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硫酸化グルクロン酸含有複合糖脂質の合成とその機能解析

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Academic year: 2021

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Title

硫酸化グルクロン酸含有複合糖脂質の合成とその機能解析(

内容の要旨 )

Author(s)

磯貝, 幸宏

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第095号

Issue Date

1997-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2436

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 磯 貝 幸 宏 (愛知県) 博士(農学) 農博甲第95号 平成9年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 硫酸化ダルクロン酸含有複合糖脂質の合成と その機能解析 主査 岐 阜 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 助教授 副査 信 州 大 学 教・授 副査 静 岡 大 学 教 授 眞 治 紘 市 秀 泰 合 田 原 水 木 石 茅 堆 論 文 の 内 容 の 要 旨 本学位論文は、近年その多彩な生物学的機能とその医薬への応用のため注目され ている硫酸化グルクロン酸含有複合糖脂質の全合成とその機能解析に関する先端的研 究について論述したもので、以下に示す内容から構成されている。 グルクロン酸は、ヘパリンやコンドロイチン硫酸に代表されるグリコサミノグリカ ンの重要な構成糖の1つであり、一般的にグルクロン酸のC-Z位が硫酎ヒされている場 合が多い。しかし、本研究での目的化合物であるHNK-1糖鎖抗原の硫酸化グルクロ ン酸含有糖脂質は、C-3位が硫酸化されていることがその特長の1つであり、その全合 成を成し遂げるためには、反応性の低いグルクロン酸のC-3位を効率的に、最終段階 で硫酸化することが重要である。そのためには、グルクロン酸のCZ、4位には硫酸化 の際、立体障害とならないような保護基で保護しなければならず、また、C-Z位には ガラクトースC-3位との縮合の際、オルソエステル等の副生成物が生じないような保 護基で保護する必要がある。本論文では、まずこれらの問題点を解決し、ガラクトー スのC-3位との縮合及びグルクロン酸のC-3位の硫酸化のためのグルクロン酸供与体 の合成に成功した。また、そのグルクロン酸供与体を使って各種ガラクトース受容体 との縮合を検討しそのグルクロン酸供与体に適したガラクトース受容体を決定すると 同時に、グルクロニルガラクトース供与体の調製法を確立した。次にセラミドを導入 した後、グルクロン酸のC-3位を硫酸化して、3-0-Sulfo Gl⊂Aβ(1→3)Gdlβ(1→

