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椙山女学園大学における食環境整備-第4報:学生食堂における食育支援の取り組みとその評価-

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椙山女学園大学における食環境整備−第4報:学生

食堂における食育支援の取り組みとその評価−

著者

大島 千穂, 續 順子, 中島 正夫, 三田 有紀子

雑誌名

椙山女学園大学研究論集 自然科学篇

48

ページ

67-78

発行年

2017-03-01

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00002357/

(2)

 * 生活科学部 管理栄養学科 ** 教育学部 子ども発達学科 *** 椙山女学園食育推進センター

椙山女学園大学における食環境整備

──第4報:学生食堂における食育支援の取り組みとその評価──

大島千穂*・續 順子*

,

***・中島正夫**

,

***・三田有紀子*

Preparation of Food Environment at Sugiyama Jogakuen University

—The Fourth Report: Support for Dietary Education at University Canteens,

and its Evaluation—

Chiho O

SHIMA

, Junko T

SUDZUKI

, Masao N

AKASHIMA

and Yukiko M

ITA

Ⅰ はじめに

 我々は,学生の健全な食生活実践へ向けた大学での支援のあり方を探り,具体的な食生

活改善行動の基盤を整えることを目的とした調査研究を進めている。

 平成(以下H)22年度,本学一般学生と管理栄養学科学生(以下専攻学生)を対象に

「昼食の選択」に関する意識などを調査し,大学キャンパス内における食環境整備の取り

組みの方向性を探る中で

1)2)

,学生は大学入学後に食生活が乱れ,昼食も適切に選択でき

ているとは言えず,この改善には「食」についての学習機会増大,飲食施設などでの簡明

な食情報の提供が求められることが明らかとなり,H23年9月より学生食堂を中心とし

た食堂環境整備を開始した。整備開始後1ヵ月,1年の時点で学生を対象とした調査を実

施し

3)

,浮き彫りとなった課題へ対応しながら取り組みを継続,現在に至っている。主な

取り組み内容は,①「椙山女学園大学ヘルシーメニュー基準」(健康を維持するための食

事メニューとして,1日に必要な量のおおむね1/3程度のエネルギー・栄養成分・野菜量

を示す)の作成,②ヘルシーメニュー基準を満たした「ヘルシーメニュー」の提供,③学

生食堂で提供される全メニューに対する写真・一口メモ・値段・栄養成分・食事バランス

ガイドのコマの情報を記載したメニューカードの掲示,④ポスター・卓上メモによる栄養

情報提供,リーフレット(内容:「食事バランスガイドの基本形」,椙大生が1日に必要な

サービング数提示と実例)の作成・配布,⑤大学キャンパス内での栄養相談会・料理教室

開催,本学1年生対象の全学共通科目「人間論」での「食育」開講などである。

 本報告は,環境整備開始後1年での調査報告

3)

に続き,実施開始2年経過した H25年度

の量的調査から,学生の食行動・食意識の現状を改めて捉えなおすと共に,一連の取り組

(3)

