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水田裏作の経営経済的研究(第1報)--水田裏作における「水」の制約作用について(2)---香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

磨紬 香川県立鹿科大学学術報領

水田裏作の経営経済酌研究 (欝1報)

−−水田裏作における「水」の制約作用についてほぃー・−

森 和 男

odble−CIOppingin thepaddy・/field.(PartI) Ontherestrictive effectof“water”onthe double・CrOpplnginthepaddy−field

ByX㌶uOMORI

(Received AllguSti3,1954) 次 いて 第1項 寡作物の収益性阻及ばす水の好守紅 ついて(以上第5巻第3号) 第2項 家作物と賽作物との経嘗質紫の利用 第5節 日 筍1節 課 題 肇2節 水田寡作を制約する諸賽因 −一時殊制約要因の抽出鰍 第3節 経常的にみたる裏作⊥般の制約機構 に.ついて −一考察方法の検討・・− 常須酢=氷由喪作め殖対韓有利性た及嶽す「■丸j 第革項′表作物ノ塾裳作物と三甲経常濁熱鱒利用弟同関俸鞍農ぼす水中夢響粧?い 次に凍E日貨作妃お・げ沓滞痍貰因直し宅、の氷が凌作∴掩 塗の関連にごおいでみた場各J家作物と

褒作物

について考察を進めよケ. 1く∴′土地利拇共南関働と 二毛作における表作物ど襲作物ど砂聖地利府共同の蘭係にぬ大別じ宅次の霊つの側面が考えら れるであろう.(駐1)即ち,その一つほ表作物と袈作物と.の在岡持期及び期間にかかわる土地の相互 的利用関係,換言すれぼ土地の時間的・空間的利用紅おける共同関係であり,他の・一つは土地の豊 沃性の利用に.おける相互関係,換言すれば地力利用払おける共同関係である・ まず第一一・の関係について. 作物が気温や日照時間や降水鼠特に積雪等の気象要素の影響によって,その生活期間を輿濫して くると云うことは云うまでもなく,本邦の東北部に.進むほど表作物稲と裟作物菱と.の在前期間の接 触重金が著しくなってくることほ,第4表にみられる如くである・(荘2) ところで,やゝかる作物の在周期間の接触重合がある場合,こ・れを同一瀾場に結合作付けして多毛 作化をはからんとするならば,在圃期間の短かい品種を選択するとか,いづれかの作物の早刈り, ●●●● 早掘りとか,播種・植付の遅延による在圃期間のくりさげとか,若しくほ.一時的間作形式をとるこ とによって婁合を廻適すること.が必葵となるであろう・ 従って問題は,水田姦作に.おいてこのような方法による作付集積を畑の場合と同じようになし得 るであろうか,と云うこと.永田裏作における永の介在は,この間に.あってどのような影響を与え るかということになるであろう.

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欝6巻 し欝3骨(1955) 欝4儀 地域別にみたる水稲と麦の在団知歯の接触富合関係 251 一■一−… 収 穫 期

水 稲 収穫期

播 種(移植) 期  ̄

示「妄「盲「忘丁有言首

司高粛靂 安 移櫨期lラ§ (裸 変)

月 叫 月 叫月 叫 月 叫 月 別 月.日

月 日 6.15 ′億羽132号)

8.5 (男 爵) 10 5・ 0 0 0 2 3 1 930 青 森 宮 城 山 福 島 富 山 福∴葬 島 根 栃木 神奈川 長 野 岐 卑 0 2 0 1 1 5 l■′ 宿坊孟写ち‡(ノ割酎2箋ヂ 、 1 − 8・爵 8・爵 男 男 ︵ ︵ 0 0 9 1 1 6.25 (腱韓17号) 6.30 (旗杯50号)

6.25 (藤林24号)

(福坊覧)5i(会津4 1:二;;仁1;;:巨∴ 6.10 (棲羽132号j 5 30 (新石自) 6.1 (蒙坊窒) 6.20 (農林6号) 6.20・)6 30 (俵林10琴) 6.2頃

(農林8号) 7.1 (農林17骨)

6.2( (腱杯ユ0写)

(関 ∼上 下11 、 L 6ユ( (藤林25別宴 6中 1 (農林50蔓)i 〇. 5 2 (気高六角) 5TF万′6止 (関取1号) .−. 感 0 1 4 1 頃 l l 1

6.15噴 (農林50・写)

5 5 1 1 l 0 中︶ 7爵 男 、U 1 〇. 2 0 2 0 1 6ノ.12! (農林26号)j 6.146,148 (農林53賢)5(濃杯9うヲう 5 6.5 (実演 0 3︶ 6・ 知 懐 6.1 (横 綱) (6∫l) (大阪奴52▲写う 北部(6、キ0) (早生坊主) (6∴ヒ) 自 (徳島愛) 0 1 1 1 0 2︶ 6丸 紅 ≡

