ユニシス・ニュースのバックナンバーは、日本ユニシスのホームページに全文が掲載されています。
IT革命が起きているという。情報化の広がり、
深さ、質において新次元が現れているからだ。
革命は、社会を変革する。だから人の生き方
に大きな変化をもたらす。IT革命もまた、同じ
であろう。働き方、生き方を真剣に考えて対処
したい。
今回の変革は、勤労者が会社や社会に依存で
きる程度が弱まってきたところに特徴がある。
もともと情報化は、人を「個」にする性格を持っ
ている。それが新次元になる。穏やかな話では
ないと知るべきだ。
●
情報化社会と“公私融合”
「情報化の新次元」は、ITを構成する「情報・ソ
フト・通信」の3要素が個人でも比較的容易に扱え
ることでもたらされた。
しばらく前であれば、その3要素はいずれも会
社か社会の「公」的組織が握っていて、個人はそ
の組織内の業務、仕事でしか扱えなかった。95
年頃から次第に使えるようになったインターネッ
トの世界でも、しばらくは限られた個人が趣味
的に関係するに止まっていた。それがITの発達
により、「インターネット・バブル」と呼ばれるほ
どの爆発的発展を経て個人の生活に融け込むよ
うになった。それで職業の世界においては、従
来の、会社では仕事をし、家庭では個人生活を
楽しむといった仕事と生活の棲み分けが難しく
なった。それだけにいつでも仕事に追われやす
い。しかし、だからといって公と私の場と機会を
割り切って働き生活しようとすると、どちらにお
いても不完全燃焼となりがちだ。工夫を要する。
ITは勤労者が働きかけさえすればかなり容易
に利用できる。それで、家で仕事に関したIT活
用をしたり、会社で本来は個人学習の範疇に入
る情報探索をしたりすることとなる。必要が生
じたとき、逃さずITを活用する。そうした行動が
情報化社会でのスタイルである。勤務時間内で個
人学習すれば、かつてのルールでは公私混同と
なる。けれども、そうといって否定し難いのが
情報化社会である。情報化社会は高度学習社会
だからだ。勤労者が主体的に学習し続けなければ
勤労者としても生活者としても力を発揮できな
い。だから、学習や勤労の場や機会において公私
の別を言っていられないのである。
筆者は、そこで「公私融合」という働き方、生
き方を提起した。組織には所属しても従属はし
ない。会社や社会での活動と私生活とを峻別せ
ず、それぞれを大切にしながら1人の人間の行動
として融合させる。この考えに基づく働き方、
生き方を『仕事術』という本にまとめて昨年11
月に上梓した。
公私融合は、個人にとって厳しい選択であり、
会社などの組織にとっては管理しにくい厄介な
勤労スタイルである。しかし、会社も個人も、
IT革命を生き抜き、新次元の情報化社会を生き
ていくためには、新しく高い次元の選択が必要
である。
●
個人優位社会と勤労者
「公私融合」という考え方、生き方は、あらた
めて言えば、工業社会の概念に照らすと危険思
想である。工業社会は組織優位の社会だ。した
がって基本は、個人が組織に従属することを前
提にする。工業社会で会社人間が多かったのは、
そのような暮らしが組織の理に叶っていたから
である。
ところが情報化が進むにつれ、個人が比較優
位に立つこととなった。組織に所属すれば構造
的には組織のしばりを受ける。また、情報化そ
のものがハードやソフト、通信手段において何
らかの組織が個人を統御する。しかしそれでも、
情報化は個人に関与を促し、関与すれば何らか
の利益、あるいは面白さや楽しさを与えてくれ
る。そのために、仕事において勤労者は、情報
化に積極的参加をしないと不利益をこうむるこ
ととなってきた。
そこへIT革命である。個人は否が応でもITを
通して自らを高め、積極的に会社や社会へ参加
しなければならなくなった。つまり、組織で仕
事をする際に働きを自己管理することが多くな
り、従属するだけの会社人間では職業人として
務まらなくなった。こうした働き方に裁量労働
がある。情報化社会では多くの人が、日常的に
その労働を制度としてではなく体験することと
なる。
ところで、裁量労働の制度下で働く勤労者は、
一般の勤労制度で働く人よりも強いストレスを
受けるという研究結果が発表されている。これ
は、情報化社会の一課題である。公私融合も同
様で、場合によると公と私の狭間で引き裂かれ
るかもしれない。
それだけに、日頃から公私融合の働き方、生
き方を鍛えておきたい。情報化社会は、融合と
自立とフレキシブルがキーワードである。特に
フレキシブルであることが重要だ。日本語に「し
なやかさ」という言葉がある。しなやかにしぶと
く生きることで、情報化社会という複雑で混沌
とした世界を泳ぎ抜こう。
評論家
森 清
氏
主
な
記
事
◆特集.CRMとデータマイニング *さくらカード−データマイニングの活用 で戦略的マーケティングを展開 (5面) ◆ユーザ事例 *旭川信用金庫−C/S型の情報系システム の充実で新情報渉外を積極展開 (6面) *東舞鶴信用金庫−「危機管理対応シス テム」を稼働 (7面) *第一勧銀カード−個人信用情報システ ム導入 (8面) *ケンウッド−イントラネット活用の「新 人事情報システム(J's2)」構築 (16面) ◆IT最前線 *Staffware2000 eProcess (9面) *ネットワーク技術の動向(12) (10面) *システム開発技術の動向(3) (11面) *「DataExtractor/IX」 (12面) *ソフトウェア知的財産の国際的潮流(13面) *ネットワーク・ソリューション(3) (14面)◆News From Unisys (15面) UN
ここ数年、街の書店において、「CRM」、「One to One Marketing」、「DBマーケティング」という単語 を目にする機会が、ますます増えたと感じている方 も多いのではないか。ご存知のように、これらのコ ンセプトの本質は、投下販促コストに対する売上の 向上が主題で、いかにヒット率の高い提案を提供す るかが論点の1つである。高ヒット率の実現には、 あらかじめ顧客をセグメント分類しておく必要があ るため、これらのコンセプトでは、必ず顧客データ 分析が重要視されている。 以下に、このようなデータ分析に基づき個々の顧 客ニーズを掘り起こす考え(以降、個客マーケティ ング)が、急速な発展を遂げた背景をひも解きつつ、 今後の発展の方向性について考えていきたい。 個客マーケティング発展の背景には、大きく3つ の要因が存在すると考える。 1つめは、バブル崩壊以降、先行き不透明な景気 動向である。企業は、限られた市場の争奪戦におい て顧客指向を徹底しており、この顧客指向が必然的 に個客マーケティングに拍車をかけている。 2つめは、情報技術のコスト・パフォーマンスの向 上である。