雑誌名
経営論集
巻
14
ページ
145-173
発行年
1980-03-20
1 。
消費者行動 とマー ケティン グ管理
は じ め に中
山
隆
満
消費者行動を考察する方法はいろいろあ る。特徴的には, 消費者行動は経 済学的観点,社会学的 観点,心理学的観点,ならびに人類学的 観点から考察 される。これ までの貴重な消費者行動 の研究は,これらの観点からなされて きた し, また これ らの観点 の うち のい くっ かを 組 合わ せ るこ と た と え ば , 社会心理学的 アプロ ―チや経済心理学的 アプロ―チ一 に よってなされてき た。ここで立 脚しようとする観点は,主として社会心理学的なものであり, 消費者行動を多くの要因のなかの一つ の関数として考察しようとするもので ある。この背景と関連して考察される消費者行動の核心となるものは,モテ ィヴェーシ ョソ(motivation)の概念であ り,しかも社会的環境の中 の モ テ ィヴェーシ ョンである。すなわち,このモティヴェーシ ョソは個人の動因ま たは ニーズの関数であ り,これらの動 因または ニ¬ズは先天的要因から生ず る個人的素質に よって影響されると共に,社会的・環 境的要因に よっても影 響される。本稿の中心的な基本テーマは,すべての消費者行動 が学習とモテ ィヅエーシ ョソに よって惹起され, または影響される とい うことにある。 ところ で,心理学は行動の学問であ るといわれる。 行動はどんなときにも 有効に作用する諸要因の全体的な場の関数であ り,1 つ の場は相互に依存し 合ってい るものと思われるところ の同時に存在する諸要因の全体的総和であ る。 従って,ここでの見地は,主として社会心理学のそれであ り,つ まり, 他人に関係する行動を取扱う一般心理学 の分科である。それは知覚,動機づ け,認識,学習,態度,および期待一 心理学の分野の原点に深く根ざした すべての概念- な どのような現象に 屯とづい ている。 しかしながら,これ らの現象はすべて社会的環境に よって影響されるか, または条件づけ られる。 人間は集団的生き物であ り,ほとんど常にそ の行動が集団的環境においてその役割の関数にな る群居性動物で もある。従って,役割,社会的地 位,集団 基準,生活様式,お よび社会階層,加えて文化などのような社会現象は,消 費者行動に大きな影響を与え るであろ う。 さて,本稿における中心課題は, マーケティング管理者たちが学習過程と コミュニケーシ ョンに含 まれた基本的 概念やアイディアを よりよく理解する ことができるように,これらの過程をやや詳細に分析することにある。従っ て,学習と コミュニケーシ ョンはマーケティング管理0 枠組の中で関連させ て分析され,組織的に 組合わされる。 ここに含まれる重要な命題は,基本的 には消費者行動が問題解決行動であ るとい うことであり,端的にいえば,こ れは学習であ る。 マーケティング活動は√主として企業のコミュニケーツ ヨ ン過程に よって消費者行動を組織的に組合わせたり, 変えた りすること(学 習に影響を与えること)に向け られる。 企業の立場からす る と, 学習(好意的 な適応行動)は目的と考えられるのに対 して, コ ミ ュニケーションは学習情 況を組織的に組合わせる手段と考え られる。 2。 新 しい経 営哲 学 マ ー ケテ ィン グ・ コン セ プト または マー ケテ ィン グ・ マ ネジ メン ト ・ コン セプ ト でmarketingconceptormarketingmanagementconcept )と 呼ば れ るも のは , よい こ とに は間題 解 決への 実 践的 アプ ローチに対 す る経 営者 の要 求に 合 致 してい る。 実 際問 題 と して, マー ケテ ィン グ・ コン セプ トの価値 は,主 と してそ れが広 く容認 さ れ てい るこ とに も とづい て 判断 さ れ うる。 生 態学に おけ る と同様に ,経営 管 理に おい て 乱 適 したも のが よ り長 く生 き残 り, よ い 結果を 生む も のが利用 さ れ, また反対 にそ うで ない も のが見 捨 てら れる と い うアイ デ ィアに は妥 当 性かお る。 明らかに , マ ー ケテ ィン グ・ コン セプト は 実 際に 役立 ってい る。 しか しな が ら,こ のアプ ロ ―チ が問 題を 解 くこ とが でき な かった り,あ るい はそ の企 業 が 奉 仕する社 会に企 業 の資 源を 整理 し, 配 分す るために 必要 とさ れる枠 組を 提 供す るこ とが でき ない とす れば ,企業 は 新 しい 複雑な問 題に 対 処す るた めに 必 要と され る次 の革新 , 次 の アイ デ ィ アまたは コン セプ トを 用 意す るで あろ う。 企業 の発展は 広 く, 目的 論的 であ る ことを 忘れて は なら ない。 す なわ ち ,発展 は物 事が 役 立つ 目的 に よって 引 き 起こ され るものであ る。 組 織 の目的 や 役割が変 化す る と,そ の組 織は構 造
消費者行動とマーケティング管理147 と 機能 とに おい て も変化す る。 マ ー ケテ ィン グ・ コン セプトは, まさに環 境 的 要 因 の変化 から生 ず るこ の ような経 営 組織に おけ る 変化を 表 わす。 昭和30 年 代 のは じめに , 日本経 済は 基本的 な変 化を 示 し ょじめ た。に わ か に ,企業 は 広 く行 きわ たった 豊 かな時 代に 移 りつつ あ るこ とを 感 じ,消費 者 もまた 豊かに なりつっ あ る” と感 じは しめ た。 次第 に より強い 認 識と より 大 きな 選択 の 自由を もた らし た ごの新 しい 消費者 の豊 か さに 直 面し て,マ ー ケテ ィツ ダの課題は ,急に 市場 を生 み出す 必要 に 迫ら れた。 こ れ までそ の商 品 の生産や 販売に 努力を 傾け て き た企業 は , この新 しい 競 争環境 で生 き残 る た めに は ,徹 底的にそ の管 理 ない し経 営 の哲学を 変 え なけ れば ならない こと を 感 じはしめ た。 犬 この時 代 の経 済的 繁栄は , 技術 開発 と設 備投 資に よって 刺激さ れ,経営 の 発 展を もたら し, 豊富な 消費 財を つ く り出した。 この 間,実 質所 得 の増加に っ れて 日本 の人 口学的 構 造も変 化 し, 企業 は新 七い 製 品や サ ービ スを大量 に 売 出した。 し かしな が ら,多 く の企業 は この競 争環 境 の中 で生き 残 るた めに は3 競争” とが 消費 者主 権” な どの よう な言葉 に よる 口先 だけ の サ ー ビ ス以上 のものを 提供 しなけ れば な らない ことに 気づい た。そ こで , マー ケテ ィン グ・ コン セプ トは, 必要 と創 意か ら生 まれ,実 務 家に より, また 経済的 現 実に よっては ぐ く まれ, 広 く採 用 され ,履 行さ れば し めた。 と ころ で ,哲学 とは 思考 の組 織化 さ れた体 系 であ り , もっと簡 単にいえ ば , 人 や企業 が 課業 と責任を 考え る方 法 であ る。 しば しば 企業 の哲学 は一般化 , 方 針, 経営者 の 意見, お よび 統一 と結合に 欠げ る 日々 の経営 問題に 対す るそ の 場だけ の解 決な どの 寄せ集 め的 パタ ーンに な ってい る。 さ らに , 部 とか 課 とい う1 つ の 機 能的 領域 の哲学 は ,他 の領域 のそ れ と著 し く異な り,経営管 理 者の 葛藤を 生 じさせ る。 マ ーケテ・インタ・ コン セプ トは, そ の企業 の業 務, 資源 ,お よび 目的に対 す る よ り統一 さ れた √ より結合さ れ たブ プ ロ ーチを 生 み出す 経営 問題を 再考 す る1 つ の方 法 であ る。 そ の基 本的 前 提は, 企業に は 独立性 がない とい うこ とであ る。 す なわ ち,企業 はそ れ自身に 実 体 はな く, また 哲学的 な 意味では 自 由選択 権を もた ない が, そ の代 りに 市場 江 固 く結ば れ てい る。 オルダ ーソ ソ と グn ーン(WroeAldersonandPaulGreen ) らがそ れに ふれ てい る よう に ,“ 企業 は 市場 からそ の前 進命令 を 受け1) 。そ して 市場 とは 誰れか とい 光
