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「人口密集地における多職種連携のための取り組み」

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Academic year: 2021

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(1)完了報告書. 人口密集地における多職種連携のための取り組 み. 申請者. :藤田 拓司. 所属機関 職名. :(医)拓海会 神経内科クリニック. :医師. 所属機関所在地:大阪府豊中市宝山町 7-8 提出年月日 :平成 25 年 8 月 31 日.

(2) 【背景・目的】 わが国では急速に高齢化が進行し、2025 年には年間 160 万人が死亡する多死時代を迎えると推定されている。 現在の病院の規模であれば、今後増加する看取りに対応できず、在宅(施設を含む)での看取りを行う必要があ り、在宅医療に多くの期待が寄せられている。 当院の主な診療域である豊中市・吹田市は人口約 75 万人、人口密度 10000 人/km2 を超える人口密集地であ る。高齢化率は 20.3%で、大阪府(22.1%)、全国(22.8%)を下回るものの、単身高齢化率は 22.1%(大阪府 22.1%、全国 16.4%)、高齢者夫婦世帯率は 45.8%(大阪府 40.6%、全国 29.7%)、つまり 67.9%の高齢者が 介護力の乏しい状況にあることがわかる。(平成 22 年国勢調査より) また豊中市・吹田市は東西・南北ともに 10km 程度のほぼ正方形をしている中に、36 病院(8600 床)、707 診療所 (うち 107 ヶ所は、在宅療養支援診療所、うち 12 ヶ所は在宅人工呼吸管理に対応)、53 訪問看護ステーション、 242 居宅介護支援事業所、258 訪問介護事業所がある。(WAM-NET、大阪府医療機関情報システム、大阪府 ホームページより) 当院は、豊中市・吹田市で 145 人の在宅患者の診療を担当している。うち 108 人の患者に対して 42 ヶ所の訪問 看護ステーションに対して月間 150 回程度の指示を出している。また 116 人の患者が 92 ヶ所の居宅介護支援 事業所によってケアプランが作成されている。(平成 24 年 4 月現在) またこの地域では医師(病院・在宅)、訪問看護師、療法士、ケアマネジャー等の職種ごとの研修会、研究会は開 催されているが、定期的に開催されている職種を超えた横断的な研修会はない。また当院への各事業所からの 連絡方法は文書や電話で行なわれるものが多く、対面での連絡は稀であった。また面識のない担当者からの連 絡は文書で、面識のある担当者からは電話や対面での連絡の比率が高い傾向にあった。 当院の診療域は在宅医療のための社会資源は多い地域である一方、介護力の小さい高齢者が多い地域であ る。このような高齢者の在宅医療を継続するためには介護体制の整備が不可欠であり、医療・介護の連携が不 可欠である。 しかし狭い地域にたくさんの事業所があり、すべての他事業所と緊密な連携が困難な地域でもある。 その中で、直接面談したことのあるスタッフは電話や面談でタイムリーな連絡が取りやすくなると想定される。 そのために、このような人口密集地では、症例検討会を含めた研修会を開催しスタッフが直接対面する機会を 設けることで、多職種連携が進むと考えられる。. 【方法】 豊中市・吹田市を中心に北摂地域にある診療所、訪問看護ステーション、居宅介護事業所、介護施設のスタッ フを対象とした症例検討会を開催している。 タイムスケジュールなどは、別紙に記載する。 おおよそのスケジュールは、症例提示、グループワーク・ロールプレイ、関連した内容の講義を行なっている。 また研修会後に懇親会を開催し、俗にいう「飲みニケーション」の効果に関しても検証している。 効果の評価は、受講者を対象にしたアンケートで実施することとした。. ―症例検討会の開催スケジュール― 第一回:平成 25 年 02 月 16 日:テーマ「終末期医療・意思決定に対する支援」 第二回:平成 25 年 03 月 23 日:テーマ「介護施設での看取り」 第三回:平成 25 年 05 月 11 日:テーマ「独居患者の在宅医療」.

(3) 第四回:平成 25 年 07 月 13 日:テーマ「訪問リハビリテーション」 いずれも、千里ライフサイエンスセンターにおいて開催している。. 【結果】 ①概要 症例検討会の参加事業所数、人数(職種)を以下に記す。 事業所数 第1回 平成25年2月16日 第2回 平成25年3月23日 第3回 平成25年5月11日 第4回 平成25年7月13日 合計. 症例検討会 懇親会 症例検討会 懇親会 症例検討会 懇親会 症例検討会 懇親会 症例検討会 懇親会. 22 11 24 12 38 19 26 12 110 54. 人数 52 18 34 19 60 29 38 19 184 85. 医師 8 6 8 8 12 11 7 5 35 30. 訪問 ケアマネ 療法士 その他 看護師 ジャー 22 5 13 4 6 3 2 1 12 0 8 6 4 0 5 2 20 0 22 6 7 0 7 4 6 8 12 5 4 4 2 4 60 13 55 21 21 7 16 11. 症例検討会で使用した案内・配布資料は別に添付している。 (第一回北摂在宅医療症例検討会.pdf) (第二回北摂在宅医療症例検討会.pdf) (第三回北摂在宅医療症例検討会.pdf) (第四回北摂在宅医療症例検討会.pdf) (内容は案内、事前に配布した症例提示資料、症例提示のためのスライド、講義のためのスライド). 症例検討会の参加状況 119 人が参加している。 参加回数別の人数は、4 回 8 人、3 回 7 人、2 回 27 人、1 回 77 人であった。 2 回以上参加したのは、35.3%であった。. 懇親会の参加状況 症例検討会参加回数別の懇親会への参加は、 4 回、3 回は 100%、2 回 70.4%、1 回 10.4%であった。. ②アンケート結果 アンケートの回収率は 60.8%であった。 症例検討会の参加者の平均年齢は 44.2 歳であり、懇親会の参加者の平均年齢は 48.9 歳であった。. 症例検討会の点数(0~5 で評価). 症例検討会・グループワーク 講義 懇親会. 第1回 3.9 4.4 4.8. 第2回 4.2 3.8 4.5. 第3回 4.0 4.1 4.5. 症例検討会・懇親会が有料であった場合、妥当と考える金額. 第4回 4.1 4.4 4.6.

(4) 症例検討会:2257 円 懇親会. :2464 円. 【考察】 参加者の多くが 40 歳代であり、若手の参加が少ない結果であったが、在宅の現場では若手が元々少ないので 偏りはなかったと考えている。 このような症例検討会は直接、顔を会わせる良い機会となり、その後の連携に寄与すると考えられるが、今回の 調査では連携が良くなったとの直接的な結果は出てない。 原因の一つは、4 回の開催では、豊中市・吹田市で勤務する訪問看護師の約 15%、ケアマネジャーの約 10%し か参加しておらず、これまで面識のなかった方々との新たに対面するに十分な機会に出来なかったことがある。 またテーマにより参加した方々の職種に偏りがあり、他職種との交流が十分ではなかったことも一因と考える。 症例検討会は点数が高いのであるが、1 回のみの参加が約 65%を占めており、2 回目の参加がなかった理由を 検討する必要があると考える。. 懇親会に関しては、参加者が診療所医師との連携が、元々緊密な事業所・スタッフが参加しており、懇親会を契 機に連携が良くなったとの印象は持たなかったとのことであった。 症例検討会に複数回参加している方は、懇親会への参加する比率が高いこともあり、症例検討会へ継続的に 参加してもらうことが、懇親会参加へも繋がる可能性があると考えている。. ただ、今回の症例検討会・懇親会を通して、緊密な連携を取るようになった事業所・スタッフがあることも確かで あり、「サイボウズ Live」を利用したオンライン上でのケース相談を開始し、オンライン上での症例検討会を予定し ている。参加メンバーは、オフラインでの症例検討会に参加したことのある方に限定しており、少なくとも顔の見 えるレベルまで達している段階から上のレベルを目指す取り組みと位置づけている。 症例検討会開催には、参加者が考えている以上にコストがかかり、定期的に開催していくためには、何らかの助 成が必要と考えられる。. 【結語】 今回のような症例検討会のあり方では、少数の事業所との連携を深めることは可能であったが、連携の裾野を 広げることは出来なかった。しかし回数を重ねることで、裾野を広げることも可能であると考えている。 俗に「飲みニケーション」と呼ばれるコミュニケーションは、これまで懇親会に参加してこなかった方々が参加する ような工夫が出来ないと、連携を広げることに寄与しないと考えられた。 経済的に恵まれているとはいい難い訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所等がコストを負担することは 困難と考えられ、近隣のクリニックが中心となって経済的支援を行いこの症例検討会を継続していく予定であ る。. この研究は公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けて行っている.

