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(1)

ト.臨床試験

慢性腎不全における高リン血症治療の現状... ト-1 臨床的評価方法の概略... ト-1 治験相談の経緯及び臨床試験の全容... ト-2 総括... ト-6 1. 臨床試験成績... ト-10 (1) 第Ⅰ相試験... ト-10 1) 単回投与試験... ト-10 2) 反復投与試験... ト-14 (2) 第Ⅱ相用量設定試験... ト-19 (3) 第Ⅲ相比較試験... ト-52 (4) 第Ⅲ相一般臨床試験(腹膜透析)... ト-108 (5) 長期投与試験... ト-136 2. 海外における臨床試験成績... ト-196 (1) 長期投与試験... ト-196 (2) 第Ⅲ相 b 試験... ト-224 (3) 長期比較試験(石灰化定量)... ト-233 3. 長期投与試験成績のまとめ... ト-251 4. 製剤間の同等性について... ト-286 5. 臨床試験成績のまとめ... ト-289 (1) 有効性... ト-289 (2) 安全性... ト-302 1) 有害事象... ト-302 2) 臨床検査値異常変動... ト-306 3) 長期投与副作用... ト-311 4) 薬物相互作用... ト-313 (3) Ca 製剤から本剤への切り替えについて... ト-327 (4) 本剤の臨床上の位置付け... ト-336

(2)
(3)

i

略語一覧表

略号 (単位) 省略していない表記 RBC (×104/µL) 赤血球数 Hb (g/dL) ヘモグロビン濃度 Ht (%) ヘマトクリット値 Ret (‰) 網状赤血球数 Plt (×104/µL) 血小板数 WBC (/µL) 白血球数 Neu (%) 好中球 Lympho (%) リンパ球 Mono (%) 単球 Eosino (%) 好酸球 Baso (%) 好塩基球 MCV fL 平均赤血球容積 MCH pg 平均赤血球ヘモグロビン量 MCHC (%) 平均赤血球ヘモグロビン濃度 pH − 水素イオン濃度指数 HCO3 (mEq/L) 重炭酸イオン濃度 pO2 (torr) 動脈血酸素分圧 pCO2 (torr) 動脈血二酸化炭素分圧 P (mg/dL) リン Ca (mg/dL) カルシウム Ca×P 積 (mg/dL)2 カルシウム・リン積 TP (g/dL) 総蛋白 Alb (g/dL) アルブミン A/G − アルブミン/グロブリン比 AST(GOT) (IU/L) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ALT(GPT) (IU/L) アラニンアミノトランスフェラーゼ LDH (IU/L) ラクテートデヒドロゲナーゼ γ-GTP (IU/L) γ-グルタミルトランスペプチダーゼ ALP (IU/L) アルカリホスファターゼ ALP 分画 (%) アルカリホスファターゼ分画 骨型 ALP (U/L) 骨型アルカリホスファターゼ OC (ng/mL) オステオカルシン T-Cho (mg/dL) 総コレステロール LDL-Cho (mg/dL) 低密度リポ蛋白コレステロール HDL- Cho (mg/dL) 高密度リポ蛋白コレステロール TG (mg/dL) トリグリセリド T-Bil (mg/dL) 総ビリルビン D-Bil (mg/dL) 直接ビリルビン BUN (mg/dL) 血中尿素窒素 Cr (mg/dL) クレアチニン UA (mg/dL) 尿酸 Na (mEq/L) ナトリウム K (mEq/L) カリウム Cl (mEq/L) 塩素 Mg (mg/dL) マグネシウム

(4)

ii

略語一覧表(つづき) 略号 (単位) 省略していない表記 Lp(a) (mg/dL) リポ蛋白(a) RLP-Cho (mg/dL) レムナント様リポ蛋白コレステロール intact-PTH (pg/mL) インタクト副甲状腺ホルモン HS-PTH (pg/mL) 高感度副甲状腺ホルモン Fe (µg/dL) 鉄 UIBC (µg/dL) 不飽和鉄結合能 TIBC (µg/dL) 総鉄結合能 Cu (µg/dL) 銅 Zn (µg/dL) 亜鉛 Al − アルミニウム PICP (ng/mL) Ⅰ型プロコラーゲン-C-プロペプチド ICTP (ng/mL) Ⅰ型コラーゲンピリジノリン架橋-C-テロペプチド PT (秒)(%) プロトロンビン時間 APTT (秒)(%) 活性化部分トロンボプラスチン時間 1,25(OH)2D (pg/mL) 1α,25-ジヒドロキシビタミン D 24,25(OH)2D (ng/mL) 24,25-ジヒドロキシビタミン D 25(OH)D (ng/mL) 25-ヒドロキシビタミン D PK (ng/mL) フィロキノン MK-4 (ng/mL) メナキノン-4 MK-7 (ng/mL) メナキノン-7 HCG (IU/L) ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン Kt/V − 標準化透析量 PCR (g/日) 蛋白異化率 専門用語 説 明 2°HPT 二次性副甲状腺機能亢進症 ROD 腎性骨異栄養症 PTx 副甲状腺摘出術

NOS Not Otherwise Specified NEC Not Elsewhere Classified

FAS Full Analysis Set

PPS Per Protocol Set

ITT Intent to Treat

PC Protocol Compatible

n 症例数

Mean 平均値

S.D. 標準偏差(Standard Deviation) S.E. 標準誤差(Standard Error)

Min 最小値(Minimum)

Max 最大値(Maximum)

Median 中央値

Range 範囲

CI 信頼区間(Confidence Interval) SOC 器官別大分類(System Organ Class) PT 基本語(Preferred Term)

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ト-1

ト. 臨床試験

慢性腎不全における高リン血症治療の現状

腎不全においては、腎機能の低下に伴い尿中へのリン(P)排泄量が低下するため、食物から摂取さ れる P が体内に蓄積し、高 P 血症を呈する。高 P 血症は異所性石灰化や透析骨症の原因となり、これら は患者の社会復帰の障害や生命予後に大きな影響を及ぼす。P は透析療法によっても充分除去されず、 しかも殆どの食品に含まれるため食事療法による管理も困難である。そのため、P の吸収を阻害する薬 物治療が重要な治療手段となるが、アルミニウム(Al)製剤は骨症や脳症の副作用により腎不全患者で は使用禁忌となっており、現在、汎用されているカルシウム(Ca)製剤も高 Ca 血症を引き起こすとい う難点があることから、これらに代わる、優れた P 結合剤が切望されている。 PB-94 は非吸収性のポリカチオン性ポリマーであり、食物中のリン酸イオンと消化管内で結合し、そ のまま糞便中に排泄することにより体内への P の吸収を抑制する。

臨床的評価方法の概略

以下に、本剤の臨床試験実施法ならびに評価項目選定の概略を記す。 対象) 対象) 対象) 対象)患者における臨床試験は、高 P 血症を合併する安定期の血液透析患者および腹膜透析患者を対 象とした。また、投与前に washout 期を設け前治療薬の影響の排除と高 P 血症合併(血清 P 濃度 6.0mg/dL 以上)の確認を行った。 用法・用量) 用法・用量) 用法・用量) 用法・用量)生体内でのリン酸イオンの吸収は主に十二指腸において受動輸送で行われるため、その 吸収量は腸管内を通過するリン酸量に依存して増加する。したがって、本剤と食事内容が吸収部位であ る十二指腸を同時に通過することによって、はじめて P 結合剤としての本剤の薬理作用が発揮される。 そのため本剤は食事とともに服用する必要がある。本剤の投与は朝、昼、夕の 1 日 3 回とし、国内にお ける臨床試験では服薬時期をすべて「食直前」に統一した。なお、海外における臨床試験では「食直前」 あるいは「毎食時」にて実施された。 第Ⅱ相試験では、本剤の用量反応性および初期用量を検討する方法として固定用量(4 用量)による 無作為割付並行群間比較法を用いた。また、沈降炭酸 Ca 製剤を対照とした第Ⅲ相比較試験、腹膜透析 患者を対象とした一般臨床試験および長期投与試験については、臨床使用実態に合わせ、評価指標であ る血清 P、Ca 濃度および有害事象の発現を考慮して用量の調整を行う個体内適宜増減法を採用した。 エンドポイント) エンドポイント) エンドポイント) エンドポイント)本剤の有用性としては高 P 血症の改善の他、高 Ca 血症をきたさないこと、異所性 石灰化および二次性副甲状腺機能亢進症(2°HPT)の予防、改善が期待される。したがって、本剤の主 要な有効性評価項目は、血清 P 濃度および血清 Ca 濃度(アルブミン補正した Ca 濃度)とした。血清 P 濃度については、透析患者の目標血清 P 濃度(4.0 以上 6.0mg/dL 未満)の達成状況を、血清 Ca 濃度に ついては高 Ca 血症(11.0mg/dL 超)発現率等を副次的に評価した。さらに、異所性石灰化の最も大きな 要因とされる Ca×P 積および高 P 血症により惹起される PTH 上昇に対する改善効果の指標として血清 intact-PTH 濃度についても評価した。なお、海外臨床試験のうち、Ca 製剤を対照とした非盲験無作為割 付試験(12 ヵ月)においては、異所性石灰化の進行抑制の評価として Electron Beam Tomography(EBT) により臓器の石灰化定量を行った(参考資料ト−3)。