ば , 商 品 また は サ ー ビ ス とい う企 業 の生 産 物 の 最 終 利 用 者 と 産 業 利 用 者 のす べ て であ る。 企 業 とそ の 経 営 者 た ち は , い ま や 新 し い 拡 大 さ れ た 責 任 を 担 っ て い る。 “ 経 営 と は , あ る 手 段 , す な わ ち 独特 な 知 識 を 市 場 に お け る 経 済 的 価 値 の 貢 献 に 変 え る 過 程 で あ る 。 経 営 の( 新し い卜 目的 は , 顧 客を 創 造 す る こ と で あ2) る ”。 し た が っ て , 企 業 の 重 点 と 方 向 づ け は マ ー ケ テ ィ ン グ の そ れ に な る。 企 業 は そ の マ ー ケ テ ィ ン グ 過 程 と 活 動 を 通 じ て そ の 環 境 に 結 ば れ て い る。 そ し て 市 場 と そ の 顧 客 と は , 巨 大 な 自 動 制 御 ま た は フ ィ ニ ド バ ッ ク の 環 に 類 似 し て い て , 企 業 の 行 動 や 活 動 を 修 正 し た り , 調 整 し た り す る 。 し か し な が ら,レ マ ー ケ テ ィ ソ ダ管 理 者 は , 企 業 を 適 応 性 が あ る と み な す と 同 時 に , 革 新 的 で あ る と み な し て い る 。 企 業 は 機 敏 な管 理 活 動 を 通 じ て 市 場 に お け る 行 動 に 影 響 を 及 ぼ す こ と が で き , また そ の行 動 を 変 え る こ と が で き る 。 消 費 者 は マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 や プ ロ グ ラ ムが た て ら れ る 重 要 な 中 心 概 念 と 考 え ら れ てい る。 消 費者 は 巧 み に あ や つ ら れ る の で は な く , そ の要 求 を 満 た さ れ る べ き であ る。 消 費者 の 願 望 や 欲 望 は , そ の 企 業 の ニ ー ズを 満 た す た め に 組 織 的 に 組 合 わ さ れ た り , ま た 人 為 的 に 変 え ら れ た り す る の で は な く , 見 出 さ れ た り 探 し 出 さ れ た り す る も の で あ る。 端 的 に い え ば , 消 費 者 と 市 場 は1 つ の手 段 とい う よ り 乱 む し ろ 目的 で あ る と み な さ れ る。 経 営 管 理 者 の 職 務 は 戦 略 を 開 発 し , そ れを 明 確 に 示 し , そ し て そ れを 履 行 す る こ と で あ る 。 企業 と 市 場 と の 間 に つ な が りを つ げ る 戦 略 は , 目 標 や 目的 の 追 求 に おけ る 運 動 で あ り , 反 対 運 動 で あ る。 つ ま り, 企 業 で な さ れ る あ らJ ゆ る 意 思 決 定 は , 消 費 者 の 反 応 ま た は 行 動 に 及 ぼ す 最 終 結 果 に よ っ て 分 析 さ れ , 評 価 さ れ る 。 戦 略 は 敵 を あ な ど った り , 欺 い た り す る 策 略 や 計 略 とみ な さ れ る の で は な く, 戦 略 は 企 業 が 市 場 の 競 争 条 件 に 適 応 し た り, 反 応 し た り す る手 段 であ る。 広 く考 え ら れ て い る 戦 略 形 成 は , 消 費 者 の ニ ー ズや 欲 求 の 分 析 か ら 始 ま る 。 し た が っ て , マ ー ケ テ ィ ン グ ・ コ ン セ プ トに お け る主 要 な 基 本 的 観点 は 消 費 者 の方 向 づ け で あ る。 マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 は 包 括 的 な 活 動 プ ラ ン で あ り ,企 業 環 境 の 絶 え ず 変 化 す る 要 素 に 対 し て 企 業 の マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ミ ッ ク ス の 決 し て 変 わ ら な い 要 素 , す な わ ち , プ ロ モ ーシ ョン , 価 格 , 製 品 , お よび 場 所 な ど, の 調 整 や 調 和 が マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 に 含 ま れ る。 ゝ ・・│・
消費 者行動 とマ ーケティン・ダ管 理149 図1 マーケ ティン グ管 理の中心的 要素
バ
萱 匈 ノン・マーケティング・コスト ハ ワード(JohnHoward )は, 図1 のように彼がマーケテ ィング管理 の 中3 ) 心的要因であ ると考えているものを表わしている。 概念的に要求されてい る ことは,法律, コスト,流通構造,競争,および需要な どのような,実戦行 動を とらなげればならない環境条件に対して,マーケテ ィング管理者が価格, 製 品,プロモーション,お よび場所に関するその意思決定に よって最も可能 性 のあ る(最適の)その企業の調整または適合をもたらすことであ る。 マーケティング管理者は,他 の管理責任を担っている人々と同様に彼がそ の 責任を分担してい る要 素を計画し,組織し,そして統制しなけ ればならな い 。計画することによって,彼はなすべきことを 前もって決定し,市場と消 費者行動を予測し,そしてそれに 従って行動する。 組織することに よって, 彼は資源を整理し,適正な関係や優先権を定め,そして行動を続け る。 統制 す ることに よって,彼は 標準を設定し,計画を実績 と比較し,そして矯正行: 動を とる ○ マーケテ ィング管理者は,彼がほとんど制御す ることができない管理や戦 略の問題に影響を及ぼす要素かおるごとを認めている。しかし,マーケティ ング戦略の成功や失敗は,最終的にはその戦略が計画された消費者や市場に 依存する。その結果として,多 くの戦略形成は消費者行動が ①分析され理解 され うるか, または ③分析され理解され,そして修正されうるか,とい ういず れ か の 仮 定 に 基 づ い て い る 。 こ れ ら2 つ の 仮 定 は , マ ー ケ テ ィ ン グ 管 理 者 が 消 費 者 行 動 に 影 響 を 及 ぼ す も の を 知 り , そ し て 理 解 す る こ と を 強 く 指 示 しr7 −I . て い る 。 こ の 消 費 者 行 動 に 影 響 を 及 ぼ す も の と は , 消 費 者 が ど の よ う に し て│I 。 学 ぶ の か , 消 費 者 の 印 象 レ 意 見 , お よ び イ メ ー ジ 沁 ど の よ う に し て 修 正 さ れ う る の か , そ し て 企 業 は ど の よ う に し て そ の マ ー ケ テ ィ ン グ ・ プ ■=-グ ラ ム を 消 費 者 に う ま く 伝 え る こ と が で き る の か と い う………こ と で あ る 。 3. 消費者行動CD問題 ∧ ∧ マ ―ケティング・\コン セプトに含 まれる消費者行動に重点を おくと,確か にこの行動は1 つり 問題領域一 一企業 と全体と し て\の社 会と に対する問題j の枠 内に 入 る。 も………し 消費 者が著 し くそ の行 動聚変 え て, 企業 が マ ーケテ イン タ目 標を 見 失 ったi), マ ー ケテ ィン グ機会を 逸 した りす る な らば , 企業 はそ の サ ービス義 務を 果す ご とがで きな くな って,経 済的 機 会 が先 行 してし まう。 全 体 として は, 企業 が正 し く消費者 行動を 知 り, 解釈 で きなけ れ ば, 大 きな国 の資 源 の誤 った配分 に なって し ま う。 マー ケ ッターは , 消費者に 関す る知 識 と理 解 の追求に おい てそ の 基本的 課こ 題が“ 知 るこ ど だ と考 えて きた。 し かしな が ら, マニ ケ ッタ ーの疑 問 と貴 報の探索 はい しば しば 不 完全 な誤っ た前 提に 奄とづい て 間違 った 方へ 導 かれ て きた。 した が って ,そ の推 論さ れた結 論は 実践的に は 役に 立 だ なか った。 だ力≒ 徐 々に ではあ るが苦 労 して, マ ー ケ ッタ ーた ちは 一 般論 あ るいは , よ り正 確に は 消費者 の活 動に 関す る大 量 のデ ータを 獲得す る方法を 模索 してき た。 こ の方法 は,主 とし て分 析的であ るとい うよりもむ しろ記 述的で あ り, 通 常消 費者に 関す る疑問を 明 らかに で きなか った。 大企 業 の マ ー ケテ ィン グ の研究 調査部 門や 分 析者 のフ ァイ ルに は 種 々雑多 な情 報 が巣め られ, こ のよ うな資 料 の使用 価値 は非 常に 疑わ し く, 消費者行動 の確 実な変 数に 関 す る意 思 決定 目的に とっ て 乱 関走 匿報は全 く存在 してい ない 。 今 日の マ ーケ ッタ ーは, と くに 種 々雑多 な 市場 データを 集め る傾 向かお り ,あ る 市場 の量的 重 要 性に関 す る莫大 な 量 の情 報や デ ータを もってい る。 そ の母 集 団は層を なし,。 い く重に も折り重 な ってい る。 あ る地 域 の人 々 の数 とそ の人 々 の購買 特 性は。 か なり 確実に わ か ってい る。そ し て,そ の うち の多 くは マ ーケ ック ーの情報 のなか の重要 な ギ ャップを うめ るのに 対 して ,そ の マ ー ケテ-i ン グ戦略 は,