当画

愛 犬 1 1 0 2︶ 軋爵 6.25 0 ′ 2︶ 旭 −﹂ ﹂U 岡 q,20 (髄林52号) 0 1 1 上︶ 5漁 労

601】り10

6・3へ・′61121 (農林52せト 】 1 5・31嘲 (農林20号ト 1 7 (江島神(伊勢黒, 5・27繊 (贋杯20号)

6−.25 徳島㌻(琵稲1草)

(声) (栄 r 6‖30 山) 2 2 3 <u 9 1 ∩Ⅵ 1 佐賀皇(神 (5・30) 630 鹿児島廊18別(鎌折1号)

・)

高知(鰍(

5 0 け 〔一家註〕(11本表ほ昭和芦2年12月末日現在をもって,全国都道府県燐業試験琴より 国都道府県別耕電概要資料」(駄林省廃業改良局研究部,昭和25年8月 跡の ちノ、も 表 「代表作物品種ガすの ある. 激増季節.反収・作付比率」表より作付比率の凝大なるものを抽出

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252 香川県立農科大学学術報告 これを結論的に・云えば,水田裏作に.おける水の介在ほ水田に対する作付集積を畑の場合に放して

●● より困難にしていると.云えよう・即ち水田裏作匿おける水の介在は一時的間作形式に.よる作付集積

を困難とするとと,従っでこの場合には作物の在魔期間の移動を必要とするが,これがまた在圃期 移動紅伴う 受けるからである. 第5襲 岩手県南部平壌地帯の代表的作物の在団期間 作物名 一 種 挿穏月 日 移植 月く日 収 穫 月 日 反 当 収 屋 石 2“20 月 日 月 日 4り10∼4.20 (4…20∼4.25) 10.10 (9、25・・ノ10‖10) 5.30 (5.20∼5−30) 4.20

5月下旬′−6月上旬 (6.25∼6い30)

陸 羽132号 岩手大麦30号 (水田裏作用) 深 男 爵 岩 手 岩手メソ〃.エア リ2号 頗 林10 号 水 稲 大 変 大 豆 馬鈴著 甘 藷 大 変 小 変

岩手南部平坦地方

竃 0 0 ︵U O O O 膏 ﹂ 35 29 石.〇 凋 2 弓1 3 1 10.10 (9.25一・ノ10い10) 10..5 (920′)10・10) 〔.家註二1(1)本家ほ「全国都遷府県別新種概要資料.」(農林省農薬改良局研究部昭和25年8月31日刊)P,7∼14の 岩手県の部より作家した∩ し2J本家における上段の月日は・− 当該地方における・−・般的な「代数作物品種別の敷培季節・反収」を示 したものであり,下段()内の月日ほ… 喘載せる場合の作業期間の幅を示したものである. 以下若干の事例についてこの点をみよう・第5表ほ.裏作の限界地帯に属・する岩宇照南部平埋地帯 における代表的な作物の在国期間を示したものである・ とこケで本表において注目されるのは,岩手南部平坦地方に・率いてほ,稲と大麦も・大豆と大麦 もともに.在圃期間の重合がみられるのであるが,この場合水田裏作においてほ麦の前作稲を早く収 穫し,麦の品種を若干早熟の品種乾かえ,稲を晩椅することに・よって,早酪一大麦一晩植稲一休閑 と云う2年3毛作の形でわずかに成立している(昭和26年における岩手県の裏作麦類の作付面積は 860.rl町で給水田感積の0.58%)(註3)のに.対して,畑においてほ,安,大豆の各々を一時的間作と することによ・つて,大豆一大変一大豆・……の1年2毛作が成立して−いることである・また同じく 西自本における水田琴作の限界圏をなしている広島県山間部に鳳する同県神石郡高蓋村の−一儲査農 家における作付事例を示すと第2図のようであって,永田裏作としてほ在国期間の重合の少ない大 変・ナ・タネが小面積宛作られているに過ぎないのに対して,畑作においてほ在闇期間が完全軋重合 するタバコ・翼大豆・コン∵ニヤク・百合などが−・時的間作形式をとることによって麦作と結合作付 けられ,1年2毛作として作付集積が行われていることである・(註4)

しかしてこのことほ,畑作の場合においては夏作物も冬作物も,ともに同じ畑作物であって,−

賞した乾土耕作であるために.,一・幡的間作形式によつて在国期の患合を克服することができること を示している.さらに煙草に激する麦作の如きほ防寒・防風に役立つ保護作物(n11工Se CI・Op)とし ての役酎をも果している意味に・おいて,冬作物と夏作物の一部ほ補完関係を示しつつ,面積利用共 同から出発する.ことによって土地の蛭間的利用共同を実現しているのである.しかもこ

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欝6巻、第8号(1955)

欝2図 広島県山間部,高蓋村の一一調査農家の作付事例 253 2 1 3 1 4 5 1 6 暮 7 l、8 卜 9 110 111 6。8一一−12 7石) 10.27∼11,.3

・:・・‥・∴‥∴・・∴‥・・・.ご一‥・‥‥、・i・ミ‥∴ご・・:−‥・・・こいト・・_.