(5) 平成 25 年 1 月吉日 (医)拓海会 神経内科クリニック 理事長 藤田 拓司. 関係事業所御中. 平素は(医)拓海会神経内科クリニックの事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。 我々、在宅医療を提供している事業所は、比較的小規模の事業所が多く病院などと比べると、他の専門職のアドバ イスを受け難い環境にあります。また緩和ケア、神経難病の維持期ケア、認知症ケアなどは関わりを持つそれぞれ のスタッフの哲学により、そのケア内容が異なることが少なくありません。 他の専門職がどのように考えケアを提供しているかを知るため、困難症例に対して他の専門職のアドバイスを受け る場としての症例検討会を計画いたしました。 皆様のご参加をお待ちしています。事前にお申し込み頂いた事業所には、資料などを事前に送らせていただきます。 また、検討会終了後に、本音で話せる場としての近隣の居酒屋で懇親会(参加費:1000 円を徴収させていただきま す。)も企画しておりますので、そちらにも是非ご参加下さい。 今後も定期的な開催を予定しており、徳田先生(とくだクリニック)、田村先生(おおさか往診クリニック)、古河先生 (ふるかわ医院)の諸先生方にも、ご協力いただいております。 日時:平成25年2月16日(土) 14:30~17:00 (受付 14:00~ ) 会場:千里ライフサイエンスセンター会議室 601号室 内容 ①症例提示、グループワーク 『ALS 患者の意思決定を支援するために何が必要か?』 「気管切開を行うか否か?」ALS 患者・家族にとって悩ましく、かつ避けられない問題です。 他のスタッフがどのような考えを持って支援しているのかを知る、良い機会になると考えています。. ②研修『ALS 患者の終末期緩和ケアの実際』 』 講師:藤田 拓司 ((医)拓海会 神経内科クリニック) 参加費:無料. 参加定員:約 30 名(会場の都合により人数制限させていただくことがあります。 ). 参加ご希望の方は下記にご記入の上、2 2 月 8 日までに 06- まで FAX(06 06-6841- 6841-2047)にてご返信ください 2047. 事業所:. 氏名. 検討会. 懇親会. 1. □. □. 2. □. □. 3. □. □. 4. □. □. 5. □. □. (お問い合わせは平日9:00~17:00 泉・黒木・藤田までお願いします) 電話:06-6841-2027(神経内科クリニック). (この検討会 この検討会は 検討会は在宅医療助成 勇美記念財団の 勇美記念財団の助成を 助成を受けて開催 けて開催しております 開催しております) しております).

(6) 、筋委縮性側索硬化症(ALS) 筋委縮性側索硬化症(ALS)。 (ALS)。. 症例検討会: 症例検討会: 【既往歴】 特記事項なし。 【家族背景等】 同年代の妻、. 歳と. 歳の娘 2 人との 4 人暮らし。他に本人の姉が病状説明時やカン. ファレンス時に参加している。 現在は年金生活であるが、経済的には比較的裕福な家庭である。 一戸建て。リビングで療養を行っている。 【現病歴】 家族に同疾なし。 X-4 年 8 月頃より、テニスが下手になり、右上肢の筋力低下を認めている。 X-3 年 6 月、A 大学病院神経内科を受診し精査。ALS の診断を受けている。 X-2 年 6 月以降、B 病院神経内科へ転医。 X-2 年 11 月、精神的に不安定になったために症状コントロールのために B 病院へ入院。 X-2 年 12 月、C クリニックより訪問診療開始。 X-1 年 1 月、A 大学病院で NPPV(BiPAP)導入。胃瘻造設。 X-1 年 2 月、吸引器導入。口腔内吸引開始。首下がりに対してネックカラー導入。 X-1 年 3 月、カフアシスト導入。経管栄養開始。 X-1 年 6 月、肺活量 9.6%。以後、測定できず。1 日 5 時間程度、NPPV 使用。 X-1 年 12 月、呼吸症状コントロールのためオピオイド開始。肺炎のため、B 病院入院。 X 年 11 月、将来的に気管切開・人工呼吸管理を行うか否かのカンファレンスを自宅で実 施。 【現在の状況】 コミュニケーションは、開閉眼による「Yes-No」が中心。 呼吸症状に対して、NPPV を 24 時間使用。硫酸モルヒネ(15mg/日)+塩酸モルヒネ(5mg: レスキュー)使用。CO2 の蓄積はない。 【現在利用しているサービス】 訪問診療(C クリニック)、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問服薬、訪問入浴、保 健師訪問、訪問介護、ケアプラン 【設問 1】 あたなは、このようなカンファレンスに誰が参加すべきと考えますか。 また、あなたが参加した場合にはどのような意見を述べますか。 【設問 2】 患者本人と家族の意見が分かれた場合、あなたはどのように対応されますか。 【設問 3】 あなたが、このような問題に接した場合に、不足しているものは何ですか。.

(7)

(8) ・職種にチェックを入れてください。 □医師 □看護師 □ケアマネジャー □MSW □その他( ). □保健師. ・年齢と現在の職種になってからの経験年数を記入してください。. 歳、. 年. (自由にご意見をお書きください).

(9) 【設問 2】. 【設問 3】(複数選択可) □ALS の知識 □呼吸苦に対する対処法 □コミュニケーション支援 □人工呼吸管理の実際 □TLS(Totally Locked-in State) □ALS に対する緩和ケアの知識 □ALS 患者に関わった経験 □ALS 患者の緩和ケアの経験. (その他). □緩和ケアの一般的な知識 □臨死期患者に関わった経験 □終末期医療の意思決定プロセス □終末期医療の法的問題.

(10) グループ内での名刺交換を お願いします。 14時30分~ 挨拶、検討会進行の説明 14時35分~ 症例提示 ・関連事業所よりの追加情報 ・フロアからの質問・応答 15時00分~ グループワーク ・グループワーク進行の説明 ・医療倫理の4原則・4分割表を用 いた自身の考えの整理(5分間) ・ファシリテータ、書記、発表者 の決定 グループ内での話し合い (20分間) ・各グループからの発表(各3分) ・観察者からの好評(各2分) ・全体での話し合い(5分). ~休憩(10~15分)~. 16時10分~ 講義 ・終末期医療における患者・家族の 意思決定をサポートするために ・ALSと高次機能障害 ・ALSの終末期緩和ケア. 平成25年02月16日. 第1回北摂在宅医療症例検討会. ・フロアからの質問・応答 16時55分~ 閉会の挨拶、次回のお知らせ アンケートの記入. (医)拓海会 封筒内の資料は、 グループワーク終了後まで 開封しないでください。. 症例検討会:50歳代男性、筋萎縮性側策硬化症(ALS) 【既往歴】 特記事項なし. 神経内科クリニック 波江野茂彦. 【現病歴1】 家族に同疾なし。 X-4年8月頃より、テニスが下手になり、右上肢の筋力低下を認 めている。 X-3年6月、A大学病院神経内科を受診し精査。 ALSの診断を受けている. 【家族背景等】 同年代の妻、22歳、18歳の娘2人との4人暮らし。 他に本人の姉が病状説明時やカンファレンス時に参加している。 現在は年金生活であるが、経済的には比較的裕福な家庭である。. X-2年6月以降、B病院神経内科へ転医 X-2年11月、精神的不安定になったために症状コントロールのた めにB病院へ入院 X-2年12月、Cクリニックより訪問診療開始. 一戸建てのリビングで療養を行なっている。. 【現病歴2】 X-1年1月、自宅でマスク式人工呼吸器(NPPV)導入。 A大学病院で胃瘻造設 X-1年2月、吸引器導入。口腔内吸引開始。 首下がりに対しネックカラー導入 X-1年3月、カフアシスト導入。経管栄養開始。 X-1年6月、肺活量 9.6%。以後測定できず。 1日5時間程度、NPPV使用 X-1年12月、呼吸症状コントロールのためオピオイド開始。 肺炎のためB病院入院. X年11月、将来的に気管切開、人工呼吸管理を行なうか否かのカ ンファレンスを自宅で実施. 【現在の状況】 コミュニケーションは、開閉眼による「yes-No」が中心。 呼吸症状に対して、NPPVを24時間使用。酸素を1L使用。 (SpO2 94-97%、EtCO2 11-24mmHg) 硫酸モルヒネ(15mg/日)+塩酸モルヒネ(5mg:レスキュー)使 用。 【現在利用しているサービス】 ・訪問診療(Cクリニック) ・訪問看護 ・訪問リハビリテーション ・訪問服薬 ・訪問入浴 ・保健師訪問 ・訪問介護 ・ケアプラン. 1.