CPU速度は、ムーアの法則に則り、18カ 月ごとに2倍のペースで性能が向上し、価格は低減 している。その結果、SASやSPSSなどの高度な解析 ツールが個人でも手が届くレベルになっており、個 客マーケティングを後押ししている。 最後は、インターネットの普及である。インター ネットにより、営業チャネルの多様化(営業マン、 Web、コールセンターなど)が進行したため、否応 無しにデータ分析の必要性に迫られている。また、 インターネットの技術的な側面(クリック情報、クッ キーファイルなど)によって、今まで取れなかった 情報が容易に取れることも個客マーケティングを後 押しする要因となっている。 このように、幾つかの要因が相俟って、個客マーケ ティングを一種のブームにまで発展させているが、 「顧客指向」、「技術革新」、「インターネット」ともに、 不可逆的な流れであるため、個客マーケティングの 考え方は一過性のブームに終わるとは考えづらい。 現状の個客マーケティングは、2つの進化の道を たどっている。 1つめは、顧客をより細分化して捉えることで、 販促活動のヒット率を向上させる軸である。 この軸における第一段階は、年齢、性別、収入な どの属性情報を活用した分類で、すでに多くの企業 において採用されている。具体的には、英国の量販 店のTescoのように、顧客の属性情報(「菜食主義」 「糖尿病ぎみ」などを含む)を入会時に入手し、その 情報をもとに個別の提案をする形態である。ちょっ と古いが、テレビCMの「いつかはクラウン」などは、 まさにこの考え方に基づいている。 第二段階は、顧客の購買特性(購買履歴)を活用し た分類である。具体的には、家 電量販店のデオデオが、顧客の 購買特性を購買量(7分類)×購買 時期(4分類)の28セグメントに分 類して成功した例や、ドミノピ ザが、購買間隔の伸びている顧 客に、DMを打つことでヘビー ユーザ化を促した例がある。私 もタイに出張を重ねていた当時、 航空会社からバンコクのホテル の割引券が送られてきて驚いた 経験があり、このレベルまでは 達成できている企業も多い。 第三段階は、顧客の行動特性 を活用した分類である。具体的には、GMが顧客の 消費特性分析より、ゴルフ好きがキャデラックを購 入する可能性が高いことを導き出し成功した例や、 丸井が売り場単位の顧客リストより、顧客の廻り方 を分析してフロアのレイアウトを変えて成功した例 などが挙げられる。このレベルでは顧客の行動特性 を見切るだけのデータ収集が必要になるため、カー ド会社などとの連携が必要となってくる。単一の企 業では、実現が難しいところに“壁”が存在してお り、実施できている企業も限られている。 進化の2つめは、適用範囲拡大の軸である。元来、 個客マーケティングは、顧客の過去データの分析に よって細分化した市場に働きかける“刈り取り型” であるため、適用領域は顧客データが捉えられる範 囲に限られていた。しかし、インターネットにより 適用範囲を不特定多数の顧客に拡大し、新規顧客を 獲得することも可能になっている。具体的には、サ イトの新規訪問者の属性や嗜好を把握する(通常は 簡単なアンケート)ことで、ヒット率の高い商品を 提案する仕組みである。AT&T Wirelessは、顧客に 10項目程度の簡単な質問を投げかけ、過去の事例か ら提案すべき内容を瞬時に判断してB to Bの個客 マーケティングを成功させており、Fireflyは、サイ トの訪問者に属性情報+
α
を入力させ、訪問者の音 楽の嗜好性/推奨商品を瞬時に判断することでB to Cの個客マーケティングを成功させている。両者と も、元来の弱点であった適用範囲の狭さをインター ネットのグローバルリーチ力で補うことで、安価か つ精度の高い商品サービスを提供している。 このように、個客マーケティングは進化を遂げて いるが、万能ではないことには留意が必要である。 まず第一に、すべての産業において効率的な訳で はない。もちろん考え方自体はいかなる産業に適用 できるが、特に、成長産業においては、投資対効果 の観点よりマス・マーケティングに劣ることもある。 第二は、基本的には“刈り取り型”マーケティン グであり、いずれジリ貧になることである。ジリ貧 の解消には、前述のようにインターネットなどの活 用が有効であるが、Webサイトで集客を期待できる のは名前が売れている有名企業だけであり、街角の 店舗などでは期待薄である。したがって、このよう な場合には既存顧客が新規顧客を引き連れてくるよ うな仕掛けが必要となる。 第三に、特に、B to B領域においては、バイヤー の特性に加えて企業風土が影響を及ぼすため、必ず しも明快かつ有効な顧客分類ができないケースが存 在することである。 このような弱点を抱えながらも、前述の理由によ り、個客マーケティングが一過性に終わることはな いと予測される。では、今後の個客マーケティング はどのように発展していくのだろうか? (図) 進化の1つめの軸では、ヒット率の向上に向け、 活用情報が自社で取得可能な情報(顧客属性→購買 特性)から、自社では取得が難しい行動特性に進化 していることを述べた。これらは、顧客の過去履歴 に軸足をおいた嗜好の解読であるが、この先には、 顧客とのCollaboration(協調)の段階が位置付けられ ると考える。つまり、顧客の現在状況(顧客の欲す るモノ、顧客のいる場所など)を共有することで、 より一層のヒット率向上を目指す方向である。 また2つめの軸では、“刈り取り型”の弱点を克服 するために、適用範囲が既存顧客から不特定多数に 進化していることを述べたが、この先には、さらな る適用範囲の拡大として、Mobile Internet(iモード、 PDA端末など)が位置付けられると予測する。 実際、このような次世代の個客マーケティングに 取り組んでいる企業の1つに、ImaHima.comがある。 このサイトは、顧客と協調し、顧客の現在の居場所 や状況(就業中、ひま等)を提供してもらうことで、 街角のショップなどからのピンポイント・マーケティ ングにチャレンジしている。例えば、「20代の女性 (属性)で、過去にブランド品を買った経験があり (購買履歴)、現在、表参道近辺にいて(位置情報)、 ひまを持て余している人(状況)」に対し、その人の 携帯電話に販促情報を流す手法である。このような 形態は、顧客との情報共有が必要なため、一筋縄に は実現できないが、今後の、個客マーケティングの 方向性を示唆するものとして興味深い。また、携帯 端末を主軸とした形態は日本特有であり、このよう な日本発のビジネス・モデルが、世界の個客マーケ ティングを席巻することを期待したい。 UNCRM
と
DB
マーケティングの動向
アンダーセン・コンサルティング
戦略グループ Senior Manager
江川 昌史
あ つ し氏
特集.
