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臨床に役立つ雑誌 18 : 産婦人科の雑誌

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78臨床に役立つ雑

産 婦 人 科 の 雑 誌

I . は じ め に インターネットをはじめとして情報網の発達 した現在、知りたい情報はほとんど瞬時に手に することが可能になった。それに伴って雑誌の 利用法も変化してきている。妓近では、多方面 で文献の検索にMedlineなどを利用するよう になってきている。この連載を担当されてきた 他の著者も異口同音にこの点に触れている。 雑誌の利用法としては、①ある症例に対して どのように対処するか類似症例の論文を探す、

②疾患に対する基礎的な研究成果を調べる、③

医学常識や学会の流れなどトレンドを掴む、④ 新しい診断法や治療法などの知識を得る等があ ると思われるが、①,②については決められた テーマについての文献検索、③,④については 特にテーマを決めずに雑誌に目を通すことにな る。 産婦人科は妊娠、分娩を扱う産科と女性生殖 器の疾患や内分泌異常などを扱う婦人科より成 る。胎児期(あるいはそれ以前)より死亡に至 るまでの一生を通して女性を診ることになるた め、他科との境界領域も多く含まれてくる。 産科では妊娠から出産に至るまでに発生する すべての異常に対して診ていく必要があり、特 に合併症を持つ妊婦は妊娠という特殊な状態が 原疾患に対して影響し、また原疾患が妊娠に影 群を与えることに留意しなければならない。し たがって他科・との連携が必要になってくるが、 病院の事情によっては他科に共観を依頼できな いこともあり、このような場合には他科の雑誌 お が わ は る き : 西 宮 市 立 中 央 病 院 産 婦 人 科 睦 艮 −28− 小 川 晴 幾 を調べなければならないこともある◎他科との 連携という意味では特に周産期に関しては小児 科との連携は必須であり、当院では産科と小児 科が毎週カンファランスを行って、患者(妊婦、 胎児)や疾患についての知識の共有を心がけて いる。以前の掲載で周産期医療について述べら れている(病院図書室.1993;13(3):104−111) ので、あらためて再読をお勧めする。 婦人科では主に女性性器に関する奇形、感染 症、腫傷などの異常や内分泌疾患、代謝疾患も 扱っている。骨粗娠症のような、以前では整形 外科で主に扱われてきた疾患も、女性ホルモン 補充療法の関係から婦人科で扱われることも増 えてきた。また近年における生殖医学の進歩は 単に不妊症の治療にとどまらず、法律の範礁に 無い親子関係の出現など社会的な問題を作り出 した。これに伴い生殖医療を行う婦人科医は単 に医学知識にとどまらず、法律や社会的知識も 必要とされる。癌治療にしても化学療法の進歩 に伴って治療法の選択の幅が広がっており、他 科との協力のもとに手術療法や放射線療法等が 飛躍的に進歩している。このことは他科におけ る診断技術や治療の進歩についても認識してい かねばならないことを意味する。 簸近の論文の特徴として特に診断を行う上で 分子生物学的手法が不可欠となっている。今ま ではこの手法は基礎医学で主に使われてきた。 すなわち基礎研究と臨床研究の垣根がなくなっ てきている。この傾向は産婦人科のみでは無い が、このことは臨床医と基礎研究者の読む雑誌 に重なりができてきたことを意味する。 このように産婦人科といっても大変多岐にわ