みが学生にどのように受け取られているかについて開始直後と比較し,その有効性を検

討・評価した。

Ⅱ 調査対象及び方法

 一般学生(教育学部保育・初等教育専修1∼3年生在籍)と専攻学生(生活科学部管理

栄養学科1∼4年生在籍)を対象として,H23年10月及び H25年6∼7月に調査を実施

した。調査票は,H23年は調査対象者の概要,学生食堂の利用,学生食堂の食環境整備の

3項目,H25年は上記項目に,食生活について,学内の食育活動を加えた5項目からなる

質問紙とした。両年度とも対象者に無記名の自記式回答を求めた。

 倫理的配慮として調査の対象者には,調査の趣旨と目的,参加協力の自由意志尊重,ま

た,プライバシーの尊守と研究の目的以外にはデータを使用しないことを文章および口頭

で説明し,同意を得た対象者から回答を得た。なお,研究は当大学看護学部倫理審査委員

会の承認を得て行った。

 データの集計および分析には SPSS(Ver. 20)を用い,有効回答のみを分析対象とし,

χ

2

検定により有意差を判定した。χ

2

検定の結果,5%レベル以下で有意性が認められた場

合は残渣分析を行い,残渣の絶対値が2.0以上の項目を群間差異の特徴を担うものとして

抽出した。

Ⅲ 結  果

Ⅲ‒1 対象者の基本属性

 H23年 の 有 効 回 答 数( 回 答 率 ) は, 一 般 学 生 群245名(96.8 %), 専 攻 学 生 群435名

(93.8%),計680名(94.8%)だった。H25年は一般学生群232名(99.2%),専攻学生群は

配布472名(99.8%),計704名(99.2%)だった。対象者の居住形態について,H23年は

一般学生6.5%,専攻学生7.6%,H25年は一般学生5.1%,専攻学生5.3%が一人暮らしで

あり,学科間および年度間で有意差はなかった。

Ⅲ‒2 H25年調査からみる学生の食行動・食意識の現状

⑴ 食生活状況

 学生の食生活に関する質問については,第2,3報にならって,専攻学生を下級生(1,

2年生)と上級生(3,4年生)に区分し,一般学生は一括して計3群に分けて検討を進

めた。表1には質問の回答項目について,各群の回答数とその構成比率(%)を表示して

いる。

 朝食摂取に関する質問では,専攻下級生で「毎日食べる」が82%で,他群と比較して

10%程高かった。朝食のバランスについては,一般学生で「毎回良い」と肯定的な回答を

する者が15%,専攻学生でその比率は6∼8%に留まった。

 昼食摂取状況はどの群も「毎日食べる」者が90%以上と高率で差がなかったが,その

バランスについての評価は,一般学生で肯定的回答を示す者が36%,専攻上級生で20%

と専攻上級生で低かった。昼食に関しては大学での食事方法についても尋ねた。全体とし

(4)

表1 食生活に関する質問項目のクロス集計と有意差検定結果

質問項目と選択肢 一般学生 専攻下級生 専攻上級生 有意確率 n = 232 n = 238 n = 234 毎日朝食を食べますか? 毎日食べる 170 75% 195 82% 167 72% 0.018 ときどき食べない 44 19% 39 17% 54 23% ほとんど食べない 14 6% 3 1% 10 4% バランスの良い朝食を食べていますか? 毎回そうである 31 15% 18 8% 14 6% 0.027 ときどきそうでない 70 33% 94 40% 86 39% そうではない 111 52% 122 52% 122 55% 毎日昼食を食べますか? 毎日食べる 208 91% 224 96% 209 91% 0.094 ときどき食べない 20 9% 9 4% 21 9% ほとんど食べない 0 0% 1 0% 0 0% バランスの良い昼食を食べていますか? 毎回そうである 82 36% 59 25% 47 20% 0.000 ときどきそうでない 121 53% 151 65% 143 62% そうではない 24 11% 23 10% 41 18% 大学においてどのように昼食をとっていますか? 自宅から持ってくるお弁当 172 75% 195 84% 175 76% 0.000 学生食堂の利用 44 19% 17 7% 15 7% コンビニなどの売店で購入した食べ物 12 5% 19 8% 41 18% その他 0 0% 1 0% 0 0% 毎日夕食を食べますか? 毎日食べる 185 80% 190 81% 185 80% 0.998 ときどき食べない 44 19% 42 18% 44 19% ほとんど食べない 2 1% 2 1% 2 1% バランスの良い夕食を食べていますか? 毎回そうである 93 41% 90 39% 73 32% 0.000 ときどきそうでない 125 55% 132 57% 139 31% そうではない 9 4% 10 4% 17 7% 自分の食生活について,どのように考えていますか? 適切である 95 41% 84 36% 66 29% 0.039 適切でない 66 29% 77 33% 93 40% どちらとも言えない 69 30% 74 32% 72 31% 適切であるといえなくなったのは,いつ頃ですか? 大学入学後 61 47% 67 45% 81 49% 0.757 大学入学前 70 53% 81 55% 83 51% 3群についての χ2検定による有意確率を表の右端に示し,5%未満で有意性が見られた場合には背景 を灰色で示している。また,有意性が見られた組について,残差の絶対値が2.0以上の項目の回答率 欄の背景を灰色で示した。

て「弁当持参」が80%程度と主要だった。「学生食堂の利用」は一般学生で19%いたが,

専攻学生は7%と少なかった。専攻上級生においてはコンビニ・売店などでの購入者が

18%となり,一般学生の食堂利用者割合と同程度だった。

 夕食の摂取率は,どの群も80%前後で,群間の差はなかった。夕食のバランスについ

(5)

表2 学生食堂の利用に関する質問項目のクロス集計と有意差検定結果

質問項目と選択肢 一般学生 専攻下級生 専攻上級生 有意確率 n = 232 n = 238 n = 234 昼食時,学生食堂を利用することがありますか? 利用する(週3回以上) 41 18% 18 8% 11 5% 0.000 ときどき利用する(週2回以下) 162 70% 105 44% 85 37% 利用しない 29 13% 115 48% 137 59% よく選択するメニューは何ですか? 単品 150 75% 69 57% 56 58% 0.000 定食 47 23% 30 25% 23 24% パンやその他のお弁当 1 1% 10 8% 8 8% ヘルシーメニュー 3 2% 8 7% 6 6% ヘルシー弁当 0 0% 3 3% 1 1% その他 0 0% 1 1% 2 2% メニューの選択理由は何ですか? 好み 172 34% 109 34% 71 30% 0.012 気分 135 27% 77 24% 61 26% 値段 97 19% 74 23% 41 17% 栄養バランス 22 4% 19 6% 33 14% 量の多いもの 27 5% 15 5% 8 3% 体調 14 3% 6 2% 9 4% カロリーの少ないもの 20 4% 10 3% 2 1% 気温 7 1% 6 2% 6 3% 地域季節限定メニュー 8 2% 2 1% 4 2% 量の少ないもの 4 1% 3 1% 1 0% カロリーの多いもの 0 0% 1 0% 1 0% 美容にいいと思うもの 1 0% 0 0% 0 0% その他 5 1% 1 0% 2 1% 3群についての χ2検定による有意確率を表の右端に示し,5%未満で有意性が見られた場合には背景 を灰色で示している。また,有意性が見られた組について,残差の絶対値が2.0以上の項目の回答率 欄の背景を灰色で示した。