CRMとデータマイニング
個客マーケティングを後押ししている3つの要因
個客マーケティング進化の2軸
今後の方向性
個客マーケティングの落とし穴
狭 広 マーケティングの対象範囲の軸リアルの施策 Internet MobileInternet
DM/メールから 来店/購買促進 Web(有線接続)から購買促進 Web(無線接続)から購買促進 高い (難しい) 低い (容易) マ ー ケ テ ィ ン グ の 高 度 性 現在情報 (次世代) -位置情報 -状況情報など 行動特性 (第三段階) 購買履歴特性 (第二段階) 顧客属性 (第一段階) マス・ マーケティング ImaHima.com GM他 Firefly 他 ATT Wireless 他 BS Digital (2000.12月以降) (2000.12月以降)BS Digital DBMの 基礎情報 ヒット率DBMの 現 在 情 報 過 去 情 報 さらに高い 高い 低い 顧客との協調 が必要なレベル 他企業との協調 が必要なレベル 自社だけで 対応できる レベル (凡例) :多くの企業で試みられている形態 :一部の先進企業で試みられている形態 :ほとんど事例が無い形態 :一般的なDBMの領域 DBMの今後の方向性(B to C領域)
「企業間競争の激化によって生じる既存顧客の流 出を防ぎたい」、あるいは「既存顧客に自社の別の商 品を売り込みたい」など、既存顧客との継続的で良 好な関係を維持しつつコスト削減と売上増大を図ろ うとする企業が増えている。 新規顧客の獲得は、既存顧客の維持の10倍近いコ ストを要するという。既存顧客の維持と活性化は有 力なマーケティング手段であることが認識されつつ ある。顧客の獲得コストを比較すると、新規顧客開 拓よりも既存客の需要開発を狙う方がはるかに効率 的なことは明らかである。既存顧客の維持率が5% 向上すると、米国の自動車業界では35%、米国の金 融企業では75%の収益改善効果がある(野村総合研 究所)といわれている。既存顧客重視の戦略は企業 の収益改善に大きく貢献する。 これまでは、顧客とのチャネルがますます多様化 するなかで、既存顧客の情報を十分に活用する有効 な手段がなかった。今、情報技術の側から有効な ツールが提供されることで、突破口が開かれつつあ る。それがデータマイニングである。 データマイニングは、データウェアハウスに蓄積 された顧客データを分析することによって、大量 データの中から明確には見えない、法則性やデータ 間の因果関係、ルールを発見するものである。デー タマイニングの活用により、今まで時間と手間がか かりすぎてできなかった切り口で、効率的な分析が 行える。分析の精度も高い。分析結果をグラフで表 示して視覚的に検証しやすくしたり、マウスで簡単に 操作できるなど使いやすさも向上した。ハードウェア の低価格化もその普及を助けている。 なぜ今、データマイニングが注目されるのか。そ れは、データマイニングの活用で、「顧客ごとに購 入確率を算出し、潜在顧客を発見することで、成約 率が30%向上した」、「顧客の行動パターンや、購買 履歴を分析することで潜在ニーズを掘り起こし、ダ イレクト・メール(DM)・ヒット率が2倍に向上した」、 あるいは「DMの送付数を半減できた」といった成果 が報告されるようになってきたからである。 例えば大量の売上情報の中から、 「一定金額以上の商品の中で、同時 に購入される可能性が高い組み合 わせはどれか」といった法則性を自 動的に抽出できる。1人ひとりの顧 客の潜在ニーズを把握し、さらに 次の購買行動を予測することで、 的確な対応を可能にし、チャンス を最大限に活用できる。 従来膨大なデータを分析するに は、統計解析の考え方に基づいて 仮説を立て、何度も検証を繰り返 すなど、大変な手間がかかってい た。仮説を立てること自体が高度 な知識と経験が要求され、誰でも が行えることではなかった。データマイニングは、 そうした作業をほとんど自動的に行い、これまで一 部の専門家にしかできなかった、高度なデータ分析 を、誰もが行えるようにした。さらに言えば専門家 でさえも見つけられなかった傾向を発見することす らできる。 データマイニングによる代表的な分析事例は下表 のとおりである。 データマイニングには「分類」、「予測」、「判別」、 「相関」という4つの手法がある。このうち、予測と 分類は、顧客分析にもっともよく利用されている。 分類は、顧客のセグメント分析(グループ分け)に、 予測はランク付け分析(顧客の特定)に利用される。 各手法を簡単に概説する。 ◆分類−顧客セグメント分析(顧客のグループ分け) これは顧客データが持つ複雑な関係を、①購入特 性による顧客のグループ化、②購入商品による顧客 のグループ化、③購入時期(月、曜日、時間帯)によ る顧客のグループ化などに分類し、それを分析する ことによって特徴的なパターンを発見し、①明確な 顧客構造の把握、②重点顧客数の確認、③プロモー ション対象顧客の選択、④One to Oneマーケティン グの展開などを可能とするものである。 ◆予測−顧客ランク付け分析(顧客の特定) これは過去の実績をもとに顧客にランク付けを行っ て次のような顧客の特定や予測を行うものである。 ①優良顧客の特定:過去の実績から、次回の購入有 無を予測し、次回購入期待確率を算出すること により優良顧客の指標とする。 ②問題顧客(休眠、退会、解約、延滞)の特定:過去 の実績から支払滞納や退会・解約の有無を分析し て、延滞危険(解約危険)確率を算出し、問題顧客 (延滞/脱落顧客)の指標とする。 ③プロモーション対象顧客の特定:個々の顧客の DMによる購入可能性を期待確率や期待金額で評 価し、反応感度の指標とする。これにより、的 を絞ったDMや関係を強化すべき優良顧客の特定 ができる。 ◆判別 判別(デシジョン・ツリー)という手法は、データ を分割し、有益なグループを探し出すために使われ る。例えば、前回DMを発送した人で、発送回数が 10回以上の人は、どのような顧客かといった判別を 行うときに効果を発揮する手法である。 ◆相関 相関はバスケット分析とも呼ばれ、2つ以上の事 象の関係を探すために用いられる。「紳士衣料と子 供衣料を購入した人の70%は子供靴を購入する」と いったルールを抽出するものである。特定の属性を 持つ人や特定の行動をとった人が、次にどのような 行動をとるかという関連性を分析できる。 