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クッキー・カッター系に現れるフラクタル集合について

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Academic year: 2021

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(1)平成10年度 学位論文. クッキー・カッター系に現れる フラクタル集合について. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科. 教科・領域教育専攻 自然系コース. M97554A駒田. 勝….

(2) 序 文 IBMの研究員であるマンデルブロー(BB.Mandelbrot)は,1960年代から1970年代にか けて,フラクタル幾何学という新しい幾何学を構成した.彼が“フラクタル”という造語を 用いたのは,“破壊された(fractured)”とか“断片の(丘actional)”といった単語を人々に. 連想させるためであった.このフラクタル幾何学は,壊れたり,しわが寄っていたり,一様 でなかったりする形に焦点を当てた幾何学である.この幾何学で扱う集合,つまりフラクタ. ル集合は,その形をどんどん倍率を上げて眺めてゆく場合に,ある倍率で見える形と,その 細部を別の倍率で見た形とが酷似している点や,高木関数のグラフのような一部の例外があ るものの,一般に,次元が非整数となる点など際立った特徴を持つものである. 一方,1960年代の初期に,ローレンツ(E.N.Lorenz)は,コンピュータを使って大気の運. 動を記述する非線形方程式を解いていた際,次のような事実に気づいた.それは,微少な初 期値の違いが非線形方程式の近似解を求めていくうちに無視できない差となり,全く異なっ た結果を得ることになるということであった,この発見は,データの精度をいくら高めても. 完全な予測は不可能であるということを意味し,決定論的な因果性を持った力学系の中に予 測不可能な振る舞いが潜んでいることを我々に知らせることとなった.ローレンツのこの仕 事は,1970年代の初期になって,初めて多くの研究者の知るところとなり,注目を集めた. 特に,このような予測不可能な結果が簡単な系でも起こり得る事実が確認されて以後,数学,. 物理,工学の科学者達によってこの手の力学系に関する研究が多くなされてきた.これらの 研究の1つに,ボーエン(R.Bowen)やリュエル(B.Ruelle)らによって,エルゴード理論 と関係して統計力学の考えを力学系へと押し進めた研究があり,現在では熱力学形式論と呼 ばれている.. 1920年代に既に,様々な関数に対して予測不可能な振る舞いを生じさせる,複素平面内の数 のある集合について,その性質を定式化していた人物がいる.フランスのジュリア(G.Julia). である.その集合は,2次関数に対応する場合ですら劇的に複雑であり,これらはフラクタ ル集合の例となっている.このような集合は,ジュリアに因んでジュリア集合と呼ばれる. 本論文の主目的は,フラクタル集合を研究することにある.上述のジュリア集合のように, ある種の力学系に現れるフラクタル集合に的を絞って議論していく.具体的には,クッキー・. カッター系と呼ばれる離散力学系に現れるフラクタル集合(反発子)に着目し,熱力学形式 論とエルゴード理論の立場から,フラクタル集合を研究していくことを目的としている. 以下に本論文の概略を述べる.. 第1章では,幾何学的測度論についての基礎事項と反復関数系について述べる.まず,測. 1.

(3) 度の定義をおこない,フラクタル集合を比較する手段として,ボックス次元とハウスドルフ 次元を導入する.特に,完全加法性をもつハウスドルフ測度から定義されるハウスドルフ次 元は,理論展開にとって有用である反面,比較的単純な集合に対してでも,その測度と次元. を評価することは困難を伴うことが多い.そのため,L6節では,次元評価に役立つ命題を 述べ,第3章の理論展開に備える.後半の1.8節では,反復関数系を扱っていく上で必要と なる基本事項をまとめて述べ,併せて今後必要となる記号や概念もここで説明しておく.. 第2章では,前半で熱力学形式論を扱う上で必要となる力学系,すなわちクッキー・カッ ター系を定義し,クッキー・カッター集合と呼ばれる反発子の導入をおこなう.後半では, クッキー・カッター集合上定義されたりプシッツ関数を用いて,有界変動原理と有界歪曲原 理を証明する.更に,有界歪曲原理より,1.9節で述べた定理がクッキー・カッター集合に 対して応用できることを述べる.. 第3章では,熱力学形式論を用いて,クッキー・カッター系∫に現れるクッキー・カッター 集合Eの次元公式と,Eに台をもつ∫の下で不変な確率測度の存在を示す.具体的には,3.1 節で圧力とギップス測度を定義し,その存在を明らかにする.3.2節では,3.1節の結果を踏. まえ,圧力関数を用いて,∫のクッキー・カッター集合Eの次元公式を導く.また,3.3節で は,関数解析から得られる結果を用いて,不変ギップス測度の存在を証明する.更に,測度. μがエルゴード的であるとはどういうことなのかを述べ,任意のギップス測度が∫に関して エルゴード的であることを証明する.3.4節では,力学系理論の重要な不変量となるエント ロピーの存在を示し,圧力とエントロピーの関係を表す変分原理について述べる.最後に, 3.5節では熱力学形式論と統計力学の関係を,1次元粒子鎖を用いて説明する. 第4章では,確率論と力学系における最も基本的でかつ重要な結果のひとつであるエルゴー ド定理を,自己相似集合やクッキー・カッター集合に対して適用していく.具体的には,4.1. 節でエルゴード定理を証明し,続く4。2節では,エルゴード定理の簡単な応用例として力学 系のリアポノブ指数について述べる.更に,4.3節では,!992年にベドフォード(T.Bedford). とフィッシャー(A.Fisher)によって導入された平均密度について述べる.フラクタル集合 に対して一般には密度は存在しないが,平均密度の方はクッキー・カッター集合を含めた多 くのフラクタル集合に対して,その存在が明らかにされている.本節では,平均密度を定義. した後,カントール3進集合とクッキー・カッター集合の平均密度が存在することを,エル ゴード定理を用いて証明する.. 最後に,この論文作成に当たり,ひとかたならぬご指導をいただいた小池敏司先生に深く. 感謝の意を表します.また,測度論の勉強に際してゼミへの参加を快諾して下さった藤原 司先生並びに横山博次さんにお礼申し上げるとともに,渡辺金治先生をはじめ数学教室の先 先生方に心から感謝いたします.. 1i.

(4) 目次 第1章 フラクタル幾何学の基礎. 1. 1.1 測度 ...。...._... 1. 1.2 ルベーグ積分_.... .. 1.3 ボックス次元_,.......... . .. 6 8. 10. 1.4 ハウスドルフ測度とハウスドルフ次元 1.5 次元の基本的性質...... .. 14. ... 14. 1.6 次元の計算 .,.. 1.7密度... 17. .. 1.8 反復関数系 .,.._.....,.. 18. L9 次元を扱うための間接的な方法... 22. 28. 第2章クッキー・カッターと有界歪曲 2.1 クッキー・カッター集合.. 28. .. . .. 2.2 有界変動原理と有界歪曲原理 .... .. 30. 38. 第3章熱力学形式論 3.1圧力とギップス測度 。....... .. 38. 3.2 次元公式......_.,...... 42. 3.3 不変測度と移送作用素... 47. . 。 .. 3.4 エントロピーと変分原理.. 53. 3.5 熱力学形式論の由来 し.... 57. 61. 第4章エルゴード理論とフラクタル 4.1 エルゴード理論.. 61. 4.2 リアポノブ指数....。.. 66. 4.3 密度と平均密度.._... 67. .. 77. 付録A章 A.1劣加法列とイエセンの不等式. 77. A.2定理33.2の補足 ,.,... 80. A.3定理4.3.4の補足 ...... .. 82. 85. 参 考 文 献. iii.

(5) 第1章 フラクタル幾何学の基礎 本章では,本論文において利用されるフラクタル幾何学の基本的な考え方をまとめる.ま ず最初に,測度とルベーグ積分に関する基本的事項を述べる.続いて,フラクタル次元につ いて述べることにする.特に,ボックス次元,ハウスドルフ次元を定義し,その性質につい てまとめる.後半では,フラクタル集合を表現する上で役立つ手法を準備し,反復関数系の 導入をおこなう.併せて,今後必要となる記号や概念についてもここでまとめて説明するこ とにする.. 1.1 測度 η次元ユークリッド空間Rπの部分集合をXとする.このときXの部分集合の族ル1が, 1)の∈ル{. 2)A∈廻ならば、4c∈ル{ 3).瓜∈洞@=1,2,_)ならばU、曳∈ル{ π=:1. を満たすとき,洞はσ集合体であるという.空間Xに付随させて,Xの部分集合のσ集合 体廻が与えられているとき,(X,M>を可測空間といい,洞に属する集合を可測集合と呼 ぶ.. 可測空間(x,ル1)が与えられているとき,廻の各集合に対して一つずつ値を対応させる 次のような関数μを洞上の測度という. 1)0≦μ(X)≦○○,μ(の二〇 (非負性). 2)凶,B∈洞,、4⊂βならばμ(淘≦μ(β) (単調性). 3凪∈川・一1,2,…)ならばμ(UA。)≦Σμ(ん)(劣三二)・ η=1. η=1. ここでは,一般的な測度論の外測度の意味で測度という要語を用いていることに注意して おく,. Xの部分集合.4がμ一可測であるとは,任意のE⊂Xに対して, μ(E)=μ(E∩A)+μ(E\・4). が成り立つときにいう.. 1. (1。1).