消費者行動とマーケティング管理151 不可思 議な マ ー ケテ ィン グの疑問 ,す なわ ぢ 何 故 ?” とい う疑問に 関 す る 情報 のない ことに 悩 まさ れ続け てい る。 こ の“ 何故 ” とい う疑問に 関す る行 動は,そ の 最初 から人 類を 迷 わせ てき たし, また 全 く同様 に長い 間 マー ケ ッ タ ーの 関心事 に なっ てき た。 マ ー ケティン グ・ プ ロ グラ ムや 戦略は , 消費者 が何を 買 うのか ?何時, ど れほど 頻繁に , どんな 種 類 の再販 売業 者か ら買 うのか ?そ して 彼 らはい くら 支出す るのか ?な どの ような 消費者 行動 の 側面 に関 す る表 面的 な分 析の信 頼 度を 高めつ つあ る。 しか し ,そ の疑 問 のなぞに なる も の,す なわ ち ,消 費者 は何故 あ る一定 の 製品を 買 うの か ?とか, また 消費者 は 何故 特定 の再 販売業 者か ら買 うのか ? とい うこ とな どに 関 す る情 報に は, 消費者 行動 の とらえに くい面 が残さ れて い る。 そ して また,研 究者を 方 向づけ る この 消費者行動 研 究 の側 面を 取巻 く難 し さは少 し もない 。つ ま り, こ れが そ の問題の 一部に な るので あ ろ うが ,生 産 的 で実 り多 い方 法で 自分の 分析を 組 立 てる ことぱ √単に 研究者 の問 題で はな い。そ の主 た る問題 は時 間に あ るだろ う。 す なわち, マ ー ケ ッタ ーたち は こ れまでの ところ で は, こ の問題を 探究す る のに 十分 な 時欄を さ くことが でき なかった。 も う1 つ の困難 な ことは 組 織的 な 研究 の動 態 論に あ る。 消費者 行 動は 常に い か かる意 味に おい て も静態 的 ではな く,そ して 消費者 行動 の研 究 に 伴う問 題 は, われ わ れの 研究 の主題 であ る 消費者が 絶えず 変化 の状 態にあ るとト うこ とであ る。 研 究者 が 消費者 行動に つい ての 重 要な 法 則を 考 究し , まさにそ れを 推論 し よ うとす ると きに な る と, オ ープ ン・シ ステ ムの一部 で あ る主題 は, おそ ら くか な りの程度 までそ の行動を 修 正 した 呪 変え てし ま うだろ う。 マ ーケ ッタ ーが もっと動 態的 な 関係に おい て 消費 者行 動を 考察 し はじめなけ れば , こ の領域 の 研究は紆 余 曲折 して 妨げ ら れ続け る であろ う。1 ) 消費者 の モテ ィ ヴ ェーシ ョソ 消費者 行動に 関 連した 文 献を 検討す るこ とは本 研究 の範 囲を 逸 脱す るので, ここでの 目的 は こ の領 域に 最 も関連 のあ る法 則, とく に重 要な 新 しい 考 察の 前 提に な ってい る と思わ れ る法 則だけ を 簡単に 概説し よ うとす る ものであ る。 “人 間は 食べ るた めに 生き てい る ので は ない” とい わ れ る意 味は, 誰に も 十分に理 解 され てい て, 最早 や 流行遅 れに な ってい る。 だ が,あ るマ ー ケテ ィン グの批 評家た ち は,そ の需要に 影 響を 与え る機 能 とい う観点 か ら マー ケ
テ ィン ダを 批 評す る ときに , こ の言葉 を 利用 す る。 しか し ,人 間は 欲求を も っ た生 き物 であ り, また 個人 差 の概 念や 人 間の 拡大 され る創造 力な ど のよ う な アイ デ ィアを 認 め ると,人 間の 基本的 な必 要に もとづ い た要 求につい て論 ず る こ とは実 りの ない ものであ り, 無 意味 な ことで さえ あ る。 行動 科学 の偉 大 な 貢献 の1 つ は, 必要に もとづい た人 間 の要 求 の階層 とい う概 念を 生 み出 したこ とであ る。 必要に も とづ い た人間 の要 求(need)と は, 活動を 促 い まだ 欲望 とし て経 験さ れる ところ の先 天的 また は後 天的 な 有機 体 め何ら かの 要 求物 と定 義 され るだろ う。 こ の要 求は , 満 た され ない と きに 動 因(drive) に な る とい われ る。 どの よ うに して要 求が生 まれ て くる のか ,す なわち ,要 求 が 先 天的 であ るのか , また 後 天的 であ るの か ど うか , とい うこ とは全 く関 係 が ない。 重 要な 点は ,個 々人 ,つ ま り消費 者た ちはそ の要 求が 満たさ れ る こ とを 欲し てい るとい うことであ る。 こ れら の要 求を 満 たす 行動に が り立 て る衝 動(urge)は動 因 または動 機(driveormotive )と呼ば れ , またこ れらの 動 因 また は動 機か ら生 ず る行為 は 消費者行動(consumerbehavior) と呼 ば れ る○ 人 間 は動 物 であ ると共に 社会的 な生 き物 であ る。 より 高度 の人 類 の生 活 様 式 と一 緒に ,人 間は 飢え, 喉 の渇き ,性 な どの一 次的 要 求 と同 様に ,そ の他 の要 求に 心を 奪 わ れる。 マズ ロ ー(A.H.Maslow )は次 の よ うな 要求 の リス4 )し トを 表 わ してい る。1. 生 理的 要 求(Physiologicalneeds)2. 安 全 の要 求(Safetyneeds )3. 社 会的 要 求(Socialneeds)4. 尊 敬の要 求(Esteemneeds )5. 自己実 現 の要 求(Self-actualizationneeds) マ ー ケ ッタ ーに とっ ては ,人間 の要 求階 層 の知 識 と理 解か ら生ず る重 要な 洞 察は , マ ー ケテ ィン グが この要 求の 範 囲を 満 たす のに 役立つ 人 間の 能力に 貢 献す る もので なけ れば な らない。 す なわ ち, マ ー ケテ ィン グとは 消費者と し て の人 間に よって追 求さ れ る目的 または 目標 に対 す る 手段 であ る。 これ ま で の 研究に よっ て 明らかに さ れてい る も う1 つ の重要 な 点は ,あ る満 たされ た 要 求は 最早や 消費 者 のモ テ ィヴ ェーシ ョンの 重要 な 根源に は ならない とい うこ とであ る。 今 日の よ うな 豊かな社 会に おい ては, 基 本的 な生 理的 要求は
消費者行動とマーケティング管理153 満 た されてい る。 した がっ て, マ ー ケッターたち は , ます ます 要 求階層 の よ り上 位の ところ にそ の戦 略を 集中 しなけ れば な らず , また と くに 自己実 現化 す る パ ーソナ リ テ ィを より広 く理 解 して 識別 しなけ れば な らない 。 自己 実 現化 す る人 は , 自己中心 的 であ る より 乱 む しろ 問題 中心 的であ る 傾向にあ る。 彼の 仕事 と 消費者 行動 は,生 活費を 稼 い だ り,あ るい は世 俗的 な要 求めた めに た だ金を 使 うこと以 上の ものに なる 。 そし て この両 者は ,活 動を 満足 させ る もの とみな され る。 自己実 現化す る 人 は生 活 の使 命,解 決す べ き問 題, 完全に 遂行 され るべ き職 務な どを もって い る。 彼は 生 活 の使命令 役割を 自分 自身 の ために 何 かを 選 んだ り, 優先 権を 与 えた りす る も のとして では な く,む しろ “何 かを しなけ ればな らない ” こ と と考 え てい る。 自己実 現 化す る人 々はレ しば しば 普通 の タイ プ よりもず っ と創造的 であ る。そ して 彼ら は, 商品を 消費す る方 法や 手 段におい てそ の 創 造性を 発 揮す る 傾向かお る。 平 均的 な 日本 の 消費 者の教 育 ,知 識,識別 力, お よび 所 得な ど の向上を 一 定 とす れば , 自己 実 現化 す る行動 の変化 す る度合 は, 消費 者の 購買 活動 の 様式や ムム ドに 影 響 されて くるだろ う。2 ) 問 題解 決 とみ なさ れる 消費 者行動 消費者 行動 の問 題 が,い まそ の 行動 の背 景の中 で 問題 解決 行動 であ る とみ なさ れてい る とい うこ とは ,多 少矛盾 した ことであ る とい え よ う。