検査観察項目および頻度、併用療法) 検査観察項目および頻度、併用療法) 検査観察項目および頻度、併用療法)

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ト-2

ら胆汁酸を吸着する可能性が示唆されていたため、脂質代謝関連項目(LDL-Cho 等、脂溶性ビタミン、 血液凝固能)を、また、同様に本剤の吸着により低下する可能性のあるものとしてリン酸基(ビタミン B12)やカルボキシル基のあるビタミン(葉酸)、微量金属(銅、亜鉛、鉄)を測定した。主要な有効性 評価に関わる検査は 1 回/週∼1 回/2 週の頻度にて実施した。血液透析患者に対する検査採血は、最も尿 毒症性物質が蓄積する最大透析間隔後の透析直前に実施した。すなわち、原則として、血液透析を月曜 日、水曜日、金曜日に実施している患者については月曜日に、火曜日、木曜日、土曜日に実施している 患者については火曜日に、検査採血を実施した。腹膜透析患者については持続透析であるため、原則と して患者個々の検査来院日の同一時間帯に採血した。また、透析条件、ビタミン D の投与量および食事 療法の変更は薬効評価に影響を与える可能性があるため、第Ⅱ相用量設定試験および第Ⅲ相比較試験に おいては禁止した。 治験製剤) 治験製剤) 治験製剤) 治験製剤)国内臨床試験では 250mg 錠剤を開発し治験製剤とした。海外臨床試験では、475mg、440mg あるいは 403mg カプセル剤ならびに 400mg あるいは 800mg 錠剤が使用された。

治験相談の経緯及び臨床試験の全容

国内における第Ⅰ相単回および反復投与試験において安全性が確認された後、 年 月に海外試 験成績の利用について個別相談を実施した。本剤が非吸収性で民族的要因を受けがたいこと、透析医療 環境の類似性などから、海外試験成績を参考に作成した第Ⅱ相用量設定試験の試験デザインに関し医薬 品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)の了承が得られ、 年 月より第Ⅱ相用量設定 試験を実施した。第Ⅱ相用量設定試験終了後、 年 月に第Ⅱ相用量設定試験により海外臨床試験成 績を外挿することの妥当性について第Ⅱ相試験終了後相談を実施した。その結果、有効性については海 外試験成績との類似性を主張することは困難であり、沈降炭酸 Ca 製剤との第Ⅲ相比較試験を実施し、 本剤の有用性を検証することが望ましいとの指摘を受けた。安全性については海外と類似した試験デザ インの長期投与試験を実施したうえで、海外の長期投与試験成績により本邦における安全性を類推する ことは可能とされた。また、海外で実施された臨床薬理試験成績については、評価資料として利用可能 であるとされた。腹膜透析患者を対象とした一般臨床試験計画については了承され、その成績が血液透 析患者を対象とした試験成績と大きく異ならない場合は、本剤の申請効能・効果を「透析中の慢性腎不 全患者における高リン血症の改善」とすることは可能であると結論された。 年 月に第Ⅲ相比較試 験および長期投与試験の試験デザインの妥当性について個別相談を実施し、医薬品機構の了承を得た 後、 年 月より第Ⅲ相試験および長期投与試験を実施した。その結果、本剤の有用性が確認され、 海外長期投与試験成績については胃腸障害の副作用発現率に差が認められたものの、その他の副作用発 現率に違いが認められないこと、国内で新たに問題となる事象の発現は認められないことから、国内長 期投与試験成績を補足する資料になりうると結論した。なお、第Ⅱ相用量設定試験終了後に製剤の処方 変更を行ったが、処方変更方法の妥当性については、 年 月の第Ⅱ相試験終了後相談の際、in vitro 崩壊・分散試験結果(非臨床試験参照)により製剤学的な同等性を確認することに加え、両製剤を使用 した臨床試験成績を比較するよう指摘された。そこで、「血清 P 濃度低下量」を指標に第Ⅱ相用量設定 試験(Φ10.5mm 錠剤使用)と第Ⅲ相比較試験(Φ9.0mm 錠剤使用)における両製剤の薬効を比較した。 その結果、両製剤の薬効に明確な差異は認められなかった。

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ト-3

これらの経緯より、PB-94 の臨床試験は健康ボランティアならびに高 P 血症を合併する血液透析また は腹膜透析患者に対して、延べ 38 の医療機関で実施され、計 6 報を得た(表ト− 1)。評価資料は第 Ⅰ相単回投与試験 1 報(添付資料ト−1)、第Ⅰ相反復投与試験 1 報(添付資料ト−2)、第Ⅱ相用量設 定試験 1 報(添付資料ト−3)、第Ⅲ相試験 2 報[沈降炭酸 Ca との比較試験(添付資料ト−4)、腹膜 透析患者における一般臨床試験(添付資料ト−5)]、長期投与試験 1 報(添付資料ト−6:24 週まで、 ト−6 追補:48 週)から成る。 また、海外臨床試験成績のうち、本邦における安全性成績を補足する長期投与試験(参考資料ト−1)、 国内第Ⅱ相用量設定試験の参考とした第Ⅲ相 b 試験(参考資料ト−2)、石灰化の定量を行った長期比 較試験(参考資料ト−3)の計 3 報を参考資料とし、長期投与試験については安全性データを別途集計 した。なお、上記の他、海外においては第Ⅰ相試験 1 試験、第Ⅱ相試験 3 試験(第Ⅱ相 a:プラセボと の比較試験、第Ⅱ相 b:一般臨床試験、第Ⅱ相 c:炭酸 Ca 併用投与との比較試験)、第Ⅲ相試験 1 試験 (第Ⅲ相 a:酢酸 Ca とのクロスオーバー試験)の計 5 試験(表ト− 2)が実施されている。 臨床効果の検討は高 P 血症を合併する血液透析患者および腹膜透析患者延べ 593 例(第Ⅲ相比較試験 から長期投与試験への継続による重複症例を除いて 535 例)を評価対象とし集計した。 評価対象 535 例は男性 334 例、女性 201 例、年齢 19 歳∼86 歳で、透析歴は 0.2∼30 年の症例であっ た。PB-94 の 1 日投与量は 0.18∼9.00g、平均 4.4g、有効性の評価対象は 325 例、安全性の評価対象は 535 例であった。 長期投与試験については「致命的でない疾患に対し、長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階 において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について」(平成 7 年 5 月 24 日 薬審第 592 号)に従い実施し、申請時に 24 週までの成績を、申請後に 48 週の成績を集計した。 なお、 年 月 日には本剤の臨床データパッケージの妥当性に関する申請前相談を実施してい る。

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ト-4

表ト− 1 臨床試験一覧表 試験区分 試験の 種類 対 象 症例数 用法・用量 (g/日) 投与期間 代表施設名 および施設数 実施期間 資料 番号 第 Ⅰ 相 試 験 単 回 投 与 単盲検 (漸増法) 健 康 成 人 男 性 PB-94 24 例 プラセボ 12 例 0.5∼4.0 0 1 回 計1施設 ト−1 反 復 投 与 PB-94 17 例 プラセボ 8 例 4.5,9.0 1 日 3 回 0 1 日 3 回 7 日 ト−2 第 Ⅱ 相 用 量 設 定 試 験 オープン 無作為割付 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 96 例 1.5∼7.5 1 日 3 回 6 週 計 4 施設 ト−3 第 Ⅲ 相 試 験 比 較 試 験 オープン 無作為割付 (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 PB-94 115 例 Ca 錠 115 例 0.67∼9.00 1 日 3 回 0.1∼7.0 1 日 3 回 8 週 計 14 施設 ト−4 一 般 臨 床 試 験 オープン (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 腹 膜透析患者 36 例 1.71∼9.00 1 日 3 回 8 週 計 4 施設 ト−5 長 期 投 与 試 験 オープン (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 157 例 0.18∼9.00 1 日 3 回 48 週 (ト−4 +40 週) 計 14 施設 ト−6 ト−6 追補 オープン (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 192 例 0.68∼9.12 1 日 3 回 44 週 計 24 施設 参考 ト−1 第 Ⅲ 相 b 試 験 オープン (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 172 例 0.93∼11.63 1 日 3 回 8 週 計 16 施設 参考 ト−2 長期比較試験 (石灰化定量) オープン 無作為割付 (適宜増減法) 高 P 血症を 合 併 す る 血 液透析患者 PB-94 100 例 Ca 剤 102 例 平均 6.5 1 日 3 回 平均 4.3 1 日 3 回 52 週 計 15 施設 参考 ト−3 臨床薬理試験 オープン 健康成人 男女 16 例 PB-94 6.6 1 日 3 回 [N-14CH 3] PB-94 2.375 1 回 32 日 計 1 施設 へ−29 薬物相互作用 metoprolol (北アイルランド) オープン 健康成人 男女 32 例 PB-94 2.418 metoprolol 100mg 1 回 計 1 施設 へ−30 薬物相互作用 enalapril (北アイルランド) オープン 健康成人 男女 28 例 PB-94 2.418 enalapril 20mg 1 回 計 1 施設 へ−31 薬物相互作用 warfarin (英国) オープン 健康成人 男性 14 例 PB-94 7.254 1 日 3 回 warfarin 30mg1 回 2 日 計 1 施設 へ−32 薬物相互作用 digoxin (英国) オープン 健康成人 男女 20 例 PB-94 7.254 1 日 3 回 digoxin 1mg1 回 2 日 計 1 施設 へ−33