(6) 2. 1.フラクタル幾何学の基礎. 命題1.1.1 μはX上の測度とする.MをXのすべてのμ河測な部分集合の族とする. このとき測度μは,次の性質を満たす. 1)、4%∈ルf(η=1,2,_),.ん∩Aj=のσ≠のであるならば. μ(Uん)一Σμ低〉・ 仁1. (1・2). 仁1. 2)洞に属する単調増加する集合列A1⊂A2 C_に対し, μ(U窺)図無μ(ん)・. (1・3). 仁1. 3)Mに属する単調減少する集合列A1⊃A2⊃_に対し,もし,μ(A1)<OGならば. μ(∩ん)一壌μ(ん)・. (1・4). ゴ=1 【証明】 [〉κJFαJcoηeT!畑 政義訳)[5]第1章第1節定理!。1,定理L2参照. 口. Rπの空でない部分集合孟に対し,Aの直径を, レ1卜=sup{i¢一明:¢ラン∈A}. と定義する.また,Rηの空でない部分集合、4,βに対して,この2つの集合間の距離を, 4乞s孟(A,β)=inf{1α!一yl:¢∈A,シ∈B} と定義する.. X上の測度μがボレル(Borel)測度(距離外測度)であるとは,4説(孟, B)>0となるみ,. B⊂Xに対して, μ(/1Uβ)==μ(A)十μ(B). (1.5). が成り立つときにいう. Rπのコンパクト集合全体をC(Rπ)で表す.6(.Rπ)を含む最小のσ集合体をボレル集合体. といい,β(Rπ)と書く.このような最小のσ集合体は常に存在する.その存在性の証明につ いては,猪狩 怪[11]第2章第5節を参照されたい.β(Rπ)の元をボレル集合という. ボレル集合については,次のことが成り立つ.. 定理1.1.2 μをX上のボレル測度とする.このとき,Xの任意のボレル集合は陸可測で ある.. 【証明】 〉κZFαJcoηεT(畑 政義訳)[5]第1章第1節定理1.5参照. □.

(7) 3. 1.フラクタル幾何学の基礎 測度μが正則であるとは,Xの任意の可測集合Eに対し,μ(E)驚μ(孟)を満足するμ一. 可測な集合孟で,Eを含むものが存在するときにいう.今後,特に断ることがなければ,測. 度はボレル正則な測度を意味するものとする。また更に,全体集合Xについては,すべて の測度μに対して,μ(X)>0となっていることも仮定しておく.. μ(X)<OoとなるときX上の測度μは有限といい,すべての有界な集合直に対して, μ(五)<。○であるときμは局所有限であるという.また,μ(X)=1となる測度μを確率 測度という.. μの台(support)とは,8pオ(μ)と書いて,測度0の補集合で最小の閉集合をいう.すな わち,. 5pオ(μ)=X\U{σ:σは開集合,μ(σ)=0}.. 以下に測度の例をいくつか紹介しておく.. 1)任意の集合X⊂Rη1こおいて,Xのある1点αを固定し,集合.4⊂Xがαを含むと きμ(A)=1,含まないときはμ(助=0と定めると,Xのすべての部分集合族の上で定義 された測度が得られる.これをαに質量をもつ単位質量分布またはディラック(Dirac)測 度という.. 2)(Rπ上のルベーグ測度) 座標平行体.P={(¢、,晦,...,賜)∈Rπ:砺≦亀≦6身のπ. 次元体積を V・♂η(P)=(6一α、)(62一α2)_(ゐバα。). で定義する.そのとき,Rπの部分集合Aのη次元ルベーグ測度か(.4)は ゆ. £η㈲一i・f{Σy・」η(君・)・A⊂U君} ‘=1. 仁1. と定義される.ここで,各君はRπの座標平行体である.. 3)X上の測度をμ,Xの部分集合をEとする.そのとき,任意の部分集合、4⊂Xに対 して,. μIE(ノ4)=μ(/1∩五1). (1.6). で定義すると,μiEは測度となる.これをμのEへの制限という 4)分割の繰り返しによって,測度を有益に定義することができる(図L!参照). m≧2に対して,列{(21,¢2,_擁)漉≧0,1≦ら≦m(ゴニ1,2,._,鳶)}で添え字付け られたRπ上の部分集合からなる階層を考えることにする.任意の列(乞1,乞2,_,殉に対して,. 及、,{、_1、をRπ上の空でない有界閉集合とし,また,そのような集合すべてからなる族をε. と表すことにする.これらの集合に対して,. れ. X・1,・、,_,毎⊃UXI1,ゼ、,_,婦. 歪=1.

(8) 4. 1.フラクタル幾何学の基礎. 灘鍵灘《曝験2 ×1. x1,1 x1.2. ろ.1写2・2. 図L1:分割の繰り返しによる測度の構成 を満たす入れ子構造になっていることを仮定する.更に,どの列伍,宛,.,.,勾に対しても, μ(x‘、,,2,…,、、)一Σμ(濁、,・、,…,偏). 乞二1 となるように,X盛、,ピ、,_,盛鳶∈εに対して,μ(X肋,_,の<○○が定義されていると仮定する.こ れは,質量μ(X査1,z2,_,2鳶)が部分集合濁、,馨、,..4ん,乞,(1≦¢≦m)で分割されていることを意味す る.また,すべての列侮,乞2,_擁)に対して,集合の直径1瓦、,ゴ、,_,づ、1とその測度μ(xゴ、,、2,…,、鳶). が共にん→○○として0に収束すると仮定する.各鳶に対して飢= U 瓦、≠、,_,傷,と書 ・ 歪1,ゼ2,卿り茗鳶. き,E=∩軌とおけば, Eは閉かつ空でない減少列の交わりであり,従ってEは空でない たコむ. 閉集合となる.ここで,A⊂Rηに対して, μ(蓋)一inf{Σμ(砺)・遵∩E⊂U砺,隣∈ε} ゴ. (1・7). 盛. と定義すると,μはEに含まれた台をもつ測度となる.. ソは,Rηの部分集合からなる集合族とする.ソが集合E⊂Rηをヴィターリの意味で 被覆するとは,任意の¢∈Eと任意のε>0に対してσ∈ソが存在して, ¢∈σかつ1σ{<ε. となることである.このときVをEのヴィターリ(Vitali)被覆という..

(9) 5. 1.フラクタル幾何学の基礎 定理1.1.3 (ヴィターリの被覆定理). E⊂Rπ,μ(E)<○○とする.ソは閉球からなるEのヴィターリ被覆とする。このとき,. 互いに交わらないγの可算列{砺濃1が存在して μ(E\∪の=o 唇二1 が成り立つ.. 【証明】 〉猪狩 怪[11]第4章第3節定理4.4,κ.∫Fα」60ηθr(畑 政義訳)[5]第1章第. 3節定理1.10参照. ロ. 測度が導入された可測空間(X,ル。において,その各点3に対して定義された命題P(8)が. 成立しないような3全体の集合の測度が0であるとき,P(5)はほとんどすべての5について 成り立つ,あるいは,ほとんどいたるところ成り立つという.. 命題1.1.4 Rπ上の局所有限ボレル測度をμとする.このとき,任意のμ河測な集合Eに 対して,測度0の点を除いて, μ(E∩β(η)). lim. r→o μ(B(∬の). (1.8). は存在し,μ一ほとんどすべての。じ∈Eに対して1,μ一ほとんどすべての峰Eに対して0 となる.なお,B(∬,r)は中心が¢で,半径rの閉球を表す.. 【証明】 μは局所有限であり,問題は局所的であるので,μは有限であると仮定しておい てもよい.最初にμ一ほとんどすべての嘩Eに対して,(1.8)は0になることを証明する. そこで,0く。〈1を取り, M。={¢∈Elc:rは任意の小さな値として,μ(EC∩B(∬, r))<cμ(B(¢,r))}. と定義したとき,μ(Mc)=0となることを示すことから始める.ここで,ECはEの補集合 を表す.. ε>0を与えれば,μ(σ)<μ(M。)+εとなるような開集合σ⊃M。は存在する.いま, ソ={β(∬,γ・):¢∈Mの1ヲ(灘,T)⊂乙ろμ(EC∩1ヲ(諮,T))<cμ(β(ユろr))}. で球の族ソを定義する.このときソはM。のヴィターリ被覆となる.よって,ヴィターリの 被覆定理より,μ(砿\Uβの=0となるγに属する互いに素な球の列β1,一β2,_が存在する. そこで,一. ぎ.