つ まり, 消費 者 の役割に おい て個 々人は , 主 として どの ように して要 求階 層 の命令を 最 も よく満たす こと がで き るの か, とい う問 題に 関 心を も ってい る。 換 言す れば , 消費者 は 日 々最 も単純 な ものか ら 複雑な もの まで 要 求に 関す る無数 の 問題 に直 面 し, マ ー ケ ッターたち は,そ の役割を 十 分に 果す た めに 消費者 の 力を 働かせ る よ うに 行動 しなけ れ ばな らない と理 解 すべ き であ る。 要す るに , マ ー ケッターは , もじ 消滅 法”を 避け ること がで きれば, 問 題を 思い 通 り5) に 解 決 させ る よ うに 援助 す るこ とに よって 顧客に 奉 仕 しなけ れば な らない。 言 う まで もな く, 消費 者 行動 の機 械的 な部分 は多 少不 可 解 であ るこ とが多 い が, この現 象 の 側面を 説 明す る重 要な理 論が 展開 されて き てい る。 根拠 が あ る と思わ れ る消費 者 行動に つい てのあ る1 つ の一 般論は , そ の普遍 性か ら 要求 が動因 へ導 かれ るとい うもの であ る。 動因 の状 態 また は 状況 は1 つ の緊 張 であ る。す な わ ち, 要 求が生 じ, また こ れらの要 求を 満た す動 因 が強め ら れ るにつ れ て, 個人 は 不均 衡 な状態に 落 入 る傾向か お る。 つ まり, 彼は不 満
な状態でいつ までもい ると, ます ます不満になる。動因が満たされ,あるい は純化される要求の結果として弱められるときと場合には,個人は再び精神 的 または肉体的な均衡状態に もどる。 消費者行動についてのこの一般論は,行動に関する他の自明の原理に照ら して拡大されうる。こうして, 消費者行動は問題解決に対する消費者の合理 的な努力 と考えられる。 この“消費者の合理的な努力”とい う言葉に注意し なけ ればならない。 これは感 情的な購買動機に対立する ような合理的な動機 不 必要な , また混 乱 させ る区 分- に よっ て, 消費 者 の購買動 機 の研究 と分類に対する古い2 分した アプローチを除去ない し排除する1 つ の段階で あ る。 消費者の努力は,合理的な行動に 関する消費者自身の原理に合わせた り,一致させたりする限り,合理的であるといわれる。そ の目標がなんてある のかにかかわらず,その行動が目標志向であ る限り,消費者の行動の一部が 調査活動である限り,そして消費者が絵に描いた ような御馳走で飾られた情 報を も欲しているとい う事実にもかかわらず,彼が感覚を もうた有機体でデ6 ) 一夕収集器官である限り,消費者は合理的であ ると見なされるべきである。 これらの前提に立つと,1 つの一 般的な結論は 消費者行動が問題解決に対す る合理的な努力 であ るとい うことになるだろ う。したがって,行動は惹起さ れた り,決意されたりす るものであり, さ ら に 行動べ要求0 満足)は行動に 対する最初の理由を変える傾向かおり,最終的には行動は学習に よって影響 され, また学習は,レ ずしば コミュニケーションの関数に なる。 マーケッターたちはあまり近視眼的にならず,自ら進んで消費者行動に関 する関係づけ の枠を拡げ ようとする傾向かあ るので,他の概 念は消費者の理 解に関す るアイディアを明らかにし,それを統合す るのに役立つ。この結び っ きにおいて重要な概念は, ライフ・スタイル(lifestyle)のそ れで あ る。 消費者のライフ・スタイルはマニ ケティンダやその他の経済活動に影響を与 えると共に,それを具体化するといわれ る。 ライフ・スタイルとは次のよう に定義されている。 ライフ・スタイルとは,その集合的で最も広い意味におい ては全体社会ま たはその一部の特殊の,あ るいは特徴的な生活様式を指す。そ れはある文化 または集団の生活様式を表わし,\またそれを他のものと区別するところのそ れら0 要素または特性に関係かおる。それはある1 つの社 会におけ る生活の
消費者行動とマーケティング管理155 原動 力を 発 揮 し,そ れか ら現わ れ る パター ンを 具体 化 す る。 した がって , ライ フ ・ス タイルは文 化 ,価値 , 資源 ,承 諾, お よび 許容な どり よ うな要 因の結 果であ る。あ る見 方 からす れば , 消費者 の購入物全 体 と7 ) それ らが 消費 され る方法 とは,1 つ の社 会の ライ フ ・ ス タイルを 反映す る。 もし マ ー ケ ッターたち が十分 にそ の責 任を 果 そ うとす るな らば, 彼らは 消 費者 行 動に 関 す るライ フ・ スタイ ル概 念の意 味と 影響 力を 理 解 しなけ ればな らない。 おそ ら く,こ れは また 消費 者 行動 の研究に 対 するあ る異な った アプ ローチ,す な わち , 消費者 行動 が多 数 の背 景的 に 考慮 すべ き事 柄全 体の関数 であ る こと,を 示 唆し てい る。 わ れわ れが個 々 の消費 者を 観察 し, 次に 集合 論で 個 々の行動を 評価 し ようとす る ミクII==・的 な アプpi ー チでは不 十分 であ 入 見せ かげ の一 般論に な って しま うだ ろ う。 これに 代 っ て, こ こに必要 と され るこ とは 個人 だけ でな く,そ の全体 情況の中 の個 人に も中 心を お くよりマ ク ロ的 な観点 であ る。 わ れわ れは 消費 者 の ライフ ・ス タ イルを 十 分に 理解す る こと が必要 であ る。 マ ーケ ッターたち は, 消費者 とそ の行動 は彼 が何を して いる人 か ,彼 が何を してき た人 か , 彼の 周囲 の人 々 は 何を な し,何を 考え , そし て何に つい て議論 してい る のか ,彼 が何を 目撃 し,何を 経験 し,そ して 何を 感 知 して きた のか ,現 在と 未来につい て の彼 の期 待, お よびそ れについ ては 彼 の情況を 構成 してい る他 のほ とん どす べ て の事 柄 な ど, の関数であ る8 ) と理 解 しなけ れば な らない。 消費者 はそ の選 択に よって 立場を 明らかにす る。 彼の選 択は難 解 であ り, 複雑 であ る。 また 消費者 行動 の謎 心難解 であ り, 複 雑であ るO 4. 社 会 科 学と 消費 者行動 ・。9 ) “経 営 とは, か らみ合 った人 間 活動 のシ ス テ ムであ る。” こ の単純だ が当を えた表 現は , レ ボしば十 分に 訓練 され た 研究者や 経 験 のあ る 経営者 たちに見 逃さ れてい る。 学 際的 角度か ら マ ー ケテ ィン グ問 題 に接 近 す る代 りに,こ れ ら の問 題 の多 くは ,た だ純 粋経 済学 の領 域 また は経 営 のあ る他 の機能的領 域 に分 割さ れ, 割当 て られ るに す ぎない。 しか 七な が ら, 他 の領域 の経営管 理 者 と同 様に マ ー ケテ ィン グ管 理 者 の多 くは,“経 営” がこ の よ うな広い 領 域 の人 間活動 を 包 含してい るために 同 じ よ うな問 題 の事 柄に 対 し ても多 くの具 なった アプ ロ ーチを 必 要 とし, また これ らの アプ ロ ーチを 上 手に利 用するた
めに は社 会 科学 の諸分 野で教 育を 受け た人 々 の援助を 求め なけ れば な らない ことを ます ます実感 す る よ うに な っ てきた。1960 年代 の半ば まで の十 数年 間, マ ーケテ ィング管 理 者た ちは, 意思決定 の 多 くの重要 な領 域に おい て マ ーケ ッタ ーに洞 察 方を 与え る需要理 論 , 消費 者 選 択 ,国民所 得の計 算技術 ,お よびそ の 他 の技法 など の ような価 値あ る領 域 を 見 出すた めに経 済学 の方 法に 依存 して きた。 そ の後, モ テ ィ ヴェーシ ョソ, 学 習理 論, コミ ュニ ケーシ ョン論 ,お よび同一 視に 投影 法な ど の ような 概 念 に おけ る心理学 者 たち の多 く の貢献 が 消費 者 モ ティ ヴェ ーシ ョン,広 告,そ し て マー ケテ ィン グ要員 の 訓練や 報 酬 な どの マ ーケテ ィン グ領 域に おい て価 値 あ る 役割を 演 じつっ あ る がた めに ,心 理学 者 たちは重 要な 役割を 担ってき ブで二とい え よう。 また 社 会学 者 たち もこ の新 しい学 際的 な アプ ロ ーチ のイ ン パ クトを 感 じは じめて ,人 口問 題 研究 , 消費者 モテ ィ ヅ エーシ ョソ,人 間生 態 学 , グル ープ・ ダイ ナ ミックス, 集 団行 動, 測定 と尺度 , お よび そ の他 の領10 ) 域 に おい て重要 な貢 献を なし て きた。 