(11) 【問題点の整理】 本人は、当初から一貫して 気管切開・人工呼吸器は希望していない。 肺炎などの状態悪化時の入院での加療は希望していない。 姉はX-1年の肺炎で入院した時から関わりを持ち始めている。 気管切開・人工呼吸器を希望している。 肺炎などの状態悪化時の入院での加療は希望している。. グループワークの目的. ・意思決定プロセスを考える。. 妻は言葉では夫の気持ちを尊重するといっているが、 疾患受容ができておらず、姉の気持ちに近い。 X-1年の肺炎時にはそのような行動をとっている。. ・意思決定プロセスの多様性を知る。 このような家族内で意見が異なるケースで、 患者・家族の意思決定を支援するために、我々が出来ることは何 でしょうか?. グループワークの進め方 ・医療倫理の4原則・4分割表を用いた自身の考えの整理(5分間). ・グループ内での自己紹介 ファシリテータ、書記、発表者の決定 グループ内での話し合い(20分間). 医療倫理の4原則・4分割表(例) 医学的適応. 患者の意向. 仁恵・益を与える. 自律尊重・本人の意思を尊重する. 1.診断と予後 2.治療目標の確認 3.医学の効用とリスク 4.無益性 5.医療ミス. 1.患者の判断能力 2.インフォームド・コンセント 3.治療拒否 4.事前の意思表示 5.代理決定. QOL. 周囲の状況. 無危害・害を与えない. 差別せず、公平に扱う. 1.定義と評価 (心理、社会、身体、魂) 偏見の可能性 誰がどのように決定するか 2.影響を与えている因子. ・各グループからの発表(各3分) ・観察者からの好評(各2分) ・全体での話し合い(5分). 1.家族や利害関係者 2.守秘義務 3.経済 4.施設方針 5.教育 6.法律、宗教 7.その他(情報開示). グループワークで話し合って欲しい内容 ①意思決定に関与することに誰が関与すべきか? (誰がカンファレンスに参加すべきか?) (カンファレンスは必要ないと考えるか?) ②患者と家族の意見が分かれた場合に、 医療者はどのような姿勢で臨むべきと考えるか? (誰に、どのような働きかけを行なうか?) ③この時点で、事前指示書を書くことは適切であったか? □適切であった □適切ではなかった (□事前指示書は必要ない □適切な時期に書く必要がある ④この時点で、気管切開・人工呼吸管理が必要となった場合、 気管切開・人工呼吸管理を行うべきか、否か? □行なうべきである □行なうべきではない. 2.

(12) あなたの施設はどのレベルですか? 第一回北摂在宅医療症例検討会 at 千里中央 平成25年02月16日. A 「倫理問題に気付けない」 患者の人権についてしらない。. 終末期医療における 患者・家族の意思決定を サポートするために. B 「倫理問題に気付いていても、どのように解決していくのかの 方法を知らない」. ~法・倫理の観点から~ C 「職種を超えた医療介護事業者間や患者・家族と どのように対話・協議を進めれば良いのか分からない」. 医療法人. 拓海会. 神経内科クリニック 藤田 拓司. D 「たどり着いた方針を病院や施設、在宅で 実施するための多くの困難がある」. 生命医療倫理(臨床領域の問題) 法の過少とガイドライン. 法のてんけつ(不存在). 死 生. 代理母. 説明義務-IC 診療義務-応召. 人工妊娠中絶. 出生前(遺伝子) 検査・診断. 医療安全. 守秘義務. クレーム. 治療拒否 過剰医療請求. 法がそもそもない (予測していない). 新しい規範の創設. 終末期医療. 法は沈黙している 違法かどうかは法の埒外. Localに規範を定め その遵守を監視. 延命治療 鎮静・安楽死 治療の停止. 個人情報保護. 通報義務. 受精卵を使った研究 脳科学研究. 事故 カルテ開示. 脳死移植 生体移植. 法はあるが法の解釈や 当てはめが不相当 既存の規範を見直し (新しい事態に対処できていない). 抑制・拘束 異常死届出 ガイドライン. 終末期医療のガイドライン(1) ★厚生労働省 終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン ★日本老年医学会ガイドライン 高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン ~人工的水分・栄養補給の導入を中心として~. 終末期医療のガイドライン(2) ★厚生労働省研究班 認知症患者の胃ろうガイドラインの作成 -原疾患、重症度別の適応・不適応、見直し、 中止に関する調査研究ー ★日本緩和医療学会 苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン. ★日本救急医学会 救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン). ガイドラインは最低限守るべきもの ★日本医師会 終末期医療に関するガイドラインについて. ガイドラインは知らないといけない ★日本小児科学会倫理委員会ワーキンググループ 重篤な疾患を持つ子どもの 医療をめぐる話し合いのガイドライン.

(13) (厚生労働省)終末期プロセスガイドラインのアルゴリズム. 社会的規範. 「終末期」の定義は無い 法. 患者の意思が確認できる. 政府規制(倫理指針・ガイドライン). 患者と医療従事者が 十分に話し合い 合意内容を文章化. 患者の意思が確認できない. 法規範性あり 家族が 患者の意思を 推定できる. 家族が 患者の意思を 推定できない. 家族がいない 家族がチーム に委ねる. 推定意思 を尊重 最善の治療. 最善は何かを 家族と話し合う 最善の治療. 最善の治療. ★厚生労働省のガイドライン 患者に 再確認. 専門職の自己規制 ★学会等のガイドライン 法規範性なし. 家族に 説明 決定困難/合意が得られない等. 組織(病院・大学)内の規律 ★倫理委員会. 複数の専門家からなる委員会 検討/助言. 倫理の原則 ★個人の倫理観. 医療行為の開始・不開始、医療内容の変更、医療行為の中止. 終末期の判断が難しい理由 ・適切な法が不存在. ・自己決定権について、法・判例の態度が不明確. ・事前の意志を尊重する仕組みが不十分. 自己決定・事前決定. ・家族の意思だけを尊重することは、 決して合法的ではないことが、周知されていない。. ・介護関係者は、法・倫理・コミュニケーション問題を 解決するための手順や対話の作法を学んでいない。. ・サポート(相談・コンサルテーション)の仕組みも 十分ではない. 自己決定権の法的基礎 憲法13条 「すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、 公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、 最大の尊重を必要とする。」. 解説 前段の「個人の尊重」が、ドイツ基本法1条1項の「人間 の尊厳」条項とほぼ同趣旨であり、個人の尊重(個人主 義)ないし人格の尊厳(人格主義)という一定の原理を規定 し、後段の幸福追求権は、前段の原理と結びついて、人 間の人格的自律にとって不可欠な重要事項に関する自己 決定の包括的権利を具体的な法的権利として規定する(人 格的利益説). 「自己決定権」は明確ではない。. どこまでを自己決定というか?. 医療行為の決定. 医療行為の決定. 医療行為の決定. 判断能力あり. 判断能力なし. 判断能力なし. 過去の意思. 自己決定 ※日本では、自己決定が明確で も尊重されないことが少なくな い。. 不完全な 自己決定. 他者決定.