て肯定的な回答を示す者の比率は,各群朝食の3∼4倍,昼食の1.5倍程度と1日の食事

の中で最も高率だった。群別では,一般学生の評価が高く41%,専攻上級生の評価が低

く32%と,朝食・昼食と同様の傾向がみられた。

 自身の食生活全般についての評価は,一般学生で肯定的回答をする者が40%を超える

一方,専攻上級生で30%を切る格差があった。否定的な回答を示す者に対し,不適切さ

が生じた時期を大学入学前後に区分けして尋ねたところ,3群とも入学前が50数%とやや

高かった。

⑵ 学生食堂の利用

 表2に学生食堂の利用に関する質問項目の結果をまとめた。結果の表示方法は前項と同

様である。

 学生食堂を利用する頻度について,「利用する」「ときどき利用する」者は,専攻下級・

上級生が50%程度であったのに対し一般学生は90%弱と,一般学生の利用率が高かった。

 食堂利用者によく選択するメニューを尋ねた質問では,3群とも「単品」が最も多く,

(6)

一般学生で75%,専攻学生で60%弱だった。「定食」は各群25%程度の回答率で,ヘル

シーメニューを選択する者は10%以下だった。

 昼食メニューの選択理由を複数回答で尋ねたところ,どの群も「好み」「気分」「値段」

に依存していた。「栄養バランス」を考慮する者は,専攻上級生で14%,一般学生および

専攻下級生は5%前後と開きがあった。

⑶ 学生食堂の食環境整備

 表3に学生食堂利用者に関するヘルシーメニューの利用や各種栄養情報媒体に関する質

問項目の結果をまとめた。この項目については,群および学年間で食や栄養に関する知識

や理解に格差があると想定されたことから,回答者を7群に区分し解析を進めた。

 ヘルシーメニューを「よく利用する」と回答した者は,両群各学年10%以下に留まっ

た。「利用したことがある」者は,専攻3,4年生が約60%と他群と比較して高率だっ

た。

 ヘルシーメニューを「よく利用する」「利用したことがある」者には選択理由を,「利用

したことがない」者へは非選択理由を,それぞれ複数回答で尋ねた。前者は,一般学生で

「おいしそうだった」「そのときの気分だった」,専攻学生では「栄養のバランスが良い」

が主となり,群間で選択の視点に差異が見られた。後者は,両群1年生で「知らなかっ

た」が多数で,他学年では「好みに合っていない」が多く選ばれた。専攻4年生では「値

段」を選択する者も多く見られた。

 各種栄養情報媒体に関する質問は,各媒体への認知,理解,興味,活用について尋ね,

「はい」「いいえ」のどちらかを選択するよう求めた。「はい」の回答数を項目ごとに集約

し,全回答者数に対する比率を示した。

 ポスターについて,認知度は各学年一般学生が90%前後,専攻学生が50∼60%と差が

あった。内容についての理解・興味を示した者は,両群とも上級学年で高い傾向だった。

卓上メモの認知度は一般学生で各学年約90%と高率だが,専攻学生でも各学年約80%と

広く浸透していた。内容への興味・理解度は両群各学年70∼80%と高いが,食選択での

活用度は低かった。リーフレットについては,認知度が一般1,2年生と専攻2年生で高

かった。内容への興味・理解度は卓上メモ同様,両群70∼90%と高率だった。メニュー

カードは,専攻学生で50∼70%,一般学生は全学年95%が認知していた。興味,理解度

は群・学年問わず80%以上であり,食選択への活用度も各種媒体の中で最も高いという

結果が得られた。

⑷ 学内での食育活動など

 学内で行われている食育活動および食事バランスガイドに関する質問の結果を表4に示

した。表の構成は表3と同じである。

 栄養相談会への参加経験を尋ねたところ,「知らない」者が一般学生で多く,90%前後

の回答率だった。専攻1,2年生も70∼80%が「知らない」と回答した。「知っているが

参加したことがない」は専攻上級生で50%弱と多いことが示された。「知っているが参加

したことがない」者にその理由を尋ねたところ,一般学生は「食事のバランスに興味がな

い」「日時が合わない」「自由参加だと参加しにくい」など理由が分散したが,専攻学生で

は「日時が合わない」が主だった。

 料理教室の開催に関する問では,「知っているが参加したことがない」と回答した者が

(7)