こ の学 際的 アプp −チ の価値 の信頼 性 は,経 営 の側に は全 くな か った力豹 し か し現在 の傾 向は, 社会 科学 者 たち が 研究や 調査の価 値あ る領 域 として経 営 の活動 舞 台を 利 用す る より 乱 経営 者た ち が自 ら進ん で社 会科 学 の 現 象 の調 査を 引受け るだろ うとい う結 論に 達 してい る。 ラザ ース フ ェル 下(Paul:F.Lazarsfeld )は, 社 会科学 者 の大 半 が経 営に 対 して 観 念論的 偏見を几 って い る と述べてい る。“医 者に 助成 す るこ と, 裁 判を 促進す るこ と, あ るい は 法 の執行 機関を 援助 す るこ と す べ て こ れ ら は 容 認 さ れ た 規 範 に 従 っ た も のであ るが, 経営者を援助して金を もうけ させることはそ うではない。” 何 十 年もの間,多くの社会科学者だもの間に広 まった態度は,経営 の業務が低 級でげがれたものであ るとい うことになってい た。 幸いなことに,この態度は次第に払拭され √そして社会科学は,経営環境 ノが調査にとって豊かな実 のあ る場を提供し,そ れが容易に社会学的,人類学 的 ,心理学的な組織的研究の役に立ち,またこの ような組織的研究の利点が 多 くの例で解明されてい ることを 次第に認 識するようになった。 この学際的な アプp ―チは,主 として(1) 教育学的観点と(2) 不 適切にも(C 真の世界”と呼ばれ うる状況の中でマーケティング管理 者たちに よっ て な される意思決定 の分析的枠組としての観点,とい う2 つの重要なものから意
消費者行動とマーケティング管理157 味を な す よ うに 思 われ る。 実 際には この枠 組は , バ ーテル ズ(R.Bartels)が “そ の仕事 が マー ケテ ィン グの実 践にあ ご人谷 と 述 べ てい る こ と に 一致す るだ ろ う。 こ の マー ケテ ィン グの“実 践” とい う観 点 か ら,今 日のマ ーケテ ィン グ管 理者 は 問題 解決 と意思 決定に対 す る多 く0 ア プpt ーチを 考慮 しなけ れば な らない 。 直感的 な意思決 定を なす 経 験 豊か な “ 熟練 者” の時 代は 急走 に過 ぎ去っ てし ま った。 意思 決定は , ます ます グル ー プ・ アプ= − チに 依存 す る ように な ってきた。 多 くの経営者に よって 支持 され る ア プ ロ ―チはOR (operationsresearch)のそれ であ り,そ こで はい ろ い ろ な 部分 のただ1 つ か2 つを 研究す るとい う より 乱 む しろそ の状 況 の“ 全 体 ” が組織的 に研 究さ れる。 そ して こ の全体に わ たる 組織的 研究を 採用 す るこ とは ,少 な くとも数 学 の若 干 の理 解 と共に 心理学 ,経 済学 ,お よび社 会 学 の領域に 精 通す ること が必要 であ る。 したが っ て,多 くの今 日の間 題 の複 雑 さ と包 括的 な広い範 囲 のために , 経営 のI) ー ダーシ ップは常に 増 加して い く社会 科学 の知 識を 求 め て い る。 この こ とは, 明 日を 担 う経営 の指 導者が 社 会 科学 のす べ ての領域で 高度 の専門的 な研 究を してい かなけ れば な らない こ とを 意 味す る のではな く。 彼が広い 考 えを もち , また経営 や マ ー ケテ ィン グ間 題 の解 答に 妥当 性を もつ 社 会科学 の方 法論や 技法を 実用 の用具 として受 入 れ なけ れ ば ならない ごとを 意味 してい る。 5. 消費者選択の代替論 マーケッターに よって解答を示 してきた領域め1 つは,消費者選択の領域。 すなわち,消費者たちはどんな製品を,どんな品質 のものを,どんな価格で。 いつ買 うのか,そして最も重要なことは,消費者たちが何故買うのか,とい うことであ る。 これは多 くの社会科学からかなりの注 目を受げてきた領域で あり,この節では社会科学のさまざ まな領域に よって,これらの問題の解答 に対するい くつかの貢献を簡単に 概説しようノ多 くの例では,これらの解答 で完全な ものは1 つ もない。しかし,それらのうち の多 くは,消費者のため の製品を 選ぶことに関して消費者行動の部分的 説明に なるモデルを提供する。 それらがただ 部分的な解 答にすぎないから,そ の問 題をすべて見抜くために 学際的活動の要求を何度 も繰返すことが賢 明であろ う。 消費者選択 のどんな包括的な理論 乱 社会科学のさまざまな分野一 経済
学 ,心理学,社会学など で展 開 さ れた概 念に 依存 しなげ れば な らない。 そ 七てこのために,これらのさまざまな学問分野のいくつかに保証されてき た問題に対するアプptーチや思考のタイプの例を関連させ ようとす る試みが こ こになされる。1 ) 経済学 経済学者たちは,消費者がそれには無関心である2 つ の商品のいろいろな 組合せを表わす無差別曲線の概念に 基づいたかなり広く採られた消費者行動 論をわれわれに与えてきた。消費者は所得や製品価格な どのような要因を限 定することに よって抑制されて,最も高い無差別曲線へ移勤しようとする。 消費者は最も高い均衡水準球達せられるまで,ある商品を別の商品で代用す る ように具体的な形で考えられる。この均衡点に達してしまうと,消費者は 各 種の商品に支出される最後の金が同じ追加的満足または限界効用になるよ 13) う な 方 法 で 自 分 の 所 得 を 使 っ て い く 。 多 く の 人 々 は こ の ア プ ロ ー チ の 欠 点 を 十 分に承知している。それは当該 消費者に関するモティヴェーショソと社会 的 なステイクスのインパクトを除外し,さらに嗜好が自律的であり, また自 律性を除いて嗜好の変化が起らない とい うことを 仮定していることであ る。 経済学の文献の概観から出てくる主要なことは,静態的な状況におけ る所 得と価格の需要に及ぼす影響の詳細な理論と,社会的 ステイタスに よって強 い られるような嗜好や習慣が消費者 の行動に影響を及ぼす ような関係がほと んど完全にないこととの開には,かなりの違いがあるとい うことであ る。2 ) 心理学 二 心理学者たちは,通常要求,欲求,お よび動機のカテゴリーに包含される 観察や データに基づいて消費者 選択や消費者行動の問題に接近してい く。 こ のような用語は, 明らかに観察される人 々の行動の背後にある何かを指しで い る。 アy リカ合衆国の農務省で行なったシ ェフ ア ー ト と ベ イ ト ソ(JaneA 。14 )ShepherdandJamesA.Bayton )の研究は,この種のアプローチを応用した 注目すべきものである。この研究は文献から選び出された安楽,温和,経済, 快楽,社会的承認,および認知とい う6 つ の要因を利用することに よって始 まった。研究者たちは面接から,こらの要因がそれぞれの目標を達成する手 段 とし て 役立つ 男性 スー ツの4 つ の特 性 す なわ ち,色 , スタ イル,生 地,
お よ び 出 来 具 合 消費者行動とマーケティツ グ管理159 と密接に 関連 し てい るこ とを 発見 した。 可 能であ る とき には,要因の価値と手段の関係が1 つ の単位として暗 号化 された。要因の価 値の申し立ての数が数値に変えられ,こ の数値は各タイプ,すなあ 牡 あ る 人に よってなされる要因の価値 または手段,の全体の数に基づいたパーセン テージで表わされた。たとえば,ある人が40 の要 因の価値申し立てをし,モ のうちの10が社会的承認に対する欲求を示しているとしたならば ,社会的 承 認に対する彼の数値は25になるだろ う。 次に,中位数が要因の価値と手段の 両方に対して計算さ れ, 所得層(すなわち,低所得乱 中間所得鳳 高所得層) と要因の価値と手段とに対する中位数 との開の関係を 見出そ うとする試みが なされた。 この過程がくり返され,所得と安楽を得るための手段との問の関 係が定められ,そして同じ手続が他の要因の価値と手段に対して求められる と同様に,職業や年齢に対しても求められた。 価値と動機の研究はかなり長い歴史 と,多 くの例において豊富な歴史とを 亀っている力≒ 消費者行動 の唯一の予言方法としてのこのアプローチには多 くの欠点かおる。それは次のような限界を もってい る ように思われる。すな わ ち,(1)語 義 発達論, 言葉 の意 味と解 釈 こ れは, 主 として解 釈に責任を 亀つ 人 の個人 的間 題に なる。(2)デニ タは数 量化 さ れて こ なか った し, また数 量化 で き ると も思 われ ない 。(3)最後 に , これ は要 因 の価 値 の数 とそ の個人的 な傾向に つい ては,積 極的 な結 論の確 認 かお る ことを 示 そ うとす る。 経 済学 的 アプp ―チと心理 学的 アプpf ー チが重 要な 貢献を な している のに 対 して, そ れぞ れの場合に おけ る主 要 な 限界 は, 別 々 の独立 した解 釈とし て そ れぞ れを 取扱 う傾向 と 消費者 行動 に 影 響を 及ぼ す他 の要因を 無 視する 傾向 とにあ るとい うこ とで あ る。 もちろ ん, ど んな 消費 者 行動 の理論 に 乱 消費 者行動を 形づ くる よ うな社 会的 要因 の重 要 性を 認め なけ れば な らないよ3 ) 社 会 学 社会 学 者た ちは, 消費者 行動や 製 品 選択を 洞 察す る こ とに よって数多 くの 注 目す べ き貢 献かな して きた。 これ ら の研 究 め多 くは ,購 買や 製品 の意思決 定 に 影響を 及 ぼす よ うな社 会階 層や 関 係集 団(referencegroups )に関 連して なさ れ てきた。 購買 行動に おけ る関 係 集 団 の重要 性は , マ ー ケティン グ研究15) 者たち全 体 の シン ポジ ウ ムで 審 議さ れた。 さ まざ まに 変わ る ような個人 的態 度を 考 慮に 入 れ る 次 のよ うな 研究に特別
