では,これらのリスク要因のない母親と匹敵するレベルで,子育て訓練プロ グラムに取り組み利益を得たと述べている。 Dillon ら(2003)は,生態学的発達と耐性予想を用いて,182 人のボストン領域の高校中途退 学者のさまざまな対象者に対する学校と作業の道筋を再構築する際に,家族,共同体,個々の
変数の役割を調べる量的質的方法を利用している。親しい以外のかかわり合いと個々の対処ス タイルが,最も良い予測因子を立証するとしている。 Archangelo(2003)は,学校からの除外の問題は強く他の除外の過程に関連づけられるとして いる。それに関する概念的な定式化は,その原因として材料資源の不足を主に考え,同じよう に主観的な局面に注意を向けなかったという。個人的なリソースは,厳密に正式の教育の過程 で得られるものに関係づけられるという。記述されている作業は,記述することが学校からの 社会的な除外と,より厳密に言うと自己除外を理解するための試みで,個人的なリソースに光 をもたらすことであるという。ストレスとなっているものが,落第への弱みが異なったレベル があるように思われることであり,これらが考慮に入れられ,問題の異なった視点を提供する べきであるということであるという。単に公共の政策や学校の力動の知識によってのみ問題を 理解することはできないという。若い人々が学校の外で生活する人生には調査されるべきもの があるという。そのことから,現実的な原理よりむしろ無意識のファンタジーによって支えら れる彼らが何らかの一貫性を感じ,行うことにいくつかの調和を与えるために必要とする会話 といくつかの実践の一部を得ることになるという。中途退学をする者への情緒的な影響があり, 学校と学習に関連するすべてのものへの反応があることを指摘している。 Southam-Gerow(2003)は,児童青年での反社会的行動に対する児童に焦点を当てた個別的お よび集団の認知行動療法についての概観を行っている。認知行動療法の理論上の枠組みについ て簡潔に論じ,典型的な認知行動的アプローチで用いられる一般的な技能の幾つかを例証して いる。実際の文献の概観では,幾人かの子どもに焦点を当てた認知行動療法のアプローチに関 する証拠を考えている。子どもに焦点を当てた認知行動療法が反社会的行動に対する治療処置 計画において演じることができ,演じるべき役割を論じていると述べている。 Osher ら(2003)によると,情緒障害と行動上の障害(EBD)のある生徒は,障害のない仲間よ りも中途退学しやすいという。EBD の 48%の生徒は 9~12 年生で中途退学し,障害のない生徒 では 30%,高校生全体では 24%となっているという。EBD の生徒は,障害のない生徒よりも 教師,学級,学校を変える傾向があるという。移動性は,中途退学の原因となる貧弱な学校の 結果を引き起こすことになりがちであるという。ここでは,中途退学の原因となるあるいは移 動性と中途退学を防ぐ学校と学級のリスク要因と予防要因を分析していると述べている。 Louisa ら(2003)は,青春期中期の毎週の大麻使用の広がりが早い段階での中途退学の危機を 増加させるかもしれないと述べている。コンピュータを利用した自己完成質問紙と電話取材が, 先ず 15~18 歳に,再び 21 歳の時に,1,601 人の男子と女子の生徒に行われたという。将来的 に評価すると,毎週の大麻使用は,早い段階での中途退学の危機をかなり増加することになる という。この影響は,人口統計学的特徴,その他の薬物使用,精神医学的病的状態,反社会的 行動を含む,将来的に評価される共変関係の範囲に対する調整を行った後でも残っていたとい う。毎週の大麻使用と年齢との相互作用が,最も若い頃に最も強く,年齢につれて次第になく なるという。15 歳での毎週の使用のような早い段階での定期的な大麻使用は,早い段階での中