表3 学生食堂の食環境整備に関する質問項目のクロス集計と有意差検定結果

質問項目と選択肢 一般学生 専攻学生 有意 確率 1年生 2年生 3年生 1年生 2年生 3年生 4年生 n = 82 n = 77 n = 73 n = 121 n = 117 n = 115 n = 119 ヘルシーメニューを利用したことがありますか? よく利用している 0 0% 5 7% 2 3% 3 4% 4 9% 1 3% 2 3% 0.000 利用したことがある 14 21% 20 29% 28 42% 22 29% 21 47% 21 55% 34 59% 利用したことがない 52 79% 45 64% 37 55% 52 68% 20 44% 16 42% 22 38% ヘルシーメニューの選択理由は何ですか? 栄養のバランスがよいから 3 30% 7 29% 6 22% 13 57% 9 38% 11 58% 18 53% 0.048 おいしそうだったから 3 30% 14 58% 8 30% 3  13% 6 25% 2 11% 5 15% そのときの気分だったから 1 10% 1 4% 10 37% 2 9% 4 17% 2 11% 7 21% 野菜の量が多いから 2 20% 1 4% 1 4% 1 4% 2 8% 1 5% 1 3% 限定メニューだから 1 10% 0 0% 0 0% 3 13% 2 8% 1 5% 1 3% 好みに合っているから 0 0% 1 4% 2 7% 0 0% 0 0% 1 5% 1 3% その他 0 0% 0 0% 0 0% 1 4% 1 4% 1 5% 1 3% ヘルシーメニューを選択しなかった理由は何ですか? 知らなかったから 28 54% 10 23% 9 24% 18 35% 3 15% 3 19% 2 10% 0.002 好みに合っていないから 4 8% 14 33% 9 24% 12 23% 8 40% 7 44% 7 35% 値段が高いから 5 10% 3 7% 8 22% 5 10% 2 10% 1 6% 7 35% おいしくなさそうだから 2 4% 1 2% 1 3% 7 14% 3 15% 0 0% 1 5% 野菜の量が多いから 3 6% 4 9% 2 5% 1 2% 1 5% 0 0% 0 0% その他 10 19% 11 26% 8 22% 9 17% 3 15% 5 31% 3 15% 学生食堂内のポスターについて: 見たことがある 64 87% 64 90% 59 89% 71 61% 58 53% 58 52% 60 54% 0.000 内容に興味がある 43 67% 46 72% 48 81% 56 80% 46 79% 52 90% 54 90% 0.013 内容を理解できる 50 78% 48 75% 49 83% 63 89% 51 88% 55 95% 60 100% 0.000 食事を選択する際の参考にする 30 47% 20 31% 26 44% 35 50% 21 36% 33 57% 34 57% 0.032 学生食堂内の卓上メモについて: 見たことがある 76 93% 72 100% 69 95% 93 80% 104 89% 97 86% 90 78% 0.000 内容に興味がある 54 71% 58 81% 52 75% 74 80% 84 81% 84 87% 78 87% 0.124 内容を理解できる 62 82% 59 84% 58 84% 82 88% 95 91% 91 94% 88 98% 0.006 食事を選択する際の参考にする 29 38% 23 32% 24 35% 36 40% 35 34% 38 39% 38 42% 0.813 学生食堂内のリーフレットについて: 見たことがある 74 91% 66 89% 38 53% 24 20% 94 81% 52 46% 76 66% 0.000 (人間論の授業) 58 72% 38 51% 7 10% 1 1% 49 42% 9 8% 28 24% ― (食堂) 2 3% 11 15% 27 38% 22 18% 17 15% 33 30% 40 35% (授業・食堂) 14 17% 17 23% 4 6% 1 1% 28 24% 10 9% 8 7% 内容に興味がある 48 66% 53 82% 28 74% 17 71% 74 79% 42 82% 68 90% 0.024 内容を理解できる 60 82% 55 86% 30 79% 21 88% 83 89% 48 94% 72 95% 0.095 食事を選択する際の参考にする 39 53% 23 35% 11 29% 9 38% 35 38% 25 49% 45 59% 0.007 学生食堂内のメニューカードについて: 見たことがある 73 95% 69 97% 68 97% 78 67% 60 54% 69 62% 75 67% 0.000 内容に興味がある 58 80% 55 80% 61 90% 71 92% 55 92% 66 96% 70 93% 0.005 内容を理解できる 63 86% 57 83% 62 91% 74 96% 57 95% 67 97% 75 100% 0.000 食事を選択する際の参考にする 54 74% 43 62% 49 72% 59 76% 43 72% 57 83% 55 73% 0.265 7群についての χ2検定による有意確率を表の右端に示し,5%未満で有意性が見られた場合には背景を灰色で示して いる。また,有意性が見られた組について,残差の絶対値が2.0以上の項目の回答率欄の背景を灰色で示した。

(8)