6い7′〉8 10..28 :− こ;・・.●∴i■…∴ −i・・・・ミ 10.3011.18 . ナタネ 田 0.6反 ・:∴ニ.・ニ・‥、∴′㍉ 一・− 10.26 10.28 大 変(倍取)03反(1・3石) 67′叫・′8水 稲(濃林儒)0・3反 ’−−」l■▼∴、、■  ̄ ’■■■− ̄ ̄、▼ ̄ ̄l ̄、 ̄l、 6.12 大 麦(倍取)0・5反(2・0石)  ̄ ̄膚 ̄ ̄■→ 6.7 タパユ(備後葉) イーーノー_∵_ 【 1 劇_...__r._.+_._ 小変0.5反 5120 05反(50雷)臥20

5上 夏大豆0.5反 二 ・−・.−、−こ一二∴….‥._.、∴.−−、・チ・・一

大 麦(倍取)0・6反 一旧__ ____▼______−_・−づ■←+++_ ト■.+∵ 大 変 617 大豆0・1反(1一0石) 「 一一ケ←・ ′ 10,15 10り20 大 変 0・3反 .__.い ‥lt∴・:∴l■・ ■−− 4下 コン∵ニヤク0.1反 _∵∴+∴+・−・ト 10‖20 6.20 10い22 小 安 大 豆 0・45反 −一斗 11上 エンドク(絹爽)0・05反 (9月20日採取始む) 11.6 く ̄_−−−−一 ■__■_J−ナ 大 麦 10.20∼・25 哩→8‖20 大 麦 0,2反 首,合 20歩 大変 0石) 10り10 ・ _ 大 麦 0.5反 ・・・ 10・17∼25 (別庭眉家用ソサイ園0い2反) 620 甘藷(高系4号 〔泰註〕本家は「広島県山間琴平おける水田真作の研究」86頁既家Bの事例である・なお収監ほ総べて反当収恩を示す た畑においてほ.在団時期及び期間を異に/する多くの畑作物を任意に・組み合わせる可能性が大きいこ と,従って夏作物(表作物)と冬作物(裏作物)との交替期を概して広い範囲に・おいて選択するこ とが出来易いことを示している これに対して.水田裏作では,湛水耕作を行う水稲が表作物として固定している限り,畑作物たる 褒作から表作への推移ほ,乾土耕作から湛水耕作への転換であると云う意味で,畑の場合に・みられ るような−一・時的間作形式による作付集積を行うことが不可能であり,作付集積のために・は在同期の 移動そのものを必要とすること.になるのである・ここに在闇期の移動に伴う減収の問題が特紅重大 となるとともに.,限られた短期間のうちに乾土状態から温水状態へと,水田の状態を急速に=転換す るために要する労働の集中と水利関係がまた問題となるのである かかる事情を上掲の岩手県の事例紅ついてみてみよう・第6衷ほ水稲,大麦,大豆,稗の播種期 乃至移植期別の収量及び前後作に・及ぼす影響を示したものである・・本家紅よれげ畑に∴おける大豆・一 変−一大豆の1年2毛作は,一・特約間作形式をとることに・よってともに・両者の適期播種が可能にさ れている。これによる慈影響としては,大安挿穫の最適期の9月25日に大豆の間に安を播いた場 合に「麦の生育に障あ、り」とされている程度である・これに対して,水田裏作における水稲と大 麦¢関係にあっては,裏作麦の適期播種を確保し,しかも「表作水稲挿秋期に障が軽度」である ようにするために.は,大麦を9月25日持とする必貰があり,またそのために・は「前作水秤は早生を

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香川県立農科大挙学術報告 第6表 播種期′・移植期別収量と前後作物に及ばす影響 収穫期の相異と後作物の播種期 との関係 後作安10.10以前に播種可能 同、 上 後作変の播種は水稲早生種なれほ 可能 後作麦の播種は不可能 播種期の相異と前作物の収穫期 との関係 前作安生背中 前作安虫省車 前作変成熱凍 品 質 水 稲︵昭、七︶ 出穂覿遅延 育米多く不 良