(14) 家族の意思について. 代諾者:臨床研究に関する倫理指針(一部抜粋) (平成20年07月31日). 家族ができる(積極的・実質的)根拠 ・家族は患者のことを最もよく知っていて、 患者がどのような判断をするかを推測するに適している。 ・家族は患者のことを最もよく知っていて、 患者のことを考えて判断するであろう。 →しかし、積極的な根拠としては弱い。 また、法的に根拠を導き出すことは難しい。 (身分法上の権限は、このような事態を想定していない。). 本人が生存しているが、有効な意思表示ができない場合 →代諾者 イ.当該被験者の法定代理人であって、被験者の意思及び利益を 代弁できると考えられる者 ロ.被験者の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは 孫、曽祖父、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考え られるの者. 家族以外にはないとする(消極的根拠) ・他に適切なものはいない ・ないとすると、患者を現状のまま放置するか、 患者以外の者(意思等)に決定権を与えることになるので、 それで良いか。 ・家族の意思以外の方法で患者の事前の意思を想定することは 難しい。. 呼吸器に関する大きな基点と日々の判断(判断の延期) 維持. Totally Locked-in State(TLS:完全な閉じ込め状態) 四肢運動系,橋・延髄(球)運動系,呼吸運動系,外眼運動系の 4 つの随意運動系のすべての麻痺により,随意運動を介したコミュ ニケーションがとれない状態と定義されている。. 装着. 高次機能障害の有無は問われない。 取り外し TPPV. 非装着. 後述するが、ALS患者は高率に高次機能障害(認知症、失語症等) を認める。 2006年のTDP-43発見以降、病理学的にTLS例の再検討が行なわ れ、TLS患者の多くは前頭機能が強く障害されていることが知ら れている。. 川崎協同病院事件控訴審判決(平成19年02月28日). 川崎協同病院事件控訴審判決(平成19年02月28日). 本件患者のように急に意識を失った者については、元々自己決定 ができないことになるから、家族による自己決定の代行か 家族の意見などによる患者の意思推定かのいずれかによることに なる。. 本件患者のように急に意識を失った者については、元々自己決定 ができないことになるから、家族による自己決定の代行か 家族の意見などによる患者の意思推定かのいずれかによることに なる。. 前者(家族による自己決定の代行)は認められないと解するのが普 通であるし、代諾にすぎないといっても、その実体にそう違いが あるとも思われない。 そして、家族の意思を重視することは必須であるけれども、そこ には終末期医療に伴う家族の経済的・精神的負担等の回避という 患者本人の気持ちには必ずしも沿わない思惑が入り込む危険性が つきまとう。 自己決定権という権利行使により治療中止を適法とするのであれ ば、このような事情の介入は、患者による自己決定ではなく家族 による自己決定にほかならないことになってしまうから否定せざ るを得ないということである。. 後者(患者の意思推定)については、現実的な意思(現在の推定的 意思)の確認といってもフィクションにならざるを得ない面がある。 患者の片言隻句を根拠にするのはおかしいといえる。 意識を失う前の日常生活上の発言等は、そのような状況に至って いない段階での気軽なものととる余地がある。 本件のように被告人である意思が患者の長い期間にわたる主治医 であるような場合ですら、急に訪れた終末期状態において、果た して患者が本当に死を望んでいたかは不明というのが正直なとこ ろであろう。.

(15) 川崎協同病院事件最高裁判決(平成21年12月07日). 川崎協同病院事件最高裁判決(平成21年12月07日). 以上によれば、上記抜管行為は、法律上許容される治療中止には 当たらないというべきである。そうすると本件における気管内 チューブの抜管行為をミオブロックの投与行為を併せ殺人行為を 構成するとした原判決は、正当である。. 被害者が気管支ぜん息の重積発作を起して入院した後、本件抜管 時までに、同人の余命等を判断するために必要とされる脳波等の 検査は実施されておらず、発症からいまだ2週間の時点でもあり、 その回復可能性や余命について適格な判断を下せる状況になかっ た。. 終末期に対する唯一の最高裁判決. ====. 「法律上許容される治療中止には当たらない」. そして、被害者は、本件時、こん睡状態にあったものであるとこ ろ、本件気管内チューブの抜管は、被害者の回復をあきらめた家 族からの要請に基づき行なわれたものであるが、その要請は上記 の状況から認められるとおり被害者の病状等について適切な情報 が伝えられた上でされたものではなく、上記抜管行為が被害者の 推定的意思に基づくということもできない。. 法律上、許容される治療中止はある。 以上によれば、上記抜管行為は、法律上許容される治療中止には 当たらないというべきである。そうすると本件における気管内 チューブの抜管行為をミオブロックの投与行為を併せ殺人行為を 構成するとした原判決は、正当である。. 要件は明示されてい ない・・・. 「作為」と「不作為」 ・人工呼吸器を外すというような「作為」が違法性を有するとい うことは理解されやすい。 ・人工呼吸器を付けるという医療的介入をしなかったという 「不作為」は本当に違法性は有しないのか? 溺れている子供と助けうる人との間に 身分・契約関係がない場合. 医療関係者の法的知識の不十分さ 「作為」と「不作為」 【多くの医療者の考え】 人工呼吸器を外すというような「作為」が違法性を有するのは 分かるが、医学的介入をしなかったという「不作為」は、 違法性を有しないのではないか. 溺れている子供と助けうる人との間に 身分・契約関係がある場合 助ける義務がある場合. 【法(法律家)の解釈】 「不作為」は、行為者の作為義務がある場合は、不作為を違法 とする。 医療者は、(民法の準委任契約に基づき)診療・治療義務を負っ ている 違法でない. 違法となる したがって、患者から明確な意思表示で治療を否定する場合や、 その作為が「無益」でない場合は、不作為は違法となる。. 事前の意思を尊重する Advance Life Planning(事前人生設計) Advance Care Planning(事前ケア計画) Advance Directives(事前指示). 事前指示書 Advance Living WillDirective Durable Power of (事前指示) (米国では法制化) Attorney (持続的代理権) 遺言. 成年後見制度. 死後にしか効果を 発現しない. 医療代理権は 付与されない.

(16) 「尊厳死の宣言書(リビング・ウィル)」をめぐる 誤解と混乱 Living Willとは本来の意味は「生前の意志」であり、 「事前指示(アドバンス・ディレクティブ:Advance Directive)」と 呼ばれるものの一つの種類に過ぎないが、日本国内では「尊厳死 の宣言書」と訳され、その言葉のみが独り歩きしている。 また「事前指示(AD)」とは必ずしも書式となったものだけを指す のではないにもかかわらず、書面だけを意味するかのように誤解 されていることも多い。. 「事前指示(AD)」の定義 患者が意思表示能力を失う前に、あらかじめ治療に関する事例を 纏めておく事。 主として、以下2つの類型があるが、両者が併用されることが望 ましい。 ①内容指示型(Instructional directives) 具体的な治療内容に関して個別に明示しておく方法。 本人が口頭で行なう場合と文書に書き記す場合に区別され、 書面になったものを「事前指示書」という。 Living WillやLMD(Let Me Dicide)など、様々な書式がある。. ②代理人指名型(Durable Power of Attorney) 自分の代わりに意思決定してもらう人をあらかじめ指名して おくという方法。. 「事前指示(AD)」:肯定の理由. 「事前指示(AD)」:否定の理由. (2011年03月:特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究班アンケート). (2011年03月:特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究班アンケート). ①患者と事前指示について話し合うことを通じて、そのプロセス の中で患者当人の考え方が浮かび上がり、それによって患者自 身の人生観・価値観が尊重される。. ①どのような書式、もしくは口頭による事前指示であっても、 実際に行なうべき治療を予見し、事前に余すことなく指示する など到底出来ない。. →「患者の自己決定権」尊重への期待. ②患者が重篤な状況に陥った場合に、事前指示が「手掛かり」と なり、家族同士や家族等とケアチームとの間で起こる葛藤や 対立を緩和することができる。 →家族の心理的負担軽減への期待. →「予見不可能性」を伴う「自己決定」という問題. ②いったん提示された事前指示が、患者の最終的な決断だと見な されてしまい、特に書式にした場合には、その書面が「独り歩 き」してしまう危険性がある。 →家族による「勝手な解釈」の危険性. 「事前指示(AD)」における「3つのポイント」. 「事前指示(AD)」における「解釈プロセス」. 事前指示を正確に理解し、臨床の現場において有効に運用するに 際して留意すべきこととしては、. 事前指示は、患者の人生観・価値観などを知る上での重要な 「手掛かり」となるが、実際には「解釈」が必要になる。. ①解釈プロセス. 「手掛かり」としての事前指示を「解釈」する場合に重要なこと は、患者が今この時点においても、事前に指示した内容のことを 「本当に望んでいるか」を推定することである。. ②ナラティブ・アプローチ ③共有プロセス. 「推定」という作業を行なう際には、「それはもう現時点ではあ りえない」と断定するだけの積極的な根拠がない限り、「本人が こういう事態のためにこそ準備した事前指示なのだから、それを 尊重する」という方向性において、患者の人生設計に寄り添おう とする「ナラティブ(narrative)」の概念に基づく「解釈プロセ ス」が不可欠である。.