表4 学内での食育活動などに関する質問項目のクロス集計と有意差検定結果

質問項目と選択肢 一般学生 専攻学生 有意 確率 1年生 2年生 3年生 1年生 2年生 3年生 4年生 n = 82 n = 77 n = 73 n = 121 n = 117 n = 115 n = 119 大学の食事以外で,ポスターやリーフレットなどの知識を活かした食選択を実行したことがありますか? 実行したことがある 11 14% 9 12% 7 10% 24 20% 20 17% 34 30% 28 25% 0.003 実行したことがない 70 86% 67 88% 66 90% 96 80% 95 83% 78 70% 86 75% 大学内で料理教室が開催されていることを知っていますか? 知っていて参加したことがある 1 1% 14 19% 0 0% 2 2% 16 14% 23 20% 3 3% 0.000 知っているが参加したことがない 20 24% 35 47% 53 74% 73 61% 85 73% 86 75% 87 74% 知らない 61 74% 26 35% 19 26% 44 37% 15 13% 6 5% 27 23% 料理教室に参加しなかった理由はなんですか? 興味がない 2 2% 3 9% 13 27% 5 7% 5 6% 5 6% 5 6% 0.000 日程が合わない 10 50% 30 88% 30 61% 53 78% 63 79% 70 83% 51 60% 料金が高い 2 10% 0 0% 2 4% 7 10% 4 5% 4 5% 5 6% 作りたい料理がない 1 5% 0 0% 0 0% 2 3% 1 1% 1 1% 9 11% 定員に達していて 参加できなかった 1 5% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% その他 4 20% 1 3% 4 8% 1 2% 7 9% 4 5% 15 18% 学内で管理栄養士の方に食事についてのアドバイスがしてもらえる栄養相談会が行われていることを知っていますか? 知っていて参加したことがある 0 0% 1 1% 0 0% 3 3% 1 1% 2 2% 4 4% 0.000 知っているが参加したことがない 7 9% 4 5% 9 12% 19 16% 34 29% 53 47% 48 42% 知らない 75 92% 70 93% 64 88% 98 82% 82 70% 57 51% 63 55% 栄養相談会に参加しなかった理由はなんですか? 食事のバランスに興味がない 1 14% 2 67% 2 22% 0 0% 0 0% 1 2% 3 7% 0.000 日時が合わない 4 57% 1 33% 1 11% 12 67% 13 39% 35 68% 14 31% 栄養士の方と一対一で 話すのに抵抗がある 0 0% 0 0% 2 22% 2 11% 4 12% 4 7% 4 9% 自由参加だと参加しにくい 1 14% 0 0% 4 44% 2 11% 12 36% 13 24% 18 40% その他 1 14% 0 0% 0 0% 2 11% 4 12% 1 2% 6 13% (下図に示された)食事バランスガイドを知っていますか? 内容まで知っている 49 64% 26 41% 20 29% 81 73% 95 89% 106 100% 115 100% 0.000 見たことはあるが 内容まで知らない 27 35% 37 58% 47 69% 30 27% 12 11% 0 0% 0 0% 見たこともない 1 33% 1 2% 1 2% 0 0% 0 0% 0 0% 0 0% 7群についての χ2検定による有意確率を表の右端に示し,5%未満で有意性が見られた場合には背景を灰色で示し ている。また,有意性が見られた組について,残差の絶対値が2.0以上の項目の回答率欄の背景を灰色で示した。

両群上級学年で多く,「知っていて参加した」と回答した者は一般学生が2年生,専攻学

生で2,3年生が多かった。また,開催の認知度は栄養相談会同様,1年生で最も低かっ

た。知っていて参加しなかった理由を尋ねると,両群「日程が合わない」を選択する者が

多かった。

 食事バランスガイドについての認知度は,一般学生よりも専攻学生で明らかに高かっ

た。また,一般学生では下級生ほど,専攻学生では上級生ほど内容まで認知していた。

(9)