(10) 6. 1.フラクタル幾何学の基礎. μ(M。)ニμ(砿∩UB・)+μ(砿\UB・)一Σμ(砿∩β・) ゴ. ゴ. ぜ. ・<Σ・μ(β∂. ぎ = cμ(Uβ∂ ゴ ≦cμ(σ) <c(μ(M。)+ε) となる・μ(Mc)<c(μ(M。)+ε)は任意のε>0について正しいのだから,μ(M。)≦cμ(M。). となり,μ(Mc)=0を得る.よって,μ一ほとんどすべての¢∈Elcに対して, cμ(一8(叩))≦μ(EC∩β(影,r))≦μ(B(叩)) となり,. μ(EC∩β(∬,り). 〈1. C<. 一. μ(B(の,r)) 一. を得る.0〈c〈1は任意より,嘩Eで μ(EC∩B(謬,γ)). lim. =1. ・→o μ(β(卿)). となる.結局,μ一ほとんどすべての嘩Eで μ(E∩B@,r)) lim =0. ・→o μ(β@,T)) となる.. また,μ一ほとんどすべての¢∈Eに対して!となることも同様にして証明できる. ロ. X上の測度μとμがすべての集合孟⊂Xに対して, c1μ(ノ4)≦zノ(ノ4)≦c2μ(ノ4). (1.9). となるようなc1,c2>0が存在するとき,2つの測度μとμは同値であるという.. 1.2 ルベーグ積分 この小節では,本論文第3章,第4章で主に使用されるルベーグ積分の基本的事項につい て述べる.なお,可測空問(x,ルで)は与えられているものとする. ∫:X→Rが単関数であるとは,α1,α2,...,偏∈Rで,.41,A2,.,。,.傷は互いに交わらな. い可測集合としたとき, た. ∫(・・)ニΣ・・1ん(勾. ゴ=1.

(11) 7. 1.フラクタル幾何学の基礎. で表される関数をいう.なお,1且ゴ@)は定義関数である.μに関する非負単関数∫の積分を,. μμ一£卿∂ z=1 で定義する.このとき,積分の右辺の値は単関数∫の表現に無関係に決まる(猪狩 怪[11]第. 3章第3節参照).. ∫:X→Rが可測関数であるとは,すべての。∈Rに対して,集合勧∈X:∫(勾く。}が 可測集合となるときにいう.∫を非負可測関数としたとき,0≦51(¢)≦52(勾≦...→ノ@). を満足する可測単関数列{82}が存在する(猪狩 怪[11]第3章第2節定理3.4).. 可測関数∫:X→R+∪{0}の積分は,0≦51@)≦52(¢)≦_→∫@)を満足する可測 単関数列{碕をひとつ選び,. /∫(㈱:勾一無/軸ゆ) で定義する.このとき,右辺の極限値は単関数一価}の選び方に依存しない(猪狩 怪[11]第. 3章第3節参照). 可測関数∫:X→Rに対し,ノ+@)=max(ノ(の,0),ノー@)=max(一ノ(の,0)とする.こ. のとき・/μμ・/μμが共に有限であれば∫は積分を有するといい・ /ノ4μ一/ノ・4μ一/μμ. で定義する.このような関数∫を可積分であるという.X上で定義された可積分関数全体を 双X,4μ)または五(X)と書く.特に,考えている定義域が自明なときは単に五と書ぐ以下 に可積分関数の諸性質と基本的定理を述べる.. 可測集合E,FがE∩F三のであり,さらにノ∈ゐであるならば,. ん.F抑一んノ4μ+々4μ が成り立つ.また,!,g∈ゐ,α,6∈Rとすれば,. ノ(・!+6面一・/∫4μ+6/94μ が成り立つ(猪狩 慢[11]第3章第4節補題3.6,定理3.6).. {吋窪1を非負可測関数列とするとき,. /(Σ醐μ一碧/卿 が成り立つ(レビ(Levi)の定理).また,可測関数の列ゐ:X→Rで,0≦ノ1(勾≦∫2(勾≦ _ならば, /(1imゐz→○○)4μ一門ノ紳.

(12) 8. 1.フラクタル幾何学の基礎 が成り立つ(単調収束定理).さらに,可測関数の列が義≧0ならば,. /(1i離脚≦1i碧碧fμ4μ が成り立つ(ファトゥー(:Fatou)の補題).最後に,可測関数の列五:X→Rに対し,μ一. ほとんどすべての謬に対して周≦gを満たす,可積分な関数gが存在し,∫(勾=ユim以切 z→OQ. であれば,. /(藻僻一無/紳 が成り立つ(ルベーグ(Lebesgue)収束定理).これらの収束定理については,伊藤清三[13]第. 3章第13節を参照されたい.. 1.3 ボックス次元 集合のフラクタル次元の研究は,フラクタル数学の中心内容のひとつである.本節と次節 で定義される内容は,一般距離空間の中でも考えられるのだが,ここでは,Rη上の部分集 合の次元を中心に扱うことにする.次元については様々な定義がなされているが,まず最初 に,最も単純なボックス次元について述べる.この次元は,エントロピー次元,容量次元な どとも呼ばれることがある.. R%上の空でない有界な集合Eに対して,N,(E)は集合Eを被覆できる直径が高々rの集 合の最小個数とする.このとき集合Eの下ボックス次元と上ボックス次元を, log Nr(E). d迦βE=1iminf −log r r→0. (1.10). 藤一1囎pb呈譜). (1ユ1). で定義する.これら2つの次元の値が等しいとき,集合Eのボックス次元として, 1・9瓦(E) dimB E』lim −log r r→0. (L12). と定義する.このとき,個数N。(E)の定義を次のように書き換えても(1.10)と(1.11)の右. 辺の値は変化しないことが容易に確かめられる(図1.2参照).. 1)Eを被覆する半径rの閉球の最小個数 2)Eを被覆する一辺rの立方体の最小個数. 3)Eと交わる匹me論立方体の個数 4)Eを被覆する直径が高々rの集合の最小個数 5)Eの中に中心をもつ半径rの互いに平な球の最大個数 なお,r−mθ5ん立方体とは, m1,m2,_,晦が整数として式[mlr,(m1+1)r)×一・×[m罷,(m計. 1)r)で表される立方体をいう.. 集合Eの匹近傍または7一平行体を,.

(13) 9. 1.フラクタル幾何学の基礎. 梵多. ㌣. 許g㊥. 殺タ. ・卵割. 蝋7. へ. 姻 (iむ. 」’ジる. 。ご偽. 勝』‘P謬. 影’.. 【i). 、. う. 、、. @. 炉. 働 〔iil}. 〔ii). ⑲. 輪. 輪 ⑳ (ガ9. (iv). 写. {V}. 図1.2:集合Eの瓦(E)を求める5つの方法 E.={¢∈Rπ:あるッ∈Eに対して,匝一二≦r} と定義する.. 集合Eのr一平行体E.のη次元ルベーグ測度(もしくはη次元体積)を用いて書き換えた ボックス次元の定義をミンコノフスキー(Minkowski)次元といい, E⊂.Rπに対して,. 蝉一一1囎pbg謬) (1・13) 郵一一li鱒fbg謬) (1・14) 109∠⊃孔(Eの. dimβE=η一1im log r T→0. (1.15). と定義される(κ.」.17α♂coγτeγ・[6]第3章第1節命題3.2参照).. ボックス次元の最大の弱点は,測度になりえないことである.以下にそのことを確認する..

(14) 10. 1.フラクタル幾何学の基礎. つビ8(疋う. o. 0. d董m118. 図1.3:8の関数としての7{5(E)のグラフ. 命題1.3.1 万をEの閉包とする.このとき,. 血βE=血βEラdimB E=dimB E が成立する.. ん. 【証明】 {B、,β、,_,疏}を,半径・の閉球による有限族とする.もし,閉集合Uβ、⊃E. 乞=1. た. ならば,U島⊃万でもあることから明らかである・. [⊃. 客=1. この命題の結果からボックス次元は,測度の条件,劣加法性を満足しないことがわかる.た. とえば,集合Eを0と1の間の有理数による(可算個の)集合とすると,集合万は区間[0,1]. となり,d迦B E=dimB万r・1である.しかし,1点集合とみなされるどの有理数のボック ス次元も明らかに0である・すなわち,dimB U E・≦ΣdimB瓦は一般に成立しなレ・・ 釜=1. 2=1. 1.4 ハウスドルフ測度とハウスドルフ次元 ハウスドルフ次元は,一般の被覆に対して定義される分,ボヅクス次元よりもより複雑で ある.. Rη上の有限個または可算個からなる集合族{σゴ}が,集合E⊂Rηのδ一被覆とは,すべて. の¢に対して,臥}≦δで,E⊂u研が成り立つときにいう. ゴニユ. EをRπ上の部分集合とし,かつs≧0とする.このとき,δ>0に対して,. 環E)一i・f{Σ圓5・{岬ま集合Eの厳覆} 仁1 と定義する.5を固定して,δの関数と考えたとき,騰(E)はδの減少とともに単調に増加 する.従って,○。値までこめれば,常に極限値は存在することがわかる.ここで,Rπの部.