な 注 意 が 喚 起 さ れ る だ ろ う。 す な わ ち , あ る人 の友 大 た ち の 間 に あ る , あ る 種 の 飲 み 物 の 人 気 は , 僅 か で も 満 足 さ せ たい とい う大 の 欲 求 と そ の 飲 み物 に 対 す る 彼 の 道 徳 的 な 反 対 と を 無 視 す る こ と が で き る が , も し 彼 は そ の 味 が 嫌16 ) い な ら ば , た と え 彼 の 友 大 た ち が そ れ を 飲 ん で 乱 彼 は 飲 ま な い だ ろ う。 購 買 慣 習 も ま た , 社 会 的 立 場 や 役 割 の 構 想 を 特 性 づ け る た め に 利 用 さ れ る 。 た とえ ば , ス ト ー ン (G.Stone) は , 孤 立 し た 都 市 の 居 住 者 た ち は 個 人 的 な17 ) 接 触 を 彼 らに 与 え る か ら , 小 さ な 店 で 買 い た が る と い う こ とを 明 ら か に した 。18 )19 ) 多 く の 活 動 (家 庭での針仕事, 自分で 洗濯をすること, インスタント・ ―Jーヒ ー20 ) を 避け ることなど)は , あ る 女 性 に は 良 き 家 庭 の主 婦 の 印 であ る と考 え ら れ る し , また あ る女 性 に は 流 行 遅 れ で あ る と も 考 え ら れ る。 人 間 行 動 か 予 測 す る 難 し さ は , し ば し ば 悩 み の 種 に な る 。 し か し 過 去 の 努 力 の 結 果 を 評 価 す る こ と も 全 く難 し い よ うで あ る。 す べ て 今 日 の 宣 伝 や 広 告 の 騒 ぎ の 中 で , あ る 特 定 の “ キ ャン ペ ー ン” が そ の 目 標 を 達 成 し た か ど うか 。 大 は 断 言 す る こ とが で き な い 。 こ れ ま で に 試 み ら れ て き た 技 法 の1 つ は , 望 ま し い 行 為 を し て き た 人 々に 面 接 す る こ と で あ る。 わ れ わ れ が 関 心 を も つ 影 響 要 因 を 追 想 し て 詳 し く述 べ る こ と は , 可 能 で あ る のだ ろ う か ? ラ ザ ー スフ た。 彼 は前者 の方が 強い と結論 し, そ の統 計的 な 結果 が多 くの方 向に 現 われ るだ ろ うと示 唆 してい る。 個人的 な 影 響は, と くに ど んな 情況 の中 で, また どんな種 類の人 々に 強い のか, また は 弱じ のか, 影響を 及ぼ す もの は誰 れな のか ? 社 会学的 アプ ロ■―チ のも う1 つ の 例は ,社 会 階層や 社会的 地 位(socialsta-tus ) の重要性を 強 調す る も ので, バ ーバ ―と= − ベル(BernardBarberand22 )Lyles.Lobel )のそ れ 七あ る。 この 研究 は,婦人 の フ ァ ッシ ョン雑 誌 の広告 コピ ーを ワーナ ーの社 会階 層 概 念に 関 係づけ ようとした ものであ る。 調査さ れ た さ まざ まな コピ ー・ア プロ ーチに よっで フ ァッシ ョン とい う言葉O 意 味には ,社会階 層 の 違い が 存在 す るこ とが わ かった。 社会 的地 位 は, 主 と し て職業上 の地 位に 基づ い てい る。 これは最上 層 の人 々を 除い た す べて の階 層に 当 ては まり,最 上 層 の人 々 の間で は家 族の 血統が追 加要 因に な り, これ は ワーナーの上 の上 の階 層 の カ テゴ リ ーに なる。 この研 究に よれば , この階 層 の婦人 たちは 消費に よっ て ステイ タ スを 争 う必要 はな く, 従 ってそ の資 格
消費者行動とマ ―ケティン グ管理161 の衣服は ,大 ざっぱ にい え ば数 年間 同 仁も ので もよい 。 とくに流 行を 追 う者 が多 くみられ るのは ,下 の上 の階層 であ る。 シ ンボル と しての 衣服 は家 族関 係に より 乱 む しろ 富に 関 係 してい る。 フ ァ ッシ ョンは上 の中 の階 層に とっ ては 異なった 意味を も ってい る。 こ れらの 婦人 た ちは 高 級な ス タイ ル, また は大 胆な並は ずれ たも のを 嫌 う。 彼女 らの 衣服 は保守的 であ り, また品 が 良 くなけ ればな らない 。 この アプ ロ ーチは , 階層 志 向に よっ て 消費者行 動 の研究 に重 要な 貢献を し 七い るとはい え,多 くの社 会学 的 研 究に 従え ば ,い くっ かの重 要 な欠点 もあ る。 多 くの 例では ,そ の方 法 論に 固有 の欠 陥かお り, また 用語 乱 しば しば 無理に こじつけ ら れ るこ と もあ る。 以 上, さ まざ まな 社会 科学 の領域 におけ るそ れ ぞれ の貢 献につ い て,簡 単 に検討 してき たが, まだ どの 領域 で も消費 者行動に つい ての確実 な 理論は 形 成 されてい ない こ とが 明ら かに さ れた。 消 費者は 常に 生態 的で 心理的 ・社 会 的 な存 在であ り, また多 くの さ まざ まな説 明で きない 刺 激に よって 影響さ れ てい る。 消費 者の行 動は ,生 態 的 ・心 理的現 象 であ る のはもちろ ん,才目変 ら ず心 理的 ・社 会的 な要 因に よって も説 明さ れてい る。 6. 学習とコミュニケーション1 購買者行動は,本来問題解決行動 懲ある。 消費者が解決しようとする問題 の種類と性質は経済的,社会的,ならびに心理的な要 因に よって影響される。 消費者の期待は彼の現 在と過去の役割に よって影響され,またこれらの集合 的役割は彼のライフ・スタイルを決定し,それを形づ ぐる。消費者は,その ライフ・スタイルからあ る自己イノ ―ジに よって自分自身を概念化する。 自 己イノージは,消費者が自分自身を形づくる印象の総和である。従って,消 費者の行動はその自己 イメージを外見に表わし,\それを 客観化するものであ る。その結果,消費者の問題はその自己イ^ −ジを 強化し,大ぎくし,ある いは変え ようと考えて商品を 購入する問題である。 消費者は他人が彼を見 る ように自分自身を見ないが故に,自己イメージは,しばしば少し曲解される ようである。 しかしながら,消費者は努力家であり, 自分自身がより大 胆に, より活発に,より豊かに, より気楽に,あるいは より社会的に歓迎される よ うになると考え るために,商品を購入する。
