算数・数学担当教員の授業実践カの向上に関する研究
新ヰ・領域教育専攻 自然系コース(数学) 松 田 勇 輝
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.はじめに「生きる力」の知的側面として捉えられてい る「確かな学力」は,自分で、課題を見つけ,自 ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,
よりよく問題を解決する資質や能力(中央審議 会, 1996) として捉えられており,これを育ん でいくことは,学校教育における重要な課題の 1つである。
学校教育において,授業を実施・成功させる
「授業実践力Jは,児童生徒の学力の向上に直 接関わる教員の指導力として,早急に求められ ている(秋田, 2009)。教員は,授業実践力を向 上させることにより,児童生徒の基礎的・基本 的な学力の定着とともに,確かな学力の確立を
目指さなければならない。
そこで,本研究では授業実践力の向上を図る システムの開発を目的とした研究を行う。そし て,システムの実践を通じて,授業実践力がど のように向上するかを考察する。
2.授業実践力向上システムの開発
教員の授業実践力の向上には,自らの授業に 対する「省察Jと「反省J,及び同僚の助言が 重 要 な 徳JIを果たすと言われている(稲垣・久 冨編, 1994) 0 また,授業実践力は授灘
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授 業中,授業後のそれぞれの段階で構成要素は異 なり,それら3つの段階に関わる力の総合力として捉えることができる。
指 導 教 員 秋 田 美 代
授業実践カは,授業前,授業中,授業後のそ れぞれの段階において以下のような構成要素が 考えられる。
1) 授業前
「教科の専門的知識J
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新ヰ内容の構造分析 力Jr
耕オ研究力Jr
指導目標の把握・分析力」「耕オ収集・編成力J
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授業計画力」2)授業中
「児童生徒瑚卒力J
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授業展開力Jr
使命感」3)授業後
「授業分析力J:r授業矧面力Jr授業改善力」
これらの授業実践力を向上させるためには,
「授業設計一授業実践‑授業矧面一授業改善J のづ車の活動として実施する中で,自らの授業 の省察と反省,同僚からの助言や評価を取り入 れていくことが重要である。そこで,
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浦導単元の構造分析→②学習指導案,耕オ・教具の作成→ ⑩期樹受業 → 笹凝 業 訓 面 →
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綬 業 観 察 → 鎖 販 授 業 →d
授業矧面の流れを実施する中で,授業実践力向上言判面表 を用いて,自分自身の授業実践力を評価できる 授業実践力向上システムを開発し,授業前,授 業中,授業後における授業実践力の向上を図る。
3.謂査内容 (1)調査対象
教員養成大学学生(算数・数学科) 15名
‑289‑
(2)調査自的
授業実践力向上システムを実践することで,
教員を目指す学生の授業実践カがどのように向 上するかを考察する。
(3)調査方法
①三平方の定理の構造分析(全員) → ② 学習指導案,耕オ・教具の作成(全員) → ③ 模擬授業1回目(代表者) → @ 渡 業 開 面1 回目(全員) →⑪期疑授業観察(大学教員)
一一今 創期疑授業2回目(代表者) → @ 授 業 評価2回目 (全員)
4.調査結果と分析およt賭 察
図1,図2はシステムの実践前と実蹄麦にお いて,授業実践カの要素を5段階で自己評価を 行ったときの平均を表した図と,その差を表し た図である。
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授業実践力の要素 i
図1 自己評価の平均値
図2 自己評価の平均値の差
図1,図2から,授業実践力向上システムに おける実践によって,いずれの授業実践力の要 素に関しでも向上していることが分かる。その 伸びの平均値は0.9であり,百分率においての 平均値は約40%である。その中でも特に,①三 平方の定理の構造分析での要素 3.耕オ研究力 の差は1.2,②学習指導案,耕才・教具の作成 での要素 4.指導目標の把握・分析力における 差は1.4と,百分率に換算するとそれぞれ約 72%,約77%と伸びが大きい。
また,授業実践力向上システムを通じての学 生の感医、として,
‑他の人の評価を聞くと, 自分自身の授業の見 方が広がってよい0
.どうすればよし、授業になるカ考える力が身に ついた。
‑これまでの活動を通して, 自分の力が向上し たと感じる。自信になった。
など,自分自身の授業実践力の向上を実感して いる意見が多かったことかあ,この活動は授業 実践力を向上させる上で効果が高かったと考え
られる。
5.おわりに
本研究では,授業実践力を向上させるシステ ムの開発を行い,教員を目指す学生を対象とし て,システムの実践を行った。その結果,授業 前,授業中,授業後の授業実践力の構成要素は いずれも向上し,その伸びは平均で約40%であ ったO また,システムを通じて自分自身の授業 実践カが向上したと感じている学生は多いこと
も明らかとなったo
今後の課題としては,模凝授業を多くの参加 者が実践できるようにシステムを改善させてい くこと,学校現場で活用できるシステムとして 構築していくこと等である。
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