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ト-5

表ト− 2 海外で実施された臨床試験一覧表(参ト−1,参ト−2,参ト−3 以外) 試験区分 試験の 種類 対 象 症例数 用法・用量 (g/日) 投与期間 代表施設名 および施設数 実施期間 第 Ⅰ 相 試 験 単 回 投 与 二重盲検 無作為割付 健康成人男女 PB-94 18 例 プラセボ 6 例 0.95∼4.75 0 1 回 計 1 施設 反 復 投 与 2.85∼14.25 1 日 3 回 0 1 日 3 回 8 日 第 Ⅱ 相 a 試験 二重盲検 無作為割付 高 P 血症を合併す る血液透析患者 PB-94 24 例 プラセボ 12 例 1.0∼8.45 1 日 3 回 0 1 日 3 回 2 週 計 3 施設 第 Ⅱ 相 b 試験 オープン (適宜増減法) 高 P 血症を合併す る血液透析患者 48 例 0.8∼7.75 1 日 3 回 8 週 計 5 施設 第 Ⅱ 相 c 試験 オープン 無作為割付 (適宜増減法) 高 P 血症を合併す る血液透析患者 PB-94 37 例 炭酸 Ca 併用 38 例 0.4∼9.0 1 日 3 回 0.4∼7.2 1 日 3 回 12 週 計 6 施設 第 Ⅲ 相 a 試験 オープン クロスオーバー (適宜増減法) 高 P 血症を合併す る血液透析患者 PB-94 → 酢酸 Ca 42 例 酢酸 Ca → PB-94 42 例 PB-94 1.6∼10.9 1 日 3 回 Ca 剤 0.8∼23.3 1 日 3 回 8 週 計 8 施設

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ト-6

総括

PB-94 の「透析施行中の慢性腎不全患者の高 P 血症」に対する臨床的有用性を検討した結果を以下に 示す。 国内臨床試験成績(250mg 錠剤使用) (第Ⅰ相試験) 健康成人男性を対象にプラセボを対照とした単盲検法により実施した。単回投与試験はイヌの 1 ヵ月 反復投与試験における無毒性量の 1/60 である 0.5g を最少投与量とし順次 1.0g、2.0g に増量し、最高投 与量は海外臨床試験を参考に 4.0g とした(各用量実薬 6 名、プラセボ 3 名)。その結果、単回投与時の 安全性に問題はないものと判断された。反復投与試験は海外臨床試験で安全性の確認されている 1 回 1.5g あるいは 3.0g を 1 日 3 回、7 日間連日経口投与した(ステップ 1:PB-94 4.5g/日 8 例、プラセボ 4 例、ステップ 2:PB-94 9.0g/日 9 例、プラセボ 4 例)。その結果、尿中 P 排泄量は 1.5g および 3.0g 投与 群ともに投与後 3 日以降プラセボに比し低値を示し、その差は有意であった。また、累積便中 P 排泄量 は 1.5g および 3.0g 投与群ともにプラセボに比し高値を示し、その差は有意であった。以上より本剤は、 P の消化管からの吸収を抑制する効果を持つことが確認された。T-Cho および LDL-Cho の低下が認めら れたが、これは本剤の持つ胆汁酸吸着作用に基づく変化と考えられた。以上より健康成人男性に対する 忍容性、安全性が確認された。 (第Ⅱ相用量設定試験) 血液透析患者 94 例を対象として 4 用量の無作為割付並行群間比較法により実施した。3 週間の washout の後、1 回 0.5、1.0、2.0、2.5g を 1 日 3 回 6 週間連日経口投与した。その結果、投与終了時における血 清 P 濃度変化量は、1.5g/日群(A 群)-0.94mg/dL、3.0g/日群(B 群)-1.19mg/dL、6.0g/日群(C 群)-2.24mg/dL、 7.5g/日群(D 群)-2.84mg/dL と用量に依存して増加し、明らかな用量反応性が認められた。投与開始時 血清 P 濃度が 8.0mg/dL 未満の症例では 3.0g/日以上、8.0mg/dL 以上の症例では 6.0g/日以上の投与により 血清 P 濃度はほぼ目標値(4mg/dL 以上 6mg/dL 未満)まで低下し維持された。血清 Ca 濃度は有意な変 動が認められなかった。副作用は 94 例中 62 例(66.0%)に認められ、その発現頻度は A 群 52.2%(12/23 例)、B 群 64.0%(16/25 例)、C 群 68.2%(15/22 例)、D 群 79.2%(19/24 例)であり用量に依存して 増加する傾向を示した。また、その内容は主に便秘および便秘増悪、腹部膨満、嘔気および嘔吐等の胃 腸障害であったが、重篤なものは認められなかった。T-Cho、LDL-Cho の低下が認められた。臨床検査 値では、ALP および Cl の上昇、Hb の低下等が認められたが、臨床的に問題となるものはなかった。胃 腸障害による中止 6 例のうち 3 例は D 群であったことを考慮し、本剤の初期用量は、投与開始時血清 P 濃度が 8.0mg/dL 未満の症例では 3.0g/日、8.0mg/dL 以上の症例では 6.0g/日と結論された。また、その後 の投与量については血清 P 濃度を目標値(4.0 以上 6.0mg/dL 未満)に維持して適宜増減することが必要 と考えられた。 (第Ⅲ相比較試験) 血液透析患者 230 例を対象(PB-94 群 115 例、 Ca 群 115 例)に 3 週間の washout 後、PB-94 あ るいは Ca 錠 を 2 週間ごとに適宜増減し計 8 週間投与した。初期用量は PB-94 群が 3.0 あるい は 6.0g/日、 Ca 群は 3.0g/日とした。その結果、投与終了時血清 P 濃度(以下 Mean±S.E.)は、PB-94

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ト-7

群が 5.62±0.09mg/dL、 Ca 群が 5.59±0.09mg/dL であり両群とも目標血清 P 濃度に達した。平均値 の差の 95%CI は-0.22∼0.29mg/dL であり、投与終了時血清 P 濃度に関して PB-94 群の Ca 群に対す る非劣性(許容域:1.0mg/dL)が検証された。また、投与終了時血清 Ca 濃度は、PB-94 群が 9.13±0.06mg/dL、 Ca 群では 9.65±0.07mg/dL、平均値の差の 95%CI は-0.70∼-0.34mg/dL であり、投与終了時血清 Ca 濃度に関して PB-94 群の Ca 群に対する優越性が検証された。高 Ca 血症(血清 Ca 濃度>11.0mg/dL) の発現率(Kaplan-Meier 推定量)に関しては、 Ca 群の 16.8%に対し、PB-94 群で 0%と明らかな差 が認められた。本試験において投与終了時 Ca×P 積は、PB-94 群が 51.39±0.95 (mg/dL)2、 Ca 群が 53.95±0.99 (mg/dL)2であり、PB-94 群は Ca 群に比し低値を示した。投与終了時の血清 intact-PTH 濃度は両群ともに有意に低下したが、両群間で差は認められなかった。最終時の平均投与量は PB-94 群 5.09g/日、 Ca 群 2.51g/日であった。副作用は PB-94 群が 70/115 例(60.9%)、 Ca 群が 46/115 例(40.0%)に認められた。最も高い頻度で発現した副作用は PB-94 群が便秘(便秘増悪も含む)40 例 (34.8%)、 Ca 群が高 Ca 血症 28 例(24.3%)であった。副作用により投与を中止した症例は PB-94 群が 7 例(すべて胃腸障害)、 Ca 群が 5 例(高 Ca 血症 4 例、胃腸障害 1 例)であり、症状は中 止後いずれも消失・回復した。また、両群とも重篤な副作用は認められなかった。T-Cho および LDL-Cho は、PB-94 群に著明な低下が認められ、HDL-Cho は両群とも有意に上昇した。ALP および Cl の上昇、 Cu、Zn、およびビタミン D(1,25(OH)2D、25(OH)D)の低下等が認められたが、臨床的に問題となる変 動ではないと考えられた。以上より本剤を 3.0g/日あるいは 6.0g/日から開始し、その後血清 P 濃度の推 移を考慮して適宜増減することで沈降炭酸 Ca 製剤と同等の血清 P 濃度低下効果を示すことが明らかと なった。また、本剤投与による血清 Ca 濃度の上昇は認められず、高 Ca 血症の発現は皆無であり、沈降 炭酸 Ca 製剤に対する優位性が確認された。主な副作用は便秘をはじめとする胃腸障害であったが、ほ とんどの症例は無処置あるいは薬物治療により対処可能であった。 (第Ⅲ相一般臨床試験(腹膜透析)) 夜間透析を含む腹膜透析患者 35 例を対象に 2∼4 週間の washout 後、2 週間ごとに用量を適宜増減し 計 8 週間投与した。初期用量は、血液透析患者における第Ⅱ相試験成績から設定した 3.0 あるいは 6.0g/ 日とした。その結果、投与終了時の血清 P 濃度は 5.93±0.16mg/dL(95%CI:5.61∼6.26mg/dL)と目標 値に達し、変化量は-1.52±0.22mg/dL(95%CI:-1.95∼-1.08mg/dL)であった。本剤投与期間中の血清 Ca 濃度は、9.5mg/dL 付近で推移し、有意な変動は認められなかった。Ca×P 積は投与終了時 56.14± 1.55(mg/dL)2であり、変化量は-15.26±2.06(mg/dL)2と有意に低下した。血清 intact-PTH 濃度は、投与後 有意に低下した。最終時の平均投与量は 5.04g/日であった。副作用は 16/35 例(45.7%)に認められ、便 秘および便秘増悪 8 例(22.9%)、腹部膨満 3 例(8.6%)、消化不良 2 例(5.7%)と胃腸障害が多かっ た。副作用の発現により本剤の減量・中止を必要とした症例はなく、無処置あるいは薬物治療により対 処可能であった。T-Cho、LDL-Cho、Lp(a)、RLP-Cho が有意に低下し、HDL-Cho が有意に上昇した。ALP および Cl の上昇、ビタミン D(1,25(OH)2D、25(OH)D)および E、葉酸の低下がみられたが、臨床的に 問題となる変動ではないと考えられた。本剤は腹膜透析患者においても血液透析患者と同様に血清 P 濃 度を低下させる効果を有することが確認され、安全性に関しても問題となる所見は認められなかった。