(17) 「事前指示(AD)」における「ナラティブ・アプローチ」. 「共有プロセス」としての「事前指示(AD)」. 事前指示における「解釈プロセス」は、患者の人生計画を踏まえ て、「今の状態を本人だったらどう考えるだろうか」との視点か ら、患者自身の「人生という物語」を紡ぎ出すというナラティ ブ・アプローチ(narrative approach)による行程を辿ることになる。. ACP(事前ケア計画)としての事前指示は、患者に「強要される」 プロセスではなく、医療者や家族など、患者の周囲の人々によっ て「共有される」プロセスではなくてはならない。. 人生を「統合的な創造的物語」とみなす事前の人生設計という見 地から事前指示を捉える立場からすれば、「この時点での本人の 希望なのかどうかが不明である」本人以外の第三者(家族などで あれ、医療者であれ)によって完全に無視されてしまうのであれ ば、そもそも事前指示を行なうことの意味自体がなくなってしま うばかりでなく、およそ人生において「事前に決定する」という 行為そのものが成り立たないことになってしまう。. また、事前指示をする/しない(事前指示書を書く/書かない)とい うことは対等なのだという立場から捉えられなくてはならない。 患者と、医療者や家族等との間で、今後の人生設計(Life Planning)を共に考えるという姿勢で話し合いを進める中で、事前 指示は押し付けられるものであってはならないし、反対に、事前 指示の機会が奪われてはならない。 病気と闘いながら、時には病気と共存しながら、どのような生活 スタイルで、どのような療養生活を送るのかを、何よりも患者自 身の人生観・価値観を中心に捉えながら、医療者・家族等と共に 「共有しあい、創造しあう」というプロセスの中で、無理なく提 案されることが大切である。. ①「事前指示書」提示のタイミングの重要性 十分に症状の観察や治療の後、診断に誤りのない時期に行なう必 要がある。 具体的には、 1)精査を行なって告知を受けていること(段階的告知を推奨) 2)医師・患者間に十分な信頼関係が出来ていること 3)今後の症状を確実視させる症状が出ていること (呼吸苦、誤嚥、球麻痺、上下肢筋力低下等) 4)医学的指標を満たしていること (肺活量<1000mLもしくは40%未満、PaCO2>45mmHg等) 5)患者が経過を実感し病気が治らないことを理解していること. ②「事前指示書」記入に際しての医療サイドの姿勢 1)何よりも大切なのは、書くこと自体を強要しないこと 2)説明直後、その日のうちに書くことを無理強いしない 3)決して急がさず、熟慮して書くようにアプローチする 4)また、記入に際して何か質問があれば、いつでもそれに答え られる体制を整えておく. 「事前指示書」のまとめ. 1.「書きたくない」という大切な「希望」. 1.「書きたくない」という大切な「希望」. 「事前指示書を書きたくない」という患者に対しては、決して無 理に渡してはならない。. 2.患者の「本心」を汲み取ろうとする医療者側の姿勢 3.「文書だけ」を独り歩きさせない 4.「チーム」での検討の重要性 5.医療者へのサポートも不可欠. この点をもし忘れてしまうならば、患者・家族の立場からすると、 「早く決めろ」と急かされているように感じてしまい、結果とし てそのことが、まるで「無言のプレッシャー」となって、本当は 治療を続けたい、もっと行き続けたいと願っている想いを(たと え医療者側に「悪意」がなかったとしても)ないがしろにしてし まいかねない。.

(18) 1.「書きたくない」という大切な「希望」 「事前指示書を書きたくない」という患者に対しては、決して無 理に渡してはならない。 したがって患者の状況に応じて、再度アプローチを試みるか否か、 チームで検討することが必要である。 再度提示する場合も、「以前に話のあったあの書類をもう一度見 せてもらえないか」と患者側から要望が出てくるのを待つことが 最も適切と考えられる。 しかし疾患・状態に変化があった時など、ケア会議を通じて情報 を共有しながら、再度アプローチをするか否か、そのタイミング については医師一人で判断せずに、チーム全体で検討することが 不可欠である。. 2.患者の「本心」を汲み取ろうとする医療者側の姿勢 「人工呼吸器を付けないで欲しい」と「事前指示書」に記したと あったとしても、その背景にある理由をしっかりとつかむことな く、「呼吸器は希望していない」と拙速するようなことがあって はならないことです。. あくまでも事前指示書は、患者にとって何が最善の医療かを、医 師のみで決めるのではなく、患者家族も交えてチーム全体で話し 合うためのひとつの「ツール」であって、決して「文書だけ」を 一人歩きさせないことが大切です。. その患者さんが生きてきた「人生という名の物語」に寄り添い、 家族と共に患者さん自身の人生観・価値観を大切にしながら「物 語」を紡ぎ出そうとする姿勢(NBM:Narrative-Based Medicine、 物語に基づく医療)が大切です。. 3.「文書だけ」を独り歩きさせない. 4.「チーム」での検討の重要性. その意味では、事前指示書に強い法的拘束力を付与する形での法 制化がもし行なわれるようになれば、それは「文書だけ」を独り 歩きさせることになりかねず、現場の実情からかけ離れたものに なってしまう危惧は拭えない。. 日本医師会「医師の職業倫理指針」にも、延命治療の差し控え及 び中止に関わる臨床決断を行なうにあたっては、「医師は一人で 決定してはならない」と記されている。. その結果、常に揺れ動く患者自身の心理に対する無配慮によって、 患者の真の希望を奪い取ってしまう危険性があると言わねばなら ない。. また、厚生労働省の「ガイドライン」においても、終末期におけ る延命治療等の開始・変更・中止を行うにあたっては医療者は一 人で決めるのではなく、「医療・ケアチーム」で検討すること、 また病棟では対応できない事案については、当該施設の倫理委員 会にての検討を申請すること等、組織的にアプローチすることが 盛り込まれている。. 5.医療者へのサポートも不可欠. まとめ. 事前指示書を運用するにあたっては、担当医をはじめ医療チーム は深い倫理的ジレンマに直面することが極めて多い。 そうした時に、個人の道徳的努力のみを過度に求める「倫理」で は、かえって責任感のある医療従事者ほど、事前指示運用にあ たっての倫理的問題を自分独りで解決しようと抱え込み、時には バーン・アウト(燃え尽き症候群)にまで追い込んでしまう。. 法・倫理の観点から終末期医療における患者・家族の意思決定を サポートするために必要なことを述べた。. そうならないためには「複数の医師及び看護師等が連携して対応 を決めていくことの体制の確立」が不可欠である。. 現行制度を厳密に運用すれば、事前指示(書)を行なっていない ALS患者に対しては、気管切開・人工呼吸管理を行わなければな らないと考えられる。 しかし、その対応は現実的ではなく、患者・家族の最良のQOL達 成を目的とする緩和ケアとは相容れないものと考えられる。 患者・家族の意思を最大限に生かすためには「決めない/書かな い」ことを含めた事前指示(書)をチーム・アプローチで行う必要 がある。 そのためには「顔の見えるレベルの連携」はなく「心の通いあう レベルの連携」が必要であると考えている。.