▽消費 者一 購 買 者 め主要 な 役割は, しば しばそ のイ ノ- ジ が彼 自身 の 自己 イ メ ージに 合 致す る 製品 また はサ ービスを 獲 得す る とい うもの であ る。 く力 返 し ていえ ば ,イ メ ージ とはあ る人 または物 の全 体的 な 概 念化 であ る。 イ メー ジ は知 覚, 記 憶, 印象 ,お よび後 天的 に 得た価 値 体系か らな る認 識過 程を 経 て 形成 さ れる。 極 度に 単 純化 され た形に おい ては ,イ ノージ とは 物事 に 関す る 意見 の全体 的 な 印象 と定 義さ れ る。 と きに は, 消費 者た ちは ,あ る製 品を た だ好 きだと 気づ き,他 の場 合に は , 消費 者は, 自分 自身に もわか らない あ る“理 由”で あ る製品か , また はあ る カテ ゴV ーの製 品か ,あ るい はあ る組 織 か らか,た だい ず れ も購買 す るこ とを 避け るこ とに 気づ くだろ う。 要 す るに , これら の 状 況 の彼 のイ メ ー=-ジは ,あ る理 由で彼 の現在 の 自己 イ メ ージや 全 体 の価 値体 系 と 相い れ ない。 戦略や マ ーケテ ィン グ・ プ ログラ ムが よく立 て られ るた めに , 消費者 九ち が 売手 とそ の製 品 の印 象や イ メー=-ジを 形成 す る過 程の多 くを 知 る こ とは , ま す ます マ ー ケッタ ーの関心 事に な りつ つあ る。 こ の目的を 志 向 す る努力 は, 学 習 理論や コ ミ ュニ ケーシi ソ の領域に おけ る研 究や 調査 となっ て現 われて き た。 これ までに 獲 得さ れた知 識は 完全 なも のでは な く, さらに 進 んだ 組織 的 な 研究 が必要 とさ れてい る。1 ) 学 習 長 い間 マー ケ ッタ ーた ち は,こ の ような活動 や 研究が た だ 目の 届かない 所 に あ ると判 断し て, 人 間行動 のいろい ろ な面を 無 視し てき た。 だ が,企業 の 複 雑さ と競 争の 激化 と が加わ って, マ ーケ ッタ ーた ちは , 競争 に生 き 残 り, 十 分 に奉 仕す る ために は そ の思考 の範 囲を 拡大 し, また そ の 調 査の範 囲を 広 げ なけ れば なら ない こ とがわ かっ てきた。 そ の結 果と して ,以 前に は無 視さ れた 消費 者行 動 のい ろ いろ な側面 は,現 在では 徹 底的 に 研 究 され ,調 査され でい る。 探究さ れ てい る重 要な 領域 の1 つ は,“ 消費者た ちが , どの ように し て学習 す るのか ?” とい うこ とであ る。 消費者 行動 また は学 習 が より大き な 一 般的 な行動 また は学 習 の一 部 であ る限 り, 関 連のあ る 法則 は すべ ての人 人 か ら現 われ て くる はず であ る。 学 習が1 つ の教 育 の過 程 とし てなさ れるべ き ものであ る と了 解 す ることは 重 要 であ る。 マ ー ケ ッタ ーた ちは人的 販売や販 売 促進活動 を 通 じ て,教 育活
消費者行動とマーケティン グ管理163 動,す なわ ち, 情 報提 供活 動を 遂 行す る。一 般に ,教 育は 次 のよ うな3・つ の 機能を 遂行す るとい わ れ る。 (1) 教育は 人に 新 しい 技能を 学 ぶ ニとがで きる ようにす る。 (2) 教育は 人に よ り深い , よ り十 分な理 解を 得させ るよ うに す る。 (3) 教育 は人に 基本的 態 度を 変え させ る。 マー ケ ッタ ーの教 育活 動 は,一 般に 強 く後 の2 つ の 機能に 集中 され る。 第1 に,そ の広 告や 販 売文 句に おい て ,あ る特 定の企業 は製 品や サ ービ ス提供 につい て知 らさ れ るそ の メ ッセ ージ の受 信 者を 求 めて い る。 すな わち,そ の 特定 の クラスの 製品や サ ービ スは, どの ように して彼に よ り よい 問題解 決の 仕事を させ るこ とが で きた のか, 第2 に , メッセ ージ の送 信 者は ,そ の受 信 者が ノ ッセージ の能動的 文 句に 好 意的に 反応 す るこ とを 求 め てい る。 す なわ ち,彼は 消費 者が ブ ラン ドX を 買 うことを 望 んでい る か,あ るい は近 所 の店 に立ち 寄って 製 品Z を 見 る ことを 望 んでい る。 た とえ,あ る研 究者や マ ー ケ ッタ ーた ちがこ の ように学 習を みて きたと し て 乱 学 習ぱた んな る機械 的な 過 程では ない 。 行動 は そ の最 も単純 なもめに23 ) おい て3 つ の重 要 な変数( モティヴェーシ 。ン,認識,お よび学習) の産物 ま た は関数 と みなさ れ る。学 習は 刺激に対 す る有機 体の行 動的 反 応 であ る。 新 し い刺激は, 製品 または 製品 につい ての メッセージであ り, また 包装 ない し隣 人か らの示 唆であ ろ う。 行動 の反 応はそ の製品を 買 う頬 向で あ り,あ るい は 単にそ れを 好意的 に 考え る傾向 であ る ○ さて , 消費者 行動 は上 述 の3 つ の要因に 照ら して分 析 され る だろ ‰ 消費 者はあ る感 じら れた 要 求を 明 らかに す る。 こ うして緊 張 状態 が現 わ れ,そ し て強い て 消費者に 反 応 させ る動 機 または理 由が生 まれ る。 わ れ われが認 識 過 程と呼 ぶ精 神的 反 応 全体 と 個人的 態 度に 基づい たい くっ かの 傾向 か現 われ る。 強い動 機づげ と, 満 足さ れ ない で長い 間 引き延ば され てい る 動 機づけ とは, 最も強い 認 識反応を 生む。 わ れ われ の ライ フ・ スタイ ル ,自己 イ メージ,あ るい は認 識図 と 矛盾 した り,一 致し ない 製 品や活動 は , われわ れ自身 の中で 違った方 向 の力 と力 とが 衝突 し合 う反 応を 誘い 出す であ ろ う。 次に ,認 識さ れたものや 価値 は 変 えら れた り, 合理化 さ れなけ れば な らない だろ う。 最後 に,消費 者は ,わ が ものに す るあ る目標物を 強い られ て 選択 し,そ の認 識過 程に 照 らして 自分 の要 求を 満た し, そしてそ れに よっ て 自分 の動 因や モ ティ
ヴェーシ ョソを 弱め るであ ろ う。 しか し, 彼は 何を 選 ぶであ ろ うか?い くつ か の とるべ き 方法 が 彼の認 識構造 と一 致す るだ ろ う。 そ れ ぞれ のとるべ き方 法 は, 反 応を ひ き 起すため の信 号また は手 懸 り刺 激と 呼ば れ る多 くの分化 す る属性を もつ だ 乙 ‰ たしかに , この ようなす べて の信 号や 手 懸 り刺 激は, 同 じ よ うに 消費 者に重要 な もので はない 。 し かしな が ら,そ れ らの信 号や 手 懸 り刺激は そ れ ぞれに 期待を かけ ,そ して 消費 者た ち は, 自分 たちに とって 最大 の期 待 また は約 束された 満足を 伴 うそ の と るべ き 方法を 選 ぶ。あ る特定 の 製品 が 選ば れ, そ れが非 常に 満足 であ るこ とがわ か る と, 選択 の強化 が生 じて くる。 強化 は また ,あ る行動面 が 習慣化 さ れ る よ うに な るた めに ,認 識 過 程に 影 響を 及ぼ す 傾向もあ る。 しば しば“ 消費 者た ちは 習 慣を 身に つけ た 生 き物 であ る” とい う。 おそ ら くあ る 意味 で は, こ れは事 実 であろ うが, マ ー ケ ッタ ーた ち がこ の ような見方を す るこ と は 役に 立 だ ない し , また無 意 味 で さえあ る。 重 要な 点は, 習慣 が どの よ うに し て形成 さ れ, またど の ように して変 え ら れ る のかとい うこ とであ る。 もちろ ん,そ のプ ロ セスは学 習と 強 化 のそ れ であ り, またそ の手段 は, しば しば コ ミ ュニ ケーシ ョン のそ れに な る。 マ ー ケ ッタ ーた ちは, プ ロ グラ ムや 戦略を 展 開す るのに , またこ れ らのプ ロ グラ ムに 関 し て効果的に 意 思 疎通し ようとす る こ とに お い て ,一 般に学 習24 ) 十 理 論に 関 連し たい くつ か の原理に よって 導か れ るだ ろ う。 (1)“ 根本原 理を 理解す る こ とは ,全体 の文 句を よりわ か りやす くす る。” した が って ,甚 だし く 複雑な メッセ ージは学 習に な りそ うも ない 。 (2)“ 細 目は 組織的に 組 合わ された パタ ーンに 置か れなけ れば なら ないご あ る 特定 の 標的市場 や セグ ノソ トの認 識 構造 と大 き く矛 盾す る メ ッセー ジ は受 げ 入 れら れない だろ うし, そ の結 果 とし て学 習は な されない たら う。 つ まり, 行動は 変え ら れない 。 (3)" 最後に , 基本的 アイ デ ィアの理 解はレ 適切 な‘訓練 の 振替’に 対 す る主 要 な方 法 であ る ように 思 われ る。 より一 般 的 な場 合 のあ る特定 の例 とし て何 かを 理解 す ること より根本的な原理や 構造を理解すること は ,あ る特 定 の こ とだけ では なく, が 何を 意 味す る のか とい うこと 人が遭遇するかもしれない ような別のことを理解するモデルも学習した ことにな る。”この一般的な原理は, その逆め言い方をすれば, しばし