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たっており、そのすべてについて詳述すること は困難である。また読者一人一人雑誌の読み方 は異なるであろうし、勤務する病院の所在地や 図書室の設備にも制限されると思われるため、 結局自分にあった利用法を考えなければならな い。 Ⅱ.国内雑誌 1.学会誌 ここで産婦人科関係の学会を網羅することは できないが、臨床の指針を得る為にはやはり学 会の動向を見据えることがとりあえず必要であ る。産婦人科全般としては全国誌として「日本 産科婦人科学会雑誌」があり、全国の産婦人科 医 に と っ て 臨 床 及 び 研 究 指 針 の 礎 と な っ て い る。また筆者の所属地方会誌は近畿産科婦人科 学会の発行する「産婦人科の進歩」であり、地 域医療の中での協調を図る上で重要な雑誌とな っている。 「日母医報」は日本母性保護産婦人科医会が 発行している。この医会は1948年に制定された 優生保護法に対して、1949年に優生保護法指定 医師の団体として創立されたが、1965年には会 員資格をすべての産婦人科医師に広げた。「日 本産科婦人科学会雑誌」が臨床及び基礎的研究 に 関 す る 論 文 を 主 に 取 り 上 げ て い る の に 対 し て、「日母医報」はいわゆる雑誌ではなく、産 婦人科診療上の諸問題、医療行政、医業経営、 医事紛争、医療保険など多種多様な医療情報が あふれる中から産婦人科臨床医にとって必要な 表 1 産 婦 人 科 関 連 学 会 ・ 研 究 会 エンドメトリオーシス研究会 骨盤機能温存研究会 産婦人科マイクロサージヤリー学会 産婦人科臨床懇話会 女性排尿障害研究会 腎と妊娠研究会 糖尿病と妊娠に関する研究会 日本癌学会 日本癌治療学会 日本外科系連合学会 日本更年期医学会 日本サイトメトリー学会 日本産婦人科栄養・代謝研究会 日本産婦人科ME学会 日本産科婦人科内視鏡学会 日本婦人科感染症研究会 日本産婦人科手術学会 日本産婦人科腫傷マーカー・遺伝子診断学会 日本産婦入科・新生児血液学会 日本産婦人科テロメラーゼ研究会 日本思春期学会 日本周産期学会 日本繊毛性疾患研究会 日本受精着床学会 日本女性心身医学会 日本新生児学会 日本性科学会 日本性感染症学会 日本生殖内分泌学会 日本生殖免疫学会 日本先天異常学会 日本ソフロロジー法研究会 日本胎盤研究会 日本超音波医学会 日本内分泌学会 日本乳癌学会 日本妊娠中毒症学会 日本婦人科悪性腫傷化学療法学会 日本婦人科がん検診学会 日本婦人科腫傷学会 日本不妊学会 日本分娩管理研究会 日本分娩体位懇話会 日本平滑筋学会 日本母性衛生学会 日本IIili乳動物卵子学会 日本臨床遺伝学会 日本臨床細胞学会 日本臨床電子顕微鏡学会 病態と治療におけるプロテアーゼとインヒビター研究会 分娩と麻酔研究会 −29−

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情報を提供する広報であり、産婦人科臨床医と しては目を通しておかなければならない。 ①日本産科婦人科学会雑誌 ② 産 婦 人 科 の 進 歩 ③ 日 母 医 報 専門分野別では関連学会及び研究会発行の雑 誌ということになる(表lは「日本産科婦人科 学会雑誌」52巻1号に掲載されている産婦人科 関連学会及び研究会である)。 たとえば腫傷について見てみると、癌学会の ように基礎医学的研究を主体とした学会や癌治 療学会のように臨床研究を主体とした学会とい う住み分けがみられる。また臨床研究において も、診断学的立場からだけでも病理学会や細胞 診学会、腫傷マーカー・遺伝子診断学会、婦人 科癌検診学会など数多くの学会があり、治療に ついても数々の手術関連、放射線治療関連、化 学療法関連の治療学会や研究会がある。がん転 移研究会のように、基礎医学研究者、臨床医、 臨床研究者、それに企業が参加して癌の浸潤、 転移という現象に絞って検討する研究会も作ら れており、このような学会では種々の科も含ま れることによって婦人科とは異なった視点から 婦人科腫傷を見つめなおすことができる。ただ あまりに学会の数が多く、これらの学会誌すべ てに目を通すことは困難である。 前述したように関連学会は時代とともに増え てきており、疾患によっては他科の雑誌が参考 になる場合もある。 2.商業雑誌 以下に主な商業雑誌を示すが、基本的には趣 旨やテーマの取り上げ方はよく似ている。その 構成は、1.特集、2.診療(手術手技、薬物療法、 放射線療法など)、3.症例、4.研究等からなり、 学会誌では基礎医学的研究論文が多い傾向があ るのに対して、臨床に直接関わった内容が多い。 学会誌への投稿と違って著者が肩を張らずに教 育的視点を持って論じている場合も多く、産婦 −30− 人科入門的あるいは啓蒙的な色彩が強い。また 発刊以来歴史の長い雑誌もあり、多くの産婦人 科医が目を通しているため、学会誌にもよく引 用されている。特集の組み方も今日的な話題が 多く、解説的であることから教科書代わりの使 い方をされることもある。どの雑誌も優劣つけ がたく、一通りタイトルだけでも目を通したく なる。筆者も診療方針が決めにくい時、とりあ えずこれらの雑誌から類似、関連症例を調べて いる。 ①産婦人科治療(永井書店) ②産婦人科の実際(金原出版) ③産科と婦人科(診断と治療社) ④産婦人科の世界(医学の世界社) ⑤臨床婦人科産科(医学書院) ⑥周産期医学(東京医学社) Ⅲ、外国雑誌 筆者自身、大学に在籍していた時と現在とで は読む雑誌がかなり異なる。大学在職中は腫傷 について研究していたので、「Nature」「Sci‐ ence」「Cell」「ProcNatlAcadSciUSA」 「CancerRes」「JNatlCancerlnst」等かなり 専門に偏りがあった。現在は、「Lancet」「N EnglJMed」「JAMA」等臨床系の雑誌が主と な っ て い る 。 こ れ ら の 雑 誌 は 恐 ら く ほ と ん ど 全 ての科の先生方が目を通しておられる信頼‘性の 高い雑誌であり、常に産婦人科関係の論文が載 っているわけではないが、忙しくて読めないと きもタイトルだけでも気にかけておきたいと思 っている。 ①Nature ②Science ③Cell ④ProceedingsoftheNationalAcademyof ScienceoftheUnitedStatesofAmerica ⑤CancerResearch ⑥JoumaloftheNationalCancerlnstitute ⑦Lancet ⑧NewEnglandJoumalofMedicine