途退学の危機の増加と関連するという。これらの定期的な大麻使用の影響は,年齢が上がるに つれて減少し,大麻を使用して得られる社会的な関係を通して,機能するかも知れないと述べ ている。 Cheung ら(2003)によると,生徒の低い達成は,社会的生産につながる傾向があるという。こ の場合,比較的低い学力の生徒が学籍登録されることが階層化された学校では,低い達成者を 生じる傾向があるという。この理由は,これらの学校の生徒の中での,外部の帰属の奨励と内 部の帰属の落胆である。これらの仮説は,香港での 2,720 人の中学生の研究から得られたとい う。仮説された関係が,一般に低い達成者を特定する 6 つの代替の方法に対して維持されてい ると述べている。 Lew(2003)は,モデル少数民族のステレオタイプには合わないアジア系アメリカ人の生徒で ある韓国系アメリカ人の高等学校中途退学のプログラムについての研究を行っている。学業的 に高等学校中途退学の危機にあるかも知れないアジア系アメリカ人の生徒の教育的体験の限定 的な研究を論じている。彼らは,経済的社会的環境は無視されるか単に否定されるかされてい る社会の目に見えない子どもであるという。教育的社会的には十分な暮らしをしていない若い アジア系アメリカ人をモデル少数民族の論説では見落とされており,学業的な成功を必要とす る構造的なリソースの重要性を割り引き,決定的にアメリカンドリームを追究する核家族に根 ざす静的なアジアの文化の像をその過程で実証するものであるという。生徒が,家族,学校, 共同体で直面する構造的な障害は何か,都会の学校での生徒の体験は何であり教師とカウンセ ラーと生徒の関係は何か,生徒の低い社会経済的環境が学業成績および社会的移動性の実行可 能な手段として学校の認知にどのように影響を与えるかを論じている。 Prevatt ら(2003)は,学齢時の児童の中途退学防止に関する文献を概観している。文献で特定 される中途退学防止プログラムの概観では,立案,標本抽出,統計的分析,実現問題の議論に よって,方法論的関心を強調している。概観された研究で頻繁に用いられる治療介入では,学 業的増進,心理社会的技能開発,教育,親と教師の行動管理訓練を強調している。学業的に方 向づけられ,多面的なプログラムが最も有望な実証的基盤に共に現れたという。しかしながら, 現在のところ,経験的に支持された治療介入に対する Kratochwill と Stoiber(2001)の基準を満た す一貫し説得力のある研究結果の証拠は不足しているという。この欠乏は多くの治療介入プロ グラムが約束を保持するように見えるが,現在学校の中途退学の問題を記述することができる どんな特定の最も良い実践も有益な治療処置もないという結論に通じるものであると述べてい る。 Kazdin(2003)は,2~13 歳の行為障害の児童に対する問題解決技能訓練と親の管理訓練につ いて論じている。提供される治療処置には,認知的問題解決技能訓練と親管理訓練が含まれて いる。これらは,グループ形式よりもむしろ子どもと家族に個別に提供されるものであるとい う。親管理訓練は,親が家庭で子どもの行動を変更するために訓練される手順を示していると いう。親管理訓練は,親子の相互作用を変更することに焦点を当て,いくつかの特性を含むも
のであるという。また,それは学校での子どもの達成に焦点を当てているという。問題解決技 能訓練と親管理訓練の両方とも,どのように個人が達成するかの変化を強調しているという。 Brinkmeyer ら(2003)は,破壊的行動障害の児童と家族に対する親子相互作用療法を記述して いる。親が技能を習得するまで,治療処置の主要な要素は関係と行動の変化技能で活発に親を 訓練し,家族の進歩を誘導するのに評価を用いて,治療処置に親と子どもを一緒に伴うように 例証し,治療処置を継続し,標準的な範囲に子どもの行動があるようにするような治療処置の 鍵となる要素が取り上げられている。治療処置の要素には,児童の破壊的行動の減少と同様に, 親子関係の継続的な改善を生み出す愛着と社会学習原理の両方を利用していると述べている。 Ameringen ら(2003)は,school dropouts にも関連するが,school refusal で取り上げる。 