表5 H23・H25の学生の食行動・食意識に関する質問項目クロス集計と有意差検定結果

質問項目と選択肢 全体 一般学生 専攻学生 H23 H25 有意 確率 H23 H25 有意 確率 H23 H25 有意 確率 n = 680 n = 704 n = 245 n = 232 n = 435 n = 472 毎日昼食を食べますか? 毎日食べる 590 89% 641 93% 0.017 212 87% 208 91% 0.125 378 90% 433 93%0.130 ときどき食べない 69 10% 50 7% 29 12% 20 9% 40 10% 30 7% ほとんど食べない 6 1% 1 0% 3 1% 0 0% 3 1% 1 0% バランスの良い昼食を食べていますか? 毎回そうである 125 19% 188 27% 0.001 57 24% 82 36% 0.013 68 16% 106 23% 0.028 ときどきそうでない 442 66% 415 60% 155 65% 121 54% 287 67% 294 63% そうではない 99 15% 88 13% 28 12% 24 11% 71 17% 64 14% 昼食時,学生食堂を利用することがありますか? 利用する(週3回以上) 68 10% 70 10% 0.668 39 16% 41 18% 0.776 29 7% 29 6% 0.697 ときどき利用する(週2回以下) 353 52% 351 50% 169 70% 162 70% 184 43% 190 40% 利用しない 255 38% 281 40% 35 14% 29 13% 220 51% 252 54% よく選択するメニューは何ですか?     単品 241 58% 275 66% 0.000 165 79% 150 75% 0.000 76 36% 125 58% 0.000 定食 80 12% 101 24% 17 8% 47 23% 63 30% 53 24% ヘルシーランチ 34 8% 17 4% 16 8% 3 2% 18 9% 14 7% ヘルシー弁当 37 9% 4 1% 2 1% 0 0% 35 17% 4 2% パンやその他のお弁当 22 5% 19 5% 6 3% 1 1% 16 8% 18 8% その他 5 1% 3 1% 2 1% 0 0% 3 1% 3 1% メニューの選択理由は何ですか? 気分 270 26% 273 26% 0.000 152 30% 135 27% 0.004 118 22% 138 25% 0.000 好み 211 20% 342 32% 113 22% 172 34% 98 18% 170 31% 値段 239 23% 209 20% 118 23% 94 19% 121 22% 115 21% 栄養バランス 119 11% 74 7% 22 4% 22 4% 97 18% 52 9% カロリーの少ないもの 54 5% 32 3% 27 5% 20 4% 27 5% 12 2% 量の多いもの 53 5% 50 5% 29 6% 27 5% 24 4% 23 4% 地域季節限定メニュー 57 5% 14 1% 25 5% 8 2% 32 6% 6 1% カロリーの多いもの 0 0% 2 0% 0 0% 0 0% 0 0% 2 0% 体調 29 3% 29 3% 15 3% 14 3% 14 3% 15 3% 気温 9 1% 19 2% 6 1% 7 1% 3 1% 12 2% 美容にいいと思うもの 5 1% 1 0% 0 0% 1 0% 5 1% 0 0% 量の少ないもの 3 0% 8 1% 2 0% 4 1% 1 0% 4 1% その他 11 1% 8 1% 6 1% 5 1% 5 1% 3 1% ヘルシーメニューを利用したことがありますか? よく利用している 27 6% 17 4% 0.043 12 6% 7 3% 0.515 15 7% 11 5% 0.032 利用したことがある 129 31% 160 38% 60 29% 62 31% 69 32% 98 45% 利用したことがない 263 63% 244 58% 134 65% 134 66% 129 61% 111 51% ヘルシーメニューを選択しなかった理由は何ですか? 知らなかったから 74 30% 73 31% 0.000 45 35% 47 36% 0.083 29 24% 26 24% 0.000 好みに合っていないから 46 18% 61 26% 29 23% 27 21% 17 14% 35 32% 値段が高いから 37 15% 31 13% 10 8% 16 12% 27 22% 15 14% おいしくなさそうだから 5 2% 15 6% 3 2% 4 3% 2 2% 11 10% 野菜の量が多いから 2 1% 11 5% 1 1% 9 7% 1 1% 2 2% その他 86 34% 49 20% 40 31% 29 22% 46 38% 20 19% 学生食堂内の卓上メモについて: 見たことがある 316 67% 601 87% 0.000 100 46% 217 96% 0.000 216 85% 384 83% 0.330 内容に興味がある 265 83% 485 81% 0.327 68 67% 164 76% 0.081 197 91% 321 84% 0.009 内容を理解できる 282 89% 536 89% 0.762 71 70% 179 83% 0.007 211 97% 357 93% 0.014 食事を選択する際の参考にする 152 48% 224 37% 0.002 28 28% 76 35% 0.122 124 57% 148 39% 0.000 学生食堂内のポスターについて: 見たことがある 422 88% 434 66% 0.000 189 86% 187 89% 0.242 233 90% 247 55% 0.000 内容に興味がある 337 80% 346 80% 0.908 129 68% 137 73% 0.170 208 89% 208 85% 0.069 内容を理解できる 359 85% 377 87% 0.558 132 70% 147 79% 0.034 227 97% 229 93% 0.010 食事を選択する際の参考にする 172 41% 199 46% 0.141 43 23% 76 41% 0.000 129 55% 123 50% 0.120 学生食堂内のリーフレットについて: 見たことがある 143 30% 424 61% 0.000 37 17% 178 78% 0.000 106 41% 246 53% 0.001 内容に興味がある 119 83% 330 78% 0.275 23 61% 129 73% 0.086 96 91% 201 82% 0.027 内容を理解できる 131 91% 369 88% 0.340 29 76% 145 83% 0.233 102 97% 224 93% 0.097 食事を選択する際の参考にする 76 53% 187 45% 0.087 9 24% 73 42% 0.029 67 57% 114 39% 0.003 学生食堂内のバランスカードについて: 見たことがある 232 49% 259 37% 0.000 101 46% 94 41% 0.171 131 18% 165 35% 0.000 内容に興味がある 214 92% 222 84% 0.011 87 85% 75 79% 0.164 127 97% 147 89% 0.002 内容を理解できる 210 90% 240 91% 0.666 80 78% 78 82% 0.321 130 99% 161 98% 0.111 食事を選択する際の参考にする 150 64% 157 60% 0.284 52 51% 46 48% 0.414 98 75% 111 67% 0.065 H23年および H25年の各項目に対する対象者全体・一般学生・専攻学生の回答結果を示し,それぞれの回答数・率の 右側欄には χ2検定による有意確率を示した。5%未満で有意性が見られた場合には背景を灰色で示している。また, 有意性が見られた組について,残差の絶対値が2.0以上の項目の回答率欄の背景を灰色で示した。

(10)