(19) 書籍紹介:がん看護(2012年1・2月号) 困ったときの倫理コンサルテーション~SPIKES~に沿って 相談1 患者さんが家族への説明を拒否した場合 相談2 家族が患者さんへの説明を拒否した場合 相談3 患者さんの現状認識の把握の方法、 および知りたい気持ち、知りたくない 気持ちへの対応. ALSと高次機能障害. 相談4 患者さんの意向に沿った説明内容と方法 説明義務範囲. 医療法人. 拓海会. 神経内科クリニック 藤田 拓司. 相談5 患者さんから無謀ともいえるような要望 が出てきた場合 相談6 診療拒否・辞退、今後の診療が困難な場合. 認知症を伴うALS、最近の知見. 認知症を伴うALS、最近の知見 ALSに伴う認知症の特徴は、. 神経変性疾患の中で、65歳以下ではアルツハイマー病に次いで前 頭側頭型認知症が2番目に多く、発症率は約3.6~15人/10万人、 好発年齢は45~65歳で、男女差はみられない。 ALS患者の約30~50%は経過中に前頭葉機能障害で特徴づけられ る認知機能障害を示す。 また前頭側頭型認知症患者の 14%はdefinite ALS 36%はpossible ALS に合致(EL Escorial 改訂ALS診断基準)するとの報告がある。. ・日常生活での遂行機能 (銀行に行って手順よくお金をおろすなど)障害、 ・行動異常(問題行動) ・言語障害 など の症状を核とする前頭側頭型であり、病変分布から前方型認知症 とも呼ばれる。 前頭側頭型認知症は、記憶障害、記銘力障害、視空間認知障害お よび被害妄想などで特徴づけられ、病変分布が頭頂葉およびその 連合野に存在する後方型認知症であるアルツハイマー病の症状と は明らかに異なっている。. ALS疾患啓発委員会(http://www.als.gr.jp/). 認知症の中核症状. ALSと前頭側頭葉変性症(FTLD)の障害部位. 中核症状 ・情報を保存する能力の障害 ・情報を処理する能力の障害. いずれの疾患でも 蓄積するのは、 TDP-43という蛋白質. ALS. D FT 型) 欲 (無. 中核症状の分類 ・記憶障害 ・見当識障害 ・言語機能障害(失語) ・失行 ・失認 ・実行機能障害. これらは同一疾患で ある可能性が大. PA. FTD (脱抑制型) SD. FTD ) 同型 (常.

(20) 前頭側頭型認知症の臨床診断的特徴. 前頭側頭性認知症 Frontotemporal dementia (FTD)の分類(Snowden et al, 1996より抜粋) 亜型. 症状 . 変性・萎縮病変の主な局在. (a)脱抑制型 (Disinhibited type). 落ち着きなさ、無目的な過活動 ふざけ・おどけ、無情な無関心、 高度の社会性欠如 行動異常が認識障害より目立つ. 前頭葉底面・眼窩面・内側面 (初期では背外側面は軽症、 経過と共に侵され側頭葉へも及ぶ). (b)無欲型 (Apathetic type). 不活発、自発性の欠如、無関心 決断力の欠如、精神硬直 早期失禁. 前頭葉背外側面 (初期では底面・眼窩面・内側面は軽症、 経過と共に侵され側頭葉へも及ぶ). (c)常同型 (Stereotypic type). 常同行動(紋切り型の言動)が目立つ 強迫的で儀式的・宗教的特徴. 線条体、次いで側頭葉 (初期では前頭葉は軽症、 経過と共に侵される). 前頭葉機能低下に伴う症状(1). Ⅰ. 主要診断特徴 A. 潜在的発症と緩徐進行性 B. 社会的対人行動の障害 C. 自己行動の統制障害 D. 情意鈍麻 E. 病識の欠如. (1998年 Nearyら). Ⅱ. 支持的診断特徴 A. 行動異常 1. 自己の衛生や身なりの障害 2. 精神の硬直化と柔軟性のなさ 3. 気の散りやすさと根気のなさ 4. 口唇傾向と食事嗜好品の変化 5. 保続的行動と常同行動 6. 使用行動 B. 発語・言語 1. 発語量の変化 a. 自発語の低下の節約発語 2. 常同言語 3. 反響言語 4. 保続 5. 緘黙症. b. 促迫発語. 前頭葉機能低下に伴う症状(2). 病識の欠如 自発性の低下 『病感すらない』. 社会的対人行動の障害. 情意鈍麻 常同行動. 落ち着きのなさ. 自己行動の統制障害. self-awareness(※)の障害 (※) self-awareness ・自己を意識する能力 ・自己および他者の心を読む(心の動きを類推する) ・社会的環境のなかでの自己の位置を認識させる能力 すなわち他者の心的状態,思考や感情を推論する ・“自己”を主観的意識を保持しながら比較的客観的な観点 機能 から認識する能力. 質問をしても真剣に答えず,すぐに「わかりません」と答える ようなの考え不精やよく考えもせずに即答する言動(当意即答) も自発性の低下の症状の一つ. 後方連合野への抑制障害による症状(1). 後方連合野への抑制障害による症状(2). 被影響性の亢進ないし環境依存症候群は,. 日常生活場面では, 介護者が首をかしげるのをみて同じように首をかしげる 反響ないし模倣行為, 相手の言葉をそのままおうむ返しに応える(反響言語), 何かの文句につられて即座に歌を歌い出す, 他患への質問に先んじて応じる, 視覚に入った看板の文字をいちいち読み上げる(強迫的音読), といった行為で表れる.. 前方連合野が障害され後方連合野への抑制が外れ,後方連合野が 本来有している状況依存性が解放された結果, すなわち外的刺激あるいは内的要求に対する被刺激閾値が低下し, その処理は短絡的で反射的,無反省となったもの。. 検査場面では, 物品や検者の動作が提示された時, (反応しないように指示されていても)強迫的にことばで応じて しまう(物品のばあいは呼称し,検者がチョキの形の手をみせた 時は「チョキ」「V」ないし「2」などと言語化する)という強迫 的言語応答がみられる..

(21) 辺縁系への抑制障害による症状. 大脳基底核への抑制障害による症状(1). 脱抑制,我が道を行く行動 反社会的あるいは脱抑制といわれる本能のおもむくままの 行動は,前方連合野から辺縁系への抑制がはずれた結果と理 解できる.. 常同行動 短絡的,固定的,画一的思路に基づいて常同的,滞続的,強 迫的とみえる。 ある程度まとまった行動がくりかえされる常同行動は,前方連合 野から大脳基底核への抑制が外れた結果と理解できる。. 店頭にならんだ駄菓子を堂々と万引きする, 検査の取り組みに真剣さがみられず(考え不精)自分の気の ままに答える, 診察中に鼻歌を歌う, 関心がなくなると診察室や検査室から勝手に出てゆく(立ち去り 行動)などの表現をとる. 社会的な関係や周囲への配慮がまったくみられず, 過ちを指摘されても悪びれた様子がなく(患者本人に悪気はな い). 病棟では,デイルームのきまった椅子に座るという常同行動が形 成されやすい。 日常生活では常同的周遊(roaming)や常同的食行動異常がめだつ ことが多い. 一日中数km の同じコースを歩き続けたり,数10km のコースを毎 日周遊し,その途中でおこなうさい銭泥棒,花や果物を盗ってく るといった軽犯罪がしばしば社会的な問題となる。. 自発性の低下が進むと,めだたなくなる.. 大脳基底核への抑制障害による症状(2). 大脳基底核への抑制障害による症状(3). 決まった少数の食品や料理に固執する常同的な食行動や, 女性のばあいは調理が常同的になり,作る副食の種類が減少した り味噌汁の具が変わらなくなることがある.. 言語面では,同語反復や反復書字の形で現れる. 常同行動が時間軸上に展開したばあい,時刻表的生活となる. このばあい,常同行動は強く時間に規定されるため,強迫 性を帯びることが多い. 診察時には,しきりに時計をみて時間を気にする例もある. 時間軸上のスパンは分・時間単位にとどまらず,日単位,週単位 のこともあり,行動が曜日に規定されているような例もある. 症状自体は強迫性障害でみられるものと同様である. 言語面では,何を聞いても自分の名前や生年月日など同じ語句を 答える滞続言語, まとまった同じ内容の話をするオルゴール時計症状などの形で出 現する. 絶えず膝を手で擦り続けたり,手をパチパチと叩いたりするよう な反復行動がみられることもある.. 自己の強迫症状に対する自我違和性がみとめられない SSRI(パキシル等)投与 (例)ボタンがあれば押してしまう!. セロトニン作用の減弱. 強迫性障害(Obsessive-compulsive disorder) 強迫性障害とは、自分の意志とは別に、特定の行為をしなくては ならないという考えにとらわれてしまう障害。 以前は強迫神経症と呼ばれていた。 強迫性障害の具体例として、必要以上に手洗いを繰り返すことや、 自分が他人を傷つけてしまうのではないかと必要以上に気にする ことなどがある。. ALSの終末期緩和ケア ~モルヒネの使い方を中心に~. 原因として、セロトニン作用の減弱が推定されている。. 医療法人 薬物療法や、物事の見方を変えることで行動も変えていく認知行 動療法などによって治療する。. 拓海会. 神経内科クリニック 藤田 拓司.