(15) 1.フラクタル幾何学の基礎. 11. 分集合Eのs次元ハウスドルフ(Hausdorfr)測度を. 鴛ε(E)=鴻矧E). (1・!6). で定義する.. 定理1.4.1 集合E⊂Rπに対して, 1)究s(E)<OQであるとき,孟>5ならば究t(E)ニ0となる・ 2)究3(E)>0であるとき,8>rならばπ「(E)・=○○となる.. 【証明】 冠8(E)〈○○,孟>5ならばδ>0に対して,. 幡豆一inf{Σ1αr職1≦δ, E⊂U仏} ‘=1 ゆ. =. 仁1. ≦inf{Σδ¢一51σ」3・1α1≦δ,E⊂uα・} と δ毒一3フ老匿(E). ゴニ. だから,δ→0で刃舌(E)=0を得る・また,2)も同様にして得られる.. 臼. 究s(E)は,Rπ上のボレル正則測度となる(猪狩 慢[11]第5章第8節定理5.14).だ から,すべてのボレル集合E!1,E2,.,.に対して, くヌつ. 刃5(U瓦)≦Σ究3(恥. (1.17). 仁1 魔1 が成立する.なお,等号は混が互いに素な場合に成立する.. 定理1.4.1より,究5(E)は5の関数として,高々1個の不連続点をもつ階段関数である. このときの不連続点5の値を,つまり, dimR E=inf{5:究5(E)=0}=sup{5:碗3(E)=Oo}. となる3の値を集合Eのハウスドルフ次元という.5=dimH Eにおいて,0<7{3(E)く○○ となる集合Eを8一集合という.. 次に,ハウスドルフ測度とルベーグ測度の関係を述べる. 定理1.4.2 (等直径不等式). 直径4をもつ,Rπの閉凸集合の最大のη次元体積をもつものは,直径4の閉球であり,そ の体積。.(のは,r関数を用いることで π去π(i砦のπ c。(4)=. r(号+1). となる..

(16) 12. 1.フラクタル幾何学の基礎 【証明】 〉都筑卓司[26]の付録D参照. ロ. 定理1.4.3 Rπの任意の部分集合Eに対して, が(E)=cη究π(E). が成り立つ.ここで,%は直径1の閉球のη次元体積を表す. 【証明】 最初に,び(E)≦c詔η(E)を示す.雑(E)<。○の場合を考えれば十分である.. 任意のε>0に対して,Σ1α1π<劉E)+εを満たす閉凸集合からなるEの被覆{碍が とユ 存在する.そうすれば,定理1.4.2によりび(の≦c.1酬ηとなる.よって, £η(E)≦Σ£η(の≦Σ・。國π<・。(劉E)+・) 2=1. 葛=1. となる.εは任意だから,£η(E)≦c。雑(E)が成り立つ.. 次に,乙π(E)≧c認”(E)を示す.乙η(E)〈○○の場合を考えれば十分である.任意のε>0 に対して,. ΣV・ごπ(C∂<£π(E)+・ (1.!8) ゴ を満たすような,Eを被覆する右半開区間列{q}が存在する。各qを少しだけ膨らませるこ とによって,{Ci}は(1.18)を満たす開集合列であるとしても差し支えない,任意にδ>0を 固定する.各ゴに対して,6メこ含まれ,直径がδ以下の閉球全体を考えれば,これがCメこ関す. るヴィターリ被覆となってヤ・ることがわかる.よって,定理1.1.3より,雑((獄UBの;0 ゴコユ を満たす,C茗に含まれ,直径がδ以下で,互いに交わらない閉球列{,B融が存在する.従っ. て,特に,鰐(c△UBの=oを得る.一方,がはボレル測度であるから, ゴ=1. Σ£”(B・ゴ)=£η(UBの≦〃(c∂ ゴ=1. ゴ=1. となる.(1.18)を用いて, ゆ. 緒(E)≦Σ鰐(o∂≦ΣΣ矧β・ゴ)+Σ響(c△UBの ‘=1. 富ゴご. ≦ΣΣ國鴨 ゴニ1ゴ=1. =量量”(易ゴ) ゴ=1ゴ=1 Cn. ≦⊥££・(c∂ 争盛=1. <一(£π(E)+ε). cπ. 2ニ1. ゴ=1.

(17) 13. 1.フラクタル幾何学の基礎. となる.従って,c。瑠(E)<∠:η(E)+εを得る.εとδは任意であるから, c。雑(E)≦∠:η(E). となる.. ロ. 定理1.4.4 E!⊂Rηとする.∫:E→R鵬は,定数。>0,α>0に対して, 1ノ(¢)一ノω)1≦c疹一giα (必,シ∈E). (1・19). を満たす写像であるとする.このとき,各3に対して, ヨ お チfδ(!(E))≦c芝≡チ影5(1ヲ). (1.20). が成り立つ.. 【証明】 集合Eのδ一被覆を{α}とする.このとき,各②に対して, 1∫(1!7∩α)1≦cl乙111α. (1.21). が成り立つ.いま,ε=cδαとおくと,集合{ノ(E∩の}は∫(E)のε被覆となる.(1。21)の両 お. ど. お. ど. 辺を一乗し,和をとることで,Σげ(E∩のド≦・ヨΣ圓5を得る・よって,究r(∫(E))≦ たユ. ゴニ. 屋鰐(E)となり,δ→0を取ることで結果を得る.. ロ. 不等式(L19)は指数αのヘルダー条件として知られている.特に重要なのは,α=1の ときで,∫はりプシッツ写像と呼ばれる.すなわち,定数。>0に対して, 1!(¢)一∫(ツ)i≦cl認一yl (¢,y∈E). のときである.そしてこのとき, フイ5(∫(E))≦c5冗5(El). (1.22). となる.同様にして,∫があるc1,c2>0に対して, Cli必一㌢!≦げ(¢)一∫(y)1≦C21ω一訓 (コじ,y∈E). を満たす双リプシッツ写像であるならば, c£究3(1ヲ)≦フィ5(∫(五1))≦c茎%3(E). (1.23). が成り立つ.この特別なケースとして,∫が相似比rの相似変換であるとき,すなわち,任 意の¢汐∈Eに対して,1∫@)一六釧=rゆ一訓となるときは, チf5(∫(E))=r5チf8(E). (1.24). が成立する.これをハウスドルフ測度の比率性質という..

(18) 14. 1.フラクタル幾何学の基礎. 1.5 次元の基本的性質 この小節では,次元の単調性と2つの次元の関係,つまりボックス次元とハウスドルフ次 元の関係を述べる.. 定理1.5.1 Rπ上の任意の部分集合X,yに対して, X⊂yならば, dimH X≦dimH y「 となる.. 【証明】 x⊂yより,卿(x)≦籍(y)である.いま,dimH y=sとすれば,究8(x)≦ 究β(y)となる.この不等式が,0≦究s(y)≦OQで常に成立するためには, dimπX≦5で. なければならない.. ロ. 定理1.5.2 Rη上の任意の空でない有界集合Eに対して, dimH E≦血BE≦dimBE. (1.25). が成り立つ.. 【証明】 迦βE≦a茄BEは定義より明らかなので, dimH E≦旦迦BEを証明する.集合 Eが!Vδ(E)個の直径δの集合で被覆されていると仮定すると,鰐(E)≦Nδ(E)δεが成り立. つ.任意の5<dimH Eに対して,究5(E)=○。だから十分に小さいδにおいて 1<鴛1(E)≦!>δ(E)δ5. となり,対数を取ることで,. 0<log Nδ(E)十810gδ となり,. ・≦1i贈fb響)一蝉 が得られる.. ロ. 1.6 次元の計算 我々は,しばしば集合の次元を評価することが必要になる.通常,上からの評価よりも下 からの評価の方が困難を伴う.ここでは,次元評価に役立つ命題を述べる. 0<μ(」Rη)<o。を満たし,コンパクトな台をもつようなRπ上のボレル測度μを質量分布 という.この質量分布に関して,次の命題が成り立つ..

