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Title
骨内麻酔法により投与された14C標識2%リドカイン塩
酸塩の組織内浸潤状態の観察
Author(s)
後藤, 隆志
Journal
歯科学報, 113(2): 196-196
URL
http://hdl.handle.net/10130/3020
Right
局所麻酔法は歯科治療中の痛みをコントロールする上で必要不可欠なものである。歯科治療では浸潤麻酔 法,特に傍骨膜麻酔法が多用されているが,下顎臼歯部は皮質骨が緻密で厚いという解剖学的な理由により, 傍骨膜麻酔法では麻酔効果が得られにくい。骨内麻酔法は下顎臼歯部においても速効性で,麻酔効果も確実に 得られるとの報告が多々ある。そこで,骨内麻酔法により投与された局所麻酔薬がどのように口腔組織内を浸 潤していくのかを放射線同位元素およびイメージングプレートを使用した macroautoradiography の手法によ り視覚的に観察,検討した。 全身麻酔下の家兎に,14 C 標識2%リドカイン(1/80000アドレナリン添加,以下14 C リドカイン)を骨内麻 酔法あるいは傍骨膜麻酔法により投与した。骨内麻酔法には X‐tip SystemⓇ を使用し,下顎右側切歯の根尖付 近に14 C リドカインを0.03ml 投与した。傍骨膜麻酔法は下顎右側切歯歯肉口唇移行部粘膜に14 C リドカインを 0.04ml 投与した。骨内麻酔法により14 C リドカイン投与後,1分(IOA‐1群),5分(IOA‐5群),10分(IOA ‐10群)後,傍骨膜麻酔法により14
C リドカイン投与後,1分(PA 群)後に屠殺し,標本を作成した。BAS im-aging system により14
C リドカインを撮像して浸潤状態を可視化し,組織内分布を観察して浸潤面積を算出し
た。組織内の14
C リドカイン量の統計 処 理 はPaired t-test,浸 潤 面 積 の 統 計 処 理 はNon-repeated measures ANOVA を使用した。多重比較検定はStudent-Newman-Keuls testを使用し,危険率5%をもって有意差あり とした。 PA 群,IOA 群ともに家兎口腔内に投与した14 C リドカインは投与部位を中心とした集積像として観察され た。傍骨膜麻酔法により投与した場合は口唇などの周囲組織にまで14 C リドカインが浸潤していたが,骨内麻 酔法では周囲組織への14 C リドカインの浸潤は認められなかった。PA 群は歯牙根尖相当部に14 C 標識リドカイ ンの集積は認められなかったが,IOA‐1群ではすでに14 C リドカインの集積が認められた。このことから,骨 内麻酔法の効果発現が速やかであることが示唆される。PA 群と IOA‐1群の浸潤面積は,IAO‐1群の方が有 意に小さかった。IOA‐5群の浸潤面積は,IOA‐1群,IOA‐10に比べ有意に大きかった。組織内で観察され た14 C リドカインの量は IOA‐1,IOA‐5,IOA‐10において経時的な変化は認められなかった。 家兎口腔内に骨内麻酔法により投与された14 C リドカインは,投与後1分後には歯牙根尖部に存在を認め た。傍骨膜麻酔法により投与された14 C リドカインは,投与後1分では目標到達部位には浸潤しておらず,目 的部位以外の口唇にも浸潤していた。 <受賞論文>
Localization of14C-labeled 2% lidocaine hydrochloride after intraosseous anesthesia in the rabbit.
Goto T, Mamiya H, Ichinohe T, Kaneko Y : J Endod.2011;37(10):1376−1379.
≪プロフィール≫ <略 歴> 平成18年3月 東京歯科大学卒業 平成19年4月 東京歯科大学大学院歯学研究科 (歯科麻酔学専攻)入学 平成23年3月 東京歯科大学大学院歯学研究科 (歯科麻酔学専攻)修了 平成23年4月 東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンター特任臨床医 平成24年4月 東京歯科大学歯科麻酔学講座助教 平成25年4月 朝日大学歯学部総合医科学講座 麻酔学分野助教 現在に至る