データマイニングは数値データを客観的に分析で きるという長所があるが、オフィス内で流通してい る情報の90%は文書である。こうした文書を分析し、 マーケティングに活用して、利益創出に結びつけよ うとする文書マイニングが、今、注目されつつある 文書マイニングはオフィス内の自然な文書を多次元 の視点から分析し、有用な情報(知識)を取り出すこ とを目的としている。従来のキーワード検索では、 キーワードの有無でしか答えられないが、文書マイ ニングは次のような機能を提供する。 ◆文書の自動分類 内容の同じ文書を自動的に分類する。例えば「品 質」に関する文書、「操作法」に関する文書、「サービ ス」に関する文書など。出現する単語の組み合わせ により文書を自動分類する。 ◆文書の自動判別 文書がある基準に合致しているか否かを自動的に 判別する。例えば、「要望」か、「質問」か、「苦情」か、 「感想」かを自動判別する。判別基準を特徴づける表 現から文書を自動判別する。 ◆類似検索 キーワードが一致しなくても内容が似ている文書 の検索。 ◆自然文検索:通常の日本語文書による検索 本システムにより、煩雑な文書管理、情報検索の 効率化はもとより、苦情処理の迅速化、相談・問い 合わせの充実、見込み客の発掘、生の声を生かした 商品企画などへの適用が可能となる。 (下図) UN
日本ユニシスのデータマイニングへの取り組み
日本ユニシス株式会社
第一ソフトウェアサービスセンター ソリューションサービス室長
松田 芳雄
顧客攻略の法則が見えてきた
真の顧客がわかる−データマイニングの注目理由
データマイニングの4つの手法
より柔軟で、自然なマイニングを
実現する、文書マイニング
文書分類 電話 Web 文書 アンケート 質問・相談・苦情・要望 内容による文書 の自動分類 ・性能に関する… ・価格に関する… ・サービスに関する… 文書判別 文書がある基準に 合致しているか判定 単語の抽出(単語分解→単語選択) ・苦情か否か ・要望か否か ・意見か否か 類似検索 キーワードが一致 しなくても内容が 似ている文書を検索 自然文検索 通常の日本語の 文書で問い合わせ ︰ ︰ キーワード データベース 文書マイニング・システム プロモーション対象領域の選択、DM配布顧客の選択 併買商品による顧客の分類 解約者の事前発見 初回および追加貸付の危険度判定 融資先企業の優良度(不良度)判定 営業店のグループ分類 効果の高い広告の特性分析 TV広告による資料請求数の予測 ポイントカードの効果分析 販売店の棚割と販売数量との関連分析 通販カタログの個別商品(色・サイズ別)受注数予測 日次の売上、出荷数量、利用顧客数の予測 テーマ 対象企業 分析概要 優良顧客分析 顧客プロフィール分析 解約分析 与信 貸付先診断 店質分析 広告効果分析 TVスポット分析 ポイント分析 棚割分析 DM受注分析 日次受注分析 通販、金融など 金融、流通など 電話、カード 消費者金融 銀行 銀行、コンビニ 化粧品 化粧品 広告、化粧品 小売 通販 食品、外食など 日本ユニシスの主な分析事例データマイニングとは、鉱山に見立てた大量の データから金に値する価値ある情報(未知のルール や法則など)を発見することをいう。例えば、自動 車保険会社が被保険者の年令、性別、地区、用途ご との事故率から保険料を算定したり、カタログ通販 会社が受注確率の高い優良顧客を抽出したりなど、 これまで専門家が統計解析ソフトを使って行ってい た分野である。 ユニシスでは、ダイレクト・マーケティング業界 をはじめ、金融機関や通信会社、旅客運輸などでの 長年にわたるデータ解析経験をベースに、専門家ば かりではなく現場の方にも使っていただける汎用的 なデータマイニング・ソリューション「MiningPro21」 を商品化した。 MiningPro21には以下の特徴がある。 ①分析手順のシステム化 利用者が自分で関数を組み合わせる必要がある従 来型のデータマイニング・ツールと違い「モデル作成 →推定→予測→検証」といった分析手順がシステム 化されており、専門家以外の方でも高度な分析が容 易に行える。 ②実績のある分析モデルを内蔵 分析モデルは、ユニシスがこれまで数多くのお客 様に対して行ってきたデータ解析ノウハウを凝縮し たもので、実践的な分析が行える。 ③簡単操作で直感的な分析が可能 基本的な操作はマウスだけ。データをロードした らツールバーのボタンを順番に選択していくだけで 高度な分析が簡単に行える。 ④分析テンプレートの提供 基本分析モジュールの上で稼働する分析テンプ レートは、各種業務で必須である分析をパッケージ 化したもので、分析の方針を確立できない初期段階 や初心者の方にも有効である。 MiningPro21では4つのデータマイニング機能を提 供している。 *分類(Clustering) (画面1) データをいくつかのグループに分類する *予測(Fitting) (画面2) ある値(連続量)の予測やYES/NO(二値)の判別を 行う *判別(Classification) データを分割して有益なグループを探す *相関(Association) 2つ以上の事象の関連性を探す この他に、データの特性を見るためのスプレッド シート分析機能、多彩なグラフ解析機能、カテゴリ 化などを行うデータ加工機能がある。 データマイニングで顧客の分類や特定を行う前に 「顧客を知る」という基本的な分析が重要である。 MiningPro21顧客分析テンプレート・シリーズは、顧 客分析テンプレートで「顧客の数を知る」、売上分析 テンプレートで「顧客と売上の関係を知る」、顧客リ ピート分析で「顧客の寿命を知る」、そして顧客セグメ ント分析で「顧客の購買力を知る」ことが可能である。 MiningPro21では、保守サービスや教育サービス の他に、お客様のデータを使った「データマイニン グ・サービス」を提供している。 (図) データマイニングを実行したい企業は確実に増え ているものの「顧客情報は蓄積したが分析の切り口 をどう見つければよいか分からない」、「顧客データ ベースをもっと効果的に活用できないか」といった 声が多く聞かれる。データマイニング・ツールは、 導入すれば直ぐに効果が上がるわけではなく、効果 を上げるには分析前のデータ加工を十分に行い、何 度もの検証を行って精度を上げるといったノウハウ が要求される。