(19) 15. 1.フラクタル幾何学の基礎 命題1.6.1 (質量分布法則). 集合E⊂Rπとし,μをE上の質量分布とする.いま,8≧0,c>0,δo>0が存在して, 1σ1≦δoとなるすべての集合σに対してμ(σ)≦clσ15を仮定する.このとき,. 卿(E)≧璽,、≦dim頑≦血βE≦∼伍BE C が成り立つ.. 【証明】 {α}は直径が高々δoであるような集合によるEの任意の被覆であるとする.こ のとき,. μ(E)≦μ(uの≦Σμ(の≦・Σ1α18 1=1. ‘=1. ε=1. が成り立つ.従って,δ≦δoにおいて 0〈μ(E)≦c究藍(E)≦c究s(E). となる.よって,7{5(E)>0より8≦dimH Eとなり,(L25)d玉mH E≦迦βEを考えあ わせるごとで結論を得る. □. 集合E上のある“局所密度条件”を満足するような測度μを見ρけることができるな らば,上述の考えを発展さ譲ることで,集合Eにおけるハウスドルフ測度の評価が可能と なる.命題の証明に先立ち,次の補題を準備しておく. 補題1.6.2 (被覆補題). Rηのある有界部分集合に含まれる球からなる任意の集合族をCとする.このとき,uβ⊂ じ Uβとなる互いに交わらない有限または可算個のCの部分列{β‘}を選び出すことができ ぜ. る.ここで,易は宅内と同心球で直径を4倍に相似拡大した閉球である. 【証明】 レκJFα!coηer[6]第4章第1節補題4.8参照. ロ. 命題1.6.3 E⊂Rπはボレル集合とし,μをRπ上の質量分布とする.更に,cは0< c〈○○を満足する定数とする.. 1)すべての・∈Eに対し礪μ辱「))<・ならぽ綱≧禦となる・. 2)すべて賑Eに対し噸μ辱「))〉・ならば畑≦繹π)となる・ 【証明】(1)の証明) 各δ>0に対して Eδ=勧∈E1:あるε>0に対して,すべての0<r≦δでμ(B(鈎r))<(c一ε)r5}.

(20) 16. 1.フラクタル幾何学の基礎. とおく.ここで,{σi}はEのぶ被覆とすると,{α}はEδのδ被覆でもある.Eδの点ω. を含むどのαに対しても中心が¢で,半径臥1≦δである球B@,剛)は確かにαを含んで いる.Eδの定義より μ(α)≦μ(β¢,μD)<c臥15 だから,. μ(Eδ)≦μ(Uの≦Σμ(q)≦・Σlqiε ゴ=1. 客=1. 茗=1. が成り立つ.{α}はEの任意のδ被覆であるのだから, μ(Eδ)≦量・f{・Σ剛一・究ま(E)≦・卿(E). 1:=1. となる.なお,左辺については,δが0に減少するとき,EδはEに単調増大するので,δ→0 で命題L1.1の2)よりμ(E)となる.. (2)の証明)いま,μは質量分布だから,コンパクトな台をもち,この台をκとすれば,. κ∩Eは有界である.これを改めてEとする.δ>0を固定して,次のような球の族 C={β(∬,γう:の∈E,0<r≦δりα・8<μ(B(必,γう)}. を定義する.この族Cに被覆補題を適用することで,E⊂UB⊂u易であるような互い どじ. ゴ. に露な球疏∈Cがとれる.『このとき,{B盛}はEの8δ被覆となり,従って,. %§δ(E)≦Σ圓5−45Σ1易i3 ぜ. ら. 一個1号r <曙μ(ξ∂ 。μ(.Rη). ≦ 8 C. を得る.さらに,μは,・〈μ(R・)<。。だから,瑠E)<8・μ僻)<。。となり,δ→・. とすることで,輝)≦謬珊く。。を得る. C. ・. なお,2)に関しては,より繊細な議論をおこなうことで耀)≦2・廻となること じ. が知られている(1(JI Fα♂coηer[7][6]を参照).しかし,後で本論で用いる道具としては上. の弱い結果で十分である..

(21) 17. 1.フラクタル幾何学の基礎. 1.7 密度 密度は幾何学的測度論の発展に欠かすことのできないものである.特に,ここでは5集合 の密度に注目していくことにする.. Rπ内の5集合Eの点¢における下密度と上密度を 究8(E∩B@の) γ→0(2r)5. ∠≧3@)=ρ5(E,勾=lim inf (1.26). 殉一万(腓1囎P雑(E離ラリ). (127). で定義する.また,ぜ(E,勾=万5(E,勾が成り立つとき,この値をEの密度といい,一D3(E,勾. と書く.ノ:X→Rを開集合X⊂R上定義された01一写像とする.このとき,E⊂IRに対し て,ノ喰)≠0となるすべてのzにおいて 互5(E,の=・∠≧5(∫(E),∫(の). (1.28). 万5(E,¢) =万5(∫(1ヲ),ノ(の)). (1.29). となることが容易に示される.. 定理1.7.1 Rπ内の任意の5集合をEとする. 1)刃8一ほとんどすべての∬¢Eに対して,25(E,勾=万5(E,勾=0が成立する.. 2)雑一ほとんどすべての・とEに対して・奏ガ(嗣≦1が成立する・ 【証明】 [〉κ」一FαJcoηer(畑 政義訳)[5]第2章第2節系2.4,系2.5参照. □. 密度の古典的な結果のひとつに,ルベーグ密度定理がある. 定理1.7.2 (ルベーグ密度定理). 集合EがRπ上のルベーグ可測集合とする.このとき,び一ほとんどすべての¢に対して, び(E∩B(ω,γう). 1im. ・→o か(β(∬の). (130). が存在し,び一ほとんどすべての∬∈Eに対して1,び一ほとんどすべての¢¢Eに対して0 となる。. 【証明】 定理1.L4で一般の測度の場合を証明済.. ロ. 上述の結果と定理1.4.3を利用することで,雑一ほとんどすべての点卯に対して. 伊(嗣一べ(E(1詐の). (131). が存在し,卿一ほとんどすべての¢∈Eに対して1,雑一ほとんどすべての欝¢Eに対して 0となる..

(22) 18. 1。フラクタル幾何学の基礎. 1.8 反復関数系 これ以降,特に断らない限り集合XはRπの空でない閉部分集合を指すものとする. F:X→Xが縮小写像であるとは,ある定数γ∈(0,1)が存在して, 11ア(∬)一F(y)1≦rl卯一!ノ1. (1.32). が,任意の∬,y∈Xに対して成り立つときにいう.反復関数系σterated function sys−. tem)とは,2個以上のX上の縮小写像の族{疏,乃,_,1㌦}のことである.反復関数系 {F1,F2,_,1㌦}をIFS{F1,F』,...,臨}と表す.また,反復関数系の三元鶏に対して,(1.32). を満足する定数をそれぞれr諺したとき,. ・m・・一熈幣. (1・33). れ と定義する.当然,・m。.<1である.反復関数系の基本的な性質は,E=U瓦(E)を満足 をニユ する唯一空でないコンパクト集合Eを決定することである.このような集合Eの多くはフ. ラクタル集合となる.たとえば,F1,乃:R→Rが, 1 1 2. nマ・賑ゴ+9. (1・34). で与えられたとき,E=1双E)∪&(E)を満足するカントール(Cantor)の3進集合はその 例である.. X上空でないコンパクト部分集合の族を5で表すことにする.廊は且のδ一近傍を表すこ とにするとき, 4(・4β)=inf{δ:ノ4⊂、8δ,β⊂ノ4δ}. (1.35). で5上の距離4を定義する.そして,この4を5上のハウスドルフ(Hausdorff)の距離と いう.. 定理1.8.1 5はハウスドルフの距離4によって完備な距離空間となる. 【証明】 5内の任意のコーシー列を{.4けとする.すなわち,任意のδ>0に対し,十分 大きなNを取れば,4(・4P,・4q)≦δがすべてのp≧g≧Nで成り立つとする.示すべきこと は,ハウスドルフの距離の意味で列{Aゴ}が5のある点に収束することである.. さて,環=Uんとおく.ここで,Uんは集合Uんの閉包を表す.明らかに{Aゴ}は たニた. ぎニん. ゴニん. 一様有界だから,二三はコンパクト集合であり,また{Eた}は単調減少列である.よって,. E=∩飢は5の元である.従って, 鳶=1. E⊂E,=Uん⊂(・4q)δ. 2=q.

(23) 19. 1.フラクタル幾何学の基礎 が成り立つ.. 一方,任意の点コ。∈.4qに対し, Ag⊂(Ag)δだから任意のp≧gに対してある点ッp∈Apがと. れて1¢一酬≦δを満たす.このとき,点列{yp}の集積点のひとつをzとすれば,1¢一zl≦δ. である.さらに,どんなp≧鳶に対しても,ッp∈轟⊂瑞⊂泓であり,環はコンパクト集 合だからz∈現を得る,んは任意だから,β∈Eであり,偲∈zδ⊂19δが成り立ち,.4g⊂Eδ を得る.ゆえに4(E,、4q)≦δであり,つまり,列{.4けはEに収束している.. ロ. 定理1.8.2 (バナッハ縮小写像定理). Xを完備距離空間とする.曽:X→XをXから自分自身への写像とする.定数0<λ<1 が存在して,任意のω,ン∈Xに対して,4(∼ク(∬),(ρ(ン))≦λ4(¢,y)が成立するならば,甲はX. に唯一の不動点,すなわち,軽¢)=ωを満たす点∬∈Xをもつ.. 【証明】 レ矢野公一[29]第6章第1節第4項定理6.10参照. ロ. 定理1.8.3 (縮小写像定理). 集合X⊂Rη上の反復関数系を{F1,凸,,..,臨}とする.このとき,. E=U瓦(E). (1・36). 館1. を満足する唯一空でないコンパクト集合E⊂Xが存在する.さらに,4∈5に対して, ゆ. F(み)=∪瓦(孟). (!.37). ゴニ1. で変換F:5→5を定義すれば,ん→○○のときハウスドルフの距離dで,すべての湾∈5 に対して,. F鳶(A)→E. となる.なお,F怯はFの鳶回反復のことである. そのうえ,もし,A∈5がすべての乞に対して,疏(A)⊂Aであるならば,. E一∩Fた(且). (1.38). 鳶=0 となる.. 【証明】 、4,β∈5とする.もし,すべての乞に対してδ一平行体但(濁)δが瓦(β)を包含し れ. ているならば,(U瓦(A))、はU瓦(B)を包含する.逆も同様.よって, ゴ=1. ピ=1 の. 4(F(孟),F(B))=4(U君(五),U瓦(β))≦鶏難姻(A),瓦(B))≦(、襲粘)4(Aβ) 唇=1. 歪=1. 一 一. 一 『.