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1)〔erc・mideと硫酸基のないGl⊂Aβ(1→3)Golβ(1→1)〔erctmideの合成に成功した (第1章)。従来、グルクロン酸の3つの水酸基の反応性を検討した論文は少なく、ほ とんどがグルコース誘導体を酸化することにより目的とするグルクロン酸誘導体を合 成している。しかし、この方法でグルクロン酸のC-3位の硫酸化に対応することは困 難で、今後ますます複雑となるグルクロン酸誘導体の合成には対応できない。本研究 では敢て調製が容易なグルクロン酸のβ-グリコシドを用いることにより、グルクロン 酸のCZ、3及び4位にそれぞれ異なる保護基を導入することに成功している。このよう に、グルクロン酸のβ-グリコシドを用いて厳密にそれぞれの水酸基の選択性を検討し た報告はなく、非常に興味深い。 次に、グルクロニルガラクトース供与体を用いて3糖受容体(ラクトース誘導体と グルコサミン誘導体から調製)との縮合を高収率で達成し、目的とする5糖[Gl⊂Aβ (1→3)Golβ(1→4)Gl⊂NA⊂β(1→3)Golβ(1→4)Gl⊂β]を構築した後、セラミドの 導入とグルクロン酸のC-3位の硫酸化を行い目的とするスルホグルクロニルパラグロ ボシド(SGPG)の全合成に成功した。その際、この糖鎖抗原の抗体との反応性を 検討するため、セラミドには2種類の脂肪酸(0⊂tOde⊂8nOt⊂ q⊂ld tetrq⊂OSOnOi⊂Cl⊂id)を導入したSGPGをそれぞれ調製した。さらに、セラミド が抗体との反応に関与しているかどうかを調べるためセラミドの代わりにβ-トリメチ ルシリルエチルグリコシド(SEグリコシド)を有するSGPG誘導体も合わせて合成 した0 また、抗体との反応で硫酸基の重要性を調べるため、すべての誘導体で硫酸基 を導入したものとしないものをそれぞれ合成した(第Z章)。 第3葺では、SGPGよりさらに複雑なスルホグルクロニルラクトサミニルパラ グロボシド(SGLPG)の全合成を行った。グルクロニルガラクトース供与体とグ ルコサミニルガラクトース受容体を収率よく縮合した後、SGPGの合成を参考にし てその全合成を達成した。また、これらSGPGとSGLPGの全合成において糖鎖 を構築する方法には、すべてトリクロロアセトイミデート法が使われており、この方 法が反応条件(活性化剤の量や反応温度など)により幅広く利用できることも立証す ることができた。 最後に、本研究で合成した計12種の化合物について、3種の抗体(LT、NRG -50、HNK-1)との反応性をTL〔immunostc]iningにより測定した。LTは、硫 酸基の有無に関係がなく反応し、糖鎖が長い程良く反応している。一方、NRG-5 0とHNK-1は、硫酸基が必須であり、ある種の化合物は、HNK-1とは反応す るがNRG-50とは反応しなかった。また、すべての抗体との反応には、セラミド が重要な役割を果たしていることが示唆された。 以上のように本研究では、グルクロン酸のβ-グリコシドを用いて3つの水酸基の それぞれの選択的保護を可能にし、さらに、グルクロ′ン酸のC-3位を収率良く硫酸イヒ することによリSGPG及びSGLPGを含む計12種の糖鎖抗原の全合成を達成す ることができた。また、これらの合成糖鎖抗原を用いてモノクローナル抗体との反応

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審 査 結 果 の 要 旨 本学位論文の内容は、近年その多彩な生物学的機能とその医薬への応用のため注 目されている硫酸化グルクロン酸含有複合糖脂質の全合成とその機能解析に関する研 究について論述したもので、その先端的研究を推進する極めて重要な成果と言える。 グルクロン酸は、ヘパリンやコンドロイテン硫酸に代表されるグリコサミノグリ カンの重要な構成糖の1つであり、一般的にグルクロン酸のC-Z位が硫酸化されてい る場合が多い。しかし、本研究の対象となっているHNK-1糖鎖抗原の硫酸化グルク ロン酸は、C-3位が硫酸化されていることがその特長の1つであり、その全合成を成 し遂げるためには、反応性の低いグルクロン酸のC-3位を効率的に、最終段階で硫酸 化することが重要である。そのためには、グルクロン酸のC-2、4位には硫酸化の際、 立体障害とならないような保護基で保護しなければならず、また、C-2位にはガラク トースC-3位との縮合の際、オルソエステル等の副生成物が生じないような保護基で 保護する必要がある。 第1葺では、これらの問題点を解決し、ガラクトースのC-3位との縮合及びグル クロン酸のC-3位の硫酸化のためのグルクロン酸供与体の合成に成功した。また、そ のグルクロン酸供与体を使って各種ガラクトース受容体との縮合を検討しそのグルク ロン酸供与体に適したガラクトース受容体を決定し、さらに、グルクロニルガラクトー スヘセラミドを導入した後、グルクロン酸のC-3位を硫酸化し、天然には存在しない 3-q-スルホグルクロニルガラクトシルセラミド及び硫酸基のないグルクロニルガラク トシルセラミドの合成に成功した。従来、グルクロン酸の3つの水酸基の反応性を検討 した論文は少なく、ほとんどがグルコース誘導体を酸化することにより目的とするグ ルクロン酸誘導体を合成している。しかし、この方法ではグルクロン酸のC-3位の硫 酸化に対応することは困難である。本研究では敢て調製が容易なグルクロン酸のβ-グ リコシドを用いることにより、グルクロン酸のC2、3及び4位にそれぞれ異なる保護 基を導入することに成功しており、極めて大きな成果であると評価される。 次に、第2葺では、グルクロニルガラクトース供与体を用いて3糖受容体(ラクトー ス誘導体とグルコサミン誘導体から調製)との縮合を高収率で達成し、目的とする5糖 [GIcAβ(1→3)Galβ(1→4)GIcNAcβ(1→3)Galβ(1→4)GIcβ]を構築した後、さらにセラ ミドの導入、及びグルクロン酸のC-3位の硫酸化を行い目的とするスルホグルクロニ ルパラグロボシド(SGPG)の全合成に成功した。そして、この糖鎖抗原の抗体と の反応性を検討するため、セラミドには2種類の脂肪酸(octadecanoic acidと tetrac。San。icacid)を導入したSGPGをそれぞれ調製し、さらに、セラミドが抗体と の反応に関与しているかどうかを調べるためセラミドの代わりにβ-トリメチルシリル エチルグリコシド(SEグリコシド)を持ったSGPG誘導体も合わせて合成している。 また、抗体との反応で硫酸基の重要性を調べるため、すべての誘導体で硫酸基を導入 したものとしないものをそれぞれ合成した。