(22) ALSの診療モデル. 代表的な神経難病の死亡原因. (医)拓海会 神経内科クリニックの基本モデル. 社会制度の紹介・導入 治験の紹介 遺伝相談. コミュニケーション・エイド 約4週間入院. %VC>50%で嚥下障害が軽度 インフォームド・コンセント パソコン学習・在宅サービス調整会議・試験外泊. 低栄養 胃瘻. ① 心理的サポート 多専門職種ケアの充実 スピリチュアル・ケア. %VCが20~30%を下回る前に気管切開人工呼吸 療法に関する面談 カフマシーン導入・ 在宅サービス調整会議・ 事前指示書の話. 心理的サポート・心理療法 多専門職種ケアの充実 スピリチュアル・ケア. 介護者の確保. 呼吸理学療法. 誤嚥性肺炎. スプリングバランサー. 窒息. 車椅子・ネックカラー. 吸引器・低圧持続吸引器. 経口摂取困難. 非侵襲的人工呼吸療法. 呼吸不全 ② ③. 終末期緩和ケア・酸素療法 オプション. ケアマネジャーの選定. 気管切開人工呼吸療法. 呼吸苦発生の理由. カフマアシスト 血液ガス分析に異常あり ・酸素が足りない(SpO2・PO2低下) ・二酸化炭素の蓄積(EtCO2・PCO2上昇). 呼吸苦が発生 しないこともある. 血液ガス分析に異常なし ・痰が絡む、上手く飲み込めない ・唾液が垂れ込んで、うまく咳き込めない ・深く息を吸えない など オピオイドの作用機所 ・呼吸中枢の感受性低下 ・呼吸数減少 → 酸素消費量の減少 ・鎮咳作用 ・中枢性鎮静作用. ALS患者の終末期の諸問題への対処法 症状 ①呼吸筋障害に伴う呼吸苦 ②動かせない四肢や圧迫部位の疼痛 ③口腔内分泌物の貯留 ④不安と窒息の恐怖. 対処法 NPPV・酸素の併用、オピオイド NSAIDs、抗不安薬、抗うつ薬、オピオイド 抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、オピオイド 抗不安薬、(オピオイド). 呼吸障害. 侵襲的人工呼吸器(TV)を選択しないALS患者の 緩和ケア(基礎知識). ・呼吸評価法 ALSFRS-R、SpO2はあてにならない ・NPPVと呼吸理学療法 NPPVはプレッシャーコントロールである 肺コンプライアンスが良好であれば、 長期間呼吸症状を緩和することが出来る ・TV導入のポイントと導入後の管理 TVを行う患者では、導入がゴールではなくスタート TVを導入したからといって、呼吸症状が消失するわけではない 肺コンプライアンスを良好に保つための工夫 唾液脱落の防止(気管カニューレの選択、気道食道分離) 人工呼吸器の設定 ・神経疾患(心肺機能に問題の無い)患者では 「酸素投与」のみの適応は少ない この場合は、 ←球麻痺などによる気道クリアランスの悪化 SpO2、自覚症状が指標 ・唾液の口腔内貯留 ・慢性的な唾液誤嚥(サイレント・アスピレーションが多い). 対症療法・緩和ケア (日本神経学会ガイドラインより抜粋). 4) (ALS患者の疼痛に対して)非麻薬性鎮痛薬が奏効しな かった場合には,WHOの指針に従ってオピオイドを適宜 に使用する. 5)末期の呼吸困難の治療には,安静時の呼吸困難に対し ては,オピオイドを単独または酸素投与と組み合わせて 使用する.高用量では呼吸抑制のリスクがあることを家 族に了解してもらうことが必要である. 6)終末期の不安の治療に抗不安薬,抗うつ薬などを積極 的に投与する.モルヒネの使用に際しては現段階では各 施設の倫理委員会を通して対応すべきである..

(23) 呼吸障害に対するアプローチ(NPPV) 肺活量<50%で、呼吸障害(NPPV)に関する説明を開始(考え始める 時期) 「呼吸障害」に対する患者・家族と医師との考えのギャップが ある NPPVは「肺活量 30%以上」で導入を予定(決定する時期) 「肺活量70%」を導入基準としている施設もある. NPPVは、延命効果がない(?) 最も成績の良い研究でも、約6~12カ月の延命効果のみ →呼吸苦に対する対症療法. 補助呼吸(NPPV) 呼吸状態の良い時期から導入すると、 ほぼ確実に利用可能 マスク装着による痛みにより、使用が 継続できないことがある →複数のマスクを準備 球麻痺が強い場合や、 喀痰の多い場合には使用できない 終末期の呼吸困難感は緩和されない. 呼吸機能が著明に低下してからの装着は困難 状態が良い(呼吸症状がない)間は、患者側の受け入れは困難 ・導入の指標は? 二酸化炭素分圧、肺活量、一秒量・率、心拍数、呼吸数、 ピーク・カフ・フロー. 侵襲的人工呼吸器(TV)を選択しないALS患者の 緩和ケア(基礎知識) ・ALS終末期で緩和が必要な症状は「呼吸困難」 ←悪性腫瘍では「疼痛」 ・日本はTVを選択するALS患者が世界一多いが、 約7割は選択しない ・ALS患者の約50%は呼吸筋麻痺から来る呼吸苦を 訴える(O’Brien T 1992, Olver D 1993, Saunders C 1981) ・米国のホスピスではモルヒネを用いることで、 81%の患者で呼吸苦を取り除くことが出来る (O’Brien T 1992). ・日本では、神経難病はホスピス対象疾患ではない 終末期の診療は神経内科医が行うことが多い 神経内科医は、「がん患者」を診る事が少なく、 麻薬の使用経験は少ない. モルヒネ適応患者の選択基準(北里大学神経内科). 当院では、約10種類を準備. ALS患者でのモルヒネ使用の特徴 (1)がんの痛みに使用するよりも少量で効果あり。 ・最初からがんの疼痛なみの投与量にしないこと。 ・相対的に過料投与で意識障害や呼吸抑制などの 副作用が生じる可能性がある。. (2)投与開始時期が良ければ意識障害をきたさず呼吸苦の改善が 得られる。 ・すでに呼吸機能低下が進行しているときには、 軽度の意識障害を来たすことがある(開始量の減量) ・呼吸抑制や意識障害を来たす時には治療目標を確認し、 投与継続について再検討する。 ・苦痛緩和を優先させる場合は、がん緩和ケアと同様、副作用 があっても使用することが許されるが、患者および家族の理 解と選択が必須である。. ①有効一回量の決定 2時間以内に 症状改善. (1)十分なインフォームド・コンセントのもと、 熟慮の上、侵襲的人工呼吸療法(TV)を選択しないという 決定を行ったALS患者 (2)呼吸障害がある程度進行した状態であり、 終末期で(入院)され、呼吸器の訴えが強い (3)抗不安薬、抗うつ薬、向精神薬や少量のO2吸入や BiPAP(NPPV)では改善されない呼吸困難 (4)特にオピオイドの使用が問題となるような 腎機能障害などの合併症がない (5)副作用などの十分なインフォームド・コンセントを行い、 本人および家族が十分に納得した上でオピオイドによる 緩和療法を希望する場合 北里大学神経内科では 60~70%の患者はオピオイド以外の方法で症状が緩和されている. 塩酸モルヒネを 2.5mg(1袋)使用 2時間以内に 症状改善. NO. YES. ①-2 症状が再燃すれば、前回使用 した量と同量を使用. ①-3 症状が12~24時間で再燃すれ ば、12時間毎に使用。 症状が8~12時間で再燃すれ ば、8時間毎に使用。 6~8時間毎に再燃すれば6時 間毎に使用。 4~6時間毎に再燃すれば4時 間毎に使用。 使用量は前回使用した量と同 量とする。. 塩酸モルヒネを 5.0mg(2袋)使用 NO 2時間後に. YES. 塩酸モルヒネを 7.5mg(3袋)使用 NO 2時間後に. YES. 塩酸モルヒネを 10mg(4袋)使用 NO. ②短時間作用型オピオイドの1日必要量決定. 症状によってはモルヒネが最適とは限らない。 抗欝剤、メジャー・トランキライザーなど他の薬物療法が良い場合がある。. 2時間後に. YES. ③長時間作用型オピオイド へ変更.