(24) 20. 1.フラクタル幾何学の基礎. である.㎎ax片く1であるから,写像Fは完備距離空間(5,の上の縮小写像である.よっ 1≦z≦m. の. て,バナッハ縮小写像定理によってFは唯一の不動点をもつ・すなわち,E=U瓦(E)と ゼニユ. なる不動点集合E∈5が唯一存在する.更に,ん→○。でF鳶(A)→Eとなる.特に,もし すべての乞に対して,E(・4)⊂孟ならば,F(A)⊂孟となる.だから, Fん(オ)はEを含む空. でないコンパクト集合の減少列であり,E=∩声(紛≠のが成り立つ.. ロ. た=0. (L36)を満足する唯一空でないコンパクト集合Eをアトラクター(attractor)または IFS{瓦,乃,_,瑞}の不変集合という.. アトラクターElをもつ反復関数系を{F1,F2,_,瑞}とする.た=0,1,2,_に対して, {1,2,_,m}から選ばれた数字からなる任意のん百年数列の集合として∫鳶を定義する.すな わち, ∫鳶=誕{(ぎ、,22,_,駄):1≦乞ゴ≦γγτ}. (1.39). と定義する.なお,ちは空の列を表す. i=(ゴ、,茗2,_,ω. (1.40). で∫ρ列を簡単に書くこともある.このようなすべての列の集合を, ∫=∪∬・. (1.41). ん=0 と書く.なお,1。。は無限列に対応した列を表す.すなわち, 1。。={(乞、,乞2,)・1≦ら≦m}. (1.42). と定義する.また,iとjの並記を表すのに, i,jと書く.特に, i=(Z1,Z2,・。・,Z鳶)のとき i,ゴ=(乞1,¢2,_,妬のとなる.. A∈5は,すべてのぜに対してE(4)⊂Aを満足する集合とする.そうすれば,F(オ)⊂五 となる・(1.38)から,Eは伍,ゴ2,_姦)∈塩にわたる和集合. ∬ん(A)=U君1・E、・…・瓦、(A) Ik. (1.43). からなる減少列の交わりとなる.さらに,すべての(21,¢2,_,殉に対して,瓦、0瓦、0…。 瓦〆A)⊂罵、O瓦、O…OEん一、(五)となり,1瓦10E、0…OEた(4)1≦Tmaxl瓦10昂、0_O瓦k−1(A)1. を得る.だから,すべての伍,ゼ2,_)∈∫。。に対して,この減少列の集合の交わりは1点. ・肋,…≡∩瓦1・瓦、・…・へ(五). (1.44). 鳶=0 で,々→○○のとき1瓦、o君、・…○へ(み)1→0となる.従って, Eのあらゆる点は,少な.

(25) 21. 1.フラクタル幾何学の基礎. ろ(の. ろ(の. 騨 ろ(の. P4(の. 畔鰹 塵肺 σ. 図1.4:開集合条件を満足する例 くとも1つの列(Zb32,)∈∬。。に対して,(1.44)のような交わりとなるのだから,. E=U{Z1,Z2,・}. (1.45). 1◎o が成り立つ,. 反復関数系のアトタクターの解析をしゃすくするために,i=(嘱¢2,_,勾∈∫と孟⊂x に対して, ノ4i=ノ4毎,わ,_,ぎん=雛昂101㌃20… o瓦ん(ノ4). (1.46). と書くことにする. 最も簡単な状態は,集合∬1、Q鶏、○…o鶏た(蓋)が互いに素のときである.このとき,(1.43)の 和集合は互いに露な集合からなり,Eの各々の点は唯一¢¢1,歪、,_で表現される。事実,このとき,. F(A)⊂.4となる任意の集合Aに対して,E⊂.4となるのだからF1(E),乃(E),_,1㌦(E) は互いに素である.. れ 和集合E=U瓦(E)において各烈E)が互いに素であるとき,IFS{君,瑞,_,瑞}は強 ゴコユ. 分離条件を満足するという.この例としては,カントール3進集合(1.34)の反復関数系など. がある.しかしながら,強分離条件は使用する上で強すぎる条件であるため,より弱い分離 条件も定義しておく.互いに素な集合の和集合で,. れ. U環σ)⊂σ. (1.47). 唇=1 となる有界開集合σ⊂Xが存在するとき,IFS{F1,凡,.,.瑞}は開集合条件を満足するとい. う.強分離条件は満たさないが開集合条件を満たす例としては,コッホ曲線やシェルピンス キーの三角形などがある(図L4参照). IFS{F1,凡,...,瑞}が相似変換からなる,アトラク下欄Eを自己相似という.. 定理1.8.4 瓦は相似比γρ相似変換で,族{凡凡,_,1㌦}のアトラクターをEとする. このとき,開集合条件(L47)を満足するならば,. れ. Σ・f=1. ぎ=1. (1.48).

(26) 22. 1.フラクタル幾何学の基礎. 図1.5:定理1.9.1の条件を満足する集合Eの例. の唯一の正の解を5とすると,dimH E=血BE=dimBE=5となる.更に,0〈鴛3(E)〈 ○○が成立する.. 【証明】 〉κJFα♂coηer[6]第9章第2節定理9.3参照. □. 1.9 次元を扱うための間接的な方法 ハウスドルフ次元は,数学の理論展開には有用であるが,その次元計算は困難を伴うこと が多い.この小節では,直接次元計算をすることを避け,間接的な方法,つまり5=dimH E で究s(E)>0,又は7考5(E)<○○となる集合Eの幾何学的条件を述べ,次元を求める一助と する.. 集合Eにおける任意の小近傍を考える.次の定理L9.1は,小近傍の大きさによって決ま る定数をもつりプシッツ写像により,その小近傍がEのより大きい部分へ写されるような集 合Eに対して適用される(図1.5参照),なお,証明の中で用いた#は集合の元の数を表す記 号である.. 定理1.9.1 EをRπ上の空でないコンパクト部分集合とし,α>0,γo>0とする.更に,. Eと交わる1の<roのすべての集合σに対して, ゆ. 計一yi≦19(ω)一9ω1ゆ,〃∈E∩σ) (M9). を満足する写像g:E∩σ→Eが存在すると仮定する,このとき,5=dimH Eとすれば, 究5(E)≧α5>0,亟胆BE=∼伍BE富5が成り立つ. 【証明】 すべての4>0に対して,. 究己(E)<♂ならば∼旺EBE<4. (1.50).

(27) 23. 1.フラクタル幾何学の基礎. となることが証明できればよい.なぜなら,(1.50)が証明できれば,5=dimE Eに近い任意の. d>sを取ることで,鰯(E)く♂より蕊五βE<4となる.任意の4>5に対して成り立つこ. とより,dimBE≦8を得る.また,一般にdilnH E≦di皿BEだから, d血BE=dimBE=5 が成り立つ・更に,(1.50)の対偶をとることで,碗5(E)≧α3>0も得られる・. さて,Eはコンパクト集合だから,究♂(E)<♂ならば,ハウスドルフ測度の定義より,. E⊂. 吹E慧階鴨る引く㎡・{1・,・・}であり・腋差する有限個の集合. σ1,σ2,...,砺が存在する.4に近い値オを取ることによって,. Σ攣1≠く1. (L51). α を満足する0<孟く4を見つけることができる.仮定から,. 1励1≦遡1択一9、ω1(厭E∩α). (1.52). α を満足する写像gゴ:E∩研→E σ=1,2,.,.,m)が存在する.うまく定義域をとることで これらの写像の逆,つまり{ 一1. −1. −191. ,92 ,。。・,9m}を反復関数系のように扱うことができる.い. ま,姦={伍,¢2,_諏):1≦ら≦m}は整数を並べた鳶三三の集合とする.また,∫=U1た. 鳶=0 とする.更に,各i=(応乞1,_,㊦∈∫鳶に対して, q1,・、,.,硫9訂1(9萎1(…(9暴1(E))…)). と定義する.なお,A∩g茗(E∩の=のならばg『1(周=のであるから,この集合のうちの. いくつかは空集合であるかもしれない.それにもかかわらず,各んに対して,E⊂u研と i∈∬ん なっていることに注意する.(1.52)を繰り返し適用すると, 1矧≦巫⊥..脳9、.....9、1(。)一9毎。_。傭)i(。,ン∈疏、,.,の α. α. となる.特に,. lq1,、、.,㍊≦囚_囚IEl α. α. が成立する.. δ一min1≦・≦調とおく.。<IEIが与えられたとき,臆伽∈Eに対して,。瓠, ゆ. 庭師_囚吹く,となるi一(¢、,¢_,殉∈∫が存在する.だから,腿被覆する ゆ. ゆ. 高々rの直径をもつ集合の最小個数をN(r)とし,(1.51)を適用すれば,. N(。)≦1{i∈∫、δ,≦麩⊥..囚1珊 ゆ. ≦Σ詣(1仏L..1娠llEl α. α)オ.