7−1刈取永稲薄播●倣備瀾

挿秩の適期6、月10什 大 麦︵昭、山九︶ 後作水村は早生を選ぶ,畑作前 作物穆に影響なし,前作大豆に も彩響なし,但し変の生育に障 がある 後備水稲は中生を選ぶ,前作 稽に影響なし,前作大豆にも 影響なし,但し愛の生育に障が ある 後作水稲は中生を選ぷ,ノ畑の前 作物に影響なし 前作水将に中晩生を選ぶ,畑の 前作物に影響なし 家作水稲挿秋期匿障が軽度 鯨後作大豆の播種に障なし 家作水稲の挿秩に.障梢多い 後作大豆の播種に障が軽露 9 25 10小10 1020 10′30 象作永稲の挿 畑■作大豆の挿 家作水稲の挿 畑作大豆の播 ーV、レ 多多 いいだだ 多多甚甚 一ゝユニュ+′、 一ゝ カ、刀,刀力 障障障障 にににに 秩種紋榎 月 10日を限穿とす 播種の適期は10 後作麦の播種斯に影響なし 同 上 後作安の播種期を梢や延す安の 通学挿種は間作期間を長くする 後作安の播種期を延し障が多い 麦の適挙播種ほ間作期間を甚だ長 くする 棒の収穫ほ9月20巨l頃,後作変の 播種に膨響なし 同 上 大差なし 同 上 同 上 同 上 大豆︵明三五−三七︶ 上 適挙措種ほ5月15日 〔’家註二〕(l)本家の出所ほ第4費と同じである (2ノ「播種期の相異と前作物の収稽期との関係」欄における「後作」とあるのほ,項目みだしや,その他の関 係から考えて「前作」の誤りでないかと尽われる 選ぶ」ことが要論されるのであるい 他方水稲を前作菱刈取後植えるため紅ほ.,大安の刈取期が7月 前後になる関係から跡作稲の移植期は,巨億適期(6月iO日)をおくれること約20日に・及ぶこと、紅 なり,これによって本表に関する限り適期植えに此して1.122石の減収になる勘定であろ・(註5)し かもこの時期の田植えでは「−後作変の挿種ほ不可能」になり,稲収穫後ほ休閑とされざるを得ない ことを示している.かくてこの地方において水田裏作に.麦をとり入れるために.は早稲「大安一晩植 稲一休閃の2年3毛作の形をとらねばならないのであり,しかも田植遅延による減収の危険ととも に,r「既に挿秩の適季を失する」ので「刈取・整地を急ぎ」さらに晩植による減収を防がんがため の「特殊育苗(乃ち苗代播種量を坪に約1合とし再拝にするか,或は苗代挿巷最を約2合とし6月 上・中旬に.一旦苗代に.仮植す−る)を行う」(註6)必要があるとされているのであって,この地方阻み

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第6巻 欝8号(1955) 256 られる自然変動による冷害の危険性と相まって,水田裏作が相対的に強く制約されぎるを得ない■罫 幡が簸えるのである. トかも水格栽培すこおける水の役割ほ最大であるから,在問期の移動そのものも水利条件に支配さ れてレナると云わなければなら鬼いのであ・つて,−この意味 においても亦水性伸二おける作付集時の可瀞牲は小∵用水車 幅の如何や水利慣行など水によって規制ざれると云える ゐである.たとえば風水の不足する地域において,田植 水を夷水に.よって補足する.ためにほ,冬季休閑としない までも寡作を早くきりあげて降雨や用水を由面に溜め, 田植えに備えなけれ’ほならない.また永利慣行が田植期

日を規制する場合にほ,在圃期の移動そのものが歯難と

なる患嘩吟おいて裏作は制約されるであろう・(証7) かくて永田裏作に如チ‘る水の介在と永利条件の不安定 性は,水田の間作的利用共同を不可能とし,また在国期 の移動をも困難とするこ左を通して,稲の在郎臥特に 田植期を国電し時間的利用共同をも極めて窮屈なもの、と して,水田に.おける作付め柴橋を制約することになるの である. なお,かくの如き水の制約担.よる繭の在団期の固定と 作物交替妃伴う土壌状態の完全なる転換の必夢ぼ,土壌 湿度の高い水田土壌の・∴般的条件と相まって,水稲と結 合作付けし得る作物の種類を著しく庵限して,技術的並 びに経済的に作付けし得る作物ゐ種類を極めて限られた ものとする.かくして水田裏作は畑作物を作りながら畑 作のもつ作物選択の豊富と云う条件をなくしセしまうノの である.第7衷ほ昭和20年度岩手県において徴冬期に・作 付けられた作物の種類及び面積を田J細別に表示したも のであるが,本家中の「■その他」を除いてみる場合,畑 の24種目に対して水田でほ7縫目に・過ぎず,しかもその 大部分が稚苗代及び稲作と在圃期間む釜台しない緑肥周 作物となっている・・そしてこのような傾向は,全国統計 に.おいてもみられるのである.(註8)tかして,このよ うに.水田褒作として栽培される作物の程類が畑のそれに 此して少ないと云うことは,逆にまた当然在圃期間を異 第7衣 岩手県匿おける田畑別 作物別秋冬作面積(呵う