Bryan(2003)は,学習障害のある生徒の社会的な問題を研究するために,BerniceWong のリス クと復元力モデルの効力に関する問題に対応することを目的として研究を行っている。2 つの 要素が,特に特別支援教育に研究者を導く枠組みを表しているという。いったん復元力に貢献 する要素を特定すると,それほど抵抗力がない個人を訓練することができると仮定されるので, より復元力があることは本来的には楽観的であるという。赤字モデルから権限を与えられるモ デルまでの範囲となるという。発達と行動に重要な影響を与える外部の要素を考えるために, モデルは,個人の特性に目を向けるように焦点化しているという。しかしながら,同時に,学 習障害のある生徒の中の社会的問題での基本的な次元に関する知識を深める必要があるという。 学習障害の生徒に関する知識を深める多面的なアプローチについて論じている。 Wing-Lin ら(2003)によると,中途退学する若者が増加するという問題に様々な国々では直面 しているという。家族,学校,仲間に関連する原因が多くの研究で示されてきている。しかし ながら,その現象に関して,治療介入の意味に耐えられるこれらの異なった社会体制からの影 響のレベルについてはほとんど展開されていないという。家族,学校,仲間が,それぞれ,若 者の中途退学の減少に関して,末端まで,処理前の,そして即座の効果を生じることが分かっ たという。研究結果に基づいて,異なった体制での作業が,若者の中途退学の問題を大いに減 少することができると述べている。 Vlach(2003)は,アメリカ合衆国の 2000 年の国勢調査データで,ラテン語系の人口,特に中 米の人口に関しての概観を行っている。アメリカ合衆国の若者において,4 つの国からの中米 の移住の歴史的な波の議論と,社会的,民族的,および他のタイプの状態への効果が継続され ているという。家族構造と文化的な価値は,問題の多い幾つかの臨床的形態,特にトラウマと の関連で,同様に展開されているという。文化的な評価を行うに際して,臨床医はどのように この素材を活用するかが,迅速な指標に現れているという。中米の若者と家族との治療介入に おいて幾つかのことが示されているという。高い質の教育,健康保健,健康管理,バイリンガ ルで文化的に有能なプロバイダーが,特別な関心の対象となっているという。 Brook(2003)によると,南米コロンビアでは,暴力と殺人がアメリカ合衆国よりも一般的であ るが,コロンビアの青年の暴力的行動における心理社会的な要素の役割は不明瞭なままで残っ
ているという。研究の目的は,コロンビアの青年の暴力と関連づけられる個性,家族,仲間, 生態の変数を確認することであったという。方法としては,青年の調査が 1995~1996 年に行わ れた。標準的自己報告尺度が,言語的文化的な適合性を確実にするために行われたという。様 々な自己報告による民族的グループの合計 2,837 人の 12~17 歳の青年が任意にボコタ,メデジ ン,バランキーヤという 3 つのコロンビアの都市の共同体から選択されたという。80%の適任 の青年が参加することに同意したという。データは,不法な薬物に関する利用価値と共同体に おける暴力の広がりを含む,青年の人格的特徴,家族の特徴,仲間の特徴,生態学的文化的要 因に関して収集されたという。依存変数は,暴力的行動についての青年の自己報告された頻度 であったという。結果によると,青年に向けられる暴力と自己の薬物使用は共に,他の危機要 因よりも青年の暴力的行動に関連が強く見られたと述べている。 South ら(2003)は,2 回目が 12~16 歳,3 回目が 18~22 歳の児童国家調査の 1,128 人の回答 者の縦断的データから,社会経済的に困窮している共同体での高率の中途退学と低率の高等学 校卒業を説明するのを援助する要因を調査研究している。高等学校の中断に関する共同体の社 会経済的不利益の観察される積極的影響の三分の一は,仲間の教育的行動,近所の効果の普及 モデルと広く一致する結果によって説明できるとしている。