(長期投与試験)

長期投与試験は、第Ⅲ相比較試験からの継続例および新規の高 P 血症患者計 157 例を対象に 1∼4 週 ごとに用量を適宜増減して計 48 週間投与した。本剤投与後血清 P 濃度は 6.0mg/dL 付近で推移し、投与

(12)

ト-8

開始後 48 週では 5.63±0.10mg/dL であった。血清 Ca 濃度は、ほぼ 9.0mg/dL 付近で推移し、投与開始後 48 週では 9.33±0.08mg/dL であった。Ca×P 積は投与開始後 48 週では 52.60±1.10(mg/dL)2であった。 血清 intact-PTH 濃度(Median)は、投与開始後 48 週では 184.0pg/mL であり、そのうちビタミン D 製剤 併用例で低下、特に増量例においては血清 Ca 濃度の上昇をきたすことなく低下した。一方、非併用例 では軽度上昇した。また、血清 intact-PTH 濃度が著しく低値(60pg/mL 未満)であった症例の割合は非 併用例で減少し、高値(360 あるいは 300pg/mL 以上)の割合は併用例、特に増量例において顕著に減 少した。平均投与量は 4.46g/日であった。副作用は、113/157 例(72.0%)に認められ、最も高い頻度で 発現した副作用は便秘(便秘増悪も含む)72 例(45.9%)であった。副作用により投与を中止した症例 は、6 例(吐血、嘔気・嘔吐 NOS、腹部膨満・おくび、血中アルカリホスファターゼ NOS 増加各 1 例、 便秘増悪 2 例)であり、症状は中止後いずれも消失・回復した。重篤な副作用としては、1/157 例(0.6%) に吐血が認められ、本剤との因果関係は、どちらともいえないと判定された。T-Cho、LDL-Cho、TG は 有意に低下し、HDL-Cho は有意に上昇した。ALP、Cl の上昇、pH、HCO3の低下等が認められたが、臨 床的に問題となる変動ではないと考えられた。以上より本剤は、長期投与においても血清 Ca 濃度を上 昇させることなく血清 P 濃度を低下させ、維持することが確認され、安全性に関しても問題はないもの と考えられた。 (製剤間の同等性について) 「血清 P 濃度低下量」を指標に第Ⅱ相用量設定試験(Φ10.5mm 錠剤)と第Ⅲ相比較試験(Φ9.0mm 錠剤)における 2 種の製剤の薬効を比較した結果、両剤における投与 2 週後の血清 P 濃度低下量の差 (Mean±S.D.)は、3.0g/日使用時が-0.03±0.33(95%CI:-0.68∼0.62)、6.0g/日使用時が-0.02±0.46(95%CI: -0.95∼0.90)であり両製剤に明確な差異は認められなかった。 海外臨床試験成績 (第Ⅲ相 b 試験(440mg カプセル剤使用)) 血液透析患者計 172 例を対象に一般臨床試験として実施された。初期投与量は投与前の血清 P 濃度に 基づき 2.64、3.96、5.28g として 2 週間ごとに適宜増減し計 8 週間投与した。平均投与量は 5.0g/日であ った。血清 P 濃度は、136/168 例(81.0%)において washout 前値または 5.5mg/dL 以下に低下した。T-Cho および LDL-Cho は有意に低下した。血清 Ca 濃度はわずかに上昇したが、休薬前値より低値であった。 副作用は下痢、消化不良等消化器症状が最も多く認められた。臨床上問題となる臨床検査値変動はなか った。 (長期投与試験(440mg および 403mg カプセル剤使用)) 短期試験に参加した血液透析患者 192 例を対象に実施された。投与開始後 1、2、4 週、それ以降は 4 週ごとに適宜増減し計 44 週間投与した。平均投与量は 5.0g/日であった。血清 P 濃度(Mean±S.D.)は 投与開始時 8.66±2.21mg/dL で、投与開始後低下し、投与終了時には 6.43±1.94mg/dL と有意に低下した。 血清 Ca 濃度はわずかに上昇したが、基準値内の変動であった。T-Cho と LDL-Cho は有意に低下し、 HDL-Cho は有意に上昇した。副作用は嘔気、嘔吐 NOS、消化不良等の消化器症状が多く、Fe、鉄飽和 度、フェリチン、1,25(OH)2D の上昇が認められた。 (Ca 製剤を対照とした長期比較試験(石灰化定量)(800mg 錠剤使用)) 血液透析患者 200 例を対象として PB-94 あるいは Ca 製剤を 52 週間投与した。その結果、投与終了時

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ト-9

血清 P 濃度は両群とも 5.2mg/dL であり、両群間に有意な差は認められなかった。血清 Ca 濃度はカルシ ウム群でのみ有意な上昇が認められ、高 Ca 血症発現率はカルシウム群で有意に高かった。投与終了時 Ca×P 積は両群間で有意な差は認められなかったが、PB-94 群で低値であった。血清 intact-PTH 濃度は、 PB-94 群では目標値(150~300pg/mL)を維持したのに対し、カルシウム群では目標値以下に低下した。 T-Cho および LDL-Cho は PB-94 群でのみ有意に低下した。Electron Beam Tomography(EBT)による冠 動脈および大動脈石灰化定量評価の結果、PB-94 群はカルシウム群と比較し、冠動脈および大動脈の石 灰化進行を有意に抑制させた。石灰化の進行にはカルシウム製剤投与に伴う血清 Ca 濃度の上昇および 血清 intact-PTH 濃度の過剰抑制との関連性が示唆された。また、PB-94 の LDL-Cho 低下作用が石灰化の 進行抑制に寄与している可能性も推察された。 (長期投与試験成績のまとめ) 本剤の長期投与試験成績のまとめとして海外長期投与試験成績と国内長期投与試験成績を比較検討 した。その結果、本剤の有効性の指標である血清 P 濃度、血清 Ca 濃度は同様な推移を示し、平均投与 量はほぼ同量であった。有害事象および副作用を検討した結果、国内において新たに問題となる事象の 発現は認められず、最も発現頻度の高い副作用は国内および海外ともに胃腸障害であった。しかしなが ら、胃腸障害の副作用発現頻度は、国内 66.9%に対し、海外 20.3%であり、特に便秘(便秘増悪含む)、 腹痛(上腹部痛および腹痛 NOS)、腹部膨満の発現頻度に違いが認められた。これらは消化器疾患合併 率や身体的特徴の違いなどに起因するものと考えられ、本邦では便秘をはじめとする胃腸障害の発現に は十分注意する必要があるものと考えられた。胃腸障害の発現率に差が認められたものの、その他の副 作用発現率に違いが認められないこと、国内で新たに問題となる副作用が認められないことから海外長 期投与試験成績は、本邦における長期投与試験成績を補足する資料になりうると結論した。 以上の成績から、高 P 血症に対する本剤の有用性が示された。