変変交変格根ラレク菜類藍草ギギク

大裸小薄茶大カニ.ゴ 結濃甘ホネ 219j;;…∴3 【2,1590 ・− 一 二= 汐 白 プ ポ 英 ソ 球 178.4 709小8 377い3 631.3 99 O 213 2 55.1 44.8 3.8 1、5 614.7 31 “一一一一一一岬 ﹂一−一 タ マ ネ ニ ソ ド ソ′ ラ マメ マンニヤクイモ 大 麻 苧 作作鈴 麻 用用〝霜 肥料楷 2886り2† 344・0

9021 8634

−一 仁づ,525.0 緑飼啓煙稲/そ 1,6037 531 % 64 革 帯イ.代 の 他 一8う二%16 軍 0 3,15 秋冬期の利用率 〔.象註.〕本家ほ昭和20年2月1日調査「秋 冬作綜合作付踏査結果表】(農軒統 計月報第77号昭和20年6月)紅よる

をこする作物を組み合わすことによって,表作物と袈作物との交替期を分散する余地を少なくするこ

とを意味するもの紅ほかならないのであり,作物の選択結合に・よる労働配分の調整を困難とし,労

働所翠ゐ集中を来たさざるを得ないと云わなければならないひ

次に.土地利用共同関係の第2の側面,即ち土地の豊沃性条件に対する利岡共同関係における水の

影響についてみよう∴

およそ泥水耕作が行われる永田においては,水の作開によって所謂忠地現象の発現が鯨の場合に

此して著しく抑制され,ま■た潅漑水ほ湛永下における永田土壌中の燐酸を有効化し,その他の植物

泰分の天然供給鼠の増加に資し,土壌侵蝕を防止するなど,水ほ水田土壌の豊沃性条件の維持に役

(7)

256 香川県立農科大学学術報告

立.っているが・さら濫・−一一・般的把・云って湿潤粧してかつ粘性の高い永田土壌においてほ,1屡々排水し

て乾土状態にする∈とほ所謂乾土効果を発揮するばかりでなく,水草や病虫害防庄の効果をも期待

しうるであろう・この意味において,裏作の導入は,たとえ稲と.同じ禾本科の安が作付けられるに

しても,一般的に云って変の管理の極めて集約なる我国の事情と相まって,水田土壌の物理的りと学

的・生物学的性状の改善に役立つものであり,(註9)「水稲反当収量の年次的動拝を少なぐするから,

裏作はそのために.も望ましいところである」(註10)とさえ云いうるのである.かぐて永田土壌におけ

る豊沃性条件の推持乃至利用という尽でほ,水田裏作における水の介在は,稲作の増収条件の整備

と云う面で,むしろ裏作を促進するかの如くみられる.しかしここで注意しなければならないこと

社会・経済的な諸事情や,上述した作物選択の余地の少ないことなどと相まって一層裏作物を単純

化し,米一一変式の如き作付方式に・一一・面化しやすいと考えられることである‘この点畑作においては

●● 地力維持の上からも,輪作的作付けに対してより強い関心を持たぎるを得ないだけに,作物種類の

豊富と相まって作物の多面的な組み合わせ、の可能性乃至必然性を高めると云えるであろう・(註11)

かくして水田裏作に.おける作物の単純化と作付方式の−・面化が十殿と促進されると考えられる・

2・土地利用手段共同の関係について 以上の考察において,水田琴作ほ.稲作の圧倒的優越性を背景とし,乾土耕作と湛永耕作と・の結合 として成立するが故に水の介在を必須とし,そのことがまた表作と裏作との転換期の固定と時期的

集中をもたらす享云う傾向を坤作の場合に此して.より強くすることを知ったのである・

ところでおよそ作物の交替期にほ,栽培総労働中で大きな割合を占める収穫調製労働や耕起作付 労働の投下を必穿とするものであるだけに・水田裏作における作物交替期の短期間内に・おける固定