若者の教育的達成に関する近所の 社会経済的状態の影響の比較的小さな割合は,若者の比較的低い教育的願望と貧困な隣人の住 宅の移動性(引っ越し)の高い割合によるということができる。近所効果の理論への中心的位置 にもかかわらず,青年男女の非行行動,学校と親への愛着,青年の行動に対する親の統制は, 高等学校中途退学と卒業に関する共同体の不利益の影響をほとんど調停することができないと 述べている。 Hood ら(2003)は,反抗挑戦性障害と関連する行動障害の児童に対する親子相互作用療法に続 く変化の長期の維持について調査している。治療処置の 3~6 年後に,50 人の治療処置を行わ れた者のうち 29 人がこの研究で取り上げられた。6~12 歳の間の 23 人の子どもの母が電話と メールによる追跡評価に参加したという。結果によると,母が治療処置の終わりに子どもの行 動と母自身の統制の位置で報告した重要な変化が長期の追跡で維持されるのを示したという。 子どもの行動は,治療処置後に治療処置以来の時間の評価と長さが,長期の結果の強い予測因 子であると報告している。治療処置以来,破壊的行動についての母親の報告は,時間が経つに つれて減少したという。この研究の結果は,親子相互作用療法の長期の有効性を支持するもの であると述べている。 Risi ら(2003)は,3 年生から 5 年生の 524 人の児童についての 10 年の縦断的研究で,教育的 な結果を予測するために,社会的嗜好,攻撃性,引きこもりの仲間関係を用いている。先行研 究と一致し,より低い社会的嗜好,高い攻撃性,引きこもりは,それぞれ低い卒業率と関連づ けられたという。しかしながら,攻撃性だけが唯一結果を予測したという。民族的社会経済的 状態は,教育的結果を予測し,仲間の受容と結果の間での関係を緩和したという。社会的嗜好 は,白人と中間的な社会経済的状態の生徒の教育的結果を予測したが,アフリカ系アメリカ人
と低い社会経済的状態の生徒は予測しなかったという。民族性と社会経済的状態が同一モデル に含まれる時には,社会経済的状態の緩和効果だけが教育的結果の重要な予測要因であったと いう。民族性は,引きこもりが白人の生徒ではなくアフリカ系アメリカ人の生徒に対するより 否定的な教育的結果を予測するような社会的引きこもりとも関連しているという。成績と学齢 後の在籍がモデルに含まれる時,仲間が評価する攻撃性が教育的結果の予測要因に加えられる と述べている。 3 school phobia に関する研究の概観 2003 年の school phobia をキーワードに持つ文献 78 件のうち,関連の考えられる 33 件につい て概観することにする。国別では,アメリカ合衆国が 15 件,オーストラリアが 7 件,英国が 4 件,ニュージーランドが 2 件,カナダが 2 件,インド,ドイツ,南アフリカ,ノルウェーがそ れぞれ1件である。 Jaisoorya ら(2003)は,青少年の強迫性障害がその障害の発達上のサブタイプかもしれないと して,青少年の強迫性障害は,成人で発症する強迫性障害とは異なると仮説を立てている。青 少年の強迫性障害が青少年発症の成人の強迫性障害とは現象的に異なった状態かもしれないと いう幾つかの証拠があるという。ここで青少年の強迫性障害,青少年で発症する成人の強迫性 障害および成人発症の強迫性障害(発症が 18 歳以上,対象者 105 人)の現象的特性を調べている。 強迫性障害の対象者を評価することに習熟した適切な精神科医が臨床的,構造的な面接を行っ たという。年齢と性別を統制した論理的重回帰分析で,青少年の強迫性障害は,男性に優勢で あり,高い割合のある種の強迫的な兆候,注意欠陥多動性障害,慢性的チック,身体のモルヒ ネ障害および大うつ病と関連が見られたという。さらに,青少年で発症する成人の強迫性障害 は,比較的年齢が進んでの発症と ADHD の低い発症によって,青少年の強迫性障害とは異なっ ているという。青少年で発症する成人の強迫性障害は,成人発症の強迫性障害と比較される社 会恐怖と慢性的チックと明確に関連づけられるという。