Ⅲ‒3 学生の食行動・食意識の変化

 表5では,環境整備開始後約2年での学生の食意識・食行動に差異がみられたかどう

か,また,各種栄養情報媒体の浸透度を把握するため,H23年および H25年調査における

昼食摂取に関する項目および栄養情報媒体に関する項目の回答結果を比較した。

 昼食を「毎日食べる」者の割合は群別でみると,それぞれ変化はなかったが,対象者全

体でその割合は89%から93%に有意に増加した。「昼食のバランスが毎回良い」と評価す

る者は両群で増加,全体として19%から27%に有意な増加が認められた。

 学生食堂の利用頻度は,両群横ばいだった。学生食堂利用時によく選択するメニューに

ついては,一般学生で「定食」,専攻学生で「単品」を選択する者の増加が見られたが,

「単品」が最も多く選択される傾向は両群変化がなかった。メニュー選択理由は両群,「好

み」「気分」「値段」が主であり,H23年の傾向と変わらなかった。「栄養バランス」を考

慮する者は専攻学生で減少し,全体で10%程度に留まった。ヘルシーメニューの利用経

験は専攻学生で32%から45%に増加したものの,一般学生では変化はなかった。非選択

理由は,一般学生で「知らなかった」者が最も多い結果は H23年と変わらず,専攻学生で

は「好みに合わない」とする者が増加し,「知らなかった」の比率を上回る結果となった。

 各種栄養情報媒体について,対象者全体の認知度は卓上メモ,リーフレットで有意な増

加が認められ,ポスター,バランスカードは低下した。内容についての興味・理解度は,

各種,一般学生で5∼10%高まる傾向が見られ,70∼80%の学生が肯定的な回答を示して

いた。専攻学生は全体的に低下傾向であったが,80∼90%の割合を保っている。食選択へ

の活用度は,媒体によって変動に差があるが,バランスカード以外「参考にする」者の割

合が50%に届いていない現状は2年間で変わらなかった。

Ⅳ 考  察

Ⅳ‒1 食生活について

 本学学生の食事の摂取状況は表1で示したように,昼食,夕食,朝食の順で多かった。

食事の欠食に関しては,特に20∼30代の若者の朝食欠食率の高さが10年以上問題視され

ているが

4)

,本学でも朝食欠食者が約25%と多く,その課題が浮き彫りとなった。また,

食や栄養に関して専門的な理解が進んでいる専攻上級生群で「毎日食べる」者が72%と

3群中最も少なく,この傾向は前報

3)

でも指摘されており,知識と実践とが乖離している

課題は未だ残されていた。各食事に対するバランスの自己評価について,「毎回バランス

が良い」とする者は昼食・夕食で比較的高いが20∼40%に留まり,朝食に至ってはその

割合が一般学生15%,専攻学生では10%に届いておらず,欠食の問題とともに食事内容

の改善も課題であろう。

 食環境整備の取り組みが直接関わる昼食について,環境整備開始から2年での変化を見

ると,摂取頻度と食事バランスへの評価が一般学生,専攻学生ともに改善されていた。こ

れは継続的な食育支援活動が,学生の食行動・食意識の変容に繋がる可能性を示唆する結

果であり,今後も適切な昼食選択を促す活動を継続し,さらには食生活全体の改善に結び

つくような食環境整備の展開が求められる。

(11)

Ⅳ‒2 学生食堂の利用について

 学生食堂の利用状況は専攻学生と比べ一般学生で利用率が高く,理由は前報

3)

で指摘し

た,各群の学舎と学生食堂との距離の違いによる差異であると思われる。学生食堂利用時

に選択するメニューは,各群「単品」が圧倒的に多かった。メニュー選択理由の傾向も群

によらず,主に「気分」「好み」「値段」だったが,専攻上級生群で「栄養バランス」の比

率が高いことは,学年進行に伴って深まる食や栄養関連の知識を,自身の食生活の中で活

かそうとする姿勢の現れと思われる。

 先行研究では,学生食堂やカフェテリア内などで一定期間,栄養情報提供を行うこと

が,学生の食意識・食行動の変容に有効であったと報告されている

5)∼7)