と集中ほ,交替期における労働所要の著しい潜大をもたらして,所謂春・秋の腐繁期を形成し,農

家の経営内部にておける労働配分関係を悪イヒする・その結果として急速なる作業進行の夢請ほ,。労働

能率増大予段としての役畜や農機具の整備とか,或は雇僻労働め雇い入れを必要ならしめるであろ

ラ・一般的に限界秘薬作推進上の鍵として後事や白轡耕転機その他の農機具の整備が挙げられる所 以である.(註12)

このよう軋作物交替期甲労働利用における激しい親合が,自家労働利用の限度を越え,雇傭労働

の導入や新たな労働宇叔の装備を必要とするならば,現金支出という形の・二毛作経営費の増加を伴

うばかりでなく,家族労働利用を通して競合する姿畜・畑作・兼副業等の各経営部門との関連にお

いて考えられる家族労働の機会費(oppo叫nitycost)をも高める結果となり,水田裏作物乃至二毛

作の綜合生産費用を著しく高める結果,前述した関係式に.おける二毛作経営費(C2)を増大して水

田裏作の相対的有利性を低下することになるであろう・

なお,この場合水田耕作における諸作業の能率ほ,水臥土壌の性貿とともに,用水藍の多少によ

ってもかなりの相異をもつものであるから,ここでも亦水ほ水田裏作の相対的有利性紅若干の影響

を及ぼすことになるのである.

これに対して畑作においては,前述したように一滴約間作形式をとることができ,戎ほ作物交替

期に若干の幅をもたせることができるので,労力の配分調整に・有利な条件をもっていると云えるで

あろう.もっとも実情としては,一時的間作形式凌とると,作業上,仕事が繁雑になり,かえって

総労働を多く要する結果となったり,また煙草と前作安とが補完関係にあるとみられる場合でも,

その関係たるや煙草盆育初期の過程においでであって,ある時期を過ぎた後にほかえって競合関係

を示し,煙草紅とってほ安中可及的早刈りをさえ必要とする・また間作形態をとることに・よって出

来雉かった土寄せその他の管理作業を一・日も早く行うことが必葵でぁるなど,菱刈彼の作業は迅速

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欝6巻 第3号(1955) 257 なることを要するので,この作美が田植期などと重合する場合紅ほ,労力配合土の制約となってく るようなことも無視できないであろう・しかし農繁期紅おける各作物部門がもつ労力的な不足は, 水田寡作物を含めて各作物部門乃至経営部門の挙げうる収益と機会穿との関係乃至労働生産力の相 対的大いさにかかわる相対的労力不足の問題紅ほかならない.限界地滞償.おける永田褒作の制約理 由として,屡々「労力不足」が最も大きく現われるのほ・(註13)水田裏作の導入が農閑期に.おける遊休 経営翠素用役の利用に.役立つ面をもつとはいえ,農繁期労働の利用において他の経営部門と.激しく 競合塵ざるを得ず,しかも自らの低収益性がこの時期における高いオポチ.コ.ニチイコストを負担し 得ないからにほかならない. ¢)生産物利用共同の関係につ、いて 生産物利用共同関係に対する永の影響ほ,.上述した経営質素利用共同のこ側面におけるように明 確紅ほ認められない.ただ限界地帯の水田裏作の場合紅ほ麦作などの収穫がおくれて,一・毛田の稲 と裏作田の安などが共在する形となり,裏作麦が周囲からの渉永の影響で完熟しない場合が少なく ない・この場合には当然変の品質は不良と.なり,食用として劣る為,一・方に品質の良い畑変の生産 がある場合などには,特に有利な利用部門として家畜飼養部門の存在が水田裏作の成立に.若干の意 義をもちうることを指摘し得るであろう. な中上述したような水の介在と.云うことから麦その他の採実作物の導入が困難である場合,肥料 作物戎ほ飼料作物として−の緑肥或ほ膏刈作物の裏作導ネが今後の裏作展開比重賓となるが,この場 合紅も亦経営内部における生産物間の代替関係との関連において生産物の利用共同関係が重要とな るであろう. 〔琵1〕松沢盛茂氏ほ土地用役の利用共同関係として,地力利用共同,蘭横利用異同に対する第3の土地利用共 同,即ち所謂時間の利用共同を指摘し「多毛作の目さす所は時間の利用共同」であり「甲与の植物生育期間 を寸時も余すことなく利用せんとする所に.発する土地利用共同の一・面である」と.して多毛作の概念を定立 している.(松沢盛茂:農業経常理論と多毛作の概念,贋英経済研究,罪25巻第1号19貰) しかし本稿においては,面積利用共同にあげられている間・混作ほ… 多分に幾地の時間的利用共同案現の ための手段として行われる場合が多く,両者を厳密に区別すること.ほ行論上不便でもあるので,地力利用 共同が土地利用における補完的(COmplementazy)な関係であるのに対して,時間の利用共同及び面積利 用共同ほ,とも紅土地用役利用における補合的(Supplementai’y〉な関係であると云う翠味で∼ 便宜上時 間の利用共同と面碕の利用共同関係を統合して,土地の時間的・空間的利用共同関係とした 〔’註2■〕自然条件によって作物の生活日数が左右されることほ実験的に.も明かである・たとえばピール用大麦ゴ ールデンメロン種による実験成蟄によれば,その生活日数は,九州においてほ180日なるに.対し,覚輿では 218日となっており,九州に.比して38日間の在圃期間の延長がみられるわけである(岩槻信治:立松鮭一郎: 麦作実際論 P・73 春野堂 昭和19年5月5日刊)もっとも現賓においてほ,地域に・よ/つて稲や麦の生育 期間の長さを交配する基本発寒生長性,感光性,感温他の大きさを異にする品種が栽培されている・⊥たと えば常北その他の高緯度低温地方はど,稲についてほ感光性の高い品種が,麦についてほ秋挿性の高い品 種が栽培されている如きである.しかしかかる品種選択の動向ほ,それ自体低温地方がもつ自然灸件に対 する適応乃至自然的制約の克服過程を示すものであるが,このことほ反面耕種技術上米麦ともに・早紀・早 播が一層要消されることになり,春秋における季節的接触藍合の関係に変化を及ぼしてこおり水田表作展開 の上から注目に償いするなおこれ等の点についてほ松尾孝嶺:鼠種改良の目標(農業及園芸,23巻1号 10∼11頁)参照 〔:註3二)山本健吾‥永田裏作の栽培(農林協会,疲和27年3月刊)11真の第2費参照 (儲4〕なおこの点についてほ,森和男・菊地春次:広島県山間部における永田寡作の研究(寮都大学廉学部農 林経済研究室,濃村経済調査柴報第15号,昭和28年2月)85頁以下を参照されたい 〔註5〕なおこの場合由減坂問題の意義は,永田二毛作の一毛作に対する相対的有利性というものが,寡作導入 による冥作物眉体の純収益増加額が,少なくとも家作において生ずる純収益の減少額を補って余りあるや