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ト-10

1. 臨床試験成績

(1) 第Ⅰ相試験 (添付資料ト−1∼2) PB-94 の第Ⅰ相試験として、単回投与試験、反復投与試験を実施し、安全性および安全用量につい て検討した。 1) 単回投与試験 (添付資料ト−1) 健康成人男性を対象に PB-94 の単回投与試験を実施した。試験の方法を表ト− 3 に示す。 表ト− 3 第Ⅰ相試験(単回投与)の方法 項 目 内 容 試験の目的 PB-94 単回経口投与時の安全性の確認および安全用量の推定をプラセボを用いた単盲 検試験により検討する。 試験の種類 単盲検 対象 健康成人男性 1)選択基準 (1)年齢 20 歳以上 60 歳未満の健康成人男性 (2)体重が標準体重((身長-100)×0.9)±20%以内である者 (3)試験参加前の事前検診時の問診、生理学的検査、臨床検査、特殊検査等で異常 が認められず、治験責任医師により被験者として適格と判断された者 2)除外基準 (1)心臓、肝臓および腎臓疾患の既往歴・現病歴がある者 (2)消化器系に手術歴・現病歴がある者 (3)薬物によるアレルギーまたは薬物中毒・アルコール中毒の既往歴・現病歴があ る者 (4)試験開始前 4 ヵ月以内に他の新医薬品の治験に参加、または 3 ヵ月以内に既承 認薬の治験に参加した者 (5)試験開始前 1 週間以内に、他の薬物を投与されたり服用した者 (6)試験開始前 3 ヵ月以内に 400mL を超える全血採血あるいは成分採血(血漿成分 採血および血小板成分採血)を行った者 (7)その他、本試験の対象として好ましくないと治験責任医師が判断した者 使用薬剤 1錠中に PB-94 を 0(プラセボ)または 250mg 含有するフィルムコーティング錠 試験方法 低用量から順に 4 用量(0.5、1.0、2.0、4.0g:ステップ 1∼4)を単回経口投与する。各 ステップで PB-94 群とプラセボ群を無作為に割付け、朝食の約 5 分前に規定量の水(150 ∼200mL)とともに投与する。なお、次ステップへの移行は、前ステップでの自覚症状、 臨床検査値等の成績から安全性を考慮し決定する。 実施症例数 ステップ 1:PB-94 群 6 例、プラセボ群 3 例 ステップ 2:PB-94 群 6 例、プラセボ群 3 例 ステップ 3:PB-94 群 6 例、プラセボ群 3 例 ステップ 4:PB-94 群 6 例、プラセボ群 3 例 検査・観察項目 診察、自覚症状、便性状、P・Ca 摂取量、生理学的検査、血液学的検査、血液生化学的 検査、血液凝固系検査、ビタミン関連検査、尿検査(表ト− 4)。 なお、本剤は動物試験において血液中への移行が見られず非吸収性であると考えられる こと、さらに本剤は不溶性のポリカチオン性ポリマーで測定が不可能であることから、 血中および尿中薬物濃度測定は行わない。

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ト-11

表ト− 3 第Ⅰ相試験(単回投与)の方法(つづき) 項 目 内 容 検査・観察時期 表ト− 5のとおり 治験総括医師 統計解析 被験者背景について分類集計を行う。PB-94 群とプラセボ群との血清 P 濃度、血清 Ca 濃度の推移パターンについて、二元配置分散分析を行い、時期×群の交互作用を検討す る(両側、有意水準 5%)。 実施施設 実施期間 表ト− 4 検査・観察項目 検査・観察項目 検査項目 生理学的検査 血圧、脈拍数、体温、体重、心電図 血液学的検査 RBC、Hb、Ht、Plt、WBC、WBC 分画、MCV、MCH、MCHC、Ret 血液生化学的検査 TP、Alb、A/G、AST、ALT、ALP、ALP 分画、LDH、γ-GTP、グル コース、TG、T-Cho、T-Bil、D-Bil、BUN、UA、Cr、Na、 K、 Cl、 Ca、P、 Fe、 UIBC

血液凝固系検査 PT、APTT、フィブリノーゲン ビタミン関連検査 ビタミン A、D(25(OH)D)、E、K(K1、 K2) 尿検査(スポット尿) pH、蛋白、グルコース、ケトン体、潜血、ウロビリノーゲン、ビリ ルビン、比重、沈渣 臨 床 検 査 尿検査(蓄積尿) Cr、BUN、Na、K、Cl、Ca、P、尿量 その他観察・検査 診察、自覚症状、便性状、P・Ca 摂取量 表ト− 5 検査・観察時期 検査・観察項目 時 期 診察 投与前、投与 1、2、3、4、6、8、12、24、48、72 時間後 自覚症状 入院期間中の随時 便性状 入院期間中の排便後 P・Ca 摂取量 毎食後(軽食を含む) 生理学的検査 投与前、投与 1、2、3、4、6、8、12、24、48、72 時間後(体重は投 与前、投与 24、48、72 時間後、心電図は投与前、投与 72 時間後) 血液学的検査 投与前、投与 24、48、72 時間後 血液生化学的検査 投与前、投与 24、48、72 時間後 (Na、K、Cl、Ca、P はさらに投与 2、4、8、12 時間後) 血液凝固系検査 投与前、投与 24、48、72 時間後 ビタミン関連検査 投与前、投与 24、48、72 時間後 尿検査(スポット尿) 投与前、投与 24、48、72 時間後 臨 床 検 査 尿検査(蓄積尿) 投与時から 72 時間後までの 24 時間蓄積尿

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ト-12

用法・用量の設定根拠: 初回投与量(ステップ 1)は、感受性の最も高かったイヌでの 1 ヵ月反復経口投与毒性試験(添付 資料ニ−4)における無毒性量 0.6g/kg/日の 1/60 以下を目安にして 0.5g の単回投与とした。最高投与 量(ステップ 4)は、海外第Ⅰ相試験において 4.75g 単回投与までの安全性が確認されていること、 また、海外第Ⅱ相 a 試験成績より臨床用量を 1 回 1.2g 程度と想定し 4.0g とした。なお、ステップ 2 および 3 の投与量は、公比を 2 としてステップ 1 の投与量より算出した。 試験成績: 健康成人男性 36 例を対象として試験を実施した。血清 P 濃度は全ステップで各群とも投与 2 時間 後に低下した。その後、投与開始前値付近まで上昇し、投与 12 時間以降はほぼ一定の値で推移した (図ト− 1)。ステップ 2 で PB-94 群とプラセボ群の推移パターンに有意差が認められたが(時期× 群の交互作用;p=0.047)、その前後の用量では有意差は認められず、薬剤投与による影響ではないも のと考えられた。なお、投与 2 時間後の血清 P 濃度の低下については、用量依存性がなく、またプラ セボ群でも同様な推移を示したことから日内変動によるものと考えられた。 血清 Ca 濃度については、血清 P 濃度と同様に投与 2∼4 時間後に低下が認められ、その後投与開始 前値付近まで上昇し、投与 12 時間以降はほぼ一定の値で推移した。その推移はプラセボ群と同様で あり、用量依存性は認められなかった。 因果関係が否定できない有害事象は、ステップ 1 の 1 例に血清鉄低下および UIBC 上昇を認めたが、 無処置にて速やかに回復した。その他、血液学的検査、血液生化学的検査等の臨床検査項目において、 臨床的に問題となる変動は認められなかった。 以上のことから、健康成人男性に対する本剤 4.0g までの単回投与の安全性に問題はないと考えられ た。

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ト-13

ステップ1 0 1 2 3 4 5 6 -1 11 23 35 47 59 71 投与後時間 (mg/dL) PB-94 0.5g プラセボ 0 12 24 36 48 60 72 ステップ2 0 1 2 3 4 5 6 -1 11 23 35 47 59 71 投与後時間 (mg/dL) PB-94 1.0g プラセボ 0 12 24 36 48 60 72 ステップ3 0 1 2 3 4 5 6 -1 11 23 35 47 59 71 投与後時間 (mg/dL) PB-94 2.0g プラセボ 0 12 24 36 48 60 72 ステップ4 0 1 2 3 4 5 6 -1 11 23 35 47 59 71 投与後時間 (mg/dL) PB-94 4.0g プラセボ 0 12 24 36 48 60 72 図ト− 1 血清リン濃度の推移(Mean±S.D.)

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ト-14

2) 反復投与試験 (添付資料ト−2) 健康成人男性を対象に PB-94 の反復投与試験を実施した。試験の方法を表ト− 6 に示す。 表ト− 6 第Ⅰ相試験(反復投与)の方法 項 目 内 容 試験の目的 PB-94 反復経口投与時の安全性の確認および安全用量の推定をプラセボを用いた単盲 検試験により検討する。 試験の種類 単盲検 対象 健康成人男性 1)選択基準 (1)年齢 20 歳以上 60 歳未満の健康成人男性 (2)体重が標準体重((身長-100)×0.9)±20%以内である者 (3)試験参加前の事前検診時の問診、生理学的検査、臨床検査、特殊検査等で異常 が認められず、治験責任医師により被験者として適格と判断された者 2)除外基準 (1)心臓、肝臓、腎臓および血液疾患の既往歴・現病歴がある者 (2)消化器系に手術歴・現病歴がある者 (3)薬物によるアレルギーまたは薬物中毒・アルコール中毒の既往歴・現病歴があ る者 (4)試験開始前 4 ヵ月以内に他の新医薬品の治験に参加、または 3 ヵ月以内に既承 認薬の治験に参加した者 (5)試験開始前 1 週間以内に、他の薬物を投与されたり服用した者 (6)試験開始前 3 ヵ月以内に 400mL を超える全血採血あるいは成分採血(血漿成分 採血および血小板成分採血)を行った者 (7)その他、本試験の対象として好ましくないと治験責任医師が判断した者 使用薬剤 1錠中に PB-94 を 0(プラセボ)または 250mg 含有するフィルムコーティング錠 試験方法 低用量から順に 2 用量(1 回 1.5g、1 回 3.0g:ステップ 1、2)を 1 日 3 回 7 日間反復経 口投与する。各ステップで PB-94 群とプラセボ群を無作為に割付け、毎食約 5 分前に規 定量の水(150∼200mL)とともに投与する。なお、ステップ 2 への移行は、ステップ 1 での自覚症状、臨床検査値等の成績から安全性を考慮し決定する。 実施症例数 ステップ 1:PB-94 群 8 例、プラセボ群 4 例 ステップ 2:PB-94 群 9 例、プラセボ群 4 例 検査・観察項目 診察、自覚症状、P・Ca 摂取量、生理学的検査、血液学的検査、血液生化学的検査、 血液凝固系検査、ビタミン関連検査、尿検査、便検査(表ト− 7)。 なお、本剤は動物試験において血液中への移行が見られず非吸収性であると考えられる こと、さらに本剤は不溶性のポリカチオン性ポリマーで測定が不可能であることから、 血中および尿中薬物濃度測定は行わない。 検査・観察時期 表ト− 8のとおり 統計解析 被験者背景について分類集計を行う。生理学的検査値および臨床検査値の投与前後の比 較を paired t-test を用いて行う。また PB-94 群とプラセボ群との血清 P 濃度、血清 Ca 濃度の推移パターンについて二元配置分散分析を行い、時期×群の交互作用を検討する (両側、有意水準 5%)。 実施施設 実施期間