(28) 24. 1.フラクタル幾何学の基礎. くIE噛慧歩黒(1砺卜・・1砺D亡. 一IEr歯四郷(野幌 一IEr歯浅(増國ヅ ≦舞 となる.ここで,c1は有限な定数である.よって,. 邸一1囎P1響≦1i響P’睾一オ となり,dimβE≦孟<4を得る・これで,(1.50)が示された・. 自. 縮小される場合を次に述べる(図1.6参照).. 定理1.9.2 EをRπ上の空でないコンパクト部分集合とし,α>0,ro>0とする.更に,. Eに中心をもち,半径r≦roであるすべての閉球Bに対して, αrl¢一yl≦19@)一9(ツ)1 (労,シ∈E). (1.53). を満足する写像g:E→E∩Bが存在すると仮定する.このとき;3=dimH Eとすれば, 48 究5(E)≦扉くσ○,血BE=dimBE=3が成り立つ. 【証明】 Eに中心をもち,半径rの互いに素な閉球の最大個数をN(r)とする.最初に,あ. 1. るr<min{一,7℃0}に対して,. α. 1. N(・)〉諦. (1・54). を仮定することで矛盾を導き・任意の・<mi・{1,・・}に対して・醐≦赤を就 いま,(1.54)を仮定すれば,. 1. γγL…≡≡ノV(r)〉=τ=王. (1.55). α7一 となるオ>5が存在する.従って,Eに中心をもち半径γの互いに素な閉琴.81,β2,_,βm が存在する.仮定から,. ・巾一酬≦{9i@)一蜘)1(¢,y∈E). (1.56). を齪する写像9詔→E嘱(1≦ゴ≦m)が存在する・また沼一卿姻(B・βゴ)〉・ とする.このとき,(1.56)を(q−1)回用いると2αr<1であることから,.

(29) 25. 1.フラクタル幾何学の基礎. バみ. 艦誘 ’難 ξ毬. 蕾慧、. 奪。・. 鴨亀糞瞳ノ. 図1.6:定理1.92の条件を満足する集合Eの例 4圃911Q9乞、。…Q9毎(E),9ゴ、・9」、Q…・gゴ、(E)). =inf{ゆ一〃1:z∈9109ゴ20一・09残(E), y∈9ゴ109ゴ20… 09ゴk(E)} ≧三nf{(αr)9−1挺一yl:ω∈9づqO… 09毎(E), y∈9ゴqO… 09ゴゐ(E)}. ≧(・・)q−14圃Bぎ,βゴ,)≧(・・)q4. (1.57). を得る.ここで,gは%≠みとなる最小の整数である. 命題1.6.1質量分布法則を利用するために測度μを定義して:おく.すべての(¢1,乞2,..。,勾. に対して,甑・9、、・…・9洞)回虫となる分割回り返し1こよって定義された肚の 測度をμとする.σはiσ1<dのEと交わるRπ上の任意の部分集合とする.そして,たは (αr)鳶+14≦iσ!<(αγうん4. (1.58). となる整i数とする.(1.57)によって,σは高々1つのた項列(乞42,_,殉に対しg、Og、o …og砥E)と交わる・だから,(1.55),(1.58)によって μ(σ)≦赤<(・・)鳶オ≦(41。),1砕. 1. となる.μ(σ)〈 1σrより,命題1.6.1質量分布法則を利用することで,dimH (4αγ)オ. E≧孟>3. よりdimH E>sを得る.ところが,この結果は仮定のdimH E=5に矛盾する。従って,任 意の…i・{1,・・}に対して・N(・)≦喬である・いま・dimHE一・ならば+分に小さ. 回こ対して・醐≦斎だから・両辺嚇を取ることで蕊・E≦・となる・よって・ 3=dimH E≦dimBEだから, d血BE=dimBE=5を得る・さらに, B2(1≦2≦2v(r)) の半径を2倍にすることで,Eは!VF ir)個の半径2γの球により被覆される。さもなくば, E に中心をもつ半径γの互いに素な球!V(り個は最高個数の族でなくなる.よって, 45 1 繊(E)≦Nω(4「)5≦研(4「)5=ア.

(30) 1.フラクタル幾何学の基礎. 26. となり・綱≦多を得る・. 口. カントールの3進集合を取り上げることで,これらの定理がどのように利用されるのか を簡単に説明する.. カントール3進集合をEとする・σはEと交わ似∈z・に対して・歯鋼寸 ならばσ∩EからE一の相似比3・の相似変換が存在する・従って・一1で(1・49)を齪で. きる・同様に・もしBがEに中心をもち歩≦・<歯となる長さ2・の区間(1次元球)で. あるなら1畑か獅B一の相似比却相似変換が存在する・従って・・一1で(1・53)を 満足できる.よって,定理1.9.1,定理1.9.2の結果からs=dimH Eでd血βE=dimB E=8. ,0<雑(E)くoOを得る.いま,カントール集合の左部分と右部分をEL, ERと書くこと にすれば,ハウスドルフ測度の比率性質(124)を利用して,. 1. 1. 究8(E)=%5(EL)+究5(ER)=多言5(E)+多冠5(E). となる.従って,カントールの3進集合の次元、1ま。一璽となることがわかる. lo93 系1.9.3 瓦を0<rゴ<1となる相似比r適もつ相似変換とし,Eを研3{E乃,_,1㌦}に よって定義された自己相似集合とする.このとき,dimH E=3ならば雑(E)〈OQ,血旦BE=. dimB E=5となる.更に,{瓦(E)}告が互いに素であるならば究5(E)>0となり,3は れ. Σ7f=1を満足する. 知1. 【証明】 rmi。=1理翫rづとする.また,¢∈Eで, r≦1司とする.このとき,すべてのんに 対しての∈瓦、・瓦、o…。瓦,(E)となる列が存在する.いま, rminr〈rゴ、物、…物. i司≦Tとな るたを選ぶ.そうすれば,¢∈瓦、Q瓦、0…0瓦、(E)で, E、。瓦、 O・・.0瓦ん:E→E∩β(∬,r). は相似比が少なくとも璽である相似変換である.従って,定理1.9.2によって次元の等号. 同 と冗5(E)<○○を得る. 次に・卿4¢・燗E),罵(E))一4>0を仮定する・このとき・(ブ・,ゴ・・…,ブ・)が(¢・,ゴ・,…,勾. と異なるならば d圃1㌃1。凡Q…・1㍉(E),∫}1・乃、・・…へ(E))≧丁歪、・2、…㌦μ. となる.また,σを1σ1<dのEと交わる集合とすれば,¢∈E∩σで¢∈瓦、0瓦、0…0瓦、(E) かつ砺1η、・・慨鳶≦1σ1<伽、rゴ2…r熊1となる列(Z1,32,・。・,Z鳶)がある.だから,すべての (ゴ1,ブ2,...,ゴの≠(h,ゴ2,...擁)となる列に対して,σは乃、0罵、0…。乃、(E)と交わるこ とはない・すなわち,σは高々1つのん項列(Z1,Z2,● ・ ・,Zた)に対して,瓦、。罵、。…01翫(E). とだけ交わることになる・このことよりE∩σ⊂君、○瓦、。…。へ(E)となる・従って,.

(31) 27. 1.フラクタル幾何学の基礎. (凧・…・貼・・E∩σ→Eは相似比脇1..㌦満の相似変換となるので定理 1.9.1の仮定を満たし,再び次元の等号を得る.更に究5(E)>0が成り立つ.最後に,互いに素 の. な場合とハウスドルフ測度ρ比率性質(1.24)により,%5(E)=Σ究5(E(E))=Σ釈5(E). の. ゴ=1. 仁1. となる.よって,Σrl=1を得る. づ鶉1. □.