(9)

香川県立厳科大学学術報告 258 の問題として考え.られる以上,、それほ単なろ物騒上の問題で柊なく;符合される表作物と裳作物との間に おける相対的な価格関係(所謂比イ酎によっても亦大きく影響されること咋注意しなけれほならない〃 ま鱒 実際の贋家に・おいて隠 田終期遊撃の程度により,戎ほ前作としての寡作物の種類準よって水稲の減収が 予想される場合にほ∵むしろ卿巴巌の宇部減とか,簡苗法の変更,薬剤撒布その時?管理様式をかえるこ と.によって∴稲作塀鼠を準持レ皐うしとする琴合が多い換言すれば稲作に対するinputを増加して0雨put を維持しようと・する場合が多い, 嘩大による二毛作純収益q相対的低下と.云うこ豆なろう・しかし現実に・おける二薫作純収益への影響ほ

上の両者の中間的な形をとることが多い左みられる.この点について・ほ別稿におい七論ずるであろう,当

面の例解としては森和男・菊地容次:前掲番143更,136′・−−141貫参照 〔儲6〕本丸1内の引周文隠すべて農林省農業改良局研究訃全国都道府県別癖種概軍資料(昭和25毎8月) P.12による 〔薩7〕なお農村たは,水利慣行と共k.田植雅楽等については伝統的な協同作業や田植遅延薯に対する部落良め 「手伝い.」慣行などがあって,田植期を威刺される場合が少なくない,かかる事情忙ついては森・菊地‥筋 掲濱46貰参照 t「註8〕∴細野重雄:前掲絡文:享.18貢参照 r註9一〕月川越次郎民は九州の輪作について論じ,「水田裏作は多くは高畦舟増であるから,土壌の風化をよく し,ヤ耕・土人等の管理も充分紀行われるやゝら,土壌の物理的性質を改良する1それで麦作跡の稲ほ整地を 丁寧に.行う必繋がない・即ち麦はアメリカ¢車耕作物牢耕す考〉作物である・」と述べているい月川雄次鱒: 西日本畑作地帯の経常(岩月磯雄酪農業経常新譜)写84貢惨照 一註10〕紅野蚕雄:上掲論文133員 〔註1り 昭和22年8月1軋臨時農業センサスの「贋作牧瀬増贋琴数及び作付延面積ヌは慰培現在両観」(贋辞統 計月報第105号,昭和22年キ0月)浸・基き,筆者が田・畑別に儲顆(稲・麦類・とうもろこし・あわ・きび・ ひえな含む),豆類(食用目的のもののみ)得耕種物 上加えた),木本作物(果樹・茶・桑),その他に分類し,それらの椅鼠比率を静出する紅∴上め昭博で,田 では9380%103%.2や1%隼0吻250褒,畑でが9‖75%11113% 34い37%一10.13% 862% となり,,田が禾穀類,特に米麦軋著しく偏している してかなり均衡がとれでいる 澤12二〕 〔註13二〕た′主えほ宮城県で行った農業セ 潟暗における水田茶作概況調査(昭和26年4月 新潟県臍林部購廟課)を薮ても裳作を制約する理由のう ち「労力不足」が最大とな、つている