ユニシスではこうした分析ノウハウ を提供することで、お客様に短期間でデータマイニ ングの利点を享受していただきたいと考えている。 MiningPro21には基本分析モジュール、分析テン プレートの他に、文書マイニング・システムと需要 予測システムがある。 ◆文書マイニング・システム 文書マイニングには、同じ内容の文書を同じグルー プに分類する自動分類と、文書が「要望」、「質問」、 「苦情」など、どのカテゴリに属するかを自動的に判 別する自動判別がある。MiningPro21文書マイニン グ・システムにより、文書の分類や判別のルールが マイニングされ、各文書がどのグループに属するか を表す帰属度やどのカテ ゴリの文書かを判別する 確率が与えられる。これ により文書の自動分類、 自動判別を行うことがで きる。さらに概念検索、 類似検索、自然文検索な ど単なるキーワード検索 ではない高度な検索も可 能になる。また、最初に 分類の基準を人が与える のではなく、単語の組み合わせだけで分類を行うた め、分析する人の先入観や恣意を排除でき、自然な 分類を作ることが可能である。 文書判別は、判別確率のパターンにより判別の精 度(判別効率)を事前に知ることができ、信頼度の高 い判別が可能である。帰属度や判別確率による分類、 判別を行うため、より正確で実際的な文書の仕分け が可能である。 ◆需要予測システム 蓄積された実績データを基に未来の売上、出荷、 入荷などを予測するシステムで、SCMの中核的ア プリケーションとして利用できる。需要予測システ ムの特徴は以下のとおり。 ①多様な要因の取り込みが可能 日、月、曜日、祝祭日などの一般的なカレンダー 情報はもとより、予測対象特有の休業日、セール日 といった特殊な要因を取り込める。 ②変動要因の取り込みが可能 季節変動、気温、景気動向などの変動要因を取り 込める。 ③簡単な操作で分析が可能 マウスの操作だけで簡単に分析ができる。傾向線 の選択、異常データの排除は自動で行え、手動選択 への切り替えも可能である。 ④アプリケーションと予測モデルの分離 アプリケーションから予測モデルを分離したた め、モデルへの要因の追加やパラメタの変更といっ たチューニングが容易に実行できる。 *お問い合わせ先:Eマーケティング部CRM室 http://www.unisys.co.jp/MP21 [email protected] UN
特集.
CRMとデータマイニング
発見する能力をすべての人に!
データマイニング・ソリューション
「
MiningPro21
」
日本ユニシス株式会社
Eマーケティング部 CRM室 主任
松谷 博
MiningPro21の特徴
基本分析モジュール
顧客分析テンプレート・シリーズ
データマイニング・サービス
MiningPro21シリーズ
WindowsNT Server/Workstation4.0以降 Pentium IIプロセッサ以上 32MB以上(推奨128MB以上) 100MB以上 OS CPU メモリ ディスク 画面1 分類(Clustering) 画面2 予測(Fitting) テスト分析サービス ■分析のテーマが定まらない場合や分析の効果が不明な場合、デー タをお預かりして分析結果を報告する ■3∼4週間の短期間で行い、以後の分析方針を決める資料とする 初期モデル構築サービス ■業務が固定している場合、初期分析モデルを構築し納入する ■その後の運用方法やモデルの改良方法などを教育し、以後お客様 が自営する 分析業務請負サービス ■データをお預かりし、弊社環境にて分析を行い報告書を提出する ■プロモーションや販促活動など行動に必要なデータも必要に応じて 納入する コンサルテーション・サービス ■一定期間契約し、発生した課題に対して分析方法を指導する ■作業自体はお客さまが行うが、必要に応じて分析作業も行う アウトソーシング・サービス ■データベースの運用、定型分析、非定型分析など、分析に関わる一 切を請け負う ■データベース更新、定型帳票の他に、要求に応じて分析・検索結果 の提出、DM配布リストの出力などを行う データマイニング・サービス 稼働環境長引く不況の中で、企業戦略はこれまでの量的拡 大から利益指向へと転換が図られている。マーケティ ング施策も顧客の生涯価値の拡大を図るべく、顧客 とのリレーションシップ強化へと転換しつつある。 こうした狙いを推し進めるためにCRMを導入する 企業が増えてきた。顧客との取引状況を把握し、顧 客1人ひとりのニーズに的確に対応して、顧客のロ イヤリティを高め、優良顧客に育てていく動きであ る。その実践には、顧客取引データの分析に基づい たマーケティングの展開がもっとも有効な手段であ る。銀行系クレジット・カード会社の最大手、さく らカード(株)では、One to Oneマーケティングを目 指し、蓄積された顧客データを的確に分析するため に、今回データマイニングを導入した。 日本でのクレジット・カードの誕生は30年前。現 在、日本国内で、約2億5,000万枚のカードが発行さ れており、20歳以上では1人2∼3枚のカードを保有 している状況にある。最大の会員数を誇る銀行系を はじめ、流通系、信販系、石油会社系、消費者金融 系、外資系等々に加え、他業種からの新規参入も相 次いでいるクレジット・カード業界では、熾烈な顧 客獲得競争が繰り広げられている。一方利用者側に も保有カードを整理し、利用するカードを絞り込む 動きが見られるようになってきた。 こうした状況を勝ち抜くために、同社は従来の “マス・マーケティング”から“パーソナル・マーケ ティング”への戦略転換を早くから指向してきた。 95年7月には超並列コンピュータを用いて、膨大な 顧客情報をさまざまな切り口から検索・加工する情 報系システム(データウェアハウス)を構築してい る。その後も会員のカード利用の分析を通してデー タベース・マーケティングを実践してきた。 このデータウェアハウスには、371万3,000会員 (2000年3月末)の属性データ、カード利用データ 等々が蓄積されている。 同社は2000年3月にこのデータウェアハウスをよ り効果的に活用し、各種の戦略的なマーケティング 施策を展開していくためのツールとし て、日本ユニシスが提供するデータマ イニングソリューション「MiningPro21」 を導入した。その狙いは次の諸施策の 実現である。 ①カード利用率アップのための利用促 進策の支援 ②各種DMヒット率の向上 ③退会防止 ④カード利用状況分析によるクロスセ ルの推進 ⑤イベント応募者分析によるオリジナ ル企画の立案支援 ⑥アウトバウンドDM対象者の絞り込み データマイニング・ツールとして「MiningPro21」を 選定した理由について、マーケッティング企画室 部長代理 沖ノ井 胞吉氏は次のように語っている。 「過去にデータマイニング・ツールを導入したが、 十分に使いこなせなかったという苦い経験がある。 その教訓を活かして今回は約6カ月にわたり、メー カー系、マイニング専門系など6社のデータマイニ ング・ツールを機能、価格、定常業務利用、コンサ ルテーション力の面から総合的に判断し、Mining Pro21の導入を決めた」。主な理由は次の点であった。 ①初期導入価格が妥当で操作性にも優れ、定常業務 への適用が可能である ②初心者でも扱える顧客分析、売上分析テンプレー トなどが用意されており、早期に分析が行える ③導入に先立ち、テスト分析を依頼したが、短期間 で、期待どおりの結果が得られた ④日本ユニシスのコンサルテーション力を評価した 常務取締役室長である安 眞司氏は、「当面の課 題の1つは、371万3,000会員のカード利用率アップを 図ることである。それを効率的に進めるツールとし てMiningPro21を積極的に活用していきたい。その 専任組織として本年4月にマーケッティング企画室 を新設した。分析結果を最終的に判断し、戦略展開 に活かすのはマーケッティング企画室のメンバーで あり、データマイニング・ツールはその判断をより 正確に導くものである」と語っている。 同企画室では、データマイニング・ツール活用に よる期待効果として、 ①DMヒット率向上による「DMコストの削減」 ②退会へつながる会員を事前に検知し、利用促進施 策実施による「会員減少の阻止」 ③入会チャネル別利用状況/退会分析による「有効 なチャネルの選別」 ④カード利用促進対象顧客選別による「利益の極大 化」 ⑤データ分析のスピードアップ化による「さらなる ビジネス・チャンスの拡大」 を挙げている。最終的にはデータマートを構築し、 各種の定常業務にデータマイニング手法を採り入れ たいとしている。 本格的な活用に向けて、これまでのMiningPro21 の活用を同社では次のように評価している。 ①データをロードさえすれば、簡単な操作でマイニ ングを実施でき、分析結果も分かりやすい ②マイニングを実施する前段階として、スプレッド シート分析が行える。これを利用しスプレッド シート上でデータセット値を参照しながらデー タの持つ特性を把握できる ③分析結果をグラフ化して視覚的に傾向を捉えるこ とができ理解度が深められる ④分析結果に基づくデータからDM対象者データを 抽出することが予想以上に容易で、マイニング 分析結果を受けたDMを簡単に実施できるように なった なお、さらなる操作性の向上を目指して、データ の前処理機能・編集補完機能を充実してほしいとの 意見も寄せられており、現在日本ユニシスではオプ ション・ツールの開発を進めている。 UN 業務システム 外部データ 超並列コンピュータ 情報系システム データ ウェアハウス (約700GB) 顧客情報 取引情報 キャンペーンDB ・ ・ ・ レスポンス結果の検証 情報系端末 データ加工 分析結果 情報系端末 データベース マーケティング ⋮ NTサーバ MiningPro21 分析テーマ PentiumⅢ550MHz×2 メモリ2GB HDD 100GB×2(ミラー) データ マート Oracle8 ●各種プロモーション実施 (DMの送付など) ●商品/サービス戦略の立案/実施 ●チャネル戦略の立案/実施 ・基本モジュール ・顧客分析テンプレート ・販売分析テンプレート *顧客分析 *顧客セグメント *金融商品の 対象顧客選択 *退会者分析 *その他各種分析 ■さくらカード株式会社 http://www.sakura-card.co.jp/ ◆“さくらの花”同様、日本を代表する、さくら銀行 グループのクレジット・カード会社として371万3,000 会員を擁しており、国内はもとより海外でも利用で きる「UC-VISA」、「UC-Master」、「JCB」の3種類のク レジット・カードを発行し、時代の変化に合わせて常 に質の高いサービスと機能を提供するリーディング・ カンパニーを目指している。 ◆所在地=東京都中央区日本橋堀留町1-8-12 ◆代表者=山ì 勝彌社長 ◆従業員数=487人(2000年3月末) ◆会員数=371万3,000会員(同) ◆取扱高=4,895億円(同)
さくらカード
データマイニングの活用で戦略的マーケティングを展開
「パーソナル・マーケティング」を目指して
顧客指向の徹底に向けデータマイニングを導入
カード活性化の施策を相次ぎ展開
高度な顧客分析を容易に実現
顧客分析に取り組むマーケッティング企画室のスタッフと 安 眞司常務(前段中央)、沖ノ井 胞吉氏(前段左) 会員とのコミュニケーション誌「さくらマガジン」機能、価格、コンサル力など総合
的な評価から「MiningPro21」を選定
データマイニング・システム概要図金融業界における規制緩和やITの発 達は、他業態からの参入、業務の再編 成、新商品の開発を促進させるととも にデリバリ・チャネルや決済手段の多 様化をもたらしている。 旭川信用金庫では、こうした金融環 境の変化を見据え、本年度を最終年度 とする長期経営計画を策定、その中の 柱の1つとして業務改革および企業内 情報化の革新を目指す「業務改革プロ ジェクト」を立ち上げ、次のような施 策が推進された。 ①情報インフラとしてLANを構築し、 パソコンを活用できる環境に整備 ②集金業務中心の渉外活動から融資渉 外活動への移行のため、それを支援 するC/S型の情報系システムの構 築 ③最新ITを活用したデリバリ・チャネ ルの拡充 などである。 このプロジェクトに基づき97年4月 にLAN/WANを構築、PC活用環境が 整備されたことに伴い、新渉外活動に 向けたC/S型の情報系システムの構 築が進められた。 その構築理 由として、事 務グループ事 務担当部長 村 松 宏紀氏は、 次の点を挙げ ている。 