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ト-15

表ト− 7 検査・観察項目 検査・観察項目 検査項目 生理学的検査 血圧、脈拍数、体温、体重、心電図 血液学的検査 RBC、Hb、Ht、Plt、WBC、WBC 分画、MCV、MCH、MCHC、Ret 血液生化学的検査 TP、Alb、A/G、AST、ALT、ALP、ALP 分画、LDH、γ-GTP、グル コース、TG、T-Cho、HDL-Cho、LDL-Cho、T-Bil、D-Bil、BUN、UA、 Cr、Na、 K、 Cl、Ca、 P、 Mg、Cu、Zn、Fe、UIBC、胆汁酸、intact-PTH、 HS-PTH、カルシトニン

血液凝固系検査 PT、APTT、フィブリノーゲン

ビタミン関連検査 ビタミン A、 D(1,25(OH)2D、24,25(OH)2D、25(OH)D)、E、K1、B12、 葉酸 尿検査(スポット尿) pH、 蛋白、グルコース、ケトン体、潜血、ウロビリノーゲン、ビリ ルビン、比重、沈渣 尿検査(蓄積尿) Cr、BUN、Na、K、Cl、Ca、P、尿量 臨 床 検 査 便検査 便中 P 排泄量 その他検査・観察 診察、自覚症状、P・Ca 摂取量 表ト− 8 検査・観察時期 検査・観察項目 時 期 診 察 3 日前、2 日前、前日、投与開始日∼投与終了日(6 日後)は 1 日 3 回治験薬各投与前、投与終了 1 日後、2 日後、3 日後 (開始日のみさらに初回投与 1 時間後、2 時間後) 自覚症状 入院期間中の随時 P・Ca 摂取量 毎食後(軽食を含む) 生理学的検査 3 日前、2 日前、前日、投与開始日∼投与終了日(6 日後)は 1 日 3 回治験薬各投与前、投与終了 1 日後、2 日後、3 日後 (開始日のみさらに初回投与 1 時間後、2 時間後) 体重は 3 日前∼投与終了 3 日後まで 1 日 1 回 心電図は 3 日前、投与開始日、投与終了 3 日後 血液学的検査 3 日前、投与開始日、1、2、5、7 日後(投与終了翌日)、9 日後(終 了 3 日後) 血液生化学的検査 3 日前、投与開始日、1、2、5、7 日後(投与終了翌日)、9 日後(終 了 3 日後) 血液凝固系検査 3 日前、投与開始日、1、2、5、7 日後(投与終了翌日)、9 日後(終 了 3 日後) ビタミン関連検査 3 日前、投与開始日、7 日後(投与終了翌日)、9 日後(終了 3 日後) 尿検査(スポット尿) 3 日前、投与開始日、7 日後(投与終了翌日)、9 日後(終了 3 日後) 尿検査(蓄積尿) 3 日前 9:00 から 9 日後の 9:00 まで 24 時間間隔で蓄尿する。 臨 床 検 査 便検査 3 日前 9:00 から 9 日後の 9:00 まで 24 時間間隔で蓄便する。

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ト-16

用法・用量の設定根拠: 第Ⅰ相単回投与試験(0.5、1.0、2.0、4.0g)の結果、安全性に問題が認められなかったこと、また、 海外第Ⅲ相試験において 1 日最高 9.0g までの治験が実施されていることを考慮し、1 回 1.5g、1 日 3 回(4.5g/日)および 1 回 3.0g、1 日 3 回(9.0g/日)を選択した。 投与期間については、通常第Ⅰ相反復投与試験で検討されている 7 日間に設定した。 試験成績: 健康成人男性 24 例を対象として試験を開始したが、ステップ 2 の 1 例は Ret の上昇が投与前より 続いていたため、本剤投与後 3 日目に中止された。このため 1 例を追加し、合計 25 例の被験者が本 試験に参加した。 両ステップとも血清 P 濃度の推移パターンに群間差は認められなかった(時期×群の交互作用;ス テップ 1:p=0.119、ステップ 2:p=0.166)。尿中 P 排泄量(図ト− 2)については、両ステップとも その推移パターンに群間差が認められ(時期×群の交互作用;ステップ 1:p=0.005、ステップ 2: p=0.024)、投与期間中、ステップ 1 では投与開始日以降、ステップ 2 では投与後 3 日以降、本剤投与 群はプラセボ群に比し低値を推移した。累積便中 P 排泄量(図ト− 3)についても両ステップでその 推移に群間差が認められ(t 検定;ステップ 1:p=0.003、ステップ 2:p<0.001)、投与開始日以降、 本剤投与群はプラセボ群に比し高値を推移した。また、本剤投与群のステップ間の 9 日後の比較にお いて 9.0g 群は 4.5g 群に比べ高値であった(t 検定;p=0.003)。 血清 Ca 濃度の推移パターンは、ステップ 1 で群間差が認められたものの(時期×群の交互作用; p=0.008)、ステップ 2 では認められず(時期×群の交互作用;p=0.879)、薬剤投与による影響では ないと考えられた。 以上、本剤投与により尿中への P 排泄量が減少し、糞便中への P 排泄量が増加したことは、本剤が 食事中の P と結合し体内への吸収を阻害したことを示すものと考えられた。また、血清 P 濃度に群間 差が認められなかったことについては、生体への P 摂取量の減少に対して、正常な腎機能が代償的に 作用し尿中への P 排泄を抑制した結果と考えられた。 本剤投与群においては因果関係が否定できない有害事象として、ステップ 1 では T-Cho 低下が 3 例、 LDL-Cho 低下が 8 例、ステップ 2 では T-Cho 低下が 4 例、LDL-Cho 低下が 6 例に認められたが、T-Cho および LDL-Cho の変動については、本剤が腸管内の胆汁酸を吸着し、肝臓におけるコレステロール 異化促進作用および腸管内のコレステロール吸収阻害作用により低下したものと考えられ、本剤の薬 理作用に基づくものと考えられた。その他、血液学的検査、血液生化学的検査等の臨床検査項目にお いて、臨床的に問題となる変動は認められなかった。なお、試験を中止した被験者の Ret 上昇につい ては、本剤投与前からみられており、因果関係はないと判断された。

(21)

ト-17

0 200 400 600 800 1000 1200 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 尿中 P排泄量 PB-94 4.5g/日 プラセボ (mg/日) ステップ1 -3∼-2 -2∼-1-1∼0 0∼1 1∼2 2∼3 3∼4 4∼5 5∼6 6∼7 7∼8 8∼9 前観察期 投与期 後観察期 観察時期(日) 0 200 400 600 800 1000 1200 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 尿中 P排泄量 PB-94 9.0g/日 プラセボ (mg/日) ステップ2 -3∼-2 -2∼-1-1∼0 0∼1 1∼2 2∼3 3∼4 4∼5 5∼6 6∼7 7∼8 8∼9 前観察期 投与期 後観察期 観察時期(日) 図ト− 2 尿中 P 排泄量の推移(Mean±S.D.) 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 累積便中 P排泄量 PB-94 4.5g/日 プラセボ 投与9日後 (mg) 投与開始日 投与3日後 投与6日後 ステップ1 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 累積便中 P排泄量 PB-94 9.0g/日 プラセボ 投与9日後 (mg) 投与開始日 投与3日後 投与6日後 ステップ2 図ト− 3 累積便中 P 排泄量(Mean±S.D.)