。本学でも,同様

の結果が期待されたが,表5で示したように年度間で学生の食選択などに好ましい変化は

確認できなかった。主体的に食事選択する機会が増加する大学生にとって,学生食堂での

取り組みの意義は大きいが,専攻学生の様子からも,食や栄養に関する諸知識が必ずしも

望ましい食選択には結びついておらず,一般学生ではさらに困難が予測される。しかし,

将来の自身の健康だけなく次世代の育成を担う大学生への食教育の重要性は大きいことか

ら,改めて「健全な食生活が実践できる学生を育てる」食環境の在り方を検討し,対応し

ていく必要がある。

Ⅳ‒3 学生食堂の食環境整備

 表3で示したヘルシーメニューの利用について,「よく利用する」と回答する者は10%

に満たず,一部の学生が積極的に利用しているに留まっている。利用経験者は専攻上級生

でやや多いが,一般学生においても専攻学生と大差はなく,バランスの良い食事に対する

関心の高さが窺えた。しかし,未だ利用経験がない上級学生も両群で40∼50%と多く,

要因として嗜好との不一致や価格の問題が指摘された。食堂業者と協働し,低価格で満足

感のあるメニュー,さらにはバリエーションに富んだメニュー提供を進めていく必要があ

る。また,低学年ほど認知度が低い現状が示されたことから,新入生や食堂利用経験が浅

い学生の目線へ情報が届くような啓発活動を検討し,利用率向上を図る必要がある。

 各種栄養情報媒体について,全体的に専攻学生より一般学生で広く認知されており,学

生食堂の利用率の高さが影響していると考えられる。興味・理解度に対する肯定的回答の

比率は,専攻学生群が高い傾向がみられるが,一般学生でも70∼80%と好感触だった。

食選択の際の活用度はメニューカードが最も高く,両群70%以上の学生が肯定的回答を

示したが,学生の興味や知識レベルから言えば,参考にする項目は群間で差があると推察

され,特に一般学生で栄養成分表示や食事バランスガイドをどこまで理解し,活かしてい

るかは明確でないことから,今後の調査研究での詳細な分析と対応が求められる。

 環境整備開始時から2年経過した時点で,専攻学生では一部の媒体に関する認知・興

味・理解度の低下および食選択の参考にする者の減少がみられた。一方,一般学生ではそ

れらの全体的な増加が認められ,情報の内容・レベルは受け入れやすいものであったと窺

える。今後も一般学生には基礎知識定着,専攻学生には学習知識の再確認としての位置づ

けで,全学生に対して有用な情報提供を進めていきたい。

(12)

Ⅳ‒4 学内での食育活動等

 栄養相談会の実施について,一般学生で約90%,専攻下級生で70∼80%が「知らない」

と回答しており,認知度が低かった。料理教室の開催については両群1年生で「知らな

い」者が多く,また,認知している2年生以上は多いが,参加者の割合は低迷している。

どちらの活動も日程については時間割を考慮して設定し,開催については学園の Web シ

ステムとチラシ配布で全員に案内しているが,なお開催日程および周知方法の検討を要す

ると思われる。

 食事バランスガイドについては非認知の者が一般学生で0%に近く,専攻学生並であ

り,食環境整備における啓発活動の成果と考えられるが,内容把握のレベルは十分とは言

えない。一般学生で下級生ほど食事バランスガイドへの理解を示している点は,人間論

「食育」での学習機会提供が一定の効果をもたらしていると考えられ,今後も授業内での

継続的な教授が期待される。

Ⅴ ま と め

 大学生の健全な食生活実践へ向けた大学での食育支援として,H23年9月より学生食堂

を中心とした食環境整備を開始した。本報告は,整備開始後2年の時点で実施した量的調

査から学生の食行動・食意識を捉えなおすと共に,開始直後の量的調査と比較し,取り組

みの有効性を検討・評価した。

 整備開始後2年で,昼食摂取率の上昇やバランスの良い昼食を摂取する者の増加が見ら

れ,取り組みの成果と期待された。しかし,昼食時のメニューの選択は「気分」「好み」

「値段」が主で「栄養バランス」を考慮する者は少なく,変化が乏しかった。ヘルシーメ

ニューの利用率は40%と低く,その要因としてメニュー内容や価格,認知度の低さが挙

げられた。食選択の際に有用な情報媒体としてのメニューカードは,70%程の学生が活用

していたが,その他の媒体の活用度は50%未満だった。また,食事バランスガイドの認

知・理解度は比較的高かったが,食生活の中で活かせているとは言い難く,食育支援活動

の新たな展開と,適切な食行動実践を促す対応を引き続き進めていく必要がある。

文  献

1) 中島正夫,續順子.椙山女学園大学における食環境整備─第1報:女子大学生の「昼食の選

択」に関する意識などについて─(質的調査).椙山女学園大学研究論集第43号.2012; 89‒96

2) 續順子,中島正夫.椙山女学園大学における食環境整備─第2報:食行動および食育に関す

る一般学生と専攻学生の比較.椙山女学園大学研究論集第43号.2012; 97‒109

3) 續順子,大島千穂,中島正夫他.椙山女学園大学における食環境整備─第3報:学生食堂に

おける食育支援の試み.椙山女学園大学研究論集第45号.2014; 61‒73

4) 厚生労働省:平成26年国民健康・栄養調査の概要.

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushin

ka/0000117311.pdf

5) 塚田信,浦川由美子,小泉裕子他.食育推進のための有効的手法の検討─女子大学学生食堂

での情報媒体による試み─.鎌倉女子大学学術研究所報第10号.2010; 23‒37

(13)

6) 富永美穂子,濱端倫子.大学生への食育─学生食堂における食事や栄養に関する卓上媒体の

有効性─.学習開発学研究第8号.2015; 159‒165

7) 福田小百合,池田順子.学生食堂における1年間の食教育の取り組み─2005年度から2010

年度にかけての取り組みの効果─.京都文教短期大学研究紀要50号.2011; 33‒41

参照

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