(24) ③長時間作用型オピオイドへの変更. 忘れられやすい症状 痛み. 10mg/日を超える場合には長時間作用型オピオイドに変更 硫酸モルヒネ(モルペス・カディアン等) 10mg 分2 12時間毎 (服薬量が多い(40~60mg)場合には、分3 8時間毎へ変更). ④症状がでたらレスキュードーズとして短時間作用型 モルヒネ製剤(塩酸モルヒネ散または水剤)を追加. 痛みの原因は? 肩に好発 筋萎縮・痩せに伴う神経等の圧迫? スピリチュアル・ペイン? 肩の可動性が低下すると消失することが多い 持続性鎮痛剤・鎮痙剤・鎮静剤の使用. 全身倦怠感・だるさ 内服:1日基本量の1/6~1/10 追加分は翌日の基本量に上乗せする. 原疾患の本態症状、有効な対処法なし。抗欝剤使用。. 抑鬱 SSRI、SNRIなどの積極的使用. ⑤必要に応じて塩酸モルヒネ持続注射(静注・皮下注)に 変更. 流涎 スコポラミン軟膏など. 投与量は経口投与量の1/2.

(25) 平成 25 年 2 月吉日 (医)拓海会 神経内科クリニック 理事長 藤田 拓司. 関係事業所御中. 平素は(医)拓海会神経内科クリニックの事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。 我々、在宅医療を提供している事業所は、比較的小規模の事業所が多く病院などと比べると、他の専門職のアドバ イスを受け難い環境にあります。また緩和ケア、神経難病の維持期ケア、認知症ケアなどは関わりを持つそれぞれ のスタッフの哲学により、そのケア内容が異なることが少なくありません。 他の専門職がどのように考えケアを提供しているかを知るため、困難症例に対して他の専門職のアドバイスを受け る場としての症例検討会を計画いたしました。 皆様のご参加をお待ちしています。事前にお申し込み頂いた事業所には、資料などを事前に送らせていただきます。 また、検討会終了後に、本音で話せる場としての近隣の居酒屋で懇親会(参加費:1000 円を徴収させていただきま す。)も企画しておりますので、そちらにも是非ご参加下さい。 今後も定期的な開催を予定しており、徳田先生(とくだクリニック)、田村先生(おおさか往診クリニック)、古河先生 (ふるかわ医院)の諸先生方にも、ご協力いただいております。 日時:平成25年3月23日(土) 14:30~17:00 (受付 13:30~ ) 会場:千里ライフサイエンスセンター会議室 601号室 内容 ①症例提示、ロールプレイ 『施設看取りのすすめ』 症例提示;徳田. 光章先生 (とくだクリニック). ②研修『施設看取りの現状と課題』 』 講師:横川 晃治先生 (よこかわクリニック) 参加費:無料. 参加定員:約 40 名(会場の都合により人数制限させていただくことがあります。 ). 参加ご希望の方は下記にご記入の上、3 3 月 15 日までに 06- まで FAX(06 06-6841- 6841-2047)にてご返信ください 2047 e-mail:. 事業所:. 氏名. 検討会. 懇親会. 1. □. □. 2. □. □. 3. □. □. 4. □. □. 5. □. □. (お問い合わせは平日9:00~17:00 泉・黒木・藤田までお願いします) 電話:06-6841-2027(神経内科クリニック). (この検討会 この検討会は 検討会は在宅医療助成 勇美記念財団の 勇美記念財団の助成を 助成を受けて開催 けて開催しております 開催しております) しております).

(26) 症例検討会:. 女性. 脳出血・脳梗塞後遺症. 【家族背景等】 娘と二人暮らし.他に別居している 2 人子供がいる。 別居している 2 人の子供を含めて、他の親族は非協力的. 【現病歴】 X-21年,視床出血で右片麻痺. X-13年,右股関節手術(A 病院). X-12年,右股関節手術(A 病院). X-8年5月,気管支炎・糖尿病で A 病院入院. 退院し,自宅で療養(車椅子,食事・排泄自立). 同年6月4~24日,腰痛・脳梗塞再発の疑いで,A 病院入院. X-6年2~3月,右頭頂部皮質ラクナ梗塞のため,A 病院入院.後遺 症なく退院し,自宅療養 自宅療養. 自宅療養 X-4年4~11月,気管支炎と右側脳室後角ラクナ梗塞のため A 病院 入院.リハビリ施行後に退院.自宅療養 自宅療養. 自宅療養 X-2年1月~6月,小脳ラクナ梗塞.A 病院入院.治療後キザミ食を 摂取できるようになり,退院.認知症対応型共同生活介護施 認知症対応型共同生活介護施設 入所. 認知症対応型共同生活介護施設 B 入所 X-2年7月,特別養護老人 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホーム C 入所. 入所 X-2年8月,本人の希望により,自宅療養再開 自宅療養再開. 自宅療養再開 X-2年9~10月,発熱.肺炎で A 病院入院.病状が改善し退院.特 特 別養護老人ホーム 再入所. 別養護老人 ホーム C 再入所 X-1年9~10月,脱水・意識低下で A 病院入院. 特別養護老人ホーム C 入所中,衰弱が進行し意思疎通が困難になり 経口摂取が低下した.傾眠傾向となり,脱水で入院. 入院後,脱水は改善. 娘さんは経口摂取要望が強く,ケーキを食べさせた. 言語聴覚士の評価では,ゼリー摂取可能の判定.補助食開始.最終 的にはミキサー食を、時間をかけて摂取するようになった. 娘さんは経管栄養を希望せず,施設での看取りを望み,特別養護老 特別養護老 人ホーム C に帰所. 帰所 特別養護老人ホーム C 帰所後,ミキサー食を摂取していたが,嘔吐を繰 り返していた. X-1年10月,誤嚥性肺炎のため,A 病院に救急搬送入院. 家族は,経管栄養を希望せず,点滴を行いながら自宅での看取りを 希望..

(27) X-1年11月,退院前会議. X-1年12月,退院.とくだクリニック初診.訪問診療・看護開始. X-1年12月22日,点滴終了. X-1年12月28日,会議. 同年12月31日~X 年1月3日,嘔吐したため,点滴. X 年1月18日,嘔吐したため,点滴再開. X 年1月24日,介護支援専門員変更.会議 会議. 会議 .. 【現在の状況】 要介護5。高度認知症のため意思表出は不可能。 エレンタールをゼリー状にして摂食中。喀痰吸引が必要な状況。 最近は,三女も喀痰吸引ができるようになった. 三女の都合で,短期施設入所を検討中。 【現在利用しているサービス】 訪問診療(とくだクリニック),訪問看護(とくだクリニック),訪問入浴.. 【ロールプレイ】 各グループでこのケースで「経管栄養を行うべきか否か」 「療養場所は自宅で良 いか」 「現在、利用しているサービスは適切か?」を中心にケースカンファレン スを行ってください。また「どのようにすれば施設での看取りを行うことがで きたのか?」も話し合ってください。 配役は娘(もしくは息子)、別居している家族、医師、新任のケアマネジャー、訪 問看護師、介護施設管理者としてください。 不足していると考えられる情報は、それぞれの役の中で考えてください。 本人の意思推定はそれぞれのグループの娘(息子)役、別居している家族役が、決 めてください。 各グループで、観察者(発表者)を決めてください。. まず、観察者(発表者)を決めてください。 観察者の司会の下で、配役を決めてください。特にそれぞれの職種に拘る必要 はありません。 5 分間で、自分の役について、どのような役を演じるかを考えてください。 30 分間で、カンファレンスを開催してください。 各グループから、カンファレンスのサマリーを発表してください。.

参照

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