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ト-18

第Ⅰ相試験より第Ⅱ相試験へ移行する妥当性: 本剤 0.5∼4.0g の単回投与試験、4.5 および 9.0g/日の 7 日間反復投与試験の結果、臨床的に問題と なる事象は認められなかった。臨床検査値については、反復投与試験で T-Cho 低下、LDL-Cho 低下が みられたが、先行して実施された海外臨床試験においても認められている既知の変動であり、これら の検査値に注意することにより第Ⅱ相試験へ移行することは妥当であると考えられた。

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ト-19

(2) 第Ⅱ相用量設定試験 (添付資料ト−3) 第Ⅰ相試験終了後、PB-94 の本邦での第Ⅱ相試験開始に先立ち、海外臨床試験の利用について検討 を行った。 年 月に海外臨床試験成績を参考に作成した第Ⅱ相用量設定試験の試験デザインの 妥当性について医薬品機構の治験相談(個別相談)を実施した結果、海外用量を参考に第Ⅱ相用量設 定試験を行うことについて了承が得られ、第Ⅱ相用量設定試験を実施した。試験の方法を表ト− 9 に示す。 表ト− 9 第Ⅱ相用量設定試験の方法 項 目 内 容 試験の目的 血液透析患者における高 P 血症に対する PB-94 の臨床用量および用量反応関係、安全性 を中央登録法による無作為割付並行群間比較試験で検討する。 試験の種類 オープン試験(無作為割付 4 用量並行群間比較試験) 対象疾患 透析施行中の慢性腎不全患者の高 P 血症 1)選択基準 以下の条件を満たす患者のうち、高 P 血症に対する治療を中止し、washout 開始後 2 週の最大透析間隔後の透析前血清 P 濃度が 6.0 以上 10.0mg/dL 未満の患者。 (1)年齢満 20 歳以上 75 歳未満の患者 (2)週 3 回の血液透析を受けている安定期慢性腎不全患者 (3)少なくとも 1 ヵ月間は一定の高 P 血症に対する治療がなされている患者 (4)高 P 血症に対する治療を 3 週間中止することが可能と考えられる患者 (5)ビタミン D 補充療法を受けている場合は、少なくとも 1 ヵ月間その用法・用 量が一定の患者 (6)絶食または極度の食事制限を行っていない患者 2)除外基準 (1)washout 期間中に最大透析間隔後の透析前血清 P 濃度が 10.0mg/dL 以上になっ た患者 (2)妊婦、授乳婦あるいは妊娠の疑いのある患者 (3)コントロール困難な糖尿病・高血圧の患者 (4)胃または腸切除術の既往、あるいは嚥下障害、腸閉塞、出血性消化管病変を 合併している患者 (5)排便が不規則な患者(常習的便秘もしくは軟便傾向の強い患者) (6)高度な心疾患、肝機能障害*あるいは肝硬変を合併している患者 *:仮登録時前 30 日以内あるいは本登録前 3 週間(投与開始前 3 週間)の AST、 ALT のいずれかが 100IU/L 以上 (7)薬物によるアレルギーまたは薬物中毒・アルコール中毒の既往歴・現病歴が ある患者 (8)仮登録時前 30 日間および本登録時まで他の治験薬の投与を受けた患者 (9)HIV 感染患者、悪性腫瘍患者 (10)その他、治験責任医師または治験分担医師が不適切と判断した患者 使用薬剤 1錠中に PB-94 を 250mg 含有するフィルムコーティング錠 試験方法 1)症例登録・割付 治験責任医師または治験分担医師は本試験対象に該当する患者と判断した場合、患者に 試験内容を説明し同意を取得した後、登録センターに仮登録を行い、仮登録後、高 P 血 症に対する治療を中止(3 週間:1st washout)する。その間、定められた検査を行い、 washout 開始後 2 週(PB-94 投与開始前 1 週の最大透析間隔後透析前)の血清 P 濃度が 6.0 以上 10.0mg/dL 未満の患者を本登録症例とし、10.0mg/dL 以上になった場合は患者の 安全性を考慮して中止とする。登録センターは、患者の適格性を確認した後、本登録を 受理し、治験責任医師または治験分担医師に投与薬剤量(割付番号)を連絡する。割付 は無作為層別割付法により、層別因子として施設および登録時の血清 P 濃度(6.0≦∼ <8.0mg/dL,8.0≦∼<10.0mg/dL)*を用いて行う。

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ト-20

表ト− 9 第Ⅱ相用量設定試験の方法(つづき) 項 目 内 容 試験方法 (つづき) 2)投与方法 割付に従い1回 2 錠(A 群)、4 錠(B 群)、8 錠(C 群)、10 錠(D 群)のいず れかを 1 日 3 回毎食前に 6 週間経口投与する。なお、初回の投与は最大透析間隔後の 透析終了後の食直前より開始する。血清 P 濃度が連続して 3.0mg/dL 未満になり、治 験 責 任 医 師 ま た は 治 験 分 担 医 師 が 臨 床 的 に 問 題 があ る と 判 断 し た 場 合 は 、2nd washout に移行する。投与終了後 2 週間(2nd washout)は高 P 血症に対する治療を行 わず、定められた検査・観察を行う。 A 群:1 回 2 錠(0.5g)、1 日 3 回(1.5g/日) B 群:1 回 4 錠(1.0g)、1 日 3 回(3.0g/日) C 群:1 回 8 錠(2.0g)、1 日 3 回(6.0g/日) D 群:1 回 10 錠(2.5g)、1 日 3 回(7.5g/日) 3)試験の中止 以下の場合には、該当する被験者の試験を中止する。 (1)被験者が中止を希望した場合 (2)1st washout 期間中に血清 P 濃度が 10.0mg/dL 以上になった場合 (3)投与期において血清 P 濃度の測定値が連続して 3.0mg/dL 未満あるいは 10.0mg/dL 以上になり、治験責任医師または治験分担医師が臨床的に問題があ ると判断した場合 (4)2nd washout 期間中に血清 P 濃度が 10.0mg/dL 以上になった場合 (5)症状、所見の悪化により、試験の継続が困難な場合 (6)副作用の発現により、試験の継続が困難な場合 (7)合併症の悪化または偶発症の発現により、試験の継続が困難な場合 (8)その他、治験責任医師または治験分担医師が投与の継続が不適当と認めた場合 併用薬剤 1)1st washout 開始時から 2nd washout 終了時までの併用禁止薬 高 P 血症に対する治療(血清 P 濃度に影響を及ぼすと考えられる以下の薬剤の併用) は禁止する。 (1)Ca 製剤、Al 製剤、Mg 製剤等、P 結合作用を有する薬剤 (2)ニセリトロールなど血清 P 濃度に影響を及ぼす薬剤 (3)その他、P 結合作用を有する食品(酢酸 Ca、卵殻 Ca 等) 2)試験期間中食事療法は変更しない。 3)活性型ビタミン D 製剤、カルシトニン製剤は、試験開始 1 ヵ月以上前より使用し、 用法・用量が一定している場合は併用を可とするが、試験期間中は用法・用量の変更 は行わない。なお、試験開始前少なくとも 1 ヵ月以内に用法・用量を変更した場合は 対象としない。 4)ドライウエイト以外の透析条件は試験期間中変更しない。 検査・観察項目 血液学的検査 :RBC、Hb、Ht、Plt、WBC 血液生化学検査(1) :P、Ca 血液生化学検査(2) :TP、Alb、AST、ALT、LDH、ALP、T-Cho、LDL-Cho、HDL-Cho、 T-Bil、BUN、Cr、UA、Na、K、Cl、Mg、intact-PTH 血液生化学検査(3) :Fe、UIBC、Cu、Zn、総胆汁酸、葉酸、血液ガス(pH、pCO2、 pO2、HCO3) 血液凝固能検査 :PT、APTT、フィブリノーゲン

ビタミン関連検査 :ビタミン A、B12、D(1,25(OH)2D、24,25(OH)2D、25(OH)D)、 E、K(PK、MK-4、MK-7)