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⑨JAMA このシリーズでいつも取り上げられている SCI(ScienceCitationlnstitute)のImpact Factorを、産婦人科関係について表2に示し た。大きく分けて、産科学、婦人科腫傷関係、 生殖医療関係の雑誌で占められる。特に最近の 生殖医療の進歩は遺伝子工学の進歩や体外受精 の発展に伴って急速であり、「FertilSteril」を はじめとして生殖医療に関与する雑誌は不妊症 や更年期障害などを専門としていなくても目を 通すことが多くなっている。「AmJObstetGy‐ necol」や「ObstetGynecol」や、「BrJObstet Gynaecol」はどこの図書室でもよく見かける 雑誌であり、多くの産婦人科医が目を通してい ると思われる。産婦人科全般について動向を掴 むには適当な雑誌と思われる。 ImpactFactor上位にある雑誌はやはり学会 誌の論文中によく引用されているが、これらの 論文が臨床に直結するとは限らない。また前述 したように、最近の論文の特徴として、今まで は基礎医学で主に使われてきた分子生物学的手 法等が不可欠となっているため、ある程度の研 究経験がないと論文内容の理解が困難な場合も ある。しかし、このような手法は最近では臨床 検査をはじめとして日常臨床に多用されるよう になっており、臨床医としても基礎医学で利用 −31− さ れ て い る 手 法 を 理 解 し て い な け れ ば な ら な い。 ①FertilityandSterility ②HumanReproduction ③AmericanJournalofObstetricsandGyne‐ cology ④ObstetricsandGynecology ⑤BritishJoumalofObstetricsandGynaecol‐ ogy Ⅳ . お わ り に このシリーズで今までに掲載された他科の紹 介雑誌には、筆者自身も目にする雑誌がかなり あった。それらの雑誌が多くの診療科で読まれ ているのは、掲載論文の信頼性やオリジナリテ ィが世界的にも高く評価されていることもある が、各科の特殊性とともに医学としての共通性 があるからであろう。かつて基礎医学の成果が 臨床に反映するにはかなりの時間が必要であっ たが、現在では基礎医学の成果は場合によって は臨床に直結する。また、ある診療科での研究 の成果が、別の科の診療に影響を与えることが 以前にもまして考えられるようになった。しか し、基礎医学から始めて他科の雑誌にまで目を 通すとなると現実的ではなくなる。限られた時 間の中でどの雑誌をどのように読むか大変難し い選択となっている。

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4363248

0081493533142503511020

11948231031366769

030000001412202J3

000000000000000

46635

由●●■●554339

参照

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