宙5節

以上水田裏作紅おける特殊制約賽因として水を抽出するととも把・,水田寡作を加薬作と此蕨考察 することによって,水のもつ制約作璃を明かにせんとした・なおその場合考察の場を便宜上裏作限 界地常に求め,若干の事例を引用しつつも,なおかづ現実にみられるような田や畑のもつ耕地条件 の差異(たとえば土性・土質の差とか,交通地位上の相異の如き作付方式を規制する諸条件の差 異)を捨象して,やや理論的な考察を試みた しかしてその結果,水田裏作に・おいては,第1,本来湛水耕作のために準備された水甲に,乾土耕 作作物たる畑作物を栽培するために生ずる水?支配の匪難性が,裏作物自体の収益性を畑作の、それ に此して相対的に低下せしめ 耕作の交替という永田袋件のもつ耕作扱術上の特性は,永田町おける永稲の優位性と水利軍帽など との閑適に・おいて,表作永稲の在団期間を固定する十方,畑作紅・串ける如き一時野間僻形式をとる ニーとによって在圃期間の重合を克服することができず,在団期の移動砿よってのみ適応せざるを得

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259 欝息巻∵第甘営.(1955) ない点に・おいて,水野申減収率(m).・博し▲うは稲の減収を回避するた1めの手段としての肥料の増授 や薬剤撒布などに.よる二毛作化に伴う経営静(C2)の増大が,裏作物に対する稲のもつ価格比が一 般的に・高いことと相まって,特に大きな制約翠因として問題と.なる与と・第3,かくして水田裏作 における間作の不可能と経済的に可能とされる在闘期移動の制約は.導入可能な裏作物の種類を著 しく制約す・ることになり.畑作に.おけ為ように.在圃時期及び期由を異にする多種顆の畑作物を組み 合わせて表作と裳作と.の交替期を広い範囲匿.求め,労働の配分関係を調整するという方法をとり得 る余地を著しく制限する睾と∴転・なり では,水田土壌かもや性質や褒作た潜う感染状態から浅水決感へノと′いう生産装置たる永田状態の急 速なる転換を要するあセ去宣七作稟蘭率化あための その利用共同関係を著しく悪化し,さ寵き・たに繁忙な農繁期における労働のピークを高め各利用部 門間の労働紅対する所要の兢合を激化する∴∴努5;、しかも先にみた水田裏作物における低い収益性 は,この費用を負担し得る限界を極めこて狭いものと.すると考えられる・換言すれば,水田裏作に・あ ってほ畑裏作の場合軋放して,裏作導入によって生ずる粕収益増加分が相対的に小さくなる傾向を もち乍ら, 逆に劇の場合よりも相対的に大きくなる傾伺を持っ ていろ関係から?前掲、(鱒3節)条件式たおけ る左辺と右辺の均衡乃至左辺ニ>右鱒に・なりやすし滞果,水甲裏作ほ畑褒作に比レで相対的疫・皐 く制約されろと考えられるのである・ここ軽罪こ一の課題である水田裏作が何故に畑裏作に対して相

●■● 対的により強く制約ノされているかと云う理由の一面が窺われ.るであろう∴なお第±ゐ泰盛は庵幅の

関係から別報に/譲る. R、仝s u m e

The restridive色ffectsd Hwat畠rけon theldodble croppingrin the由ddi・fieldareノStdiedin

thepaperincomparisonwithヽheoム畠▼inthefield/

Intheformer partofthe paperitdeals withth占、method ofthestudy・

h thelatt6r oneitis consideredfrom thekStandpointoftheuse oflandブ1ab6dr′ぬd

equlpm6nt芦inafarm,that”w細洩’’effectionthe士・eturn Of winter cropsin the paddy・field,

andonthらrelationsbemien繭血・1Cr6p去(espedal1yBarley)andthesummercrop(Rice−plant)

in the marginalreglOn Of the double cropplnginthepaddy・field.

Asthe resultitmightbe pointed outthatthedo11ble cropplngin theさaddy・・field tendsto

be more restri虎ivethanthe onein the field.

参照

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