「従来のメインフレーム上に構築さ れた情報系システムの維持管理のため には、①情報の抽出条件や集計項目の 変更が発生するたびに修正が必要とな るなど、プログラムの開発、保守およ び運用負荷が大きい、②利用者が検索 可能になるまで時間がかかり、検索結 果のレスポンスも遅い、③検索結果が 固定的であり、検索結果などの情報の 再利用ができない、④個人や営業店保 有情報が共有 化されていな く、一元的デー タ管理ができ ないなどの問 題 が あ っ た 。 これらの問題 を解決できる も の と し て LANによる情 報インフラの 整備を機会に C/S型の情報 系システムを 構築すること になった」。 同信金の情報系システムは、大きく、 次の「汎用顧客照会システム」と「新渉 外支援システム」の2つに大別できる。 ◆汎用顧客照会システム 既存のメインフレーム上で稼働して いた情報系システムの顧客管理機能を C/SSとして実現したもの。つまり、 ホストの2200シリーズで保有する顧客 明細、口座明細、およびバッチ処理に よる各種計数情報、時系列情報を、 Windows NT搭載のセンター・サーバ (Aquanta HS/6)へファイル転送し、 RDB(Oracle)にて月次(月末時点)で保 有する。 これらの顧客に関するデータベース を用い、各営業店および本部各署に設 置したクライアントPCから、利用者 自身が、汎用検索ツールBusiness Objects(BO)を使って汎用・定型検索や 帳票作成を行う方式に変えた。 この汎用顧客照会システムの活用に よって、RDBやSQLの知識がなくても、 PCのマウス操作だけで、視覚的に検 索データの二次加工が可能となり、営 業支援、本部業務支援を一段と充実さ せた。また、次の新渉外支援システム での見込み顧客の抽出も可能とした。 ◆新渉外支援システム 既存のハンディ端末による集金主体 の渉外活動を中止して、PC活用によ る情報渉外に移行させ、顧客深耕、契 約成立を支援するシステム。 各渉外担当者は、朝一番にPCに、 訪問予定先の顧客情報をセンター・サー バから取得。各担当者は日中に、PC で軒情報、顧客情報、訪問情報、成約 情報などを更新し、帰店後、センター・ サーバへ送信して当日の更新データを 店別差分する。 訪問履歴(会話メモなどを含む)は、 過去5年分をセンター・サーバ上に保有 し、いつでも参照できるとともに、担 当者間での引き継ぎ情報としても活用 されている。 見込み顧客および成約情報について は、本部クライアントPCよりセンター・ サーバ上の計数化された情報として検 索できる。 また、訪問履歴、満期明細、訪問予 定などセンター・サーバ上で共有され る情報は、本部クライアントPCより 全店ビューで参照・検索できる。 このように渉外活動情報を支店内お よび本部で共有化することにより、渉 外担当者が1人で1顧客に対応するので はなく、上位管理者、本部営業部門と のチームセリングが可能となり、顧客 深耕や成約率向上に専念した新渉外活 動への移行を実現させている。 【特 徴】 その特徴は、次のとおり。 ①メインフレームの全顧客情報をセン ター・サーバ上におき、そこから支 店ごとのBOを使用した条件検索結 果から訪問予定へ反映することがで きる ②管理軒を一定の条件で選定し、月次 で見直したり、顧客から直接入手し た情報を基に効率の良い訪問ができ る ③収集した家族情報、見込み情報、訪 問履歴などの最新情報をセンター・ サーバ上で日次更新することによ り、本部からの全店ビューで照会が できる さらに、99年度からは新渉外体制の 確立のみならず、自動機器や最新ITの 積極的な活用による新営業体制の確立 が重点施策と打ち出された。 その具体的施策として、デリバリ・ チャネル・シフトを実行することにな り、昨年度はATMを12台増設し、個 人顧客はATM、法人顧客はFB(ファー ム・バンキング)利用への積極的な誘導 が実施された。 そして、本年4月からは、“ハローダ イレクト”と称するテレホン・バンキ ング、インターネット・バンキング、 モバイル・バンキングのサービスを開 始した。 これは、顧客が自宅や会社で保有し ているプッシュ機能付き電話、パソコ ン、iモード対応携帯電話機から、電 話回線、インターネットを使って、残 高照会、入出金明細照会、振替、振込 などを可能としたもの。 今、話題のオンライン・チャネルを 利用したネット・サービスの先駆けと して注目を集めている。 UN
旭川信用金庫
預金金利、取扱業務の自由化、商品サービスの多様化など金融環境が激変 する中、信用金庫業界は、それに適応したシステム対応が重要課題となって いる。旭川信用金庫では、金融新時代に即応して、C/S型の情報系システム を構築し、融資渉外を中心とする新渉外活動への転換を図っている。また、 本年4月からはテレホン・バンキング、インターネット・バンキング、モバイ ル・バンキングをスタートさせた。ここでは新情報系システムを中心に、同 金庫の最近のシステム化への取り組みを紹介する。 ◆顧客本位主義を徹底し、地域に根ざし た「ベストしんきん」を目指して、地域 産業・経済の発展、社会福祉、文化向 上に積極的に取り組んでいる地域金融 機関。 ◆所在地=旭川市4条通8丁目 ◆代表者=松田 忠男理事長 ■旭川信用金庫 ◆預金量=4,629億900万円 (2000年3月末) ◆店舗数=35店(同) ◆役職員数=375人(同) ◆使用機種=エンタープライズ・サーバ 「UNISYS2200/5422」、「UNISYS A7/211」、「UNISYS RX7000」ほかC/S型の情報系システムの充実で新渉外を積極展開
テレホン/インターネット/モバイル・バンキングもスタート
金融ソリューション
業務改革プロジェクトの推進で
企業内情報システムを刷新
新渉外活動に向けC/ S型の
情報系システムの構築に着手
勘定系ホスト 2200/5422 Aquanta HS/6情報系サーバ 人事情報サーバAquanta DM/6 印鑑照会サーバ ノーツ・サーバ 本部クライアント 営業店 集中部門 INS64 営業店 クライアント 渉外担当者用クライアント テレホン・バンキン グ用サーバAQUANTA ES2000 FAX情報用サーバ
テレホン・バンキング用 クライアント 本部
時代に先駆けインターネット・バンキ
ング、モバイル・バンキングも開始