青少年の強迫性障害が障害の発達上の サブタイプかもしれないという以前からの観察を支持する点で,青少年で発症する成人の強迫 性障害と成人の強迫性障害の双方とも,青少年の強迫性障害が異なるように思われると述べて いる。 Wittchen ら(2003)によると,不安障害とうつ病性障害は,人々と社会の双方に影響を与える 物凄い重荷を課する一般的な人々に共通する精神障害であるという。その上,不安状態と抑う つ状態の重複障害は高く,かなりの障害と機能的障害に至るものであるという。結果によれば, 重複障害のケースの大部分において,不安障害が抑うつ状態の主要なものであると一貫して示 されているという。しかし,不安障害が抑うつ状態のリスク要因かどうか,抑うつ状態の最初 の発症に対する潜在的に原因となるリスク要因かどうかの問題は,依然として未解決のまま残 されているという。最近の結果によると,不安障害は連続する抑うつ状態の危機を増加させ, 抑うつ状態のコースに影響を与え,結果として貧弱な予後をもたらすことになるという。更に 幾つかの結果によれば,かなりの数の不安障害と連続する抑うつ状態の危険を増加させる不安
障害と関連する重篤な損傷を明らかにする投薬量応答関係を示唆しているという。この論文の 目的は,最近の文献の概観とこれまでの研究結果の要旨を要約し,予防的介入的戦略に関する 今後の調査研究の方向性を示唆するものであると述べている。 Benjamin(2003)は,人格障害を含む重篤な治療上,手に負えない状態にある個人に作用する 根拠に基づくアプローチを提示している。ここでは,対人関係再構築療法(IRT)についての包 括的な序論を提示し,実践のための段階的なガイドラインについて概説している。精神療法の 対人関係次元に基づいて,治療法の変化の障害に対抗するための一般的な戦略と特定の技術を 提供している。精神力動的,認知行動的見解を取り入れ,共感的来談者中心を基本として,臨 床医には,対人関係再構築療法の 5 つの段階を実行することが提示されるという。アプローチ の精神として,対人関係の長期の形態に対して現れる兆候と関連し,現在の困難を持続する愛 着に基づく動機づけの要因を対象とするケース概念化の方法があるという。さまざまな計画さ れた治療介入は,強く集中した治療同盟を構築するのに用いられる。これは,クライアントの 意志を変化させ,危険な振舞いを防ぎ,新しくより健康なパターンの習得を容易にすることを 可能にするものであるという。臨床例が,臨床的な意志決定を導くために含まれている。自殺, 殺人の観念構成,およびその他の危機を扱う章が含まれているという。 James ら(2003)は,カウンセリングと精神療法における理論と戦略を論じ,最新の理論的研 究と到達した体系を通して今日実践されている精神療法に学生を誘おうとしている。中心的な 原則は,現れている生態学的健康管理の条件を適応させ,発達し続け拡張している治療戦略を 取り入れることに必要な変化であるという。 Birchwood(2003)は,第一段階の精神病における情緒的な機能不全について論じている。これ らの障害には,うつ病,社会不安,外傷的兆候(心的外傷後ストレス障害,PTSD)を含んでいる という。これまでのところ,これらの情緒的問題は,精神病の単なる部分と区画と特徴づけら れてきており,これらの情緒的な困難さの病像成因が理解されず有効な治療処置がほとんどな いという理由となっているという。最初のエピソードの精神病における情緒障害は,3 つの重 複する過程に起因するかもしれず,これらは精神病に本質的で,精神病と疾患期間への心理学 的な反応であり,児童青年期発達の例外から起こり,現れている精神病,児童期のトラウマま たは両方によって引き起こされるものであるという。この分析では,並立している情緒的機能 不全と発達的,心理学的な起源の補足的な焦点を示唆している。 Wijeratne ら(2003)によると,分離不安は児童青年において研究されてきているが,児童青年 以外の人々ではこの形態の不安についてほとんど知られてきていないという。大人の間で,分 離不安についての社会人口統計学的,心理学的身体的な健康との相関について研究をすること を目的としているという。62~87 歳の 86 人の通院治療の対象者が,この研究に参加するため に主要な医療実践から募集されたという。これまでの人生での DSM-IV の情緒障害と不安障害 の表れは,構造的臨床的な面接により決定されたという。青少年と成人報告の分離不安障害の 状態と特徴の不安の段階を測定する自己報告による一連の質問紙を対象者に行ったという。成