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第3葺では、SGPGよりさらに複雑なスルホグルクロニルラクトサミニルパラ グロボシド(SGLPG)の全合成を行っている。グルクロニルガラクトース供与体 とグルコサミニルガラクトース受容体を収奪よく縮合した後、SGPGの合成を参考 にしてSGLPGの全合成に成功した。また、これらSGPGとSGLPGの全合成 において糖鎖を構築する方法には、すべてトリクロロアセトイミデート法が使われて おり、この方法が反応条件(活性化剤の量や反応温度など)により幅広く利用できる ことも立証することができた。 最後に、本研究で合成した計12種類の化合物について、3種のモノクローナル抗 体(LT、NGR-50、HNK-1)との反応性をTLCimmunostainingにより測定した。LTは、 硫酸基の有軌こ関係がなく反応し、糖鎖が長い程良く反応している。一方、NGR_50と HNK-1は、硫酸塞が必須であり特に、ある種の化合物は、HNK-1とは反応するが NGR-50とは反応しなかった。また、すべての抗体との反応には、セラミドも重要な役 割を果たしていることが明らかにされた。 このように本研究では、グルクロン酸のβ-グリコシドを用いて3つの水酸基のそ れぞれの選択的保護を可能にし、さらに、グルクロン酸のC-3位を収率良く硫酸化す ることによリSG PG及びSG LPGを含む計12種の糖鎖抗原の全合成を達成して いる。これらの方法は、今後ますます複雑となるグルクロン酸含有複合糖質の分子レ ベルでの機能解析を可能にするものであり、実際、合成糖鎖抗原を用いてモノクロー ナル抗体との反応性が解析されている。これらの先導的研究は、今後の糖鎖工学の発 展に大きく貢献するものである。 以上について,審査委鼻全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学 位論文として十分価値のあるものと認めた。

*Y・Isogai,T・Kawase,H・Ishida,M・Kiso and A・Hasegaw勘Synthetic Stadies On SialoglycoconJugateS9O;TotalSynthesis Of SuJfated GlucuronylParaglobosides,J・

C〟′・ム0力γか・αば川・,15,100ト1023(1996).

*

Y・lsogal,H・lshida,M・Kiso and A・Hasegawa,Syn(he(ic Stadies On

SialogJyc()COnJugateS 95;TotalSynthesis Of Sulfated GlucuronylLactosamlnyl ParagIobosides,・J・Chrbohydr・C7zem・,15,(1996)inpress.

参照

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