村松 宏紀氏 旭川信用金庫本店 情報系システム概要図東舞鶴信用金 庫 理事長 田中 幸男氏は、「阪 神・淡路大震災 の 経 験 も 踏 ま え、地域におけ る金融機関の社 会的責任を鑑み、2000年問題対応を契 機に今後の危機管理の見直しを全職員 に徹底した。コンピュータ・システム は金融機関の経営活動の根幹を成すも のであり、システムの安全対策は重要 な経営課題であるとの認識から、継続 性かつ拡張性に富んだ危機管理システ ムの構築を目指した。その甲斐もあっ て、今年3月金融監督庁の検査におい ても、危機管理に対して万全の対策が 講じられているとの高い評価を得るこ とができた」と語っている。 同金庫では、2000年問題対応は96年 から着手し、98年11月には完了してい る。時代に先駆けて89年から、日付 データを西暦8桁管理してきたことで、 2000年問題の早期対応が実現できたと している。 また、将来のシステム開発の容易性 を視野に入れ、開発効率を考慮した着 実・確実な積み上げ方式によるシステ ム開発に取り組んできたことで、結果 として資産継承を実現するとともに、 危機管理システム構築にも全力を傾注 できたとしている。 危機管理対応CSSは、同金庫が加盟 する信金大阪共同事務センター(以下 「共同事務センター」と記載)の基幹シ ステム(加盟金庫の勘定系オンライン 業務などを実施)の勘定系オンライン 補完システム・ホストとして導入した ClearPathサーバ「HMP NX4221-111」(98 年3月設置、「UNISYS A4-DX」から移 行)上で開発した。 開発は、理事事務部長 木下 洪志氏 の下、事務部 次長 岡本 芳男氏(開発当 時電算課長)と電算課の上西 正之氏(98 年4月入社)から成る開発チームにより 99年8月から実質わずか3カ月で完了、 危機管理オンライン・プログラム群を はじめとするシステムの独自開発を行 い、日本ユニシスがこれを支援した。 なお、同金庫からは「日本ユニシス のSEによるきめ細かなサポートや教 育サービスを高く評価している」との 声が寄せられている。 今回のシステム構築に当たり、クラ イアントPCを全店設置し、また、本 部並びに各営業店のLANを結ぶ高速 WANについては、日本ユニシス/ユ ニアデックスの提案に基づき、最新鋭 の D A ( デ ジ タ ル ・ ア ク セ ス ) お よ び DR(デジタル・リーチ)64高速回線を採 用した。 ハ ー ド ウ ェ ア 面 で は 、 H M P NX4221‐111をサーバとし、本部・本 店並びに各支店に設置のWindows NT PCをクライアントとしている。 ソフトウェア面では日次データ処理 を中心とした「バッチ系」、月次データ 処理を中心とした「オンライン系」(い ずれもHMP NX4221‐111のMCPノー ド側で開発)から成っている。 このシステムは、共同事務センター において発生する可能性のあるセンター 障害の際に、復旧までの間、顧客に対 する必要最小限の対応を支援するシス テムである。 すなわち、共同事務センター オン ライン障害時における取引先顧客の要 求性預金の出金などの取引要求に際 し、障害復旧までの間、前日時点での 該当顧客口座の残高照会を同金庫職員 により可能とするものである。 システムの概要は、同金庫の顧客の 日次ベースでの預金残高データを共同 事務センターからF転サーバ(ファイル 転送サーバ)経由で入手し、 ①バッチ系、オンライン系の 双方で既存の共同事務セ ンター返還MTによる月 次データとのマージ ② オ ン ラ イ ン 系 で は InfoConnect通信にてPC でのオンライン照会 ③バッチ系ではExcelファ イ ル 形 式 に 変 換 の 上 、 PCへ回線経由で自動電 送(FTP送信・ダウンロー ド)し、Excel上でのオフ ライン照会などを可能 としている。 (図) このシステムにより、 共同事務センター障害時 でも、補完システムが稼 働していれば顧客索引簿 がなくてもオンライン系 から顧客名寄せ照会・前日 残高確認ができ、万一補 完システムに障害が起き てもバッチ系から提供さ れたExcelデータによる前 日残高確認ができるとい う、二重のバックアップ 体制となっている。 また、独自データベースより、例え ばワイルドカードによるカナ氏名オン ライン照会・検索などが可能な独自の システムを構築している。 専務理事 末次 博明氏は、「小 規模とはいえ、 金融機関にとっ て、万一のシス テ ム 障 害 時 に も、地域のお客 様に迷惑をかけずに迅速・正確に対応 することが重要なサービスの1つであ る。今回開発した危機管理対応システ ムは、お客様に安心して利用できる地 域金融機関としての存在意義をご理解 いただける良い機会になると認識して いる。また、今日の情報化社会におけ る課題の1つであるシステムの安全確 保の面で、今回のシステムは自己防衛 策として効果を発揮すると思うが、一 方でウィルスやハッカーなどへの対応 策として法制化の整備など、国全体と しての積極的な取り組みも期待した い」と語っている。 同金庫では今年7月13日に創立90周 年を迎え、各種記念事業などを予定し ているが、地域の発展に一層貢献し信 頼される金融機関を目指し、今回構築 した基盤をベースに、今後もグループ ウェアによる情報伝達・蓄積・共有など を通じた業務改革、その他事務効率の 向上などのシステム面からの施策を、 順次実施していく方針である。 UN は新規に構築したもの UNISYS NX4221-111 (WindowsNT Server4.0) FTP ファイル (日次・新日次) (FTP送信) (MCP) データ変換 プログラム群 一般 ファイル 日次更新 プログラム群 日次 データベース 要払性危機管理系 (バッチ系) 危機管理データ プログラム群 Excel用 ファイル 〈同じ形式〉 月次 返還 テープ 月次DB プログラム群 月次 データベース オンライン系 危機管理オンライン プログラム群 センターLAN 全店 ローカル LAN/WANネットワーク F転サーバ INS64 共同事務センター (神戸) 本店 本部 危機管理 オンライン照会 (本店・本部) Excelデータ(伝送) (本店のみ) 各支店 危機管理 オンライン照会 Excelデータ(伝送) (FTP送信)〈日次データ処理〉 〈月次データ処理〉 (InfoConnect通信) (FTP送信) センタールータ