人の分離不安得点は,比較的若い年齢と同様に(r=.39,P<.001),青少年の分離不安得点 (r=.52,P<.001),特徴不安(r=.55,P<.001),状態不安得点(r=.66, P<.001)とかなりの相関を示して いるという。比較的高い成人の分離不安得点は,何らかの不安障害(t=3.74, df=84, P<.001)や情 緒障害(t=2.12, df=84, P<.05)の生涯史とも関連が見られたという。成人の分離不安は,年齢の増 加,未亡人であること,一人住まいであること,身体的に不健康であることとは関連が見られ なかったと述べている。 Spence ら(2003)は,13,14 歳の青年期の 875 人について,Spence の児童不安尺度の心理測定 の特性を調査研究している。この自己報告尺度は,分離不安,社会恐怖,強迫性障害,パニッ ク広場恐怖,全般性不安,身体的障害への恐怖に関連する兆候を評価するために立案されたも のであるという。不安についての仮定されたサブタイプと一致する 6 つの要因に確認と予備の 因子分析の結果が,支持されたという。総得点とサブスケールの内的一致は高いものであり, 12 州のテスト再テストの信頼性は満足のいくものであったという。Spence の児童不安尺度は, しばしば用いられる不安についての児童自己報告尺度と互いに強く関連が見られ,比較的低い 水準であるが抑うつの尺度とも関連が見られたと述べている。 Ahern(2003)によれば,親に精神疾患のある子どもには,心理学的な問題においてリスクが増 加するという。この研究の目的は,西オーストラリアの精神健康診療所に通所する成人の子ど もについての人口統計学的特性を特定することであるという。診療所に通所する患者の調査で は,半数が,子どもがあると報告しているという。これらのうち,21%が統合失調症の主要な 診断を受けていたという。統合失調症が最も一般的な疾患であったが,統合失調症よりもうつ 病の主要な診断を受けている親と同居する子どもがほぼ 7 倍あったという。精神疾患のある患 者の子どもは,より広い患者に焦点を当てた領域に含まれていると述べている。 Manassis ら(2003)は,言語の使用と理解する能力にもかかわらず,子どもが他のものでなく いくつかの社会的な状況において会話を継続して欠くと,選択緘黙症が起こると述べている。 不安と関連したと考えられる一方で,選択緘黙症は,十分には理解されておらず,選択緘黙症 の子どもの研究は,しばしば親の報告に基づいているという。臨床的プロフィール,言語能力, 学習能力を十分に特徴づけるために選択緘黙症の子どもの独特の非言語的評価計画を展開して いるという。選択緘黙症をその他の不安障害と識別する特徴を求めるために,選択緘黙症では ない社会恐怖の類似の年齢の子どもとの比較を行ったという。14 人の選択緘黙症と 9 人の社会 恐怖の計 22 人の子どもが研究に関わったという。評価計画には,標準化された不安評価尺度, 認知及び学力テスト,会話と言語の評価が含まれているという。選択緘黙症と社会恐怖の集団 は共に不安と学習能力の類似の水準を示したが,選択緘黙症群は社会恐怖群と比較してある種 の言語的損傷を示したという。より多くの実例と非臨床的比較群を伴う再試が必要であるが, 結果から選択緘黙症の子どもは非言語的手段によって評価され,その障害は不安と微妙な言語 的損傷によって特徴づけられると述べている。 Miller ら(2003)によると,社会恐怖は,若年ではあまり検出されない衰弱させる不安障害で