消費者行動とマーケティング管理165 ば マ ーケ ッタ ーに 第1 に アイ デ ィアを 売らせ , 第2 に製 品を 売 らせ るこ と であ る。 消費 者行動 は問 題 解決 行 動に関し て向け られてき た。 間 題 は, 目標が どの よ うに七て 最 もよく達成 さ れた であろ うか とい うこ とに 関 し て, 目 標 や 不 確実 巨が満 た され る要 求や 欲求 かお る ときに, 消費 者 の側 に存在 す る。 そ こ で, 消費 者 は感覚 器 官や デ ータ収集 器官 とし ての役 を させ られ る。 彼の 目標 は変 りや す く,変 化 し てい く。 彼の とるべき 方法は ,一 般的 に数多 くあ る。 数 多 くの問題 が 存在 す る とい うこ とは, 消費者が 意 思決 定 者に ならざ るを え ない こ とであ る。 彼 は 目標に関 して 選択をし なけ れ ば な らず, 目標 が一 度 決 定 され ると, と るべ き方法 を 発展 させ, 分析し なげ れば な らない。 こ のこ と は ,消 費者が コ ミ ュニケ ーシ ョン媒体を 通じ て メ ッ セこ ジを 受取 り,お そ ら く意思 決定過 程 の進 行中 にそ の行 動を変 えた り, ま たそ の態 度を 修正す る で あろ うこ とを 意 味す る。 消費 者は, 他 の意思 決定 者 の ように, 自分 の間 題 に 対 す る仮 りの解 答 とし て生 み 出され た他に と るべ き 方法 のそ れぞ れか ら, 相 対的 な利益を 推 定し ,彼 に最 も高い 満足 の期待を与 え るそ の案を 選ば なけ れ ば な らない 。 図2 は ,上 述 の消 費 者行 動のい くつ か の主 要な決 定 要 因を 図 に よって示 し, 多 少 と も明らか に な る ものを示 モ うとす る もの であ る。 つ ま り,消費 者行 動 は , より大 きな , より一 般的 な人 間行 動 の一 部 にす ぎ ない とい うこ と であ る。 消 費 者行動 はあ る限 られた 概 念 であ り,特 定 の消費 者行動 は,主 とし て前 後 関係 で決 まるか ,あ るい は文化 的に 誘導 され る。 消 費 者行 動 はぼ んや りと心 ↓こ描 かれ た要 求や 欲求 で始 まり, これ らの要 求や欲 求は ,そ の主要 な関心 と して 重要 な構 造 の追求を す る一 種の試行 錯誤 また は 自分 で発 見す る問 題 解決 を引 き 出す。 重 要な構 造 の追 求 は, 主 と し て問 題(要求や欲求)を 直 観的に 捜し 求 め る もの であ る。直 観力 は主題を 見抜 いた り ,理 解力 を身 につけ た り, あるい は基本 的 な関 連を 理 解す るこ とを 意味 す る。 直 観 力 は興味深 く養われ, 訓 練 され る。 つ まり, こ のこ とは, 学習理論 の基 本 的 な概 念が 役に立ち , ま た広告 や人的 販 売 な どの ような コ ミュニケ ーシ ョン が用 い られ ,正しい こ と を探 す よ うに 消費 者 に教え る ことを 意味す る。次 に , 消費 者 の問 題 解決にお け る重要 な構 造 の追求 は ,製品 や サ ービ ス提供 の形 で代替的 解答を認 識す る こ とか ら,特定 の消費 者問 題や 要 求を満 たすあ る独 特 の製 品や サ ービ スの最
図2 消費者行動 の図 表モデル 終的な採用 まで,一連の連続的な段階を通って進む。 消費 者たちは2 つの対照的なタイプの意思決定一 予定計画される意思決25 ) 定と予定計画されない意思決定 を す る。 意思決定は,それが反復的・日常的である範囲で,また意思決定が生ずる ときに,それぞれ初めか ら取扱われてはならない ように処理するために,あ る明確な手続が完全に定められている範囲で予定計画される。何故予定計画 さ れる意思決定が反復的傾向にあ るのかとい う理解は,あ る特定の問題がし ばし ば繰返される場合,それを解くために,通常一定の 日常的な手続が完全 につくられるとい うことにあ る。 こ 意思決定は,それが新しい,組織化されていない,そして必然的結果とし
消費者行動とマ―ケティング管理167 て起る範 囲 では,予 定 計画 され ない。そ の問 題 が以前 に起 うた こ とがない た めに, またそ の正 確 な性質や 構造 が分 か りに くく,複 雑 であ るた め に,あ る ト はそ の問 題 が非 常 に重 要 であ るの で条 件 に適 合す る よ うに定 め られた処 理 をす る価値 があ るため に,そ の問 題を取 扱 う型 には まっ た 方法 はない。 消費者 の問 題解 決や 意思決定 は, う まくこの枠 組 に当 て は まる よ うに思 わ れる。そ し て行動 が この背 景の中 で分 析さ れ る場 合 に,学 習 理論 と コミ ュニ ケーシ ョン と はマ ーケ ッタ ーの最 も有 利な点 に利用 され る だろ う。 上 述の定 義に よれ ば ,予定 計 画 される意 思決定 は 日常化 され る ようにな ってし ま う。 消費 者の 意思 決定 は ,あ る程度 ま七あ る特定 の問 題を 解 決す る のに多 少広 く 予め定 め られ た方 法 で反 応す る何 ん らかの力 または プ ロ セ不に よっ て予定 計 画さ れ る よ うにな っ てい る。 消費 者 の意思 決定 が外 の刺 激(広告や販売促進) の結果 とし て,あ るト は 自分 自身 の意 志 の力 に よっ て一 度予 定 計画さ れると, あ る決め られ た クラスの製品 につ い ての態 度や行 動を 修正 し た り,変えた り する能力 は非 常に わず かな ものに な るだろ う。 これ は頭痛 薬 ,石 鹸や洗剤 , 煙草な ど の よ うなあ ら ゆる範 囲 の最寄品 の ケ ースにな るだろ う。 消 費 者 の予 定 計 画さ れない 意思 決定 は, 強い認 識過 程を 生 か よ うであ る。 これ は消費 者 が,主 とし て意思 決定間 題 に 偏見を もた ない か ら であ る。彼 は 以前に この タ イプ の同じ ような意思 決定を し た ことが ない。 つ まり,それ は 予定 計 画さ れ ない意 思決定 であ るか ら であ る。 そ の場 に当 っ て は,消費者 は 情報を よく受 入 れ る。 す なわち ,彼 は情 報を系 統的 に 分類 し ,捜し 求め,そ して学 習す る。 彼 は製 品 やサ ービ スの属 性につ い て 自分 で実 際に試し ,手 で さお っ てみ る。 そし て, 彼は これ らの属 性や イ メ ージ を 自分 自身 の自己 イ メ ージや ライ フ ・サイ クルに合 わせ てい る。 予定 計画 され ない 意思決定 に対し ては, 消費 者 は製品 や サ ービ スにつ い ての詳 細か つ完 全 な 情報を 捜し求め, この よ うな 情報を 提 供す る企業 に は好 意的 に反 応 す る よ うであ る。2 ) コ ミ ュニケ ーシ ョ ン コ ミ ュニケ ーシ ョン は言葉 , 文 書,記 号な どに よっ て思 考, 意見, あ るい は 情報 の伝達 また は交換 に関 係かお る。 この定 義に含 まれ てい る重 要な 概念ま たは アイ デ ィ アは, コ ミュ ニケ ーシ ョン が アイ デ ィア の伝 達 にばか り でな く, 情報を受 け る結果 に も関係 かお る という こ とを 強 く示 唆す る“ 交換” のそ れ であ ろ う。 コ ミュニ ケーシ ョン の中心 テ ーマは, 作用 と反 作用 とが 存在す る
とい うことである。 図3 は,作用 と反作用との概念を含む コミュニケーション過程の概要を図 示 した ものであ る。 コミュ二ケーショソの基本的な範囲には少なくとも情報26) 源,メッセージ ,お よび受信者とい う3 つ の要因が含まれてい る。情報源は 発信者とみなされ,また マーケテ √ング目的に対しては, ノッセージは受信 者 であ る顧客または潜在顧客の行動を修正したり,変えたりす る目的 で設計 され,組織的に組合わされ, そして送信されなけ ればならない情報 か ら な る○ 図3 単純化したコミュニケーション・システム ︲I !111111111 !11111111 L 増 幅 _ − − − 一 一 一 一 − −J マーケティング・コミュニケーション・システムは,図3 に示された一般 的な コミュニケーション・システムの3 つの主要な構成要素に よって組立て られ,分析される。 もちろ ん,メッセージの発信者または伝達者は,ときには その広告代理店を通じ て行動す るマーケティング会社である。 ノッセージは, そのノッセージ・デザイナーが受信者に関連してい る知識の貯蔵所を 基にし て作成される。 とれはあ るメッセージが受信者たちに非常に不完全に受信さ れ,また解釈される理由を 説明す るだろ う。すなわち, タッセージ・デザイ ナーは,ただ受信者に関する知識や適切な情報を欠いてい るだけであ る。 よ い メッセージ・デザインは受信者に関す る適切な情報に 基づいてい る。マー ケッターのノッセージに対する媒体 選択は,たしかに広 い。広告と人的販売 とは・,2 つの基本的な媒体であ る。広告 ノッセージは, 提示については非個