(32) 第2章クッキー・カッターと有界歪曲 本章は,次章の熱力学形式論を扱うのに必要となる力学系を準備する.本章以降扱う力学 系は,クッキー・カッター系と呼ばれるものである.前半では,このクッキー・カッター系 を定義し,クッキー・カッター集合と呼ばれる反発子(repeller)の導入をおこなう.これ は,反復関数系で述べたアトラクターに相当するものであり,フラクタル集合となる,後半 では,このクッキー・カッター集合上定義されたりプシッツ関数を用いて,有界変動原理を 述べる.更に,この有界変動原理を利用して,有界歪曲原理を導き出す.この有界歪曲原理 は,ある集合における十分小さな任意の近傍が,過度な歪曲を受けることなく変換されるこ とによって,その集合のより大きな部分へと写される“概自己相似”な集合の考えを導くも のである,. 2.1 クッキー・カッター集合 簡単のために,反復関数系は2つの写像からなるものを扱い,更に,Rの部分集合X上で 考えることにする.とはいえ,これから述べる内容は,Rηの部分集合上へ一般化できるも のである.. xを空でない有界な閉区間とし,X1, X2はXの部分集合で互いに素であるとする.ま た,写像∫:XIUX2→Xは, X1, X2をそれぞれXへ全単射に写すものとする.更に,! は連続導関数をもち,拡大していると仮定する.すなわち,すべてのの∈XIUX2に対して げ’(剛>1を仮定する.この!を使って,点を反復することによって与えられる力学系を 扱っていく.特に,興味を示すべきは,升を∫のん回反復を表すとして, E二⑫∈X:すべての鳶=0,1,2,..に対してノん(勾∈XIUX2}. (2。1). となる集合である.すなわち,Eは∫の反復下でXIUX2の中に残った点の集合である. E は,升の逆像を考えることで,E=∩!一た(X)と表せる.従って, Eはコンパクト集合か たニリ. らなる減少列の共通集合として表せることより,集合Eはコンパクト集合であり,空集合で はない.明らかに,¢∈Eとノ(の∈Eは同値であることより, ∫(E)=E=∫一1(E). 28. (2。2).

(33) 29. 2.クッキー・カッターと有界歪曲. m一. ’. 、、 、. ’. 、. ’. 、. ’. 、. 1. i. 1 ヂ. 1. 1. 8. 1. x2. 0. X2 1. ④. 1 覧亀. 8 8. 輯. ●,. 口. E. 鱒 一. ●. 囎 覧. 1. 、. 8. 覧. 図2・1・関数∫に対する反発子Eの例 となり,Eは∫の下で不変である.更に, Eは次の意味で反発子でもある:どんなにEの近くに. ある点であってもEの元でない点は,∫の反復下において,いずれX1uX2の外へ写されてしま う性質をもつ.実際,図2.1の例では関数∫:XIUX2→[0,1]に対して,集合E=∩ノーん[0,1]. たニつ は,ノに対する反発子となり,すべての¢≠Eに対して∫ん(の→一〇〇(ん→oO)となる.. この状態を観察する方法に,反復関数の逆像による考え方がある.いま,F1,凡:x→X. を∫の逆対応による2本の枝として定義する.すなわち,nと凡は, XをX1とX2にそれ ぞれ全単射に写す,. F、(勾=がω∩X1,瑞ω=∫一1(勾∩X、 で定義されるものとする.このとき,. ∫ω一儲謝ll:糊. (2.3). となる4は,コンパクト集合XIUX2上で1/1(z)1>!となる連続導関数をもつので,すべての 。∈X、UX、に対して,1<⊥≦1!’(。)1≦⊥.<。。を満足する蜘く。m、。<。m。xく1が じじ. の ロ. 存在する.また,逆関数、F1,瑞は微分可能で,¢∈Xに対してCmi.≦lFl(の1,1罵(釧≦Cm。。. となることが導かれる.平均値の定理より,ゼ=1,2に対して, Cm三n挺一yi≦i瓦(勾一1弓ω)1≦Cmax挺一訓. (¢,㌢∈X). となる.(2.1)から,∫の反発子Eは,. E=E(E)U」ら(E). (2.5). (2.4).

(34) 30. 2.クッキー・カッターと有界歪曲. を満足する.なぜなら,nと瑞はX上の縮小写像であるので,定理L8.3より,等式(2.5). を満足する唯一空でないコンパクト集合Eが存在するからである.従って,∫の反発子Eは IFS{凡1㌔}のアトラクタ「である.. 1.8節と同じように,反復関数系と結びつけて考えられる区間を,1と2からなる列1ん= {(嘱¢2,...,勾:ら=1又は2}で表示し,更に,∬=UIたとする.特に,各i=(嘱¢2,...,毎). たニむ に対して,Xi=&、,62,_4た=瓦、 o瓦、 o…oへ(X)と書く.従って,弛:溜→Xは逆写像. 瓦、0瓦、0…oEんによる閉区間とXの間で全単射となる.更に,一般には,各ん≦mに対 して,井:&玉,ピ、,_編→X秘+、隔2,_嗣も全単射となる.XIUX2⊂Xは互いに素な集合よ. り,すべてのiに対してX{,1UXI,2⊂瓦も互いに素な集合からなる.従って,疎≡UXi i∈1鳶 とすれば,列{疎}鴇。はコンパクト集合の減少列で,琢は2欄の互いに素な閉区間からな. る.(L38)E=∩疎よりEは演者連結であり,カントール集合と位相同値である.なお, んコ. 全不連結とは,どの連結成分も1点からなる位相空間をいう.. (2.4)を使用することで,すべてのi∈Ia=1,2に対して, Cmin lXi l≦lXi訓≦Cmax lXi l. (2.6). となる.. 最も騨な駄写像∫・[・,1]U[1,1]→[・,1]に対応する(1・34)カ・らなるIFS{脇}で. ある・従っ飯発刊はカントール3進集合となり溜・は長さが艶小区間2・個からな る.しかしながら,本論文で扱っていくのは,171,乃が必ずしも相似な写像でない場合である.. この節で述べてきた型の力学系∫:X1 u X2→X又は同義となるX上のIFS{F1,凡}は, (本論文の題目に現れる)クッキー・カッター系と称され,集合Eはクッキー・カッター集 合と呼ばれる.一般に,写像F1とF2は相似変換ではなく, Eは“歪められた”カントール 集合となる.それにもかかわらず集合Eは“おおよそ自己相似”となる.. 2.2 有界変動原理と有界歪曲原理 ∫:X1 U X2→Xを,前節で述べたIFS{F1, F2}と反発子Eに対応したクッキー・カッ. ター系とする.また,φ:XIUX2→Rはりプシッツ関数とする.すなわち,ある数α>0 が存在して, 1φ(諮)一φω)i≦α1¢一yl (ω,y∈X1uX2). (2.7). を満足するとする.本論では,ノによる点の連続した反復でのφの値に着目していく.特に, ん=1,2,..。に対して,. 3・φωrφ@)+φ(!@))+φ(∫2@))+…+φ(押(・)).

(35) 31. 2.クヅキー・カッターと有界歪曲 た ユ. =Σφ(ノゴ(勾). (2.8). ゴニ0. と書き,これを評価していく.なお,亀φ(勾は,あるi∈1鳶に対して準備された謬∈Xiで 定義されている.もし,切∈Xに対してω=E、。瓦、。…。1㌦(切ならば,. ゐ. 3・φ(瓦1Q瓦、・…。へ(ω))一Σφ@・君、+、・・…へ(ω)). (2・9). ゴ=1 となる.. 命題2.2.1 (有界変動原理). φ:X→Rを,αをリプシッツ定数に持つリプシッツ関数とする. 1)すべての焉=1,2,_とすべての④,乞2,_擁)∈1たに対して,コじ,〃∈X歪1,2、,_,2んならば i3鳶φ(ω)_5鳶φ(〃)1≦δ. (2.10). を満足する数6が存在する.・ 2)更に,一般にすべてのg≧んとすべての(Z1,Z2,。・・ラZq)∈Igに対して,¢, y∈X¢、,ゼ、,_4,な. らば. 6. 1θ鯛一勒)1≦画IX・・+1…+・・…副. (2・11). を満足する. 【証明】(1)の証明) (2.4)を繰り返し用いることで,すべての(乞1,ち,...,勾∈∫に対して,. lX熊、,_,2」=1瓦10瓦20…。へ(X)1≦C盆axlXlを得る.もし,ω, y∈X11,ゴ2,_4彦ならば, ブ=0,1,_み一1に対して,∫ゴ(の,ノゴ(の∈Xl、+恥+2,_,唇鳶である.よって,. iφ(爾)一φ(!ゴω)1≦・1爾イゴω1 ≦・1茂+。ら+、,…副. =α1瓦、+、○瓦フ+、o…oへ(X)1 ≦. αc塩蔓lxi. となる.従って, ん ユ た ユ 13・φ@)一5・φω}一1Σφ(!」(・))一Σφ(細)i. ゴニ0 ゴ篇0 ん エ ≦Σ1φ(∫ゴ@))一φ(∫ゴω)1. ご. ≦Σ・・認IXI トむ αCmax lXl. ≦. 1−Cmax.

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