食事アンケート :リン、カルシウム、総エネルギー、総蛋白、総脂肪、食塩、 カリウム、ナトリウム

:中央測定 検査・観察時期 表ト− 10 のとおり

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ト-21

表ト− 9 第Ⅱ相用量設定試験の方法(つづき) 項 目 内 容 評価方法(項目) 及び評価基準 1)有効性 主要評価項目 :投与終了時(投与 6 週後あるいは投与中止時)における血清 P 濃度 低下量 副次的評価項目:①週当たりの血清 P 濃度低下量 ②血清 P 濃度が目標値に達した時期(血清 P 濃度の目標値は 4.0 以 上 6.0mg/dL 未満とする) ③血清 P 濃度の推移を考慮し、下記の 4 段階で主治医印象の評価を 行う。 1.大変満足した 2.満足した 3.やや満足した 4.満足できなかった 2)安全性:有害事象 (1)安全性は有害事象の発現(血液学的検査、血液生化学検査、血液凝固能検査およ びビタミン関連検査の臨床検査値異常変動を含む)を基に判定する。なお、臨床検 査値については、その異常値を含む検査値の推移について、異常変動であるか否 かを判断するが、血清 P 濃度、T-Cho および LDL-Cho については、本薬剤の薬理 作用を勘案し、治験責任医師または治験分担医師が医学的に問題があると判断し た場合に、異常変動とすることとする。 治験薬投与後に発現した有害事象と治験薬との因果関係を「関連なし」、「ほと んど関連なし」、「どちらともいえない」、「おそらく関連あり」、「明らかに 関連あり」の 5 段階で判定する。因果関係が「どちらともいえない」、「おそら く関連あり」、「明らかに関連あり」と判定されたものを副作用として取り扱う。 (2)概括安全度 副作用の発現状況、程度、因果関係を考慮し、概括安全度を下記の 5 段階で 評価する。 1.問題なし(副作用はなかった) 2.ほぼ問題ない(副作用はあったが臨床上問題はなかった) 3.やや問題がある(副作用のため何らかの治療、処置を必要とした) 4.問題がある(副作用のため投与を中止した、あるいは中止するべきであった) 5.極めて問題がある(重篤な副作用のため投与を中止した) 目標症例数と その設定根拠 1)目標症例数:各群 25 例、計 100 例 2)設定根拠: 海外第Ⅲ相 b 試験の結果を参考に各用量における血清 P 濃度低下量を次の様に推定 した。すなわち、1 日投与量 1.5g、3.0g、6.0g、7.5g のそれぞれの血清 P 濃度低下量を -1.70mg/dL、-2.55mg/dL、-3.78mg/dL、-4.38mg/dL、さらに標準偏差は 1.86 と仮定した。 また、第 1 種の過誤αを両側 5%、第 2 種の過誤βを 20%と仮定した。本試験では全 体の 50%の症例が 1 日に 5.12g 以下の投与量において反応していたこと、および最後 の 2 週間の平均 1 日投与量が 5.72g であったことから 1 日投与量 6.0g 群と最低用量で ある 1.5g 群について Tukey の多重比較検定で対比較を行い、検出力が 80%を超える時 の例数を算出した結果、必要例数は 1 群 20 例であった。これらに脱落例等を考慮し 1 群 25 例、計 100 例とした。 実施症例数 総症例数 96 例(A 群:23 例、B 群:25 例、C 群:22 例、D 群:26 例) 同意の取得 文書:本人 96 例

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ト-22

表ト− 9 第Ⅱ相用量設定試験の方法(つづき) 項 目 内 容 統計解析 本試験においては PPS 症例を主要な解析対象とする。背景因子の解析は、名義尺度およ び順序尺度の項目についてはχ2検定を行う。また、連続尺度の項目については、一元 配置分散分析を行うが、ランク分けした場合はχ2検定も行う。 1)有効性 (1)主要解析 投与開始日に対する最終投与時の血清 P 濃度変化量を求める。 臨床用量に関しては得られた変化量を基に Tukey の多重比較検定により用量 間比較を行う(両側α=0.05)。さらに用量反応に関しては、変化量を反応変数、 群を説明変数とし、1.5g/日、3.0g/日、6.0g/日、7.5g/日の 4 用量に対する下記 5 種の対比による平方和の分解により、用量反応プロファイルを検討する(標本 抽出法を用いたシミュレーションにより多重性を調整、片側α=0.05)。また、 群の平方和に対する各対比の平方和の割合(寄与率)を算出する。なお、解析 にあたっては層別割付に用いた因子を共変量として考慮する。 《対比》 (-3、-1、1、3):直線的に増加 (-3、1、 1、1):3.0g/日で飽和 (-5、-1、3、3):6.0g/日で飽和 (-3、-3、1、5):6.0g/日から立ち上がり (-1、-1、-1、3):7.5g/日から立ち上がり (2)副次解析 血清 P 濃度の推移を考慮した主治医印象(ランク評価)について、Tukey の 多重比較検定により用量間比較を行う(両側α= 0.05)。また、週あたりの血 清 P 濃度低下量は、Tukey の多重比較検定により用量間比較を行う(両側α= 0.05) 。血清 P 濃度の目標値達成時期を、Kaplan-Meier 法により推定し、Log-rank 検定を用いて群間比較を行う(両側α= 0.05)。 2)安全性 (1)概括安全度 「問題なし」の出現率(安全率)に関して F 分布に基づく 95%信頼区間 (95%CI) を算出する。 (2)副作用の集計 有害事象の発現例数、発現件数を群別および事象別に集計する。 実施施設 計 4 施設 実施期間 * :血清 P 濃度の区分については、高 P 血症に対する治療の目標血清 P 濃度が 6mg/dL であること、また、患者への安全性の配慮お よび本試験が用量設定試験であることを考慮し有効性を均一にした患者背景で検討するために対象患者の血清 P 濃度の上限を 10mg/dL としたことから、その中間である 8mg/dL を基準に層別した。

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ト-23

表ト− 10 検査・観察時期 1st washout 投与期 2nd washout (週) -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 (投与中止時) (後観察中止時) 同意取得 同意取得 同意取得 同意取得 ↓↓↓↓ 仮登録 ↓↓↓↓ 食事アンケート 3 日間 (可能な限り) 本登録 ↓↓↓↓ 1 日 3 回毎食直前 6 週間投与 3 日間# 血圧 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 体重♭ 透析時間 ● ● ● 血液学的検査 ● ● ● ● ● ● 血液生化学検査(1) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 血液生化学検査(2) ●* 血液生化学検査(3) ● ● 血液凝固能検査 ● ●** ビタミン関連検査 ● ● * :BUN については、投与開始 3 週間前、投与開始日ならびに投与 6 週間後は透析終了後も測定する。 ** :血液凝固能検査の投与 3 週後の検査項目は、PT および APTT のみとする。 # :投与期間が 6 週に達せず中止した場合は、食事アンケートは不要。 ♭ :体重については、透析前、透析後に測定する。 用法・用量および投与期間の設定根拠: 健康成人を対象とした第Ⅰ相反復投与試験では、国内においては 9.0g/日まで(添付資料ト−2)、 海外においては 15.0g/日までの安全性が確認されている。また、海外で血液透析患者を対象に実施し た臨床試験では平均 0.4∼11.6g/日の投与が行われているが、重篤な副作用は認められず、副作用の種 類、発現率には用量間に有意な差はなかった。これらに加え、海外で実施された用量反応関係を検討 した臨床試験のうち最も実施症例数の多かった第Ⅲ相 b 試験(参考資料ト−2)の結果を参考にして、 以下の①∼③の理由により 4 群の各投与量を決定した。①Protocol Compatible(PC)症例 107 例を検 討した結果、本剤投与 8 週間で 107 例中 89 例(83.2%)の症例が反応*した。投与量範囲別にみると、 7.0g/日以下の投与量では 107 例中 83 例(77.6%)が反応し、8.37g/日以下でも 107 例中 87 例(81.3%) と大きな上昇はみられなかった。なお、Intent to Treat(ITT)症例 168 例を検討した結果、本剤投与 8 週間で 168 例中 136 例(81.0%)の症例が反応した。投与量範囲別にみると、8.37g/日以下の投与量で は 168 例中 132 例(78.6%)が反応し、7.0g/日以下でも 168 例中 127 例(75.6%)と低下はみられなか った。したがって、本剤 7.0g/日以上投与での反応率に大きな差はないと考えられ、最高用量は 7.5g に設定した。②最低用量としては、5%前後の症例が反応した 1.5g に設定した。③最低用量 1.5g の 2 倍、4 倍量である 3.0g、6.0g を中間用量に設定した。 投与期間については海外第Ⅲ相 b 試験(参考資料ト−2)の結果より、投与量 7.0g 以下の場合、8 週間の投与で 77.6%、6 週間の投与で 75.7%、4 週間の投与で 63.6%の症例が反応したことから、4 週 間の投与では十分な反応はなく、6 週間の投与で十分な反応が認められると考え、投与期間は 6 週間 と設定した。 *)反応:「血清 P 濃度が washout 前の測定値あるいは 5.5mg/dL 以下へ低下した」と定義

(28)

ト-24

1)症例の内訳 試験に組み入れられた 96 例の症例の内訳を図ト− 4 に、除外症例とその理由を表ト− 11 に示す。 96 例中、投与開始前に患者希望により中止した 1 例と重篤な有害事象(急性腹症)の発現により中止 した 1 例があったことから、本剤が投与された症例は 94 例であった。その 94 例(A 群:23 例、B 群: 25 例、C 群:22 例、D 群:24 例)全例を安全性検討症例とした。FAS 症例については、投与開始後 に最大透析間隔後の検査が行われていない A 群 1 例を除外した。PPS 症例については、投与期間 2 週 未満または服薬率 70%未満であった 10 例(A 群:1 例、B 群:3 例、C 群:3 例、D 群:3 例)を除 外した。その結果、FAS 症例は 93 例(A 群:22 例、B 群:25 例、C 群:22 例、D 群:24 例)、PPS 症例は 83 例(A 群:21 例、B 群:22 例、C 群:19 例、D 群:21 例)であった。 本登録症例:96 例 A 群:23 例 B 群:25 例 C 群:22 例 D 群:26 例 安全性検討症例:94 例 安全性検討除外症例:2 例 A 群:23 例 A 群:0 例 B 群:25 例 B 群:0 例 C 群:22 例 C 群:0 例 D 群:24 例 D 群:2 例 FAS 症例:93 例 FAS 除外症例:1 例 A 群:22 例 A 群:1 例 B 群:25 例 B 群:0 例 C 群:22 例 C 群:0 例 D 群:24 例 D 群:0 例 PPS 症例:83 例 PPS 除外症例:10 例 A 群:21 例 A 群:1 例 B 群:22 例 B 群:3 例 C 群:19 例 C 群:3 例 D 群:21 例 D 群:3 例 図ト− 4 症例の内訳

参照

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