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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2021

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様式8の2の2 別紙2

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 浦野唯一

本論文は「カナダ・日本の産業連関表による建築物の建設に伴うエネルギー消費量とCO2排出 量 に 関 す る 研 究 」 と 題 し て 、 カ ナ ダ と 日 本 の 建 築 物 に 使 用 さ れ る 主 要 材 料 の エ ネ ル ギ ー 消 費 量 原単位及びCO2排出量原単位を比較分析する方法論を構築し、国際比較をすることにより得られ る知見にもとづき建築物の建設に伴うエネルギー消費量及びCO2排出量削減方策を見出すことを 目的としたものである。

本 論 文 は 8 章 か ら 構 成 さ れ て お り 、 第 1 章 で は 研 究 の 背 景 及 び 目 的 を 述 べ て い る 。 第 2 章 は 、 建 築 物 の 総 合 環 境 性 能 評 価 シ ス テ ム と 省 エ ネ ル ギ ー 法 の 現 状 に つ い て 、 既 存 の 評 価 法 や 制 度 に よ り 課 題 と さ れ て い る 点 に つ い て 文 献 調 査 を 行 い 、 本 研 究 の 必 要 性 を 明 確 に し て い る 。 第 3 章 で は 、 カ ナ ダ ・ 日 本 の 産 業 連 関 表 を 用 い た 手 法 に よ り 建 築 材 料 に 関 す る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 及 び CO2排出量原単位を求める計算手法を提案している。第4章では、カナダ・日本における主要建 築材料のエネルギー消費量原単位及びCO2排出量原単位を求め、相互に比較・分析している。第 5 章 で は 、 カ ナ ダ ・ 日 本 に お け る 事 務 所 建 築 の 実 例 に 基 づ き 、 建 設 に 伴 う 資 源 投 入 量 、 エ ネ ル ギー消費量、CO2排出量を分析している。第6章では、環境配慮技術の一つである建築物の外皮 性 能 向 上 に 伴 う エ ネ ル ギ ー 消 費 量 ・ CO2排 出 量 、 運 用 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 ・ CO2排 出 量 に つ い て 分 析 し て い る 。 第 7 章 で は 、 建 物 の 外 皮 性 能 向 上 に よ る 効 果 を 都 市 規 模 で 分 析 し て い る 。 第 8 章 は、本論文の総括であり各章の結論ならびに今後の展望・課題について述べている。

本研究において得られた成果をまとめると次のようになる。

1)産業連関分析法によりカナダの産業部門別エネルギー消費量原単位及びCO2排出量原単位を算出し、

これを原単位データとして整備し、カナダ・日本の比較を行なうことを可能としている。

2)カナダ・日本の産業部門別エネルギー消費量原単位及びCO2排出量原単位と統計データから建築産 業、建物、建築部材それぞれのエネルギー消費量及びCO2排出量原単位の特徴を分析し、カナダの主要 建築部材のエネルギー消費量原単位は、日本の主要建築部材のエネルギー消費原単位より大きいこと を明らかにしている。

3)カナダ・日本の事務所建築の建設に伴うエネルギー消費量及びCO2排出量について主要部材別・工事 分類別の特徴を明らかにした。日本の事務所建築における躯体工事のエネルギー消費量はカナダの事 務所建築に比べ約15%程度大きく、設備工事のエネルギー消費量・CO2排出量については、カナダの事 務所建築に比べ約38%程度大きいことを明らかにしている。

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4) カ ナ ダ ・ 日 本 の 事 務 所 建 築 に お け る 水 平 日 射 遮 蔽 物 設 置 に 伴 う エ ネ ル ギ ー 消 費 量 ・ CO2排 出 量 は 、 窓 の み の 外 皮 性 能 向 上 に お け る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 ・ CO2排 出 量 と 比 較 し て 、 そ れ ぞ れ 1.2

〜2倍程度大きくなることを明らかにし、水平日射遮蔽物の設置は、建設時のエネルギー消費量

・CO2排出量を考慮すると、条件によって効果が異なることを示している。

以上のように、本研究は産業連関分析法を使用し、カナダ・日本の建築産業におけるエネルギ ー消費原単位及びCO2排出量原単位の特性を明らかにし、その適用方法に関する研究をまとめた ものであり、工学的観点から優れた研究成果となっている。

本論文については、2015年2月12日に本学工学研究科10号棟アカデミアホールにおいて、審査 委 員 全 員 の 出 席 の も と に 公 聴 会 が 開 催 さ れ 、 研 究 内 容 に 関 す る 発 表 と 質 疑 が 行 わ れ た 。 公 聴 会 の 後 に 審 査 委 員 全 員 に よ る 学 位 審 査 委 員 会 が 開 催 さ れ 、 本 論 文 の 内 容 を 詳 細 に 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 本 研 究 に よ り 建 築 計 画 お よ び 建 築 環 境 工 学 の 分 野 で 新 し い 知 見 が 得 ら れ た こ と が 認 め ら れ 、 本 論 文 は 工 学 的 に 価 値 の あ る も の で 、 研 究 内 容 の 学 術 レ ベ ル 、 研 究 と し て の 独 創 性 に お い て も 優 れ た も の と 判 断 し た 。 よ っ て 、 本 論 文 は 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 論 文 に 値 す る も の と 認 め る 。

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